JP4372499B2 - 可逆性感熱記録材料塗布液の製造方法および、可逆性感熱記録媒体の製造方法 - Google Patents

可逆性感熱記録材料塗布液の製造方法および、可逆性感熱記録媒体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆性感熱記録材料塗布液および可逆性感熱記録媒体の製造方法に関し、さらに詳しくは、熱エネルギーを制御することにより、発色画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記録材料塗布液の製造方法および、この塗布液を使用する可逆性感熱記録媒体の製造方法に関する。
電子供与性呈色性化合物、電子受容性化合物および消色促進剤を含有してなり、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成し得る可逆性感熱記録媒体は、例えば下記特許文献1に記載されている。
このような可逆性感熱記録媒体は、従来、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物が単独に分散している液、電子供与性呈色性化合物が溶解し電子受容性化合物が析出物として分散している液、若しくはその逆の液、または、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物が溶解している液を可逆性感熱記録材料塗布液として支持体上に塗工し、可逆性感熱記録層を形成することにより製造されている。このような可逆性感熱記録媒体は、熱エネルギーを制御することにより発色画像の形成と消去が可能である。
可逆性感熱記録材料としては、例えば下記特許文献2、3、4等に開示されている。しかしながら、従来の可逆性感熱記録材料では、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物とが樹脂マトリクス中に均一に混合分散しているドメインを形成させることが難しく、そのため、発色特性感度が不良となり、十分な品質を提供することができないという欠点があった。
特開2002−19295号公報 特開平8−183251号公報 特許第3113479号明細書 特開2001−138630号公報
したがって本発明の目的は、可逆性感熱記録層中の樹脂マトリクス中に電子供与性呈色性化合物および電子受容性化合物を均一に分散させることができ、良好な発色特性熱感度が得られる可逆性感熱記録材料塗布液および可逆性感熱記録媒体の製造方法を提供することにある。
請求項1の発明は、電子供与性呈色性化合物であるロイコ染料、電子受容性化合物である顕色剤、消色促進剤および樹脂を含有してなり、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成し得る可逆性感熱記録材料塗布液の製造方法において、前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤をこれらが可溶な溶媒に溶解させ、得られた混合溶解液を、前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の不溶な溶媒に混合し、前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の混合物質を析出させ、前記混合物質を乾燥し、しかる後に粉砕し、得られた粉砕物を、ポリビニルアルコール樹脂溶解液中に分散し、さらに粉砕することを特徴とする可逆性感熱記録材料塗布液の製造方法である。
請求項2の発明は、前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の可溶な溶媒が、前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の全てを常温若しくはそれ以上の温度で溶解する溶媒であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法である。
請求項3の発明は、前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の不溶な溶媒が、前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の全てを常温若しくはそれ以上の温度で溶解しない溶媒であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法である。
請求項4の発明は、前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の可溶な溶媒と不溶な溶媒との混合比(質量比)が、前者:後者として2:1〜1:9であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の製造方法である。
請求項5の発明は、前記混合物質の析出が、前記混合溶解液を、前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の不溶な溶媒に攪拌しながら混合または噴霧することにより行なわれる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の製造方法である。
請求項6の発明は、前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤を、粉砕分散により樹脂溶解液中に分散させることを特徴とする請求項1に記載の製造方法である。
請求項7の発明は、前記粉砕分散が、衝突力またはせん断力を利用して行なわれることを特徴とする請求項に記載の製造方法である。
請求項8の発明は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の製造方法により得られた可逆性感熱記録材料塗布液を支持体上に塗布し、乾燥し、成膜することを特徴とする可逆性感熱記録媒体の製造方法である。
