以下、本発明を実施するための最良の形態(以後、「実施形態」ということがある)を具体的に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
(ケイ素を含むパターンを備える基体の準備)
まず、ケイ素を含むパターンを備える基体を準備する。ケイ素を含むパターンを備える基体は、従来から公知の方法で準備することができる。例えば、酸解離性基を有するシロキサン系樹脂及び感放射線性酸発生剤を含有するケイ素含有組成物を溶剤に溶解し、基体に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって塗布して乾燥しケイ素含有組成物膜を形成する。
次にケイ素含有組成物膜の所定の位置に所定の露光パターンで放射線を照射(露光)する。この方法も従来公知の方法で行うことができる。露光の際に使用することができる放射線としては、使用される感放射線性酸発生剤の種類に応じて、水銀灯の輝線スペクトル(波長254nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2エキシマレーザー(波長157nm)、EUV(波長13nm等)等の遠紫外線や、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線等を挙げることができる。この中でも遠紫外線及び荷電粒子線、特にKrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2エキシマレーザー(波長157nm)及び電子線が好ましい。
この露光により酸発生剤から酸が発生し、その酸の作用によって、ケイ素含有組成物中の酸解離性基が解離して、ケイ素含有組成物の露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなる。そして、後述する現像工程により、該露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去されて、ポジ型のパターンが得られる。露光パターンにも特に制限はないが、本発明は、非常に微細なパターンを形成する際に、非常に効果的である。従って、150nm以下、更に120nm以下、特に100nm以下の幅のパターンを含む露光パターンであることが好ましい。
なお、上述の露光の前に、予め加熱処理(プレ・ベーク、以下、「PRB」という)を行うことも好ましい。PRBを行うことによりケイ素含有組成物中に含まれる溶剤を除去することができる。PRBの加熱条件は、ケイ素含有組成物の配合組成によって変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜170℃である。
また、露光後、現像の前に加熱処理(ポスト・エクスポージャー・ベーク、以下、「PEB」という)を行うことが好ましい。このPEBにより、シロキサン系樹脂中の酸解離性基の解離反応が円滑に進行する。PEBの加熱条件は、ケイ素含有組成物の配合組成によって変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜170℃である。
次いで、露光されたケイ素含有組成物を現像することにより、所定のパターンを形成する。現像に使用される現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液が好ましい。
アルカリ性水溶液の濃度は、通常、10質量%以下である。この場合、アルカリ性水溶液の濃度が10質量%を超えると、非露光部も現像液に溶解するおそれがあり好ましくない。
また、前記アルカリ性水溶液からなる現像液には、例えば有機溶媒を添加することもできる。有機溶媒としては、例えば、アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類;
メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類;
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
これらの有機溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。有機溶媒の使用量は、アルカリ性水溶液に対して100容量%以下が好ましい。この場合、有機溶媒の使用量が100容量%を超えると、現像性が低下して、露光部の現像残りが多くなるおそれがある。また、アルカリ性水溶液からなる現像液には、界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ性水溶液からなる現像液で現像したのちは、一般に、水で洗浄して乾燥する。
以上のようにして図1に示すような、ケイ素を含む凸状のパターン2を備える基体1を準備することができる。このパターン2の厚みは通常0.03μm〜2μm程度である。また、パターン幅が150nm以下、更には120nm以下、特に100nm以下のコンタクトホールパターンやラインアンドスペースパターンを含むことが好ましい。なお、パターン2を構成する好ましい組成物の具体例は後述するが、シロキサン系樹脂等のケイ素原子を有する有機化合物を主成分とする組成物であることが好ましい。
基体1の材質や形状には特に制限はないが、一般的には無機基板が用いられる。例えば、LSIの配線パターンを形成して回路素子を製造する場合には、シリコンウエハーやアルミニウム、銅やその他合金、酸化膜や窒化膜、その他層間絶縁膜等で被覆されたウエハー等を基体として用いることができる。
また、図2(a)に示すように、基体1が下層膜3を備え、下層膜3の上にパターン2を備えることも好ましい。これは以下の理由による。後述する酸素ガスを用いたパターンの酸化によりケイ素含有組成物から形成されたパターン2は、図2(c)に示すケイ素酸化物のパターン5に変化する。そして、基体1が、例えばシリコン等のパターン5に近いエッチング特性を有する場合には、パターン5をマスクとした基体1のエッチングが難しくなる。そこでパターン5の下に下層膜3を備えることにより、仮に基体1をエッチングする際にパターン5がエッチングされても下層膜3がマスクとして機能し、基体1のエッチングが容易となる。
下層膜3はケイ素酸化物のパターン5と異なるエッチング特性を有していればその種類に特に制限はない。好ましい下層膜3としては例えば、炭素含有率が70質量%以上の有機の膜が挙げられる。下層膜3は、例えば炭素含有率が70%以上の材料を溶剤に溶解させて、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の方法により塗布し、加熱することにより形成することができる。あるいはCVD等の蒸着法により形成することもできる。
また、図3(a)に示すように、基体1が2層以上の下層膜、例えば下層膜3’、3”を備えることも好ましい。例えば、下層膜3”として炭素含有率が70質量%以上の有機膜をCVDや塗布型で形成し、下層膜3’として反射防止膜を形成することも好ましい。また、図2(a)における下層膜3及び図3(a)における下層膜3’、即ちパターン2の直下に形成される下層膜における、パターン2を透過した光の反射率は5%以下であることが好ましく、3%以下であることが更に好ましい。
また、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、ケイ素含有組成物膜上に保護膜を設けておくことも好ましい(例えば、特許文献7参照)。
(樹脂皮膜の形成)
次に上述のようにして準備することができる基体上に図2(b)又は図3(b)に示すように樹脂皮膜4を形成する。樹脂皮膜4の種類に特に制限はなく、具体的な好ましい例は後述するが、軟化点が0〜200℃、更には20〜150℃の樹脂皮膜であることが好ましい。軟化点が高すぎると寸法変化量が少ない傾向となり、軟化点が低すぎると寸法制御が難しくなる傾向となるからである。
また、樹脂皮膜4が酸を含むことが好ましい。例えば、上述した方法で得られたパターン2は酸解離性基を含む場合がある。この場合に、樹脂皮膜4が酸を含むことにより、後述する加熱工程において、樹脂皮膜中の酸の作用によりパターン2中の酸解離性基が解離して、解離した基がパターン2中から消失する。その結果パターン2におけるケイ素原子の濃度が向上し、パターン2の酸素プラズマによるパターン寸法変化を抑制することが可能となる。
酸の種類に特に制限はない。好ましい具体例としては、カルボニル基を含む酸、スルホニル基を含む酸、リン酸等が挙げられる。この中でもスルホニル基を含む酸であることが脱保護反応を容易に進行させる点で好ましい。また、酸は樹脂皮膜の主成分となる樹脂に結合した基として含まれていてもよく、樹脂とは別の化合物として含まれていてもよい。
