JP4374465B2 - Emi共振線路試験装置及びemi定規 - Google Patents

Emi共振線路試験装置及びemi定規 Download PDF

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本発明は、EMI(Electromagnetic Interference の略で電磁障害)分野のEMI共振線路試験装置及びそのために有効なEMI定規に関する。
近年、デジタル化され高機能化された電子機器の代表とされるパソコンやプリンタなどの様々な工業製品から、不要な電磁波が放射される通信障害が発生している。この電子機器および様々な工業製品から発生する不要電磁波は、EMC(Electromagnetic Compatibilityの略で電磁両立性)規制の中のEMI規格で規定されていて、責任のあるEMI試験場で許容値以内に抑えないと電子機器を出荷することも許されない。このため電子機器および様々な工業製品の製造者にとって極めて重要な問題となっている。
このため、不要電磁波を低減するためにEMI試験場を利用してEMI試験が行われている。このEMI試験に合格すれば、EMI設計通りにことが進む。しかし、不合格の場合、EMI対策を施してあらためて再試験を行わなければならない。EMI試験とEMI対策は、EMI試験場で何度も繰り返されることが多い。しかし、やっと合格した場合であってもEMI対策と100%同じ内容をEMI設計に反映することはできない。もし、不十分なEMI設計で単に合格させただけのケースでは、当該電子機器を量産した場合、その量産品の不要電磁波の発生を確実に抑えられる保証にならなかった。
EMI設計の手法としては、遮蔽構造設計が主な方法とされている。この遮蔽構造設計では、EMI試験所の高価なEMI測定設備を利用してEMI試験を行う場合が多く、合格させるためにはEMI対策予算が膨大になるという問題があった。このため、しばしば予算不足となり、充分な遮蔽構造設計の確認を行うことができなかった。
また、EMI品質は、いろいろな要因で安定化しないという問題もあった。その結果、EMI試験を行うたびに毎回新たなEMI対策を行うことになる。このため、EMI設計者にとって、EMI試験を簡便に済ませることは、極めて重要なことになる。
そこで、より簡単で安価な手法によってEMI設計を行うことが試みられている。例えば、電波暗室やオープンサイトでの測定回数を減らし、高価なEMI設備の使用期間を少なくして、EMIを評価する方法やシステムが提案されている(特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の技術は、機器設計後の基板の電源・グランド間のノイズスペクトラムを測定し、これを所定の基準レベルと比較してEMI対策の要否を判定する技術である。
つまり、この判定によりEMI対策が必要とされると、EMI対策を施した後に、基板の電源・グランド間のノイズスペクトラムを測定し、このノイズスペクトラムからEMI対策をEMI対策の効果を評価している。
しかし、この従来のEMI対策において、EMI放射源のアンテナを発見することは、熟練技術者であっても簡単にできることではなかった。つまり、熟練技術者が、EMI試験の被測定周波数Fと、電磁波速度V(=F×λ)に基づいて、電磁波の波長λを求め、この電磁波の波長λに比例定数Pをかけて、EMI放射源のアンテナの長さL(=Pλ)を求めるという手順を踏む必要があった。
ここで、Pは0.25、0.5、及びその高次数倍の値をとる。Pλ共振の長さをLとすると、Pλの長さが実寸の長さに該当することになる。
また、特許文献1に記載の技術は、高周波プローブをスペクトルアナライザーに接続し、基板の電源層から引き出した測定端子と、グランド層から引き出した測定端子に高周波プローブを当てて、電源とグランド間のノイズスペクトラムを測定している。
この測定を機器設計後の基板、及びEMI対策を施した後の基板に対して行い、EMI対策の効果を確認するようにしている。なお、この測定が有効なのは、電源・グランド層間のノイズスペクトラムとEMIとの間に何らかの相関があるからである。
このように、特許文献1に記載の技術は、電源・グランド層間のノイズスペクトラムとEMIとの相関を利用して、電源グランド層間のノイズスペクトラムが大きい場合にはEMIが大きく、EMI対策をとる必要があると判断している。なお、電源グランド層間のノイズスペクトラムが小さい場合にはEMIも小さいので、特に対策を講じる必要はないと判断するのである。そして、EMIが小さく対策が必要ないと判定された場合のみ、電波暗室やオープンサイトでのEMI測定を行うようにする。
また、導体を電気回路に接触するだけで、電気回路のノイズ源を特定して迅速にEMI測定をすることが可能なEMI測定用治具も提案されている(特許文献2を参照)。
この治具は、プラスチック等の非導電性の材料で形成された筐体内に、長さのことなる3本の導体を配置して構成されている。この3本の導体は、EMI規制の対象となっている周波数帯域(30MHz〜1GHz)のどこがノイズ源かを調査できるように、導体の長さを250mm(300MHz用)、125mm(600MHz用)、75mm(1GHz)の3種類としている。
そして、この3本の導体の中から最適な長さの導体を、ノイズ源の周波数に応じて電気回路に接触させることにより、接触した箇所の電気回路の電磁エネルギーを効率よく電磁波に変換するのである。
また、コンピュータ解析によるEMI放射量の予測方法で、電源−接地の層構造−空間までを連続する伝送線路とみなし、回路的な透過係数の視点でプリント基板から放射されるEMI放射量を予測する方法も提案されている(特許文献3参照)。
特許文献3で提案されている手法の理論的な根拠は、明示されていないが、FIELD CELLS (非特許文献1、以後、フィールドセル理論とする)手法と考えられる。特許文献3の開示データの分析から、透過量が多い周波数点は、動作インピーダンスの変化が大きく、EMI放射量の悪化につながる傾向を示していることが分かる。
ここで、前述したフィールドセル理論(非特許文献1)について簡単に説明しておく。
フィールドセル理論は、導体から空間へつながるストリップ形の伝送線路があることを表現した基本的な理論である。非特許文献1では、交流電気回路動作から空間の伝送線路動作までを一連のエネルギーの流れを理論的に検証し、様々な伝送線路接続があることを示している。
また、IEC国際電気標準会議で採用されたCISPR規格のEMI試験は、電磁波の測定であり、その実測値は、平均値で一致することが検証済みである。EMI試験で使われた測定用アンテナは、1/2λ形のダイポールアンテナであり、そのことから前記EMI試験対象物には、ある種のアンテナがあることを示唆している。本文において、それをEMI放射源のアンテナ(EMI共振線路のPλ共振アンテナ)としている。
EMIに関わるフィールドセル理論の伝送線路は、二種類が考えられる。一つは、高周波電流が流れる導体の伝送線路である。この伝送線路は、高周波インピーダンス素子、共振器、発信器、フィルターとして利用されていて、それらは、1/4λ共振、1/2λ共振、それらの高調波次数倍の共振を生じることからPλ共振の伝送線路である。その構造は、平行2線の線路、同軸線路、平行2平面の線路などと様々である。
もう一つは、電磁波が進む誘電体や磁性体などの伝送線路である。この伝送線路は、アンテナ多素子化、シールドカーテンとして利用されていて、1/4λ距離の境界で反射されて作られる電磁波の低損失空間、2波の電磁波の反射と合成により生じるTE/TMのモード波の発生空間がある。このようにPλ共振は、様々な伝送線路を介して説明される基本的なものである。
