JP4374906B2 - 光変調装置及びその光学調整方法、投射型表示装置 - Google Patents

光変調装置及びその光学調整方法、投射型表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に一次元型構成の光変調素子を用いる各種光学装置に適用して好適な光変調装置及びその光学調整方法、投射型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクタやプリンタなどの各種画像表示装置において、画像の解像度を上げる方法として、1次元の画像表示用光変調素子からの光束を光走査手段で走査しながら画像形成手段に投影し、2次元画像を形成する方法が知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
この1次元の光変調素子として、米国シリコン・ライト・マシン(SLM)社が開発したGLV(Grating Light Valve)が知られている(例えば特許文献2及び3参照。)。
【0004】
このGLVは、光の回折を利用した位相反射型の回折格子より構成される。GLVの一例としては、図6に示すように、例えば条帯状の第1の面30aと第2の面30bとにより構成され、この第1の面30a及び第2の面30bを相対的に移動させることにより回折格子を構成する。図示の例では例えば3本の可動リボンより成る第1の面30a及び3本の固定リボンより成る第2の面30bが交互に配置されて6本のリボンより成るリボン素子として構成される。
【0005】
このような構成のGLVに対し、基板(図示せず)側の共通電極32と第1の面30aとの間に適切な電圧を印加することによって、第1の面30a、すなわち可動リボンが適切量基板側に移動して変形し、入射光に対する回折格子が構成される。
このGLVにおける第1の面30aは、その幅及び長さがそれぞれ例えば25μm、200μm程度と微小なサイズであるため、高速なスイッチング動作が可能であるという利点を有する。更にまた広い帯域幅の表示、すなわち駆動電圧を変調して可動リボンの動作距離を制御し、これに対応して回折光の反射率を変化させ、光量の変化の高い変調度が実現できることから、高い解像度で、低い動作電圧及び小型の画像表示装置を提供することが可能である。
【0006】
しかしながらこのような一次元型構成の光変調素子を用いて例えば表示装置を構成する場合、例えば図6において説明したような6本のリボン等より成るリボン素子が1画素相当とされて、このリボン素子がリボン幅方向に1000個程度並置配列され、各素子の動作により変調された光が例えばガルバノミラー等の走査手段により走査されてスクリーン等に投影又は印刷などが行われる。
【0007】
この場合、一次元型構成の光変調素子に対し、一次元の延長方向に一定の長さに成形され、これとは直交する方向には適切な幅をもって集光される長尺状の形状に光源からの光をビーム成形する必要があり、LCD(液晶ディスプレイ)やマイクロミラーを用いるDLP(Digital Light Processing、テキサス・インスツルメンツ社登録商標)等の二次元型構成の光変調素子を用いる場合と比較すると、光学装置の配置構成が複雑となる(例えば特許文献4参照。)。
またその製造にあたって、プリズムやコリメートレンズ等の各種光学部品を、精度良く位置合わせして固定配置する必要があるため製造作業が煩雑となり、このような一次元型構成の光変調素子を用いて信頼性、安定性に優れた各種光学装置を構成するには、生産性、歩留まりの向上を図り難いという問題がある。
【0008】
【特許文献1】
米国特許第5982553号
【特許文献2】
米国特許第3164824号
【特許文献3】
米国特許第5941579号
【特許文献4】
特開2002−169123号公開公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題に鑑みて、一次元型構成の光変調素子を用いる場合においても複雑な光学調整を不要とし、簡単な構成の光学調整機構を設けることによって、より信頼性、安定性に優れた光変調装置、これを用いた投射型表示装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光源からの光を一次元型構成の光変調素子に照射して光変調する光変調装置において、光と、光源からの光が入射される一次元型構成の光変調素子と、光源から第1の方向、例えば直交するX、Y、Z座標のY方向に拡散された光をコリメートする第1のレンズと、この第1のレンズから出射される光をその光軸方向及び第1の方向とほぼ直交する第2の方向(例えばX方向)に集光する第2のレンズと、光源からの光の光路に対し、第1のレンズ及び第2のレンズを、第2の方向(X方向)に移動させて位置調整を行う第1の調整手段と、第2のレンズをその光軸にほぼ沿う第3の方向(例えばZ方向)に移動させて位置調整を行う第2の調整手段と、第2のレンズを第3の方向を回転軸とする回転方向に移動させて位置調整を行う第3の調整手段と、第2のレンズから出射され、光変調素子において変調して出射された光をモニターするモニター手段とを設ける。