請求項9の発明は、前記成膜工程後、可逆性感熱記録材料の塗膜を再加熱することを特徴とする請求項8に記載の製造方法である。
請求項10の発明は、前記再加熱が、下記温度範囲で行なわれることを特徴とする請求項9に記載の製造方法である。
再加熱温度:前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の三者中、最も融点の高い材料の融点以下、前記融点より10℃低い温度以上。
請求項11の発明は、前記可逆性感熱記録材料の塗膜上に、別の層を1層以上設けた後に、前記再加熱を行なうことを特徴とする請求項9または10に記載の製造方法である。
請求項12の発明は、前記再加熱が、1秒以上行なわれることを特徴とする請求項10または11に記載の製造方法である。
請求項13の発明は、請求項8ないし12のいずれか1項に記載の製造方法により得られた可逆性感熱記録媒体である。
本発明の製造方法によれば、樹脂マトリクス中に電子供与性呈色性化合物および電子受容性化合物、さらに消色促進剤が均一に混合分散した可逆性感熱記録材料塗布液が得られる。したがって、この塗布液を支持体上に塗布し記録層とすることにより、発色特性熱感度が良好な可逆性感熱記録媒体が得られる。
本発明に用いられるロイコ染料、顕色剤、消色促進剤、樹脂、溶媒の例を以下に示す。
まず、ロイコ染料(電子供与性呈色性化合物)を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、ロイコ染料を単独または混合して用いることもできる。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフルロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2,3−ジメチル−6−ジメトルアミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−N−n−アミル−N−メチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド。
本発明で用いる電子供与性呈色性化合物は前記のフルオラン化合物、アザフタリド化合物の他に、従来公知のロイコ染料を単独または混合して使用することができる。その電子供与性呈色性化合物を以下に示す。
2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−クロロアニリノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジブチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−トルイジノ)フルオラン等。
本発明において好ましく用いられる他の電子供与性呈色性化合物の具体例を示すと以下の通りである。
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−2−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−パルミチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−ベンゾイルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メトキシベンゾイルアミノ)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メトキシ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p−トルイジノ)−3−(t−ブチル)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メトキシカルボニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アセチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、4−メトキシ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−クロロ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−ベンジル−p−トリフロロメチルアニリノ)−4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)フルオラン、2−メシジノ−4’,5’−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−(α−ナフチルアミノ)−3,4ベンゾ−4’−ブロモ−6−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、2−ピペリジノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−n−プロピル−p−トリフロロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、2−(ジ−N−p−クロロフェニル−メチルアミノ)−6−ピロリジノフルオラン、2−(N−n−プロピル−m−トリフロロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−n−オクチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジアリルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エトキシエチル−N−エチルアミノ)フルオラン、ベンゾロイコメチレンブルー、2−[3,6−ビス(ジエチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)キサンチル]安息香酸ラクタム、2−[