樹脂皮膜を形成する方法に特に制限はない。好ましい方法としては、樹脂皮膜組成物を例えば0.5〜20質量%の固形分濃度となるよう所定の溶剤に溶解し、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって溶液を調製し、これをパターン2の上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって塗布して乾燥して形成する方法が挙げられる。この際の溶剤に特に制限はないが、パターン2とのインターミキシングを防止する観点から、パターン2を構成する組成物の溶解度が1質量%以下となる溶剤が好ましい。なお、具体的な好ましい溶剤は後述する。
(加熱工程)
次に、樹脂皮膜が形成された基体を加熱する。この際の加熱温度によりパターン間隔を制御することができる。また、形成されたパターンにおけるケイ素原子濃度を向上させることも可能となる。加熱温度範囲は、パターン2及び樹脂皮膜4の種類や配合比によって異なり、適宜、適切な加熱温度を設定することができる。但し、加熱温度が余りに低すぎると加熱の効果が得られず、余りに高すぎるとパターンが乱れる場合がある。加熱温度は、50〜180℃であることが好ましく、70〜150℃であることが更に好ましく、90〜150℃であることが特に好ましい。この際、加熱温度を高く設定することによりパターン間隔を狭くすることができ、加熱温度を低く設定することにより、最終的に得られるケイ素酸化物のパターン間隔を広くすることができる。また、パターン2を構成するケイ素含有組成物の軟化点より低い温度で加熱してもよく、軟化点と同じ温度で加熱してもよく、軟化点よりも高い温度で加熱してもよい。なお、軟化点よりも高い温度で加熱することにより、パターン間隔を効果的に狭くすることができる。
加熱時間にも特に制限はないが、時間が短すぎると温度管理が困難であり、時間が長すぎるとスループットの低下により生産性が低下することとなる。加熱時間は、30〜180秒であることが好ましく、60〜150秒であることが更に好ましく、60〜120秒であることが特に好ましい。
(酸素ガスを用いた樹脂皮膜の除去及びパターンの酸化工程)
次に、酸素ガスを用いて、図2(c)又は図3(c)に示すように樹脂皮膜4を除去するとともにパターン2を酸化してケイ素酸化物のパターン5を形成する。この工程は、酸素プラズマにより行うことが好ましい。この際の酸化条件によってもパターン寸法を制御することができる。この際の条件に制限はなく、パターン2及び樹脂皮膜4の種類や配合比によって異なり、適宜、適切な条件を設定することができ、パターン寸法をエッチング出力やエッチングガス種で制御することが好ましい。また、図2(c)又は図3(c)に示すように、基体1が下層膜3又は下層膜3’、3”を備えている場合にはパターン間の下層膜3又は下層膜3’、3”もこの工程で除去することができる。
このようにして、所望の寸法のケイ素酸化物のパターンを基体上に形成することができる。こうして形成されたケイ素酸化物のパターンを備える基体は、その後、このパターンをマスクとして、エッチングを行い、その後パターンを除去することにより、回路素子等を得ることができる。
エッチングの方法としては、例えば酸素ガスを含む混合ガス等を用いたエッチング装置を使用することにより行うことができる。パターンを除去する方法としては、フッ素系ガスや塩素系ガス、臭素系ガス等のハロゲン系ガスを用いた、基板をエッチングする工程により行うことができる。
(ケイ素を含むパターンを構成する組成物の好ましい具体例)
ケイ素を含むパターン2を構成する組成物の好ましい具体例としては、下記式(I)で表される構造単位を有し、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量が500〜1,000,000のシロキサン系樹脂を含む組成物が挙げられる。
〔式(I)において、Rは、炭素数1〜20の(n+1)価の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基又は炭素数3〜20の(n+1)価の脂環式炭化水素基を示し、該炭化水素基及び脂環式炭化水素基はそれぞれ置換されていてもよく、Xは酸解離性基を含む基を示す。nは1又は2である。〕
式(I)で表される構造単位の更に好ましい具体例としては、例えば、下記式(II)で表される構造単位(以下、「構造単位(II)」という。)、下記式(III)で表される構造単位(以下、「構造単位(III)」という。)又は下記式(IV)で表される構造単位(以下、「構造単位(IV)」という。)が挙げられる。従って、これらの群から選ばれる少なくとも1種を有するシロキサン系樹脂が好ましい。
〔式(II)において、R
1は炭素数1〜20の2価の炭化水素基又は原子数3〜20の2価の複素環式基を示し、該2価の炭化水素基及び2価の複素環式基はそれぞれ置換されていてもよく、R
2は1価の酸解離性基を示す。〕
〔式(III)において、R
3は炭素数1〜20の(c+1)価の炭化水素基又は原子数3〜20の(c+1)価の複素環式基を示し、該(c+1)価の炭化水素基及び(c+1)価の複素環式基はそれぞれ置換されていてもよく、R
4は1価の酸解離性基又は水素原子を示し、a及びbは相互に独立に0〜3の整数であり、cは1又は2である。〕
〔式(IV)において、R
5は炭素数3〜20の3価の炭化水素基又は原子数3〜20の3価の複素環式基を示し、該3価の炭化水素基及び3価の複素環式基はそれぞれ置換されていてもよく、R
6は水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のフルオロアルキル基を示し、R
7は1価の酸解離性基又は水素原子を示す。〕
式(II)において、R1の炭素数1〜20の2価の炭化水素としては、例えば、メチレン基、1,1−エチレン基、ジメチルメチレン基、1,2−エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン等の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基;
1,2−シクロブチレン基、1,3−シクロブチレン基、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,2−シクロヘプチレン基、1,3−シクロヘプチレン基、1,4−シクロヘプチレン基、1,2−シクロオクチレン基、1,3−シクロオクチレン基、1,4−シクロオクチレン基等の環状のアルキレン基;
アダマンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン等の有橋式炭化水素類に由来する基;
ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、i−プロピルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素類に由来する基等を挙げることができる。
また、R1の原子数3〜20の2価の複素環式基としては、例えば、オキセタン、チエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン等の非有橋式複素環式化合物に由来する基;あるいは下記式(1−1)、式(1−2)、式(1−3)又は式(1−4)で表される化合物等の有橋式複素環式化合物に由来する基を挙げることができる。
R1の置換基としては、例えば、フッ素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、オキソ基、アミノ基、シアノ基、イソシアニル基、シアニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜5のシアノアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、炭素数1〜4のアルキロール基、炭素数2〜5のアルコキシメチル基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数1〜4のアルコキシスルホニル基、炭素数1〜4のアルキルアミノスルホニル基等を挙げることができる。これらの置換基のうち、フッ素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニルアミノ基等が好ましい。前記置換基は、各置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。
式(II)において、R2の1価の酸解離性基としては、例えば、下記式(2−1)、式(2−2)又は式(2−3)で表される基、炭素数3〜20の環状炭化水素基、原子数3〜20の複素環式基、トリアルキルシリル基(但し、各アルキル基の炭素数は1〜6である。)、炭素数4〜20のオキソアルキル基等を挙げることができる。
〔式(2−1)において、各R
8は相互に独立に炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその置換誘導体を示すか、あるいは何れか2つのR
