JP4371908B2 - 調湿性を有する化粧板 - Google Patents

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Description

本発明は、内装用壁材等に用いられる調湿性を有する化粧板に関するものである。
従来より、室内の壁材は、手や物が直接接触することで擦れて傷の付く場合があることから、耐傷性に優れた化粧シートを板材(基材)に貼着したものが一般的に使用される。
ところで、基材が調湿性を有する場合、その基材の調湿性能を損なわないようするために、透湿性を有する化粧シートを基材に貼着した建材が提案されている(特許文献1参照)。この提案のものは、粒度が100μm以下の吸放湿性材料と水硬性物質とからなる基材に、透湿度が1000g/m・24h以上の化粧シートを貼着した建材であり、吸放湿性能に優れている。
特開2002―337301号公報
上記提案例のものでは、天然木様の化粧が施され、かつ吸放湿性能を有する調湿性建材の提供に主眼が向けられており、その解決策として高い透湿性を有する化粧シートを貼着させている。
しかしながら、このようにシートの透湿度が1000g/m・24h以上と高くなると、透湿性能は十分に満たし得るが、その反面では厚さが薄くなって傷も付き易くなり、壁材として用いたときの本来の耐傷性の要求を良好に満足できないという問題が生じる。すなわち、上記提案例のものに対し、JAS特殊合板摩耗C試験により耐摩耗性を測定した結果、摩耗値200〜300であり、耐傷性を要求する壁材として実用上、使用に耐えない。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記のように、基材に化粧シートを貼着した化粧板において、その化粧シートの透湿度を特定することで、基材の調湿性能を確保しながら、表面の耐傷性を高めるようにして、調湿性と耐傷性との良好な両立を図ることにある。
上記の目的の達成のため、この発明では、化粧シートの透湿度を300g/m・24h以上でかつ1000g/m・24h未満としかつ水性接着剤により基材に貼着するようにした。
具体的に、請求項1の発明は調湿性を有する化粧板であり、鉱物質繊維、無機質紛状体及び結合剤を必須成分とするスラリーを湿式抄造して得られた湿潤マット、並びに無機質発泡体及び結合剤を必須成分とする混合物を、湿潤マットが表裏層で混合物が芯層となりかつ該表裏層又は芯層の少なくとも一方に吸放湿性材料が添加された状態で積層一体化した湿潤無機質板を乾燥させた後に熱圧プレス成形して得られる無機質板からなる基材層と、この基材層の表面に水性接着剤からなる接着剤層を介して貼着され、透湿度300g/m・24h以上でかつ1000g/m・24h未満でありJAS特殊合板摩耗C試験により測定される摩耗値が350以上の化粧紙又は突板で構成された化粧シートからなる化粧シート層とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明の調湿性を有する化粧板は、鉱物質繊維、無機質紛状体、結合剤及び吸放湿性材料を必須成分とするスラリーを湿式抄造して得られた1枚の湿潤マットにより、又は複数枚の湿潤マットを積層一体化した湿潤無機質板を乾燥させた後に熱圧プレス成形して得られる無機質板からなる基材層と、この基材層の表面に水性接着剤からなる接着剤層を介して貼着され、透湿度300g/m・24h以上でかつ1000g/m・24h未満でありJAS特殊合板摩耗C試験により測定される摩耗値が350以上の化粧紙又は突板で構成された化粧シートからなる化粧シート層とを備えたことを特徴とする。
これら発明の構成によると、湿潤マットからなる表裏層と混合物からなる芯層とを積層一体化した無機質板からなる基材層の表裏層又は芯層の少なくとも一方に、或いは、1枚の湿潤マットからなる無機質板又は複数枚の湿潤マットを積層一体化した無機質板からなる基材層における湿潤マットにそれぞれ吸放湿性材料が含まれているので、これらの基材層による調湿性能により化粧板の吸放湿性能が得られる。
