JP4373108B2 - 群遅延時間調整装置及び制御回路 - Google Patents

群遅延時間調整装置及び制御回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばフィードフォワード方式の歪み補償装置などに用いられる移相器に関し、特に、広帯域にわたって任意に位相を変えようとするときに必要とされる群遅延特性(group delay characteristic)を電気的に制御することができる移相器に関する。
【0002】
【発明の背景】
移相器には、その構成素子のリアクタンス成分を可変にするなどして電気的に信号の位相を変化させるものがあるが、単に入力信号の位相を変化させるだけでなく、群遅延特性も要求される場合には、この役目を果たせない。そのため、従来、群遅延特性が必要になる用途では、同軸プランジャなどの機械的に伝播時間を変化させる遅延時間調整器が一般的に使用されていた。
群遅延特性とは、それを通過する信号の位相が周波数に比例して遅れる(周波数の増加に伴い位相が負の方向に回転する)特性をいい、群遅延だけあるが位相変化がない回路では波形の変化がないことが特徴である。
【0003】
本発明は、群遅延特性が要求される用途において電気的に遅延時間を制御することができる群遅延時間調整装置及びその構成回路を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
以上のような課題を解決する本発明の群遅延時間調整装置は、それぞれ制御電圧の値によってリアクタンス値が変化する可変容量素子と可変誘導素子とを含む第1共振回路と、前記制御電圧を出力する制御回路とを備えてなる装置であって、前記制御回路は、前記第1共振回路と同じ構成の第2共振回路と、前記第1共振回路の共振周波数に等しい周波数の擬似信号を前記第2共振回路に入力したときの当該第2共振回路の入出力間の位相差を検出する位相差検出回路と、この位相差検出回路による検出値がゼロに近づくように前記第2共振回路に含まれる可変容量素子及び/又は可変誘導素子に供給する制御電圧の値を調整するとともに調整された値の制御電圧を前記第1共振回路の可変容量素子及び/又は可変誘導素子に供給する電圧調整回路とを有し、この電圧調整回路から供給される制御電圧で前記第1共振回路の共振周波数の変動を抑制しつつ当該第1共振回路の負荷Qを変化させることにより、当該第1共振回路による群遅延時間を変化させる。本明細書において共振回路の負荷Qとは、伝送線路のインピーダンスをも考慮に入れた共振回路のQである。
【0005】
第1共振回路における容量値及び誘導値が所要の値かどうかを第2共振回路の方で確認することができる。また、第1共振回路の共振周波数の変動が抑制された状態で第1共振回路の負荷Qが変わるので、群遅延時間を変えることができる。この群遅延時間調整装置による共振周波数付近での挿入損失は殆ど“0”となる。
【0006】
前記位相差検出回路は、例えば、前記第2共振回路に入力された前記擬似信号の位相と前記第2共振回路から出力される信号の位相とを90度ずらして同期検波する電子回路を含んで構成される。また、前記電圧調整回路は、例えば、前記位相差検出回路の検波結果に応じて前記第1共振回路及び前記第2共振回路の前記容量値又は前記誘導値を変化させるための制御電圧を生成する電子回路を含んで構成される。
前記位相差検出回路に含まれる電子回路は、例えば、前記第2共振回路に入力された前記擬似信号を分岐入力するπ/2移相器と、前記第2共振回路から出力される信号を前記π/2移相器の出力信号により同期検波する同期検波器とを含んで構成されたり、或いは、前記第2共振回路から出力される信号を90度移相させるπ/2移相器と、前記擬似信号を前記π/2移相器の出力信号により同期検波する同期検波器とを含んで構成される。
【0007】
前記第1共振回路及び前記第2共振回路は、例えば、それぞれ、通過する信号が伝送する伝送線路に対してシャントに接続された前記可変容量素子と、前記伝送線路に対してシャントに接続された前記可変誘導素子とから成る並列共振回路とすることができる。また、例えば、通過する信号が伝送する伝送線路に対して直列に接続された前記可変容量素子と、前記伝送線路に対して直列に接続された前記可変誘導素子から成る直列共振回路としてもよい。
【0008】
前記第1共振回路及び前記第2共振回路は、それぞれ、通過する信号が伝送する伝送線路に対してシャントに接続された前記可変容量素子と、前記伝送線路にシャントに接続された固定誘導素子及び前記可変容量素子の直列回路とからなる並列共振回路とすることができる。このように前記可変容量素子が二つの場合、前記電圧調整回路は、二つの前記可変容量素子によるインピーダンス値の合計値が変化しないように、これらの可変容量素子に供給する制御電圧をそれぞれ変化させるように構成される。