8が相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子とともに炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基若しくはその置換誘導体を形成し、残りのR
8が炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその置換誘導体を示す。〕
〔式(2−2)において、R
9は前記式(2−1)で表される基、炭素数3〜20の環状炭化水素基、原子数3〜20の複素環式基、トリアルキルシリル基(但し、各アルキル基の炭素数は1〜6である。)又は炭素数4〜20のオキソアルキル基を示し、dは0〜6の整数である。〕
〔式(2−3)において、各R
10は相互に独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示し、R
11は炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は原子数3〜20の1価の複素環式基を示すか、あるいは2つのR
10が相互に結合して環を形成し、又は何れか一方のR
10とR
11とが相互に結合して環を形成しており、R
10の該アルキル基、R
11の該1価の炭化水素基及び1価の複素環式基、2つのR
10が相互に結合して形成した環並びに何れか一方のR
10とR
11とが相互に結合して形成した環はそれぞれ置換されていてもよい。〕
式(2−1)において、R8の炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
また、R8の炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基及び何れか2つのR2が相互に結合してそれぞれが結合している炭素原子とともに形成した炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン類に由来する基;アダマンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン等の有橋式炭化水素類に由来する基等を挙げることができる。
また、前記1価又は2価の脂環式炭化水素基の置換誘導体における置換基としては、例えば、前記式(II)におけるR1の炭化水素基及び複素環式基に対する置換基について例示したものと同様の基等を挙げることができる。前記置換基は、各置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。
式(2−2)において、R9の炭素数3〜20の環状炭化水素基としては、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタン−1−イル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−イル基、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル基等を挙げることができる。
また、R9の原子数3〜20の複素環式基としては、例えば、2−テトラヒドロフラニル基、2−テトラヒドロピラニル基等を挙げることができる。
また、R9のトリアルキルシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、i−プロピルジメチルシリル基、メチルジi−プロピルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等を挙げることができる。
また、R9の炭素数4〜20のオキソアルキル基としては、例えば、3−オキソシクロペンチル基、3−オキソシクロヘキシル基、4−オキソシクロヘキシル基、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イル基、5−メチル−2−オキソオキソラン−5−イル基等を挙げることができる。
式(2−3)において、R10の炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基;
シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の環状のアルキル基;
アダマンタン−1−イル基、アダマンタン−2−イル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−イル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−イル基、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル基等の有橋式炭化水素類に由来する基;
フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基;
ベンジル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等を挙げることができる。
式(2−3)において、R11の炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基;
シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の環状のアルキル基等を挙げることができる。
また、R11の原子数3〜20の1価の複素環式基としては、例えば、式(II)におけるR1の複素環式基について例示したものと同様の基を挙げることができる。
また、2つのR10が相互に結合して形成した環としては、例えば、2つのR10が結合している炭素原子とともに形成した3〜8員の環を挙げることができる。また、何れか一方のR10とR11とが相互に結合して形成した環としては、例えば、R10が結合している炭素原子及びR11が結合している酸素原子とともに形成した3〜8員の環を挙げることができる。
R10の前記アルキル基、R11の前記1価の炭化水素基及び1価の複素環式基、2つのR10が相互に結合して形成した前記環並びに何れか一方のR10とR11とが相互に結合して形成した前記環に対する置換基としては、例えば、前記式(II)におけるR1の炭化水素基及び複素環式基に対する置換基として例示したものと同様の基等を挙げることができる。前記置換基は、各置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。
式(2−3)において、R11の置換された1価の炭化水素基の好ましい具体例としては、4−ヒドロキシ−n−ブチル基、6−ヒドロキシ−n−ヘキシル基、2−n−ブトキシエチル基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル基、下記式(3−1)〜式(3−4)で表される基等を挙げることができる。
式(II)において、R2の炭素数3〜20の環状炭化水素基としては、例えば、前記式(2−2)におけるR9の炭素数3〜20の環状炭化水素基について例示したものと同様の基等を挙げることができる。また、R2の原子数3〜20の複素環式基としては、例えば、前記式(2−2)におけるR9の原子数3〜20の複素環式基について例示したものと同様の基等を挙げることができる。また、R2のトリアルキルシリル基としては、例えば、前記式(2−2)におけるR9のトリアルキルシリル基について例示したものと同様の基等を挙げることができる。また、R2の炭素数4〜20のオキソアルキル基としては、例えば、前記式(2−2)におけるR9の炭素数4〜20のオキソアルキル基について例示したものと同様の基等を挙げることができる。
式(III)において、R3の炭素数1〜20の(c+1)価の炭化水素としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−オクタン、2−エチルヘキサン、n−デカン等の直鎖状若しくは分岐状のアルカン類に由来する基;
シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン基、シクロオクタン等の環状のアルカン類に由来する基;
アダマンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン等の有橋式炭化水素類に由来する基;
ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、i−プロピルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素類に由来する基等を挙げることができる。
また、R3の原子数3〜20の(c+1)価の複素環式基としては、例えば、オキセタン、チエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン等の非有橋式複素環式化合物に由来する基;前記式(1−1)、式(1−2)、式(1−3)又は式(1−4)で表される化合物等の有橋式複素環式化合物に由来する基を挙げることができる。
