JP4373930B2 - 静電荷像現像用トナー及び現像剤、画像形成装置、これを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及び現像剤、画像形成装置、これを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は静電荷像現像用トナー及び現像剤、画像形成装置及び画像形成方法、これを用いたプロセスカートリッジに関する。
電子写真装置や静電記録装置等においては、感光体上に形成された静電潜像にトナーを付着させ、それを転写材に転写し、次いで熱により転写材に定着させ、トナー画像を形成している。また、フルカラー画像形成は一般に黒、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーを用いて色の再現を行なうものであり、各色について現像を行ない、各トナー層を転写材上に重ね合わせたトナー像に加熱し、同時に定着することによって、フルカラー画像を得ている。
ところが、一般に印刷に見慣れたユーザーからすると、フルカラー複写機における画像は未だ満足できるレベルではなく、写真、印刷に迫る高精細性、高解像度を満足するさらなる高画質化が求められており、電子写真画像の高画質化には小粒径で且つ狭い粒径分布を持つトナーを使用することが知られている。
従来より、電気的または磁気的潜像は、トナーによって顕像化されている。静電荷像現像に使用されるトナーは、一般に、結着樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、その他の添加剤を含有させた着色粒子であり、その製造方法には、大別して粉砕法と重合法がある。粉砕法では、熱可塑性樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、オフセット防止剤などを溶融混合して均一に分散させ、得られた組成物を粉砕、分級することによりトナーを製造している。
粉砕法によれば、ある程度優れた特性を有するトナーを製造することができるが、トナー用材料の選択に制限がある。例えば、溶融混合により得られる組成物は、経済的に使用可能な装置により粉砕し、分級できるものでなければならない。この要請から、溶融混合した組成物は、充分に脆くせざるを得ない。なぜなら脆い組成物でなければ目標とする粒径になるまで粉砕することができないためである。このため、実際に上記組成物を粉砕して粒子にする際に、高範囲の粒径分布が形成され易く、良好な解像度と階調性のある複写画像を得ようとすると、例えば、粒径5μm以下の微粉と20μm以上の粗粉を分級により除去しなければならず、収率が非常に低くなるという欠点がある。また、粉砕法では、着色剤や帯電制御剤などを熱可塑性樹脂中に均一に分散することが困難である。配合剤の不均一な分散は、トナーの流動性、現像性、耐久性、画像品質などに悪影響を及ぼす。
近年、これらの粉砕法における問題点を克服するために、例えば特許文献1に記載のように懸濁重合法によってトナー粒子を得ることが行なわれている。しかしながら、懸濁重合法で得られるトナー粒子は球形であるが、クリーニング性に劣るという欠点がある。画像面積率の低い現像・転写では転写残トナーが少なく、クリーニング不良が問題となることはないが、写真画像など画像面積率の高いもの、さらには、給紙不良等で未転写の画像形成したトナーが感光体上に転写残トナーとして発生することがあり、蓄積すると画像の地汚れを発生してしまう。また、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまう。また低温定着性も十分でなく、定着に必要なエネルギーが多く必要で問題であった。
一方、特許文献2には乳化重合法により得られる樹脂微粒子を会合させて不定形のトナー粒子を得る方法が開示されている。しかし、乳化重合法で得られるトナー粒子は、水洗浄工程を経ても、界面活性剤が、表面だけでなく、粒子内部にも多量に残存し、トナーの帯電の環境安定性を損ない、かつ帯電量分布を広げ、得られた画像の地汚れが不良となる。また、残存する界面活性剤により、感光体や帯電ローラ、現像ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまう等、問題であった。
一方、熱ローラなどの加熱部材を使用して行なわれる接触加熱方式による定着工程において、加熱部材に対するトナー粒子の離型性(以下、「耐オフセット性」という。)が要求される。ここに、耐オフセット性は、トナー粒子表面に離型剤を存在させることにより向上させることができる。これに対し、特許文献3、4では樹脂微粒子をトナー粒子中に含有させるだけでなく、当該樹脂微粒子がトナー粒子の表面に偏在していることにより、耐オフセット性を向上する方法が開示されている。しかし、定着下限温度が上昇し、低温定着性即ち省エネ定着性が十分でない問題があった。
また、乳化重合法によって得られる樹脂微粒子を会合させて不定形のトナー粒子を得る方法では、下記のような問題を生じる。つまり耐オフセット性を向上させるために、離型剤微粒子を会合させる場合において、当該離型剤微粒子がトナー粒子の内部に取り込まれてしまい、この結果、耐オフセット性の向上を十分に図ることができない。樹脂微粒子、離型剤微粒子、着色剤微粒子などがランダムに融着してトナー粒子が構成されるので、得られるトナー粒子間において組成(構成成分の含有割合)および構成樹脂の分子量等にバラツキが発生し、この結果、トナー粒子間で表面特性が異なり、長期にわたり安定した画像を形成することができない。さらに低温定着が求められる低温定着システムにおいては、トナー表面に偏在する樹脂微粒子による定着阻害が発生し、定着温度幅を確保できない問題があった。
一方、特許文献5には溶解懸濁法(EA;Emulsion-Aggregation法)という新製法が最近提案されている。この手法は、懸濁重合法がモノマーから粒子を形成するのに対して、有機溶剤等に溶解したポリマーからトナー母体粒子を造粒する手法で、樹脂の選択範囲の拡大や、極性の制御性等の利点をあげている。またトナー粒子の構造制御(コア/シェル構造制御)が可能という利点を挙げているが、シェル構造は樹脂のみの層で顔料やワックスの表面への露出を低下させることを目的にしており、特に表面状態を工夫したわけではなく、またそのような構造にもなっていない(非特許文献1参照)。したがってシェル構造にはなっているがトナー表面は通常の樹脂で特に工夫はなく、より低温定着を目指した際には、耐熱保存性、環境帯電安定性の点で十分でなく問題であった。
また、上記懸濁重合法、乳化重合法、溶解懸濁法いずれもスチレン・アクリル系の樹脂を用いることが一般的で、ポリエステル系樹脂では粒子化に難があり粒径、粒度分布、形状制御が困難であった。またより低温定着を目指した場合に定着性に限界があった。
一方、耐熱保存性、低温定着を目的として、ウレア結合で変性されたポリエステルを使用することも知られているが(特許文献6参照)、特に表面が工夫されたものでなく、特により条件の厳しい環境帯電安定性の点で十分でなく、問題であった。
特開平9−43909号公報 特許第2537503号公報 特開2000−292973号公報 特開2000−292978号公報 特許第3141783号公報 特開平11−133667号公報 第4回日本画像学会・静電気学会ジョイントシンポジウム(2002.7.29)
本発明の目的は、数万枚画像を出力した後でも安定して、(1)地汚れ、トナー飛散、トナーちりといった問題が起こらず、数万枚画像出力を行なっても帯電能力の変化が少ないトナー及び現像剤を提供し、(2)弱帯電、逆帯電トナーが少なく、帯電量分布がシャープで、鮮鋭性、色再現性の良好な可視画像を長期にわたり形成することができるトナー及び現像剤を提供することにある。
本発明者らは上記問題点に関して検討し、本発明に至った。
すなわち、上記課題は、本発明の(1)「少なくとも樹脂結着剤、無機微粒子、着色剤、ワックスを含むトナー母体粒子に外添剤を付着させたトナーにおいて、該トナーが下記式(1)で表わされる関係を満足し、かつD50が3〜8μmであり、かつトナー中に存在する25μm以上の凝集体の量がトナー重量に対して0.5%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
Figure 0004373930
(D10、D50、D90はトナーを小粒径側から積算した時に全粒子に対する体積百分率が10%、50%、90%となる粒径を示す。)」;
(2)「少なくとも官能基含有ポリエステル系樹脂が溶解されている有機溶媒相と、活性水素含有化合物と、着色剤とを、樹脂微粒子が分散されている水系媒体相中に分散させて、前記官能基含有ポリエステル系樹脂と前記活性水素含有化合物との伸長反応および/または架橋反応を起こさせ、これにより得られた分散液から粒子を形成し、この分散液の溶媒を除去、洗浄して得られたものであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー」;
(3)「前記有機溶媒相中に、前記官能基含有ポリエステル樹脂とともに、更に、非反応性ポリエステルが溶解されており、前記官能基含有ポリエステル系樹脂と前記非反応性ポリエステルとの重量比が5/95〜75/25であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー」;
)「前記無機微粒子が少なくとも2種類の無機微粒子からなることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー」;
)「前記無機微粒子が疎水性シリカ及び酸化チタンであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー」;。
