JP4372345B2 - 新規な混合アミリン活性化合物 - Google Patents
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Description
発明の分野
本発明は、アミリンのある種の活性を阻害するが、また、他のアミリン活性に関してアミリン・アゴニストとしても作用する化合物に指向される。これらの化合物は、限定するものではないが、I型糖尿病およびII型糖尿病を含む真性糖尿病、損なわれたグルコース耐性、インスリン抵抗性および症候群Xを含めた哺乳動物の食物代謝における妨害を治療するのに有用である。
【0002】
発明の背景および序文
真性糖尿病は、血中グルコースの慢性的に上昇したレベル(高血糖症)の存在によって定義される重篤な代謝障害である。高血糖症のこの状態は、ペプチドホルモンであるインスリンの活性の相対的なまたは絶対的な損失の結果である。インスリンは、膵臓のベータ細胞によって産生され分泌される。インスリンは、グルコース利用、蛋白質合成、およびグリコーゲンとしての炭水化物エネルギーの形成および貯蔵を促進することが報告されている。グルコースは、重合したグルコースの形態であるグリコーゲンとして体内に貯蔵され、代謝の必要があるとグルコースに逆変換できる。通常の条件下では、インスリンは、ベース速度にておよびグルコース刺激に続いての増強された速度にての両者で分泌され、グルコースのグリコーゲンへの変換によって代謝的ホメオスタシスを維持する。
【0003】
真性糖尿病なる用語はいくつかの異なる高血糖状態を含む。これらの状態は、I型(インスリン依存性真性糖尿病またはIDDM)およびII型(インスリン非依存性真性糖尿病またはNIDDM)糖尿病を含む。I型糖尿病の個人に存在する高血糖症は、不十分な、低下したまたは存在しないインスリンレベルと関連付けられ、それは生理学的範囲内の血中グルコースレベルを維持するために不十分である。I型糖尿病の治療は、一般的に非経口経路による補充用量のインスリンの投与を含む。II型糖尿病の個人に存在する高血糖症は、最初には正常レベルまたは上昇したレベルのインスリンと関連し;しかしながら、これらの個人は、末梢組織および肝臓におけるインスリン抵抗性の状態のために、および疾患が進むにつれ、インスリンの分泌を担う膵臓β細胞の進行性の悪化のために代謝的ホメオスタシスを維持できなくなる。かくして、II型糖尿病の初期治療は、スルホニル尿素のごとき経口低血糖剤での治療によって増加した食事およびライフスタイルの変化に基づくであろう。インスリン治療は、しかしながら、特に該疾患の後期の状態において、高血糖のいくらかのコントロールを生じさせ、疾患の合併症を最小にすることを企ててしばしば必要とされる。
【0004】
アミリンの構造および生物学は、従前に概説されている。例えば、Young、Current Opinion in Endocrinology and Diabetes、4:282-290(1997);GaetaおよびRink、Med. Chem. Res. 、3:483-490(1994);およびPittnerら、J. Cell. Biochem.、55S:19-28(1994)参照。アミリンは、37個のアミノ酸のペプチドホルモンである。それは、死亡したヒトII型糖尿病患者の膵臓の小島においてアミロイド沈着物の主成分として単離、精製され、化学的に特徴付けられた(Cooperら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、84:8628-8632(1987))。アミリン分子は、2つの重要な翻訳後修飾:C末端をアミド化し、すなわち第37番目の残基をチロシンアミドとし、次いで、2および7位のシステインを架橋させて、分子内N末端ループを形成する、を有し、この双方が十分な生物学的活性につき重要である(Cooperら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、85:7763-7766(1988))。アミリンは、1994年11月22日に発行された米国特許番号第5,367,052号の主題である。
【0005】
I型糖尿病および後期ステージのII型糖尿病において、アミリンが欠乏していることが示され、インスリンと組み合せた置き換えが、インスリン依存性糖尿病の全形態におけるインスリン単独を超える好ましい処置として提唱されいる。真性糖尿病の治療でのアミリンおよびアミリン・アゴニストの使用は、1992年12月29日に発行された米国特許番号第5,175,145号の主題である。アミリンおよびアミリン+インスリンを含有する医薬組成物は、1992年6月23日に発行された米国特許番号第5,124,314号に記載されている。
【0006】
過剰なアミリン作用は、早期のステージのII型糖尿病の重要な特徴を模倣すると言われ、アミリン遮断が新規な治療戦略として提唱された。アミリンが骨格筋中のグリコーゲンへの標識グルコースの基本的なおよびインスリン刺激の取り込みを共に低下させることが1993年11月30日に発行された米国特許第5,266,561号に開示されている。また、後者の効果は、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)によって占められることも開示された(LeightonおよびCooper、Nature、335:632-635(1988)も参照)。アミリンおよびCGRPはほぼ等効力で、1ないし10nMにて著しい活性を示す。また、アミリンは、骨格筋へのグルコースのインスリン刺激した取り込みを低下させ、グリコーゲン含量を低下させると報告されている(Youngら、Amer. J. Physiol. 、259:45746-1(1990))。アミリン・アンタゴニストでのII型糖尿病およびインスリン抵抗性の治療は開示されている。
【0007】
アミリンは、膵臓ベータ細胞中で初期合成され、グルコースおよびアルギニンのごとき栄養刺激に応答して分泌される。クローン化ベータ細胞腫瘍系(Mooreら、Biochem. Biophys. Res. Commun. 、179(1)(1991)および灌流したラット膵臓(Ogawaら、J. Clin. Invest.、85:973-976(1990))での研究は、10ないし20分間の短いパルス、グルコースおよびアルギニンのごとき栄養分泌促進剤が、アミリンならびにインスリンの遊離を刺激することを示した。分泌された蛋白質のアミリン:インスリンのモル比は、約0.01ないし0.4の調製物間で変わるが、いずれの調製物においても急性刺激で大きくは変わらないようである。しかしながら、グルコースの上昇による延長した刺激の間、アミリン:インスリンの比は、漸増できる(Gedulinら、Biochem. Biophys. Res. Commun.、180(1):782-789(1991))。かくして、アミリンおよびインスリンは、常に一定比率で分泌されるとは限らない。
【0008】
アミリンのある種の作用が、CGRPおよびカルシトニンの非代謝作用と同様であり、;しかしながら、この最近確認された蛋白質の研究中に見出されたアミリンの代謝作用が、その初期の生物学的役割を反映しているらしいことが見出され報告された。これらの代謝作用の少なくともいくらかは、著しい血管拡張する用量においてもCGRPと類似する。(例えば、LeightonおよびCooper、Nature、335:632-635(1988));Molinaら、Diabetes、39:260-265(1990)参照)。
【0009】
アミリンの最初に見出された作用は、ラット骨格筋中でのグリコーゲンへのグルコースのインスリン刺激した取り込みの低下(LeightonおよびCooper、Nature、335:632-635(1988))であり;かくして、その筋肉は「インスリン抵抗性」である。ex vivoおよびin vitroにてのラットヒラメ筋での続いての研究は、アミリンがグリコーゲン合成活性を低下させ、不活性なb形態から活性なa形態へのグリコーゲンホスホリラーゼの変換を促進し、(インスリン存在下または不存在下にて)グリコーゲンの正味の損失を促進し、グルコース-6-リン酸レベルを増大させ、乳酸塩産生を増大できることを示した(例えば、1992年7月23日に発行された国際特許出願番号PCT/US92/00185(国際公開WO 92/11863)参照)。アミリンそれ自体は、グルコース輸送に影響しないようである(例えば、Pittnerら、FEBS Letts. 365(1):98-100(1995))。アミリンおよびインスリンの用量反応関連の研究は、アミリンが骨格筋においてインスリンの非競合的または機能的アンタゴニストとして働くことを示す(Youngら; Am. J. Physiol. 、263(2):E274-E281(1992))。アミリンが、その受容体に対するインスリン結合、またはインスリン受容体チロシンキナーゼの続いての活性化を妨げるという証拠はない(Follettら、Clinical Research、39(1):39A(1991));Koopmansら、Diabetologia、34:218-224(1991))。
【0010】
アミリンは、原形質膜に存在する受容体を介して作用すると考えられている。アミリンおよびCGRPならびに選択的アンタゴニストの効果の研究は、アミリンがCGRP受容体で最初に作用するという他の研究者の結論(例えば、Chantryら、Biochem. J. 277:139-143(1991));Zhuら、Biochem. Biophys. Res. Commun.、177(2):771-776(1991))とは対照的に、アミリンがそれ自身の受容体を介して作用することを報告した(Beaumontら、Br. J. Pharmacol.、115(5):713 -715( 1995);Wangら、FEBS Letts.、219:195-198(1991 b))。アミリン受容体、およびアミリン・アゴニストおよびアンタゴニスト化合物のスクリーニングおよびアッセイ方法におけるそれらの使用は、1993年11月23日に発行された米国特許第5,264,372号に記載されている。
【0011】
アミリンはin vivoにて肝臓食物代謝に対して効果を示すが、アミリン作用が単離された肝細胞または灌流した肝臓において見られるとの一般的な合意はない。入手可能なデータは、アミリンが肝臓のグリコーゲン分解を促進するとの考えを支持せず、すなわち、グルカゴンのように作用しない(例えば、Stephensら、Diabetes、40:395-400(1991);Gomez-Foixら、Biochem J. 、276:607-610(1991))。アミリンが肝臓に作用して、グリコーゲンへの乳酸塩の変換を促進し、グルカゴンによって自由にできるグルコース量を増強することを示唆する。このように、アミリンは、筋肉中のその異化作用とは対照的に、肝臓中のインスリンに対して同化パートナーとして作用できる。
【0012】
脂肪細胞において、筋肉のその作用に比較して、アミリンは、インスリン刺激したグルコースの取り込み、トリグリセリドへのグルコースの取り込み、CO2産生(Cooperら、Proc. Natl. Acad. Sci.、85:7763-7766(1988)) エピネフリン刺激した脂肪分解または脂肪分解のインスリン阻害(LupienおよびYoung、「Diabetes Nutrition and Metabolism-Clinical and Experimental」、vol. 6(1)、1318頁(1993年2月))に対して検出可能な作用を有しない。かくして、アミリンは、骨格筋に対する直接作用、肝臓に対する(基質の供給を介して)著しく間接的な効果およびおそらく直接的効果で組織特異的効果を発揮するが、含脂肪細胞は、アミリンの存在または不存在に対してわかりにくい。
また、アミリンがインスリンの分泌に著しい効果を有し得ることも報告されている。灌流した膵臓(Silvestreら、Reg. Pept.、31:23-31(1990))において、および無傷なラット(Youngら、Mol. Cell. Endocrinol.、84:R1-R5(1992))において、いくらかの実験は、アミリンがインスリン分泌を阻害することを示す。しかしながら、他の研究者は、単離されたβ細胞、単離された小島に対してまたは全動物においてアミリンの効果を検出できなかった(Broderickら、Biochem. Biophys. Res. Commun. 、177:932-938(1991)およびその中の参考文献参照)。
【0013】
また、アミリンおよびアミリン・アゴニストは、グルカゴン分泌を抑制することが示されている。グルカゴン分泌とは別に影響するであろう影響がコントロールされる場合(血漿中グルコース、インスリンおよび血圧)に、アミリンはラットにおいてアルギニン対するグルカゴン応答を抑制すると報告された。Gedulinら、Metabolism、46:67-70(1997)。アミリンアナログであるプラムリンチド(pramlintide)は、I型糖尿病の対象のグリコーゲン濃度における食後の急上昇を消失させると報告されている。Finemanら、Diabetes、40:30A(1997)。プラムリンチドおよび他のアミリン・アゴニストアナログは、1997年11月11日に発行された米国特許第5,686,411号に記載され特許請求されている。アミリンのグルカゴン静止作用は、単離され、灌流された膵臓においては示されておらず(Silvestreら、Regul. Pept. 、31:23-31(1990))、それはアミリンが特別な膵臓機構を介してそのグルカゴン静止作用を発揮できることを示す。インシュリン誘導した低血糖症の間のヒトにおいて、グルカゴン分泌の抑制がアミリンアナログのプラムリンチドで引き起こされないという観察(Nyholmら、J. Clin. Endocrin. Metab.、81:1063-1089(1496);Koltermanら、Diabetologia、39:492-499(1996))は、この効果がα細胞に対して直接的ではなく、中枢的に媒介できるという考えをさらに支持する。
