JP4372215B2 - 照明装置及び投写型映像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、赤成分光、緑成分光及び青成分光に加えて、第4色成分光を利用する照明装置及び投写型映像表示装置に関する。
従来、3色の光に対応する3つの光変調素子と、3つの光変調素子から出射される光を合成するクロスダイクロイックキューブと、クロスダイクロイックキューブで合成された光を投写する投写手段とを有する投写型映像表示装置が知られている。
ここで、クロスダイクロイックキューブは、光が入射する3つの光入射面と、光が出射する1つの光出射面とを有している。従って、クロスダイクロイックキューブに入射する光が3色である場合には、投写型映像表示装置は、一つのクロスダイクロイックキューブを有していれば足りる。
一方で、色再現性や輝度の向上を目的として、4色以上の光を利用する投写型映像表示装置が提案されている。例えば、投写型映像表示装置は、赤、緑及び青の3色に加えて、オレンジ、黄又はシアンを利用することによって、色再現性や輝度の向上を図っている(例えば、特許文献1)。
特開2002−287247号公報(請求項1、請求項4、図1など)
ここで、投写型映像表示装置が4色以上の光を有する場合には、一つのクロスダイクロイックキューブで4色以上の光を合成することができない。従って、投写型映像表示装置は、複数のダイクロイックキューブ(又は、クロスダイクロイックキューブ)を有する必要がある。
例えば、4色の光の合成が必要である場合には、投写型映像表示装置は、2色の光が合成された合成光を2つ取得して、2つの合成光をさらに合成することによって、4色の合成光を取得する。なお、投写型映像表示装置は、3色の光が合成された合成光を取得して、合成光と1色の光とを合成することによって、4色の合成光を取得してもよい。投写型映像表示装置は、2色の光が合成された合成光を取得して、合成光と2色の光とを合成することによって、4色の合成光を取得してもよい。
ここで、4色以上の光に対応する各光変調素子から投写手段までの光路長は同一である必要がある。また、光変調素子と投写手段との間に、複数のダイクロイックキューブ(又は、クロスダイクロイックキューブ)を設ける必要がある。従って、投写手段のバックフォーカスが長くなる。
この結果、3色の光を利用する投写型映像表示装置で用いられる投写手段を転用することができないため、投写型映像表示装置のコストが全体として上昇してしまう。
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、4色以上の光を利用する場合であっても、装置全体のコスト上昇を抑制することを可能とする照明装置及び投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
本発明の一の特徴は、照明装置(照明ユニット120)であって、白色の光を発する光源(光源10)と、前記光から第1色成分光(例えば、青成分光)を分離する第1色分離手段(ミラー21)と、第1色用入力信号(例えば、青用入力信号)に応じて前記第1色成分光を変調する第1色光変調素子(例えば、液晶パネル30B)と、前記第1色成分光を分離した光から第2色成分光(例えば、緑成分光)を分離する第2色分離手段(ミラー23)と、第2色用入力信号(例えば、緑用入力信号)に応じて前記第2色成分光を変調する第2色光変調素子(例えば、液晶パネル30G)と、前記第2色成分光を分離した光から第3色成分光(例えば、赤成分光)と第4色成分光(例えば、黄成分光)とを分離する第3色分離手段(ミラー24)と、第3色用入力信号(例えば、赤用入力信号)に応じて前記第3色成分光を変調する第3色光変調素子(例えば、液晶パネル30R)と、前記第4色成分光を変調する第4色光変調素子(例えば、液晶パネル30Ye)と、前記第1色光変調素子、前記第2色光変調素子及び前記第3色光変調素子から出射された光を合成する色合成部(クロスダイクロイックキューブ60)と、を備えるものである。そして、前記第4色光変調素子から出射された前記第4色成分光は、前記第3色光変調素子に入射することを要旨とする。
かかる特徴によれば、第4色光変調素子から出射された第4色成分光が、第3色光変調素子に入射する。すなわち、第4色成分光は、第3色成分光に重畳されて色合成部に供給される。従って、赤成分光、緑成分光及び青成分光に加えて、第4色成分光を利用する場合であっても、色合成部に入射する光は3種類である。この結果、投写手段の設計を変更する必要がなく、装置全体のコスト上昇を抑制することができる。
また、第4色成分光が、従来の3色の成分光に重畳されて投写されるため、投写手段がスクリーン上などに投写する映像の輝度が向上する。
ここで、第4色光変調素子から投写手段までの光路長と、第1色光変調素子、第2色光変調素子及び第3色光変調素子から投写手段までの光路長とが異なる。一方で、第4色光変調素子から出射される光は、照明光として利用されるため、光路長の違いによる影響について問題視する必要がない。
本発明の一の特徴は、上述した特徴において、前記第4色成分光は、前記第2色成分光と前記第3色成分光の間の波長範囲の光であることを要旨とする。このとき、上述した特徴において、前記第3色成分光は赤成分光であることを要旨とする。
本発明の一の特徴は、上述した特徴において、前記第4色光変調素子は、前記第4色成分光の偏光方向を回転する偏光回転手段であることを要旨とする。このとき、上述した特徴において、前記第3色光変調素子の入射側に設けられる偏光板をさらに備え、前記第4色成分光を重畳しない場合、前記第4色光変調素子は、前記偏光板によって、前記第4色成分光が遮光されるように第4色成分光を変調することを要旨とする。
本発明の一の特徴は、投写型映像表示装置(投写型映像表示装置100)であって、白色の光を発する光源(光源10)と、前記光から第1色成分光(例えば、青成分光)を分離する第1色分離手段(ミラー21)と、第1色用入力信号(例えば、青用入力信号)に応じて前記第1色成分光を変調する第1色光変調素子(例えば、液晶パネル30B)と、前記第1色成分光を分離した光から第2色成分光(例えば、緑成分光)を分離する第2色分離手段(ミラー23)と、第2色用入力信号(例えば、緑用入力信号)に応じて前記第2色成分光(例えば、緑成分光)を変調する第2色光変調素子(例えば、液晶パネル30G)と、前記第2色成分光を分離した光から第3色成分光(例えば、赤成分光)と第4色成分光(例えば、黄成分光)とを分離する第3色分離手段(ミラー24)と、第3色用入力信号(例えば、赤用入力信号)に応じて前記第3色成分光を変調する第3色光変調素子(例えば、液晶パネル30R)と、前記第4色成分光を変調する第4色光変調素子(例えば、液晶パネル30Ye)と、前記第1色光変調素子、前記第2色光変調素子及び前記第3色光変調素子から出射された光を合成する色合成部(クロスダイクロイックキューブ60)と、前記色合成部によって合成された光を投写する投写手段(投写レンズユニット110)と、を備える。そして、前記第4色光変調素子から出射された前記第4色成分光は、前記第3色光変調素子に入射することを要旨とする。
本発明によれば、4色以上の光を利用する場合であっても、装置全体のコスト上昇を抑制することを可能とする照明装置及び投写型映像表示装置を提供することができる。
第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の概略を示す図である。 第1実施形態に係る照明ユニット120の概略構成を示す図である。 第1実施形態に係るRGB色再現範囲を示す図である。 第1実施形態に係る液晶パネルの解像度の一例を示すイメージ図である。 第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の機能を示すブロック図である。 第1実施形態に係る色信号と表示色との関係を示す図である。 第2実施形態に係る照明ユニット120の概略構成を示す図である。 第3実施形態に係る照明ユニット120の概略構成を示す図である。 第4実施形態に係る照明ユニット120の概略構成を示す図である。 第5実施形態に係る照明ユニット120の概略構成を示す図である。 第6実施形態に係る照明ユニット120の概略構成を示す図である。 第7実施形態に係る照明ユニット120の概略構成を示す図である。 第8実施形態に係る照明ユニット120の概略構成を示す図である。 第9実施形態に係る照明ユニット120の概略構成を示す図である。 第9実施形態に係るミラー323の拡大図である。 第10実施形態に係る液晶パネル30Gの構成を示す図である。 第11実施形態に係る液晶パネル30の構成を示す図である。 光源10(UHPランプ)が発する光について説明するための図である。
