JP4370752B2 - 電子透かし検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子透かし検出装置に関し、例えば、著作権の保護、画像改竄検出、各種情報記録等を行うために、動画像に埋め込まれた電子透かし情報を検出する場合などに適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】
従来の動画用電子透かし埋め込み装置としては、次の文献1に示すものがある。
【0004】
文献1: 特開平11−341452号公報
従来、この種の動画用電子透かし埋め込み装置では画質に対する影響を考慮に入れ、動画を構成するフレームに出来るだけ弱い強度で電子透かしを埋め込んでいた。この際後の電子透かし検出において統計的判断を可能にするため動画を構成する全てのフレームに同じ透かし情報を埋め込んでいた。
【0005】
すなわちこの統計的判断に基づく検出では、動画像を構成する連続したフレーム中の画像の内容は、通常、時間経過とともに動的に変化していくが、透かし情報は不変であるため、多数のフレームから統計的に不変の部分を抽出することで、透かし情報を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば編集によって、別の透かし情報(著作権者情報等)を持つ複数の動画像コンテンツを時間軸方向に切断したり結合したりして、新たな一つの動画像コンテンツを構成する場合などには、構成した新たな動画像コンテンツの区間毎に著作権者等が相違するため、区間ごとに別の著作権者情報(例えば、著作権者の氏名やIDなど)を埋め込むことになり、従来の方法では電子透かしの検出がうまく行かない事があって、透かし情報検出の信頼性が低い。
【0007】
これは一般に区間の境界を予め知る事が出来ず、区間ごとに透かし情報自体も変化するため、隣り合う区間に埋め込まれた透かし情報に干渉されて、いずれの透かし情報の検出に関しても、正しい統計的判断を下せない為である。
【0008】
もちろん、区間の境界を明示的に示す境界指示データを動画像コンテンツとともに配信するようにすれば、境界指示データによって画定された区間のなかでのみ上述した不変部分の抽出を実行することで、正しい統計的判断を下すことは可能であると考えられるが、動画像コンテンツと別個にこのような境界指示データを配信することは動画像コンテンツの流通性を阻害して好ましくない。
【0009】
一方、動画像コンテンツに関する編集は、時間軸方向で行われるだけでなく、静止画像と同様、空間軸方向すなわち1フレームのなかで行われることもある。この場合、動画像を構成する1つひとつのフレームに、透かし情報(例えば、著作権者情報)が異なる複数のコンテンツが混在することになる。
【0010】
透かし情報の検出が正常に行えない場合には、例えば、フレーム中の一部の透かし情報の一部の情報項目(例えば、著作権者C1の著作にかかるコンテンツの透かし情報のうち著作権者C1の氏名やIDなどの著作権者情報)に関してのみ使用(例えば、コンテンツのユーザが目視すること)が許可されている場合でも、他の透かし情報の情報項目(例えば、著作権者C2の著作にかかるコンテンツにおいて不正コピーの流通経路を特定するために密かに埋め込んであるコンテンツ購入者情報など)も一緒に検出され、目視されてしまうケースなどが該当する。
【0011】
すなわち、従来の方法では、透かし情報の管理が適切に行えない可能性がある。
【0012】
透かし情報として含まれ得る様々な情報項目のうち、いずれの情報項目をユーザに目視できるようにするか等(例えば、著作権者の氏名は目視させたいが、コンテンツ購入者情報は秘匿したい等)は、本来、著作権者などの意向にしたがって個々のコンテンツごとに決定されるものであるが、異なる著作権者にかかる透かし情報を同じフレーム内に同じ方法で埋め込むかぎり、そのようにきめ細かな処理を行うことは困難である。
【0013】
すなわち、従来の方法では、透かし情報を利用した制御が適切に行えない可能性もある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、明は時系列に処理される所定のコンテンツに対して所定の透かし情報を埋め込む電子透かし埋め込み装置であって、複数の異なる埋め込み態様で前記コンテンツに対する透かし情報の埋め込み処理を実行する機能を持つ埋め込み実行手段と、前記コンテンツに関して時間軸上の区間を指定する区間指定手段とを備え、少なくとも、当該時間軸上で隣接する区間については、透かし情報の埋め込み処理を規定する前記埋め込み態様を相違させる上記電子透かし埋め込み装置で透かし情報を埋め込まれたコンテンツを時系列に処理して当該コンテンツから透かし情報を検出する電子透かし検出装置であって、(1)複数の異なる埋め込み態様に対応する複数の検出態様で、前記コンテンツに対する透かし情報の検出処理を実行する機能を持つ検出実行手段と、(2)当該検出実行手段の動作を制御する検出制御手段とを備え、(3)当該検出制御手段は、前記埋め込み態様を時間軸上で隣接する区間について相違させた時系列なコンテンツから、統計的な処理によって当該区間の検出を行う区間検出状態では、前記検出実行手段に複数の検出態様で並行して検出処理を実行させ、透かし情報を検出する透かし情報検出状態では単一の検出態様で検出処理を実行させることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