【0014】
アミリンおよびアミリン・アゴニストは、ラット(Youngら、Diabetologia 38(6):642-648(1995))、イヌ(Brownら、Diabetes 43(suppl 1):172A(1994))およびヒト(Macdonaldら、Diabetologia 38(Suppl 1):A32(アブストラクト118)(1995))における胃内容排泄を強力に阻害する。胃内容排泄は、アミリン欠乏のI型糖尿病BBラット(Youngら、Diabetologia、前記;Nowakら、J. Lab. Clin. Mad. 、123(1):110-6(1994))において、およびアミリン・アンタゴニストであるAC187で処置したラット(Gedulinら、Diabetologia、38(Suppl 1):A244(1995))において促進されると報告されている。胃内容排泄に対するアミリンの効果は、生理的である(通常に循環する濃度にて効果をもたらす)らしい。
【0015】
アミリンの非代謝作用は、CGRP血管受容体との相互作用によって媒介できる血管拡張作用を含む。報告されたin vivo試験は、アミリンが、血管拡張剤としてのCGRPより少なくとも約10ないし1000倍小さな効力であることを示唆する(Brainら、Eur. J. Pharmacol.、183:2221(1990);Wangら、FEBS Letts. 、291:195-198(1991))。
【0016】
脳内に注射されたまたは非経口投与されたアミリンは、食物摂取(例えば、Chanceら、Brain Res. 、539:352-354(1991))、CGRPおよびカルシトニンと共有する作用を抑制すると報告されている。この作用を媒介する細胞での有効濃度は知られていない。また、アミリンは、単離された破骨細胞に対して細胞を休止させ、in vivoにてページェット病のラット、ウサギおよびヒトにおいて20%まで血漿中カルシウムを低下させる両効果を有することが報告された(Zaidiら、Trends in Endocrinal. and Metab. 、4:255-259(1993)参照)。入手可能なデータから、アミリンは、これらの作用につきヒトカルシトニンより10ないし30倍小さな効力であるらしい。興味深いことには、アミリンが、破骨細胞のcAMP産生を増加させるが細胞質Ca2+を増加させず、一方、カルシトニンは両者を増加させるようである(Alamら、Biochem. Biophys. Res. Commun. 、179(1):134-139(1991))。アミリンは単一の受容体タイプを介して作用するが、カルシトニンは2つの受容体を介して作用でき、それらのうちの一つはアミリン活性に共通することが、確立されてはいないが、示唆された。
【0017】
また、驚くべきことには、その前記の腎血管拡張および他の特性ゆえに、アミリンは、血圧のいずれの妨害をも避けるように皮下的に与えらる場合に無傷のラットにおける血漿中レニン活性を著しく増大させる。低下した血圧がレニン遊離に対する強力な刺激でるために、この後者の点は重要である。CGRPおよび/またはカルシトニン受容体に比較してアミリン受容体に選択的なものを含めたアミリン受容体アンタゴニストのごときアミリン・アンタゴニストは、血漿中レニン活性のアミリン誘発の上昇をブロックするために用いることができる。レニン関連障害を治療するためのアミリン・アンタゴニストの使用は、1994年12月27日に発行された米国特許第5,376,638号に記載されている。
【0018】
正常なヒトでは、絶食時のアミリンレベルは1ないし10pMであり、食後またはグルコース投与後のレベルは、5ないし20pMであると報告されている(例えば、Kodaら、The Lancet、339:1179-1180(1992)参照)。肥満のインスリン抵抗性の個人において、食事後のアミリンレベルはより高くなり、約50pMまで達する。比較では、絶食および食後インスリンについての値は20ないし50pMであり、健康な人々においては各々100ないし300pMであり、インスリン抵抗性の人々においてはおそらく3ないし4倍高レベルである。I型糖尿病において、ベータ細胞が破壊された場合、アミリンレベルは、検出レベル以下であり、グルコースに応答して上昇しない(Kodaら、The Lancet、339:1179-1180(1992))。正常なマウスおよびラットにおいて、基本的なアミリンレベルは、30ないし100pMと報告されているが、600pMまでの値がある種のインスリン抵抗性の糖尿病の種の齧歯類において測定された(例えば、Huangら、Hypertension、19:I-101-I-109(1991))。
【0019】
哺乳類において、カルシトニンは、骨髄ターンオーバーおよびカルシウム代謝の調節に機能する。血清中カルシウムの上昇によって甲状腺から遊離されるカルシトニンは、骨および他の器官に対して作用し、血清中カルシウムレベルを低下させる傾向にある。カルシトニンは、破骨細胞活性を阻害し、骨吸収を低下させ、それによって血清中カルシウムレベルを低下させる。また、カルシトニンは、腎臓によって、カルシウム、リン酸塩および電解質の排泄を変更するが、これの生理学的有意さは報告されていない。カルシトニンは、カルシウム代謝の障害および痛みの治療に臨床的に用いられ、哺乳動物におけるグルコースレベルの増大とのその関連性は、多様な報告の主題であった。例えば、Azriaら、「Calcitonin -- physiological and Pharmacologlcal Aspects」、pp. 24-25(springer-Verlag 1989)参照。真性糖尿病の治療におけるカルシトニンの使用は、1994年6月14日に発行された米国特許第5,321,008号および1996年4月16日に発行された米国特許第5,508,260号に記載されている。
【0020】
カルシトニン誘導体であると報告されたある種の化合物は、カルシウム血漿レベルを低下させ、骨代謝に影響すると言われている(Cardinauxらに対する米国特許第4,758,550号)。
【0021】
発明の概要
本発明は、哺乳動物におけるアミリンによって媒介される代謝効果を調節する活性を有する新規な化合物を提供する。驚くべきことには、これらの化合物は、アミリンのある種の効果を阻害し、また、他のアミリンの効果についてアミリン・アゴニストとして作用する。
【0022】
因子中とりわけ、本発明は、本発明の化合物がCGRP受容体にて比較的弱い結合で結合した混合した、アミリン拮抗および作動の生物学的プロフィールを示すという発明者らの予期されない発見に基づいている。特に、これらの化合物は、筋肉におけるアミリン作用と関連したグルカゴン関連応答をブロックするアミリン・アンタゴニストとして作用し、また、胃内容排泄の阻害においてアミリン・アゴニストとして作用すると決定された。生物学的効果のこの驚くべき組合せのために、これらの化合物は、胃内容排泄の阻害に対するその効果のために、I型糖尿病を含めた糖尿病を治療するのに有用であり、また、グルコース代謝に対するその効果のために、損なわれたグルコース耐性、インスリン抵抗性、II型糖尿病、特に早期のII型糖尿病および症候群Xを治療するのに有用であろう。さらに、血漿中カルシウムレベルに対するその作用のために、当該化合物は、特に有利であろう。
【0023】
また、本発明の化合物は、受容体の特徴付け、例えば、アミリンが結合する受容体の特徴付けに関連する研究を行うのに有用である。さらに、当該化合物は、後記の実施例に記載されたアッセイにおける試験化合物および対照試料として有用である。
【0024】
本発明により、式:
X1-X2-X3-Leu-X4-Glu-Leu-X5-X6-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-X7-Z3[配列番号27]
[式中、(a) X1は、(i)Leu-Leu、Val-Leu、Ile-Leu、tert-Leu-Leu、Nle-LeuおよびAla-ThrおよびそのN-アシル化誘導体よりなる群から選択される2つのアミノ酸残基の基であり;または(ii)基 Z1-Ser-Thr-Z2-Val-Leu[配列番号28]、ここに、Z1は、Leu、Val、Ile、tert-Leu、Nva、AbuおよびNleまたはそのN-アシル化誘導体から選択されるアミノ酸残基であるか、またはZ1はアルカノイル基であって;Z2は、Ala、Ser、CysおよびThrよりなる群から選択されるアミノ酸残基であり;
(b) X2は、Gly、Glu、AsnまたはAibよりなる群から選択されるアミノ酸残基であり;
(c) X3は、 Arg、Orn、Lysおよびそのε-アミド化誘導体よりなる群から選択されるアミノ酸残基であり;
(d) X4は、Ser-Gln、Thr-Gln、Ala-AsnおよびThr-Asnよりなる群から選択される2つのアミノ酸残基の基であり;
(e) X5は、His、Aib、Ile、LeuおよびValよりなる群から選択されるアミノ酸残基であり;
(f) X6は、Arg、Orn、Lysおよびそのε-アミド化誘導体よりなる群から選択されるアミノ酸残基であり;
(g) X7は、
(i) Thr-Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr-NH2[配列番号29]
(ii) Thr-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro-NH2[配列番号30]
(iii) Val-Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr-NH2[配列番号31]
(iv) Val-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro-NH2[配列番号32]
よりなる群から選択される6つのアミノ酸残基を有する基であって;
(h) Z3はOHまたはNH2であり;
但し、該化合物は、配列番号14ないし26のいずれの式も有しない]
で表される化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0025】
定義
本発明により、また本明細書で用いるごとく、以下の用語は、特に明示的に述べない限りは、以下の意味を有すると定義する。
「アミリン」なる用語は、膵臓のベータ細胞から分泌されたヒトペプチドホルモンのアミリンを含むと理解される。
【0026】
また、「アミリン・アゴニスト」なる用語は、当該技術分野において知られた用語であり、アミリンの生物学的活性を有する化合物をいう。アミリン・アゴニストは、ペプチド化合物または非ペプチド化合物であってもよい。かかる化合物は、アミリン・アゴニストとして働き、通常、アミリン受容体もしくは他の受容体、またはアミリン自体が相互作用して生物学的応答を得る受容体に結合するか、そうでなければそれらと直接的にまたは間接的に相互作用することによると現在考えられている。
【0027】
「アミリン・アンタゴニスト」なる用語は、アミリンの効果を阻害する化合物をいう。アミリン・アンタゴニストは、ペプチド化合物または非ペプチド化合物であってもよい。
「アルカノイル」なる用語は、Rが直鎖のまたは分岐鎖のアルキル基である基RC(=O)-をいい、それは対応するカルボン酸から誘導できる。
【0028】
「アミノ酸」なる用語は、天然アミノ酸、非天然アミノ酸およびアミノ酸アナログをいい、それらの構造が立体異性体形態を許容する場合には、それらのDおよびL立体異性体のすべてをいう。天然アミノ酸には、アラニン(Ala)、アルギニン(Arg)、アスパラギン(Asn)、アスパラギン酸(Asp)、システイン(Cys)、グルタミン(Gln)、グルタミン酸(Glu)、グリシン(Gly)、ヒスチジン(His)、イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)、リジン(Lys)、メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、プロリン(Pro)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、トリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)およびバリン(Val)が含まれる。非天然アミノ酸には、限定されるものではないが、アゼチジンカルボン酸、2-アミノアジピン酸、3-アミノアジピン酸、ベータ-アラニン、アミノプロピオン酸、2-アミノ酪酸(Abu)、4-アミノ酪酸、6-アミノカプロン酸、2-アミノヘプタン酸、2-アミノイソ酪酸(Aib)、3-アミノイソ酪酸、2-アミノピメリン酸、第三級-ブチルグリシン、2,4-ジアミノイソ酪酸、デスモシン、2,2'-ジアミノピメリン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、N-エチルグリシン、N-エチルアスパラギン、ホモプロリン、ヒドロキシリシン、アロ-ヒドロキシリシン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロ-イソロイシン、N-メチルアラニン、N-メチルグリシン、N-メチルイソロイシン、N-メチルペンチルグリシン、N-メチルバリン、ナフトアラニン、ノルバリン(Nva)、ノルロイシン(Nle)、オルニチン(Orn)、ペンチルグリシン、ピペコリン酸およびチオプロリンが含まれる。アミノ酸アナログには、例えば、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、S-(カルボキシメチル)-システイン、S-(カルボキシメチル)-システインスルホキシドおよびS-(カルボキシメチル)-システインスルホンのごとき、それらのN-末端アミノ基またはそれらの側鎖基に対して可逆的にまたは不可逆的に化学的にブロックされ、または修飾された天然および非天然のアミノ酸が含まれる。