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の概略)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の概略について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の概略を示す図である。
図1に示すように、投写型映像表示装置100は、投写レンズユニット110を有しており、投写レンズユニット110によって拡大された映像光をスクリーン200上に投写する。投写型映像表示装置100は、後述するように、赤成分光、緑成分光及び青成分光に加えて、黄成分光を第4色成分光として利用する。
(照明ユニットの概略構成)
以下において、第1実施形態に係る照明ユニットの概略構成について、図面を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態に係る照明ユニット120の概略構成を示す図である。図2では、光源10が発する光を均質化するフライアイレンズ、光源10が発する光の偏光方向を揃えるPBS(Polarized Beam Splitter)などが省略されていることに留意すべきである。
図2に示すように、照明ユニット120は、光源10と、複数の液晶パネル30(液晶パネル30R、液晶パネル30G、液晶パネル30B及び液晶パネル30Ye)と、クロスダイクロイックキューブ60とを備える。なお、図2では、投写レンズユニット110が図示されているが、投写レンズユニット110は照明ユニット120に含まれないことに留意すべきである。
光源10は、白色光を発するUHPランプなどである。すなわち、光源10が発する光は、赤成分光、緑成分光、青成分光及び黄成分光を少なくとも含む。
ここで、黄成分光は、図3に示すように、赤成分光、緑成分光及び青成分光が再現可能な色範囲(RGB色再現範囲)外の色を再現可能な光である。3色の光を利用する投写型映像表示装置では、黄成分光は色分離の過程で除かれる光である。
液晶パネル30Rは、後述するように、赤用入力信号に応じて赤成分光を変調する。なお、液晶パネル30Rの光入射側及び光出射側には、一対の偏光板(不図示)が設けられている。
同様に、液晶パネル30Gは、緑用入力信号に応じて緑成分光を変調し、液晶パネル30Bは、青用入力信号に応じて青成分光を変調する。なお、液晶パネル30G及び液晶パネル30Bの光入射側及び光出射側には、一対の偏光板(不図示)が設けられている。
一方で、液晶パネル30Yeは、赤用入力信号、緑用入力信号及び青用入力信号に基づいて算出される寄与度に応じて制御される変調量(黄用信号)に応じて黄成分光を変調する。なお、液晶パネル30Yeの光入射側及び光出射側の少なくとも一方に偏光板(不図示)が設けられていてもよい。
液晶パネル30Yeから出射される光は、液晶パネル30R(特定の光変調素子)に入射する。すなわち、液晶パネル30Rは、液晶パネル30Yeから出射される光がクロスダイクロイックキューブ60に入射するまでの間において、液晶パネル30Yeから出射される光の光路上に設けられている。
なお、液晶パネル30Yeの変調量の制御とは、液晶パネル30Yeを透過する黄成分光の光量の制御であることに留意すべきである。
液晶パネル30Yeから出射される光は、液晶パネル30R上に略結像されることが好ましい。例えば、液晶パネル30Yeと液晶パネル30Rとの間において、液晶パネル30Yeから出射される光の光路上にリレーレンズ(レンズ86、レンズ87及びレンズ83)などを配置することによって、液晶パネル30Yeから出射される光を液晶パネル30R上に略結像することが可能である。ここで、略結像とは、結像を含む概念であることに留意すべきである。
ここで、液晶パネル30Yeの解像度は、液晶パネル30R、液晶パネル30G及び液晶パネル30Bの解像度と異なる。図4(a)は、液晶パネル30R、液晶パネル30G及び液晶パネル30Bの解像度の一例を示すイメージ図である。図4(b)は、液晶パネル30Yeの解像度の解像度の一例を示すイメージ図である。図4(a)及び図4(b)に示すように、スクリーン200上に高精細な映像を表示するために、液晶パネル30R、液晶パネル30G及び液晶パネル30Bは高い解像度を有する。一方で、液晶パネル30Yeから出射される光は主として照明光として利用される。従って、液晶パネルに設けられた電極などによって光利用効率が低下しないように、液晶パネル30Yeの解像度は、液晶パネル30R、液晶パネル30G及び液晶パネル30Bの解像度よりも低いことが好ましい。また、対象領域毎に黄成分光の光量を調整できればよいため、液晶パネル30Yeの解像度は低くても十分である。
なお、解像度が低いとは、液晶パネル30Yeが解像度を有していないことも含む概念である。従って、液晶パネル30Yeは、複数の領域毎に変調量が制御可能に構成されている必要はなく、全面の変調量のみが制御される構成を有していてもよい。
また、液晶パネル30Yeの解像度は、液晶パネル30R、液晶パネル30G及び液晶パネル30Bの解像度と同じであってもよい。
クロスダイクロイックキューブ60は、液晶パネル30R、液晶パネル30G及び液晶パネル30Bから出射される光を合成する。すなわち、クロスダイクロイックキューブ60は、液晶パネル30Rから出射される赤成分光及び黄成分光、液晶パネル30Gから出射される緑成分光及び液晶パネル30Bから出射される青成分光を合成する。また、クロスダイクロイックキューブ60は、赤成分光、緑成分光、青成分光及び黄成分光を含む合成光(映像光)を投写レンズユニット110側に出射する。
投写レンズユニット110は、上述したように、クロスダイクロイックキューブ60によって合成された合成光(映像光)をスクリーン200上に投写する。
図2に戻って、照明ユニット120は、複数のミラー群(ミラー21〜ミラー27)を有する。ミラー21は、青成分光を透過し、赤成分光、緑成分光及び黄成分光を含む他の光を反射するダイクロイックミラーである。ミラー22は、青成分光を液晶パネル30B側に反射するミラーである。ミラー23は、緑成分光を液晶パネル30G側に反射し、赤成分光及び黄成分光を含む他の光を透過するダイクロイックミラーである。ミラー24は、赤成分光を液晶パネル30R側に反射し、黄成分光を含む他の光を透過するダイクロイックミラーである。ミラー25は、黄成分光を液晶パネル30Ye側に反射するミラーである。ミラー26は、黄成分光を液晶パネル30R側に反射するミラーである。ミラー27は、液晶パネル30Yeから出射された光(黄成分光)を透過し、赤成分光を液晶パネル30R側に反射するダイクロイックミラーである。
ここで、ミラー21、ミラー23及びミラー24は、赤成分光と緑成分光と青成分光と黄成分光とに光源10が発する光を分離する色分離手段を構成する。
照明ユニット120は、複数のレンズ群(レンズ41〜レンズ43、レンズ81〜レンズ87)を有する。レンズ41は、液晶パネル30Bに青成分光が照射されるように、ミラー22で反射された青成分光を略略平行光化するコンデンサレンズである。レンズ42は、液晶パネル30Bに緑成分光が照射されるように、ミラー23で反射された緑成分光を略略平行光化するコンデンサレンズである。レンズ43は、液晶パネル30Rに赤成分光が照射されるように、ミラー23を透過した赤成分光を略略平行光化するコンデンサレンズである。同様に、レンズ43は、液晶パネル30Yeに黄成分光が照射されるように、ミラー23を透過した黄成分光を略略平行光化するコンデンサレンズである。
レンズ81〜レンズ83は、レンズ43によって略略平行光化された赤成分光を液晶パネル30R上に略結像させるリレーレンズである。レンズ81、レンズ84及びレンズ85は、レンズ43によって略略平行光化された黄成分光を液晶パネル30Ye上に略結像させるリレーレンズである。レンズ86、レンズ87及びレンズ83は、液晶パネル30Yeから出射された黄成分光の拡大を抑制しながら、液晶パネル30R上に黄成分光を略結像させるリレーレンズである。
照明ユニット120は、黄成分光の偏光方向を90°回転させる位相差板50を有する。具体的には、位相差板50は、赤成分光と偏光方向が揃っていた黄成分光の偏光方向を略90°回転させて、黄成分光を液晶パネル30R側に出射する。
ここで、液晶パネル30Yeから出射された黄成分光の偏光方向が、液晶パネル30Rに入射する赤成分光の偏光方向と異なる場合には、液晶パネル30Rの入射側に設けられた偏光板によって黄成分光が遮光される。
従って、液晶パネル30Yeに電圧を印加すべきか否かについては、電圧の印加状態と偏光の回転との関係で制御される。以下においては、電圧が印加されていない状態で偏光方向を回転し、電圧が印加された状態で偏光方向を回転しない第1タイプの液晶パネルと、電圧が印加されていない状態で偏光方向を回転せずに、電圧が印加された状態で偏光方向を回転する第2タイプの液晶パネルとを例に挙げて説明する。