(A)実施形態
以下、本発明にかかる電子透かし検出装置を、動画像コンテンツのための電子透かし検出装置に適用した場合を例に、各実施形態について説明する。
【0019】
電子透かしは、コンテンツの制作者や版権者などの著作権者を特定できる著作権者情報などの透かし情報を当該コンテンツ自身に密かに埋め込む技術である。
【0020】
コンテンツに埋め込む透かし情報の情報項目としてどのような項目を設けるかは、本来、著作権者などの意向にしたがって個々のコンテンツごとに決定されるものであるが、電子透かしによって透かし情報をコンテンツに埋め込むことは多くの場合、著作権保護を目的とするものであるから、透かし情報の情報項目としても、前記著作権者情報だけでは必ずしも十分ではなく、同一の制作者が制作した異なるコンテンツと区別するためにコンテンツ自体を特定するためのコンテンツ識別情報、コンテンツを購入した者を特定するコンテンツ購入者情報、ネットワーク経由でコンテンツを利用した者(あるいはコンピュータ端末)を逐次特定するコンテンツ利用者情報、コンテンツのコピーを許可するか否か、許可する場合のコピー回数制限値、現時点のコピー回数などの各種情報項目を包含することが好ましい。
【0021】
コンテンツ識別情報、コンテンツ購入者情報、コンテンツ利用者情報、および現時点のコピー回数などの情報は、著作権法違反の事実や不正な流通経路を特定するのに有効であり、コピーを実行するコピー装置が透かし情報によるコピー回数制限に対応していれば、コピー回数制限値と現時点のコピー回数に応じて、自動的に、回数制限値を超えたコピーを禁止すること等も可能である。
【0022】
なお、電子透かしによって埋め込まれる透かし情報はコンテンツの本来的な構成要素ではなく、コンテンツにとってはノイズの一種であるため透かし情報を埋め込むことは必然的にコンテンツの品質劣化をもたらすが、品質劣化の程度は、様々な方法によって抑制することが可能である。
【0023】
第1〜第8の実施形態に共通する特徴は、時間軸方向(前記区間毎)、または同じ単位データ内に別の方法で透かし情報を埋め込むことで、前記境界指示データ等を用いなくても、異なる透かし情報を区別して検出することを可能とする点にある。
【0024】
(A−1)第1の実施形態の構成
本実施形態にかかる動画用区間別電子透かし埋め込み装置10の構成例は図1に示す通りである。この埋め込み装置10は、動画像コンテンツ(ディジタル動画像)を編集する機能を持つ編集装置(図示せず)に接続して使用するものであってよい。
【0025】
図1において、当該埋め込み装置10は、電子透かし埋め込み部11と、埋め込み方式指定部12と、埋め込み情報の符号化部13と、埋め込み符号の切替部14とを備えている。
【0026】
このうち埋め込み情報の符号化部13は、動画像コンテンツに埋め込もうとする前記透かし情報(埋め込み情報)を、埋め込みやすい形に符号化する部分である。当該符号化部13には、前記編集装置などから前記透かし情報S3と、動画像コンテンツの前記各区間に同期して処理を行うための同期情報S10とが供給され、透かし情報S3を符号化して得られる符号S4を出力する。
【0027】
透かし情報S3には、異なる4通りの透かし情報S3A〜S3Dがあり、透かし情報S3A〜S3Dを符号化して得られる符号にもS4A〜S4Dの4通りがある。そして、符号S4Aは透かし情報S3Aに対応し、符号S4Bは透かし情報S3Bに対応し、符号S4Cは透かし情報S3Cに対応し、符号S4Dは透かし情報S3Dに対応するものとする。
【0028】
ここで透かし情報は、上述した情報項目のうち少なくともいずれか一項目が相違していれば、異なる透かし情報であるといえる。例えば、編集の基礎となる動画像コンテンツの著作権者が4人存在し、4人の著作権者に対応して透かし情報の情報項目のうち著作権者情報の有無またはその内容が相違する場合は異なる透かし情報であるが、それに限らず、コンテンツ識別情報の有無またはその内容が相違する場合、コンテンツ購入者情報の有無またはその内容が相違する場合、コンテンツ利用者情報の有無またはその内容が相違する場合、コピー回数制限の有無またはコピー回数制限値の値が相違する場合、現時点のコピー回数の有無またはその値が相違する場合などはすべて、透かし情報が異なるといえる。
【0029】
また、同期情報S10には、各区間に関し、区間が開始するフレームのフレーム番号である区間開始フレーム番号SNと、当該区間が終了するフレームの番号である区間終了フレーム番号ENと、当該区間に埋め込む透かし情報(当該透かし情報を指定する識別子WD)との対応関係に関する情報(リスト)が含まれていてよい。
【0030】
すなわち、当該リストの構成は、
(区間開始フレーム番号SN:区間終了フレーム番号EN、透かし情報識別子WD)
である。
【0031】
前記符号化部13による符号化は、同期情報S10に合わせて、十分に早いタイミングで完了する必要がある。
【0032】
