JP4371034B2 - スピーカアレイシステム - Google Patents
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Description
かかるスピーカアレイシステムによれば、スピーカユニットが配置されている凸面に面した任意の方向に音響ビームを放射し、かつ、その指向性を制御することができる。
好ましい態様において、スピーカアレイは、円筒体をなしている。
スピーカアレイを円筒体とした場合、円筒体の外側面が面している360度の全方向に音響ビームを放射することが可能である。円筒体以外にも、スピーカアレイの形状として、円錐体、多面体または球体がありうる。
好ましい態様においては、複数種類のオーディオ信号から生成する複数種類の音響ビームの指向性と方向を各々指定する情報が与えられた場合に、前記演算手段の前記演算処理では、各音響ビーム毎に前記複数の遅延オーディオ信号の遅延時間を演算し、前記信号処理手段は、前記演算処理で演算された遅延時間を用いて、前記各音響ビームを前記スピーカアレイから各々出力するための複数の遅延オーディオ信号を前記複数のオーディオ信号の各々から得るための信号処理を行う。
かかる態様によれば、複数種類のオーディオ信号を、任意の指向性および方向を持った複数種類の音響ビームとして放射することができる。
また、他の好ましい態様において、前記信号処理手段は、前記オーディオ信号を複数の周波数帯域のオーディオ信号に分割する帯域分割手段と、前記演算処理で演算された遅延時間を用いて、前記帯域分割手段により得られた複数帯域のオーディオ信号の各々から複数の遅延オーディオ信号を生成する遅延手段と、前記複数帯域の複数のオーディオ信号に対し、各々の帯域に応じた窓関数を乗じる窓掛け手段とを具備する。
かかる態様によれば、周波数帯域毎に各帯域に適した窓掛け処理が行われるので、音響ビームの外側に生じる回り込み音を効果的に減衰させることができる。
また、他の好ましい態様において、スピーカアレイシステムは、前記スピーカアレイの前記選択処理により選択されなかったスピーカユニットを用いて、前記音響ビームの外側に生じる回り込み音と相殺する相殺音を生成する相殺音生成手段を具備する。
かかる態様によれば、音響ビームの外側に回り込み音が発生するのを抑制することができる。
<第1実施形態>
図1は、この発明の第1実施形態であるスピーカアレイシステムの電気的構成を示すブロック図である。この図に示すように、スピーカアレイシステムは、CPUボード100と、DSPボード200と、円筒型スピーカアレイ部300とにより構成されている。
以上が本実施形態における音響ビームの発生原理である。
以上が本実施形態に係るスピーカアレイシステムの構成の詳細である。
また、本実施形態では、複数のデジタルオーディオ信号に基づき、複数の音響ビームを円筒型スピーカアレイ部300により生成することがある。その場合、各音響ビームの指向性および方向を指定する情報が例えばホストコンピュータなどからCPU101に与えられる。このとき、CPU101は、複数の音響ビームのそれぞれについて、上記の音響ビーム構成パラメータを求め、DSP201に送る。
以上のような動作が繰り返されることにより、時間的に変化する音響ビーム構成パラメータに対応した信号処理が進められ、時間経過に伴って指向性および方向の変化する音響ビームが生成されるのである。
上記第1実施形態では、円筒型スピーカアレイ部300の各スピーカユニットSPの中から、指示された音響ビームの生成のために役に立ちそうな一部のスピーカユニットSPを選択し、それらのスピーカユニットSPのみを動作させた。この発明の第2実施形態に係るスピーカアレイシステムでは、音響ビームの生成のために選択されなかったスピーカユニットSPを回り込み音の相殺手段として動作させるものである。このスピーカアレイシステムの構成は基本的に上記第1実施形態と同様である。第1実施形態との相違点は、CPU101が、上記音響ビーム構成パラメータの生成処理を行うだけでなく、音響ビームの生成のために選択されなかったスピーカユニットSPに回り込み音と相殺する音を発生させるためのDSP201の制御を行う点である。
この方法では、矢印Y1の範囲内のあるスピーカユニットSP(以下、回り込み音生成スピーカユニットという)の出力音が回り込み音となってエリアBR内のある位置(以下、回り込み音到達位置Qという)に届くことが分かっている場合に次のようにして相殺音を生成する。すなわち、図16に示すように、上記回り込み音到達位置Qにおいて、回り込み音と逆位相の相殺音が届くように、矢印Y2内のスピーカユニットSPに供給する遅延オーディオ信号の遅延時間を調整する。CPU101は、そのような遅延オーディオ信号を得るのに必要な相殺音用パラメータを生成し、DSP201に送る。