(1)液晶パネル30Yeが第1タイプであるケース
(1−1)位相差板50が設けられていないケース
黄成分光をオフにする場合には、液晶パネル30Yeに電圧を印加しない。これによって、液晶パネル30Yeが黄成分光の偏光方向を回転させるため、黄成分光の偏光方向が赤成分光の偏光方向と異なることになる。すなわち、液晶パネル30Rの入射側に設けられた偏光板によって黄成分光が遮光される。
黄成分光をオンにする場合には、液晶パネル30Yeに電圧を印加する。これによって、液晶パネル30Yeが黄成分光の偏光方向を回転させないため、黄成分光の偏光方向が赤成分光の偏光方向と同じになる。
(1−2)位相差板50が設けられているケース
黄成分光をオフにする場合には、液晶パネル30Yeに電圧を印加する。これによって、位相差板50が黄成分光の偏光方向を回転させた後に、液晶パネル30Yeが黄成分光の偏光方向を回転させないため、黄成分光の偏光方向が赤成分光の偏光方向と異なることになる。すなわち、液晶パネル30Rの入射側に設けられた偏光板によって黄成分光が遮光される。
黄成分光をオンにする場合には、液晶パネル30Yeに電圧を印加しない。これによって、位相差板50が黄成分光の偏光方向を回転させた後に、液晶パネル30Yeが黄成分光の偏光方向をさらに回転させるため、黄成分光の偏光方向が赤成分光の偏光方向と同じになる。
(2)液晶パネル30Yeが第2タイプであるケース
(2−1)位相差板50が設けられていないケース
黄成分光をオフにする場合には、液晶パネル30Yeに電圧を印加する。これによって、液晶パネル30Yeが黄成分光の偏光方向を回転させるため、黄成分光の偏光方向が赤成分光の偏光方向と異なることになる。すなわち、液晶パネル30Rの入射側に設けられた偏光板によって黄成分光が遮光される。
黄成分光をオンにする場合には、液晶パネル30Yeに電圧を印加しない。これによって、液晶パネル30Yeが黄成分光の偏光方向を回転させないため、黄成分光の偏光方向が赤成分光の偏光方向と同じになる。
(2−2)位相差板50が設けられているケース
黄成分光をオフにする場合には、液晶パネル30Yeに電圧を印加しない。これによって、位相差板50が黄成分光の偏光方向を回転させた後に、液晶パネル30Yeが黄成分光の偏光方向を回転させないため、黄成分光の偏光方向が赤成分光の偏光方向と異なることになる。すなわち、液晶パネル30Rの入射側に設けられた偏光板によって黄成分光が遮光される。
黄成分光をオンにする場合には、液晶パネル30Yeに電圧を印加する。これによって、位相差板50が黄成分光の偏光方向を回転させた後に、液晶パネル30Yeが黄成分光の偏光方向をさらに回転させるため、黄成分光の偏光方向が赤成分光の偏光方向と同じになる。
Figure 0004372215
ここで、表1は、上述した電圧の印加状態と偏光の回転との関係を示す表である。
(投写型映像表示装置の機能)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の機能について、図面を参照しながら説明する。図5は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の機能を示すブロック図である。
投写型映像表示装置100は、信号受付部210と、変調量制御部220とを含む制御部130を備える。
信号受付部210は、各色信号(赤用入力信号、緑用入力信号及び青用入力信号)を受付ける。例えば、信号受付部210は、映像信号から色信号を分離する色分離ブロックから各色信号を取得する。
変調量制御部220は、信号受付部210から取得した各色信号に基づいて、各液晶パネル30(液晶パネル30R、液晶パネル30G、液晶パネル30B、液晶パネル30Ye)の変調量を制御する。
具体的には、変調量制御部220は、赤用入力信号を変更せずに液晶パネル30Rに入力する。同様に、変調量制御部220は、緑用入力信号を変更せずに液晶パネル30Gに入力し、青用入力信号を変更せずに液晶パネル30Bに入力する。一方で、変調量制御部220は、赤用入力信号、緑用入力信号及び青用入力信号に基づいて黄成分光の寄与度を算出して、液晶パネル30Yeに入力する黄用信号を生成する。
ここで、変調量制御部220は、赤用入力信号、緑用入力信号及び青用入力信号に基づいて、輝度の代表値を対象領域毎に算出する。輝度の代表値は、輝度の最小値、輝度の最大値、輝度の平均値などである。続いて、変調量制御部220は、輝度の代表値に応じて、映像に対する黄成分光の重畳量を決定して、液晶パネル30Yeの変調量(すなわち、黄用信号の値)を制御する。
例えば、各色信号が8bit系列で表現される場合を例に挙げると、輝度の代表値が255である場合には、黄用信号の値は最大値(すなわち、255)となる。一方で、輝度の代表値が128である場合には、黄用信号の値は最大値の半分(すなわち、128)となる。
従って、スクリーン200上に表示される映像が黒である場合には、輝度の代表値が0となるため、黄用信号の値も0となる。一方、スクリーン200上に表示される映像が白である場合には、輝度の代表値が255となるため、黄用信号の値も255となる。この結果、スクリーン200上に表示される映像が白である場合には、液晶パネル30Rから出射される光に液晶パネル30Yeから出射される光が加えられるため、スクリーン200上に表示される映像の輝度が向上する。
上述した対象領域とは、液晶パネル30Yeの解像度に応じて液晶パネル30Ye上に設けられる領域である。すなわち、対象領域は、液晶パネル30R上において、液晶パネル30Yeから出射される光が照射される各領域である。スクリーン200上に表示される映像の輝度を調整する精度に応じて、対象領域のサイズは変更可能である。対象領域のサイズの変更は、液晶パネル30Yeの交換などのようにハード的に行われてもよく、液晶パネル30Yeの制御変更などのようにソフト的に行われてもよい。
なお、一の対象領域と一の対象領域に隣接する他の対象領域との間で黄用信号の値を個別に決定することに起因して、スクリーン200上に表示される映像の輝度のバランスが悪化する場合には、一の対象領域の黄用信号の値は、他の対象領域の黄用信号の値を考慮して決定されることが好ましい。
次に、対象領域上に表示される映像の色と、対象領域上に表示される映像の再現に用いられる色成分光との関係について説明する。
具体的には、各色成分光の量(すなわち、各液晶パネル30の変調量)は、対象領域上に表示される映像の色に応じて制御される。図6に示すように、対象領域上に表示される映像が白である場合には、赤成分光、緑成分光、青成分光及び黄成分光の全てが用いられる。対象領域上に表示される映像が黒である場合には、赤成分光、緑成分光、青成分光及び黄成分光の全てが用いられない。
対象領域上に表示される映像が赤である場合には、赤成分光のみが用いられる。同様に、対象領域上に表示される映像が緑である場合には、緑成分光のみが用いられ、対象領域上に表示される映像が青である場合には、青成分光のみが用いられる。
対象領域上に表示される映像が前面黄である場合には、黄成分光が液晶パネル30Rに入射するため、黄成分光のみを利用することができないため、黄色に赤色が混じることを抑制するために、黄成分光を用いずに赤成分光及び緑成分光が用いられる。なお、黄色の色バランスを保つことが可能な範囲内であれば、黄成分光を利用してもよいことは勿論である。
(作用及び効果)
第1実施形態に係る投写型映像表示装置100によれば、液晶パネル30Yeから出射された黄成分光(第4色成分光)が、液晶パネル30Rに入射する。すなわち、黄成分光は、赤成分光に重畳されてクロスダイクロイックキューブ60に供給される。従って、赤成分光、緑成分光及び青成分光に加えて、黄成分光を利用する場合であっても、クロスダイクロイックキューブ60に入射する光は3種類(赤成分光及び黄成分光を含む光、緑成分光及び青成分光)である。この結果、投写レンズユニット110の設計を変更する必要がなく、装置全体のコスト上昇を抑制することができる。
また、黄成分光が、赤成分光に重畳されてクロスダイクロイックキューブ60に供給されるため、投写レンズユニット110がスクリーン200上に投写する映像の輝度が向上する。
第1実施形態に係る投写型映像表示装置100によれば、液晶パネル30Yeの解像度が、液晶パネル30R、液晶パネル30G及び液晶パネル30Bの解像度よりも低い。従って、液晶パネル30Yeに設けられた電極などによって黄成分光の利用効率が低下することが抑制されるため、照明光として利用される黄成分光の利用効率が上昇する。