【0011】
また本発明は、光源からの光を一次元型構成の光変調素子に照射して光変調する光変調装置において、光源と、上記光源からの光が入射される一次元型構成の光変調素子と、上記光源から第1の方向(例えばY方向)に拡散された光をコリメートする第1のレンズと、上記第1のレンズから出射される光をその光軸方向及び上記第1の方向とほぼ直交する第2の方向(X方向)に集光する第2のレンズと、上記光源及び上記第1のレンズとの間に設けられ、上記光源からの光を第1の方向(Y方向)に拡散する第3のレンズと、上記光源と上記第2のレンズとの間に設けられ、上記光源からの光を反射するミラーと、上記光源からの光の光路に対し、少なくとも上記ミラー及び上記第2のレンズを、上記第2の方向(X方向)に移動させて位置調整を行う第1の調整手段と、第2のレンズをその光軸にほぼ沿う第3の方向に移動させて位置調整を行う第2の調整手段と、第3のレンズをその光軸にほぼ沿う方向を回転軸とする回転方向に移動させて位置調整を行う第3の調整手段と、第2のレンズから出射され、光変調素子において変調して出射された光をモニターするモニター手段とを設ける。
【0012】
更に本発明は、上述の各構成による光変調装置において、光源と第2のレンズとの間に、光源からの光を反射するミラーを設け、少なくともこのミラーと第2のレンズとを第1の調整手段により第2の方向(X方向)に移動して位置調整を行う構成とする。
【0013】
また更に本発明は、上述の構成による光変調装置を用いて好適な光学調整方法を提供するものである。すなわち、光源からの第1の方向(例えばY方向)に拡散された光をコリメートする第1のレンズと、第1のレンズから出射される光をその光軸方向及び第1の方向とほぼ直交する第2の方向(例えばX方向)に集光する第2のレンズとを設け、第2のレンズから出射され、一次元型構成の光変調素子において変調して出射された光をモニターして、少なくとも光源からの光の光路に対し、第1のレンズ及び第2のレンズを、第2の方向に移動させて位置調整を行う第1の調整と、第2のレンズをその光軸にほぼ沿う第3の方向に移動させて位置調整を行う第2の調整と、第2のレンズを第3の方向を回転軸とする回転方向に移動させて位置調整を行う第3の調整とを行う。
【0014】
更に本発明は、光源からの第1の方向に拡散された光をコリメートする第1のレンズと、第1のレンズから出射される光をその光軸方向及び第1の方向とほぼ直交する第2の方向に集光する第2のレンズと、を設ける。更に、光源と第1のレンズとの間に光源からの光を第1の方向に拡散する第3のレンズと、光源と上記第2のレンズとの間に光源からの光を反射するミラーと、を設ける。そして第2のレンズから出射され、光変調素子において変調して出射された光をモニターして、光源からの光の光路に対し、少なくともミラー及び第2のレンズを第2の方向に移動させて位置調整を行う第1の調整と、第2のレンズをその光軸にほぼ沿う第3の方向に移動させて位置調整を行う第2の調整と、第3のレンズを第3の方向を回転軸とする回転方向に移動させて位置調整を行って第3の調整とを行うものとする。
【0015】
また本発明による投射型表示装置は、上述の各構成による光変調装置を用いて投射型表示装置を構成するものである。
【0016】
上述したように、本発明は、一次元型構成の光変調素子を用いる光変調装置において、光源からの光を、光変調素子の一次元形状の長手方向となる第1の方向(例えばY方向とする)にコリメートし、且つその幅方向には所定の幅をもって集光した細長いビーム形状として光変調素子に照射させるもので、一次元形状の光変調素子に対して精度良く、且つ、上述したように調整手段を設けた光学系から出射される光を一旦光変調素子に照射し、ここからの変調光をモニター手段によってモニターすることによって、光変調素子にビーム照射する位置に対し、長尺方向と直交する幅方向、焦点距離方向(奥行き方向)、更に回転方向の位置調整を簡単且つ精度良く行うことができるものである。
【0017】
即ち本発明は、光源からの光を第1の方向に拡散して第1のレンズによりコリメートして、第2のレンズにより光変調素子に光を照射するものであるが、まず光源からの光は第1のレンズにより一次元光変調素子の長手方向の長さに調整される。