しかしながら、平面的なEMI試験対象物においては、理論的な辺長さ(平面のうちの一つの辺の長さ)で求めたPλ共振は、実物になると平面の面積や辺の長さが関係してPλ共振がずれることがある。また、ある誘電率の媒体としてコンピュータ解析で求めたPλ共振は、実物になると高周波特性が微妙に変わるために、実物のPλ共振とずれることがある。また、様々な大きさ、曲げ、形、穴、配置ズレ、ネジ止め、ネジ締めトルクなどの組合せでPλ共振のずれが起こりうる。そのような事象に対して、表現上の説明対応や、Pλ補正値を微妙に変えて補正することになる。
工業製品に使われている金属は、すべてEMI放射源のアンテナとなる。例えば、金属でできた筐体の上蓋をとると、Pλ共振周波数が変わることもあり、その為の補正が必要になる。また、プリント基板の誘電率でも電気長が変わるので、Pλ共振の周波数が変わってくる。このため、プリント基板のパターンの長さを√誘電率倍にするなどの補正が必要になる。
EMI放射源のアンテナの長さを求めるには、経験をもとにしたPλ共振の予測が必要である。例えば、EMI試験の被測定周波数が、750MHzの場合、Pλ共振のアンテナの長さは、1/4λ共振で0.1m、高調波次数共振の3/4λで0.3m、5/4λで0.5mとなる。また、1/2λ共振で0.2m、高調波次数共振の2/2λで0.4m、3/2λで0.6mとなる。このように、様々な長さのアンテナが考えられる。
また、EMI放射源(アンテナまたは波源)が出す電磁界放射レベルは、電磁界プローブ測定方法で測定する。つまり、様々な長さのアンテナや波源の関係で、最大点を示すものを電磁界プローブで探し求める。EMI放射源(アンテナまたは波源)を発見するためには、Pλ共振に関する経験と予測力を培うことが必要である。
ここで用いた「アンテナ」の用語は、通常の「アンテナ」と同じ意味を表わす。しかし、正規の形のアンテナを指しているのではなく、電磁波の放射と反射と吸収の働き、又は、その働きをする物としての意味で用いている。EMI放射源のアンテナは、平面を立体的に組合せた形が多く、正規品の棒状の形ではない。このEMI放射源のアンテナを、電子機器のEMI設計図面、資料、及び、実物を見ただけで、指し示すのは、高周波の知識と経験を持つ者であっても、決して簡単なことではない。
特開平11−94889号公報 特開2008−89547号公報 特開2006−266863号公報 ELECTROMAGNETICS WITH APPLICATIONS FIFTH EDITION.KRAUS/FLEISCH (社)エレクトロニクス実装学会 電磁特性技術委員会 2005 サマーセミナー たかがグラウンド?されどグラウンド!
以上説明したように、フィールドセル理論の伝送線路の存在が証明されていることを知っているEMI設計者は、フィールドセル理論の伝送線路のPλ共振と、EMI放射源のアンテナのPλ共振との関係が、経験的にかなり近いことに気付いていた。
しかし、実際のEMI試験対象物は、平面的であったり、それを組み合わせた立体構造物であったりするために、その形の表現が難しいこと、それらのインピーダンス関係が分らないこと、入力端子が分らないこと、一般の50Ω測定系で正確に測れないこと、などの問題が有り、実測をあきらめることが多かった。また、無理に実測しても再現性・応用性の面で低いことが多かった。EMI放射源のアンテナのPλ共振の共振周波数を求める計算の回数および長さを求める計算の回数は、想像を超えて無数にあった。
特許文献1に記載の技術は、EMI放射源(のアンテナまたは波源)を発見するEMI対策において、EMI試験の測定データの周波数からアンテナの長さを求める計算に時間がかかること、共振周波数を求める計算に時間がかかること、Pλ共振の予測がはずれた場合の再計算に時間がかかること、アンテナの表現が正確にできないこと、そのアンテナの把握に手間取ること、などの問題があった。
特許文献2に記載の治具を用いたEMI測定は、EMI試験所の電波暗室で行われる点で経費の面で相当高いといった問題もあった。
特許文献3に開示されている技術は、コンピュータを利用した解析方法であること、品質安定化方法であること、EMI試験で実測すること、などから経費の面で相当高いといった問題もあった。
EMI試験所を利用して行うEMI試験およびEMI対策を行う方法は、進める前に事前にEMI試験所の予約が必要である。例えば、予約の希望が簡単に通れば、問題はすくないが、通らない場合には、利用者側は、開発期間の遅れ、開発経費の大幅アップ、商品納期の遅れ、競争力の低下等が発生する。これは、EMI経費の増大につながり、企業にとって大きな問題であった。
本発明の目的は、以上のような従来技術の問題点に鑑み、EMI試験所の予約がとれない事態を回避して、一般環境での測定が可能なEMI共振線路試験装置を提案することにある。
また、通常のEMI試験に最も近い形の試験データが得られる前記EMI共振線路試験装置にすると共に、前記EMI試験の測定データの周波数からEMI放射源のアンテナを測定することができるEMI定規を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のEMI共振線路試験装置は、さまざまな形や大きさを持ったアース構造物であるEMI試験対象物に直結させて接続の安定化をはかり、所定の周波数範囲の交番信号を掃引して供給するとともに、EMI試験対象物からの共振信号を受信する第1の探触子と、この第1の探触子に対して所定の周波数範囲の交番信号を供給する信号源と、第1の探触子がEMI試験対象物から検出した共振信号を受け取り、当該受信信号の周波数特性を表示することにより、EMI試験対象物の共振周波数を測定する周波数分析器と、EMI試験対象物を共振状態に置いたとき、EMI試験対象物から発生される電界の最大点および磁界の最大点を、EMI試験対象物と非接触で検出し、電界の最大点の数および磁界の最大点の数が奇数であるかまたは偶数であるかを探知できるようにした第2の探触子と、第1の探触子からの信号と第2の探触子からの信号を切り換えて周波数分析器に供給する切換スイッチと、を備えている。
前記周波数分析器では、前記第1の探触子の経路でPλ共振の全体像を見て、設計で予想した通りの高次数共振状態が出ていることを確認するためのPλ共振の広帯域周波数特性の表示が可能であるとともに、最も強いPλ共振(1/4λまたは1/2λの場合が多い)の共振周波数を探して絞り込んだ狭帯域周波数特性の表示とすることも可能である。そして、それらの表示を合わせ持つことによりPλ共振の全体的な把握および共振周波数の正確な絞り込み確認が可能である。
また、前記共振状態においたときは、単なる狭帯域周波数特性の表示になるだけでなく、前記第2の探触子の経路で電界または磁界の最大点の検出信号を周波数分析器に表示することができ、電界または磁界の最大点からEMI放射源のアンテナの形や長さを具体的に求めることができる。
本発明のEMI共振線路試験装置は、EMI試験対象物のPλ共振を想定した測定方法である。EMI試験対象物の直結部分のインピーダンスに関して、第1の探触子側の出力インピーダンスと同等かそれよりも低くすることが、Pλ共振を想定した測定方法の根拠となるといってもよい。
なお、本発明のEMI共振線路試験装置は、一般の環境で測定が可能な方法である。そのために何らかの悪影響でノイズレベルが突然大きくなることもある。そのような事態を考慮して、信号増幅器を適宜入れて、測定の基準レベルを高めることができる。