第1実施形態に係る投写型映像表示装置100によれば、黄用信号(液晶パネル30Yeの変調量)が、赤用入力信号、緑用入力信号及び青用入力信号に基づいて制御されるため、スクリーン200上に投写される映像の色バランスを崩すことなく、映像の輝度向上を適切に図ることができる。
第1実施形態に係る投写型映像表示装置100によれば、対象領域毎に光量が制御された黄成分光が液晶パネル30R上に略結像されるため、スクリーン200上に投写される映像全体の輝度を適切に向上させることができる。
第1実施形態に係る投写型映像表示装置100によれば、赤成分光を変調する液晶パネル30Rに黄成分光が入射するため、他の液晶パネルに黄成分光が入射する場合に比べて、液晶パネルや偏光板の長寿命化を図ることができる。なお、液晶パネルや偏光板の長寿命化を図るために、これらを冷却する装置(液冷装置や空冷装置)の冷却力を強化してもよい。
ここで、青成分光のエネルギーは一般的に高いため、青成分光に加えて黄成分光が液晶パネル30Bに入射すると、液晶パネル30Bの寿命が短くなる可能性があることに留意すべきである。緑成分光の光量(熱量)は一般的に高いため、緑成分光に加えて黄成分光が液晶パネル30Gに入射すると、液晶パネル30Gの寿命が短くなる可能性があることに留意すべきである。
第1実施形態に係る投写型映像表示装置100によれば、照明ユニット120は、3板式の投写型映像表示装置の構成として一般的な構成に、レンズ84〜レンズ87、液晶パネル30Ye及び位相差板50を加えた構成を有する。すなわち、3板型の投写型映像表示装置の構成と近い構成を用いることが可能であるため、照明ユニット120の光学的な設計負荷を軽減することができる。
[第2実施形態]
以下において、第2実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下においては、上述した第1実施形態と第2実施形態との相違点について主として説明する。
具体的には、上述した第1実施形態では、位相差板50は、液晶パネル30Yeに入射する前の黄成分光の光路上に設けられる。これに対して、第2実施形態では、位相差板50は、液晶パネル30Yeから出射した後の黄成分光の光路上に設けられる。
(照明ユニットの概略構成)
以下において、第2実施形態に係る照明ユニットの概略構成について、図面を参照しながら説明する。図7は、第2実施形態に係る照明ユニット120の概略構成を示す図である。なお、図7では、上述した図2と同様の構成について同様の符号を付していることに留意すべきである。
図7に示すように、位相差板50は、液晶パネル30Yeから黄成分光が出射する側に設けられる。位相差板50は、液晶パネル30Yeに近接して設けられることが好ましい。
ここで、赤成分光と偏光方向が揃っていた黄成分光の偏光方向が液晶パネル30Yeによって90°回転されて、黄成分光が液晶パネル30Yeから出射される場合には、位相差板50は、黄成分光の偏光方向を90°回転させる。このように、液晶パネル30Yeによって偏光方向が90°回転された黄成分光の偏光方向を位相差板50がさらに90°回転させる。すなわち、位相差板50は、黄成分光の偏光方向を元の偏光方向に戻して、赤成分光、緑成分光及び青成分光の偏光方向に黄成分光の偏光方向を揃える。
[第3実施形態]
以下において、第3実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、上述した第1実施形態と第3実施形態との相違点について主として説明する。
具体的には、上述した第1実施形態では、液晶パネル30Yeから出射した黄成分光は、液晶パネル30Rに入射する。これに対して、第2実施形態では、液晶パネル30Yeから出射した黄成分光は、液晶パネル30G(特定の光変調素子)に入射する。
(照明ユニットの概略構成)
以下において、第3実施形態に係る照明ユニットの概略構成について、図面を参照しながら説明する。図8は、第3実施形態に係る照明ユニット120の概略構成を示す図である。なお、図8では、図2と同様の構成について同様の符号を付していることに留意すべきである。
図8に示すように、照明ユニット120は、複数のミラー群(ミラー121〜ミラー127)を有する。ミラー121は、青成分光及び緑成分光を透過し、赤成分光及び黄成分光を含む他の光を反射するダイクロイックミラーである。ミラー122は、青成分光を透過し、緑成分光を反射するダイクロイックミラーである。ミラー123は、青成分光を液晶パネル30B側に反射するミラーである。ミラー124は、黄成分光を液晶パネル30Ye側に反射し、赤成分光を透過するダイクロイックミラーである。ミラー125は、液晶パネル30Yeから出射した黄成分光を透過し、ミラー122で反射された緑成分光を液晶パネル30G側に反射するダイクロイックミラーである。ミラー126及びミラー127は、赤成分光を液晶パネル30R側に反射して導くミラーである。
ここで、ミラー121、ミラー122及びミラー124は、赤成分光と緑成分光と青成分光と黄成分光とに光源10が発する光を分離する色分離手段を構成する。
このように、第2実施形態では、液晶パネル30Yeから出射した黄成分光は、液晶パネル30Gに入射する。
照明ユニット120は、複数のレンズ群(レンズ141〜レンズ143、レンズ181〜レンズ190)を有する。レンズ141及びレンズ142は、赤成分光、緑成分光及び青成分光が各液晶パネル30に照射されるように、赤成分光、緑成分光及び青成分光を略略平行光化するコンデンサレンズである。レンズ143は、黄成分光が液晶パネル30Yeに照射されるように、黄成分光を略平行光化するコンデンサレンズである。
レンズ181〜レンズ183は、青成分光を液晶パネル30B上に略結像させるリレーレンズである。レンズ181、レンズ184及びレンズ185は、緑成分光を液晶パネル30G上に略結像させるリレーレンズである。レンズ186、レンズ187及びレンズ185は、黄成分光の拡大を抑制しながら、液晶パネル30G側に黄成分光を導き、液晶パネル30G上に黄成分光を略結像させるリレーレンズである。レンズ188〜レンズ190は、赤成分光を液晶パネル30R上に略結像させるリレーレンズである。
(作用及び効果)
第3実施形態に係る投写型映像表示装置100によれば、黄成分光が、緑成分光に重畳されてクロスダイクロイックキューブ60に供給される。従って、比視感度を考慮した色バランスを崩すことなく、映像の輝度向上を適切に図ることができる。ここで、人間が緑色と感じる色範囲は、人間が赤色や青色と感じる色範囲よりも広いことに留意すべきである。従って、黄成分光が緑成分光に重畳されても、比視感度を考慮した色バランスが崩れにくい。
[第4実施形態]
以下において、第4実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、上述した第3実施形態と第4実施形態との相違点について主として説明する。具体的には、上述した第3実施形態と第4実施形態とでは、各色成分光の分離及び合成の方法が異なっている。
(照明ユニットの概略構成)
以下において、第4実施形態に係る照明ユニットの概略構成について、図面を参照しながら説明する。図9は、第4実施形態に係る照明ユニット120の概略構成を示す図である。なお、図9では、上述した図8と同様の構成について同様の符号を付していることに留意すべきである。
照明ユニット120は、複数のミラー群(ミラー321〜ミラー328)を有する。ミラー321は、青成分光を透過し、赤成分光、緑成分光及び黄成分光を含む他の光を反射するダイクロイックミラーである。ミラー322は、青成分光を液晶パネル30B側に反射するミラーである。ミラー323は、緑成分光を液晶パネル30G側に反射し、赤成分光及び黄成分光を含む他の光を透過するダイクロイックミラーである。従って、ミラー323は、液晶パネル30Yeから出射した黄成分光を液晶パネル30G側に透過する。ミラー324は、赤成分光を液晶パネル30R側に反射し、黄成分光を透過するダイクロイックミラーである。ミラー325は、赤成分光を液晶パネル30R側に反射するミラーである。ミラー326は、黄成分光を液晶パネル30Ye側に反射するミラーである。ミラー327及びミラー328は、液晶パネル30Yeから出射された光(黄成分光)を液晶パネル30G側に反射して導くミラーである。
ここで、ミラー321、ミラー323及びミラー324は、赤成分光と緑成分光と青成分光と黄成分光とに光源10が発する光を分離する色分離手段を構成する。
照明ユニット120は、複数のレンズ群(レンズ241〜レンズ243、レンズ281〜レンズ290)を有する。レンズ241及びレンズ242は、緑成分光及び青成分光が各液晶パネル30に照射されるように、緑成分光及び青成分光を略平行光化するコンデンサレンズである。レンズ243は、赤成分光が液晶パネル30Rに照射されるように、赤成分光を略平行光化するコンデンサレンズである。また、レンズ243は、黄成分光が液晶パネル30Yeに照射されるように、黄成分光を略平行光化するコンデンサレンズである。