そして、この第1の方向(例えばY方向)とほぼ直交する第2の方向(例えばX方向とする)に第1の調整手段により移動させて、光変調素子の長手方向と直交する横方向の位置の第1の調整を行う。さらに、第2のレンズをその光軸方向に沿う第3の方向(例えばZ方向)に第2の調整手段により移動させて焦点距離を調整する第2の調整を行う。そして、この第2のレンズの回転、ないしは光源からの光を拡散する第3のレンズを光源と第1のレンズとの間に設ける場合はこの第3のレンズの回転を第3の調整手段により行い、光変調素子に照射される回転方向のずれ、すなわち光変調素子の長手方向から斜めにずれた場合の3の調整を行う。
【0018】
このように、本発明においてはモニター手段を設けて光変調素子から出射される光をモニターすると共に、照射位置の3方向の位置ずれを上述の第1〜第3の調整を行うことによって、精度良く調整することができる。また、これら調整手段は、各レンズ等の位置調整を行う例えば水平方向移動手段や回転手段を設けるのみの簡易な構成であることから、簡単な装置構成の光変調装置、光学調整方法を提供することができる。
特に、ミラーを設けて光路を例えば90°変換する場合は、このミラーと第2のレンズのみを第2の方向に移動させて第2の方向の位置調整をすることができることから、装置構成のより簡易化、小型化を図ることができる。
【0019】
このように、本発明によれば、一次元型の光変調素子を用いる光変調装置において、その光変調素子への光源からの光を確実に適切なビーム形状をもって照射させることが光学装置の組み立て後に可能であり、このような光学部品の組み立て構成作業の簡易化を図ると共に、生産性の向上、歩留まりの向上を図ることができる。
更に、このような光変調装置を用いて投射型表示装置を構成する場合は、高解像度での表示が可能であり、且つその光学系の組み立て調整が簡易で生産性に優れた投射型表示装置を提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明による各実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の各例に限定されることなく、その他種々の変形、変更が可能であることはいうまでもない。
【0021】
(1)第1の実施の形態
図1に本発明の一実施の形態による光変調装置の構成図を示す。図1に示す例は、光源10からの光を一次元型構成の光変調素子13に入射して光変調する光変調装置であって、例えば半導体レーザが一次元状に配列されたいわゆるアレイ状レーザ等の光源10を用いる。この場合、光源10からの光は、第1の方向、例えば矢印X、Y及びZで示す座標においてY方向(図示の例では図1の紙面に直交する方向)に拡散される。そしてこの光変調装置においては、少なくともこの第1の方向に拡散された光Lをコリメートするコリメートレンズ等より成る第1のレンズ1と、この第1のレンズ1から出射される光をその光軸方向及び第1の方向とほぼ直交する第2の方向(Z方向)に集光するシリンドリカルレンズ等より成る第2のレンズ2とを設ける構成とする。
【0022】
そして、本実施の形態においては、少なくとも光源からの光の光路を、第2の方向、図示の例では図1の紙面において上下方向である矢印aで示す方向に移動させて位置調整を行う第1の調整手段5と、第2のレンズ2をその光軸にほぼ沿う第3の方向、図示の例では横方向である矢印bで示す方向に移動させて位置調整を行う第2の調整手段6と、第2のレンズ2を第3の方向を回転軸とする矢印cで示す回転方向に移動させて位置調整を行う第3の調整手段7と、第2のレンズ2から出射され、光変調素子13において変調して出射された光をモニターするモニター手段22とを設ける構成とする。
【0023】
光変調素子13としては、例えば前述の図6において説明したようなGLV型構成の一次元型光変調素子を用いることができる。すなわち、例えば少なくとも第1の面及び第2の面を有し、この第1の面と第2の面とを相対的に移動させることにより回折格子を構成して光変調される構成とすることができる。具体的には、例えば6本の条帯状のリボン素子を例えば3本ずつの可動リボンと固定リボンとを交互に配置して基板上に構成する。そして、基板側の共通電極と可動リボンとの間に適切な電圧を印加することによって、可動リボンが適切量基板側に移動して変形し、入射光に対する回折格子を構成して、光変調を行う構成とする。尚、図示の例では、光変調素子13とモニター手段22との間に、光変調素子13から出射された変調光を調整する光学系21を設けた場合を示す。
この光学系21は、例えば光変調素子13を上述の回折格子を設ける構成のGLV型光変調素子とする場合は、変調された±1次回折光を合成するとか、不要な次数の回折光を除去するオフナーリレー光学系、シュリーレンフィルターなどにより構成とすることができる。また、その他の構成による1次元型構成の光変調素子を用いる場合、この光変調素子からの出射光をモニター手段22に効率よく入射させる光学系を適用することができる。