当該同期情報S10に対応する同期情報S11と、符号S4A〜S4Dを符号化部13から受け取る埋め込み符号の切替部14は、外部に存在する前記編集装置などからフレーム番号S2を受け取ると、埋め込みを行う前記区間に応じた符号を選択して前記埋め込み部11に出力する部分である。
【0033】
前記編集装置による編集後の動画像コンテンツ(フレーム系列)S1は例えば図2に示すようなものである。図2では、時間的に連続して処理される時系列なフレームF1〜F29を示している。このうちフレーム番号1のフレームF1からフレーム番号7のフレームF7までの各フレームF1〜F7によって動画像コンテンツの区間TD1が構成され、同様に、フレーム番号1からフレーム番号7までの各フレームF8〜F14によって区間TD2が構成され、フレーム番号1からフレーム番号6までの各フレームF15〜F20によって区間TD3が構成され、フレーム番号1からフレーム番号9までのフレームF21〜F29によって区間TD4が構成されている。
【0034】
各区間の時間軸方向の長さ(すなわちフレーム数)は、編集作業の内容によって動的に決定されるものであるため、1つの動画像コンテンツS1には長短さまざまの区間が混在し得る。また、フレーム番号として編集前の各動画像コンテンツの内部における相対的なフレームの順番を示す番号を用いるものとすると、図示したように各区間がフレーム番号1のフレームから開始するとはかぎらないし、また編集作業によっては、1区間内でフレームの順番を入れ替えたり、一部のフレームを削除したりすることも起こり得るため、必ずしも1区間内のフレーム番号が連続した番号にならない可能性もあるが、図2ではすべての区間はフレーム番号1のフレームから開始し、1区間内のフレーム番号は連続番号であるものとしている。編集作業に応じて、フレーム番号の入れ替えや削除が発生した場合には、埋め込み装置10に入力する前にフレーム番号の付け替えを行うことによって、連続番号とすることができる。同様に、フレーム番号の付け替えを行うことによって、すべての区間において最初のフレームのフレーム番号を所定の値(例えば、フレーム番号1)とすることができる。
【0035】
ここで、任意の1つの区間内に属する各フレームについては埋め込むべき前記透かし情報が同じ(各情報項目の有無およびその内容が同じ)であるが、異なる隣接区間内のフレーム相互間では、埋め込むべき透かし情報が異なる(各情報項目の有無またはその内容が異なる)。
【0036】
図2上では左方ほど時刻が早いので、図中では、フレーム番号1のフレームF1が最も早期に処理され、フレーム番号9のフレームF29が最も遅く処理される。
【0037】
フレーム番号系列が図2に示すようなものである場合、上述したリストを使用しなくても、フレーム番号1の出現を監視するだけで、区間の境界を検出することも可能である。
【0038】
なお、画像に関する単位データとしてはテレビジョンなどで使用されるフィールドもあるが、コンピュータ内の処理では通常、フレームを使用するため、本実施形態でもフレームを用いている。
【0039】
図2の動画像コンテンツS1およびフレーム番号S2を想定すると、前記切替部14は、フレーム番号1〜7の前記区間TD1では前記符号S4Aを出力し、フレーム番号1〜7の前記区間TD2では前記符号S4Bを出力し、…、フレーム番号1〜9の前記区間TD4では前記符号S4Dを出力することになる。
【0040】
当該切替部14はまた、埋め込み方式指定部12に対して、前記同期情報S11に対応した制御信号S6を供給する機能も備えている。
【0041】
埋め込み方式指定部12は、所定の指定アルゴリズムにしたがって埋め込み方式指定信号S9が指定した埋め込み方式を埋め込み方式制御信号S5として、当該制御信号S6に応じたタイミングで埋め込み部11に伝える部分である。
【0042】
当該埋め込み方式指定部12から埋め込み方式制御信号S5を受け取り、前記切替部14から符号S4A〜S4Dを受け取るとともに、前記編集装置から動画像コンテンツS1を受け取る電子透かし埋め込み部11は、動画像コンテンツS1を構成する各フレームに対し、符号S4A〜S4Dのいずれかの符号を、埋め込み方式制御信号S5で指定された埋め込み方式で埋め込む部分である。
【0043】
各フレームに符号が埋め込まれていない場合には単に埋め込みを行うだけでよいが、各フレームにすでに符号が埋め込まれている場合には、当該符号を消去した上で新しい符号を埋め込むようにしてもよい。ただし当該消去を正確に実行するためには、消去しようとする符号の埋め込みに使用された埋め込み方式に対応した消去操作を行うことが必要である。
【0044】
フレームF1〜F29などの画像フレームの表現方法には、ピクセル(画素)を最小単位として画像を表現するピクセル表現と、余弦波を最小単位とし位相や振幅(あるいは周波数)の異なる複数の余弦波の重ね合わせで画像を表現する周波数表現と、基準となる画像を持つフレームやこの基準となる画像からの差分情報として生成できる予測フレームによって動画像を表現する圧縮表現があり、前記透かし情報の埋め込み方式は、これらの表現方法に応じて相違する。
【0045】