【0029】
「アミノ酸アナログ」なる用語は、C-末端カルボキシ基、N-末端アミノ基または側鎖官能基のいずれかがもう一つの官能基に化学的に体系化された(codified)アミノ酸をいう。例えば、アスパラギン酸-(ベータ-メチルエステル)は、アスパラギン酸のアミノ酸アナログであり;N-エチルグリシンは、グリシンのアミノ酸アナログであり;またはアラニンカルボキサミドは、アラニンのアミノ酸アナログである。
【0030】
「アミノ酸残基」なる用語は、(1) -C(O)-R-NH-、ここに、Rは典型的には-CH(R')-であり、ここに、R'はアミノ酸側鎖、典型的にはHまたは炭素を含む置換基であり;または(2)
【0031】
【化1】
【0032】
[式中、pは1、2または3であり、各々、アゼチジンカルボン酸、プロリンまたはピペコリン酸残基を表す]構造を有する基をいう。
アルキル基のごとき有機基と関連して本明細書で言及される「低級」なる用語は、約6個以下の、好ましくは4個以下の、有利には1または2個の炭素原子を有するかかる基を定義する。かかる基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。
【0033】
「医薬上許容される塩」には、本発明の化合物と有機酸または無機酸との組合せから誘導された本発明の化合物の塩が含まれる。実際問題としては、塩形態の使用は帰するところ塩基形態の使用となる。本発明の化合物は、遊離塩基および塩形態の双方で有用であり、両形態とも本発明の範囲内に存在すると考える。
【0034】
さらに、以下の略語は、以下のことを表している:
「AC」とはアセチルをいう。
「ACN」または「CH3CN」とはアセトニトリルをいう。
「Boc」、「tBoc」または「Tboc」とはt-ブトキシカルボニルをいう。
「DCC」とはN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミドをいう。
「Fmoc」とはフルオレニルメトキシカルボニルをいう。
「For」とはホルムアミド化をいい、例えば、「Lys(For)」とは、ホルムアミド化したリジンをいう。
「HBTU」とは2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェートをいう。
「HOBt」とは1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物をいう。
【0035】
発明の詳細な記載
好ましい化合物
本発明により、式:
X1-X2-X3-Leu-X4-Glu-Leu-X5-X6-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-
Thr-Asn-X7-Z3[配列番号27]
[式中、(a) X1は、(i)Leu-Leu、Val-Leu、Ile-Leu、tert-Leu-Leu、Nle-LeuおよびAla-ThrおよびそのN-アシル化誘導体よりなる群から選択される2つのアミノ酸残基の基であり;または(ii)基 Z1-Ser-Thr-Z2-Val-Leu[配列番号28]、ここに、Z1は、Leu、Val、Ile、tert-Leu、Nva、AbuおよびNleまたはそのN-アシル化誘導体から選択されるアミノ酸残基であるか、またはZ1はアルカノイル基であって;Z2は、Ala、Ser、CysおよびThrよりなる群から選択されるアミノ酸残基であり;
(b) X2は、Gly、Glu、AsnまたはAibよりなる群から選択されるアミノ酸残基であり;
(c) X3は、 Arg、Orn、Lysおよびそのε-アミド化誘導体よりなる群から選択されるアミノ酸残基であり;
(d) X4は、Ser-Gln、Thr-Gln、Ala-AsnおよびThr-Asnよりなる群から選択される2つのアミノ酸残基の基であり;
(e) X5は、His、Aib、Ile、LeuおよびValよりなる群から選択されるアミノ酸残基であり;
(f) X6は、Arg、Orn、Lysおよびそのε-アミド化誘導体よりなる群から選択されるアミノ酸残基であり;
(g) X7は、
(i) Thr-Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr-NH2[配列番号29]
(ii) Thr-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro-NH2[配列番号30]
(iii) Val-Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr-NH2[配列番号31]
(iv) Val-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro-NH2[配列番号32]
よりなる群から選択される6つのアミノ酸残基を有する基であって;
(h) Z3はOHまたはNH2であり;
但し、該化合物は、配列番号14ないし26のいずれの式も有しない]
で表される化合物を提供する。また、本発明の範囲内には、これらの化合物の医薬上許容される塩が含まれる。
【0036】
好ましいX1基は、Z1-Ser-Thr-Z2-Val-Leuを含む。
好ましくは、Z1はカルボン酸でセリンのN末端アミド化誘導体を得るためのアルカノイル基またはLeuである。適当なカルボン酸は、1ないし約10個の炭素原子の、より好ましくは約6ないし約8個の炭素原子の直鎖のまたは分岐鎖のカルボン酸を含む。より好ましくは、Z1はN末端アミド化を得るためのアルカノイル基である。特に好ましいZ1基は、4-メチルペンタノイルである。好ましいZ2基はAlaまたはCysを含み、より好ましくはAlaである。
好ましいX2基は、Glyを含む。
【0037】
好ましいX3基は、1ないし8個の炭素原子を有するカルボン酸でアミド化したε-アミド化誘導体を含む。好ましいX3基は、ギ酸または酢酸でε-アミド化したLysである。特に好ましいX3基は、Lys(For)を含む。
好ましいX4基は、Ser-Gluを含む。
好ましいX5基は、HisまたはAibを含む。より好ましくは、X5はAibである。
好ましいX6基は、1ないし8個の炭素原子を有するカルボン酸でアミド化したε-アミド化誘導体を含む。好ましいX3基は、ギ酸または酢酸でε-アミド化したLysである。特に好ましいX3基は、Lys(For)を含む。
好ましいX7基は、Thr-Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr-NH2[配列番号29]およびThr-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro-NH2[配列番号30]を含む。
好ましくは、Z3はNH2である。
【0038】
特に好ましい態様により、X2がGlyであり、X5がHisまたはAibであり、X4がSer-Gluであり、X7がThr-Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr-NH2[配列番号29]またはThr-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro-NH2[配列番号30]であり、X1がZ1-Ser-Thr-Z2-Val-Leuであり、ここに、好ましくは、Z1はLeu、またはカルボン酸でセリンのN末端アミド化を得るためのアルカノイル基であって、Z2はAlaまたはCysであり;X3およびX6がカルボン酸でε-アミド化された化合物が提供される。Z1では、1ないし約10個の炭素原子、より好ましくは約6ないし約8個の炭素原子を有するカルボン酸が好ましい。特に好ましいカルボン酸は、4-メチルペンタン酸を含む。より好ましいZ1は、N末端アミド化を得るためのアルカノイル基である。より好ましいX3およびX6は、ギ酸または酢酸でアミド化されたLysである。特に好ましいX3およびX6基は、Lys(For)を含む。
【0039】
本発明の好ましいペプチド化合物は、配列番号1ないし13のアミノ酸配列を有するもの(各々、「化合物1ないし13」)を含む。特に好ましいペプチド化合物は、化合物1および2を含む。
【0040】
アミリン関連活性
本発明の化合物の活性は、実施例Aに後記する受容体結合アッセイ、実施例Bに後記するアデニルシクラーゼ刺激アッセイ、実施例Cに後記するヒラメ筋アッセイ、実施例Dに後記のごとき血漿中のグルコース、乳酸塩およびカルシウムレベルの測定および実施例Fに後記する胃内容排泄アッセイを含めた種々のスクリーニングアッセイを行うことによって確認でき、かつ定量できる。
【0041】
膜結合アミリン受容体に特異結合する化合物の能力を測定する競合アッセイである側坐核(nucleus accumbens)受容体結合アッセイは、1993年11月23日に発行された米国特許第5,264,372号(その開示をここに出典明示して本明細書の一部とみなす)に記載されている。また、側坐核受容体結合アッセイは以下の実施例Aに記載される。アッセイに用いた膜標本の好ましい源は、側坐核および周囲領域からの膜を含む前脳基底である。アッセイすべき化合物は、これらの受容体標本への結合につき125I Bolton Hunter ラットアミリンと競合する。結合量(B)をリガンドの濃度の対数の関数としてプロットした競合曲線は、4変数のロジスティックな等式に対する非線形回帰(Inplotプログラム:GraphPAD Software、San Diego、California)またはDeLeanらのALLFITプログラムによる解析(ALLFIT、Version 2.7(NIH、Bethesda、MD 20892))を用いてコンピューターによって解析する。MunsonおよびRodbard、Anal. Biochem. 107:220-239(1980)。
【0042】
CGRP受容体に特異結合するための化合物の能力を測定するSK-N-MC細胞結合アッセイは、以下の実施例Aに記載されている。当該アッセイに用いた膜標本の好ましい源は、SK-N-MCヒト神経芽腫細胞であり、それはアデニルシクラーゼに結合する高親和性のCGRP受容体を含み、いくつかの他の組織に存在するCGRP受容体に類似する結合特性および特異性特性を有することが示されている(VanValenら、Neuroscience Letters 119:195-198、(1990)。
【0043】
カルシトニン受容体に特異結合する化合物の能力を測定するT47D細胞結合アッセイは、以下の実施例Aに記載されている。膜は、T47D乳癌細胞培養物から調製する。カルシトニン受容体に対する結合を標識サケカルシトニンの置き換えによって定量する。
カルシトニン受容体での化合物の機能的活性は、以下の実施例Bに記載したアデニルシクラーゼアッセイにより測定できる。ヒトのT47DおよびMCF7乳癌細胞は、アデニルシクラーゼ活性の刺激に連結したカルシトニン受容体を含む。これらの細胞において、カルシトニンは、サイクリックAMP蓄積の増大を刺激する。
【0044】
ヒラメ筋における化合物の生物学的活性のアッセイは、従前に記載された方法を用いて行うことができ(Leighton、B.およびCooper、Nature、335:632-635(1988);Cooperら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:7763-7766(1988))、アミリン・アゴニスト活性がインスリン刺激されたグリコーゲン合成の阻害を測定することによって評価できる。また、ヒラメ筋アッセイは以下の実施例Cに記載されている。
血漿中グルコース、乳酸塩およびカルシウムレベルに対する化合物の効果を測定する方法は、実施例DおよびEに記載されている。
【0045】
胃内容排泄の速度を測定する方法は、例えば、Youngら、Diabetologia、38(6):642-648(1995)に記載されている。以下の実施例Fに記載されるフェノールレッド法において、覚醒ラットは、メチルセルロースおよびフェノールレッド指示薬を含有する無カロリーゲルをガバージにより受ける。ガバージの20分後に、動物をハロタンを用いて麻酔し、胃を開き、幽門および下部食道括約筋にてクランプし、取り出し、アルカリ溶液中へ開けた。胃内容量は、560nmの波長での吸収によって測定されたアルカリ溶液中のフェノールレッドの強度から得られた。トリチウム化グルコース法において、覚醒ラットは水中のトリチウム化グルコースでガバージされる。ラットを尾によって穏やかに拘束し、その先端をリドカインを用いて麻酔する。尾の血液から分離した血漿中のトリチウムを種々の時点で集め、ベータカウンターで検出する。通常、試験化合物はガバージの約1分前に投与される。