また、モニター手段22としては、例えば積分球及びフォトディテクター等により構成することができる。
尚、このようなモニター手段22に入射される変調光は、例えば最も輝度の強い変調光を用いることが望ましい。
【0024】
次に、このような構成による光変調装置の光学調整方法について図2を参照して説明する。図2A(a)〜(c)は、一次元状の光変調素子13上に照射された光の照射位置Sの位置ずれ態様の例を模式的に示したもので、一次元型光変調素子13の長手方向をY、幅方向をXとして示す。すなわち、図2Aにおいては各一点鎖線X及びYは、上述の図1におけるX軸及びY軸方向と同一の方向を示す。
図2A(a)の例では照射スポットSが斜めに照射された場合で、上述の第3の調整手段による矢印cで示す回転方向の移動による第3の調整によって、図2A(d)に示すように所望の位置に照射位置Sを調整することが可能となる。
【0025】
また、図2A(b)の例は、照射位置Sが横方向にずれた場合で、上述の第1の調整手段による矢印aで示す横方向の移動による第1の調整によって、同様に図2A(d)に示す所望の位置に調整することができる。
また図2A(c)の例は、集光レンズである第2のレンズ2による焦点距離がずれた場合の照射位置Sを示す。この場合は第2のレンズ2の光軸方向である矢印bで示す方向の移動による第2の調整によって、焦点距離を精度良く調整し、同様に図2A(d)に示す位置に合わせることができる。
【0026】
具体的には、モニター手段22によって、照射位置(例えばXまたはY方向)に対する例えばフォトディテクタ等の検出パワーを図2B(a)〜(d)に示すようにモニターすることによって、調整手段の選択及び調整量の制御を行うことができる。即ち、図2B(a)に示すように凸状の波形を示す場合は、図2A(a)において説明した回転方向の第3の調整手段による位置合わせ、図2B(b)に示すようにパワーがほぼ0となる場合は、図2A(b)において説明した横方向の第1の調整手段による位置合わせ、図2B(c)に示すようにパワーが低く一定となる場合は、図2A(c)において説明した焦点距離方向の第2の調整手段による位置合わせをそれぞれ行う。このような調整動作により、図2B(d)に示すように、適切な位置に照射した場合の検出状態である一定の高いパワーとなるまで調整し、これにより精度良く位置合わせを行うことができることとなる。
【0027】
このような本発明構成による光変調装置、またこれを用いた光学調整方法によれば、簡単な構成で精度良く各方向への独立した位置合わせが可能であり、一次元型構成の光変調素子に光源からの光を効率よく照射させることができる。この場合、ビーム形状や強度分布などビームプロファイルは変化せず安定性に優れている。従って、このような本発明を利用することによって、高解像で高輝度の表示装置や印字装置、また通信機器に適用する場合は例えば高密度で高出力の光通信装置を提供することができることとなる。
またその製造にあたって、プリズムやコリメートレンズ等の各種光学部品を、精度良く位置合わせして固定配置する必要がなくなり、このような一次元型構成の光変調素子を用いて信頼性、安定性に優れた各種光学装置を生産性、歩留まりよく製造することができることとなる。
【0028】
また、図示しないが、上述の第1の実施の形態において、光源10と第2のレンズ2との間、具体的には第1のレンズと第2のレンズとの間に、光源10からの光を反射するミラーを設ける構成とすることもできる。この場合光源10の位置は、このミラーによって例えば90°光路方向を変換するときは、図1において上方向または下方向に配置され、ミラーに向かって即ちZ方向に沿って照射され、横方向のX方向に反射される。そして、このミラーと第2のレンズ2のみを第1の調整手段5により第2の方向、即ち図1において矢印aで示す上下方向に移動することによって、精度良くX方向の第1の調整を行うことができる。
【0029】
このような構成とする場合、第1の調整手段5をミラー及び第2のレンズのみを移動させる構成とすることができることから、その装置構成がより簡易化され、また装置の小型化を図ることができる。
【0030】
(2)第2の実施の形態
次に、本発明による第2の実施の形態の一例について図3の構成図を参照して詳細に説明する。図3において、図1と対応する部分には、同一符号を付して重複説明を省略する。
この例では、図3に示すように、光源10からの光を第1の方向、図示の例では紙面に垂直なY方向に拡散させるシリンドリカルレンズ等より成る第3のレンズ4を設ける構成とするものである。
【0031】