そして、この基材層の表面に水性接着剤からなる接着剤層を介して、化粧紙又は突板で構成された化粧シートからなる化粧シート層が貼着され、この化粧シートの透湿度が300g/m・24h以上でかつ1000g/m・24h未満であるので、化粧シート層はその透湿性のみならず耐傷性も得られ、透湿性を保持しながら耐傷性にも優れた化粧板が得られる。
すなわち、化粧シートの透湿度としては、300g/m・24h以上あれば十分な効果が得られる。
また、耐傷性については、化粧シートの透湿度が1000g/m・24h未満であって、そのJAS特殊合板摩耗C試験により測定される摩耗値が350以上であるので、手や衣服、日用品による擦れに耐えることができて化粧壁材等の用途に実用上問題はない。
また、無機質板の熱圧プレス成形を行うことで、基材層の表面が緻密になって撥水性が付与されるために、水性接着剤を使用してもその基材層内部への浸透は少なく、接着剤の塗布量を抑えることができ、接着剤層の介在による透湿性の低下を抑えて調湿性を維持することができる。
請求項3の発明では、上記請求項1又は2の調湿性を有する化粧板において、その表面から化粧シート層及び接着剤層を貫通して基材層に達する底部を有するピン孔又は溝を設ける。このことで、基材層が化粧シート層や接着剤層に遮られることなく外気と直接に接するので、調湿性能がさらに向上する。
請求項1の発明の化粧板は、無機質板からなる基材層と、その表面に水性接着剤からなる接着剤層を介して貼着された化粧シート層とを備え、基材層は鉱物質繊維、無機質紛状体及び結合剤を成分として持つ湿潤マットと、無機質発泡体及び結合剤を成分とする混合物との少なくとも一方に吸放湿性材料を添加し、これらを積層一体化した湿潤無機質板を乾燥後に熱圧プレスして得られるものとする一方、化粧シート層は透湿度300g/m・24h以上でかつ1000g/m・24h未満でありJAS特殊合板摩耗C試験により測定される摩耗値が350以上の化粧紙又は突板で構成された化粧シートからなるものとした。また、請求項2の発明の化粧板では、基材層は鉱物質繊維、無機質紛状体、結合剤及び吸放湿性材料を成分とする1枚又は複数枚の湿潤マットから形成された湿潤無機質板を乾燥後に熱圧プレスして得られるものとする一方、化粧シート層は透湿度300g/m・24h以上でかつ1000g/m・24h未満でありJAS特殊合板摩耗C試験により測定される摩耗値が350以上の化粧紙又は突板で構成された化粧シートからなるものとした。これらの発明によれば、接着剤層の介在による透湿性の減少を抑えながら、化粧シート層に透湿性のみならず通常のものと同等の耐傷性も得て、化粧板の透湿性及び耐傷性の両立を図ることができる。
請求項3の発明によると、化粧板の表面から化粧シート層及び接着剤層を貫通して基材層に達する底部を有するピン孔又は溝を設けたことにより、基材層が化粧シート層や接着剤層に遮られることなく外気と直接に接して、化粧板の調湿性能のより一層の向上を図ることができる。
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る化粧板Aを示し、この化粧板Aは無機質板からなる基材層1と、この基材層1の表面に水性接着剤からなる接着剤層10を介して一体的に貼着された化粧シートからなる化粧シート層8とを備えてなる。
上記基材層1は表層2、芯層4及び裏層3の3層構造を有する。表裏層2,3は互いに同じもので、鉱物質繊維、無機質紛状体及び結合剤を必須成分とするスラリーを湿式抄造して得られた湿潤マットで形成される。一方、芯層4は無機質発泡体及び結合剤を必須成分とする混合物で形成される。
上記表裏層2,3における鉱物質繊維は、例えばロックウール、ミネラルウール、グラスウール等を用いる。この鉱物質繊維の組成比は表裏層2,3の各々において20〜60wt%である。