【0046】
好ましくは、本発明の化合物は、約1ないし5nMより小さな、より好ましくは約1nMより小さなオーダーで側坐核受容体結合アッセイにおいて活性を示す。ヒラメ筋アッセイにおいては、これらの化合物は、好ましくは、1-100nMの濃度範囲で、より好ましくは5-50nMの範囲でアミリンの効果を阻害し、約1ないし2μMより小さなオーダーでのIC50値を示す。胃内容排泄においては、好ましい化合物は、100μg/ラットより小さな、より好ましくは10μg/ラットより小さなオーダーでのED50値を示す。
【0047】
化合物の調製
本発明の化合物は、標準的な固相ペプチド合成技術および、好ましくは、自動または半自動のペプチド合成機を用いて調製できる。典型的には、かかる技術を用いて、α-N-カルバモイル保護アミノ酸および樹脂上の伸長するペプチド鎖に結合したアミノ酸を、ジイソプロピルエチルアミンのごとき塩基の存在下、ジシクロヘキシルカルボジイミドおよび1-ヒドロキシベンゾトリアゾールのごときカップリング剤の存在下、ジメチルホルムアミドのごとき不活性溶媒中で室温にてカップリングさせる。トリフルオロ酢酸またはピペリジンのごとき試薬を用いて、α-N-カルバモイル保護基を得られたペプチド-樹脂から除去し、ついで、ペプチド鎖に付加すべき次の所望のN-保護アミノ酸を用いて該カップリング反応を繰返す。適当なN-保護基は当業者によく知られているが、ここにおいては、t-ブチルオキシカルボニル(tBOC)およびフルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)が好ましい。C末端アミドを送達するFmoc化学を用いる好ましい樹脂は、Rink Amide MBHA樹脂(4-(2',2'-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)-フェノキシアセトアミド-ノルロイシル-MBHA樹脂)である。
【0048】
ペプチド合成機で用いる溶媒、アミノ酸誘導体および4-メチルベンズヒドリル-アミン樹脂は、Applied Biosystems Inc.(Foster City、CA)から購入できる。RinkアミドMBHA樹脂は、Novabiochem(La Jolla、CA)から入手できる。以下の側鎖保護アミノ酸:Boc-Arg(Mts)、Fmoc-Arg(Pmc)、Boc-Thr(Bzl)、Fmoc-Thr(t-Bu)、Boc-Ser(Bzl)、Fmoc-Ser(t-Bu)、Boc-Tyr(BrZ)、Fmoc-Tyr(t-Bu)、Boc-Lys(Cl-Z)、Fmoc-Lys(Boc)、Boc-Glu(Bzl)、Fmoc-Glu(t-Bu)、Fmoc-His(Trt)、Fmoc-Asn(Trt)およびFmoc-Gln(Trt)は、Applied Biosystems,Inc.から購入できる。Boc-His(BOM)は、Applied Biosystems,Inc.またはBachem Inc.(Torrance,CA)から購入できる。アニソール、無水酢酸、イソカプロン酸、ジメチルスルフィド、フェノール、エタンジチオールおよびチオアニソールは、Aldrich Chemical Company(Milwaukee、WI)から得ることができる。Air Products and Chemicals(Allentown、PA)はHFを供給している。エチルエーテル、酢酸およびメタノールは、Fisher Scientific(Pittsburg、PA)から購入できる。
【0049】
固相ペプチド合成は、NMP/HOBtシステムおよびtBocまたはFmoc化学(Applied Biosystems User’s Manual for the ABI 430A Peptide Synthesizer、Version 1.3B、1988年7月1日、第6章、49-70頁、Applied Biosystems Inc.社製、Foster City、CA)を用いる自動ペプチド合成機(Model 430A, Applied Biosystems Inc.社製,Foster City、CA)で行い得る。Boc-ペプチド-樹脂はHF(-5℃ないし0℃にて1時間)を用いて切断できる。水と酢酸とを交互に用いて該樹脂からペプチドを抽出でき、その濾液を凍結乾燥できる。Fmoc-ペプチド樹脂は、標準的な方法(Introduction to Cleavage Techniques, Applied Biosystems Inc.社製、1990年、6-12頁)に従って切断できる。ペプチドは、Advanced Chem Tech Synthesizer(Model MPS 350,Louisville、Kentucky)を用いてアセンブリーさせることもできる。
【0050】
ペプチドは、Waters Delta Prep 3000システムを用いるRP-HPLC(分取および分析用)によって精製できる。C4、C8またはC18分取用カラム(10μ、2.2×25cm;Vydac社製,Hesperia,CA)を用いてペプチドを単離することができ、純度はC4、C8またはC18分析用カラム(5μ、0.46×25cm;Vydac社製)を用いて決定できる。溶媒(A=0.1% TFA/水およびB=0.1% TFA/CH3CN)は1.0ml/分の流速で分析用カラムに流すことができ、15ml/分の流速で分取用カラムに流すことができる。アミノ酸分析は、Waters Pico Tag system上で行い、Maximaプログラムを用いてプロセシングできる。ペプチドは、気相酸加水分解(115℃にて20-24時間)によって加水分解できる。加水分解物は、標準的な方法(Cohenら、The Pico Tag Method: A Manual of Advanced Techniques for Amino Acid Analysis, 11-52頁, Millipore Corporation社, Milford, MA(1989))によって誘導化および分析できる。高速原子衝撃分析は、M-Scan,Incorporated(West Chester,PA)によって行うことができる。質量較正は、ヨウ化セシウムまたはヨウ化セシウム/グリセロールを用いて行うこともできる。飛行時間検出を用いるプラズマ吸光イオン化分析は、Applied Biosystems Bio-Ion 20質量分析機で行うこともできる。
【0051】
また、本発明において有用なペプチド化合物は、今や当該技術分野で知られている方法を用いる組換えDNA技術を用いて調製できる。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning : A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)を参照されたし。本発明において有用な非-ペプチド化合物は、当該技術分野で知られている方法によって調製できる。
【0052】
上記に参照した化合物は、種々の無機および有機の酸および塩基と塩を形成していてもよい。かかる塩には、有機酸および無機酸、例えば、HCl、HBr、H2SO4、H3PO4、トリフルオロ酢酸、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、マレイン酸、フマル酸、琥珀酸および酒石酸ならびにカンファスルホン酸で調製される塩が含まれる。塩基で調製される塩には、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウムおよびカリウム塩、ならびにアルカリ土類塩、例えば、カルシウムおよびマグネシウム塩が含まれる。酢酸塩、塩酸塩およびトリフルオロ酢酸塩が好ましい。該塩は、遊離酸または塩基形態の生成物と1以上の当量の適当な塩基または酸とを、当該塩が不溶性である溶媒または媒質中あるいは水のごとき溶媒中にて反応させ、ついで該水を真空中でまたは凍結乾燥によって除去するか、または適当なイオン交換樹脂上で、存在する塩のイオンを他のイオンに交換することによるごとく、慣用手段によって形成できる。
【0053】
処方および投与
本発明に有用な化合物は、(静脈内、筋肉内および皮下を含む)非経口または鼻腔もしくは経口投与に適する処方の形態、または適当にカプセル化されるか、経口投与につき公知技術の方法によって調製された処方の形態で簡便に提供できる。適当な投与形式は、各患者個人につき医学実践者によって最良に決定できる。医薬上許容される担体およびその処方は、標準的な処方文献、例えば、E. W. MartinによるRemington's Pharmaceutical Sciencesに記載されている。また、Wang,Y.J.およびHanson,M.A. 「Parenteral Formulations of Proteins and Peptides: Stability and Stabilizers」、Journal of Parenteral Science and Technology, Technical Report No. 10, supp.42:2S(1988)を参照されたし。
【0054】
本発明において有用な化合物は、注射または点滴用の非経口組成物として提供でき、それは、例えば、不活性油剤、好適にはゴマ油、落花生油、オリーブ油のごとき植物油または他の許容できる担体中に懸濁させることができる。好ましくは、それを水性担体、例えば約5.6ないし7.4のpHの等張緩衝液中に懸濁する。これらの組成物は、従来の滅菌技術によって滅菌するか、または濾過滅菌できる。該組成物は、pH緩衝化剤のごとき、生理条件に近づけるために必要な医薬上許容される補助剤物質を含み得る。有用な緩衝液には、例えば、酢酸ナトリウム/酢酸緩衝液が含まれる。治療上有効量の調製物が経皮注射または送達の後、多くの時間または日数にわたって血流中に送達されるように、持続性または「貯蔵」形態の徐放性調製物を用いることができる。
【0055】
好ましくは、こららの非経口投与形態は、「アミリン・アゴニストペプチド用の非経口の液体処方」と題する共有の出願特許である、1997年1月8日に出願されたシリアル番号60/035,140(ここに出典明示して本明細書の一部とみなす)により調製され、それは、約3.0ないし6.0の最終組成物のpHを得るために、約0.02ないし0.5%(w/v)の酢酸、リン酸、クエン酸またはグルタミン酸緩衝液と共に水系において、各々、約0.01ないし0.5%(w/v)の化合物、ならびに水性連続相において約1.0ないし10%(w/v)の炭水化物または多価アルコール等張化剤を含む。m-クレゾール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンおよびフェノールよりなる群から選択される約0.005ないし1.0%(w/v)の抗菌保存剤を患者が多回投与をやめるのを可能とするように設計された好ましい処方の製品において存在させる。十分量の注射用水を用いて、所望の濃度の溶液を得る。塩化ナトリウムならびに他の賦形剤も所望ならば存在させてもよい。最も好ましくは、非経口投与用の処方において、多価アルコールはマンニトールであり、緩衝液は酢酸緩衝液であり、保存剤は約0.1ないし0.3w/v%のm-クレゾールであって、pHは3.7ないし4.3である。
【0056】
所望の等張性は、塩化ナトリウム、またはデキストロース、ホウ酸、酒石酸ナトリウム、プロピレングリコール、(マンニトールおよびソルビトールのごとき)ポリオールのごとき他の医薬上許容される薬剤、あるいは他の無機または有機の溶質を用いて達成できる。塩化ナトリウムが、ナトリウムイオンを含有する緩衝液用に特に好ましい。所望ならば、上記の組成物の液剤をメチルセルロースのごとき増粘剤で粘度を増すことができる。それらは、油中水または水中油のいずれかの乳化形態において調製してもよい。いずれの非常に様々な医薬上許容される乳化剤も、例えば、アラビアゴム粉末、(Tweenのごとき)非イオン界面活性剤、または(アルカリポリエーテルアルコールスルフェートまたはスルホネート、例えば、Tritonのごとき)イオン性界面活性剤を含めて使用できる。
【0057】
本発明に有用な組成物は、一般的に容認された手順に続いて成分を混合することによって調製する。例えば、選択した成分は、ブレンダーまたは他の標準的な装置中で単に混合して、濃縮した混合物を得、次いで、水または増粘剤の添加によって最終の濃度または粘度に調整し、可能な緩衝液でpHをコントロールし、またはさらなる溶質で等張性をコントロールしてもよい。
【0058】
医師による使用では、該組成物は、本発明のある量の化合物、例えば、選択されたレベルでの治療効果を得るために単回ないし多回投与において有効であろう化合物を含有する投与単位形態で提供されるであろう。インスリン抵抗性と関連した高血糖症を含めた高血糖症のコントロールに使用される治療上有効量の本発明の化合物は、食後グルコース濃度の曲線下面積を比較することによって測定できるごとき、コントロールに関して食後グルコースレベルをかなり低下させるものである。当業者によって認識されるように、有効量の治療剤は、患者の年齢および体重、患者の身体的状態、得るべき作用および他の因子を含めた多くの因子で異なるであろう。
【0059】
有効な単回の、分割したまたは連続投与の化合物は、典型的には、約1μg/kg/日ないし約100μg/kg/日、好ましくは約0.1μg/kg/日ないし約10μg/kg/日の範囲で、単回または多回用量で投与されるであろう。