レンズ281〜レンズ283は、赤成分光を液晶パネル30R上に略結像させるリレーレンズである。レンズ281、レンズ284及びレンズ285は、黄成分光を液晶パネル30Ye上に略結像させるリレーレンズである。レンズ286〜レンズ290及びレンズ242は、黄成分光の拡大を抑制しながら、液晶パネル30G側に黄成分光を導き、液晶パネル30G上に黄成分光を略結像させるリレーレンズである。なお、黄成分光は、レンズ286〜レンズ288によって略結像した後に、レンズ289、レンズ290及びレンズ242によって再び略結像する。
(作用及び効果)
第4実施形態に係る投写型映像表示装置100によれば、照明ユニット120は、3板式の投写型映像表示装置の構成として一般的な構成に、ミラー326〜ミラー328、液晶パネル30Ye及び位相差板50を加えた構成を有する。すなわち、3板型の投写型映像表示装置の構成と近い構成を用いることが可能であるため、照明ユニット120の光学的な設計負荷を軽減することができる。
[第5実施形態]
以下において、第5実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、上述した第4実施形態と第5実施形態との相違点について主として説明する。具体的には、上述した第4実施形態と第5実施形態とでは、各色成分光の分離及び合成の方法が異なっている。
(照明ユニットの概略構成)
以下において、第5実施形態に係る照明ユニットの概略構成について、図面を参照しながら説明する。図10は、第5実施形態に係る照明ユニット120の概略構成を示す図である。なお、図10では、上述した図9と同様の構成について同様の符号を付していることに留意すべきである。
図10に示すように、照明ユニット120は、上述したミラー324及びミラー326に代えて、クロスダイクロイックミラー61を有する。
クロスダイクロイックミラー61は、赤成分光を液晶パネル30R側に反射し、黄成分光を液晶パネル30Ye(ミラー327)側に反射する。
ここで、ミラー321、ミラー323及びクロスダイクロイックミラー61は、赤成分光と緑成分光と青成分光と黄成分光とに光源10が発する光を分離する色分離手段を構成する。
(作用及び効果)
第5実施形態に係る投写型映像表示装置100によれば、ミラー324及びミラー326に代えてクロスダイクロイックミラー61が用いられるため、第4実施形態に比べて、照明ユニット120の小型化を図ることができる。
[第6実施形態]
以下において、第6実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、上述した第4実施形態と第6実施形態との相違点について主として説明する。具体的には、上述した第4実施形態では、黄成分光を変調する液晶パネル(液晶パネル30Ye)として透過型液晶パネルが用いられる。これに対して、第6実施形態では、黄成分光を変調する液晶パネルとして反射型液晶パネル(LCOS)が用いられる。
(照明ユニットの概略構成)
以下において、第6実施形態に係る照明ユニットの概略構成について、図面を参照しながら説明する。図11は、第6実施形態に係る照明ユニット120の概略構成を示す図である。なお、図11では、上述した図9と同様の構成について同様の符号を付していることに留意すべきである。
図11に示すように、照明ユニット120は、液晶パネル31Yeと、狭帯域位相差板51と、クロスミラー62とを有する。
液晶パネル31Yeは、黄成分光を変調した上で、変調された黄成分光を反射する反射型液晶パネルである。なお、液晶パネル31Yeの解像度は、液晶パネル30Yeと同様に、液晶パネル30R、液晶パネル30G及び液晶パネル30Bの解像度よりも低いことが好ましい。
狭帯域位相差板51は、所定波長帯の光の偏光方向を90°回転させる。具体的には、狭帯域位相差板51は、赤成分光、緑成分光、青成分光及び黄成分光の偏光方向がP偏光で揃えられている場合には、黄成分光の偏光方向を90°回転させる。一方で、狭帯域位相差板51は、赤成分光、緑成分光、青成分光及び黄成分光の偏光方向がS偏光で揃えられている場合には、赤成分光、緑成分光及び青成分光(黄成分光以外)の偏光方向を90°回転させる。
クロスミラー62は、緑成分光を液晶パネル30G側に反射して、赤成分光を透過するダイクロイックミラー面62aと、S偏光の黄成分光を液晶パネル31Ye側に反射して、P偏光の黄成分光を液晶パネル30G側に透過するPBSミラー面62bとを有する。
なお、液晶パネル31Yeは、液晶パネル31Yeに入射したS偏光の黄成分光を90°回転させて、P偏光の黄成分光をクロスミラー62側に出射する。
照明ユニット120は、複数のレンズ群(レンズ241〜レンズ244、レンズ281〜レンズ283)を有する。
レンズ241〜レンズ243は、赤成分光、緑成分光及び青成分光が各液晶パネル30に照射されるように、赤成分光、緑成分光及び青成分光を略平行光化するコンデンサレンズである。レンズ244は、黄成分光が液晶パネル31Yeに照射されるように、黄成分光を略平行光化するコンデンサレンズである。
レンズ281〜レンズ283は、赤成分光を液晶パネル30R上に略結像させるリレーレンズである。レンズ244及びレンズ242は、黄成分光の拡大を抑制しながら、液晶パネル30G側に黄成分光を導き、液晶パネル30G上に黄成分光を略結像させるリレーレンズである。
[第7実施形態]
以下において、第7実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、上述した第4実施形態と第7実施形態との相違点について主として説明する。
具体的には、上述した第4実施形態では、赤成分光と黄成分光とを分離する光学素子は、色成分光の波長に応じて合成光を各色成分光に分離するダイクロイックミラー(ミラー324)である。
これに対して、第7実施形態では、赤成分光と黄成分光とを分離する光学素子は、色成分光の偏光方向に応じて合成光を各色成分光に分離する偏光分離素子である。これに伴って、第7実施形態では、赤成分光及び黄成分光を含む合成光が偏光分離素子に入射する前における合成光の光路上に、赤成分光及び黄成分光のうち、いずれか一方の偏光状態を変更する偏光回転素子が設けられる。
(照明ユニットの概略構成)
以下において、第7実施形態に係る照明ユニットの概略構成について、図面を参照しながら説明する。図12は、第7実施形態に係る照明ユニット120の概略構成を示す図である。なお、図12では、上述した図9と同様の構成について同様の符号を付していることに留意すべきである。また、第7実施形態では、光源10が発する光は、ミラー321に入射する前においてS偏光に揃えられていることに留意すべきである。
図12に示すように、照明ユニット120は、ミラー324に代えて、偏光分離素子424を有する。また、ミラー323と偏光分離素子424との間において、赤成分光及び黄成分光を含む合成光の光路上には、偏光回転素子510が設けられている。なお、第7実施形態では、上述した位相差板50は特に設けられていないことに留意すべきである。
偏光回転素子510は、赤成分光及び黄成分光のうち、いずれか一方(第7実施形態では、黄成分光)の偏光方向を略90°回転させる。具体的には、偏光回転素子510は、黄成分光の偏光方向をS偏光からP偏光に変換する。
偏光分離素子424は、色成分光の偏光方向に応じて、赤成分光及び黄成分光を含む合成光を赤成分光と黄成分光とに分離する。具体的には、偏光分離素子424は、S偏光の赤成分光を反射して、赤成分光を液晶パネル30R側に導く。一方で、偏光分離素子424は、偏光分離素子424から出射されたP偏光の黄成分光を透過して、黄成分光を液晶パネル30Ye側に導く。
ここで、レンズ241及びレンズ242は、緑成分光及び青成分光が各液晶パネル30に照射されるように、緑成分光及び青成分光を略平行光化するコンデンサレンズである。レンズ243は、赤成分光及び黄成分光が偏光回転素子510に照射されるように、赤成分光及び黄成分光を偏光回転素子510上に結像するコンデンサレンズである。すなわち、偏光回転素子510は、赤成分光及び黄成分光が略結像する位置(像面)に設けられている。
レンズ281〜レンズ283は、偏光回転素子510から出射された赤成分光を液晶パネル30R上に略結像させるリレーレンズである。レンズ281、レンズ284及びレンズ285は、偏光回転素子510から出射された黄成分光を液晶パネル30Ye上に略結像させるリレーレンズである。レンズ286〜レンズ290及びレンズ242は、黄成分光の拡大を抑制しながら、液晶パネル30G側に黄成分光を導き、液晶パネル30G上に黄成分光を略結像させるリレーレンズである。すなわち、液晶パネル30Gは、緑成分光及び黄成分光が略結像する位置(像面)に設けられている。なお、黄成分光は、レンズ286〜レンズ288によって略結像した後に、レンズ289、レンズ290及びレンズ242によって再び略結像する。