あるいは、前記第1共振回路及び前記第2共振回路を、それぞれ、通過する信号が伝送する伝送線路に対してシャントに接続された前記可変誘導素子と、前記伝送線路にシャントに接続された固定容量素子及び前記可変誘導素子の直列回路とからなる並列共振回路とすることもできる。この場合、前記電圧調整回路は、二つの前記可変誘導素子によるインピーダンス値の合計値が変化しないように、これらの可変誘導素子に供給する制御電圧をそれぞれ変化させるように構成される。
【0009】
本発明の制御回路は、上記の群遅延時間調整装置の一部の回路として組み込み可能な制御回路である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の群遅延時間調整装置の実施形態を説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態による群遅延時間調整装置の第1共振回路部分の回路構成図である。この第1共振回路によって可変群遅延時間回路の機能を実現することができる。
第1共振回路は、容量値が可変な容量素子である可変容量素子C1と、インダクタンス(誘導値)が可変な誘導素子である可変誘導素子L1とを備えている。可変容量素子C1は、後述する制御回路から供給される第1制御電圧V1の電圧値に応じて容量値が変化し、可変誘導素子L1は、その制御回路から供給される第2制御電圧V2の電圧値に応じてインダクタンスが変化するものである。
【0011】
可変容量素子C1と可変誘導素子L1は並列共振回路を形成しており、入力端子INと出力端子OUTとを結ぶ伝送線路に対してシャント(shunt)に接続されている。この並列共振回路は単峰特性のバンドパスフィルタとして機能しており、入力端子INから入力された信号から、所定の周波数帯域の信号成分のみを出力端子OUTへ出力する。
第1制御電圧V1及び第2制御電圧V2は、第1共振回路の共振周波数が変化しないようにしながら、可変容量素子C1の容量値及び可変誘導素子L1のインダクタンスを変化させる。
【0012】
可変容量素子C1及び可変誘導素子L1によるインピーダンスZ0は、可変誘導素子L1のインダクタンスをL、可変容量素子C1の容量値をCとすると、Z0=√(L/C)で表される(アドミッタンスY0はY0=√(C/L))。
この共振回路の共振時の角周波数ω0はω0=1/√(LC)で表されるので、このときの角周波数ω0を変えないでインピーダンスZ0を変えることは可能である。
第1共振回路の信号源インピーダンス及び負荷インピーダンスが50[Ω]の場合、群遅延時間調整装置の電圧伝達関数Vは、その逆数で表すと、以下のようになる。
1/V=1+50・jα・Y0
この式から、群遅延時間τは、以下のようになる。
τ=−d∠V/dω=50・Y0/ω0
【0013】
第1制御電圧V1及び第2制御電圧V2は可変容量素子C1の容量値C及び可変誘導素子L1のインダクタンスLをそれぞれ制御することにより、共振時の角周波数ω0を変えないでインピーダンスZ0のみを変えることができる。例えば、インダクタンスLを2倍、容量値Cを1/2にすると、共振周波数ω0は変わらず、アドミッタンスY0が半分になり、遅延時間τも半分になる。
このような図1の第1共振回路の可変容量素子及び可変誘導素子によるインピーダンスZ0を変えることにより、共振周波数及び挿入損失が変化せず、第1共振回路の負荷Qが変化して、群遅延時間τを変えることができる。
【0014】
図2は、図1のような第1共振回路に第1制御電圧V1及び第2制御電圧V2を供給するための制御回路の構成図である。この制御回路は、図1に示した第1共振回路と同一構成の第2共振回路を有している。
第2共振回路は、可変容量素子C2と可変誘導素子L2とで構成される。可変容量素子C2と可変誘導素子L2は、図1の第1共振回路に用いられる可変容量素子C1及び可変誘導素子L1と同じ特性の素子であり、結局、第2共振回路は、図1の第1共振回路と同じ回路構成になっている。
可変容量素子C2は、可変容量素子C1と同じ第1制御電圧V1によりその容量値が決められ、可変誘導素子L2は、可変誘導素子L1と同じ第2制御電圧V2によりそのインダクタンスが決められる。
【0015】
第2共振回路は並列共振回路なので、共振周波数と同一周波数の入力信号が第2共振回路に入力されると、第2共振回路によるインピーダンスZ0は無限大になり、その入出力間で位相変化はない。よって第2共振回路から出力される信号を入力信号で同期検波すると、直交成分は“0”になる。
【0016】