このように、一方向に光を拡散させる第3のレンズ4を設ける場合は、通常の半導体レーザ等の点状の光源を用いることができる。この場合の横方向、即ち図1におけるZ方向から見た構成図を図4に模式的に示す。図4において、図3に対応する部分には、同一符号を付して重複説明を省略する。光源からの光Lは、この第3のレンズ4によって拡散するが、そのY方向の拡がりは、第3のレンズ4と第1のレンズ1との距離を適切に選定することによって、調整することができる。
【0032】
またこの図3に示す例では、第1のレンズ1と第2のレンズ2との間に、光路を例えば90°変換するミラー3を設けた場合を示す。このようにミラー3を設ける構成とすることによって、前述の第1の実施の形態の変形例と同様に、このミラー3と第2のレンズ2のみを第1の調整手段により第2の方向、即ち矢印aで示す第2の方向に移動させる第2の調整を行うことができる。従って、この部分の装置構成を簡易化し、また全体の装置構成の小型化を図ることができる。
【0033】
この場合、第2の調整手段6は第2のレンズ2を図3の紙面において上下方向である矢印bで示す第3の方向に移動させることによって、この第2のレンズ2の焦点距離方向の位置調整を行うことができる。
また、第3のレンズ4を設ける本実施の形態では、光源からの光Lの回転方向の調整を、第3のレンズ4の矢印cで示す回転を行う第3の調整手段を設けて行うことができる。この場合、第2のレンズ2に設ける調整機構が簡易化され、より簡単な装置構成とすることができる。
【0034】
そしてこの図3に示す例において、光変調素子13により光変調されて出射された光を、光学系21を介してモニター手段22に入射して、上述の図2において説明した例と同様の調整方法をもって、光変調素子への照射位置の調整を行うことができることはいうまでもない。
この例においても同様に、小型で簡易な調整機構つき光変調装置を構成することができ、また光学部品等の複雑な位置合わせを不要として、信頼性、安定性の高い光変調装置の生産性、歩留まりの向上を図ることができる。
【0035】
なお、この実施の形態においても、ミラー3を設けることなく、光源からの光Lを1つの光路に沿って光変調素子13に照射させる構成とすることもできる。この場合は、第1の調整手段5によって、第1〜第3のレンズ1,2及び4、必要に応じて光源10を第2の方向(X方向)に移動して第1の調整を行うものとする。この場合においても、各調整手段5〜7の調整によって、光変調素子13への光の照射位置の精度良い制御を行うことができる。
【0036】
(3)第3の実施の形態
次に、本発明による光変調装置及び光学調整方法を、投射型表示装置に適用した場合の実施の形態の一例について図5を参照して詳細に説明する。この例においては、図3において説明した第2の実施の形態の一例を投射型表示装置に適用した場合を示す。
図5において、10R、10G及び10Bはそれぞれ赤、緑及び青色レーザ等の光源であり、ここから出射されたレーザビームは、それぞれシリンドリカルレンズ等より成る第1の方向、この例においては図5の紙面と直交する方向に拡散する第3のレンズ4R4G及4Bにより拡散されて、コリメートレンズ等より成る第1のレンズ1R、1G及び1Bにより所定の長さの平行光に調整される。そして、各色に対応したミラー11R、11G及び11Bによって、その配置位置により適切な方向に反射されて、シリンドリカルレンズ等より成る第2のレンズ2R、2G及び2B等により集光されて、例えばGLV等の一次元型構成の光変調素子13R、13G及び13Bに、所定の幅及び長さをもったビームとして入射される。
【0037】
ここで、各色に対応する光の光学系に、それぞれ第1の調整手段5R、5G及び5B、第2の調整手段6R、6G及び6B、第3の調整手段7R、7G及び7Bを設ける。各調整手段の移動方向は、図3において説明した例と同様に選定することができる。すなわち、第1の調整手段により、各光変調素子の幅方向の位置調整、第2の調整手段により、各光変調素子の集光レンズの焦点距離方向の位置調整、第3の調整手段により、各光変調素子の一次元方向の長手方向から傾いた回転方向の位置調整を行うことができる。
【0038】
そして、各光変調素子13R、13G及び13Bからの変調光は、例えばダイクロイックミラー14、15を介して1本の光束に集束され、上述の各実施の形態において説明した例と同様に、例えばオフナーリレー光学系及びシュリーレンフィルター等より成る空間フィルターを構成する光学系21を介して切り替えミラー23に入射される。ここで、モニター手段22により位置調整を行う場合は切り替えレンズ23により光をモニター手段22に入射させるようにする。また、位置調整が終了して投影を行う場合には、切り替えミラー23を例えば回転させるなどによって光学系21から出射され、例えば破線bで示す結像面で結像された像を投影レンズ17に入射させ、この投影レンズ17から出射された像を、スキャナー18により矢印gで示すようにスクリーン19の横方向に走査照射して、画像を投影することができる。
【0039】