(作用及び効果)
第7実施形態に係る投写型映像表示装置100によれば、赤成分光と黄成分光とを分離する光学素子は、色成分光の偏光方向に応じて各色成分光を分離する偏光分離素子424である。これによって、色成分光の波長帯に応じて各色成分光を分離するダイクロイックミラーを用いるケースに比べて、赤成分光の色純度を容易に高めることができ、色ムラが生じることを抑制することができる。
特に、赤成分光と黄成分光とを分離するケースでは、赤成分光の波長帯と黄成分光の波長帯とが近接しているため、ダイクロイックミラーでは、黄成分光の一部が赤成分光に混じってしまう可能性が高いことに留意すべきである。黄成分光の一部が赤成分光に混じると、赤成分光が朱色に変化するが、人間の目は、赤成分光から朱色への変化に対して敏感である(Mac Adamの楕円)。また、ダイクロイックミラーへの入射位置に応じて変化させるカットオフ波長の変化量(グラデーション)を大きくすることも考えられるが、グラデーションが大きいダイクロイックミラーを製造することは困難である。
従って、赤成分光と黄成分光との分離に偏光分離素子424を用いることは非常に有用である。
[第8実施形態]
以下において、第8実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、上述した第7実施形態と第8実施形態との相違点について主として説明する。
具体的には、上述した第7実施形態では特に触れていないが、第8実施形態では、偏光分離素子424で分離された赤成分光の光路上に、赤成分光に重畳される迷光(S偏光の黄成分光)を遮光する遮光手段が設けられている。同様に、偏光分離素子424で分離された黄成分光の光路上に、黄成分光に重畳される迷光(P偏光の赤成分光)を遮光する遮光手段が設けられている。
ここで、色成分光の偏光方向を完全に1つの偏光方向に揃えることは困難であるため、偏光分離素子424などを用いて偏光方向を揃えたとしても、迷光が生じてしまうことに留意すべきである。
(照明ユニットの概略構成)
以下において、第8実施形態に係る照明ユニットの概略構成について、図面を参照しながら説明する。図13は、第8実施形態に係る照明ユニット120の概略構成を示す図である。なお、図13では、上述した図12と同様の構成について同様の符号を付していることに留意すべきである。
図13に示すように、照明ユニット120は、偏光分離素子424で分離された赤成分光の光路上に、赤成分光に重畳される迷光(S偏光の黄成分光)を遮光するカラーフィルタ521が設けられている。同様に、偏光分離素子424で分離された黄成分光の光路上に、黄成分光に重畳される迷光(P偏光の赤成分光)を遮光するカラーフィルタ522が設けられている。
カラーフィルタ521は、赤成分光を透過して、他の色成分光(S偏光の黄成分光)を遮光する光学素子である。同様に、カラーフィルタ522は、黄成分光を透過して、他の色成分光(P偏光の赤成分光)を遮光する光学素子である。
なお、カラーフィルタ521及びカラーフィルタ522のいずれか一方のみが設けられていてもよい。
また、迷光を遮光する遮光手段は、カラーフィルタに限定されるものではない。具体的には、赤成分光のみを透過するカラーフィルタ膜が、偏光分離素子424で分離された赤成分光の光路上に設けられたレンズ(例えば、レンズ282やレンズ283)のレンズ面に蒸着されていてもよい。同様に、黄成分光のみを透過するカラーフィルタ膜が、偏光分離素子424で分離された黄成分光の光路上に設けられたレンズ(例えば、レンズ284〜レンズ290のいずれか)のレンズ面に蒸着されていてもよい。さらに、偏光回転素子510の光入射側に、偏光回転素子510に入射する不要な偏光方向をカットする偏光板を設けてもよい。
(作用及び効果)
第8実施形態に係る投写型映像表示装置100によれば、赤成分光に重畳される迷光(S偏光の黄成分光)及び黄成分光に重畳される迷光(P偏光の赤成分光)は、カラーフィルタ521及びカラーフィルタ522によってカットされる。従って、赤成分光及び黄成分光の色純度を高めることができる。
[第9実施形態]
以下において、第9実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、上述した第7実施形態と第9実施形態との相違点について主として説明する。
具体的には、第9実施形態では、ミラー323で分離された黄成分光の光路上に設けられたレンズの数が第7実施形態と異なる。また、液晶パネル30Ye及び偏光回転素子510が設けられる位置について詳述する。
(照明ユニットの概略構成)
以下において、第9実施形態に係る照明ユニットの概略構成について、図面を参照しながら説明する。図14は、第9実施形態に係る照明ユニット120の概略構成を示す図である。なお、図14では、上述した図12と同様の構成について同様の符号を付していることに留意すべきである。
図14に示すように、照明ユニット120は、複数のレンズ群(レンズ241〜レンズ243、レンズ281〜レンズ287)を有する。
ここで、レンズ241及びレンズ242は、緑成分光及び青成分光が各液晶パネル30に照射されるように、緑成分光及び青成分光を略平行光化するコンデンサレンズである。レンズ243は、赤成分光及び黄成分光が偏光回転素子510に照射されるように、赤成分光及び黄成分光を偏光回転素子510上に結像するコンデンサレンズである。すなわち、偏光回転素子510は、赤成分光及び黄成分光が略結像する位置(像面)に設けられている。
レンズ281〜レンズ283は、偏光回転素子510から出射された赤成分光を液晶パネル30R上に略結像させるリレーレンズである。レンズ281、レンズ284及びレンズ285は、偏光回転素子510から出射された黄成分光を液晶パネル30Ye上に略結像させるリレーレンズである。レンズ286、レンズ287及びレンズ242は、黄成分光の拡大を抑制しながら、液晶パネル30G側に黄成分光を導き、液晶パネル30G上に黄成分光を略結像させるリレーレンズである。すなわち、液晶パネル30Yeは、黄成分光が略結像する位置(像面)に設けられている。また、液晶パネル30Gは、緑成分光及び黄成分光が略結像する位置(像面)に設けられている。
なお、第9実施形態では、各色成分光が略結像した後に、3枚で1組のリレーレンズを各色成分光が通ることによって、各色成分光が再び略結像することを前提としていることに留意すべきである。1組を構成する3枚のリレーレンズ(2枚目のレンズ)によって、各色成分光は上下及び左右が判定した状態で略結像することに留意すべきである。
ここで、第9実施形態では、ミラー323は、緑成分光(重畳成分光)及び黄成分光(及び赤成分光)を含む合成光を黄成分光(及び赤成分光)と緑成分光(重畳成分光)とに分離するダイクロイックミラーである。ミラー323は、緑成分光(重畳成分光)及び黄成分光を含む合成光が入射する第1入射面323aと、ミラー323で分離された黄成分光が再び入射する第2入射面323bとを有する。
黄成分光がミラー323で分離されてから、第2入射面323bに黄成分光が再び入射するまでのリレー光学系には、黄成分光の像面の上下及び左右を偶数回反転させるリレーレンズ群が設けられている。一方で、このリレー光学系には、黄成分光の像面の左右を奇数回反転させるミラー群が設けられている。
具体的には、第1入射面323aに入射した黄成分光は、偏光回転素子510上に略結像する。偏光回転素子510上で略結像された黄成分光の像面の左右は、ミラー326によって反転する(1回目の左右反転)。偏光回転素子510上で略結像された黄成分光の像面の上下及び左右は、1組のリレーレンズ(レンズ281、レンズ284及びレンズ285)のうち、レンズ284によって反転する(1回目の上下及び左右反転)。偏光回転素子510上で略結像された黄成分光の像面の左右は、ミラー327によって反転する(2回目の左右反転)。偏光回転素子510上で略結像された黄成分光の像面の左右は、ミラー328によって反転する(3回目の左右反転)。偏光回転素子510上で略結像された黄成分光の像面の上下及び左右は、1組のリレーレンズ(レンズ286、レンズ287及びレンズ242)のうち、レンズ287によって反転する(2回目の上下及び左右反転)。
これによって、黄成分光の光束が第1入射面323aに入射した位置は、当該黄成分光の光束が第2入射面323bに再び入射する位置と略等しくなる。