また、本発明のEMI共振線路試験装置は、共振インピーダンスを測定することになるので、測定系のインピーダンスが50Ω系からはずれやすい。そこで、各接続点において、整合用の減衰器を適宜入れて、測定値の再現性を高めている。
また、本発明においては、EMI放射源のアンテナは、フィールドセル理論による伝送線路のPλ共振であるとみなしているため、本発明のEMI定規は、一方の目盛り側面(JISS6032の用語、以後、JIS用語とする)に、そのPλ共振の長さに一致させた長さ測定用目盛りを配置し、他方の目盛り側面に、長さ測定用目盛りの始点に合わせ、Pλ共振周波数に一致させた周波数測定用目盛りを配置している。このように、本発明のEMI定規は、長さ対周波数の相互変換機能を備えている。
また、本発明のEMI定規は、上述したEMI共振線路試験装置を用いて、EMI放射源であるEMI試験対象物の共振周波数と、電界の最大点の数および磁界の最大点の数が奇数であるか偶数であるかに基づいて、EMI試験対象物のアンテナの場所および大きさを発見するための定規である。このEMI定規は、EMI試験対象物の被測定パターンの長さを求めるために、EMI放射源のアンテナのPλ共振長さに対応させた、一方の目盛り側面に設けた長さ測定用目盛りと、この長さ測定用目盛りの始点に合わせ、その始点からの距離をPλ共振周波数に一致させ、長さ測定用目盛りの反対側の側面に設けた周波数測定用目盛りとから構成されている。そして、本発明の好ましい形態として、長さ測定用目盛りは、1/2λ共振用の目盛りと1/4λ共振用の目盛りの2種類が設けられる。また、別の好ましい形態としては、周波数測定用目盛りが、1/2λ共振用の目盛りと、1/4λ共振用の目盛りの2種類が設けられている。
本発明のEMI定規により、EMI放射源のアンテナのPλ共振の共振周波数とその長さが分る。また、そのPλ共振で放射される電磁波の周波数は、本発明のEMI共振線路試験装置で分り、電界および磁界の最大点の数からPλ共振が推測できる。それらの値がほぼ一致することを確認できれば、EMI放射源のアンテナは、フィールドセル理論による伝送線路のPλ共振であることがわかる。従って、EMI試験データとほぼ一致する。
本発明によれば、EMI試験対象物をPλ共振のアンテナであるとみなして、EMI放射源のアンテナのPλ共振線路を予測することができる。そして、そのアンテナの長さ計算をする場合、EMI試験の被測定周波数をEMI定規上に設定するだけで、EMI放射源のアンテナの長さを無計算で求めることができる。また、EMI放射源のアンテナの長さからアンテナのPλ共振周波数を求めることができるので、電子機器内に存在するアンテナを短時間で発見することができる。有料のEMI試験場で計算を行なうことを考えたとき、その時間的な低減効果は大きい。
本発明のEMI共振線路試験装置は、一般の環境で測定が可能な方法である。このため、有料のEMI試験場を利用してEMI対策をする必要がなくなるので、その経費の節減効果は大きい。
また、本発明のEMI共振線路試験装置には、EMI試験対象物が発するEMIノイズを測定する機能があり、EMI対策に利用できる。
これまでのEMI分野は、EMI対策を主としていたために一部の限られた人達の実務的な勘と経験に頼る方向にあった。本発明のEMI共振線路試験装置及びEMI定規を商品化したことにより、誰でも自由に利用できるようになり、EMI対策からEMI設計へと時間の使い方が変えられる。それだけでなく、EMI経費を大幅に低減する効果がある。
以下、図面に従って本発明の実施の形態例を説明するが、まず、その前提として、本発明を実施するうえで有効な背景技術を説明しておく。本発明において、Pλ共振は、フィールドセル理論の伝送線路のPλ共振であり、EMI放射源のアンテナのPλ共振であるとみなしている。なお、伝送線路は、フィールドセル理論により求められる伝送線路の特性インピーダンスから、その存在を予測することができる。
EMI試験対象物が具備するEMI放射源のアンテナのPλ共振は、筐体などの金属導体のエッジで形成される場合がある。そのEMI放射源のアンテナの実体は、Pλ共振電流が流れる経路であり、フリンジング現象として共振電流が導体エッジの外周に集中してしまう傾向にあることが知られている。
また、EMI放射源のアンテナのPλ共振は、導体アースのネジ部で形成される場合も考えられる。なぜなら、導体アースのネジ部は、複数の構造物を接続する部分であることから、伝送線路を短絡する部分に当たる。そして、このネジ部を始点にして広がる構造物は、それ自体でPλ共振の伝送線路となり、先端開放形、または終端形の閉回路を形成する。更に、ネジ部には、周辺の共振電流が集中し、電流リターンルートの最大磁界ポイントが形成される。例えば、一つのネジで四方に広がるPλ共振を考えると、そのPλ共振の計算量は、非常に多くなることがわかる。
また、EMI放射源のアンテナのPλ共振には、進行波と反射波による合成波(定在波)が関係している。つまり、EMI波源から出た進行波が進み、境界で反射が起こり、進行波と反射波の合成である定在波が発生し、それが共振状態の波と同じ形であることが知られている。上述したCISPR規格のEMI試験で利用されたダイポールアンテナでは、その定在波が発生している。
もし、進行波と反射波が同じ道をたどるならば、合成波は簡単に推測可能であるが、プリント基板など平面的な場合、進行波の行方も反射波の行方も推測できないため、合成波の形(共振状態の波)を推測するのは難しい。また、1/4λ距離の閉空間が電磁波の低損失空間を作ることが明らかであり、この1/4λ距離の閉空間からは、高い指向性の電磁波が放射される。
本発明のEMI共振線路試験装置は、DUT(EMI試験対象物)のPλ共振を想定した測定方法である。DUT(フィールドセル理論の伝送線路のPλ共振の被試験体)に所定の周波数範囲の信号を供給すると、そのPλ共振は、入力インピーダンスの変化として現れる。そこで、入力電圧の変化を監視することにより、Pλ共振の低インピーダンス周波数特性を見ることにより、Pλ共振を知ることができる。
例えば、DUTを共振状態におき、電界または磁界の(近傍電磁界)プローブで、最大磁界ポイント、最大電界ポイントを測定することにより、Pλ共振を確認することができる。ここで、DUTを共振状態におくには、Pλ共振周波数付近を狭帯域で周波数スイープすることが必要である。そして、電界プローブで電界の最大点と最小点のレベルを受信することによりPλ共振の存在を確認することができる。
しかし、共振線路の選択度特性Qが低い場合(Q=10前後)、受信レベルは、数dB程度の変化しか起きないために測定が難しくなる。逆に、Qが高い場合、受信レベルは、数10dBも変化し、本発明のEMI共振線路試験装置のノイズがかぶることがある。また、一般の環境での測定が可能な方法なので、何らかの悪影響でノイズレベルが突然大きくなることもある。そのような事態に対して、測定の基準レベルを高めることが有効であるが、これに対しては信号増幅器を適宜入れることで対応が可能である。
なお、EMI定規で照合する場合、一般の長さ測定用定規の使用と同じようにして、アンテナと思われる部分の長さを測るようにEMI定規を沿わせるようにする。そして、その長さから、共振する周波数の値を簡単に求めることができるので、アンテナ発見時間を短縮することができる。
以下、図1〜図5に基づいて、本発明の実施形態例としてのEMI測定装置について説明し、その後発明者が考案したEMI定規について、図6〜12に基づいて説明する。
<EMI共振線路試験装置の説明>