R3の前記炭素数1〜20の(c+1)価の炭化水素基及び原子数3〜20の(c+1)価の複素環式基に対する置換基としては、例えば、前記式(II)におけるR1の炭化水素基及び複素環式基に対する置換基として例示したものと同様の基等を挙げることができる。前記置換基は、各置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。
式(III)において、R4の1価の酸解離性基としては、例えば、前記式(II)におけるR2の1価の酸解離性基について例示したものと同様の基等を挙げることができる。
式(IV)において、R5の炭素数3〜20の3価の炭化水素基としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−オクタン、2−エチルヘキサン、n−デカン等の直鎖状若しくは分岐状のアルカン類に由来する基;
シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン基、シクロオクタン等の環状のアルカン類に由来する基;
アダマンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン等の有橋式炭化水素類に由来する基;
ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、i−プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素類に由来する基等を挙げることができる。
また、R5の原子数3〜20の3価の複素環式基としては、例えば、オキセタン、チエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン等の非有橋式複素環式化合物に由来する基;
前記式(1−1)、式(1−2)、式(1−3)又は式(1−4)で表される化合物等の有橋式複素環式化合物に由来する基を挙げることができる。
R5の前記炭素数1〜20の3価の炭化水素基及び原子数3〜20の3価の複素環式基に対する置換基としては、例えば、前記式(II)におけるR1の炭化水素基及び複素環式基に対する置換基として例示したものと同様の基等を挙げることができる。前記置換基は、各置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。
式(IV)において、R6の炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
また、R6の炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のフルオロアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル基、3,3,3,2,2−ペンタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、4,4,4−トリフルオロ−n−ブチル基、4,4,4,3,3−ペンタフルオロ−n−ブチル基、4,4,4,3,3,2,2−ヘプタフルオロ−n−ブチル基、ノナフルオロ−n−ブチル基等を挙げることができる。
式(IV)において、R7の1価の酸解離性基としては、例えば、前記式(II)におけるR2の1価の酸解離性基について例示したものと同様の基等を挙げることができる。
シロキサン系樹脂において、構造単位(II)、構造単位(III)及び構造単位(IV)は、それぞれ単独で又は2種以上が存在することができる。なお、構造単位(I)〜(IV)において、酸解離性基の代わりに水素原子を有する構造単位を含んでもよい。
このようなシロキサン系樹脂は、更に、縮合反応に関して3官能のシラン化合物に由来する前記以外の構造単位の1種以上や、縮合反応に関して2官能あるいは4官能のシラン化合物に由来する構造単位の1種以上を有することもできる。
更に、このようなシロキサン系樹脂は、酸解離性結合基により、分子内架橋及び/又は分子間架橋されていてもよい。
このようなシロキサン系樹脂において、構造単位(I)の含有率は、通常、5〜100モル%、好ましくは10〜100モル%、更に好ましくは20〜100モル%である。この場合、構造単位(I)の含有率が5モル%未満では、解像度が低下する傾向がある。
このようなシロキサン系樹脂のGPCによるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、通常、500〜1,000,000、好ましくは500〜100,000、更に好ましくは500〜40,000である。この場合、シロキサン系樹脂のMwが500未満では、得られる樹脂のガラス転移温度(Tg)が低下する傾向があり、一方1,000,000を超えると、得られる樹脂の溶剤への溶解性が低下する傾向がある。
ケイ素を含むパターンを上述のようなシロキサン系樹脂により形成する場合には、パターン形成用組成物は感放射線性酸発生剤を含むことが好ましい。感放射線性酸発生剤は、露光により酸を発生する成分であり、その酸の作用によって、シロキサン系樹脂中に存在する酸解離性基を解離させ、その結果ケイ素含有組成物の露光部がアルカリ現像液に易溶性となり、ポジ型のパターンを形成する作用を有するものである。感放射線性酸発生剤は、前記作用を有する限り特に限定されるものではないが、好ましい感放射線性酸発生剤としては、オニウム塩化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物、カルボン酸化合物、ジアゾケトン化合物、ハロゲン含有化合物等を挙げることができ、このような感放射線性酸発生剤を単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。感放射線性酸発生剤の使用量は、感度及び現像性を確保する観点から、シロキサン系樹脂100質量部に対して、通常、0.1〜30質量部、好ましくは0.5〜20質量部である。この場合、感放射線性酸発生剤の使用量が0.1質量部未満では、感度及び現像性が低下する傾向があり、一方30質量部を超えると、放射線に対する透明性が低下して、矩形のパターンを得られ難くなる傾向がある。
パターン形成用組成物には、酸拡散制御剤、界面活性剤等の各種の添加剤が含まれていることも好ましい。前記酸拡散制御剤は、露光により酸発生剤から生じる酸のケイ素含有組成物中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する作用を有する成分である。このような酸拡散制御剤を配合することにより、組成物の貯蔵安定性が更に向上し、またパターンの解像度が更に向上するとともに、露光から現像処理までの引き置き時間(PED)の変動によるパターン幅の変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れた構成となる。酸拡散制御剤としては、パターンの形成工程中の露光や加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。更に、酸拡散制御剤以外の含窒素有機化合物としては、例えば、4級アンモニウムヒドロキシド化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等を挙げることができ、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。酸拡散制御剤の配合量は、感放射線性酸発生剤に対して、通常、100モル%以下、好ましくは50モル%以下、更に好ましくは30モル%以下である。この場合、酸拡散制御剤の配合量が100モル%を超えると、感度や露光部の現像性が低下する傾向がある。
前記界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す成分である。このような界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤の他、以下商品名で、KP341(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.75,同No.95(共栄社化学(株)製)、エフトップEF301,同EF303,同EF352(トーケムプロダクツ(株)製)、メガファックスF171,同F173(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430,同FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。界面活性剤の配合量は、全樹脂成分100質量部に対して、通常、2質量部以下である。また、前記以外の添加剤としては、溶解制御剤、ハレーション防止剤、接着助剤、保存安定化剤、消泡剤等を挙げることができる。