)「前記ワックスがカルナバワックスを含有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー」;
)「前記ワックスのトナー粒子内部の含有量が5重量%以上であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー」;
)「請求項1乃至のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーと磁性粒子からなるキャリアを含むことを特徴とする2成分系静電荷像現像用現像剤」;
)「静電荷像担持体と帯電手段と露光手段と現像手段と接触転写手段と定着手段とクリーニング手段と除電手段を有し、前記現像手段が請求項1乃至のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを使用するものであることを特徴とする画像形成装置」;
10)「前記帯電手段は、静電荷像担持体に帯電部材を接触させ、当該帯電部材に電圧を印加することによって帯電を行なう帯電手段であることを特徴とする請求項記載の画像形成装置」;
11)「前記静電荷像担持体がアモルファスシリコン静電荷像担持体であることを特徴とする請求項又は10に記載の画像形成装置」;
12)「前記定着手段が、発熱体を具備する加熱体と、前記加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着トナー画像を形成させた被記録材を通過させて加熱定着する定着装置であることを特徴とする請求項乃至11のいずれかに記載の画像形成装置」;
13)「感光体と現像手段を有し、かつ帯電手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持していてもよく、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、前記現像手段は、トナーを擁し、該トナーが、請求項1乃至のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを用いることを特徴とするプロセスカートリッジ」;
14)「感光体上に形成された静電潜像をトナーで現像し、感光体上に形成されたトナー画像を画像支持体上に転写し、該トナー画像を定着装置により定着する画像形成方法であって、前記トナーが請求項1乃至7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法」;
15)「発熱体を具備する加熱体と、前記加熱体と接触するフィルムと、前記フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着トナー画像を形成させた被記録材を通過させて加熱定着する定着装置を用いることを特徴とする請求項14に記載の画像形成方法」により解決される。
本発明によれば、数万枚画像を出力した後でも安定して、以下の諸効果、すなわち、(1)汚れ、トナー飛散、トナーちりといった問題が起こらず、数万枚画像出力を行なっても帯電能力の変化が少ないトナー及び現像剤を提供でき、(2)弱帯電、逆帯電トナーが少なく、帯電量分布がシャープで、鮮鋭性、色再現性の良好な可視画像を長期にわたり形成することができるトナー及び現像剤を提供できるという極めて優れた効果が同時に発揮される。
以下、本発明について詳述する。ここで、本発明に用いられるトナー、現像剤の製法や材料、および電子写真プロセスに関するシステム全般に関しては条件を満たせば、公知のものが使用可能である。
本発明では、下記式(1)で表わされる関係を満足することが重要である。
Figure 0004373930
(D10、D50、D90はトナーを小粒径側から積算した時に全粒子に対する体積百分率が10%、50%、90%となる粒径を示す。)
D90/D10≦1.90−0.05×D50の関係を満足できなければ、粒度分布が広がり画質が悪化する。また、帯電量も不均一になるために、かぶり、トナー飛散等の画像上の問題が発生する。また、1.60−0.05×D50≦D90/D10を満たさなければ、トナー製造の際の収率が悪化し、製造コストが上がる等の問題が発生する。また、D50が3〜8μmであることも重要である。D50が8μmを超える場合、画質が悪化し、粒度分布が上記(1)式を満たしたとしても良好な画質を得るにいたらない。また、D50が3μm未満の場合は、クリーニング不良、トナー飛散等の問題が発生し、好ましくない。
本発明のトナーを製造する際にトナー粒子が熱等により融着し、凝集体が発生することがある。これら凝集体は重合トナーでは発生しやすいが、数十μm程度の粒子の場合は篩を抜けてトナー中に多数存在することが多い。しかし、本発明ではこれらトナー中に存在する25μm以上の凝集体の量がトナー重量に対して0.5%以下に制御することが大変重要である。これら凝集体が数多く存在すると、トナー飛散、かぶり、トナーちり、補給時のトナー詰まり等の問題を引き起こす。また、凝集体量が多い場合、上記(1)式を満たしたとしてもトナー飛散等の問題が起きるため、これらすべての条件を満たすことが必要となる。
D10、D50、D90の測定は、米国コールターエレクトロニクス社製のコールターカウンターTAIIに、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)に接続して用いた。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液に調整した。
測定方法としては、前記電解液50〜100ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、試料を1〜10mg加える。これを、超音波分散機で1分間の分散処理を行ない、別のビーカーに電解水溶液100〜200mlを入れ、その中に前記サンプル分散液を所定の濃度になるように加え、前記コールターカウンターTA−II型によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて個数を基準として2〜40μmの粒子の30000個の粒度分布を測定し、2〜40μmの粒子の体積分布と個数分布を算出する。算出した体積分布からD10、D50、D90を求めた。
また、25μm以上の凝集体の量の測定は、既知重量の被検試料を篩掛けし、メッシュNo.60の目開きを有するふるい上の残存物を検量することにより行なう。
本発明の乾式トナーは以下の方法で製造することができるが勿論これらに限定されることはない。
本発明のトナーの製造は、まず変性ポリエステルを含有するバインダー、着色剤、ワックス及び顔料などからなる油相と樹脂微粒子、溶剤などからなる水相とをパイプラインホモミキサー内において乳化する。その後収斂、脱溶剤を経て遠心分離機やフィルタープレスを用いて粗分離が行なわれる。最後に洗浄を行ないその後乾燥してトナーの製造が完成する。
本発明に用いる変性ポリエステルとしては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、また、ポリエステル樹脂中に異種の樹脂成分が共有結合、イオン結合等で結合したものが使用できる。例えば、ポリエステル末端にエステル結合以外のものを反応させたもの、具体的には、末端に酸基、水酸基と反応するイソシアネート基等の官能基を導入し、さらに活性水素化合物と反応させて末端を変性したもの等が挙げられる。これらの内、特に好ましいものはウレア結合で変性されたポリエステルである。
ウレア変性ポリエステルとしては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応物等が挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物で、且つ活性水素基を有するポリエステルを、さらにポリイソシアネート(3)と反応させた物等が挙げられる。該活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基等が挙げられるが、アルコール性水酸基が好ましい。
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)及び3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、又は(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物等が挙げられる。これらの内、好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)及び3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、及び(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸等);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられる。これらの内、好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸等)等が挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)として、上記のものの酸無水物又は低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、より好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート等);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの;及びこれら2種以上の併用が挙げられる。