具体的には、ピクセル表現には、光の3原色であるR(赤)、G(緑)、B(青)を使用するRGB表現や、Y(輝度)とCr、Cb(色差)を使用するYCrCb表現などがあり、周波数表現にはDCT(離散コサイン変換)を用いた表現や、フーリエ変換を用いた表現や、ウエーブレット変換(HARR変換)を利用した表現があり、圧縮表現にはMPEG1やMPEG2などに対応した表現があり、これらのうち任意の1表現に関しても、さまざまな埋め込み方式が利用できる。したがって本実施形態で利用可能な埋め込み方式は極めて多様であり、各種の画像処理(アフィン変換(画像の拡大、縮小、回転など)、フィルタ処理、圧縮処理などを含む)、加工処理、伝送等を受けたあとでもコンテンツ上で透かし情報をかなりの程度で保存でき(すなわち、画像処理などに対する耐性強度がそれほど弱くない)、なおかつ画質の劣化をユーザが受容可能なレベルに抑えることのできるさまざまな優れた埋め込み方式が考案されているが、対応できる画像処理の種類や加工処理の種類、画質劣化の程度、適用しやすい画像の内容などは埋め込み方式ごとに異なるため、画像フレームの表現方法や、埋め込み後に各動画像コンテンツが受けることが予測される画像処理の種類や加工の種類、許容できる画質劣化の程度、動画像コンテンツの画像内容などの諸条件に応じて、最も適切な埋め込み方式を選択するようにするとよい。
【0046】
本実施形態で用いる埋め込み方式は、単独の埋め込み方式としての性能が優れていることも重要であるが、それに加えて、隣接する各区間に対して適用する埋め込み方式相互間の関係が重要である。隣接する各区間に対して適用する埋め込み方式相互間の関係は、後述する統計的判断の正否に直接影響するからである。
【0047】
また、一般的に、埋め込んだ透かし情報の画像処理、加工処理や伝送等に対する耐性強度の強さと透かしを埋め込まれた画像の画質の高さとはトレードオフの関係にあるためにここでは埋め込み方式として比較的弱い耐性強度を持つ方式を用いるものとする。ただし、画質を劣化させずに耐性強度の比較的強い埋め込みを行うことが可能であるなら、そのような埋め込みを行うことは本実施形態においても好ましいことは当然である。
【0048】
本実施形態では、これら多様な埋め込み方式のなかから4通りの埋め込み方式MV1〜MV4を候補として用意し、埋め込みを実行する際には埋め込み方式MV1〜MV4のうちのいずれか1つを使用するものとする。
【0049】
ここでは4通りの埋め込み方式MV1〜MV4を用意するものとしたが、用意する埋め込み方式の数は一般的にはN通りである。ここでNは、自然数であるが、必要に応じて、4より多くしてもよく少なくしてもよい。隣接する任意の2つの区間(例えば、区間TD2とTD3)のあいだで明確に相違する埋め込み方式を実行できれば十分であるものとすると、最低、2(N=2)通りの埋め込み方式を用意しておけば足りる。
【0050】
ただし本実施形態の埋め込み装置10に対応する検出装置(例えば、図7に示す検出装置60)では、後述するように、透かし情報埋め込み後の動画像コンテンツS1から透かし情報の検出を行う場合、まず最初に、各区間の識別と各区間で使用されている埋め込み方式の識別を統計的に実行する必要があるが、1つの区間の長さが極めて短い場合もあることや埋め込み方式として耐性強度が比較的弱いものを用いることを考慮すると、必ずしも隣接していなくても時間軸上で距離の近い区間のあいだでは、別の埋め込み方式を選択しておくほうが好ましい。その点では、候補として用意しておく埋め込み方式(例えば、MV1〜MV4)の数Nは、多いほうが有利であるといえる。
【0051】
一般的に動画像の場合、単位時間あたりに処理されるフレームの数は一定(一例としては、1秒間に30フレーム)であるので、時間軸上で各区間が近いか否かは、単純にフレームの数をもとに判定することが可能である。
【0052】
したがって、前記指定アルゴリズムが決定する埋め込み方式指定信号S9は、前記埋め込み方式を例えば、MV1、MV2,MV3,MV4,MV1,…などの順番で、逐次、巡回的に指定するものであってよい。必要に応じて、当該指定アルゴリズムよりも優先して、外部からの強制指定に対応できるようにすることも好ましい。
【0053】
埋め込み部11によって透かし情報を埋め込まれた後の動画像コンテンツS1は、当該埋め込み部11から動画像コンテンツS8として出力される。
【0054】
埋め込み済み動画像コンテンツS8は、LAN(ローカルエリアネットワーク)やインターネットなどのネットワーク経由で送信されることによって、コンテンツ購入者やコンテンツ利用者のあいだを流通したり、DVDなどの記録媒体に記録されることによって流通することになる。
【0055】
前記埋め込み部11の内部構成は例えば図3に示す通りであってよい。
【0056】
図3において、当該埋め込み部11は、フレーム振り分け部20と、埋め込み機構21A〜21Nと、埋め込み符号記録部22とを備えている。
【0057】
埋め込み機構21A〜21Nは、それぞれ異なる埋め込み方式に対応した機構である。本実施形態の場合、埋め込み方式はMV1〜MV4であるため、埋め込み機構21A〜21Nの数は4つである。ここでは、埋め込み機構21Aは埋め込み方式MV1を実行する機能を持ち、埋め込み機構21Bは埋め込み方式MV2を実行する機能を持ち、…、埋め込み機構21Nは埋め込み方式MV4を実行する機能を持つものとする。