当業者によって認識されるように、有効量の治療剤は、患者の年齢および体重、患者の身体的状態、得るべき作用および他の因子を含めた多くの因子で異なるであろう。経口的に活性な化合物は、経口で摂取され、しかしながら、用量は、5-10倍増加し、または前記の比で増加させる(または減少させる)べきである。
【0060】
本発明を理解するのを助けるために、いくつかの実験結果を記載する以下の実施例を含む。本発明に関連する実験は、もちろん、何ら公知のまたは後に開発された発明および発明のかかる変形を限定するように構成されるものではなく、それは当業者の視野内にあり、本明細書に記載され、後記の特許請求された本発明の範囲内にあると考えるべきである。
【0061】
実施例1
化合物1の調製
以下の式:
Leu-Ser-Thr-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-
Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Thr-
Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr[配列番号1]
を有する化合物1は、Fmoc-保護アミノ酸(Applied Biosystems、Inc.社製)を用いて4-(2'-4'-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)-フェノキシアセトアミドノルロイシルノルロイシンMBHA樹脂(Novabiochem社製、0.44ミリモル/g)上で組立てた。合成中シングルカップリングサイクルを用い、Fast Moc(HBTU活性化)化学を使用した。完成したペプチド樹脂は、標準方法(Introduction to Cleavage Techniques、Applied Biosystems、Inc.社製)に従って、トリエチルシラン(0.2ml)、エタンジチオール(0.2ml)、アニソール(0.2ml)、水(0.2ml)およびトリフルオロ酢酸(15ml)の混合液を用いて脱保護し切断した。該ペプチドは、エーテル/水(50ml)中で沈澱させ、遠心した。沈澱物をGAAに復元して凍結乾燥した。凍結乾燥したペプチドを水に溶解した。粗純度は、約55%であった。
【0062】
精製工程で用いたのは、溶媒A(水中0.1% TFA)および溶媒B(ACN中0.1% TFA)であった。
ペプチドを含む溶液を分取用C-18カラムに適用し、精製した(40分間にわたる溶媒A中の10%ないし40%溶媒B)。該ペプチドは、31分間の観察した保持時間を有した。画分の純度は、C-18分析用カラムを用いてアイソクラティック的に決定した。純粋な画分をプールして、上記のペプチドを供給した。収量は、84.2mg(理論値の10.2%)であった。凍結乾燥したペプチドの分析用RP-HPLC(20分間にわたる溶媒A中の20%ないし50%溶媒Bの勾配)は、17.5分間の観察した保持時間を有する生成物ペプチドを与えた。電子スプレー質量分析(M):計算値 3308.7;測定値 3308.0。
【0063】
実施例2
化合物2の調製
以下の式:
4-メチルペンタノイル-Ser-Thr-Ala-Val-Leu-Aib- Lys(For)-
Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-Aib-Lys(For)-Leu- Gln-Thr-Tyr-Pro-
Arg-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro[配列番号2]
を有する化合物2は、最終的合成サイクルにおいてイソカプロン酸を用いてN末端イソカプロイル基を組込む以外は実施例1に記載されたものと同様の方法で調製した。分取用PR-HPLCは、C-18分析用カラム(40分間にわたる溶媒A中の25%ないし45%溶媒B)を用いて行った。該ペプチドは、22分間の観察した保持時間を有した。分析用RP-HPLC(20分間にわたる溶媒A中の30%ないし50%溶媒B)は、18.5分間の観察した保持時間を有する生成物ペプチドを与えた。電子スプレー質量分析[M+H]+:計算値 3114.7;測定値 3114.7。
【0064】
実施例3
化合物3の調製
以下の式:
Ac-Leu-Ser-Thr-Ser-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln- Glu-Leu-
His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-
Asn-Thr-Tyr[配列番号3]
を有する化合物3は、実施例1に記載されたものと同様の方法で調製した。アセチル化は、無水酢酸を用いて達成した。分取用PR-HPLCは、200ml/分の流速でのC-18 Supelco LC-180B(21×250mm)カラム(20分間にわたる溶媒A中の25%ないし45%溶媒B)を用いて行い、17分間の観察した保持時間を有するペプチドを得た。分析用RP-HPLC(20分間にわたる溶媒A中の20%ないし50%溶媒Bの勾配)は、16.7分間の観察した保持時間を有する生成物ペプチドを与えた。FAB質量分析[M+H]+:計算値 3277.6;測定値 3278.3。
【0065】
実施例4
化合物4の調製
以下の式:
Leu-Ser-Thr-Ala-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-
Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Thr-
Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr[配列番号4]
を有する化合物4は、実施例1に記載されたものと同様の方法で調製した。分取用RP-HPLCは、実施例3に記載されたもののごときC-18カラムを用い、勾配(20分間にわたる溶媒A中の25%ないし45%溶媒B)で溶出させて、13分間の観察した保持時間を有するペプチドを得た。分析用RP-HPLC(20分間にわたる溶媒A中の20%ないし50%溶媒B)は、15.05分間の観察した保持時間を有する生成物ペプチドを与えた。電子スプレー質量分析(M):計算値 3276.7;測定値 3277.8。
【0066】
実施例5
化合物5の調製
以下の式:
Leu-Ser-Thr-Ser-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-
Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Thr-
Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr[配列番号5]
を有する化合物5は、実施例1に記載されたものと同様の方法で調製した。分取用RP-HPLCは、実施例3に記載されたもののごときC-18カラムを用い、勾配(20分間にわたる溶媒A中の25%ないし45%溶媒B)で溶出させて、14分間の観察した保持時間を有するペプチドを得た。分析用RP-HPLC(20分間にわたる溶媒A中の20%ないし50%溶媒B)は、15.5分間の観察した保持時間を有する生成物ペプチドを与えた。電子スプレー質量分析(M):計算値 3292.7;測定値 3293.9。
【0067】
実施例6
化合物6の調製
以下の式:
Ac-Leu-Ser-Thr-Ala-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-
Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-
Tyr-Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr[配列番号6]
を有する化合物6は、実施例1に記載されたものと同様の方法で調製した。アセチル化は、無水酢酸を用いて達成した。分取用RP-HPLCは、実施例1に記載のごときC-18カラムを用い、勾配(20分間にわたる溶媒A中の25%ないし45%溶媒B)で溶出させて、17分間の観察した保持時間を有するペプチドを得た。分析用RP-HPLC(20分間にわたる溶媒A中の20%ないし50%溶媒B)は、16.91分間の観察した保持時間を有する生成物ペプチドを与えた。電子スプレー質量分析(M):計算値 3261.6;測定値 3262.5。
【0068】
実施例7
化合物7の調製
以下の式:
Ac-Leu-Ser-Thr-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-
Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-
Thr-Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr[配列番号7]
を有する化合物7は、実施例1に記載されたものと同様の方法で調製した。アセチル化は、無水酢酸を用いて達成した。分取用RP-HPLCは、実施例1に記載のごときC-8カラムを用い、勾配(40分間にわたる溶媒A中の15%ないし30%溶媒B)で溶出させて、32分間の観察した保持時間を有するペプチドを得た。分析用RP-HPLC(20分間にわたる溶媒A中の20%ないし50%溶媒B)は、16.83分間の観察した保持時間を有する生成物ペプチドを与えた。電子スプレー質量分析(M):計算値 3350.8;測定値 3349.5。
【0069】
実施例8
化合物8の調製
以下の式:
Val-Leu-Aib-Lys(For)-Leu-Ser-Gln-Gl-Leu-Aib-
Lys(For)-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Thr-Gly-
Ser-Asn-Thr-Tyr[配列番号8]
を有する化合物8は、実施例1に記載されたものと同様の方法で調製した。分取用RP-HPLCは、実施例1に記載のごときC-8カラムを用い、勾配(40分間にわたる溶媒A中の25%ないし50%溶媒B)で溶出させて、12分間の観察した保持時間を有するペプチドを得た。分析用RP-HPLC(20分間にわたる溶媒A中の20%ないし40%溶媒B)は、19.17分間の観察した保持時間を有する生成物ペプチドを与えた。電子スプレー質量分析(M):計算値 2879.5;測定値 2879.4。
【0070】
実施例9
化合物9の調製
以下の式:
Ac-Val-Leu-Aib-Lys(For)-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-Aib-
Lys(For)-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Thr-Gly-
Ser-Asn-Thr-Tyr[配列番号9]
を有する化合物9は、実施例1に記載されたものと同様の方法で調製した。アセチル化は、無水酢酸を用いて達成した。分取用RP-HPLCは、実施例1に記載のごときC-8カラムを用い、勾配(40分間にわたる溶媒A中の25%ないし50%溶媒B)で溶出させて、13分間の観察した保持時間を有するペプチドを得た。分析用RP-HPLC(溶媒A中の20%ないし50%溶媒B)は、14.24分間の観察した保持時間を有する生成物ペプチドを与えた。電子スプレー質量分析(M):計算値 2921.5;測定値 2921.1。
【0071】
実施例10
化合物10の調製
以下の式:
4-メチルペンタノイル-Ser-Thr-Ala-Val-Leu-Aib-
Lys(For)-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-Aib-Lys(For)-Leu-
Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Asn-Thr-
Tyr[配列番号10]
を有する化合物10は、Fmoc-保護アミノ酸(Applied Biosystems、Inc.社製)を用いて4-(2'-4'-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)-フェノキシアセトアミド-ノルロイシルMBHA樹脂(Novabiochem社製、0.55ミリモル/g)上で組立て、樹脂から切断し、脱保護し、最終的合成サイクルにおいて4-メチルペンタン酸を用いてN末端4-メチルペンタノイル基を組込む以外は実施例1と同様の方法で精製する。分析で用いたのは、溶媒A(水中0.1% TFA)および溶媒B(ACN中0.1% TFA)である。次いで、凍結乾燥したペプチドの分析用RP-HPLC(30分間にわたる溶媒A中の20%ないし50%溶媒Bの勾配)を行い、生成物ペプチドの保持時間を測定する。電子スプレー質量分析(M):計算値 3237.43。
【0072】
実施例11
化合物11の調製
以下の式:
4-メチルペンタノイル-Ser-Thr-Cys-Val-Leu-Aib-
Lys(For)-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-Aib-Lys(For)-Leu-
Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Asn-Tyr-
Tyr[配列番号11]