この方法では、矢印Y1の範囲内のある回り込み音生成スピーカユニットの出力音が回り込み音となってエリアBR内のある回り込み音到達位置Qに届くことが分かっている場合に次のようにして相殺音を生成する。まず、オーディオ信号が回り込み音生成スピーカユニットを介して回り込み音となってエリアBR内の位置に到達するまでの経路の伝達関数G1を予め求めておく。次に、矢印Y2によって示す範囲内のあるスピーカユニットSPを相殺音用スピーカユニットとして選択し、この相殺音用スピーカユニットから上記回り込み音到達位置Qまでの伝達関数G2を予め求めておく。そして、あるオーディオ信号に基づいて音響ビームをエリアAR内に放射するときには、図17に示すように、このオーディオ信号に伝達関数G1に対応したフィルタ処理を施して、上記回り込み音到達位置における回り込み音に対応したオーディオ信号を生成し、このオーディオ信号の位相を反転させた後、伝達関数G2の逆関数G2−1相当のフィルタ処理を施し、相殺音用スピーカユニットに供給する。このような処理を行うことにより、回り込み音と逆位相の相殺音を上記回り込み音の到達位置に供給し、回り込み音を打ち消すことができる。
この方法では、矢印Y1の範囲内のある回り込み音生成スピーカユニットの出力音が回り込み音となってエリアBR内のある回り込み音到達位置Qに届くことが分かっている場合にその回り込み音到達位置Qに回り込み音を検知するセンサを配置しておく。また、矢印Y2によって示す範囲内のあるスピーカユニットSPを相殺音用スピーカユニットとして選択しておく。そして、あるオーディオ信号に基づいて音響ビームをエリアAR内に放射するときには、図18に示すように、センサによって検知される回り込み音到達位置Qにおける回り込み音のレベルが極小値になるように、オーディオ信号に適応フィルタ処理を施して相殺音用スピーカユニットに供給する。このような処理を行うことにより、回り込み音到達位置Qにおける回り込み音のレベルを低く抑えることができる。
本発明には以上挙げた実施形態の他、例えば次のような実施形態も考えられる。
(1)上記各実施形態では、円筒型のスピーカアレイを用いた。しかし、スピーカアレイの形状は、例えば円錐体、多面体または球体であってもよい。
(2)図19に示すように、円筒型スピーカアレイ部300を例えば2分割し、分割された領域のスピーカユニットSPに与える遅延デジタルオーディオ信号の生成処理を2個のDSP201Aおよび201Bに分担させるようにしてもよい。このようにすることにより、各DSPの負担を軽減し、処理の高速化を図ることができる。
Claims (4)
- 円筒体、円錐体、多面体又は球体の凸面を構成するように配置された複数のスピーカユニットからなるスピーカアレイと、
スピーカアレイから出力する音響ビームの指向性と方向を指定する情報に基づき、前記スピーカアレイにおける前記情報により指定された指向性と方向を有する音響ビームの出力に用いる複数のスピーカユニットを選択する選択処理と、該選択されたスピーカユニットに供給する複数の遅延オーディオ信号の遅延時間を演算する演算処理とを実行する演算手段と、
前記演算処理で演算された遅延時間を用いて、前記複数の遅延オーディオ信号を共通のオーディオ信号から得るための信号処理を行う信号処理手段と
を具備し、
前記演算手段は、前記選択処理で選択されるスピーカユニットに、前記情報により指定された前記音響ビームの方向を正面とするスピーカユニットを含む
ことを特徴とするスピーカアレイシステム。 - 複数種類のオーディオ信号から生成する複数種類の音響ビームの指向性と方向を各々指定する情報が与えられた場合に、前記演算手段の前記演算処理では、各音響ビーム毎に前記複数の遅延オーディオ信号の遅延時間を演算し、前記信号処理手段は、前記演算処理で演算された遅延時間を用いて、前記各音響ビームを前記スピーカアレイから各々出力するための複数の遅延オーディオ信号を前記複数のオーディオ信号の各々から得るための信号処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のスピーカアレイシステム。
- 前記信号処理手段は、
前記オーディオ信号を複数の周波数帯域のオーディオ信号に分割する帯域分割手段と、
前記演算処理で演算された遅延時間を用いて、前記帯域分割手段により得られた複数帯域のオーディオ信号の各々から複数の遅延オーディオ信号を生成する遅延手段と、
前記複数帯域の複数のオーディオ信号に対し、各々の帯域に応じた窓関数を乗じる窓掛け手段と
を具備することを特徴とする請求項1または2に記載のスピーカアレイシステム。 - 前記スピーカアレイの前記選択処理により選択されなかったスピーカユニットを用いて、前記音響ビームの外側に生じる回り込み音と相殺する相殺音を生成する相殺音生成手段を具備することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の請求項に記載のスピーカアレイシステム。
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