また、無機質紛状体としては、例えば炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、マイクロシリカ、スラグ等を用いる。無機質紛状体の組成比は表裏層2,3において30〜70wt%程度である。この無機質紛状体により、化粧板Aの防火性や硬さが向上し、ねじ止め性能もよくなる。無機質紛状体は増量剤としても機能している。
さらに、結合材としては、例えばメラミン樹脂、フェノール樹脂、ポバール、エポキシ樹脂、スターチ等を用いる。この結合材の組成比は7〜15wt%程度である。
この他、表裏層2,3における補助添加剤として、例えばポリプロピレン、ポリエステル、ビニロン等の合成繊維、麻、亜麻等の植物繊維や木質繊維を加える。また、必要に応じて凝集材、サイズ剤、消泡剤、混和剤等を添加してもよい。
一方、芯層4における無機質発泡体は、例えばパーライト、シラス発泡体、シリカフラワー、ガラス発泡体等を用いる。無機質発泡体の組成比は芯層4において40〜90wt%程度である。
また、結合剤は、例えばメラミン樹脂、フェノール樹脂、ポバール、エポキシ樹脂、スターチ等を用いる。この結合剤の組成比は芯層4において7〜15wt%程度である。
この他、芯層4には、例えばロックウール、ミネラルウール、グラスウール等の鉱物質繊維、ポリプロピレン、ポリエステル、ビニロン等の合成繊維、麻、亜麻等の植物繊維や木質繊維を添加してもよい。また、炭酸カルシウム等の無機質粉状体を加えてもよい。
そして、上記芯層4又は表裏層2,3の少なくともいずれか一方の材料中に、吸放湿材料としての例えばB型シリカゲルが添加されている。このB型シリカゲルは粉末状のもので、その粒子径は、化粧板Aの表面性に影響することから、20メッシュ以上の(20メッシュのふるいを通過する)ものが好ましい。また、B型シリカゲルの組成比は5〜40wt%程度である。この吸放湿材料の添加により、基材層1は吸放湿性能を有するものとなる。この吸放湿性能は、例えば50g/m・24h以上とするのがよく、さらには70g/m・24h以上とするのが好ましい(いずれもJIS A1470−1「調湿建材の吸放湿性試験方法(中湿域)」による)。
上記化粧シート層8は、例えば化粧紙や薄く塗装を施した突板等からなっていて、300g/m・24h以上でかつ1000g/m・24h未満の透湿度を有する。この透湿度は、JIS Z0208「透湿度試験(40℃90%)」によるものとする。
また、上記接着剤層10となる水性接着剤は、例えば変性酢酸ビニル樹脂系、エチレン・酢ビ共重合樹脂系、ポリウレタン樹脂系、水性高分子−イソシアネート系等が望ましい。
上記化粧板Aの製造方法について説明すると、まず、基材層1となる無機質板を作る。この無機質板における表裏層2,3の各材料(鉱物質繊維、無機質紛状体及び結合材を必須とする)を水中で攪拌し、凝集材等の補助添加剤の添加により凝集させてスラリーを得る。吸放湿性材料としてのB型シリカゲルを表裏層2,3に添加する場合には、上記表裏層用の各材料中に加える。そして、このスラリーを抄造機で抄造して2枚の表裏層用の湿潤マットを作製する。
一方、芯層4の各材料(無機質発泡体及び結合剤を必須とする)を、水を噴霧しながら混合して混合物を得る。吸放湿性材料としてのB型シリカゲルを芯層4に添加する場合には、上記芯層用の各材料を混合する際に加える。
そして、上記2枚の表裏層用の湿潤マットのうち、表層2となる一方の湿潤マットの表面に上記芯層用の混合物を均一に散布して堆積させ、その後、裏層3となる他方の湿潤マットを積み重ねて3層構造の積層体からなる未硬化の湿潤無機質板を得る。
十分な保型性やハンドリング強度を得るために、上記湿潤無機質板を所定の圧力及び温度(例えば80〜180℃)で仮圧締する。この仮圧締は加熱ロール又は連続プレスで行うことができる。この仮圧締後に多少のスプリングバックが発生するが、最終工程で熱圧プレスを施すので、最終製品の物性に影響はない。