図1は、本発明の実施の形態例(以下、「本例」ということもある)としてのEMI共振線路試験装置を表わしたブロック構成図である。本例のEMI共振線路試験装置は、EMI試験対象物(DUT:Device Under Testの略)に直結しているプローブ1(第1の探触子)と、DUTから発せられる電界または磁界を非接触で測定するプローブ2(第2の探触子)と、TG付スペクトラムアナライザ3と、DUT4から構成されている。
TG付スペクトラムアナライザ3は、任意の周波数の交番信号を発生する信号源としてのTG(Tracking Generator)7と、周波数分析器としてのスペクトラムアナライザSPA8から構成されている。TG7は高周波信号源であり、TG7から所定の周波数範囲の交流信号が発生されてTG付スペクトラムアナライザ3の出力端子(OUTPUT)から出力される。なお、スペクトラムアナライザSPA8は、周波数とレベルを同時に見ることができる測定器である。
TG付スペクトラムアナライザ3の出力端子は、グラウンドGND板5との接続点9経由で第1の探触子としてのプローブ1の入力端子Aに接続されている。また、プローブ1の出力端子Cは、EMI対象物DUT4の所定の測定点(接続点)Dに直結(半田付け、ねじ止め)されている。ここでプローブ1がDUT4に直結されるのは、回路接続を安定化するためであり、このプローブ1の回路に信号源であるTG7からの出力が供給されて、DUTの端子DよりDUT4に信号が供給されるようになっている。
また、プローブ1は、図2に示されるように、DUT4が共振状態になって低インピーダンス化した場合に、その出力レベルの低下を検出するための回路を備えている。
このプローブ1の回路の出力はスペクトラムアナライザSPA8に供給され、SPA8でプローブ1の検出信号波形を見ることにより、DUT4における共振周波数を知ることができるようになっている。なお、プローブ1とTG付スペクトラムアナライザ3間の入力/出力インピーダンスは、常時50Ωに設定されている。
ここで、DUT4をEMI試験対象物として説明してきたが、通常、DUT4はアース板5とともに、EMI試験対象物となる。このEMI試験対象物としてのDUT4は、電子機器の筐体の一部あるいは全部を含む。例えば、長方形のDUTがあれば、その筐体の端から端までの全てが、EMI試験対象物とされる。
また、プローブ1のもう一つの出力端子Bは、DUT4からの反射波を出力する端子であり、この反射波は、スイッチ6を経由して、GND板5の端子10に送られる。GND板5の端子10は、TG付スペクトラムアナライザ3の入力端子INPUTに接続されている。このような接続により、TG7から発生した所定範囲の周波数の波がプローブ1経由でDUT4に入り、このDUT4で反射した波が、再びプローブ1を経由してスペクトラムアナライザSPA8に供給されるようになっている。
DUT4としては、電源線、信号線、アース線、プリント板パターン、アースパターン、アース平面、筐体などさまざまな物が考えられる。このDUT4の線路としては、辺長さ形や平面形のもの、そしてこれらの形をしたDUTが、アース側と平行しているもの、あるいはアース側に対して傾斜しているもの、またはアース側に垂直なものなどが考えられる。
図1に示すEMI共振線路試験装置では、DUT4に直結させるプローブ1(第1の探触子)のほかに非接触で電磁界を測定するプローブ2(第2の探触子)が設けられている。このプローブ2は、EMI試験対象物であるDUT4を共振状態において、その電界最大点と磁界最大点の数を非接触で測定するプローブである。すなわち、プローブ2としては、電界結合用アダプタ(電界プローブ)と磁界結合用アダプタ(磁界プローブ)の二つが用意され、これらが適宜交換されて用いられる。
磁界プローブはDUT4から発生する磁界最大点を探すプローブであり、電界プローブは電界最大点を探すプローブである。現在、平面共振の分野は、解明が難しい分野である。わかりやすい一例として、このプローブ2で2箇所の電界最大点を見つけ、かつ2箇所の磁界最大点を見つけたとすると、1/2λ共振が起こっていることが推測される。つまり、磁界最大点と電界最大点の数が偶数のときは、1/2λ共振とされ、奇数のときは1/4λ共振と推測される。なお、最終的な確認は、長さと周波数とPλ共振のほぼ一致により可能である。
プローブ1とプローブ2は、切換スイッチSW6に接続され、このスイッチSW6の切換によって、プローブ1かプローブ2のいずれかの出力が、スペクトラムアナライザSPA8に送られるようになっている。このスイッチSW6は、共振周波数測定用のプローブ1と電界と磁界の測定用のプローブ2を切換えるスイッチであるが、例えばプローブ2をDUT4に近接させすぎた場合などには、共振周波数にズレが生じるので、スイッチSW6をこまめに切り替え、共振周波数のズレがないことを監視するようにしている。
図1では、TG付きスペクトラムアナライザを用いて、TG7からDUT4に対して交番信号を供給しているが、このようにTG7より交番信号を供給しない変形例も考えられる、すなわち、TG7から交番信号を供給する信号源の経路をDUT4から外して、DUT4を通電状態にする。そして、DUT4からのEMIノイズをプローブ1で検出する。このプローブ1の検出信号をSPA8に送り、実際のEMIノイズをSPAの画面に表示する。このEMIノイズは、実際のEMI試験データと比較照合するためのものであり、これによりEMI共振線路からの放射電磁波の周波数とレベル、及び実際のEMI試験データの周波数とレベルの比較がなされ、両者の相関を取ることができる。
そして、両者の相関関係から得られた補正値とそのバラツキが、EMI試験対象物のEMI品質に関係することが明らかになった場合には、この補正値とバラツキをEMI品質の管理やEMI設計に役立てることができる。更に、EMI対策やEMI試験対象物の受入れ検査の評価に利用することができる。
図2は、図1に示した本発明の実施形態例であるEMI共振線路試験装置において、特にプローブ1の部分を具体的回路構成として示した図である。図1と同じ構成の部分は同一符号を付している。
まず、TG付スペクトラムアナライザ3とプローブ1、プローブ2、スイッチSW6、EMI対象物5のDUT4との接続関係は図1と同じである。
図2に示すように、プローブ1の入力端子A及び出力端子Bからプローブ1側を見た入力インピーダンスは50Ωであり、一般の測定器の特性インピーダンスZの値と同じ値に設定されている。また、プローブ1の出力端子Cは、EMI対象物であるDUT4に接続される点であるが、このC点のインピーダンスはDUT4のD点のインピーダンスに合わせてさまざまな値をとるように配慮されている。ここでEMI対象物としては、DUT4と、このDUT4と線路を形成するアース側GND5とで構成され、アース側GND5は端子Eを経由してプローブ1のアース端子と接続されている。
一例ではあるが、プローブ1の回路は、信号供給側と信号検出側とも、π型に接続された抵抗回路で構成されている。そして、出力端子Cから信号供給側を見たインピーダンスZsと、出力端子Cから信号検出側を見たときのインピーダンスZdは、DUT部4のインピーダンスZと同等かそれよりも高い値に設定されている。これは、インピーダンスZsとインピーダンスZdが、DUT4のインピーダンスZよりも低い値になってしまうと、1/4λ共振において、低インピーダンスの共振点を見ることができないからである。この低インピーダンスの共振点は、後述する図5に示される低いインピーダンスの共振点(特異点)である。