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、より好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5より大きいと、トナーの低温定着性が悪化し、一方、[NCO]/[OH]が1より小さいと、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化するので好ましくない。
末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜20重量%である。ポリイソシアネート(3)構成成分の含有量が0.5重量%より少ないと、トナーの耐ホットオフセット性が悪化すると共に、耐熱保存性と低温定着性の両立が難しくなり、一方、40重量%より多いと、低温定着性が悪化するので好ましくない。該プレポリマー(A)中の1分子当たりのイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは平均1.5〜3個、より好ましくは平均1.8〜2.5個である。1分子当たりのイソシアネート基が1個より少ないと、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化するので好ましくない。
伸長及び/又は架橋反応時間は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により異なるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。必要に応じて、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート等の従来公知の触媒を使用することができる。また、必要に応じて、伸長停止剤を用いてウレア変性ポリエステルの分子量を調整することもできる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、及びそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)等が挙げられる。
また、本発明においては、変性ポリエステルとして、ウレア結合で変性されたポリエステル中にウレタン結合を含有するものも好ましく用いることができる。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、より好ましくは60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%より少ないと、トナーの耐ホットオフセット性が悪化するので好ましくない。
本発明に用いるウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、プレポリマー法により製造できる。ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、より好ましくは3万〜100万である。この時のピーク分子量は2500〜10000であり、ピーク分子量が2500より小さいと、伸長反応が進行し難いためにトナーの弾性が低下し、耐ホットオフセット性が悪化するので好ましくない。一方、10000より大きいと、定着性が低下すると共に、粒子化や微粉砕が難しくなるので好ましくない。
ウレア変性ポリエステルの数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、より好ましくは2000〜8000である。数平均分子量が20000より大きいと、得られたトナーの低温定着性が悪化し、また、フルカラー装置に用いた場合の光沢性が低下するので好ましくない。
また、本発明においては、バインダーとして、ウレア変性ポリエステルと、変性されていないポリエステルとを併用することが好ましい。変性されていないポリエステルを併用することで、ウレア変性ポリエステルを単独使用する場合に比べてトナーの低温定着性が向上し、また、フルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上する。なお、変性されていないポリエステルを併用する場合は、ウレア変性ポリエステルの数平均分子量は特に制限されず、上記重量平均分子量が得られる数平均分子量であればよい。
変性されていないポリエステルとしては、上記ウレア変性ポリエステル成分と同種のポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物等が挙げられ、好ましいものはウレア変性ポリエステルと同種である。変性ポリエステルと変性されていないポリエステルとを類似の組成にすることにより、少なくとも両者の一部が相溶して低温定着性、耐ホットオフセット性が向上する。なお、該ポリエステルとしては、無変性ポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。
ウレア変性ポリエステルと変性されていないポリエステルとを併用する場合、両者の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、より好ましくは5/95〜25/75、さらに好ましくは7/93〜20/80である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%より少ないと、トナーの耐ホットオフセット性が悪化すると共に、耐熱保存性と低温定着性とが悪化するので好ましくない。
変性されていないポリエステルのピーク分子量は、通常2500〜10000、好ましくは3500〜8000、より好ましくは3500〜5000である。ピーク分子量が2500より小さいと、トナーの耐熱保存性が悪化し、一方、10000より大きいと、低温定着性が悪化するので好ましくない。
変性されていないポリエステルの水酸基価は、通常5以上、好ましくは10〜120、より好ましくは20〜80である。水酸基価が5より小さいと、トナーの耐熱保存性と低温定着性が悪化するので好ましくない。また、酸価は、通常1〜5、好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用することから、バインダーは低酸価バインダーとすることが好ましい。帯電性や高体積抵抗が得られ、2成分系トナーには好適となる。
バインダーのガラス転移点(Tg)は、通常40〜65℃、好ましくは45〜60℃である。Tgが40℃より低いと、トナーの耐熱保存性が悪化し、一方、65℃より高いと、低温定着性が悪化する。なお、バインダーとしてウレア変性ポリエステルを使用することにより、従来公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くてもトナーの耐熱保存性が向上する。
着色剤は、樹脂と複合化したマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造に使用される又はマスターバッチと共に混練されるバインダー樹脂としては、上記の変性、無変性ポリエステルの他に、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
該マスターバッチは、マスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練して得ることができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることもできる。また、着色剤を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤と共に混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分とを除去する方法(フラッシング法)も、着色剤のウエットケーキを乾燥することなく用いることができるため、好ましく用いられる。着色剤と樹脂の混合混練には3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
また、トナーバインダー、着色剤とともにワックスを含有させることもできる。本発明のワックスとしては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。本発明のワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナー中のワックスの含有量は通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
本発明に用いるワックスとしては、ワックス成分としてカルナバワックスを用いることが非常に好ましい。カルナバワックスはカルナバヤシの葉から得られる天然のワックスであるが、特に遊離脂肪酸脱離した低酸価タイプのものが結着樹脂中に均一分散が可能であるので好ましい。また、遊離脂肪酸脱離した低酸価タイプのカルナバワックスは揮発成分が少ないため感光体へのフィルミングや帯電付与部材へのスペントが少ないため特に好ましい。
本発明では、ワックスのトナー内部の含有量が重量換算において5重量%以上であることが特に好ましい。5%未満の場合、画質が悪化し光沢が低くなるのみならず、ホットオフセットが発生しやすいため好ましくない。
本発明のトナーには、必要に応じて帯電制御剤を含有させてもよい。帯電制御剤としては、特に制限なく従来公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるので一概には規定できないが、バインダー樹脂100重量部に対し、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部の範囲とする。使用量が10重量部より多いと、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて現像ローラとの静電的吸引力が増大するため、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くので好ましくない。上記の着色剤、帯電制御剤は、マスターバッチ、樹脂と共に溶融混練することもできるし、有機溶剤に溶解、分散する際に加えることもできる。