【0058】
フレーム振り分け部20は、前記埋め込み方式制御信号S5に応じて、埋め込み機構21A〜21Nのいずれかに動画像コンテンツS1を振り分ける部分である。
【0059】
埋め込み符号記録部22は、入力された前記符号S4A〜S4Dを一時的に記録して埋め込み機構21A〜21Nに供給する部分である。1つの区間に属するフレームにはすべて同じ透かし情報(符号)が埋め込まれるため、符号記録部22における符号の記録は、基本的に、該当する1区間のあいだだけ維持されることになる。
【0060】
以下、上記のような構成を有する本実施形態の動作について説明する。
【0061】
(A−2)第1の実施形態の動作
前記埋め込み装置10に対して動画像コンテンツS1、フレーム番号S2,透かし情報S3A〜S3Dが入力されれば、埋め込み装置10は、いつでも動作を開始することができる。前記編集装置や埋め込み装置10を操作するオペレータや、動画像コンテンツの配信元である著作権者等、および配信先であるコンテンツ購入者やコンテンツ利用者にとって意味のある情報は、これら動画像コンテンツS1、フレーム番号S2,および透かし情報S3A〜S3Dとその組合せである。
【0062】
ただし埋め込み装置10が動作するとき、これらの情報に加えて、前記同期情報S10と埋め込み方式指定信号S9も、当該埋め込み装置に供給される。
【0063】
埋め込み方式指定信号S9が候補として用意した埋め込み方式MV1〜MV4を、MV1、MV2,MV3,MV4,MV1,…の順番で、巡回的に指定すると、埋め込み部11の内部では、フレーム振り分け部20が、動画像コンテンツS1の振り分け先を、21A、21B、…、21N、21A、…の順番で、巡回的に変化させる。また方式指定の変更はフレーム毎もしくは区間毎に行われる。
【0064】
したがって、外部からの強制指定がないかぎり、図2に示す前記区間TD1について埋め込み方式MV1を適用するものとすると、区間TD2には埋め込み方式MV2が適用され、区間TD3には埋め込み方式MV3が適用され、区間TD4には埋め込み方式MV4が適用されることになる。
【0065】
また、外部からの強制指定があったとしてもその強制指定が隣接する区間(直前の区間)と同じ埋め込み方式を指定するものである場合には、その指定を拒否したり警告を発して指定の変更を促すようにすることが好ましい。このような指定を許容すると、統計的に区間の境界を検出し区間を識別することが正常に行えなくなり、当該区間はもちろん、直前の区間の透かし情報の検出にも支障をきたす可能性が高いからである。
【0066】
任意の1区間(例えば、TD1)に対して、該当する埋め込み機構(例えば、21A)が対応する埋め込み方式(例えば、MV1)に基づいて符号(透かし情報)の埋め込みを行っているあいだ、前記同期情報S10,フレーム番号S2等に応じた符号化部13および切替部14の動作によって、埋め込む透かし情報(例えば、S3A)の内容は維持される。
【0067】
1つの区間(例えば、TD2)内ではまったく同じ内容の透かし情報が、まったく同じ埋め込み方式(例えば、MV2)によって埋め込まれ、当該区間に隣接する区間(例えば、TD1とTD3)では、当該区間(TD2)とは異なる埋め込み方式(例えば、MV1,MV3)を使用することによってはじめて、検出装置側で、区間の境界を統計的に正確に検出し、正確な透かし情報を検出することが可能となる。
【0068】
上述した通り、本実施形態で用意した埋め込み方式MV1〜MV4としては、さまざまな埋め込み方式を使用可能であるが、ここでは一例として、前記周波数表現に対応する埋め込み方式を例に説明する。
【0069】
この埋め込み方式では、透かし情報S3A〜S3D(符号S4A〜S4D)を構成する1ビットの値として1を埋め込む場合にはフレーム(例えば、F1)上のある座標の変換係数をその周辺の変換係数から求めた基準値より大きくし、反対に、0を埋め込む場合にはフレーム上のある座標の変換係数をその周辺の変換係数から求めた基準値より小さくすることによって、埋め込みを行う。変換係数の元の値との差を出来るだけ小さくする様基準値との差を調整する事で画質への影響を抑えることができる。
【0070】
ただし上述したようにこの埋め込み方式でも、一般的にはフレーム上の多くの座標において、ある座標の変換係数の元の値は周辺変換係数から求めた基準値とほぼ等しくなると考えられるため、耐性強度の強さは画質の高さとは基本的にトレードオフの関係にあり、基準値との差を大きくして耐性強度を強くすると画質が損なわれてしまう。画質を重視して基準値との差を小さくすれば、耐性強度は、比較的弱いものとなる。耐性強度が弱ければ、上述した画像処理などを行なうと変換係数と基準値との大小関係が反転して、埋め込んだ透かし情報が破壊されてしまう可能性は小さくない。
【0071】
実際にこのような大小関係の反転が起きるか否かは、透かし情報埋め込み済みの動画像コンテンツS8に対して施す画像処理等の種類によって異なり、各フレームの画像の内容によっても相違し得るため、画像処理を受けた結果、あるフレーム(例えば、F1)上である変換係数とある基準値との大小関係が反転したとしても、同じ区間内の別なフレーム(例えば、F7)でも反転するとはかぎらない。