次いで、この仮圧締後の湿潤無機質板を熱風ドライヤー等により80〜250℃の温度で、含水率が20%以下になるまで乾燥させた後、この乾燥された湿潤無機質板をプレス機による熱圧プレスで所定の圧力、温度、時間(例えば150〜200℃で数分間)で圧締する。この熱圧プレスにより結合剤が硬化して、最終の無機質板が得られる。尚、熱圧プレスで最終硬化させる前に、水性又は油性液状物を湿潤無機質板の表裏面或いは片面に塗布してもよい。これにより、結合剤のフローが促進され、表面平滑性及び表面硬度が向上する。水性液状物としては、清水の他、酢酸ビニルエマルジョンやPVA等を、また油性液状物としては、イソシアネート系、エポキシ系等のアルコール希釈品をそれぞれ使用できる。塗布量としては片面20〜100g/mが好ましい。
そして、化粧シート層8となる化粧シートの裏面に、接着剤層10となる水性接着剤を例えば60〜130g/m程度塗布し、この化粧シートを上記のようにして得られた無機質板の表面(ここでは全表面)に貼着する。以上により上記化粧板Aが製造される。
したがって、この実施形態においては、化粧板Aの無機質板からなる基材層1は、その表裏層2,3又は芯層4の少なくとも一方に含まれている吸放湿性材料(B型シリカゲル)により調湿性能を有するものとなるため、この基材層1の調湿性能により化粧板Aの吸放湿性能が得られる。
また、この基材層1の表面に水性接着剤の接着剤層10を介して、透湿度が300g/m・24h以上の十分な透湿性を有する化粧シート層8が形成されているので、この化粧シート層8により透湿性が低下することはなく、化粧板Aの調湿性能の妨げにはならない。
さらに、基材層1は湿潤無機質板を熱圧プレス成形したものであるので、その熱圧プレスに伴い、基材層1の表面が緻密になって撥水性が付与される。このため、接着剤層10に水性接着剤を使用してもその基材層1内部への浸透は少なくなり、接着剤の塗布量を少なくして、その接着剤層10の介在による透湿性の低下を最小限に抑えることができる。その結果、仮に化粧シートとして透湿性が中程度である化粧紙を貼着した場合であっても、化粧板Aは室内の調湿に十分な吸放湿量を有するものとなり、その調湿性を良好に維持することができる。
また、上記化粧シート層8は透湿度1000g/m・24h未満のものであるので、化粧シート層8の十分な耐傷性が得られる。つまり、化粧シートの透湿度が1000g/m・24h未満であると、JAS特殊合板摩耗C試験により測定される摩耗値として350以上が得られ、手や衣服、日用品による擦れに耐えることができて化粧壁材等の用途に実用上問題はない。以上によって、吸放湿性能を保持しながら耐傷性にも優れた化粧板Aが得られる。
(実施形態2)
図2は本発明の実施形態2に係る化粧板Aを示す(尚、図1と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)。この化粧板Aが実施形態1のものと異なる点は、実施形態1では基材層1が、湿潤マットから得られた表裏層2,3と無機質発泡体及び結合剤を必須とする混合物から得られた芯層4との3層構造のものであるのに対し、この実施形態では、スラリーを湿式抄造して得られた2枚の湿潤マットを積層一体化して湿潤無機質板を形成して表裏層2,3を有する2層構造の基材層1としたことにある。
上記湿潤マットは、実施形態1のものと同様に、鉱物質繊維、無機質紛状体及び結合剤を必須成分とするとともに、さらに吸放湿性材料(B型シリカゲル)をも必須成分とする。その他の材料成分は実施形態1と同様である。
この実施形態2の化粧板Aを製造する場合、芯層用の混合物を作る以外は実施形態1の方法と同じである。すなわち、鉱物質繊維、無機質紛状体、結合材及び吸放湿性材料(B型シリカゲル)を必須とする材料を水中で攪拌し、凝集材等の補助添加剤の添加により凝集させてスラリーを得、このスラリーを抄造機で抄造して湿潤マットを作る。