を有する化合物11は、Fmoc-保護アミノ酸(Applied Biosystems、Inc.社製)を用いて4-(2'-4'-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)-フェノキシアセトアミド-ノルロイシルMBHA樹脂(Novabiochem社製、0.55ミリモル/g)上で組立て、樹脂から切断し、脱保護し、最終的合成サイクルにおいて4-メチルペンタン酸を用いてN末端4-メチルペンタノイル基を組込む以外は実施例1と同様の方法で精製する。分析で用いたのは、溶媒A(水中0.1% TFA)および溶媒B(ACN中0.1% TFA)である。次いで、凍結乾燥したペプチドの分析用RP-HPLC(30分間にわたる溶媒A中の20%ないし50%溶媒Bの勾配)を行い、生成物ペプチドの保持時間を測定する。電子スプレー質量分析(M):計算値 3269.49。
【0073】
実施例12
化合物12の調製
以下の式:
Ala-Thr-Aib-Lys(For)-Leu-Ala-Asn-Glu-Leu-Aib-
Lys(For)-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Thr-Gly-
Ser-Asn-Thr-Tyr[配列番号12]
を有する化合物12は、Fmoc-保護アミノ酸(Applied Biosystems、Inc.社製)を用いて4-(2'-4'-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)-フェノキシアセトアミド-ノルロイシルMBHA樹脂(Novabiochem社製、0.55ミリモル/g)上で組立て、樹脂から切断し、脱保護し、実施例1と同様の方法で精製する。分析で用いたのは、溶媒A(水中0.1% TFA)および溶媒B(ACN中0.1% TFA)である。次いで、凍結乾燥したペプチドの分析用RP-HPLC(30分間にわたる溶媒A中の20%ないし50%溶媒Bの勾配)を行い、生成物ペプチドの保持時間を測定する。電子スプレー質量分析(M):計算値 2809.89。
【0074】
実施例13
化合物13の調製
以下の式:
Ac-Ala-Thr-Aib-Lys(For)-Leu-Ala-Asn-Glu-Leu-Aib-
Lys(For)-Leu-Gln-Thr-Thy-Pro-Arg-Thr-Asn-Thr-Gly-
Ser-Asn-Thr-Tyr[配列番号13]
を有する化合物13は、Fmoc-保護アミノ酸(Applied Biosystems、Inc.社製)を用いて4-(2'-4'-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)-フェノキシアセトアミド-ノルロイシルMBHA樹脂(Novabiochem社製、0.55ミリモル/g)上で組立て、樹脂から切断し、脱保護し、実施例1と同様の方法で精製する。アセチル化は、無水酢酸を用いて達成した。分析で用いたのは、溶媒A(水中0.1% TFA)および溶媒B(ACN中0.1% TFA)である。次いで、凍結乾燥したペプチドの分析用RP-HPLC(30分間にわたる溶媒A中の20%ないし50%溶媒Bの勾配)を行い、生成物ペプチドの保持時間を測定する。電子スプレー質量分析(M):計算値 2851.92。
【0075】
実施例A
受容体結合アッセイ
受容体結合アッセイは、放射性ヨウ素化ペプチド、および比較的高密度の測定されるべき受容体を含む細胞または組織からの膜を用いて行った。
アミリン受容体への試験化合物の結合は、前記のラット側坐核からの膜への125I-BH-ラットアミリン(N末端リジン上の125I-Bolton Hunter標識)の結合によって測定した。
CGRP受容体への試験化合物の結合は、ヒトSK-N-MC神経芽腫細胞からの膜への(ヒスチジンにて125I標識した)125I-L-αCGRPの結合によって測定した。
カルシトニン受容体への試験化合物の結合は、高密度のアデニルシクラーゼ結合したカルシトニン受容体を発現するヒトMCF7乳癌細胞からの膜への(チロシンにて125I標識した)125I-ヒトカルシトニンの結合によって測定した。親MCF7細胞系から単離したクローンサブライン(MCF7-7)をこの実験に用いた。
【0076】
ラット側坐核膜(アミリン受容体)への結合
アミリン受容体への化合物の結合の評価は、以下の通り行った。125I-BH-ラットアミリンは、Amersham Corporation(Arlington Heights、IL)から購入した。使用した時点での特異活性は、1950ないし2000Ci/ミリモルの範囲にあった。非標識ペプチドは、BACHEM Inc.(Torrance、CA)およびPeninsula Laboratories(Belmont、CA)から得た。
雄性Sprague Dawleyラット(200ないし250グラム)を断頭により犠牲にした。脳は冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に移した。切断は、腹側表面から、嗅索と側面で接し、これらの索から内側に45度の角度にて伸ばした視床下部の吻側に行った。側坐核および周囲領域を含む前脳基底組織を重量測定し、氷冷の20mM HPETS緩衝液(20mM HEPES酸、23℃にてNaOHでpHを7.4に調整)中でホモジナイズした。膜は、48000×gにて15分間の遠心によって新たな緩衝液で3回洗浄した。最終的な膜ペレットを0.2mMフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)を含有した20mM HPETS緩衝液に懸濁した。
【0077】
125I-アミリン結合を測定するために、4mgのオリジナルの湿重量の組織からの膜を、0.5mg/mlバシトラシン、0.5mg/mlウシ血清アルブミンおよび0.2mM PMSFを含有する20mM HPETS緩衝液中で12ないし16pMの125I-アミリンとインキュベートした。溶液を23℃にて60分間インキュベートした。インキュベーションは、放射性標識したペプチドの特異的結合を低下させるために、0.3%ポリエチレンイミン中で4時間予め浸漬させたGF/Bガラスファイバーフィルター(Whatman Inc. 、Clifton、NJ)を通しての濾過によって終了した。濾液を濾過直前に5ml冷PBSで、次いで濾過直後に15ml冷PBSで洗浄した。濾液を取り出し、77%のカウント効率にてガンマカウンターで放射活性を調べた。
【0078】
SK-N-MC 細胞からの膜(CGRP受容体)への結合
SK-N-MC細胞(ATCC番号HTB-10)をpH7.4の50mM HEPES緩衝液中でホモジナイズし、膜を48000×gにて15分間の遠心によって集めた。0.1ないし0.2mg蛋白質/0.2mlアリコートの濃度にて懸濁した膜を、ウシ血清アルブミン、バシトラシンおよび2mM MgCl2を含有するpH7.4の50mM HEPES中で、(10His、200Ci/ミリモルで標識した)15pM [125I]ヒト-CGRPおよび非ペプチドとインキュベートした。さらなる方法は、アミリン受容体アッセイについて記載されたものと同様である。Kiは、[L]が15pMであってKdが3pMであるIC50/(1+([L]/Kd))として誘導した。
SK-N-MCヒト神経芽腫細胞は、アデニールシクラーゼに結合する高親和性CGRP受容体を含み、いくつかの他の組織に存在するCGRP受容体に類似する結合および特異性no
特徴を有することが示されている(VanValenら、1990)。Ki値は、SK-N-MC細胞からの膜に結合する[125I]hCGRPの阻害から導かれた。
【0079】
T47D細胞からの膜(カルシトニン受容体)への結合
ヒトT47D乳癌細胞(ATCC番号HTB133)からの膜は、高密度のカルシトニン受容体を含むことが従前に示された(Findlayら、1980)。膜は、SK-N-MC細胞につき記載されたごとく、T47D細胞の密集培養物から調製した。膜は、雰囲気温度にて60分間、32pMの[125I]サケカルシトニン(22Tyrにて標識、2000Ci/ミリモル)と、および非標識ペプチドとインキュベートした。さらなる方法は、CGRP受容体アッセイにつき記載されたものと同様である。Kiは、[L]が32pMであってKdが19pMであるIC50/(1+([L]/Kd))として誘導した。
カルシトニン受容体への結合は、ヒトT47D癌細胞の膜からの[125I]サケカルシトニンの置き換えによって定量した。
【0080】
結果
本発明のある種の化合物を上記の放射性リガンド結合アッセイにおいて試験して、アミリン、カルシトニンおよびCGRPに対するその親和性を測定した。
競合曲線は、試験化合物の濃度増大の存在下、放射性リガンド結合を測定することによって創製し、反復曲線フィッティングプログラム(4変数のロジスティックな等式;Inplotプログラム;GraphPAD Software、San Diegoを用いる非線形回帰)を用いて半−最大(half-maxial)阻害濃度を決定した。
【0081】
【表1】
【0082】
全試験化合物は、CGRP(SK-N-MC)受容体に対するそれらの親和性に比較して、アミリン(側坐核)およびカルシトニン(T47D)受容体に対して相対的に親和性を示した。例えば、試験化合物は、アミリン受容体よりCGRP受容体に対して、少なくとも300倍低い親和性を示した。一連の化合物内では、化合物1、4、5、7、8および9が、アミリンおよびカルシトニン受容体に同様な効力を示した。化合物2、3および6は、アミリン受容体に対してよりカルシトニン受容体に対して大きな親和性を示した。
【0083】
実施例B
アデニールシクラーゼ刺激のアッセイ
本発明の化合物は、アデニールシクラーゼ活性の刺激に連結したカルシトニン受容体を含むヒトT47D(ATCC番号HTB133)およびMCF(ATCC番号22)乳癌細胞を用いて、カルシトニン受容体での機能的活性につきアッセイした。化合物1では、ラットカルシトニンC1a受容体での機能的活性は、ラットカルシトニンC1a受容体で安定な横断を受けたHEK293細胞(ATCC番号CRL1573)においても測定した。
【0084】
細胞は、96穴プレート中で密集まで増殖させた。培地を(シンク中に振盪させ、ティッシュ上へプレートを軽くたたくことにより)除去した。培地は、0.1% BSAおよび0.1%グルコースを含有する100μl dPBS(水で100mlにした10mlの10×ダルベッコのPBS;および0.1gFA-フリーのBSAおよび0.1gグルコース;7.4にpHを調整)で置き換えた。細胞は、空気培養器中で37℃にて20ないし30分間培養した。培地は、0.5mM IBMXを含有する新たなdPBS(4.5mgのIBMXを50mlの修飾dPBSに添加し;混合物をIBMXが溶解するまで音波処理する)で置き換えた。細胞を10分間培養した。ホルモンおよび/または試験化合物をIBMXを含有するdPBS培地で希釈した。ホルモン(または試験化合物)溶液の100μlのアリコートをプレートに添加した。細胞を湿潤空気培養器中で37℃にて20ないし30分間培養した。反応を20μlの5% TCAの添加によって停止させた。細胞を含むプレートを15分間4℃に保った。0.8M Trizmaの20μlのアリコートを添加して培地を中性化した。プレートを振動させ、次いでフロアー遠心機中で2000rpmにて回転させた。上清をデカントし、標準的なcAMPラジオイムノアッセイにおいて酢酸緩衝液中で直接的に用いた。
【0085】
乳癌細胞において、ヒトカルシトニンは、サイクリックAMP蓄積の増大を刺激し、EC50は0.45nM(MCF7-7)および3.1nM(T47D)であった。ヒトアミリンは、これらの細胞中のアデニールシクラーゼ活性の刺激において、カルシトニンより5倍(MCF7-7)ないし7倍(T47D)小さな効力であった。図1は、T47D細胞中のサイクリックAMP産生に対する化合物1の効果を示す。化合物1はT47D細胞中のサイクリックAMP蓄積を強力に刺激し、図1に示すごとくEC50が2.2nMであった。これらの細胞において、化合物1は、アデニールシクラーゼ活性の刺激において、ヒトカルシトニンより多少大きな効力であった。かくして、化合物1は、ヒト細胞中のカルシトニン受容体での機能的アゴニストである。また、化合物1をラットカルシトニンC1a受容体を発現する細胞において試験し、再度アデニールシクラーゼ活性を強力に刺激し、EC50=0.97nMであった(データを示さず)。
【0086】
また、化合物2をカルシトニン受容体での機能的活性につき試験した。化合物2は、MCF7-7細胞中で部分的アゴニスト活性を有し、サイクリックAMPの増大を生じさせ、ヒトカルシトニンによる産生増大の約20%であった。化合物2は、この効果の発生において、1.6nMのEC50(ヒトカルシトニンより3.5倍小さな効力)を有した。
また、化合物4(EC50=3.5nM)および化合物6(EC50=34nM)は、このアッセイにおいて試験され、MCF7-7細胞中でアデニールシクラーゼ活性を刺激することが観察され、ヒトカルシトニンより7倍および80倍低い効力であった。
【0087】
実施例C
ヒラメ筋アッセイ
ヒラメ筋における試験化合物のアミリン・アンタゴニスト活性の測定を以下の通り行った。約200gの大きさの雄性Harlan Sprague Dawleyラットを40mg未満の分離したヒラメ筋の大きさを維持するために用いた。動物を断頭による犠牲に先立って4時間絶食した。皮膚を下部の肢より剥ぎ、次いでコルク板にピン止めした。アキレス腱を踵骨の真上で切断し、腓腹筋を脛骨の後方向から外へ示した。次いで、腓腹筋の骨表面上の小さな15-20mm長さの0.5mm厚さの平らな筋肉であるヒラメ筋を明確に剥し、筋周膜を鋭いハサミおよび鉗子を用いて取り除いた。次いで、ヒラメ筋を筋肉の腹部を通る前方-後方を通して刃を用いて等分に裂き、合計4つの筋肉細片を得た。動物から筋肉を切取った後、それを短時間生理学的な生理食塩水に保った。これはグリコーゲンへの放射性グルコース取り込みに対する効果を示さないので、筋肉は張力下で保つ必要はなかった。