3,6−ジエチルアミノ)−9−(o−クロロアニリノ)キサンチル]安息香酸ラクタム、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3、3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロロフタリド、3,3−ビス−(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメトキシアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−ニトロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4−クロロ−5−メトキシフェニル)フタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6’−ブロモ−2’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン等。
次に、電子供与性呈色性化合物と組み合わせて用いられる顕色剤(電子受容性化合物)について説明する。
顕色剤は、特開平5−124360号公報に開示されているように、長鎖脂肪族炭化水素基をもつ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物またはフェノール化合物等の、分子内に電子供与性呈色性化合物を発色させることができる顕色能をもつ構造と分子間の凝集力をコントロールする構造を併せ持つ化合物が使用される。顕色能をもつ構造としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、リン酸基などの酸性の基が用いられるが、これらに限らず、チオ尿素基、カルボン酸金属基など発色剤を発色できる基を持てばよい。
分子間の凝集力をコントロールする構造の代表例としては長鎖アルキル基等の炭化水素基などがある。この炭化水素基の炭素数は8以上であることが良好な発色・消色特性を得る上で好ましい。また、この炭化水素基には不飽和結合が含まれてもよく、また分枝状の炭化水素基も包含される。この場合も主鎖部分は炭素数8以上であることが好ましい。上記のように顕色剤は、顕色能をもつ構造と炭化水素基のような分子間の凝集力をコントロールする構造が連結した構造を持つ。この連結部分にはヘテロ原子を含む2価の基、または、これらの基が複数個組合わさった基をはさんで結合していてもよい。
以下、本発明に用いられる顕色剤(フェノール化合物)について具体的に例示する。なお、顕色剤は単独で用いてもよいし2種類以上を混合して用いてもよい。
Figure 0004372499
式中、Xはヘテロ原子を含む2価の基または直接結合手を示し、Xはヘテロ原子を含む2価の基を示す。Rは2価の炭化水素基を表わし、Rは炭素数1から22の炭化水素基を表わす。また、pは0から4の整数を表わし、pが2から4のとき繰り返されるRおよびXは同一でも、異なっていても良い。また、qは1から3を表わす。
具体的には、RおよびRは置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、これらは脂肪族炭化水素基でも芳香族炭化水素基でもよく、また、これらの両方から構成される炭化水素基でもよい。また脂肪族炭化水素基は直鎖でも分枝していてもよく、不飽和結合を有していてもよい。炭化水素基につく置換基としては、水酸基、ハロゲン、アルコキシ基等がある。なお、Rは直接結合手でもよい。
またR及びRの炭素数の和が7以下では発色の安定性や消色性が低下するため、炭素数は8以上が好ましく、11以上であることがより好ましい。XおよびXの具体例を以下に示す。
Figure 0004372499
中でも下記の基が好ましい。
Figure 0004372499
本発明における顕色剤の具体例を以下に示す。ただし、rは1〜22であり、sは1〜22である。
しかしながら、本発明はこれらに限定されるものではない。また、顕色剤は単独または混合して用いることもできる。
Figure 0004372499
さらに好ましい顕色剤は、以下のとおりである。
Figure 0004372499
Figure 0004372499
また、有機リン酸化合物としては以下のような化合物が例示できる。ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン酸、リン酸ジテトラデシルエステル、リン酸ジヘキサデシルエステル、リン酸ジオクタデシルエステル、リン酸ジエイコシルエステル、リン酸ジベヘニルエステル等。
脂肪族カルボン酸化合物としては以下のような化合物が例示できる。2−ヒドロキシテトラデカン酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、2−ヒドロキシエイコサン酸、2−ヒドロキシドコサン酸、2−ブロモヘキサデカン酸、2−ブロモオクタデカン酸、2−ブロモエイコサン酸、2−ブロモドコサン酸、3−ブロモオクタデカン酸、3−ブロモドコサン酸、2,3−ジブロモオクタデカン酸、2−フルオロドデカン酸、2−フルオロテトラデカン酸、2−フルオロヘキサデカン酸、2−フルオロオクタデカン酸、2−フルオロエイコサン酸、2−フルオロドコサン酸、2−ヨードヘキサデカン酸、2−ヨードオクタデカン酸、3−ヨードヘキサデカン酸、3−ヨードオクタデカン酸、パーフルオロオクタデカン酸等。