(樹脂皮膜を構成する組成物の好ましい具体例)
樹脂皮膜を構成する組成物の好ましい具体例としては、アルキレングリコール系重合体、セルロース系重合体、ビニル系重合体、アクリル系重合体、尿素系重合体、エポキシ系重合体、メラミン系重合体、ナイロン系重合体等が挙げられ、また樹脂中にスルホニル基を含有する樹脂としては下記式(V)で表される構造単位及び/又はその塩を少なくとも1種(スルホニル基含有単位)含む重合体を含有するもの等が挙げられる。このような重合体は、パターン2へのインターミキシングを抑制するという点で樹脂皮膜として好ましい。式(V)で表される構造単位及び/又はその塩は重合体中に99質量%以下、更には50質量%以下、特に30質量%以下含まれることが樹脂皮膜中の酸濃度を制御するという点で好ましい。
〔式(V)において、R
12は水素原子又は有機基を示し、R
13は2価の有機基を示し、R
14は単結合、−COO−、−CONH−又は−OCO−を示す。〕
式(V)において、R12は水素原子又は有機基を示し、R13は2価の有機基を示すが、これらの有機基は直鎖でも分岐鎖でもよい。R12の有機基としては炭素数1〜12の有機基が好ましく、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜12のアルキル基及び部分的又は全てにフッ素化されたフロロアルキル基;カルボキシル基;カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシブチル基等の炭素数2〜12のカルボキシアルキル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル等の炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基;アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブタノイルオキシ、ベンゾイルオキシ基等の炭素数2〜12のアシルオキシ基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜12のアルコキシ基;メトキシメチル基、エトキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシプロピル基、3−メトキシプロピル基、2−メトキシブチル基、3−メトキシブチル基、4−メトキシブチル基等の炭素数2〜12のアルコキシアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜12のシクロアルキル基;シアノ基や、これらの有機基から誘導される基等を挙げることができる。
また、R13の2価の有機基としては炭素数1〜12の2価の有機基やアリーレン基、アラルキレン基が好ましく、その具体例としては、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基、1,5−ペンチレン基、1,1−ジメチル−1,4−ブチレン基、2,2−ジメチル−1,4−ブチレン基、1,2−ジメチル−1,4−ブチレン基、1,6−ヘキシレン基;フェニレン基、クメニレン基等の炭素数6〜12のアリーレン基;ベンジレン基、α−メチルベンジレン基等の炭素数7〜12のアラルキレン基等を挙げることができる。これらの2価の有機基のうち、特に1,1−ジメチルエチレン基が好ましい。
このようなスルホニル基含有単位を形成する単量体の具体例としては、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−α−カルボキシアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−α−カルボキシメチルアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−α−メトキシカルボニルアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−α−アセチルオキシアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−α−フェニルアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−α−ベンジルアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−α−メトキシアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−α−(2−メトキシエチル)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−α−シクロヘキシルアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−α−シアノアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等を挙げることができる。これらのスルホニル基含有単量体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。このようなスルホニル基含有単量体としては、特に2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が好ましい。
上述した単量体は、スルホン酸の一部又は全部を塩にしてから重合又は他の単量体と共重合することもできる。あるいは、重合体とした後、スルホン酸の一部又は全部を塩にすることもできる。塩としては、アンモニア及び/又は有機アミンの塩が好ましい。スルホン酸塩とする有機アミンとしては、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、エタノールアミン、アミノメチルプロパノール、2−ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ピロール、ピロリジン、オキサゾール、ピリジン、ピペリジン、モルホリン等の第一級〜第三級の1価アミン類;及びエチレンジアミン、ジエチレンジアミン、テトラエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレントリアミン、イミダゾール、イミダゾリジン、オキサゾール、ピラジン、ピペラジン、s−トリアジン等の第一級〜第三級の多価アミン類を挙げることができる。これらの有機アミンのうち、1価又は多価の第三級有機アミンが好ましい。有機アミンは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。この中でも特にアンモニア及び1価の第三級有機アミンが好ましい。
上述の好ましい単量体は、その他の共重合モノマーとの共重合体を形成することができる。共重合するものであれば特に制限はないが、50℃以下でスルホニル基と反応するものや、−15℃以下でスルホニル基の触媒作用により架橋反応が進行するようなものは好ましくない。以下にその他の共重合モノマーの具体例を記載するが、これに限定されるものではない。
他の共重合モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、アトロパ酸、3−アセチルオキシ(メタ)アクリル酸、3−ベンゾイルオキシ(メタ)アクリル酸、α−メトキシアクリル酸、3−シクロヘキシル(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸系化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート系化合物や、クロトン酸メチル、ケイ皮酸メチル等の不飽和モノカルボン酸エステル系化合物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等の不飽和ポリカルボン酸系化合物;前記不飽和ポリカルボン酸のモノ−又はジ−メチルエステル、モノ−又はジ−エチルエステル、モノ−又はジ−n−プロピルエステル等のモノ−又はジ−エステル系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル等の不飽和アルコールエステル系化合物;(メタ)アクリロニトリル、α−メチルアクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−クロロメチルアクリロニトリル、α−トリフルオロメチルアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル系化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の前記以外の芳香族モノビニル系化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