例えば上述のGLV素子の代表的な構成例では、3本ずつの固定リボンと可動リボンとが交互に配置されるものであるが、光変調素子10R、10B及び10Gとして、リボンの幅方向にGLV素子を画素数分、例えば1080個配置して一次元型構成の光変調素子を構成することができる。
この1次元状の光変調素子に対し、上述の第1のレンズにより長手方向に所定の長さ、第2のレンズにより幅方向に所定の幅をもって照射されるようにレーザ光等のビーム形状を調整し、各光変調素子10R、10G及び10Bに画像信号に対応した電圧を印加することにより、各光変調素子から回折されて変調される変調光は、1次元状の所定の画素サイズ(長さ及び幅)を有し、画像信号に対応して変調されたビームとなる。これに対し、投影レンズ17により結像された像をスキャナー18により矢印gで示す方向に走査することによって、スクリーン19上に2次元画像として表示される。
【0040】
そしてこの場合においても、上述の図2において説明した調整方法を適用することによって、各光源からの光をそれぞれ各色の光変調素子の適切な位置に照射させるように精度良く位置合わせを行うことができる。
【0041】
このように、本発明を適用して投射型表示装置を構成することによって、投射型表示装置の光学部品の組み立てを簡易化すると共に、その位置合わせをモニター手段によって精度良く行うことができ、高解像で高輝度、且つ小型の投射型表示装置を適用することが可能となる。またその製造にあたって光学部品の組み立て作業の簡易化を図ることができ、生産性、歩留まりの向上を図ることができる。
【0042】
尚、上述の投射型表示装置においては、本発明による第2の実施の形態による光変調装置を用いて投射型表示装置の各色の光変調素子に対する位置合わせを行う場合を示したが、その他、図1において説明した第1の実施の形態による光変調装置、またこの図1に示す例においてミラーを設ける場合など、その他種々の構成とすることができる。
更にまた、上述の各レンズ、光学系、モニター手段等は、上述の例に限定されることなく、種々の構成の光学レンズ、光学部品を適用し得ることはいうまでもない。
【0043】
【発明の効果】
上述したように、本発明による光変調装置によれば、高解像化に有利な一次元型構成の光変調素子を用いる場合において、この光変調素子の長手方向と直交する方向の位置合わせを行う第1の調整手段と、集光レンズの焦点距離方向の位置合わせを行う第2の調整手段と、光変調素子に対する斜め方向の位置合わせを行う第3の調整手段とをもうけることによって、簡単な構成をもって、一次元型の光変調素子の表面に光源からの光を精度良く位置合わせを行うことができ、これにより効率よく光を照射することができて、高解像で高出力の光変調装置を提供することができる。
【0044】
特に、コリメート用の第1のレンズ、集光用の第2のレンズ2の間にミラーを設ける構成とする場合は、その光路の延長方向を適切な位置に調整することができ、装置の小型化を図ることができる。特に、ミラー及び第2のレンズのみを移動させることによって、光変調素子の長手方向と直交する幅方向の位置合わせを行うことができ、調整機構の簡易化、装置の小型化を図ることができる。
【0045】
また、光変調素子として、少なくとも第1の面及び第2の面を有し、この第1の面及び第2の面を相対的に移動させることにより回折格子を構成して光変調されて成るいわゆるGLV型構成の光変調素子を用いる場合においても同様に、その素子表面への光の照射位置を精度良く合わせ、効率のよい光変調装置を簡単な構成で提供することができる。
更に、光源からの光を拡散する第3のレンズを設け、この第3のレンズに回転方向の位置合わせを行う調整手段を設けることによって、各調整手段の構成の簡易化、小型化を図ることができる。
【0046】
また、本発明による光学調整方法によれば、一次元型構成の光変調素子に対して、光変調素子から出射された変調光をモニターすると共に、その長手方向と直交する幅方向の位置合わせを行う第1の調整と、集光レンズの焦点距離方向の位置合わせを行う第2の調整と、斜め方向の位置合わせを行う第3の調整とを行うことによって、簡単且つ確実に、精度良く光変調素子表面への位置合わせを行うことができ、光学部品の組み立て時の簡易化を図ることができる。
【0047】
更に本発明による光変調装置、光学調整方法を投射型表示装置に適用することによって、その光学部品の組み立てが簡易な、高解像で高輝度、小型で調整機構の簡易な投射型表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光変調装置の一例の概略構成図である。
【図2】光変調装置の光学調整方法の説明図である。
【図3】光変調装置の一例の概略構成図である。
【図4】光変調装置の要部の概略構成図である。
【図5】投射型表示装置の一例の概略構成図である。