【0088】
筋肉は、後記のごとく、NaCl 118.5ミリモル(6.93g)、KCl 5.94ミリモル(443mg)、CaCl2 2.54ミリモル(282mg)、MgSO4 1.19ミリモル(143mg)、KH2PO4 1.19ミリモル(162mg) 、NaHCO3 25ミリモル(2.1g) 、5. 5ミリモルのグルコース(1g)および組換えヒトインスリン(Humulin-R、Eli Lilly、IN)を含有する10mlの予め気体処理したクレブスリンゲル炭酸水素塩緩衝液および試験化合物を含む50mlのErlenmeyerフラスコに入れた。37℃でのpHが7.1と7.4との間になることを確認した。筋肉は、各動物からの4つの筋肉片が異なるアッセイ条件で均等に分布するように異なるフラスコに割り当てた。培養培地は、振動している水浴中で37℃にて連続的に振動させつつ、表面上にゆっくり吹くカルボジェン(95% O2、5% CO2)によってガス供給した。半時間の「事前培養」時間の後、0.5μCiのU-14C-グルコースを各フラスコに添加し、さらに60分間インキュベートした。次いで、各筋肉片をすばやく取り出し、ブロットし、液体N2中で凍結させ、重量測定し、14C-グリコーゲンの続いての測定のために貯蔵した。
【0089】
14C-グリコーゲン測定を7mlのシンチレーションバイアル中で行った。各凍結筋肉標本をバイアルに入れ、連続的な撹拌下、1mlの60%水酸化カリウム中で70℃にて45分間消化した。溶解したグリコーゲンを3mlの無水エタノールの添加によってバイアルに沈殿させ、-20℃にて一晩冷却した。上清をゆっくり吸引し、沈殿物を真空下にて乾燥させた。シンチレーションカウントの間のクエンチングを避けるために全てのエタノールを蒸発させた。残留するグリコーゲンを1mlの水および4mlのシンチレーション液中に再溶解させ、14Cにつきカウントした。
【0090】
(マイクロモル/g/時間にて表した)グリコーゲンへのグルコース取り込み速度は、インキュベーション培地の5.5mMグルコース中の14Cグルコースの特異活性および各筋肉から抽出されたグリコーゲン中に残留する合計の14Cカウントから得た。用量/反応曲線を最小二乗反復ルーチン(ALLFIT、v2.7、NIH、MD)を用いる4変数ロジスティックモデルにフィットさせて、EC50を導いた。EC50は、対数-正規分布であるので、対数の±標準誤差で表す。ペアでの比較は、SYSTAT(Wilkinson、「SYSTAT:the system for statistics」、SYSTAT Inc.、Evanston IL(1989))のt検定ベースのルーチンを用いて行った。
【0091】
用量反応曲線は、7.1nM(1000μU/ml)のインスリンおよび0、1、3 、10、30、100、300および1000nMの(名目上の)最終濃度にて添加した各試験化合物を含む培地に添加された筋肉で生じさせた。また、各アッセイは、凍結乾燥し-70℃にて貯蔵された、単一バッチの保管されたラットアミリンを含む内部陽性対照を含有した。
ヒラメ筋アッセイにおけるアミリン調製物のEC50測定は、典型的には約1ないし10nMの範囲にあるが、90%未満で純粋であるいくらかの市販調製物は、汚染物質が存在する結果、低い活性が測定されるためにおそらく高いED50を有する。試験化合物の結果を以下におよび図2および3に示す。
【0092】
単離され、インキュベートされたラットヒラメ筋調製物において、化合物1および化合物2は、グリコーゲンへのグルコースの取り込み阻害において認識可能なアミリン・アゴニスト活性を示さなかった。このアッセイにおいて、インスリンは、1時間にわたる3-4倍までグリコーゲンへの、インキュベーション培地中の14C標識グルコースから由来する14Cの取り込みを増加させた。続いて、グリコーゲンをインキュベートしたヒラメ筋細片から抽出し、分析した。このアッセイにおいて、アミリン作用は、グルコースからグリコーゲンへの14Cの取り込みにおける低下が特徴的である(インスリンの存在下の本明細書の図2に示す)。かくして、アミリン作用の拮抗は、グリコーゲンへの14Cの取り込みのアミリン媒介の低下の防止によって示される。
【0093】
化合物1および化合物2での実験結果を図2Aおよび2Bに示す。図2Aは化合物1での結果を示し、図2Bは化合物2の結果を示す。各図における第二のバーは、グリコーゲンへの14Cの取り込みに対するインスリン(1000マイクロユニット/ml、7.1nM)の刺激効果を示す。各図における第三のバーは、14Cグルコースからのインスリン刺激した14C取り込みの低下におけるアミリン(100nM)の効果を示し、それはインスリンの不存在下で観察されたものに近い値である。各図における第四のバーは、化合物1(100nM)または化合物2(100nM)のいずれもがインスリンに対する応答に影響しないことを示す。すなわち、化合物1または化合物2のいずれもがこのアッセイにおけるアミリン・アゴニスト活性を示さない。第五のセットのバーでは、(第三のセットのバーにおいて示すごとき)グリコーゲン(7.1nM)へのグルコースのインスリン刺激取り込みに対するアミリンの効果は、化合物1(1μM)または化合物2(1μM)のいずれかの添加によって逆転する。すなわち、化合物1および化合物2は、このアッセイにおいてアミリン・アンタゴニスト活性を示す。
図3は、単離されたヒラメ筋における14Cグルコースからのグリコーゲンへの14Cのインスリン刺激の取り込みに対するラットアミリン(100nM)の効果の化合物1による逆転についての用量反応曲線を示す。グラフからのIC50値は、化合物1では約4nMである。
【0094】
実施例D
血漿中グルコース、乳酸塩およびカルシウムレベルに対する効果
雄性Harlan Sprague Dawleyラットを12:12時間の明:暗サイクル(実験は明るいサイクルの間に行う)で22.7°±0.8℃にて収容し、自由に食餌(Diest LM-485、Teklad、Madison、Wis.)および給水した。使用動物は、87-94日齢であり、353-392gの体重であった。それらは、実験に先立ち-20時間の間食物を奪われた。
【0095】
麻酔は5%ハロタンで導入し、手術中2%にて、記録中では0.8-1%を維持した。気管切開ならびに右側の大腿動脈および伏在静脈のカニュレーションを行った。大腿動脈ラインを圧トランスデユーサー(Spectramed P23XL トランスデューサー、Model 13-4615-58 増幅器、Gould、Cleveland、Ohio)に接続し、3.0ml/時間にてへパリン化生理食塩水(2U.ml)で灌流した。結腸温度を、加熱操作テーブルを切り換えることによって閉塞ループコントロールのコア温度を供給するサーミスタープローブおよびコントローラー(Model 73A、YSI、Yellow springs、Ohlo)を用いて測定した。平均動脈圧のシグナルは、定期的にサンプリングし、コンピューター化データ捕捉システム(DT2801A A.D コンバーター、Date Translation、Marlboro、Mass.;AST Premium 386 コンピューター、AST Research、Irvine、calif.;Labtech Notebook ソフトウエア、Laboratory Technologies Corp、Wilmington、Mass. )を用いて1Hzにて12ビット精度で蓄積した。
【0096】
合成ラットアミリン(Bachem、Torrance、Calif. )をアミリン受容体アッセイにおける結合能力につき、およびヒラメ筋アッセイを用いる生物学的活性につき試験した。試験化合物を上記のごとく固相ペプチド合成法により作製した。
以下の処置群:(1)t=0にて0.1mlの0.15M生理食塩水を皮下注射した対照ラット群(n=5);(2)t=0にて0.1mlの生理食塩水中の100μgの合成ラットアミリンを腹側部壁に皮下ボーラスとして投与したアミリン注射ラット(n=5);(3)試験化合物の事前注射に続いてのアミリン注射ラット(n=1)を利用した。群3において、(群2のごとき)皮下アミリン注射は、試験化合物のプライミングされた/連続的な静脈注入を先行した。-30分での0.5mgの試験化合物のボーラス静脈内用量に続いて、t=120分まで試験化合物を1mg/時間で静脈内注射した。
【0097】
250μlの動脈試料を(アミリン注射に関して)-30、-15、0、15、30、45、60、90および120分にて非ヘパリン化Natelson試験管に入れ、冷却したEDTAマイクロファージ(microphage)試験管に移し、回転させ、分離した血漿を固定化酵素化学(グルコースオキシダーゼ、L‐乳酸オキシダーゼ、Analyzer model 2300-STAT、YSI、Yellow springs、Ohio)を用いてグルコースおよび乳酸塩につき直ちに分析した。
総血漿中カルシウムを染料結合アッセイ(o‐クレゾールフタレインコンプレクソン、Sigma procedure 587;Sigma、St. Louis、MO、USA)を用いて測定した。
【0098】
100μgの化合物1または化合物2の皮下注射に対する応答は、100μgのラットアミリンまたは生理食塩水ビヒクル対照のいずれかで得られたものと比較した。血漿中グルコースおよび乳酸塩の濃度は、典型的にはラットアミリン注射に続いて増大することが観察された。アミリンに対するこの応答は、アミリン媒介グリコーゲン分解、筋肉からの乳酸塩の遊離および遊離された乳酸塩からの続いての糖原貯蔵症のために少なくとも部分的であると解釈された。さらに、血漿中カルシウムレベルは、典型的には低下することが観察され;この効果は、カルシトニン受容体でのアミリン作用のためであろう。
【0099】
図4Aないし4Cは、化合物1の皮下注射後の麻酔ラットにおける血漿中のグルコース(図4A)、乳酸塩(図4B)およびカルシウム(図4C)の応答を、ラットアミリンまたは生理食塩水ビヒクル対照に続いてのかかるレベルに比較して示す。図5Aないし5Cは、化合物2の皮下注射後の麻酔ラットにおいける血漿中のグルコース(図5A)、乳酸塩(図5B)およびカルシウム(図5C)の応答を、アミリンまたは生理食塩水ビヒクル対照に続いてのかかるレベルに比較して示す。
図4Aないし4Cおよび図5Aないし5Cに示すごとく、化合物1と化合物2のいずれもが血漿中乳酸塩または血漿中グルコースのいずれもを増加させず、その結果は、ヒラメ筋アッセイにおいて観察されたアミリン作動性の損失と一致する(実施例C参照)。化合物1および2は、血漿中カルシウム濃度の低下を引き起こし、それはカルシトニン・アゴニストとしてのその活性と一致する。
【0100】
実施例E
アミリン存在下の血漿中グルコース、乳酸塩および
カルシウムレベルに対する効果
18ないし20時間絶食させた雄性Harlan Sprague Dawleyラット(75ないし85日齢、体重300-350g)をハロタン麻酔し、注入/注射用の伏在静脈、およびグルコース/乳酸塩/カルシウムの採取用のおよび動脈圧を記録するための大腿静脈を介してカニュレーションした。また、心拍数をECGを介してモニターした。
【0101】
手術の1時間半後に、ラットに1.5mlボーラスの化合物2を注射し、続いてさらに1.5時間3mg/時間の注入を行った(t=0.5ないし1.0時間)。t=0時間にて(プライミングした/連続的な試験化合物の注入の開始後0.5時間)、50μgボーラスのラットアミリンを投与し、続いて50μg/ml時間のラットアミリンを注入し、それを実験が終了するまで続けた。血液試料は、試験の最初の2時間は10分毎に、次いで30分毎に採取した。平均動脈圧および心拍数を連続してt=0.5ないしt=+0.5時間記録した。試験をt=6時間にて終了した。従前に報告されたアミリン・アンタゴニストであるAC253(Prickett、K.S.ら、「Design of Receptor Selection Peptides that Antagonize the Actions of Amilin In Vivo」、Peptides Chemistry Structure and Biology(KaumayaおよびHodges編)、620ないし622頁(1996))を陽性対照として含有した。
【0102】
図6Aないし6Dは、アミリン投与後の時間の関数として、血漿中グルコース(図6A)、血漿中乳酸塩(図6B)、血漿中カルシウム(図6C)および平均動脈圧(図6D)に対する化合物1および化合物2の効果を示す。このプロトコールにおいて、ラットアミリン・アンタゴニスト活性は、典型的にはアミリン投与に続いての血漿中グルコースおよび乳酸塩の増加の抑制によって示される。化合物1および化合物2の事前注入の結果、生理食塩水で事前注入された対照ラットにおいて観察されたものより、乳酸塩およびグルコースレベルにおいて小さく増加し、それはこれらの化合物がin vivoにてアミリンの高乳酸および高血糖作用に拮抗したことを示す。血漿中カルシウムレベルの低下は、化合物1または化合物2の注入後に開始され、続いてのアミリン注入によって変化しなかった。血漿中カルシウムに対するこの観察された効果は、典型的なアミリンおよびカルシトニン・アゴニスト活性と考えられる。アミリンの血圧低下効果を逆行させるためのこれらの化合物の能力の欠如は、CGRP受容体を通して媒介さることが知れれた効果であり、試験化合物の選択的活性を示す。