例えば、DUT部4(EMI試験対象物)を接続しない開放の場合、EMI共振線路試験装置は、最大インピーダンスの接続と認識して、その監視レベル相当の信号をプローブ1から出力し、その監視レベルを共振測定の基準レベルと置く。DUT部4を接続した場合、もし、基準レベルが約6dB低下すれば、プローブ1の出力インピーダンス(ほぼZsの値)とDUT部4の入力インピーダンスZは、同じ値になる。また、もし、基準レベルが約20dB低下すれば、DUT部4の入力インピーダンスZは、プローブ1の出力インピーダンス(ほぼZsの値)の1/10、つまり、Z=0.1×Zsになる。このようにして監視レベルの値からDUTの共振インピーダンスZを求めることができる。そして、この共振インピーダンスZから共振点の周波数を求めることができる。
図5は、Pλ共振を説明するための図であり、横軸はPλ(m)の係数であるPを示し、縦軸はインピーダンス(Z)を示している。このインピーダンス(Z)はプローブ1の出力端子CからDUT4を見たときのインピーダンスであり、DUT4側が開放になると(例えば、Z=5kΩ)、インピーダンス(Z)がP=1/4で極小値となることが分かる。これは、Pλ=1/4λの周波数F(F=V/λ)で共振していることを意味している。
一方、DUT4側が短絡の場合、例えば、インピーダンス(Z)が0.5Ωのときは、P=1/4では、インピーダンス(Z)は最大になり、P=1/2でインピーダンス(Z)が最小になる。この状態は、1/2λ共振が起こっていることを示している。
なお、図5から分かるように、DUT4のインピーダンス(Z)が特性インピーダンスZ(=50Ω)に等しいときは、共振は起こらない。このような共振インピーダンスの変化があるために、本発明のEMI共振線路試験装置は、測定系のインピーダンスが50Ω系からはずれやすい傾向をもつ。そこで、インピーダンス変化が起こりやすい各接続点に整合用の減衰器を適宜入れて、測定値の再現性を高めることが有効である。
ここで、DUT4側からプローブ1の信号供給側を見たインピーダンスZsは、DUT4の特性インピーダンスZに比べて余り高くならないように設定することが望まれる。なぜなら、信号供給側を見たインピーダンスZsがDUTの特性インピーダンスZに比べて高くなりすぎると、DUTに供給するパワーが低下するため、環境ノイズの影響が出てしまうからである。これは、本発明の測定方法が、一般環境で測定することからくる特徴である。単純に信号レベルを高めるための増幅器を信号供給側に入れても解決する。
図3は、本発明の実施の形態例としてのEMI共振線路試験装置の製品をイメージした具体的構成図である。このEMI共振線路試験装置は、開発段階でのEMI構造の調査、EMI設計品質の調査、製造ラインにおける完成品の出荷検査、あるいは購買品の受け入れ検査等において利用されるものである。
図3に示すように、絶縁台10上にEMI共振線路試験装置が載置され、試験装置のアース11、12が絶縁台10と直接接触している。アース11の上部には絶縁板13を介してDUT4が載置されている。一方、アース12の上部にはプローブ1が配置されており、このプローブ1の端子Aと端子Bは、図1に示すTG付スペクトラムアナライザ3に接続されている。
また、プローブ1の出力端子Cは、DUT4の入力端子Dと直結されており、この入力端子Dより、DUT4の共振周波数を挟んで、所定の周波数範囲の周波数の信号がDUT4に供給される。他の構成は、図1、図2に示したものと同じなので、その説明は省略する。
次に、本発明の実施形態例として図1〜図3に示すEMI共振線路試験装置の動作について説明する。まず、EMI試験対象物であるDUT4のPλ共振周波数測定に合わせて、その共振点をまたぐように、TG7が発信する周波数範囲を設定する。TG7からの発信信号は、プローブ1の入力端子Aに供給され、信号供給側の回路を経てプローブ1の出力端子Cから出力される。この出力端子Cから出力される信号は、DUT4の直結出力端子Dに供給される。
EMI対象物であるDUT4とアース板GND5は、共振すると低インピーダンスになり、出力信号が低下する。この出力信号はDUT4からの反射波信号として端子Dからプローブ1の端子Cに送られ、信号検出側側(インピーダンスZd)を経由して、出力端子Bに送られる。そして、プローブ1の検出信号として切換えスイッチSW6を経由してスペクトラムアナライザSPA8の入力端子INPUTに供給される。
一方、プローブ2は、DUT4に非接触で探索するプローブである。上述したように、電界最大点と磁界最大点の信号が切換えスイッチSW6経由でスペクトラムアナライザSPA8の入力端子INPUTに供給されている。
スペクトラムアナライザSPA8は、周波数スペクトラムとそのレベルを見る装置であり、表示部に、例えば、図4に示すような波形が表示される。この波形は、縦軸がレベルであり、横軸が周波数になっている。図示の例では、全スケールが1000MHz、中心周波数が500MHzである。この例では、200MHz付近にレベルが低下している最小点がある。この検出結果から、EMI測定対象であるDUT4は200MHz付近の周波数で共振している、つまりDUT4の共振周波数は200MHzということになる。
<EMI定規の具体例の説明>
図6(a)ないし(b)は、本発明の実施形態例としてのEMI定規の外観図である。
JIS規格で定められている定規の左端面21が、長さ測定用目盛り、周波数測定用目盛りの全測定の始点となる部分であり、この左端面21の直線性と直角度が、全目盛線の確度及び平行度に係る基準となる。
定規の目盛面22は、JISS6032プラスチック製定規規格、及び、その規格を適宜準用して作成される部分である。片面のシルク印刷で、背景色は、定規の全表示に係り、遠目に強くするために高コントラスト効果の白色のアクリル素材としている。その定規の厚さは、アクリル素材では最低の厚さである2mmとしている。
EMI対策で電子機器内のEMI放射源のアンテナの長さを測る場合は、周辺物との接触を避けるために適当な柔軟性が必要であるが、JIS規格厚の2.5mmでは、その柔軟性が失われてしまうという問題がある。
また、写真撮影を行う場合には、ある程度の硬さが必要であるし、製図用定規としては、JIS規格で2.5mm以上の厚さが必要となるなどの様々な制限がある。
図6に示すように、このEMI定規は、長さ測定用目盛り部23と周波数測定用目盛り部24が設けられている。長さ測定用目盛り部23は、定規の上辺側に配置されており、周波数測定用目盛り部24は定規の下辺側(底辺側)に配置されている。
これらの目盛りは、上述した電磁波の速度式V=F×λと、EMI放射源のアンテナの長さの式L=Pλに基づいて、形成されることになる。
このようにEMI定規は、周波数と長さの関係を一瞬で示す定規である。例えば複数の共振を持つ被測定対象物で何らかの共振が起こっている場合に、このEMI定規を用いるとその共振周波数から場所と長さが分かる。つまり、プローブ1でDUT4の共振周波数を見つけ、プローブ2でPλ共振のP(1/2または1/4)を見つけることができる。そうすると、EMI定規でその共振周波数に相当するPλ=Lが分かり、アンテナの長さを知ることができる。
ここで、EMI定規が示しているアンテナのPλ共振と、アンテナの共振周波数Fと、アンテナの長さLは、電磁波速度式(F=V/λ=V/L/P)をほぼ満足するように作成されている。このEMI定規に対して、EMI共振線路試験装置で求められるアンテナの共振周波数の値と、電界または磁界の各々の最大点の数から予測されるアンテナのPλ共振の形が、略一致することから、EMI定規を用いてEMI試験対象物の共振線路アンテナが共振状態にあると判定することができる。