本発明に用いるバインダー(結着剤)の製造方法としては、特に制限されないが、例えば下記の方法を使用することができる。まず、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)とを、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイド等の従来公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで、これを40〜140℃に冷却した後、ポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。さらに、プレポリマー(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。また、変性されていないポリエステルを併用する場合には、上記水酸基を有するポリエステルと同様の方法で変性されていないポリエステルを製造し、これを反応完了後のウレア変性ポリエステル溶液中に溶解し、混合する。
ポリイソシアネート(3)を反応させる際、及びプレポリマー(A)とアミン類(B)を反応させる際には、必要に応じて溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレン等);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等);エステル類(酢酸エチル等);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)及びエーテル類(テトラヒドロフラン等)等の(3)に対して不活性なものが挙げられる。
水系媒体中でD50が3〜8μmで粒度分布が上記のような狭分散のトナー母体粒子を安定的に形成する方法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)を含むトナー原料組成物を加えて、せん断力により分散させる方法等が使用できる。プレポリマー(A)と他のトナー成分である着色剤、着色剤マスターバッチ、ワックス、流動化剤、荷電制御剤、無変性ポリエステル等(以下トナー原料と称す)とは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合することもできるが、あらかじめプレポリマー(A)とトナー原料とを混合した後、得られた混合物を水系媒体中に加えて分散させることが好ましい。なお、該トナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成する際に全てを混合する必要はなく、粒子を形成せしめた後、個々に添加してもよい。例えば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、従来公知の染着方法を用いて着色剤を添加することもできる。
上記の水系媒体中で母体粒子を製造する方法としては、例えば、下記の方法を用いることができる。用いる水系媒体としては、水単独でもよく、水と混和可能な溶剤を併用してもよい。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ等)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)等が挙げられる。また、トナー粒子は、水系媒体中で、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)からなる分散体をアミン類(B)と反応させて形成してもよいし、あらかじめ製造したウレア変性ポリエステルを用いても形成してもよい。
水系媒体中でのトナー原料組成物の分散方法としては、特に制限されず、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波等の従来公知の方法が使用できるが、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式を使用することが好ましい。高速せん断式分散機を使用する場合、その回転数は、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpm、粒度分布を上記のような狭い範囲に確実に制御するためより好ましくは、6000〜18000rpmである。分散時間は、特に制限されないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。また、分散時の水系媒体の温度は、通常0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。水系媒体の温度を高温にすることで分散体の粘度が低くなり、分散が容易となる。
水系媒体の使用量は、上記トナー原料組成物100部に対し、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。使用量が50重量部より少ないと、トナー原料組成物の分散状態が悪くなって所望の粒径のトナー粒子が得られず、一方、2000重量部より多いと、製造コストが高くなるので好ましくない。
水系媒体には、必要に応じて、トナー粒子の粒径分布をシャープにすると共に分散性を安定化させるために、分散剤を用いることができる。トナー原料組成物が分散した油性相を水系媒体中で乳化、分散するための該分散剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等の陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等の非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等の両性界面活性剤が使用できる。
また、フルオロアルキル基を含有する界面活性剤は、非常に少量で分散効果を発揮するので経済的である。フルオロアルキル基を含有する陰イオン界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ〕−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステル等が使用できる。商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、(ダイキン工業社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
また、陽イオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を含有する脂肪族一級、二級もしくは三級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としては、サーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)等が使用できる。
さらに、水に難溶な無機化合物分散剤として、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等を用いることもできる。
また、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させてもよい。高分子系保護コロイドとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸又は無水マレイン酸等の酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエ一テル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等、又はビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子、又はその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類等が使用できる。
分散剤を使用した場合には、特に制限されないが、トナーの帯電性を向上させるため、伸長及び/又は架橋反応後に、洗浄除去することが好ましい。また、分散剤としてリン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸によってリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する等の方法により、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。また、酵素による分解等の操作によってもリン酸カルシウム塩を除去してもよい。