【0072】
ただし動画像コンテンツでは、一般的に、連続するフレーム(例えば、F1とF2)の画像内容はほとんど変化せず強い相関関係を有するため、出来るだけ多くのフレームから検出した結果に基づき統計的判断を行なう必要がある。
【0073】
例えば周辺変換係数から得られた基準値との大小関係で埋め込みを行なう際、基準値との差(各変換係数−基準値)の値、すなわち1符号のフレームごとの信頼度(フレーム内符号信頼度)を各フレームについて足し合わせていき、最終的にその総和の絶対値がある閾値を超える正数なら1、絶対値がある閾値を超える負数なら0とする。このとき絶対値が大きければ大きいほど複数フレームにわたるその符号の値の信頼度(フレーム間符号信頼度)が高いといえる。
【0074】
しかしながら、区間の境界を越えてこの様な値(フレーム間符号信頼度)を蓄積していくと埋め込まれている異なる区間では透かし情報が違うので、時間的に前の区間での符号と反転した符号が埋め込まれている場合、前記フレーム間符号信頼度を下げる方向に働いてしまい正確な統計的判断が出来なくなってしまう恐れがある。
【0075】
また、画質を重視すれば、各フレームに対して透かし情報を比較的低い強度(上の例では基準値との差の絶対値が小さいことに対応)で埋め込む必要があるため、区間の境界に位置するフレーム(例えば、区間TD1の最後尾に位置するフレームF7や、区間TD2の先頭に位置するフレームF8)から検出される透かし情報だけに基づいて、区間の境界を正確に判断することは困難である。さらに、符号すべてにつきフレーム間符号信頼度が低くなる方向に動く訳ではないので、フレーム間符号信頼度の増減(変化方向)での判断も行なえない。
【0076】
これを解決する為に、本実施形態では、区間毎に別の埋め込み方式で透かしを埋め込むという手法をとる。例えばフーリエ係数に透かし情報(符号)を埋め込む埋め込み方式をとる場合、予めフーリエ係数をグループ分けし隣り合う区間では互いに別のグループに透かし情報を埋め込むようにする。
【0077】
例えば、区間TD1で使用する前記埋め込み方式MV1では、フーリエ係数のグループFAに対して透かし情報の埋め込みを行い、区間TD2で使用する埋め込み方式MV2では、フーリエ係数の別なグループFBに対して透かし情報の埋め込みを行う。
【0078】
隣接する各区間に対して適用する埋め込み方式(ここでは、MV1,MV2)相互間にこのような関係を形成しておき、検出側で各埋め込む方式に対応する検出方式を実行する。透かし情報が埋め込まれていない係数から透かしを読み込むと白色雑音的にランダムな分布を示す符号が生成される事になるから、透かし情報が埋め込まれていない係数については、フレーム内符号信頼度を蓄積した結果の絶対値は小さくほぼ0となり、正規の透かし情報が埋め込まれた係数ではフレーム内符号信頼度の蓄積結果の絶対値すなわちフレーム間符号信頼度は大きく、前記閾値を超えることができる。これにより、正確な区間の識別や、透かし情報の検出が可能となる。
【0079】
同様にして、画像処理の影響を排除することが可能である。
【0080】
またウェーブレット変換係数に埋め込む場合には位相をずらして埋め込む事が可能である。通常、離散ウェーブレット変換ではダウンサンプリングを行なう際常に偶数番目の変換係数のみを選択する様になっているが、各レベルで偶数番目の変換係数を選択しようと奇数番目の変換係数を選択しようと、再構成時、ダウンサンプリングする際に選択した位置(偶数番目の位置か奇数番目の位置)に係数を移動させ、間に0を挿入しフィルタをかけて行けば元の画像に戻す事が出来る。nレベルまでウェーブレット変換を行なうと画像(2次元信号)の場合2×2通りの位相ずれに対応したウェーブレット変換を行なう事が出来る。
【0081】
ここでレベルnの変換係数に透かし情報を埋め込めば、埋め込んだ場合とは別の位相でウェーブレット変換して得られる係数からは透かし情報が読めなくなりランダムな符号が生成される事になる。
【0082】
このように検出時に埋め込まれた透かし情報の埋め込み方式に対応しない方式で検出を行なうと基本的にランダムな符号が検出される事になるので、例えば基準値との差を蓄積していくと隣の区間(例えば、埋め込み方式MV3で透かし情報の埋め込みを行った区間TD3に対して埋め込み方式MV4に対応する検出方式を適用すると)ではランダムな符号(負と正の値がランダムに現れ足し合わせれば統計的に0となる)が現れ、蓄積してきた値に大きな影響を与えなくなる。この様な検出符号のランダム性を検出時に検知する事で区間の境界を検知し次の区間に埋め込まれた透かし情報の検出を開始する事になる。
【0083】
特に、本実施形態では、混同する可能性の高い隣接した区間や時間的に近い区間では異なる埋め込み方式を用いるようにしているため、確実に、区間を識別して正確な透かし情報の検出を行わせることが可能である。
【0084】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上の様に本実施形態によれば、動画像コンテンツ(S1)の区間毎に異なる埋め込み方式(MV1〜MV4)を使用して、異なる透かし情報を埋め込むため、検出装置側では統計的な判断に基づいて正確に透かし情報を検出することが可能で、信頼性の高い透かし情報検出を実現することができる。