つまり、電磁波の速度 V=3×10m/秒、共振周波数 F(Hz)、1波長の長さ λ(m)、Pλ共振長さをL(mm)とすると、長さ測定用目盛り23は、Pλ共振長さであるL(mm)を表わし、周波数測定用目盛り24は、Pλ共振周波数であるF(Hz)を表わすようにEMI定規が作成される。
また、このEMI定規には、定規の区分線25が設けられている。この区分線25は、長さ測定用目盛り部23と周波数測定用目盛り部24の中央付近に配置された両目盛りを分離する線である。なお、番号26で示した一点鎖線は、図面用記号の切断線であり、単に図の横長さを短縮するために用いた図面用記号で、現物にはない線である。
また、このEMI定規には、Pλ共振の表示記号7が付加されている。この表示記号7によって、上述した長さ測定用目盛り23と周波数測定用目盛り24が、1/4λ共振の目盛りであることがわかる。つまり、P=1/4ということになる。
更に、本例のEMI定規には、定規の品質情報を表示するための表示部28を、定規の右側に配置し、この表示部28に、メーカ側の管理情報、素材情報、リサイクル情報等を表示するようにしている。また、定規の幅9は、通常約30mm以下の幅に設定される。この幅は、長さ対周波数の変換能率を低下させない適当な間隔とすることが必要である。
また、図6(b)に示されるように、JIS用語のゼロ目盛りを示す番号31は、長さ測定の始点を示しており、左端面1の上側の角位置に配置されている。この位置は、定規の左端であるために、ゼロ数値の目盛り表示をしていない。
また、測定単位はミリメートル(mm)表示32で示されている。この単位は、左上辺側に配置され、電磁波速度関係式V=Fλの基本単位のmに合わせ、計算しやすいMK単位系のmm単位としている。
長さ用目盛り23に刻まれている数値「20」、「40」・・・等は、Pλ共振の長さの値の表示33である。実尺目盛りで、左から右に昇順し、横一列に連続的に配置されており、数値が大きくなるほどPλ共振の長さが大きくなることを示している。この数値表示には、コントラストを高めるために、黒色で4mm高さの大きめの文字にしている。
また、通常の定規と同様に長さの目盛線表示34が設けられている。長さ9mmの親目盛り線と、長さ7mmの中目盛り線と、長さ5mmの子目盛り線の構成で、コントラストを高める黒色を使っている。
次に、周波数目盛り部24について説明する。最左端の位置を示す目盛り41は、無限大の周波数を示し、ここが周波数測定の始点となる。
左端面21の下側の角位置に配置し、端であるために無限大の表示をしていない。周波数の測定単位はHzであり、その表示42が左底辺側に記されている。この表示42としても、コントラストを高める黒色を使い、2mm高さの文字にしている。
また、「10GHz」、「5GHz」・・・等、Pλ共振周波数の値も表示されている(番号43)。このPλ共振周波数表示は、右から左に昇順になっており、横一列に連続的に配置した構成とされる。
この表示43も、数値表示にコントラストを高める黒色を用い、4mm高さの大きめの文字にしている。
周波数測定用目盛り部24の目盛線表示44は、長さ測定用目盛り部23とは異なり、長さ7mmの親目盛り線と、長さ5mmの子目盛り線で構成されている。この目盛りもコントラストを高める黒色を使っている。
また、定規の右端部分には、定規の品名表示81が記されている。この品名表示81としては、商品名と、製品名と、製造者名の表示が記される。また、定規の右端には、米国のリサイクル記号の表示82が記録され、米国の資源回収番号のSPIコード7 OTHERの表示を配置される。アクリル系樹脂素材の表示を示す、日本のJIS規格の素材の表示83も同様に定規の右端に記録されている。
<EMI定規の使用方法の説明>
以上、本発明の一実施の形態例としての簡易なEMI共振線路試験装置と、その確認のために用いられるEMI定規についてその概要を説明した。また、電子機器内に意図的にではなくEMI放射源のアンテナが作られており、それは、フィールドセル理論が示す伝送線路のPλ共振であること、つまり、EMI放射源のアンテナのPλ共振であるとみなされることを説明してきた。
なお、電子機器内のEMI放射源のアンテナを表わすPλ共振長さLとPλ共振周波数Fの関係は、電磁波速度V(=F×λ)と、EMI放射源のアンテナのPλ共振長さL(=Pλ)とから、L=PV/Fとなる(Pは1/4、1/2・・の高次数)。つまりLとFは反比例の関係になる。
ここで、Pλ共振長さL(mm)は、長さ測定用目盛り3で表わされ、共振周波数F(Hz)は、周波数測定用目盛り24で表わされる。Pλは、図6では、Pλ共振の表示7で示すように1/4λ(P=1/4)である。
図6(a)、(b)に示したように、EMI放射源のアンテナの1/4λ共振7に合わせて作られたEMI定規は、一方の目盛り側面(上辺側)に、実尺の長さ測定用目盛り3が作られ、他方の目盛り側面(底辺側)に、長さ測定用目盛り23の始点31とその1/4λ共振7に合わせた周波数測定用目盛り24が作られる。これにより、実測されたアンテナの長さから、当該アンテナが発振している共振周波数に変換することが可能となる。
EMI放射源のアンテナに合わせて作られたEMI定規の使用に当たっては、例えば、EMI設計図面や資料、あるいは電子回路が配置されているプリント基板の実物などをこのEMI定規で実測して長さを測定する。つまり、一般の定規のように、EMI放射源のアンテナの長さを測るのと同様に、資料等の長さを図ることにより、特別な計算することなく、そのPλ共振周波数を予測することができる。これについては、図13〜15に基づいて後述する。
本発明のEMI定規は、無電源動作のPλ共振の周波数測定用定規として利用できるので、電子機器内におけるEMI放射源のアンテナとなる部分を発見することもできる。更に、長さ測定用定規としても用いられ、測定した長さを対応する周波数に変換して周波数の測定にも有効であるので、長さ対周波数変換定規としても用いられる。
このEMI定規は、JISS6032プラスチック製定規規格を適宜準用した製図用定規であるが、一方の辺に刻まれた長さ定規及び他方の辺に刻まれた周波数定規のそれぞれが単独使用できるようになっている。更に、端面をゼロ目盛りとしたことにより、根元からの長さと周波数の予測測定ができるツールとしても有効である。
なお、EMI試験対象物に通電し、EMI共振線路試験装置を動作させながらの電界または磁界の測定プローブでEMI放射源のアンテナの絞込みと発見を行う場合などに、本例のEMI定規が使用されるが、その際、本例のEMI定規は非導通性のプラスチック製定規なので、電気的な感電や短絡事故を引き起こさない安全なツールとなる。
また、例えば、EMI対策後に、非熟練技術者に熟練技術者が作業の指導を行う場合等に、本例のEMI定規は有効である。つまり、本例のEMI定規は、フィールドセル理論を背景にしているので、EMI放射源のアンテナの説明に入りやすいという利点があり、熟練技術者と非熟練技術者とのコミュニケーションが取りやすいツールである。そして、白と黒の高コントラストの定規なので、約1m離れた距離からでも分かりやすい。また、電子機器の外径寸法から1/4λ共振の共振周波数が求められる。その周波数は、機器が放射する電磁波の最小周波数に相当する。
図7〜図12は、本発明のEMI定規の他の実施形態例を示した図である。
図6に示したEMI定規と同一構成部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