さらに、この2枚の湿潤マットを積み重ねて2層構造の積層体からなる未硬化の湿潤無機質板を得、この2層の無機質板を仮圧締するとともに、20%以下の含水率まで乾燥させた後、プレス機による熱圧プレスで圧締することにより、無機質板を作る。そして、この無機質板の表面に水性接着剤が塗布された化粧シートを貼着する。以上により、表裏層2,3を持つ無機質板からなる基材層1と、その表面に接着剤層10を介して貼着された化粧シート層8とからなる化粧板Aが製造される。
したがって、この実施形態においても、実施形態1と同様の作用効果が得られる。尚、3枚以上の湿潤マットを積み重ねて複数層構造の積層体からなる湿潤無機質板、或いは1枚の湿潤マットのみからなる湿潤無機質板を形成し、これらを仮圧締しかつ乾燥した後に熱圧プレスして無機質板としてもよい。
(他の実施形態)
上記実施形態1又は2の構成において、表面から化粧シート層8及び接着剤層10を貫通して無機質板基材層1に達する底部を有する多数のピン孔又は溝(図示せず)を一定又はランダムの間隔をあけて設けることもできる。すなわち、このピン孔又は溝は、硬化後の無機質板の表面に化粧シートを水性接着剤により貼着した後に、少なくともその接着剤層10を破る深さ以上(実施形態1の基材層1では、その芯層4に達する深さが望ましい)のピン孔加工や溝加工を施すことで形成される。例えばピン孔にあっては、直径0.5mm〜1.0mmの有底状のピン孔を、また溝にあっては溝幅0.5mm〜3.0mmの溝をそれぞれ形成する。これらピン孔又は溝の深さは、底部が例えば基材層1の材厚の1/2以上に達する程度であればよく、ピン孔又は溝の間隔は1cm程度の間隔がよい。
このようにピン孔又は溝を形成することにより、基材層1が化粧シート層8や接着剤層10に遮られることなく外気と直接に接することとなり、化粧板Aの調湿性能をさらに向上できる利点がある。
また、無機質板(基材層1)に化粧シートを貼着する場合において、無機質板の室内に面する側と、それを除く他の部分とは異なる接着剤及び接着方法を用いても構わない。例えば、室内に面する側にあっては、接着剤層10の透湿性を重視して上記実施形態の如く水性接着剤を用いて化粧シートを貼着するが、木口や室内に面しない裏面の被覆においては、作業性を重視し、同水性接着剤を厚塗りするか、溶剤形接着剤や反応形ホットメルト接着剤等を採用するかしてもよい。
次に、具体的に実施した実施例について説明する。
(1) 実施例1
坪量約60g/m、透湿度300g/m・24hの化粧紙(化粧シート)に固形分43〜49%の水性ウレタン接着剤100部、架橋剤5部、増粘剤1部の混合物(水性接着剤)を100g/m程度塗布して60℃で3分間乾燥し、この化粧紙を、上記実施形態1の構成のように表裏層及び芯層を有する3層の無機質板の表面にラッピングして、吸湿量30g/m・24h、摩耗値500程度の調湿性化粧壁材(化粧板)を得た。この実施例1の化粧板における無機質板の表裏層及び芯層の各材料及びその組成比は以下のとおりである。
(表裏層)
鉱物湿繊維:ロックウール50wt%
無機質粉状体:水酸化アルミニウム21wt%、炭酸カルシウム12wt%
結合剤(でんぶん、フェノール):9wt%
有機繊維:0.5wt%
混和剤:7.5wt%
(芯層)
無機質発泡体:シラス発泡体45wt%
吸放湿性材料:B型シリカゲル36wt%
無機質粉状体:炭酸カルシウム7wt%
結合剤(でんぷん、フェノール):10wt%
混和剤:2wt%
(2) 実施例2
また、坪量約50g/m、透湿度約650/m・24hの化粧紙(化粧シート)に固形分35〜45%の変性酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤を60g/m程度塗布し、この化粧紙を実施例1と同様の、表裏層及び芯層を有する3層の無機質板の表面にラミネートした後、製品サイズに切断して吸湿量35/m・24h、摩耗値400程度の調湿性化粧壁材を得た。