具体的には、図15に示すように、黄成分光の光束(L)が第1入射面323aに入射した位置(P)は、黄成分光の光束(L)が第2入射面323bに再び入射する位置(P)と略等しい。同様に、黄成分光の光束(L)が第1入射面323aに入射した位置(P)は、黄成分光の光束(L)が第2入射面323bに再び入射する位置(P)と略等しい。なお、黄成分光の光束(L)が第1入射面323aに入射した位置(P)が、黄成分光の光束(L)が第2入射面323bに再び入射する位置(P)と略等しいことは勿論である。
(作用及び効果)
第9実施形態に係る投写型映像表示装置100によれば、偏光回転素子510は、黄成分光が略結像する位置(像面)に設けられており、液晶パネル30Yeは、偏光回転素子510から出射された黄成分光が再び略結像する位置(像面)に設けられている。すなわち、液晶パネル30Ye及び偏光回転素子510は、黄成分光の分散角が小さくなり、面内照度分布が均一になる位置に設けられている。従って、液晶パネル30Ye及び偏光回転素子510の小型化を図ることができる。
ここで、一般的に、色成分光の入射角度に応じてカットオフ波長がずれるため、ミラー323(ダイクロイックミラー)の第1入射面323aには、カットオフ波長を少しずつ異ならせるようにグラデーションが設けられている。第9実施形態では、黄成分光の光束が第1入射面323aに入射した位置(1回目)は、当該黄成分光の光束が第2入射面323bに再び入射する位置(2回目)と略等しい。
従って、ミラー323(ダイクロイックミラー)にグラデーションが設けられている場合であっても、黄成分光の損失を低減することができる。すなわち、1回目に黄成分光の光束が通る位置が2回目に黄成分光の光束が通る位置と異なることに起因して、液晶パネル30G側に導かれる黄成分光の光量が減少することを抑制することができる。
[第10実施形態]
以下において、第10実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、上述した各実施形態と第10実施形態との相違点について主として説明する。
具体的には、上述した各実施形態では特に触れていないが、第10実施形態では、黄成分光をOFFにするケースにおいて、液晶パネル30Gで黄成分光を遮光するメカニズムについて詳述する。なお、第10実施形態では、液晶パネル30Yeは、コスト削減などの観点から、偏光板が設けられていないことに留意すべきである。
以下においては、上述した各実施形態のうち、第9実施形態に沿って第10実施形態を説明することに留意すべきである。
(光変調素子の構成)
以下において、第10実施形態における光変調素子の構成について、図面を参照しながら説明する。図16(a)及び図16(b)は、第10実施形態に係る液晶パネル30Gの構成を示す図である。
図16(a)及び図16(b)に示すように、液晶パネル30G(特定の光変調素子)は、液晶本体31Gと、偏光板32Gと、偏光板33Gとを有する。
液晶本体31Gは、偏光板32Gを透過した色成分光の偏光方向を回転させることによって色成分光を変調する。
偏光板32Gは、液晶本体31Gの光入射側に設けられており、一の偏光方向(第10実施形態では、S偏光)の色成分光を透過して、他の偏光方向(第10実施形態では、P偏光)の色成分光を遮光する。
偏光板33Gは、液晶本体31Gの光出射側に設けられており、他の偏光方向(第10実施形態では、P偏光)の色成分光を透過して、一の偏光方向(第10実施形態では、S偏光)の色成分光を遮光する。
図16(a)に示すように、黄成分光をONにするケースでは、液晶パネル30Yeは、偏光板32Gを黄成分光が透過するように、黄成分光の偏光方向を調整する。すなわち、液晶パネル30Yeは、液晶本体31Gに入射する緑成分光の偏光方向と黄成分光の偏光方向を揃えるように、黄成分光の偏光方向を調整する。なお、上述した第9実施形態を例に挙げると、液晶パネル30Yeは、P偏光の黄成分光をS偏光の黄成分光に変換する。
一方で、図16(b)に示すように、黄成分光をOFFにするケースでは、液晶パネル30Yeは、偏光板32Gで黄成分光が遮光されるように、黄成分光の偏光方向を調整する。すなわち、液晶パネル30Yeは、液晶本体31Gに入射する緑成分光の偏光方向に対して黄成分光の偏光方向が略直交するように、黄成分光の偏光方向を調整する。なお、上述した第9実施形態を例に挙げると、液晶パネル30Yeは、P偏光の黄成分光をそのまま透過する。
なお、図16(b)に示すように、緑成分光(特定の色成分光)をOFFにするケースでは、液晶本体31Gは、緑成分光の偏光方向を回転させずに、S偏光の緑成分光をそのまま透過する。従って、液晶本体31Gから出射された緑成分光は、偏光板33Gで遮光される。
ここで、液晶パネル30Gは、第1タイプの液晶パネルでも、第2タイプの液晶パネルでもよい。第10実施形態では、緑成分光をOFFにするケースにおいて、偏光板33Gで緑成分光が遮光され、黄成分光をOFFにするケースにおいて、偏光板32Gで黄成分光が遮光されればよい。
なお、第10実施形態では、黄成分光が緑成分光に重畳されて液晶パネル30Gに照射されるケースについて説明したが、これに限定されるものではない。具体的には、黄成分光が青成分光に重畳されて液晶パネル30Bに照射されるケースに第10実施形態を適用してもよい。
(作用及び効果)
第10実施形態に係る投写型映像表示装置100によれば、緑成分光をOFFにするケースにおいて、偏光板33Gで緑成分光が遮光され、黄成分光をOFFにするケースにおいて、偏光板32Gで黄成分光が遮光される。
一般的に、色成分光をOFFにする場合には、光出射側に設けられた偏光板によって色成分光を遮光する。すなわち、緑成分光をOFFにする場合だけではなくて、黄成分光をOFFにする場合にも、偏光板33Gによって黄成分光を遮光することが一般的である。
第10実施形態では、黄成分光を遮光する偏光板が、光入射側に設けられた偏光板32Gであるため、光出射側に設けられた偏光板33Gの熱による変色を抑制することができる。
[第11実施形態]
以下において、第11実施形態について図面を参照しながら説明する。第11実施形態では、上述した液晶パネル30の構成について詳述する。
(光変調素子の構成)
以下において、第11実施形態における光変調素子の構成について、図面を参照しながら説明する。図17は、第11実施形態における液晶パネル30(特に、液晶パネル30Yeや液晶パネル31Ye)の構成を示す図である。なお、図17は、液晶パネル30の光入射面(又は、光出射面)側から液晶パネル30を見た図である。
図17に示すように、液晶パネル30は、複数のセグメント131と、複数の透明電極132とを有する。
セグメント131は、マトリクス状に配置されており、4つの領域(領域A〜領域D)として捉えることができる。
液晶パネル30の上半分に設けられた領域(領域A及び領域B)では、セグメント131の位置が上方向となるに従って、セグメント131の面積が小さくなっている。一方で、液晶パネル30の下半分に設けられた領域(領域C及び領域D)では、セグメント131の位置が下方向となるに従って、セグメント131の面積が小さくなっている。
一方で、液晶パネル30の左半分に設けられた領域(領域A及び領域D)では、各セグメント131の左側に透明電極132が設けられている。液晶パネル30の右半分に設けられた領域(領域B及び領域C)では、各セグメント131の右側に透明電極132が設けられている。
ここで、セグメント131−1〜セグメント131−4を例に挙げて、各セグメント131の構成についてさらに詳細に説明する。
セグメント131−1の上側に設けられたセグメント131−2の面積は、セグメント131−1に接続された透明電極132−1の幅分だけ、セグメント131−1の面積よりも小さい。
セグメント131−2の上側に設けられたセグメント131−3の面積は、セグメント131−2に接続された透明電極132−2の幅分だけ、セグメント131−2の面積よりもさらに小さい。すなわち、セグメント131−3の面積は、透明電極132−1及び透明電極132−2の幅分だけ、セグメント131−1の面積よりも小さい。
セグメント131−3の上側に設けられたセグメント131−4の面積は、セグメント131−3に接続された透明電極132−3の幅分だけ、セグメント131−3の面積よりもさらに小さい。すなわち、セグメント131−4の面積は、透明電極132−1〜透明電極132−3の幅分だけ、セグメント131−1の面積よりも小さい。
透明電極132は、透明な部材によって構成されており、各セグメント131にそれぞれ接続されている。また、透明電極132は、セグメント131の面積の縮小によって空いたスペースに設けられている。
液晶パネル30の上半分に設けられた領域(領域A及び領域B)では、透明電極132は、液晶パネル30の上側に設けられたFPC;Flexible Printed Circuit(不図示)に接続されている。液晶パネル30の下半分に設けられた領域(領域C及び領域D)では、透明電極132は、液晶パネル30の下側に設けられたFPC(不図示)に接続されている。