脂肪族ジカルボン酸およびトリカルボン酸化合物としては以下のような化合物が例示できる。2−ドデシルオキシこはく酸、2−テトラデシルオキシこはく酸、2−ヘキサデシルオキシこはく酸、2−オクタデシルオキシこはく酸、2−エイコシルオキシこはく酸、2−ドデシルオキシこはく酸、2−ドテシルチオこはく酸、2−テトラデシルチオこはく酸、2−ヘキサデシルチオこはく酸、2−オクタデシルチオこはく酸、2−エイコシルチオこはく酸、2−ドコシルチオこはく酸、2−テトラコシルチオこはく酸、2−ヘキサデシルジチオこはく酸、2−オクタデシルジチオこはく酸、2−エイコシルジチオこはく酸、ドデシルこはく酸、テトラデシルこはく酸、ペンタデシルこはく酸、ヘキサデシルこはく酸、オクタデシルこはく酸、エイコシルこはく酸、ドコシルこはく酸、2,3−ジヘキサデシルこはく酸、2,3−ジオクタデシルこはく酸、2−メチル−3−ヘキサデシルこはく酸、2−メチル−3−オクタデシルこはく酸、2−オクタデシル−3−ヘキサデシルこはく酸、ヘキサデシルマロン酸、オクタデシルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオクタデシルマロン酸、ジドコシルマロン酸、メチルオクタデシルマロン酸、2−ヘキサデシルグルタル酸、2−オクタデシルグルタル酸、2−エイコシルグルタル酸、ドコシルグルタル酸、2−ペンタデシルアジピン酸、2−オクタデシルアジピン酸、2−エイコシルアジピン酸、2−ドコシルアジピン酸、2−ヘキサデカノイルオキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、2−オクタデカノイルオキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸等。
本発明で用いられる消色促進剤としては、好ましくは、ヘテロ原子を含む2価の基と炭素数8以上のアルキル鎖を有する化合物や、N,N’−2置換基を有する化合物等が挙げられる。
以下に消色促進剤の具体例を示すが、これらの化合物に限定されるものではない。
1123CONHC1225、C1531CONHC1633、C1735CONHC1837、C1735CONHC1835、C2141CONHC1837、C1531CONHC1837、C1735CONHCHHNOCC1735、C1123CONHCHHNOCC1123、C15CONHCHNOCC1735、C19CONHCHNOCC19、C1123CONHCHNOCC1123、C1735CONHCHNOCC1735、(CHCHC1435CONHCHNOCC1435(CH、C2143CONHCHNOCC2143、C1735CONHC12HNOCC1735、C2143CONHC12HNOCC2143、C1733CONHCHHNOCC1733、C1733CONHCHNOCC1733、C2141CONHCHNOCC2141、C1733CONHC12HNOCC1733、C17NHCOCCONHC1837、C1021NHCOCCONHC1021、C1225NHCOCCONHC1225、C1837NHCOCCONHC1837、C2143NHOCCCONHC2143、C1837NHOCC12CONHC1837、C1835NHCOCCONHC1835、C1835NHCOC16CONHC1835、C1225OCONHC1837、C1327OCONHC1837、C1633OCONHC1837、C1837OCONHC1837、C2143OCONHC1837、C1225OCONHC1633、C1327OCONHC1633、C1633OCONHC1633、C1837OCONHC1633、C2143OCONHC1633、C1225OCONHC1429、C1327OCONHC1429、C1633OCONHC1429、C1837OCONHC1429、C2245OCONHC1429、C1225OCONHC1237、C1327OCONHC1237、C1633OCONHC1237、C1837OCONHC1237、C2143OCONHC1237、C2245OCONHC1837、C1837NHCOOCOCONHC1837、C1837NHCOOCOCONHC1837、C1837NHCOOCOCONHC1837、C1837NHCOOC12OCONHC1837、C1837NHCOOC16OCONHC1837、C1837NHCOOCOCOCONHC1837、C1837NHCOOCOCOCONHC1837、C1837NHCOOC1224OCONHC1837、C1837NHCOOCOCOCOCONHC1837、C1633NHCOOCOCONHC1633、C1633NHCOOCOCONHC1633、C1633NHCOOCOCONHC1633、C1633NHCOOC12OCONHC1633、C1633NHCOOC16OCONHC1633、C1837OCOHNC12NHCOOC1837、C1633OCOHNC12NHCOOC1633、C1429OCOHNC12NHCOOC1429、C1225OCOHNC12NHCOOC1225、C1021OCOHNC12NHCOOC1021、C817OCOHNC12NHCOOC17等。
また、次の化合物も例示される。
Figure 0004372499
ロイコ染料と顕色剤の割合は、使用する化合物の組合わせにより適切な範囲が変化するが、おおむねモル比でロイコ染料1に対し顕色剤が0.1から20の範囲であり、好ましくは0.2から10の範囲である。この範囲より顕色剤が少なくても多くても発色状態の濃度が低下し問題となる。また、消色促進剤の割合は顕色剤に対し0.1重量%から300重量%が好ましく、より好ましくは3重量%から100重量%が好ましい。また、ロイコ染料と顕色剤はマイクロカプセル中に内包して用いることもできる。
本発明に用いられる樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系共重合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタアクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アリカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アリカリ塩、ポリアクリルアミド、変成ポリアクリルアミド、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、カルボキシ変成ポリエチレン、ポリビニルアルコール/アクリルアミドブロック共重合体、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンが挙げられる。これらは、単独もしくは、混合して使用される。
