JP2006261843A - 可変移相器 - Google Patents

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Shigeru Amano
茂 天野
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Abstract

【課題】 位相周波数特性の平坦性と広い位相可変幅の両立が可能な可変移相器を提供する。
【解決手段】 90°ハイブリッドカプラと複数の可変容量素子との間に、各々の可変容量素子に対して直列に伝送線路を有し、その伝送線路長を最適化する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、90°ハイブリッドカプラと可変容量素子を有し、信号の位相を変化させる可変移相器に関する。
従来の反射型可変移相器の実施例を図2に示す。図2において、1は信号入力端子、2は信号出力端子、3は90°ハイブリッドカプラ、11と12は可変容量素子である。
90°ハイブリッドカプラとは4端子の機器で、入力信号を互いに位相が90°異なる2つの信号に分離し、又2つの入力信号を1つの信号に合成する機能を有する。
従来の回路では図4に示すとおり、位相可変時の位相周波数特性の変化量が大きい。実システム上は位相周波数特性平坦度が重要であり、これを得るためには位相可変幅を少なくせざるを得ず、位相周波数特性の平坦性と広い位相可変幅の両立が困難である。
本願に関連する特許文献を以下に挙げる。特許文献1ではマイクロ波帯移相器の広帯域化を実現する為に、ブランチライン(Branch-Line)形ハイブリッドと可変容量ダイオードとの間に伝送線路を設けている。ブランチラインとはハイブリッド回路の一形態を指しており、この他にラットレース(Rat-Race)形や分布結合(Coupled-Line)形などが知られている。
特許文献2では位相変化に伴う通過損失をなくして可変減衰器による調整を不要とする為に、2つの反射型移相器を接続している。一方の移送器では可変容量素子とグランドとの間に伝送線路を有し、もう一方の移送器では伝送線路を有さない構成となっている。特許文献2の移送器に設けられた伝送線路は可変容量素子の反射係数を補正する役目を担っている。
特開昭62−144403号公報 特開平09−232802号公報
従来の反射型可変移相器は、上記の如く、可変容量素子の容量を変化させたとき、すなわち位相可変時に位相周波数特性が変化してしまうという課題があった。
上記問題点に鑑み、本発明は位相可変時の位相周波数特性の平坦性に優れた反射型可変移相器を提供することを目的とする。
上記問題を解決する為に、本発明の可変移相器は、90°ハイブリッドカプラと複数の可変容量素子とを有し、信号の位相を調整する複数の位相調整手段を有することを特徴とする。
また本発明では、上記可変容量素子は接地され、上記位相調整手段は上記90°ハイブリッドカプラと上記可変容量素子とに接続されていることを特徴とする。
また本発明では、上記位相調整手段は上記可変容量素子と直列に接続されていることを特徴とする。
また本発明においては、上記位相調整手段は伝送線路であることを特徴とする。
本発明によれば、90°ハイブリッドカプラと複数の可変容量素子の間におのおの直列に伝送線路を有し、その伝送線路長を最適化することにより、位相可変時の位相周波数特性の平坦性と広い位相可変幅の両立を実現することができる。
図1を参照すると、本発明の一実施例としての反射型可変移相器が示されている。図1において、1は信号入力端子、2は信号出力端子、3は90°ハイブリッドカプラ、11と12は可変容量素子である。11と12は同一の可変容量素子であり、接地側の反対側から電圧制御を行うことで容量が変化するものとする。90°ハイブリッドカプラ3と可変容量素子11、12の間には各々伝送線路21、22を備える。90°ハイブリッドカプラはカップルドライン形でもよい。ここで伝送線路21、22は同じ長さであり、線路特性インピーダンスはシステム全体の特性インピーダンスと同じ値に設定される。これは伝送線路21及び22のところで信号が反射されないようにするためである。更に伝送線路長Lは、システムで使用する中心周波数に相当する波長をλとした時、0<L<λ/4に設定される。この伝送線路長Lは以下の位相周波数特性を得る為に最適化されたものである。
従来の実施例を示す図2と本発明の実施例を示す図1の相違点は、90°ハイブリッドカプラ3と可変容量素子11、12間の伝送線路21、22の有無の違いである。