【0085】
透かし情報検出の信頼性が高いことにより、動画像コンテンツに埋め込んだ各透かし情報の管理を適切に行うことが可能になるとともに、当該透かし情報に基づく制御を適切に行うことも可能となる。
【0086】
また、本実施形態では、強度の比較的弱い埋め込み方式を用いることができるため、透かし情報を埋め込んだあとでも、動画像コンテンツの品質は十分に高い。
【0087】
しかも、本実施形態では、前記境界指示データなどを用いる必要もないため、動画像コンテンツの流通性も高い。
【0088】
(B)第2の実施形態
以下では、本実施形態が第1の実施形態と相違する点についてのみ説明する。
【0089】
本実施形態は、第1の実施形態で必ずしも明確でなかった実時間性を実現するための具体的な構成を提案するものである。
【0090】
ここで、実時間性とは、透かし情報を埋め込み済みの動画像コンテンツを、要求に応じて、動画像に必要な所定のフレーム間隔(一例としては、1秒間に30フレーム)で直ちに出力できる性質である。
【0091】
(B−1)第2の実施形態の構成および動作
本実施形態にかかる動画用区間別実時間電子透かし埋め込みシステム30の構成例は図4に示す通りである。
【0092】
図4において、当該埋め込みシステム30は、動画用区間別電子透かし埋め込み装置31と、フレーム読み込み部32と、フレームカウント部33とを備えている。
【0093】
このうち埋め込み装置31の機能は、基本的に、第1の実施形態の埋め込み装置10と同じである。また、図4中で図1と同じ符号S1,S2,S8を付与した各信号の機能は基本的に第1の実施形態と同じである。
【0094】
ただし本実施形態の埋め込み装置31は、動画像コンテンツS1のなかの1フレームに対する透かし情報(符号)の埋め込みが完了するたびに、埋め込み完了信号S24を出力する機能を備えている点で、第1の実施形態の埋め込み装置10と相違する。
【0095】
フレーム読み込み部32は前記透かし情報の埋め込みを指示する埋め込み開始信号S21を受けたあと、前記埋め込み完了信号S24を受けるたびに、順次キャプチャされる動画像コンテンツS22の各フレームを1枚ずつ読み込み、読み込みのたびに読み込み通知信号S23を出力する部分である。当該動画像コンテンツS22は、図2に示した動画像コンテンツS1と同じものであってよく、フレーム読み込み部32は基本的に、読み込んだ各フレーム系列をそのまま埋め込み装置31に供給する。このフレーム系列が、図4に示した動画像コンテンツS1である。
【0096】
読み込み通知信号S23を受け取るフレームカウント部33は、当該読み込み信号を受け取るたびに出力するフレーム番号の内容を変化させる部分である。この変化は、例えば、単純なインクリメントであってよい。
【0097】
当該フレームカウント部33には前記埋め込み開始信号S21も供給されているため、新たな区間が開始するたびに前記埋め込み開始信号S21を供給してカウント値を初期値(ここでは、0とする)にリセットするようにしておけば、フレームカウント部33が出力するフレーム番号の系列は、図2とまったく同じものとなる。
【0098】
本実施形態の埋め込みシステム30では、実時間でキャプチャされる動画像コンテンツS22の各フレームに指定された区間毎に別の埋め込み方式で区間毎に異なる透かし情報を埋め込み、透かし情報を埋め込み済みの動画像コンテンツS8を、動画像に必要な所定のフレーム間隔(一例としては、1秒間に30フレーム)で出力でき、しかもこのような出力を要求を受けてから直ちに開始することができる構成となっている。
【0099】
また、第1の実施形態では、外部でフレーム番号S2を生成して動画像コンテンツ(フレーム系列)S1とともに供給する必要があったが、本実施形態の場合には、外部から動画像コンテンツS22を供給すれば、フレーム番号S2は、埋め込みシステム30の内部において実時間で生成することができる。
【0100】
(B−2)第2の実施形態の効果
本実施形態によれば、第1の実施形態と同等な効果を得ることができる。
【0101】
加えて、本実施形態では、異なる区間に対し異なる埋め込み方式によって異なる透かし情報を埋め込むことが、確実に、実時間で処理できる。
【0102】
したがって、本実施形態の埋め込みシステム(30)は、例えば、動画像コンテンツを配信するネットワーク上のサーバなどに搭載するのに適している。
【0103】
(C)第3の実施形態
以下では、本実施形態が第1、第2の実施形態と相違する点についてのみ説明する。
【0104】
第1の実施形態の埋め込み装置10でも最終的に出力する透かし情報埋め込み済みの動画像コンテンツ(S8)をDVDなどの記録媒体上に生成されたファイルに書き込むことが可能であるが、本実施形態は、第1の実施形態で必ずしも明確でなかったそのための具体的な構成を提案するものである。
【0105】
(C−1)第3の実施形態の構成および動作
本実施形態にかかる動画用区間別逐次電子透かし埋め込みシステム40の構成例を図5に示す。
【0106】