第1共振回路では、共振周波数が変化しないように可変容量素子C1の容量値C及び可変誘電素子L1のインダクタンスLを変化させるが、実際に第1共振回路に信号を通しながらその様子を確認することはできない。確認のための信号によって実際に通過させようとする信号が乱れてしまうためである。そこで、制御回路で上記の条件を満たす第1制御電圧V1及び/又は第2制御電圧V2を生成して第1共振回路に供給するのである。
【0017】
制御回路は、具体的には、第2共振回路のほか、第1共振回路に入力される信号の周波数帯域の中心周波数の信号を出力する電源11、可変容量素子C2、可変誘導素子L2、π/2移相器12、同期検波器13、LPF(Low Pass Filter)14、及び、増幅器15とを備えている。
【0018】
電源11は、第1共振回路の共振周波数に等しい周波数の擬似信号を発生する。この信号は、π/2移相器12及び第2共振回路に供給される。
π/2移相器12は、電源11から出力される信号の位相を90度(π/2ラジアン)シフトさせるためのものである。
同期検波器13は、第2共振回路の出力をπ/2移相器12の出力信号により同期検波する。この同期検波器13により、電源11から出力される信号が、第2共振回路を通ることによる位相のずれを検出する。
LPF14は、同期検波の結果に不要な周波数成分が含まれないようにフィルタリングするものである。
【0019】
増幅器15は、検波結果を増幅して第2制御電圧V2を生成する電子回路である。この第2制御電圧V2は、可変誘導素子L1及び可変誘導素子L2に供給される。検波結果が“0”でない場合には、検波結果が“0”になるように、第2制御電圧V2が可変誘導素子L2のインダクタンスを制御する。検波結果が“0”の場合には第2制御電圧V2は変化せず、可変誘導素子L2のインダクタンスはそのままである。このようにして、制御回路の共振回路による位相差が“0”になる。
なお、ここでは、第1制御電圧V1には、制御回路の外部から、所望の群遅延時間を得るための電圧が供給されているものとする。
【0020】
第1制御電圧V1及び増幅器15により得られた第2制御電圧V2は、第1共振回路にも供給され、第1共振回路と制御回路内の第2共振回路とが同じ条件で動作することになる。従って、この制御回路により、第1共振回路に対して、最適な第2制御電圧V2を供給できるようになる。
なお、この例では、第2制御電圧V2を供給する場合について説明したが、第1制御電圧についても同様に最適な値を第1共振回路に供給することができる。この場合には、第2制御電圧V2に外部から所望の群遅延時間を得るための電圧が供給されるようにし、第1制御電圧を増幅器15の出力として得るようにすればよい。
また、この実施形態ではπ/2移相器12を、電源11からみて第2共振回路と並列になるように設けているが、これに限らず、第2共振回路の前段または後段に設けるようにしてもよい。この場合、同期検波器13には、π/2移相器12により90度移相された第2共振回路の出力が入力されるほか、電源11から第2共振回路へ入力される信号が、直接入力され。ようするに、同期検波器13は、いずれかの位相が90度シフトされた電源11からの信号と第2共振回路の出力とで同期検波を行うようにすればよい。
【0021】
<第2実施形態>
図3は、本発明の第2実施形態による第1共振回路の構成図である。
この第1共振回路は、容量値が可変な容量素子である第1可変容量素子C3及び第2可変容量素子C4と、固定のインダクタンスを持つ誘導素子L3とを備えている。第1可変容量素子C3は、後述する制御回路から供給される第1制御電圧V1の電圧値に応じて容量値が変化し、第2可変容量素子C4は、同じく制御回路から供給される第2制御電圧V2の電圧値に応じて容量値が変化する。
【0022】
第1可変容量素子C3、第2可変容量素子C4、及び誘導素子L3は、並列共振回路を形成しており、共振回路の入力端子と出力端子とを結ぶ伝送線路に対してシャントに、第1可変容量素子C3が接続され、また、誘導素子L3と第2可変容量素子C4の直列回路が接続されている。
第1共振回路は、単峰特性のバンドパスフィルタとして機能しており、入力端子INから入力された信号から所定の周波数帯域の信号成分のみを出力端子OUTに出力する。
第1制御電圧V1及び第2制御電圧V2は、第1実施形態の場合と同様に、第1共振回路の共振周波数(角周波数ω0)が変化しないようにしながら、第1可変容量素子C3及び第2可変容量素子C4の容量値を変化させる。共振周波数(共振時の角周波数ω0)は、第1可変容量素子C3及び第2可変容量素子C4の合成容量により決まるので、この合成容量が変わらないように第1制御電圧V1及び第2制御電圧V2を変化させる。つまり、第1可変容量素子C3のインピーダンス値と第2可変容量素子C4のインピーダンス値との合計値が変化しないように第2制御電圧V2を変化させる。