さらに、特に制限されないが、トナー原料組成物の粘度を低くし、トナー粒子の粒径分布をシャープにするため、ウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)が可溶な溶剤を使用することもできる。該溶剤としては、除去を容易にして25μm以上の凝集体の量をトナー重量に対して0.5%以下に制御するため、沸点が100℃未満の揮発性のものを使用することが特に好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等を単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、あるいは塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素を用いることが好ましい。溶剤の使用量は、ウレア変性ポリエステルあるいはプレポリマー(A)100部に対し、通常300部以下、好ましくは100部以下、より好ましくは25〜70部である。なお、溶剤を使用する場合は、伸長及び/又は架橋反応後、常圧又は減圧下、加温して除去する。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去する方法としては、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を使用することができる。また、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することもできる。乳化分散体を噴霧する乾燥雰囲気としては、一般的に、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体であって、用いた最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱した各種気流が使用できる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルン等を用いた短時間の処理により満足すべき品質のトナー粒子が得られる。
乳化分散時の粒径分布が広くなった場合は、洗浄、乾燥処理した後、下記の方法を用いて分級操作を行なうことにより、所望の粒径分布を有するトナー粒子を得ることができる。分級操作においては、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等を用いて微粒子部分を取り除く。乾燥した後に粉体として分級操作を行なってもよいが、液体中で行なうことが製造効率の点で好ましい。得られた微粒子、又は粗粒子は、再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際、微粒子、又は粗粒子はウェットの状態でもよい。なお、使用した分散剤は、分級操作と同時に分散液からできるだけ取り除くことが好ましい。
乾燥後のトナーの粉体及び無機微粒子を、ワックス、帯電制御剤、流動化剤、着色剤等の異種粒子と共に混合し、混合粉体に機械的衝撃力を加えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することが、25μm以上の凝集体の量をトナー重量に対して0.5%以下に制御するために好ましい。具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入して加速し、粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法等が使用できる。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢等が挙げられる。
現像剤を調製する際には、現像剤の流動性や保存性、現像性、転写性を向上させるため、上記の無機微粒子等の外添剤をさらに添加混合してもよい。外添剤の混合方法としては、特に制限されず、従来公知の粉体混合機が使用できるが、ジャケット等を装備して、内部の温度を調節することが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、混合途中又は漸次外添剤を加えていってもよく、混合機の回転数、転動速度、時間、温度等を変化させてもよい。混合初期に強い負荷を、次いで比較的弱い負荷を与えてもよいし、その逆でもよい。混合機としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー等が使用できる。
本発明のトナーに添加する無機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等を挙げることができる。
更に本発明においては、上記2種の無機微粒子の平均一次粒子径が異なっていることが望ましい。これらの添加剤は、現像プロセスにおける負荷によりトナー中に次第に埋没することが知られているが、2種の粒径が異なっている場合には、粒径の大きい方の無機微粒子がトナー表面と感光体やキャリア表面との接触の際にスペーサーの役割を果たし、粒径の小さい方の無機微粒子がトナー表面へ埋没することを防止する役割がある。従って、初期状態における添加剤のトナー表面被覆状態が長期にわたって維持され、本発明におけるフィルミング抑制効果をより持続することができる。
更に本発明においては、2種類の無機微粒子のうち、平均一次粒子径の小さい無機微粒子の添加量が、平均一次粒子径の大きい無機微粒子の添加量より多いことが望ましい。粒径の大きい方の添加剤量が少なく、粒径の小さい方の添加剤量が多いほど、経時でのトナー特性変化が小さくなる。これは粒径の大きいトナーから先に埋没が進行するためであると考えられる。
更に、本発明に用いる無機微粒子は、流動性付与の面から少なくとも1種は平均一次粒子径が0.03μm以下であることが好ましい。平均一次粒子径が0.03μm以下とすることで必要な流動性が得られトナー帯電が均一となり、トナー飛散や地汚れが良好となる。
また、本発明に用いる無機微粒子は、感光体上の転写残トナークリーニングの観点から少なくとも1種のシリカは平均一次粒子径が80〜500nmであることが必要である。平均一次粒子径を80〜500nmとすることでクリーニングブレードと感光体接触部にシリカが付着し、ダム効果によってクリーニングが良好となる。
また本発明に用いる無機微粒子の少なくとも1種が有機系シラン化合物で処理された疎水性無機微粒子であることにより、環境安定性に優れ、かつ文字の中抜け等の画像欠陥の少ない高画質を達成でき、さらに好ましい。もちろん本発明に用いる無機微粒子2種の両方が疎水化処理されていても良い。
疎水化処理剤としては例えば、ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、p−クロルフェニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン、オクチルトリクロルシラン、デシルトリクロルシラン、ノニルトリクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)トリクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)トリクロルシラン、ジペンチルジクロルシラン、ジヘキシルジクロルシラン、ジオクチルジクロルシラン、ジノニルジクロルシラン、ジデシルジクロルシラン、ジドデシルジクロルシラン、ジヘキサデシルジクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)オクチルジクロルシラン、ジオクチルジクロルシラン、ジデセニルジクロルシラン、ジノネニルジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシルジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルペンチルジクロルシラン、トリヘキシルクロルシラン、トリオクチルクロルシラン、トリデシルクロルシラン、ジオクチルメチルクロルシラン、オクチルジメチルクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)ジエチルクロルシラン、イソブチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、トリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチルテトラチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等の有機系シラン化合物やジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル、メタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル、その他シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤等が挙げられる。中でも有機系シラン化合物が好ましい。
これら疎水化処理剤を前記無機微粒子に処理することにより、本発明に用いる疎水性無機微粒子が作製される。
疎水化処理されたシリカ微粒子の商品名としては、HDKH 2050EP、HVK21(以上ヘキスト)やR972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(以上日本アエロジル)、TS530、TS720(以上キャボット)がある。
また、具体的な表面処理された酸化チタン微粒子の商品名としては、アナターゼ型やルチル型の結晶性のものや無結晶性のものを使用することができ、T−805(日本アエロジル)やルチル型としてSTT−30A(チタン工業)、STT−30A−FS(チタン工業)等がある。
なお、本発明に使用される無機微粒子の粒子径は、動的光散乱を利用する粒径分布測定装置、例えば(株)大塚電子製のDLS−700やコールターエレクトロニクス社製のコールターN4により測定可能である。しかし有機系シラン化合物処理後の粒子の二次凝集を解離することは困難であるため、走査型電子顕微鏡もしくは透過型電子顕微鏡により得られる写真より直接粒径を求めることが好ましい。この場合少なくとも100個以上の無機微粒子を観察しその長径の平均値を求める。