これらの樹脂の役割は、塗布液の各材料が記録消去の熱印加によって片寄ることなく均一に分散した状態を保つことにある。したがって、樹脂には耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましい。たとえば、熱、紫外線、電子線などで樹脂を架橋させてもよい。このような架橋状態にある樹脂としては、具体的にはアクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど架橋剤と反応する基を持つ樹脂、または架橋剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂などが挙げられるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。更に、これらの樹脂に対してベンゾトリアゾール系紫外線吸収骨格やシロキサン結合骨格をブロック共重合やグラフト共重合させた樹脂などが挙げられる。
樹脂の使用割合は、ロイコ染料および顕色剤の合計重量1に対して0.1から10が好ましく、これより少ないと記録層の熱強度が不足し、これより多い場合には発色濃度が低下して問題となる。
また本発明の可逆性感熱記録材料塗布液には、硬化剤を含有させてもよい。
ここで用いられる硬化剤としては、公知のイソシアネート単量体のウレタン変性体、アロファネート変性体、イソシアヌレート変性体、ビュレット変性体、カルボジイミド変性体、ブロックドイソシアネートなどの変性体から選択される。また、変性体を形成するイソシアネート単量体としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(IPC)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、等が挙げられるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
また、イソシアネートの他にグリオキザール誘導体、メチロール誘導体、エピクロルヒドリン誘導体、エポキシ化合物、アジリジン化合物等が挙げられるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
更に、本発明の可逆性感熱記録材料塗布液には、架橋促進剤を含有させてもよい。
架橋促進剤としては、例えば1,4−ジアザ−ビシクロ[2,2,2]オクタンなどの3級アミン類、有機すず化合物などの金属化合物などが挙げられる。なお、前記の硬化剤は添加した全量が架橋反応をしていても、していなくても良い。すなわち、未反応硬化剤が存在していても良い。
本発明の可逆性感熱記録材料塗布液には、必要に応じて可逆性感熱記録層の塗布特性や発色消色特性を改善したり制御するための添加剤を用いることができる。これらの添加剤には、例えば界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防止剤、光安定化剤、発色安定化剤、消色促進剤などがある。
本発明の可逆性感熱記録材料塗布液に用いられる溶媒としては、例えば水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルイソカルビノールなどのアルコール類;アセトン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどのエーテル類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、エチレンカーボネートなどのエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、iso−オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、1、2−ジクロルエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類等を例示することができる。
本発明は、ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤をこれらが可溶な溶媒に溶解させ、得られた混合溶解液を、ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の不溶な溶媒に混合し、ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の混合物質を析出させ、混合物質を乾燥し、粉砕し、樹脂溶解液中に分散することを特徴としている。これにより、樹脂マトリクス中にロイコ染料、顕色剤、消色促進剤が均一に混合したドメインを形成することができ、容易に可逆性感熱記録媒体の発色特性熱感度を高くすることができる。
また、ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の可溶な溶媒は、ロイコ染料、顕色剤、消色促進剤全てを常温で溶解する溶媒が良いが、常温で溶解し切れなかった場合でも常温以上の高温で溶解する溶媒なら加温することで使用可能である。この製造方法の特徴は、前述のように、一旦、ロイコ染料、顕色剤、消色促進剤全てを溶解することで、析出させる時に均一な混合物を作ることであり、これにより、樹脂マトリクス中にロイコ染料、顕色剤、消色促進剤が均一に混合したドメインを形成することができ、容易に可逆性感熱記録媒体の発色特性熱感度を高くすることができることである。
また、前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の不溶な溶媒は、ロイコ染料、顕色剤、消色促進剤全てを常温またはそれ以上の高温で溶解させない溶媒が良いが、高温で溶解する場合でも常温で溶解しなければ使用可能である。