なお、第11実施形態では、FPCが液晶パネル30の上下に設けられているケースについて例示したが、これに限定されるものではない。具体的には、FPCが液晶パネル30の左右に設けられてもよい。この場合には、図17に示した構成を90°回転させればよいことは勿論である。
(作用及び効果)
第11実施形態に係る液晶パネル30によれば、液晶パネル30の厚み方向に透明電極132を引き回すことが好ましくないケース、すなわち、光入射面(光出射面)内において透明電極132を引き回すことが好ましいケースにおいて、透明電極132が設けられるスペースを効率的に小さくすることができる。すなわち、液晶パネル30において各セグメント131が占める割合が高くなり、各セグメント131による変調の効果を十分に得ることができる。
各セグメント131に接続された電極として透明電極132を用いることによって、電極による光利用効率の低下を抑制することができる。
液晶パネル30の上下にFPCが設けられていることによって、透明電極132の長さが短くなるため、透明電極132の電気抵抗を小さくすることができ、透明電極132の幅を狭くすることができる。
[黄成分光の利用]
以下において、黄成分光の利用について図面を参照しながら説明する。図18は、上述した光源10(UHPランプ)が発する光について説明するための図である。ここで、光量は、光源10から発せられる光のエネルギーと比視感度との積によって導出される。
図18に示すように、比視感度は、緑成分光に相当する波長帯をピークとして、短波長(青成分光)側及び長波長(赤成分光)側となる程低下する傾向を有する。従って、UHPランプのような光源10から発せられる光のエネルギーが、440nm付近(青成分光)、550nm付近(緑成分光)、580nm付近(黄成分光)に、この順でピークがあったとしても、光源10が発する光量は、緑成分光に相当する波長帯で最も大きい。また、光源10が発する光量は、緑成分光に相当する波長帯に次いで、黄成分光に相当する波長帯で大きい。
このように、黄成分光は、光源10から発せられる光のエネルギー及び比視感度の面から、映像の光量に大きく貢献することが分かる。
従って、従来利用されていなかった黄成分光を利用するように構成された投写型映像表示装置が提案されている。例えば、黄成分光を遮光するカラーフィルタを用いない投写型映像表示装置(例えば、特開2000−137289号公報)、4板式の投写型映像表示装置(例えば、特開2002−287247号公報)が提案されている。
上述した各実施形態では、黄成分光を利用することによって光輝度化を図るとともに、液晶パネル30Ye(又は、液晶パネル31Ye)を用いることによって色再現性の低下を抑制している。また、液晶パネル30Ye(又は、液晶パネル31Ye)から出射された黄成分光が他の液晶パネル30に照射されるため、投写レンズユニット110のバックフォーカスが従来よりも長くならない。
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上述した実施形態では、第4色成分光が黄成分光であるが、これに限定されるものではない。第4色成分光は、シアン成分光、マゼンダ成分光などであってもよい。
上述した実施形態では、第4色成分光が単一の色成分光であるが、これに限定されるものではない。第4色成分光は複数の色成分光であってもよい。
上述した実施形態では、液晶パネル30Yeの解像度が、液晶パネル30R、液晶パネル30G及び液晶パネル30Bの解像度よりも低いが、これに限定されるものではない。液晶パネル30Yeの解像度は、液晶パネル30R、液晶パネル30G及び液晶パネル30Bの解像度と同等であってもよい。また、液晶パネル30Yeの解像度は“1”、すなわち、液晶パネル30Yeは解像度を有していなくてもよい。
上述した実施形態では、黄成分光の偏光方向を90°回転させる位相差板50が、黄成分光が赤成分光(又は、緑成分光)に重畳される前において、黄成分光の光路上に設けられるが、これに限定されるものではない。黄成分光の偏光方向のみを90°回転させる狭帯域位相差板が、クロスダイクロイックキューブ60から出射された合成光の光路上に設けられてもよい。
上述した第9実施形態では、液晶パネル30Yeは、黄成分光の像面が形成される位置に設けられているが、第11実施形態に示したように、液晶パネル30Yeが解像度を有する場合には、液晶パネル30Yeは、黄成分光の像面が形成される位置から若干(数mm程度)ずれた位置に設けられてもよい。これによって、透明電極132など(一般的な金属電極を含む)に起因して、透明電極132などに相当するライン状のムラが投写映像に生じることを抑制することができる。
液晶パネル30Yeに透明電極132が設けられている場合には、セグメント131から出射される黄成分光と透明電極132を透過する黄成分光との回折によって、線ムラ(モアレ)が生じる可能性がある。なお、液晶パネル30Yeの縦軸及び横軸が、他の液晶パネル30の縦軸及び横軸と平行である場合に、線ムラ(モアレ)が顕著になる。従って、液晶パネル30Yeに設けられた透明電極132は、他の液晶パネル30の縦軸及び横軸と平行にならないように、他の液晶パネル30の斜め軸に平行となるように設けられていることが好ましい。
10・・・光源、21〜27・・・ミラー、30・・・液晶パネル、31・・・液晶パネル31、41〜43・・・レンズ、50・・・位相差板、51・・・狭帯域位相差板、60〜61・・・クロスダイクロイックキューブ、62・・・クロスミラー、81〜87・・・レンズ、100・・・投写型映像表示装置、110・・・投写レンズユニット、120・・・照明ユニット、121〜127・・・ミラー、130・・・制御部、141〜143・・・レンズ、181〜190・・・レンズ、200・・・スクリーン、210・・・信号受付部、220・・・変調量制御部、241〜244・・・レンズ、281〜290・・・レンズ、321〜328・・・ミラー

Claims (6)

  1. 白色の光を発する光源と、前記光から第1色成分光を分離する第1色分離手段と、第1色用入力信号に応じて前記第1色成分光を変調する第1色光変調素子と、前記第1色成分光を分離した光から第2色成分光を分離する第2色分離手段と、第2色用入力信号に応じて前記第2色成分光を変調する第2色光変調素子と、前記第2色成分光を分離した光から第3色成分光と第4色成分光とを分離する第3色分離手段と、第3色用入力信号に応じて前記第3色成分光を変調する第3色光変調素子と、前記第4色成分光を変調する第4色光変調素子と、前記第1色光変調素子、前記第2色光変調素子及び前記第3色光変調素子から出射された光を合成する色合成部と、を備える照明装置において、
    前記第4色光変調素子から出射された前記第4色成分光は、前記第3色光変調素子に入射することを特徴とする照明装置。
  2. 請求項1記載の照明装置において、
    前記第4色成分光は、前記第2色成分光と前記第3色成分光の間の波長範囲の光であることを特徴とする照明装置。
  3. 請求項1記載の照明装置において、
    前記第3色成分光は赤成分光であることを特徴とする照明装置。
  4. 請求項1記載の照明装置において、
    前記第4色光変調素子は、前記第4色成分光の偏光方向を回転する偏光回転手段であることを特徴とする照明装置。
  5. 請求項4記載の照明装置において、
    前記第3色光変調素子の入射側に設けられる偏光板をさらに備え、
    前記第4色成分光を重畳しない場合、
    前記第4色光変調素子は、前記偏光板によって、前記第4色成分光が遮光されるように第4色成分光を変調することを特徴とする照明装置。
  6. 白色の光を発する光源と、前記光から第1色成分光を分離する第1色分離手段と、第1色用入力信号に応じて前記第1色成分光を変調する第1色光変調素子と、前記第1色成分光を分離した光から第2色成分光を分離する第2色分離手段と、第2色用入力信号に応じて前記第2色成分光を変調する第2色光変調素子と、前記第2色成分光を分離した光から第3色成分光と第4色成分光とを分離する第3色分離手段と、第3色用入力信号に応じて前記第3色成分光を変調する第3色光変調素子と、前記第4色成分光を変調する第4色光変調素子と、前記第1色光変調素子、前記第2色光変調素子及び前記第3色光変調素子から出射された光を合成する色合成部と、前記色合成部によって合成された光を投写する投写手段と、を備える投写型映像表示装置において、
    前記第4色光変調素子から出射された前記第4色成分光は、前記第3色光変調素子に入射することを特徴とする投写型映像表示装置。
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