信号入力端子1から入力された信号は90°ハイブリッドカプラ3によって分割され、それぞれ伝送線路21及び22を通って可変容量素子11及び12で反射される。その後再度伝送線路21及び22を通って90°ハイブリッドカプラ3によって合成され、信号出力端子2から出力される。90°ハイブリッドカプラに入力された信号は伝送線路を2回通ることで位相が調整され、位相周波数特性が良化される。
図4に従来例による位相可変時の位相周波数特性の実測例を、図3に本実施形態による位相可変時の位相周波数特性の実測例を示す。ここでは携帯電話基地局装置のひとつであるW−CDMA方式の周波数帯域を例にとり説明する。所要周波数帯域は2110MHz〜2170MHzの60MHz帯域である。可変容量素子として可変容量ダイオードを使用し、容量を変化させるための制御電圧Vcontを0V〜−12Vまで2V幅で変化させたときの実測例である。
従来例である図4では、制御電圧変化時の位相可変量は、測定の結果、帯域中心周波数である周波数2140MHzにおいて120°であり、本発明例である図3では同じ条件下で115°であった。よって位相可変量は同等である。一方、制御電圧変化時の上記所要周波数帯域内の位相周波数特性は従来例である図4では最大5°に対し、本発明例である図3では1°以下の周波数特性に改善されている。
反射型可変移相器は携帯電話基地局装置、特に歪み補償機能を有する送信増幅器において使用されており、システム上、実用的な歪み補償量を得るためには位相変化時の可変移相器による所要周波数帯域内位相周波数特性を1°程度に抑えることが必要である。従来例である図4で位相周波数特性を1〜2°程度に抑えるためには、Vcont=−8〜−12Vの範囲またはVcont=0〜−4Vの範囲で使用せざるを得ず、実用的な位相可変量は2140MHzで40°程度となってしまう。一方、本発明例である図3ではVcont=0〜−12Vの全範囲で位相周波数特性が1°以下のため、Vcontの全範囲、即ち実用的な位相可変量115°が得られることになる。
以上説明したように、本発明においては、位相可変時の位相周波数特性の平坦性に優れた反射型可変移相器を実現できる。
本発明の一実施形態における回路の構成を示す図である。 従来の反射型可変移相器の構成を示す図である。 本発明の一実施形態における位相周波数特性を表す図である。 従来の反射型可変移相器の位相周波数特性を表す図である。
符号の説明
1 信号入力端子
2 信号出力端子
3 90°ハイブリッドカプラ
11 可変容量素子
12 可変容量素子
21 伝送線路
22 伝送線路

Claims (6)

  1. 90°ハイブリッドカプラと複数の可変容量素子とを有する可変移相器において、
    信号の位相を調整する複数の位相調整手段を有することを特徴とする可変移相器。
  2. 前記可変容量素子は接地され、前記位相調整手段は前記90°ハイブリッドカプラと前記可変容量素子とに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の可変移相器。
  3. 前記位相調整手段は前記可変容量素子と直列に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の可変移相器。
  4. 前記位相調整手段は伝送線路であることを特徴とする請求項3に記載の可変移相器。
  5. 前記伝送線路の長さLは、所要周波数帯域の中心周波数に相当する波長をλとしたとき、
    0<L<λ/4
    であることを特徴とする請求項4に記載の可変移相器。
  6. 前記伝送線路の特性インピーダンスは回路全体の特性インピーダンスと等しいことを特徴とする請求項4に記載の可変移相器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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ITTO20120434A1 (it) * 2012-05-16 2013-11-17 Onetastic S R L Circuito e metodo per generare un ritardo variabile in un segnale elettromagnetico che attraversa detto circuito, in particolare per l¿utilizzo in un amplificatore in configurazione doherty.
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