このような第1共振回路においても、第1実施形態のものと同様に、挿入損失が変化せず、遅延時間のみを変えることができる。
【0023】
この第1共振回路の共振時の角周波数ω0は、誘電素子L3のインダクタンスをL1、第1可変容量素子C3の容量値をC1、第2可変容量素子C4の容量値をC2とすると、以下のように表される。
ω0=1/√(L1C0)
C0=C1C2/(C1+C2)
共振回路の電圧伝達関数Vの逆数1/Vは、以下のようになる。
1/V=1+25・jαK
但し、K=2ω0(C1+C2)C0/(C2−C0)
これにより群遅延時間が求められるが、C1(C2)を変えると、上記のKも変化して、群遅延時間も変化する。
【0024】
この実施形態の第1共振回路に第1制御電圧V1及び第2制御電圧V2を供給するための制御回路は、図4のようなものである。
この制御回路は、図2に示した制御回路の構成を一部変形したものである。図2の制御回路との相違は第2共振回路の部分であり、図3の第1共振回路と同様の構成になっている。この第2共振回路部分が異なっているだけで、動作的にはまったく図2の制御回路と差異はない。
すなわち、この実施形態においても、第2共振回路は、電源11と同期検波器13との間の伝送線路に対してシャントに、第1可変容量素子C5が接続され、また、誘導素子L4と第2可変容量素子C6の直列回路が接続されて構成されている。このような回路構成により、図3の第1共振回路に対して第2制御電圧V2が印加され、共振周波数が一定に保たれる。
【0025】
<第3実施形態>
図5は、図3の第1共振回路の変形例であり、可変容量素子C3,C4に代えて、可変誘導素子L5,L6を用い、誘導素子L3に替えて容量素子C7を用いた点が異なるのみである。
このような第1共振回路に第1制御電圧V1及び第2制御電圧V2を供給するための制御回路は、例えば図6のような回路構成となる。
図4の制御回路との比較では、可変容量素子C5,C6に代えて、可変誘導素子L7,L8を用い、誘導素子L4に替えて容量素子C8を用いた点が異なるのみである。その動作は、図3及び図4の共振回路及び制御回路に同じである。
【0026】
<第4実施形態>
図7は、図1の第1共振回路の変形であり、伝送線路に対してシャントに接続された可変容量素子C1及び可変誘導素子L1に代えて、可変容量素子C9及び可変誘導素子L9を伝送線路に対して直列に接続している点が異なるのみである。
このような第1共振回路においても、第1実施形態と同様に、共振周波数付近の挿入損失が変化せず、遅延時間のみを変えることができる。
このような第1共振回路に第1制御電圧V1及び第2制御電圧を供給するための制御回路は、例えば図8のような回路構成となる。
図2の制御回路との比較では、シャントに接続されている可変容量素子C2及び可変誘導素子L2に代えて、直列に接続された可変容量素子C10及び可変誘導素子L10を用いた点が異なるのみである。その動作は、図1及び図2の共振回路及び制御回路に同じである。
【0027】
なお、以上の説明において第1共振回路と制御回路とを別の装置として説明したが、共振回路と制御回路とが一体となって構成されていてもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、良好な群遅延特性が要求される場合でも、挿入損失を変化させずに電気的に群遅延時間を制御できる群遅延時間調整装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態による第1共振回路の構成図。
【図2】第1実施形態による制御回路の構成図。
【図3】第2実施形態による第1共振回路の構成図。
【図4】第2実施形態による制御回路の構成図。
【図5】第3実施形態による第1共振回路の構成図。
【図6】第3実施形態による制御回路の構成図。
【図7】第4実施形態による第1共振回路の構成図。
【図8】第4実施形態による制御回路の構成図。
【符号の説明】
C1、C2、C3、C4、C5、C6、C9、C10 可変容量素子
C7、C8 容量素子
L1、L2、L5、L6、L7、L8、L9、L10 可変誘導素子
L3、L4 誘導素子
11 電源
12 π/2移相器
13 同期検波器
14 LPF
15 増幅器

Claims (11)

  1. 御電圧の値によってリアクタンス値が変化する可変容量素子及び可変誘導素子の少なくとも一方を含む第1共振回路と、前記制御電圧を出力する制御回路とを備えてなる装置であって、
    前記制御回路は、
    前記第1共振回路と同じ構成の第2共振回路と、
    前記第1共振回路の共振周波数に等しい周波数の擬似信号を前記第2共振回路に入力したときの当該第2共振回路の入出力間の位相差を検出する位相差検出回路と、