本発明によるトナーは、特定の形状を持たせるとより有効であり、トナーの形状がキャリアとの接触による帯電や、現像ロールとトナー層規制部材や供給ローラとの間に挟まれるトナーの帯電性や均一薄層性をほぼ決定する。球形からあまりに離れた不定形の形状では、トナーの薄層が薄すぎ、十分な現像量が得られない。また、より鮮明で色再現性が良く高画質な画像を提供するためにはトナーが均一な球形であることが望ましい。従って本発明において、特に適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのにはトナーが特定の形状を有することが好ましく、本発明の場合、その円形度は0.94〜0.98に規程することが好ましい。
超微粉トナー及び円形度の計測にはフロー式粒子像分析装置FPIA−2100(シスメックス株式会社製)を用いている。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置により超微粉を測定する。
トナー粒子を2成分系現像剤に用いる場合には、トナー粒子と磁性キャリアと混合して用いればよい。現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部とする。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリア、ガラスビーズ等及びこれらの表面を樹脂等で処理したもの等、従来公知の各種のものが使用できる。
本発明におけるキャリアにコーティングし得る樹脂粉末としては、スチレン−アクリル共重合体、シリコーン樹脂、マレイン酸樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等がある。スチレン−アクリル共重合体の場合は、30〜90重量%のスチレン分を有するものが好ましい。この場合スチレン分が30重量%未満だと現像特性が低く、90重量%を越えるとコーティング膜が硬くなって剥離しやすくなり、キャリアの寿命が短くなる。
また、本発明におけるキャリアの樹脂コーティングは、上記樹脂の他に接着付与剤、硬化剤、潤滑剤、導電剤、荷電制御剤等を含有してもよい。
[プロセスカートリッジ]
本発明のプロセスカートリッジは、本発明のトナーを使用し、感光体と現像手段を有し帯電手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持していてもよく、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであることを特徴とする。
図1に本発明のプロセスカートリッジを有する画像形成装置の概略構成を示す。
図において、(10)はプロセスカートリッジ全体を示し、(11)は感光体、(12)は帯電手段、(13)は現像手段、(14)はクリーニング手段を示す。
本発明においては、上述の感光体(11)、帯電手段(12)、現像手段(13)及びクリーニング手段(14)等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
本発明のプロセスカートリッジを有する画像形成装置は、感光体が所定の周速度で回転駆動される。感光体は回転過程において、帯電手段によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像手段によりトナー現像され、現像されたトナー像は、給紙部から感光体と転写手段との間に感光体の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた転写材は感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体の表面は、クリーニング手段によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
本発明の画像形成装置は、本発明のトナーを使用し、定着手段が、発熱体を具備する加熱体と、前記加熱体と接触するフィルムと、前記フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた被記録材を通過させて加熱定着する定着手段を有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明の定着手段は、図2に示すように、定着フィルムを回転させて定着する、いわゆるサーフ定着装置である。以下詳説すると、定着フィルムはエンドレスベルト状耐熱フィルムであり、該フィルムの支持回転体である駆動ローラと、従動ローラと、この両ローラ間の下方に設けたヒータ支持体に保持させて固定支持させて配設した加熱体とに懸回張設してある。
従動ローラは定着フィルムのテンションローラを兼ね、定着フィルムは駆動ローラの図中時計回転方向の回転駆動によって、時計回転方向に向かって回転駆動される。この回転駆動速度は、加圧ローラと定着フィルムが接する定着ニップ領域Lにおいて転写材と定着フィルムの速度が等しくなる速度に調節される。
ここで、加圧ローラはシリコンゴム等の離型性のよいゴム弾性層を有するローラであり、反時計周りに回転しつつ、前記定着ニップ領域Lに対して総圧4〜10kgの当接圧をもって圧接させてある。
また定着フィルムは、耐熱性、離型性、耐久性に優れたものが好ましく、総厚100μm以下、好ましくは40μm以下の薄肉のものを使用する。例えばポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、PFA(4フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)等の耐熱樹脂の単層フィルム、或いは複合層フィルム、例えば20μm厚フィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)、PFA等のフッ素樹脂に導電材を添加した離型性コート層を10μm厚に施したものや、フッ素ゴム、シリコンゴム等の弾性層を施したものである。
図2において、本実施形態の加熱体は平面基板および定着ヒータから構成されており、平面基板は、アルミナ等の高熱伝導度且つ高電気抵抗率を有する材料からなっており、定着フィルムと接触する表面には抵抗発熱体で構成した定着ヒータを長手方向に設置してある。かかる定着ヒータは、例えばAg/Pd、TaN等の電気抵抗材料をスクリーン印刷等により線状もしくは帯状に塗工したものである。また、前記定着ヒータの両端部には、図示しない電極が形成され、この電極間に通電することで抵抗発熱体が発熱する。さらに、前記基板の定着ヒータが具備させてある面と逆の面にはサーミスタによって構成した定着温度センサが設けられている。
定着温度センサによって検出された基板の温度情報は図示しない制御手段に送られ、かかる制御手段により定着ヒータに供給される電力量が制御され、加熱体は所定の温度に制御される。
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、「部」は重量部を、「%」は重量%を意味する。
(トナーの製造)
製造例1
〜無機微粒子の製造例〜
コア用原料の液状SiClを液体原料供給装置を用いてキャリアガスとしてArガスを流量300SCCM(毎分標準体積流量(CC))で吹き込み、流量250SCCMのSiCl蒸気を、Hガス20SLM(毎分標準体積流量(L))、Oガス20SLMと共にコア用バーナーに送り火炎加水分解、融合させてSiO微粒子を生成させた。この微粒子を所定の一次粒子径になるまで成長させ、得られた微粒子をヘキサメチルジシラザンにより疎水化処理を行ない、平均一次粒子径が5nmの[無機微粒子1]を得た。
製造例2
〜有機微粒子エマルションの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン80部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、チオグリコール酸ブチル12部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[微粒子分散液1]とする。該[微粒子分散液1]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920 島津製)で測定した体積平均粒径は、120nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは42℃であり、重量平均分子量は3万であった。
製造例3
〜水相の調製〜
水990部、[微粒子分散液1]65部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノール MON−7 三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
製造例4
〜低分子ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
製造例5
〜中間体ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
製造例6
〜少なくとも活性水素基を有する化合物と反応可能な変性されたポリエステル系樹脂(プレポリマー1という)の合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、前記[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート125部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、平均2.15個であった。
製造例7
〜ケチミンの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行ない、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