前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の可溶な溶媒としては、例えばジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられ、不溶な溶媒としては、水、メタノール、エタノール、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソプロピルアルコール、イソプロピルエーテル、n−オクタン等が挙げられる。尚、エタノール及びイソプロピルアルコールは、溶質として用いられるものに応じて可溶または不溶な性質を示す溶媒である。
また本発明によれば、前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の可溶な溶媒と不溶な溶媒との混合比(質量比)が、前者:後者として2:1〜1:9であるのがよい。これにより均一な混合物を容易に作成することができる。前記可溶な溶媒の前記比が2を超えると、混合溶解しているロイコ染料、顕色剤、消色促進剤が、混合せず各々分離し、析出するおそれがあり、可逆性感熱記録媒体の発色特性熱感度が低くなる場合がある。逆に前記比が1未満であると、大きな装置を用いても少量の混合物しか得られず、作業効率が悪くなる。
また本発明の一実施形態によれば、混合溶解液は、前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の不溶な溶媒に攪拌しながら混合するか、あるいは混合溶解液を前記不溶な溶媒中に噴霧することにより、ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の混合物質が析出する。これとは別に、混合溶解液を大気中に噴霧し、ロイコ染料、顕色剤、消色促進剤の混合物質を析出させる方法もある。
またロイコ染料、顕色剤および消色促進剤を粉砕する方法としては、粉砕分散法を利用するのが好ましい。粉砕分散法としては、ジェットミルの様な衝突力で粉砕する方法や、ダイノーミルの様なせん断力で粉砕する方法があり、これらの方法により、容易に粉砕が可能である。また本発明によれば、前記各成分を樹脂溶解液中に分散する際に、樹脂溶解液中でさらに粉砕分散することが好ましい。この場合の粉砕分散も前記と同様である。これにより、ドメインの小さな構造ができ、容易に可逆性感熱記録媒体の発色特性熱感度を高くすることができる。
本発明の可逆性感熱記録媒体は、可逆性感熱記録材料塗布液を支持体上に塗布し、乾燥し、成膜することにより得られる。支持体としては、紙、樹脂フィルム、合成紙、金属箔、ガラスまたはこれらの複合体等が挙げられる。
なお、成膜後は、塗膜を再加熱することが好ましい。再加熱することにより、樹脂マトリクス中のロイコ染料、顕色剤、消色促進剤の分散状態を一層均一にすることができ、発色特性熱感度を高めることができる。ここで再加熱は、下記温度範囲で行なわれるのがさらに好ましい。すなわち再加熱温度は、前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の三者中、最も融点の高い材料の融点以下、前記融点より10℃低い温度以上であるのがよい。この再加熱温度範囲において一層良好な分散を達成することができる。再加熱時間は、1秒以上が好ましく、1秒以上180秒以下がさらに好ましい。1秒未満では再加熱の効果が実質上奏されない。逆に180秒を超えると記録層表面にロイコ染料、顕色剤、消色促進剤の1部が析出し、発色特性熱感度を低くするおそれがある。
また、再加熱は、可逆性感熱記録材料の塗膜上に、別の層を1層以上設けた後に行なうのが好ましい。これにより、記録層の表面に材料が析出するのを防止できる。
再加熱は、記録層の表面側、裏面側、若しくはその両面から、赤外線等による非接触伝熱方式、ヒートロール等による接触伝熱方式、または、熱風乾燥方式で行うことができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明はこれらの例に制限されるものではない。なお、部とあるのは質量部を意味する。
[実施例1]
下記に示す可逆性感熱材料塗布液を調製した。すなわち、下記のロイコ染料/顕色剤/消色促進剤を粉末状態で10/57/11の質量比で、ジメチルホルムアミドに80℃で溶解(溶解固形分濃度5%)し、得られた混合溶解液200gを水1000g中に攪拌混合し、混合物を析出させた。そして、この混合物質を乳鉢で粉砕し、ポリビニルアルコール水溶液中に入れ、ペイントシェーカーで24時間粉砕した。得られた塗布液(ただし、架橋剤:ポリアミドエピクロルヒドリンを含む)を、支持体(合成紙)上にアプリケーターで塗工し、温風乾燥ラボ機で乾燥温度80℃、風速5m/sで支持体両面から120秒乾燥し、乾燥膜厚10μmとして成膜した。そして、成膜した製品を50℃の恒温槽に15時間入れ、樹脂を架橋した。その後、塗膜の表面に保護層を乾燥膜厚3.5μmとして塗工(塗工条件は前記と同様)した。そして、成膜した製品を50℃の恒温槽に15時間入れ、保護層樹脂を架橋した。この可逆性感熱記録材料をサーマルヘッドシミュレーター(パルス幅2msec、サーマルヘッド抵抗値1393Ω、電圧13〜20.5Vで0.24〜0.60mj/dot)で階調印字し、マクベス濃度計で濃度測定を行ない、図1の様な発色特性熱感度を得た。
(可逆性感熱記録材料塗布液)
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン
(融点190℃) 10部
N−(4−ヒドロキシフェニル)−6−(N'−テトラデシルウレイド)ウンデカン酸アミド(融点180℃) 57部
N−メチル−12−(N'−オクタデシルウレイド)−N−ベンジルドデカン酸アミド(融点100℃) 11部
ポリビニルアルコール 66部
ポリアミドエピクロルヒドリン 24部
水 1293部
(保護層処方)
水酸化アルミニウム 1200部
ポリビニルアルコール 1120部