【0103】
実施例F
フェノールレッド胃内容排泄アッセイ
胃内容排泄は、Scarpignatoらのオリジナルの方法(Arch. Int. Pharmacodyn. Ther. 246:286-295(1980))の修飾(Plourdeら、Life Sci. 53:857-862(1993))を用いて測定した。覚醒ラットは、ガバージによって、1.5% メチルセルロース(M-0262、Sigma Chemical Co、St Louis、MO)および0.05% フェノールレッド指示薬を含有する1.5mlの無カロリーゲルを受けた。ガバージの20分後、ラットを5%ハロタンを用いて麻酔し、胃を開け、動脈鉗子を用いて幽門および下部食道括約筋にてクランプし、取り出し、固定容量まで作成したアルカリ溶液中へ開けた。胃内容量は、560nmの波長での吸収によって測定されたアルカリ溶液中のフェノールレッドの強度から得た。大部分の実験において、胃内容物は透明であった。他の実験において、粒状の胃内容物を遠心して、吸光度測定のために溶液を澄明とした。希釈された胃内容物が濁ったままである場合、フェノールレッドによる分光学的吸光度をアルカリ性希釈液−対−酸性化した希釈液中に存在するものの間の差として導いた。7匹のラットに対する別々の実験において、胃および小腸を摘出し、アルカリ溶液に開けた。ガバージの29分以内に上部胃腸管から回収できたフェノールレッドの量は89±4%であり;腸管腔表面に回収しがたく結合したらしい染料は残りを説明できる。この小さな損失を補正するために、20分後に残留している胃内容量のパーセントを同一実験におけるガバージ直後に犠牲にした対照ラットから回収した胃内容量の分数として表した。パーセント胃内容残量=(20分での吸光度)/(0分での吸光度)。胃内容排泄についての用量反応曲線は、最小二乗反復ルーチン(ALLFIT、v2.7、NIH、MD)を用いる4変数ロジスティックモデルにフィットさせて、EC50を導いた。EC50は対数-正規分布であるので、対数の±標準誤差で表す。ペアでの比較は、分散の片側分析およびStudent-Newman-Keulsの多重比較検定(Instat v2.0、GraphPad Software、San Diego、CA)を用いて、有意レベルとしてP<0.05を用い行った。
【0104】
用量反応試験において、0.15M生理食塩水に溶解したラットアミリン(Bachem、Torrance、CA)は、20時間絶食したHarlan Sprague Dawleyラット(非糖尿病)および6時間絶食した糖尿病BBラットにガバージの5分後にて、0、0.01、0.1、10または100μgの用量で0.1mlの皮下ボーラスとして投与した。皮下アミリン注射をフェノールレッド指示薬でのガバージの5分後に与えた場合、用量依存的な抑制の胃内容排泄であった(データは示さず)。胃内容排泄の抑制を1μgのアミリンを投与した正常なHSDラットにおいて、および10μgを投与した糖尿病ラットにおいて完了した(P=0.22、0.14)。正常ラットにおける胃内容排泄の阻害のED50は、0.43μg(0.60ナノモル/kg)±0.19 log単位であり、糖尿病ラットでは2.2μg(2.3ナノモル/kg)±0.18 log単位であった。
【0105】
(ラットまたはヒト)アミリンおよび単離されたヒラメ筋におけるアミリン様作用を示す(サケカルシトニン、CGRPおよびラットカルシトニンを含めた)化合物が、本覚醒ラットモデルにおいて胃内容排泄を用量依存的に阻害することを観察した。CGRPアゴニストとして作用するが、アミリンまたはカルシトニン・アゴニストとして作用しないことが観察されているアドレノメデュリンは、このモデルで用いた最大用量(100μg)にて胃内容排泄を阻害しない(このモデルの胃内容排泄の阻害がCGRP実施例によって媒介することがありそうもないことを示す)。
【0106】
図7に示すごとく、アミリンおよびラットカルシトニンは、胃内容排泄の阻害において同様の効力を有する(各々、0.21および0.41μg/ラットのED50;有意差なし)。サケカルシトニンは、その胃内容排泄阻害効果においてラットカルシトニンより効力があった(ED500.12μg/ラット;P<0.03)。カルシトニンおよび化合物2は共に胃内容排泄の阻害において、強力なアミリンおよびカルシトニン・アゴニストとして作用した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例1の化合物(「化合物1」)[配列番号1]によるアデニルシクラーゼのカルシトニン受容体連結した刺激を示す。T47D細胞中のサイクリックAMP蓄積を試験化合物の濃度の関数として測定した。
【図2Aおよび図2B】 図2Aおよび図2Bは、ヒラメ筋アッセイにおける化合物1(図2A)および実施例2の化合物(「化合物2」)[配列番号2](図2B)のin vitroでのアミリン・アンタゴニスト活性を示す。
【図3】 図3は、ヒラメ筋アッセイにおいて測定された化合物1のアミリン・アンタゴニスト活性についての用量反応曲線を示す。 試験化合物の変更用量にての単離されたヒラメ筋における14C-グルコースのインスリン刺激した取り込みに対するラットアミリンの効果の反転を示す。
【図4A−図4C】 図4Aないし図4Cは、麻酔ラットにおける血漿中グルコースレベル(図4A)、血漿中乳酸塩レベル(図4B)および血漿中カルシウムレベル(図4C)に対する化合物1のin vivo活性を示す。
【図5A−図5C】 図5Aないし図5Cは、麻酔ラットにおける血漿中グルコースレベル(図5A)、血漿中乳酸塩レベル(図5B)および血漿中カルシウムレベル(図5C)に対する化合物2のin vivo活性を示す。
【図6A−図6D】 図6Aないし図6Cは、麻酔ラットのグルコース(図6A)、乳酸塩(図6B)およびカルシウム(図6C)の血漿中レベルに対するラットアミリンの阻害効果における化合物1および化合物2のin vivo活性を示す。また、平均動脈圧を測定した(図6D)。
【図7】 図7は、ラットにおける胃内容排泄の阻害に対する化合物1および化合物2のin vivo効果についての用量反応曲線を示す。
【図8】 図8は、化合物1ないし化合物13[配列番号1ないし配列番号13]のアミノ酸配列を示す。
【図9】 図9は、文献に報告されたある種のペプチド化合物のアミノ酸配列を示す[配列番号14ないし配列番号26]。 該配列についての文献は次のとおりである:配列番号14:4-32サケカルシトニン;配列番号15:8-32サケカルシトニン;配列番号16および17:米国特許第5,580,953号;配列番号18および19:Gamseら、J. Bone Min. Res. 8(Suppl 1):S200、アブストラクト番号334(1993);配列番号20ないし26:米国特許第4,758,550号。
Claims (9)
- X1-X2-X3-Leu-X4-Glu-Leu-X5-X6-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-
Arg-Thr-Asn-X7-Z3[配列番号27]
[式中、(a) X1は、基 Z1-Ser-Thr-Z2-Val-Leu[配列番号28]であり、ここに、Z1は、LeuまたはそのN-アシル化誘導体よりなる群から選択されるアミノ酸残基であるか、またはZ1はアルカノイル基であって;
Z2は、Ala、SerおよびCysよりなる群から選択されるアミノ酸残基であり;
(b) X2は、GlyまたはAibよりなる群から選択されるアミノ酸残基であり;
(c) X3は、 Arg、およびLysのε-アミド化誘導体よりなる群から選択されるアミノ酸残基であり;
(d) X4は、基Ser-Glnであり;
(e) X5は、HisおよびAibよりなる群から選択されるアミノ酸残基であり;
(f) X6は、Arg、およびLysのε-アミド化誘導体よりなる群から選択されるアミノ酸残基であり;
(g) X7は、
(i) Thr-Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr-NH2[配列番号29]
(ii) Thr-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro-NH2[配列番号30]
よりなる群から選択される6つのアミノ酸残基を有する基であって;
(h) Z3はNH2であり;
但し、該化合物は、配列番号14ないし26のいずれの式も有しない]
で表される化合物またはその医薬上許容される塩。 - Leu-Ser-Thr-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-
Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Thr-
Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr[配列番号1];
4-メチルペンタノイル-Ser-Thr-Ala-Val-Leu-Aib-
Lys(For) -Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-Aib-Lys(For)-Leu-
Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Gly-Thr-
Pro[配列番号2];
Ac-Leu-Ser-Thr-Ser-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-
Glu-Leu His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-
Thr-Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr[配列番号3];
Leu-Ser-Thr-Ala-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-
Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Thr-
Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr[配列番号4];
Leu-Ser-Thr-Ser-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-Glu-
Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Thr-
Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr[配列番号5];
Ac-Leu-Ser-Thr-Ala-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-
Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-
Tyr-Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr[配列番号6];
Ac-Leu-Ser-Thr-Cys-Val-Leu-Gly-Arg-Leu-Ser-Gln-
Glu-Leu-His-Arg-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-
Thr-Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr[配列番号7];
4-メチルペンタノイル-Ser-Thr-Ala-Val-Leu-Aib-
Lys(For)-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-Aib-Lys(For)-Leu-
Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Asn-Thr-
Tyr[配列番号10];および
4-メチルペンタノイル-Ser-Thr-Cys-Val-Leu-Aib-
Lys(For)-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-Aib-Lys(For)-Leu-
Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Asn-Tyr-
Tyr[配列番号11]
よりなる群から選択される請求項1に記載の化合物。 - 請求項1または2記載の化合物を医薬上許容される担体に含む組成物。
- 請求項1または2記載の化合物の治療上有効量を含む、対象における糖尿病を治療するための医薬組成物。
- 該糖尿病がI型糖尿病である請求項4記載の医薬組成物。
- 該糖尿病がII型糖尿病である請求項4記載の医薬組成物。
- 請求項1または2記載の化合物の治療上有効量を含む、対象における胃腸運動を有益に調節するための医薬組成物。
- 胃腸運動の該有益な調節が、胃内容排泄を遅延させることを含む請求項7記載の医薬組成物。
- 請求項1または2記載の化合物の治療上有効量を含む、対象における損なわれたグルコース耐性、食後の高血糖、肥満、および症候群Xよりなる群から選択される障害を治療するための医薬組成物。
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