【図6】一次元型の光変調素子の一例の説明図である。
【符号の説明】
1 第1のレンズ、2 第2のレンズ、3 ミラー、4 第3のレンズ、5 第1の調整手段、6 第2の調整手段、7 第3の調整手段、10 光源、13 光変調素子、14 ダイクロイックミラー、15 ダイクロイックミラー、17投影レンズ、18 スキャナー、19 スクリーン、21 光学系、22 モニター手段、30a 第1の面、30b 第2の面、32 共通電極

Claims (14)

  1. 光源と、
    上記光源からの光が入射される一次元型構成の光変調素子と、
    記光源から第1の方向に拡散された光をコリメートする第1のレンズと
    記第1のレンズから出射される光をその光軸方向及び上記第1の方向とほぼ直交する第2の方向に集光する第2のレンズと
    記光源からの光の光路に対し、上記第1のレンズ及び上記第2のレンズを、上記第2の方向に移動させて位置調整を行う第1の調整手段と、
    上記第2のレンズをその光軸にほぼ沿う第3の方向に移動させて位置調整を行う第2の調整手段と、
    上記第2のレンズを上記第3の方向を回転軸とする回転方向に移動させて位置調整を行う第3の調整手段と、
    上記第2のレンズから出射され、上記光変調素子において変調して出射された光をモニターするモニター手段とが設けられて成
    変調装置。
  2. 光源と、
    上記光源からの光が入射される一次元型構成の光変調素子と、
    上記光源から第1の方向に拡散された光をコリメートする第1のレンズと、
    上記第1のレンズから出射される光をその光軸方向及び上記第1の方向とほぼ直交する第2の方向に集光する第2のレンズと、
    上記光源と上記第2のレンズとの間に設けられ、上記光源からの光を反射するミラーと、
    上記光源からの光の光路に対し、少なくとも上記ミラー及び上記第2のレンズを、上記第2の方向に移動さて位置調整を行う第1の調整手段と、
    上記第2のレンズをその光軸にほぼ沿う第3の方向に移動させて位置調整を行う第2の調整手段と、
    上記第2のレンズを上記第3の方向を回転軸とする回転方向に移動させて位置調整を行う第3の調整手段と、
    上記第2のレンズから出射され、上記光変調素子において変調して出射された光をモニターするモニター手段と、が設けられて成る
    光変調装置。
  3. 上記光変調素子は、少なくとも第1及び第2面を有し、上記第1面及び第2面を相対的に移動させることにより回折格子を構成して光変調されて成る請求項1記載の光変調装置。
  4. 上記光変調素子は、少なくとも第1及び第2面を有し、上記第1面及び第2面を相対的に移動させることにより回折格子を構成して光変調されて成る請求項2記載の光変調装置。
  5. 上記光源からの光を上記第1の方向に拡散する第3のレンズが上記光源及び上記第1のレンズとの間に設けられて成る請求項2記載の光変調装置。
  6. 上記光源からの光を上記第1の方向に拡散する第3のレンズが上記光源及び上記第1のレンズとの間に設けられて成る請求項4記載の光変調装置。
  7. 光源と、
    上記光源からの光が入射される一次元型構成の光変調素子と、
    記光源から第1の方向に拡散された光をコリメートする第1のレンズと
    記第1のレンズから出射される光をその光軸方向及び上記第1の方向とほぼ直交する第2の方向に集光する第2のレンズと
    上記光源と上記第1のレンズとの間に設けられ、上記光源からの光を第1の方向に拡散する第3のレンズと、
    上記光源と上記第2のレンズとの間に設けられ、上記光源からの光を反射するミラーと、
    記光源からの光の光路に対し、少なくとも上記ミラー及び上記第2のレンズを、上記第2の方向に移動させて位置調整を行う第1の調整手段と、
    上記第2のレンズをその光軸にほぼ沿う第3の方向に移動させて位置調整を行う第2の調整手段と、
    上記第3のレンズをその光軸にほぼ沿う方向を回転軸とする回転方向に移動させて位置調整を行う第3の調整手段と、
    上記第2のレンズから出射され、上記光変調素子において変調して出射された光をモニターするモニター手段とが設けられて成
    変調装置。
  8. 上記光変調素子は、少なくとも第1の面及び第2の面を有し、上記第1の面及び第2の面を相対的に移動させることにより回折格子を構成して光変調されて成る請求項記載の光変調装置。
  9. 光源からの第1の方向に拡散された光をコリメートする第1のレンズと
    記第1のレンズから出射される光をその光軸方向及び上記第1の方向とほぼ直交する第2の方向に集光する第2のレンズとを設け、
    上記第2のレンズから出射され、一次元型構成の光変調素子において変調して出射された光をモニターして、