製造例8
〜マスターバッチの合成〜
水1200部、カーボンブラック(キャボット社製、リーガル400R)40部、ポリエステル樹脂(三洋化成製、RS801)60部を、さらには水30部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
製造例9
〜油相、すなわち無機微粒子・着色剤・ワックスを含有するトナー組成物の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、前記[低分子ポリエステル1]400部、カルナバワックス110部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1Kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、ワックスの分散を行なった。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部、前記の[無機微粒子1]34部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・ワックス分散液1]を得た。[顔料・ワックス分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
製造例10
〜乳化〜
[顔料・ワックス分散液1]648部、[プレポリマー1]を154部、[ケチミン化合物1]8.5部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数10000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
すなわち、樹脂微粒子を含む水系媒体中で分散させると共に伸長反応が行なわれる。
製造例11
〜脱溶剤〜
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行ない、[分散スラリー1]を得た。
製造例12
〜洗浄・乾燥〜
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(i):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(ii):(i)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(iii):(ii)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(iv):(iii)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行ない、ケーキ状物を得た。これを、[濾過ケーキ1]とする。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、トナー母体粒子を得た。これを、[トナー母体粒子1]とする。
実施例1
[トナー母体粒子1]を75μmメッシュで篩い、その後分級操作にて微粉、粗粉をカットし、シリカ微粒子をそのシリカ添加量がトナー量の2.0重量部、酸化チタン微粒子をその酸化チタン添加量がトナー量の0.75重量部となるように配合し、ヘンシェルミキサーによって撹拌混合処理して電子写真用トナーとして使用した。
実施例2
[トナー母体粒子1]を45μmメッシュで篩い、その後分級操作にて微粉、粗粉をカットし、シリカ微粒子をそのシリカ添加量がトナー量の2.0重量部、酸化チタン微粒子をその酸化チタン添加量がトナー量の0.75重量部となるように配合し、ヘンシェルミキサーによって撹拌混合処理して電子写真用トナーとして使用した。
比較例1
[トナー母体粒子1]を75μmメッシュで篩い、その後分級操作にて微粉のみをカットし、シリカ微粒子をそのシリカ添加量がトナー量の2.0重量部、酸化チタン微粒子をその酸化チタン添加量がトナー量の0.75重量部となるように配合し、ヘンシェルミキサーによって撹拌混合処理して電子写真用トナーとして使用した。
比較例2
[トナー母体粒子1]を75μmメッシュで篩い、その後分級操作にて粗粉のみをカットし、シリカ微粒子をそのシリカ添加量がトナー量の2.0重量部、酸化チタン微粒子をその酸化チタン添加量がトナー量の0.75重量部となるように配合し、ヘンシェルミキサーによって撹拌混合処理して電子写真用トナーとして使用した。
比較例3
[トナー母体粒子1]をメッシュで篩わずに、分級操作にて微粉、粗粉をカットし、シリカ微粒子をそのシリカ添加量がトナー量の2.0重量部、酸化チタン微粒子をその酸化チタン添加量がトナー量の0.75重量部となるように配合し、ヘンシェルミキサーによって撹拌混合処理して電子写真用トナーとして使用した。
比較例4
[トナー母体粒子1]を150μmメッシュで篩い、その後分級操作にて微粉、粗粉をカットし、シリカ微粒子をそのシリカ添加量がトナー量の2.0重量部、酸化チタン微粒子をその酸化チタン添加量がトナー量の0.75重量部となるように配合し、ヘンシェルミキサーによって撹拌混合処理して電子写真用トナーとして使用した。
比較例5
製造例8にて用いたカルナバワックスをエステル系ワックスに変え[トナー母体粒子1]を作成。[トナー母体粒子1]を75μmメッシュで篩い、その後分級操作にて微粉、粗粉をカットし、シリカ微粒子をそのシリカ添加量がトナー量の2.0重量部、酸化チタン微粒子をその酸化チタン添加量がトナー量の0.75重量部となるように配合し、ヘンシェルミキサーによって撹拌混合処理して電子写真用トナーとして使用した。
比較例6
<第1工程>
・分散液(1)の調製
スチレン 370g
nブチルアクリレート 30g
アクリル酸 8g
ドデカンチオール 24g
四臭化炭素 4g
以上を混合し、溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)6g及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)10gをイオン交換水550gに溶解したものに、フラスコ中で分散し、乳化し、10分ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入し、窒素置換を行なった後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、平均粒径が155nm、ガラス転移点が59℃、重量平均分子量(Mw)が12,000である樹脂粒子を分散させてなる分散液(1)を調製した。
・分散液(2)の調製
スチレン 280g
nブチルアクリレート 120g
アクリル酸 8g
以上を混合し、溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)6g及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)12gをイオン交換水550gに溶解したものに、フラスコ中で分散し、乳化し、10分ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム3gを溶解したイオン交換水50gを投入し、窒素置換を行なった後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、平均粒径が105nm、ガラス転移点が53℃、重量平均分子量(Mw)が550,000である樹脂粒子を分散させてなる分散液(2)を調製した。
・着色剤分散液(1)の調製
カーボンブラック 50g
(キャボット社製:モーガルL)
非イオン性界面活性剤 5g
(三洋化成(株)製:ノニポール400)
イオン交換水 200g
以上を混合し、溶解し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散し、平均粒径が250nmである着色剤(カーボンブラック)を分散させてなる着色剤分散液(1)を調製した。
・離型剤分散液(1)の調製
パラフィンワックス 50g
(日本精蝋(株)製:HNP0190、融点85℃)
カチオン性界面活性剤 7g
(花王(株)製:サニゾールB50)
イオン交換水 200g
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が550nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(1)を調製した。
・凝集粒子の調製
分散液(1) 120g
分散液(2) 80g
着色剤分散液(1) 30g
離型剤分散液(1) 40g
カチオン性界面活性剤 1.5g
(花王(株)製:サニゾールB50)
以上を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が約5μmである凝集粒子(体積:95cm3)が形成されていることが確認された。
<第2工程>
・付着粒子の調製
ここに、樹脂含有微粒子分散液としての分散液(1)を緩やかに60g追加した。なお、前記分散液(1)に含まれる樹脂粒子の体積は25cmである。そして、加熱用オイルバスの温度を50℃に上げて1時間保持した。
<第3工程>
その後、ここにアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)3gを追加した後、前記ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら、105℃まで加熱し、3時間保持した。そして、冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、乾燥させることにより、トナー母体を得た。