等のハロゲン化オレフィン系化合物;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、ピペリレン、2,3−ジメチルブタジエン、メチルペンタジエン、シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンノルボルネン、ジビニルベンゼン、ジメチルビニルスチリルシラン等のジエン系化合物;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、メチルアリルエーテル等の不飽和エーテル系化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有不飽和化合物;2−クロロエチルビニルエーテル、クロロ酢酸ビニル、クロロ酢酸アリル、クロロメチルスチレン等の前記以外のハロゲン含有不飽和化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、2−プロペニルアルコール、2−メチル−2−プロペニルアルコール等の水酸基含有不飽和化合物;(メタ)アクリルアミド、クロトン酸アミド、ケイ皮酸アミド等の前記以外のアミド基含有不飽和化合物;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸や、下記式(VI)で表されるカルボキシル基含有アクリルアミド系化合物等のカルボキシル基含有不飽和化合物を挙げることができる。
〔式(VI)において、R
16は水素原子又は有機基を示し、R
17は2価の有機基を示す。〕
このR16の有機基としては、例えば前記式(V)におけるR12と同様の炭素数1〜12の有機基を挙げることができ、またR17の2価の有機基としては、例えば前記式(V)におけるR13と同様の炭素数1〜12の2価の有機基を挙げることができる。
このカルボキシル基含有アクリルアミド系化合物の具体例としては、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−カルボキシアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−カルボキシメチルアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−メトキシカルボニルアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−アセチルオキシアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−フェニルアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−ベンジルアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−メトキシアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−(2−メトキシエチル)アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−シクロヘキシルアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−シアノアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸等が挙げられる。
更に他の共重合モノマーとしては、フッ素原子を有する化合物を挙げることができる。この具体例としては、ジフルオロメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロメチル(メタ)アクリレート;2,2−ジフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチル(メタ)アクリレート;1−(パーフルオロメチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロメチル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルメチル(メタ)アクリレート、ジ(パーフルオロメチル)メチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピル(メタ)アクリレート;1−メチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1−(パーフルオロエチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロエチル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチル(メタ)アクリレート;1,1−ジメチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロプロピル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート基、パーフルオロブチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチル(メタ)アクリレート;1,1−ジメチル−2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシル(メタ)アクリレート;1,1−ジメチル−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロペンチル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘプチル(メタ)アクリレート;2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘプチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチル(メタ)アクリレート;2−(パーフルオロヘプチル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロノニル(メタ)アクリレート;2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−オクタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロノニルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロデシル(メタ)アクリレート等の、フルオロアルキル基の炭素数が1〜20であるフルオロアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。
更に、(2,2,2−トリフルオロエチル)α−カルボキシアクリレート、(パーフルオロエチルメチル)α−カルボキシアクリレート;(2,2,2−トリフルオロエチル)α−カルボキシメチルアクリレート、(パーフルオロエチルメチル)α−カルボキシメチルアクリレート;(2,2,2−トリフルオロエチル)α−メトキシカルボニルアクリレート、(パーフルオロエチルメチル)α−メトキシカルボニルアクリレート;(2,2,2−トリフルオロエチル)α−アセチルオキシアクリレート、(パーフルオロエチルメチル)α−アセチルオキシアクリレート;(2,2,2−トリフルオロエチル)α−フェニルアクリレート、(パーフルオロエチルメチル)α−フェニルアクリレート;(2,2,2−トリフルオロエチル)α−ベンジルアクリレート、(パーフルオロエチルメチル)α−ベンジルアクリレート;(2,2,2−トリフルオロエチル)α−エトキシアクリレート、(パーフルオロエチルメチル)α−エトキシアクリレート;(2,2,2−トリフルオロエチル)α−2−メトキシエチルアクリレート、(パーフルオロエチルメチル)α−2−メトキシエチルアクリレート;(2,2,2−トリフルオロエチル)α−シクロヘキシルアクリレート、(パーフルオロエチルメチル)α−シクロヘキシルアクリレート;(2,2,2−トリフルオロエチル)α−シアノアクリレート、(パーフルオロエチルメチル)α−シアノアクリレート等を挙げることができる。これらの他の共重合モノマーは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。本発明において、他の共重合モノマーとしては、前記アルキル(メタ)アクリレート系化合物、特にメチル(メタ)アクリレート及びエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート;並びに前記カルボキシル基含有アクリルアミド系化合物、フルオロアルキル基の炭素数が1〜20であるフルオロアルキル(メタ)アクリレート類が好ましく、なかでもパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート及びパーフルオロアルキル基がメチレン基あるいはエチレン基を介してエステル酸素原子に結合したフルオロアルキル(メタ)アクリレート類が特に好ましい。