    上記光源からの光の光路に対し、少なくとも上記第1のレンズ及び上記第2のレンズを、上記第2の方向に移動させて位置調整を行う第1の調整と、
    上記第2のレンズをその光軸にほぼ沿う第3の方向に移動させて位置調整を行う第2の調整と、
    上記第2のレンズを上記第3の方向を回転軸とする回転方向に移動させて位置調整を行う第3の調整とを行
    変調装置の光学調整方法。
  10. 光源からの第1の方向に拡散された光をコリメートする第1のレンズと、
    上記第1のレンズから出射される光をその光軸方向及び上記第1の方向とほぼ直交する第2の方向に集光する第2のレンズと、
    上記光源と上記第2のレンズとの間に、上記光源からの光を反射するミラーと、を設け、
    上記第2のレンズから出射され、一次元型構成の光変調素子において変調して出射された光をモニターして、
    上記光源からの光の光路に対し、少なくとも上記ミラー及び上記第2のレンズを上記第2の方向に移動させて位置調整を行う第1の調整と、
    上記第2のレンズをその光軸にほぼ沿う第3の方向に移動させて位置調整を行う第2の調整と、
    上記第2のレンズを上記第3の方向を回転軸とする回転方向に移動させて位置調整を行う第3の調整とを行う
    変調装置の光学調整方法。
  11. 上記光源からの光を上記第1の方向に拡散する第3のレンズを上記光源及び上記第1のレンズとの間に設ける請求項12記載の光変調装置の光学調整方法。
  12. 光源からの第1の方向に拡散された光をコリメートする第1のレンズと
    記第1のレンズから出射される光をその光軸方向及び上記第1の方向とほぼ直交する第2の方向に集光する第2のレンズと
    記光源と上記第1のレンズとの間に上記光源からの光を上記第1の方向に拡散する第3のレンズと
    上記光源と上記第2のレンズとの間に上記光源からの光を反射するミラーと、を設け、
    上記第2のレンズから出射され、上記光変調素子において変調して出射された光をモニターして、
    記光源からの光の光路に対し、少なくとも上記ミラー及び上記第2のレンズを、上記第2の方向に移動させて位置調整を行う第1の調整と、
    上記第2のレンズをその光軸にほぼ沿う第3の方向に移動させて位置調整を行う第2の調整と、
    上記第3のレンズを上記第3の方向を回転軸とする回転方向に移動させて位置調整を行う第3の調整とを行
    変調装置の光学調整方法。
  13. 光源からの光を一次元型構成の光変調素子に照射して光変調を行い、光変調された光を投射して表示する投射型表示装置において、
    記光源から第1の方向に拡散された光をコリメートする第1のレンズと
    記第1のレンズから出射される光をその光軸方向及び上記第1の方向とほぼ直交する第2の方向に集光する第2のレンズと
    記光源からの光の光路に対し、上記第1のレンズ及び上記第2のレンズを、上記第2の方向に移動させて位置調整を行う第1の調整手段と、
    上記第2のレンズをその光軸にほぼ沿う第3の方向に移動させて位置調整を行う第2の調整手段と、
    上記第2のレンズを上記第3の方向を回転軸とする回転方向に移動させて位置調整を行う第3の調整手段と、
    上記第2のレンズから出射され、上記光変調素子において変調して出射された光をモニター時に切り替えミラーにより入射してモニターするモニター手段とが設けられて成
    射型表示装置。
  14. 光源からの光を一次元型構成の光変調素子に照射して光変調を行い、光変調された光を投射して表示する投射型表示装置において、
    記光源から第1の方向に拡散された光をコリメートする第1のレンズと
    記第1のレンズから出射される光をその光軸方向及び上記第1の方向とほぼ直交する第2の方向に集光する第2のレンズと
    上記光源及び上記第1のレンズの間に設けられ、上記光源からの光を第1の方向に拡散する第3のレンズと、
    上記光源と上記第2のレンズとの間に設けられ、上記光源からの光を反射するミラーと、
    記光源からの光の光路に対し、少なくとも上記ミラー及び上記第2のレンズを、上記第2の方向に移動させて位置調整を行う第1の調整手段と、
    上記第2のレンズをその光軸にほぼ沿う第3の方向に移動させて位置調整を行う第2の調整手段と、
    上記第3のレンズをその光軸にほぼ沿う方向を回転軸とする回転方向に移動させて位置調整を行う第3の調整手段と、
    上記第2のレンズから出射され、上記光変調素子において変調して出射された光をモニター時に切り替えミラーにより入射してモニターするモニター手段とが設けられて成
    射型表示装置。
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