(3) 実施例3
また、実施形態2の構成のように表裏層(2層)を有する無機質板に、実施例1と同じ化粧紙を同じ水性接着剤で貼着して調湿性化粧壁材(化粧板)を得た。この実施例3の化粧板における無機質板の表裏層の各材料及びその組成比は以下のとおりである。
(表裏層)
鉱物湿繊維:(ロックウール)45wt%、
無機質粉状体:水酸化アルミニウム21wt%、炭酸カルシウム10wt%
結合剤(でんぷん、フェノール):8wt%
吸放湿性材料:B型シリカゲル10wt%
有機繊維:2wt%
混和剤:4wt%
(4) 実施例4
上記実施例1の調湿性化粧壁材に直径0.5mm〜1.0mmでかつ無機質板基材層の材厚の1/2以上に達する深さのピン孔加工を1cm間隔で施した。
(5) 比較例
また、実施例1における基材層の芯層の材料からB型シリカゲルを除いたもの(未添加)を比較例1とし、同様に実施例3における基材層の表裏層の材料からB型シリカゲルを除いたもの(未添加)を比較例2とした。
これら実施例1と比較例1とを、また実施例3と比較例2とをそれぞれ比較したところ、いずれも表面の耐傷性は十分で通常の壁材と同等であった。しかし、シリカゲル未添加の比較例1,2は実施例1,3に比べ吸放湿性が低下していた。また、多数のピン孔加工が施された実施例4では吸湿量が40g/m・24hにまで高まり、良好な調湿性が得られた。尚、調湿性があると言われる木材の平均的な吸湿量は30g/m・24hである。このことで、本発明が有効であることが判る。
本発明は、鉱物質繊維、無機質紛状体及び結合剤を成分とするスラリーを湿式抄造して得られた湿潤マットを乾燥後に熱圧プレスして得られる無機質板からなる基材層の調湿性能を確保しながら表面の耐傷性を高め、化粧板の調湿性と耐傷性との良好な両立を図り得る点で、極めて有用で産業上の利用可能性が高い。
本発明の実施形態1に係る化粧板の概略断面図である。 実施形態2に係る化粧板の概略断面図である。
A 化粧板
1 基材層
2 表層
3 裏層
4 芯層
8 化粧シート層
10 接着剤層

Claims (3)

  1. 鉱物質繊維、無機質紛状体及び結合剤を必須成分とするスラリーを湿式抄造して得られた湿潤マットと、無機質発泡体及び結合剤を必須成分とする混合物とを、湿潤マットが表裏層で混合物が芯層となりかつ該表裏層又は芯層の少なくとも一方に吸放湿性材料が添加された状態で積層一体化した湿潤無機質板を乾燥させた後に熱圧プレス成形して得られる無機質板からなる基材層と、
    上記基材層の表面に水性接着剤からなる接着剤層を介して貼着され、透湿度300g/m・24h以上でかつ1000g/m・24h未満でありJAS特殊合板摩耗C試験により測定される摩耗値が350以上の化粧紙又は突板で構成された化粧シートからなる化粧シート層とを備えたことを特徴とする調湿性を有する化粧板。
  2. 鉱物質繊維、無機質紛状体、結合剤及び吸放湿性材料を必須成分とするスラリーを湿式抄造して得られた1枚の湿潤マットにより、又は複数枚の湿潤マットを積層一体化した湿潤無機質板を乾燥させた後に熱圧プレス成形して得られる無機質板からなる基材層と、
    上記基材層の表面に水性接着剤からなる接着剤層を介して貼着され、透湿度300g/m・24h以上でかつ1000g/m・24h未満でありJAS特殊合板摩耗C試験により測定される摩耗値が350以上の化粧紙又は突板で構成された化粧シートからなる化粧シート層とを備えたことを特徴とする調湿性を有する化粧板。
  3. 請求項1又は2の調湿性を有する化粧板において、
    表面から化粧シート層及び接着剤層を貫通して基材層に達する底部を有するピン孔又は溝が設けられていることを特徴とする調湿性を有する化粧板。
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