ポリアミドエピクロルヒドリン 400部
4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸誘導体
5部
水 19983部
[比較例1]
実施例1と同じロイコ染料/顕色剤/消色促進剤を粉末状態で10/57/11の質量比で混合し、ポリビニルアルコール水溶液中に入れ、ペイントシェーカーで24時間粉砕し、塗布液(ただし、架橋剤:ポリアミドエピクロルヒドリンを含む)を調製した。この塗布液を、支持体(合成紙)上にアプリケーターで塗工し、温風乾燥ラボ機で乾燥温度80℃、風速5m/秒で支持体両面から120秒乾燥し、乾燥膜厚10μmとして成膜した。そして、成膜した製品を50℃の恒温槽に15時間入れ、樹脂を架橋した。その後、塗膜の表面に保護層を乾燥膜厚3.5μmとして塗工(塗工条件は実施例1と同様)した。そして、成膜した製品を50℃の恒温槽に15時間入れ、保護層樹脂を架橋した。なお、その他の条件(可逆性感熱記録材料塗布液、保護層液の処方比等)は実施例1と同じである。この可逆性感熱記録材料を実施例1と同様に階調印字し、マクベス濃度計で濃度測定を行ない、図1の様な発色特性熱感度を得た。
図1より、印字濃度が1.00(マクベス濃度)になるためには、実施例1では0.390mj/dot、比較例1の0.515mj/dotを必要とし、実施例のほうが低いエネルギーでマクベス濃度を達成できることが分かる。したがって、実施例の塗布液のほうが、発色特性熱感度が高い。また、本発明により得られた可逆性感熱記録材料塗布液を用いれば、最大印字濃度も高くなることが分かった。
本発明の製造方法によれば、樹脂マトリクス中に電子供与性呈色性化合物および電子受容性化合物、さらに消色促進剤が均一に混合分散した可逆性感熱記録材料塗布液が得られる。したがって、この塗布液を支持体上に塗布し記録層とすることにより、発色特性熱感度が良好な可逆性感熱記録媒体が得られる。
実施例および比較例で測定された発色特性熱感度の比較図である。

Claims (13)

  1. 電子供与性呈色性化合物であるロイコ染料、電子受容性化合物である顕色剤、消色促進剤および樹脂を含有してなり、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成し得る可逆性感熱記録材料塗布液の製造方法において、
    前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤をこれらが可溶な溶媒に溶解させ、
    得られた混合溶解液を、前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の不溶な溶媒に混合し、前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の混合物質を析出させ、
    前記混合物質を乾燥し、しかる後に粉砕し、
    得られた粉砕物を、ポリビニルアルコール樹脂溶解液中に分散し、さらに粉砕することを特徴とする可逆性感熱記録材料塗布液の製造方法。
  2. 前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の可溶な溶媒が、前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の全てを常温若しくはそれ以上の温度で溶解する溶媒であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の不溶な溶媒が、前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の全てを常温若しくはそれ以上の温度で溶解しない溶媒であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の可溶な溶媒と不溶な溶媒との混合比(質量比)が、前者:後者として2:1〜1:9であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記混合物質の析出が、前記混合溶解液を、前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の不溶な溶媒に攪拌しながら混合または噴霧することにより行なわれる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤を、粉砕分散により樹脂溶解液中に分散させることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  7. 前記粉砕分散が、衝突力またはせん断力を利用して行なわれることを特徴とする請求項に記載の製造方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の製造方法により得られた可逆性感熱記録材料塗布液を支持体上に塗布し、乾燥し、成膜することを特徴とする可逆性感熱記録媒体の製造方法。
  9. 前記成膜工程後、可逆性感熱記録材料の塗膜を再加熱することを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記再加熱が、下記温度範囲で行なわれることを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
    再加熱温度:前記ロイコ染料、顕色剤および消色促進剤の三者中、最も融点の高い材料の融点以下、前記融点より10℃低い温度以上。
  11. 前記可逆性感熱記録材料の塗膜上に、別の層を1層以上設けた後に、前記再加熱を行なうことを特徴とする請求項9または10に記載の製造方法。
  12. 前記再加熱が、1秒以上行なわれることを特徴とする請求項10または11に記載の製造方法。
  13. 請求項8ないし12のいずれか1項に記載の製造方法により得られた可逆性感熱記録媒体。
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