このトナー母体を75μmメッシュで篩い、その後分級操作にて微粉、粗粉をカットし、シリカ微粒子をそのシリカ添加量がトナー量の2.0重量部、酸化チタン微粒子をその酸化チタン添加量がトナー量の0.75重量部となるように配合し、ヘンシェルミキサーによって撹拌混合処理して電子写真用トナーとして使用した。
[評価方法]
(評価項目)
(1)D10、D50、D90の測定
トナーの粒径は、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTAII」を用い、アパーチャー径100μmで測定した。体積分布を元にD10、D50、D90を算出した。
(2)25μm以上の凝集体量
目開き25μmの篩上にトナー100gを均一に載せ、振動篩機を用いて5分間振動を与えた。その後メッシュ上に残存したトナーの重量を測定し、25μm以上の凝集体量を算出した。
(3)平均円形度
フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測できる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
(4)画像粒状性、鮮鋭性
Ricoh製IPSiO Color8100をオイルレス定着方式に改造してチューニングした評価機を用い、単色で写真画像の出力を行ない、粒状性、鮮鋭性の度合を目視にて評価した。良好なものから◎、○、△、×で評価した。◎はオフセット印刷並、○はオフセット印刷よりわずかに悪い程度、△はオフセット印刷よりかなり悪い程度、×は従来の電子写真画像程度で非常に悪い。
(5)帯電安定性
Ricoh製IPSiO Color8100をオイルレス定着方式に改造してチューニングした評価機を用いて、各トナーを用いて画像面積率7%チャート連続100000枚出力耐久試験を実施し、そのときの帯電量の変化を評価した。現像剤1gを計量し、ブローオフ法により帯電量変化を求めた。帯電量の変化が5μc/g以下の場合は○、10μc/g以下の場合は△、10μc/gを超える場合は×とした。
(6)地肌汚れ
Ricoh製IPSiO Color8100をオイルレス定着方式に改造してチューニングした評価機を用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを30,000枚ランニング出力した後、白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定を行なった。画像濃度の差が少ない方が地肌汚れが良い。◎はΔIDが0.01未満、○ならΔIDが0.01〜0.02、△ならΔIDが0.02〜0.05、×ならΔIDが0.05以上である。
(7)トナー飛散
Ricoh製IPSiO Color8100をオイルレス定着方式に改造してチューニングした評価機を用い、各トナーを用いて画像面積率5%、チャート連続5万枚出力耐久試験を実施後トナーによる複写機内部の汚染が全くない場合は◎、わずかに存在するが実用上は全く問題ないレベルを○、飛散量がかなり多いが画像上は問題ないレベルを△、飛散量が多く画像上にまで問題が発生しているレベルを×とした。
(8)トナー流動性
パウダーテスター(PT−N型、ホソカワミクロン製)に、上から順に目開き75μm、45μm、22μmのメッシュを重ねて装填し、トナー母体を一番上側の75μmメッシュ上に2g入れ、縦方向に1mmの振動を10秒間与え、各メッシュ上のトナー残存量からトナー母体の流動性(凝集度)を算出した。
凝集度(%)=(5×(75μmメッシュ上の残トナー量(g))
+3×(45μmメッシュ上の残トナー量(g))
+(22μmメッシュ上の残トナー量(g)))×10
凝集度が8%以下の場合は◎、8〜16%の場合は○、16〜25%の場合は△、25%以上の場合は×とした。
(9)クリーニング性
Ricoh製IPSiO Color8100をオイルレス定着方式に改造してチューニングした評価機を用い、100枚出力後の清掃工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム(株)製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランクとの差が0.005未満のものを◎、0.005〜0.010のものを○、0.011〜0.02のものを△、0.02を超えるものを×として評価した。
(10)フィルミング
温度35℃、湿度95%の環境において、Ricoh製IPSiO Color8100をオイルレス定着方式に改造してチューニングした評価機を用いて、各トナーを用いて画像面積率7%チャート連続100000枚出力耐久試験を実施した際に途中でフィルミングが現れた場合を×、現れなかった場合を○とした。
得られたトナーの物性は表1、評価結果は表2に示した。
Figure 0004373930
Figure 0004373930
本発明のプロセスカートリッジを有する画像形成装置の概略構成を示した図である。 本発明の定着手段を示す図である。
符号の説明
10 プロセスカートリッジ
11 感光体
12 帯電手段
13 現像手段
14 クリーニング手段

Claims (15)

  1. 少なくとも樹脂結着剤、無機微粒子、着色剤、ワックスを含むトナー母体粒子に外添剤を付着させたトナーにおいて、該トナーが下記式(1)で表わされる関係を満足し、かつD50が3〜8μmであり、かつトナー中に存在する25μm以上の凝集体の量がトナー重量に対して0.5%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    Figure 0004373930
    (D10、D50、D90はトナーを小粒径側から積算した時に全粒子に対する体積百分率が10%、50%、90%となる粒径を示す。)
  2. 少なくとも官能基含有ポリエステル系樹脂が溶解されている有機溶媒相と、活性水素含有化合物と、着色剤とを、樹脂微粒子が分散されている水系媒体相中に分散させて、前記官能基含有ポリエステル系樹脂と前記活性水素含有化合物との伸長反応および/または架橋反応を起こさせ、これにより得られた分散液から粒子を形成し、この分散液の溶媒を除去、洗浄して得られたものであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記有機溶媒相中に、前記官能基含有ポリエステル樹脂とともに、更に、非反応性ポリエステルが溶解されており、前記官能基含有ポリエステル系樹脂と前記非反応性ポリエステルとの重量比が5/95〜75/25であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記外添剤として少なくとも2種類の無機微粒子からなることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記無機微粒子が疎水性シリカ及び酸化チタンであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記ワックスがカルナバワックスを含有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 前記ワックスのトナー粒子内部の含有量が5重量%以上であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーと磁性粒子からなるキャリアを含むことを特徴とする2成分系静電荷像現像用現像剤。
  9. 静電荷像担持体と帯電手段と露光手段と現像手段と接触転写手段と定着手段とクリーニング手段と除電手段を有し、前記現像手段が請求項1乃至のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを使用するものであることを特徴とする画像形成装置。
  10. 前記帯電手段は、静電荷像担持体に帯電部材を接触させ、当該帯電部材に電圧を印加することによって帯電を行なう帯電手段であることを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  11. 前記静電荷像担持体がアモルファスシリコン静電荷像担持体であることを特徴とする請求項又は10に記載の画像形成装置。
  12. 前記定着手段が、発熱体を具備する加熱体と、前記加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着トナー画像を形成させた被記録材を通過させて加熱定着する定着装置であることを特徴とする請求項乃至11のいずれかに記載の画像形成装置。
  13. 感光体と現像手段を有し、かつ帯電手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持していてもよく、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、前記現像手段は、トナーを擁し、該トナーが、請求項1乃至のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  14. 感光体上に形成された静電潜像をトナーで現像し、感光体上に形成されたトナー画像を画像支持体上に転写し、該トナー画像を定着装置により定着する画像形成方法であって、前記トナーが請求項1乃至7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
  15. 発熱体を具備する加熱体と、前記加熱体と接触するフィルムと、前記フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着トナー画像を形成させた被記録材を通過させて加熱定着する定着装置を用いることを特徴とする請求項14に記載の画像形成方法。
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