上述してきた重合体は、例えばラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合等の適宜の方法により、塊状重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合、乳化重合、溶液重合、沈澱重合等の種々の重合形態で製造することができる。これらの重合に際して、各単量体、重合開始剤等の反応成分は、一度に全量を、又は分割してあるいは連続的に添加することができる。また、重合体は場合により、適当な前駆共重合体の化学的後処理によって製造することもできる。
樹脂皮膜を構成する組成物は、フルオロアルキルスルホン酸及び/又はフルオロアルキルカルボン酸を含むことも好ましい。フルオロアルキルスルホン酸及びフルオロアルキルカルボン酸は、炭素数が5〜15のフルオロアルキル基を有するものが好ましい。該フルオロアルキル基は、ハイドロフルオロアルキル基でも、パーフルオロアルキル基でもよく、また直鎖でも分岐鎖でもよい。炭素数が5〜15のフルオロアルキル基としては、例えばジフルオロメチル基、パーフルオロメチル基;2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基;1−(パーフルオロメチル)エチル基、2−(パーフルオロメチル)エチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、パーフルオロエチルメチル基、ジ(パーフルオロメチル)メチル基、パーフルオロプロピル基;1−メチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、1−(パーフルオロエチル)エチル基、2−(パーフルオロエチル)エチル基、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチル基、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル基、パーフルオロプロピルメチル基、パーフルオロブチル基;1,1−ジメチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、1,1−ジメチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1−メチル−2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチル基、1−(パーフルオロプロピル)エチル基、2−(パーフルオロプロピル)エチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基、パーフルオロブチルメチル基、パーフルオロペンチル基;1,1−ジメチル−2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチル基、1,1−ジメチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル基、1−メチル−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基、1−(パーフルオロブチル)エチル基、2−(パーフルオロブチル)エチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロヘキシル基、パーフルオロペンチルメチル基、パーフルオロヘキシル基;1,1−ジメチル−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基、1,1−ジメチル−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル基、1−メチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロヘキシル基、1−(パーフルオロペンチル)エチル基、2−(パーフルオロペンチル)エチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチル基、パーフルオロヘキシルメチル基、パーフルオロヘプチル基;1−(パーフルオロヘキシル)エチル基、2−(パーフルオロヘキシル)エチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロオクチル基、パーフルオロヘプチルメチル基、パーフルオロヘプチルメチル基、パーフルオロオクチル基;1−(パーフルオロヘプチル)エチル基、2−(パーフルオロヘプチル)エチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノニル基、パーフルオロオクチルメチル基、パーフルオロノニル基;1−(パーフルオロオクチル)エチル基、2−(パーフルオロオクチル)エチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−オクタデカフルオロデシル基、パーフルオロノニルメチル基、パーフルオロデシル基等を挙げることができる。
更に、これらの炭素数1〜15のフルオロアルキル基の他に、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロペンチル基;1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキシル基;1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−テトラデカフルオロヘプチル基;1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘキサデカフルオロオクチル基;1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−オクタデカフルオロノニル基;1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−エイコサフルオロデシル基;2−(パーフルオロノニル)エチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−エイコサフルオロウンデシル基、パーフルオロデシルメチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−ドコサフルオロウンデシル基、パーフルオロウンデシル基;2−(パーフルオロデシル)エチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12−ドコサフルオロドデシル基、パーフルオロウンデシルメチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12−テトラコサフルオロドデシル基、パーフルオロドデシル基;2−(パーフルオロウンデシル)エチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13−テトラコサフルオロトリデシル基、パーフルオロドデシルメチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13−ヘキサコサフルオロトリデシル基、パーフルオロトリデシル基;2−(パーフルオロドデシル)エチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14−ヘキサコサフルオロテトラデシル基、パーフルオロトリデシルメチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14−オクタコサフルオロテトラデシル基、パーフルオロテトラデシル基;2−(パーフルオロトリデシル)エチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,15,15−オクタコサフルオロペンタデシル基、パーフルオロテトラデシルメチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,15,15−トリアコンタフルオロペンタデシル基、パーフルオロペンタデシル基等を挙げることができる。