図7は、本発明をEMI定規の第2の形態例を示すものであり、図6に示したEMI定規と異なる点は、定規の左端面とゼロ目盛りの間に目盛りのないデッドゾーンスペース301を配置した点である。これは、JISS6032規格を遵守したことによる。
例えば、デッドゾーン約4mmとして、1/4λ共振する50mm/100mm/150mmの三つのEMI放射源のアンテナをEMI定規で測定した場合、理論上で約110/39/13MHzのような周波数誤差が生まれる。しかし、この周波数誤差は、EMI放射源のアンテナが長くなれば、次第に小さくなっていくものである。
この第2の実施形態例のEMI定規にしても、これまでどおりに理論値と実測値の正確な照合をあきらめて、測定誤差が大きくなることを気にしなければ、図6に示したEMI定規と同様な作用効果が得られる。図7は、一般の文房具用定規に見られる形である。例えば、反対面からの印刷として、線引きしやすいようにテーパーをつける、透明/半透明な素材にして、様々な色を入れて変えることなどもできる。
図8は本発明のEMI定規の第3の実施形態例を示す図である。図6に示す第1の実施形態例のEMI定規と主に異なる点は、一つの実尺長さの長さ測定用目盛り23に対して、その実尺長さでPλ共振する1/4λ共振401と1/2λ共振402の二つの周波数測定用目盛り24を配置した点である。
この第3の実施形態例のEMI定規ならば、仮に、EMI放射源のアンテナのPλ共振の予測がはずれても、1/4λ共振から1/2共振へ移動させることができる。また、その逆方向からの移動も可能である。このように、1/4λ共振と1/2λ共振の関係を2倍の周波数関係の表示で、上下に整然と並べたことにより、高調波次数の周波数計算が、簡単にできる。
この第3の実施形態のEMI定規は、Pλ共振の高調波次数倍の目盛りの組合せだけになっているが、このような目盛りの組合せではなく、EMI測定対象となる具体的な対象物との関係で、その値を微妙に変えることが求められる場合がある。このような要求に対しても、組み合わせる目盛りを微妙に調整することにより適切に対応可能である。
このように、本発明のEMI定規は、多様性を秘めたPλ共振の表現を理解すれば、本発明を実施するための第1の実施形態と同様な作用効果が得ることができるように作製することができる。
図9は、本発明のEMI定規の第4の実施形態例を示した図であるである。図6〜図8に示すEMI定規の実施形態例と異なる点は、区分線5にPλ共振周波数の位置をマーキング表示した点である(番号501参照)。このように、区分線5にマーキング表示することにより、長さ対周波数の変換機能を高める効果が期待できる。また、このマーキング表示は、内側の周波数軸や長さ軸の目盛り分解能のアップなどに使うことも可能である。
図10は、本発明のEMI定規の第5の実施形態例を示す図である。図6〜図9の実施形態例と異なるところは、巻尺用に定規の始点にストッパーガイド601の追加した点である。
この第5の実施形態例では、定規幅を狭くした分、表示文字全体を縮小させる必要があるが、巻き尺タイプとすることで長さ測定用目盛り範囲を数m〜数十m長さに対応できるようになる。
この結果、鉄塔、建造物、ドア、車、窓などのEMI放射源のアンテナ、及び、その反射、吸収、通過などの共振周波数測定が可能となる。巻尺タイプは、製図用定規機能が弱いので、上下逆の測定用目盛りの配値に変えても問題はない。
図11は、本発明のEMI定規の第6の実施形態例を示す図である。図6〜図10に示すEMI定規と異なるところは、二つの長さ測定用目盛り23を設けた点である。この2つの長さ測定用目盛り23の中の一つは、1/4λ共振の実尺長さ701の長さ測定用目盛りであり、もう一つは、1/2λ共振の実尺の1/2縮尺702の長さ測定用目盛りである。これに対して、周波数測定用目盛り24は、一つだけ設けられている。
図12は、本発明のEMI定規の第7の実施形態例を示す図である。図6〜図11に示すEMI定規と異なるところは、EMI定規の測定の始点(1、31、41)を右端面801にした点である。つまり、図11の目盛りを左右逆にして表示している。この結果、周波数目盛りは、測定系と一致して見やすく使いやすくなるという利点があるが、長さ目盛りが、右方向で降順であるために、一般の定規と方向性が異なり使いにくくなるという欠点もある。
以上、図6〜図12に示したEMI定規は、ユーザの用途に応じて適宜選択できるものであり、この長さについても、短いものでは20cm程度のものから数10mまで考えられる。
<EMI定規の活用例の説明>
図13は、EMI測定対象物としてのプリント基板上のパターンを示すものである。このプリント基板には、複数のICが使われており、ここではIC1とIC2との間に回路が形成されて妨害波の発信源になっていると仮定する。
すなわち、図13に示すように、IC1とIC2間に特性インピーダンスがZで長さLの伝送線路が形成され、これらのIC1、IC2とアース間に閉回路が形成される。このIC1とIC2間の長さLがPλ共振の長さに相当することになる。ここでIC1とアース間のインピーダンスはZとし、IC2とアース間のインピーダンスはZとしている。
図14は、上述したEMI定規を用いて、共振周波数を測定する方法を示したものである。図14に示すように、まず被測定パターンを想定し、この実物のパターンの長さを求める。例えば、横の長さを18mmとし、縦の長さを7mmとしたとき、物理長L=18+7=25mmと計算する。
続いて、プリント基板の誘電率を考慮した長さの補正を行う。すなわち、プリント基板の比誘電率εrは約4なので、誘電率の平方根倍(√4=2)した電気長とする。ここでは25mm×2=50mmとなる。
最後に、この電気長50mmに相当する共振周波数をEMI定規から読み取る。プローブ2で測定した電界最大点と磁界最大点の個数から1/2λ共振か、1/4λ共振かが分かるので、1/2λ共振であれば、電気長50mmに相当する共振周波数は3.0GHz、1/4λ共振であれば1.5GHzとなる。
このようにして、プリント基板上に想定した仮想的なアンテナが発信する共振周波数を簡単に求めることができる。しかし、もっと簡単な方法がある。例えば、18mmの辺の長さを測定し、18mm辺の端部である角を支点にして、別の辺の長さの方向へ定規の向きを変えて、そのまま7mmの辺の長さ測定に移ることで、(18+7)mmの足し算ができる。
また、誘電率の平方根倍の掛け算の計算には、掛け算ではなくて足し算が用いられる。つまり、定規の25mmの長さを支点にして、例えば誘電率4の平方根倍(2倍)の長さにするためには、25mmを定規上で足せばよい。この方法を覚えると計算機は全く不要となり、完全に無計算になる。ところで、EMI試験の測定データの周波数からスタートしてアンテナの長さを求める場合がある。
ここで、周波数からスタートしてアンテナの長さを求める場合には、周波数単位であるMHzやGHz、あるいはその表示桁数によって惑わされることが多く間違いやすい。そのため慎重に計算する必要があるので、計算時間も多くなってしまう。そこでEMI定規を用いて周波数を長さに変換することにより、アンテナの長さを求める。この方法によれば、EMI試験対象物が持っているアンテナの長さを簡単に求めることができる。まさにEMI定規の特徴を活かしたアンテナの測定方法であり、短時間で測定できるという効果や測定ミスの低減の効果は大きいといえる。