    この位相差検出回路による検出値がゼロに近づくように前記第2共振回路に含まれる可変容量素子又は可変誘導素子に供給する制御電圧の値を調整するとともに調整された制御電圧を前記第1共振回路の可変容量素子又は可変誘導素子に供給する電圧調整回路とを有し、
    この電圧調整回路から供給される制御電圧により前記第1共振回路の前記可変容量素子又は可変誘導素子のリアクタンス値を変化させることで、前記第1共振回路の共振周波数の変動を抑制しつつ当該第1共振回路による群遅延時間を変化させることを特徴とする、
    群遅延時間調整装置。
  2. 前記位相差検出回路は、前記第2共振回路に入力された前記擬似信号の位相と前記第2共振回路から出力される信号の位相とを90度ずらして同期検波する電子回路を含んで構成されており、
    前記電圧調整回路は、前記位相差検出回路の検波結果に応じて前記第1共振回路及び前記第2共振回路の前記容量値又は前記誘導値を変化させるための制御電圧を生成する電子回路を含んで構成されることを特徴とする、
    請求項1記載の群遅延時間調整装置。
  3. 前記位相差検出回路は、前記第2共振回路に入力された前記擬似信号を分岐入力するπ/2移相器と、前記第2共振回路から出力される信号を前記π/2移相器の出力信号により同期検波する同期検波器とを含んで構成されることを特徴とする、
    請求項2記載の群遅延時間調整装置。
  4. 前記位相差検出回路は、前記第2共振回路から出力される信号を90度移相させるπ/2移相器と、前記擬似信号を前記π/2移相器の出力信号により同期検波する同期検波器とを含んで構成されることを特徴とする、
    請求項2記載の群遅延時間調整装置。
  5. 前記第1共振回路及び前記第2共振回路は、それぞれ、通過する信号が伝送する伝送線路に対してシャントに接続された前記可変容量素子と、前記伝送線路に対してシャントに接続された前記可変誘導素子とから成る並列共振回路であることを特徴とする、
    請求項2記載の群遅延時間調整装置。
  6. 前記第1共振回路及び前記第2共振回路は、それぞれ、通過する信号が伝送する伝送路に対して直列に接続された前記可変容量素子と、前記伝送線路に対して直列に接続された前記可変誘導素子から成る直列共振回路であることを特徴とする、
    請求項2記載の群遅延時間調整装置。
  7. 前記第1共振回路及び前記第2共振回路は、それぞれ、通過する信号が伝送する伝送線路に対してシャントに接続された前記可変容量素子と、前記伝送線路にシャントに接続された固定誘導素子及び前記可変容量素子の直列回路とからなる並列共振回路であることを特徴とする、
    請求項2記載の群遅延時間調整装置。
  8. 前記電圧調整回路は、二つの前記可変容量素子によるインピーダンス値の合計値が変化しないように、これらの可変容量素子に供給する制御電圧をそれぞれ変化させるように構成されていることを特徴とする、
    請求項7記載の群遅延時間調整装置。
  9. 前記第1共振回路及び前記第2共振回路は、それぞれ、通過する信号が伝送する伝送線路に対してシャントに接続された前記可変誘導素子と、前記伝送線路にシャントに接続された固定容量素子及び前記可変誘導素子の直列回路とからなる並列共振回路であることを特徴とする、
    請求項2記載の群遅延時間調整装置。
  10. 前記電圧調整回路は、二つの前記可変誘導素子によるインピーダンス値の合計値が変化しないように、これらの可変誘導素子に供給する制御電圧をそれぞれ変化させるように構成されていることを特徴とする、
    請求項9記載の群遅延時間調整装置。
  11. 御電圧の値によってリアクタンス値が変化する可変容量素子及び可変誘導素子の少なくとも一方を含む第1共振回路に対して前記制御電圧を出力する制御回路であって、
    前記第1共振回路と同じ構成の第2共振回路と、
    前記第1共振回路の共振周波数に等しい周波数の擬似信号を前記第2共振回路に入力したときの当該第2共振回路の入出力間の位相差を検出する位相差検出回路と、
    この位相差検出回路による検出値がゼロに近づくように前記第2共振回路に含まれる可変容量素子又は可変誘導素子に供給する制御電圧の値を調整するとともに調整された制御電圧を前記第1共振回路の可変容量素子又は可変誘導素子に供給する電圧調整回路とを有し、
    この電圧調整回路から供給される制御電圧により前記第1共振回路の前記可変容量素子又は可変誘導素子のリアクタンス値を変化させることで、前記第1共振回路の共振周波数の変動を抑制しつつ当該第1共振回路による群遅延時間を変化させることを特徴とする、
    群遅延時間調整用の制御回路。
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