このようなフルオロアルキルスルホン酸の具体例としては、2−(パーフルオロプロピル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロペンタンスルホン酸、パーフルオロペンタンスルホン酸;2−(パーフルオロブチル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキサンスルホン酸、パーフルオロヘキサンスルホン酸;2−(パーフルオロペンチル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−テトラデカフルオロヘプタンスルホン酸、パーフルオロヘプタンスルホン酸;2−(パーフルオロヘキシル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘキサデカフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸;2−(パーフルオロヘプチル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−オクタデカフルオロノナンスルホン酸、パーフルオロノナンスルホン酸;2−(パーフルオロオクチル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−エイコサフルオロデカンスルホン酸、パーフルオロデカンスルホン酸;2−(パーフルオロノニル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−ドコサフルオロウンデカンスルホン酸、パーフルオロウンデカンスルホン酸;2−(パーフルオロデシル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12−テトラコサフルオロドデカンスルホン酸、パーフルオロドデカンスルホン酸;2−(パーフルオロウンデシル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13−ヘキサコサフルオロトリデカンスルホン酸、パーフルオロトリデカンスルホン酸;2−(パーフルオロドデシル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14−オクタコサフルオロテトラデカンスルホン酸、パーフルオロテトラデカンスルホン酸;2−(パーフルオロトリデシル)エタンスルホン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,15,15−トリアコンタフルオロペンタデカンスルホン酸、パーフルオロペンタデカンスルホン酸等を挙げることができる。
また、フルオロアルキルカルボン酸の具体例としては、2−(パーフルオロプロピル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロペンタンカルボン酸、パーフルオロペンタンカルボン酸;2−(パーフルオロブチル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキサンカルボン酸、パーフルオロヘキサンカルボン酸;2−(パーフルオロペンチル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−テトラデカフルオロヘプタンカルボン酸、パーフルオロヘプタンカルボン酸;2−(パーフルオロヘキシル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘキサデカフルオロオクタンカルボン酸、パーフルオロオクタンカルボン酸;2−(パーフルオロヘプチル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−オクタデカフルオロノナンカルボン酸、パーフルオロノナンカルボン酸;2−(パーフルオロオクチル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−エイコサフルオロデカンカルボン酸、パーフルオロデカンカルボン酸;2−(パーフルオロノニル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−ドコサフルオロウンデカンカルボン酸、パーフルオロウンデカンカルボン酸;2−(パーフルオロデシル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12−テトラコサフルオロドデカンカルボン酸、パーフルオロドデカンカルボン酸;2−(パーフルオロウンデシル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13−ヘキサコサフルオロトリデカンカルボン酸、パーフルオロトリデカンカルボン酸;2−(パーフルオロドデシル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14−オクタコサフルオロテトラデカンカルボン酸、パーフルオロテトラデカンカルボン酸;2−(パーフルオロトリデシル)エタンカルボン酸、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,15,15−トリアコンタフルオロペンタデカンカルボン酸、パーフルオロペンタデカンカルボン酸等を挙げることができる。
これらのフルオロアルキルスルホン酸及び/又はフルオロアルキルカルボン酸は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。本発明において、フルオロアルキルスルホン酸及び/又はフルオロアルキルカルボン酸としては、フルオロアルキル基の炭素数が6〜14である化合物が好ましく、特にフルオロアルキル基の炭素数が7〜12である化合物が好ましい。
フルオロアルキルスルホン酸及び/又はフルオロアルキルカルボン酸の配合量は、樹脂皮膜の主成分となる重合体100質量部当たり、1〜100質量部含むことが好ましく、5〜80質量部含むことが更に好ましく、10〜70質量部含むことが特に好ましい。フルオロアルキルスルホン酸及び/又はフルオロアルキルカルボン酸の配合量が1質量部未満では、酸としての添加効果が十分に発揮されず、また100質量部を超えると、樹脂皮膜を形成する組成物の保存安定性が低下する傾向を示す。
樹脂皮膜を構成する組成物には、各種添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば他の水溶性重合体やアルカリ可溶性重合体、界面活性剤、酸発生剤等を挙げることができる。他の水溶性重合体やアルカリ可溶性重合体としては、例えばポリビニルアルコール、ポリメチルビニルエーテル、ポリエチルビニルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリヒドロキシスチレン又はその誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体又はその加水分解物、ポリビニルヒドロキシベンゾエート、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系樹脂等を挙げることができる。これらの他の水溶性重合体あるいはアルカリ可溶性重合体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤の他、市販品として、KP341(商品名、信越化学工業製)、ポリフローNo.75、同No.95(商品名、共栄社油脂化学工業製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352、同EF204(商品名、トーケムプロダクツ製)、メガファックF171、同F173(商品名、大日本インキ化学工業製)、フロラードFC430、同FC431(商品名、住友スリーエム製)、アサヒガードAG710、サーフロンSー382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(商品名、旭硝子製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。前記界面活性剤の配合量は、樹脂皮膜の主成分となる重合体成分の合計100質量部当たり、通常、100質量部以下、好ましくは70質量部以下、特に好ましくは0.1〜50質量部である。
(樹脂皮膜用溶剤)
樹脂皮膜を形成する際に用いる溶剤としては、樹脂皮膜組成物を溶解しうる溶剤、例えば水や、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類の他、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、n−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等を挙げることができる。これらの溶剤は、単独で又は2種以上を混合して使用される。これらの溶剤のうち、パターン2を構成する組成物の溶解度が1質量%以下であることが好ましい。パターン2が式(I)で表される構造単位を有するシロキサン系樹脂を含む場合には、水、アルコール、n−ヘキサン、シクロヘキサンが好ましく、樹脂皮膜組成物がスルホニル基含有単位を含む重合体を含有する場合には、水及び/又はアルコール類を10質量%以上含有する溶剤が好ましい。