実例として、(社)エレクトロニクス実装学会 電磁特性技術委員会 2005 サマーセミナー「たかがグラウンド?されどグラウンド!」において報告されたものを紹介する(非特許文献2を参照)。この文献では、EMI試験対象物の外形寸法が100×200mm、アース板のPλ共振線路から放射されたEMI試験データの電磁波の周波数は450MHzである。このような平面板共振の傾向から推測されるEMI放射源のアンテナの理論値は、実寸で300mmとなり、その長さに対応する周波数として平面内につき1/2λ共振から500MHzが求められる。その周波数誤差は、―50MHzであり、−10%である。この値は、EMI定規で求めたものであるが、このようにほぼ一致することがわかる。
また、EMI定規は、高周波回路の設計やその技術の継承に利用することができる。例えば、1/4λ共振の示す長さと周波数は、インピーダンスが無限大または無限小になる値なので、回路の遮断周波数と関係する。この遮断周波数は、回路の周波数帯域の幅を決定する要素を示している。また、1/2λ共振の示す長さと周波数は、スイッチ回路のオフ分離度(アイソレーション)に関わるものなので、同様に回路の遮断周波数や段数の設計に関係している。したがって、この1/2λ共振の示す長さと周波数も、周波数帯域の幅を決定する要素を示している。
これは、ほんの一例であり、1/4λ長さないし1/2λ長さは、様々な場面で利用することができる。しかし、EMI分野では、EMI試験所を使う際の費用的な面での問題や、EMI放射源のアンテナが集中することで膨れあがる計算量の問題等がある。また、エンジニアの推測や予測の質の向上のため、そしてEMI品質の向上のためにもEMI定規の必要性は高いと思われる。
以上、本発明の実施の形態例として、EMI共振線路試験装置とEMI定規について説明したが、本発明は、ここで説明した実施形態例だけでなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない限り、更に多くの応用例、変形例を含むことは言うまでもない。
本発明の、EMI共振線路試験装置は、電子機器の開発段階でのEMI品質の評価、あるいは電子機器の製造後の出荷段階等のEMI検査、あるいは電子機器等を購入した際の受入時のEMI品質検査に有用である。また、EMI定規は、これらの試験装置による測定結果を簡便な方法で評価できるので、電子機器の製造メーカや電子機器の利用する産業分野など、EMI対策を講じる必要がある全ての産業分野において期待されるものである。
本発明の実施の形態例を示すEMI共振線路試験装置の概略ブロック構成図である。 本発明の実施の形態例を示すEMI共振線路試験装置の詳細ブロック構成図であり、特にプローブの詳細を示した図である。 本発明の実施の形態例を示すEMI共振線路試験装置を用いてEMI共振を測定するときの各要素の具体的配置図である。 本発明の実施形態例のEMI共振線路試験装置で測定した共振減少を示すスペクトラムアナライザSPAの表示画面である。 本発明の実施形態例のEMI共振線路試験装置で得られるインピーダンス特性と共振減少を示す図である。 本発明のEMI定規の第1の実施形態例を示す図である。 本発明のEMI定規の第2の実施形態例を示す図である。 本発明のEMI定規の第3の実施形態例を示す図である。 本発明のEMI定規の第4の実施形態例を示す図である。 本発明のEMI定規の第5の実施形態例を示す図である。 本発明のEMI定規の第6の実施形態例を示す図である。 本発明のEMI定規の第7の実施形態例を示す図である。 本発明のEMI定規を用いて測定するEMI試験対象物の例と等価回路を示した図である。 EMI定規を用いて仮想アンテナの長さと周波数を測定する方法を説明するための図である。
符号の説明
1・・・DUTに直結するプローブ、2・・・DUTに非接触で電界又は磁界を検出するプローブ、3・・・TG付きスペクトラムアナライザ、4・・・DUT(EMI試験対象物:デバイス・アンダー・テスト)、5・・・アース板(DUTとともに試験対象物となる)、6・・・切換スイッチ、7・・・TG(トラッキング・ジェネレーター)、8・・・SPA(スペクトラムアナライザ)、10・・・絶縁台、11、12・・・アース、13・・・絶縁板、21・・・定規の左端面、22・・・定規の目盛面、23・・・長さ測定用目盛り部、24・・・周波数測定用目盛り部、25・・・両目盛りの区分線、26・・・図面用記号の切断線、27・・・Pλ共振の表示、28・・・定規の品質情報の表示部、29・・・定規の幅、31・・・ゼロ目盛り位置、32・・・測定単位のmm表示、33・・・Pλ共振の長さの値の表示、34・・・目盛線表示(親目盛り線、中目盛り線、子目盛り線)、41・・・無限大周波数位置、42・・・測定単位のHz表示、43・・・Pλ共振の周波数の値表示、44・・・目盛線表示、81・・・定規の品名表示、82・・・米国リサイクル記号の表示、83・・・日本のJIS規格の素材表示、301・・・測定デッドスペース、401・・・1/4λ共振の周波数測定用目盛りの表示、402・・・1/2λ共振の周波数測定用目盛りの表示、501・・・区分線のPλ共振周波数位置マーキング線、601・・・巻尺用のストッパーガイド、701・・・1/4λ共振の長さ測定用目盛りの表示、702・・・1/2λ共振の長さ測定用目盛りの表示、801・・・右端面の定規始点の表示

Claims (5)

  1. さまざまな形や大きさを持ったアース構造物であるEMI試験対象物に直結させて、所定の周波数範囲の交番信号を掃引して供給するとともに、前記EMI試験対象物からの共振信号を受信する第1の探触子と、
    前記第1の探触子に対して前記所定の周波数範囲の交番信号を供給する信号源と、
    前記第1の探触子が前記EMI試験対象物から検出した共振信号を受け取り、当該受信信号の周波数特性を表示することにより、前記EMI試験対象物の共振周波数を測定する周波数分析器と、
    前記EMI試験対象物を共振状態に置いたとき、前記EMI試験対象物から発生される電界の最大点および磁界の最大点を、前記EMI試験対象物と非接触で検出し、前記電界の最大点の数および前記磁界の最大点の数が奇数であるかまたは偶数であるかを探知できるようにした第2の探触子と、
    前記第1の探触子からの信号と前記第2の探触子からの信号を切り換えて前記周波数分析器に供給する切換スイッチと、
    を含むEMI共振線路試験装置。
  2. 前記EMI試験対象物の直結部分のインピーダンスが、前記第1の探触子側の出力インピーダンスと同等かそれよりも低いことを特徴とする請求項1に記載のEMI共振線路試験装置。
  3. 請求項1または2に記載のEMI共振線路試験装置を用いて、EMI放射源であるEMI試験対象物の共振周波数と、前記電界の最大点の数および前記磁界の最大点の数が奇数であるか偶数であるかに基づいて、前記EMI試験対象物のアンテナの場所および大きさを発見するための定規であって、
    前記EMI試験対象物の被測定パターンの長さを求めるために、EMI放射源のアンテナのPλ共振長さに対応させた、一方の目盛り側面に設けた長さ測定用目盛りと、
    前記長さ測定用目盛りの始点に合わせ、前記始点からの距離をPλ共振周波数に一致させ、前記長さ測定用目盛りの反対側の側面に設けた周波数測定用目盛りとから構成される、
    EMI定規。
  4. 前記長さ測定用目盛りは、1/2λ共振用の目盛りと、1/4λ共振用の目盛りの2種類が設けられている、請求項3に記載のEMI定規。
  5. 前記周波数測定用目盛りは、前記1/2λ共振用の目盛りと、前記1/4λ共振用の目盛りの2種類が設けられている、請求項3または4に記載のEMI定規。
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