図5において、当該埋め込みシステム40は、動画用区間別電子透かし埋め込み装置41と、ファイルからのフレーム読み込み部42と、フレームカウント部43と、ファイルへのフレーム書込み部44を備えている。
【0107】
このうち埋め込み装置41の機能は、基本的に、第2の実施形態の埋め込み装置31と同じである。また、図5中で図4と同じ符号S1,S2,S3(A〜D)、S8、S20,S22、S23を付与した各信号の機能は基本的に第2の実施形態と同じである。
【0108】
本実施形態の埋め込み装置41は、動画像コンテンツS1のなかの1フレームに対する透かし情報(符号)の埋め込みが完了するたびに、前記埋め込み完了信号S24を出力する機能を持つ点で、第2の実施形態の埋め込み装置31と同じである。
【0109】
また、基本的に、本実施形態のフレーム読み込み部42は前記フレーム読み込み部32に対応し、フレームカウント部43は前記フレームカウント部33に対応する。
【0110】
ただし本実施形態のフレーム読み込み部42は、フレームカウント部43が出力するフレーム番号S2を基に次に読み込むフレームの先頭アドレスを計算し、埋め込み完了信号S24を受け取るたびに、新たな計算結果(新たな先頭アドレス)を基にファイルからフレームを読み込む操作を繰り返して、動画像コンテンツS22の読み込みを行う。
【0111】
フレームカウント部53のカウント値は最初、初期値0にセットされている。必要に応じ、当該カウント値は、前記埋め込み開始信号S21と同様な信号によって、いつでも初期値にリセットすることができる。
【0112】
ここではフレームの読み込み先のファイルは1つであり、当該ファイルのなかに編集済みの動画コンテンツが格納されていることを前提としているが、フレームの読み込み先のファイルは必ずしも1つである必要はないから、別途、編集作業の内容を論理的に確定しておけば、当該編集作業の内容に応じて読み込み先のファイルを切り替えるようにすることもできる。この場合、読み込み先の各ファイルには編集前の各動画像コンテンツが格納されており、当該読み込みをもって、編集作業の内容を物理的に実現する構成となる。
【0113】
なお、本実施形態では、透かし情報を埋め込んだあとの動画像コンテンツS8は、フレーム書込み部44により、動画像コンテンツS25としてファイルに格納される。
【0114】
このあと、当該ファイルの内容を記録した記録媒体(例えば、DVDなど)は、例えば、動画像コンテンツの購入者に販売されること等により、市場を流通することになる。
【0115】
この書込みにおいても、フレームカウント部43が出力する前記フレーム番号S2が利用される。
【0116】
(C−2)第3の実施形態の効果
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果と同等な効果を得ることができる。
【0117】
加えて、本実施形態では、ファイルから読み込んだ動画像コンテンツに透かし情報を埋め込んだ上で当該動画像コンテンツをファイルに格納することが容易である。
【0118】
(D)第4の実施形態
以下では、本実施形態が第1〜第3の実施形態と相違する点についてのみ説明する。
【0119】
第1〜第3の実施形態では、基本的にすべての区間について何らかの透かし情報を埋め込むことを想定していたが、本実施形態では、動画コンテンツ上の連続する複数の区間のうち、一部の区間についてのみ透かし情報の埋め込みを行い、他の区間については行わない機能を実現するための具体的な構成を提案するものである。
【0120】
(D−1)第4の実施形態の構成および動作
本実施形態にかかる動画像への部分的電子透かし埋め込みシステム50の構成例を図6に示す。
【0121】
図6において、当該埋め込みシステム50は、動画用区間別電子透かし埋め込み装置51と、ファイルからのフレーム読み込み部52と、フレームカウント部53と、ファイルへのフレーム書込み部54と、フレーム読み込み制御部55とを備えている。
【0122】
このうち埋め込み装置51の機能は、基本的に、第2の実施形態の埋め込み装置31と同じである。また、図6中で図5と同じ符号S1,S2,S3(A〜D)、S8、S20,S22、S23を付与した各信号の機能は基本的に第3の実施形態と同じである。また、図6中の埋め込み方式指定信号S9は、図5には示していなかったが、この信号はすでに第1の実施形態で説明した信号であり、第3の実施形態においても当然、使用する信号である。さらに、本実施形態のフレーム読み込み部52は前記フレーム読み込み部42に対応し、フレームカウント部53は前記フレームカウント部43に対応し、フレーム書込み部54は前記フレーム書き込む部44に対応する。
【0123】
したがって本実施形態と第3の実施形態の実質的な相違点は、フレーム読み込み制御部55に関連する部分と、埋め込み区間指定信号DC1に関連する部分にかぎられる。
【0124】
フレーム読み込み制御部55は埋め込み区間指定信号DC1に基づきフレームカウント部55のカウンタに、前記リスト中の埋め込み開始フレーム番号SNと埋め込み終了フレーム番号ENをセットさせる。
【0125】
そして、フレームカウント部53のカウント値が、埋め込み開始フレーム番号SNから埋め込み終了フレーム番号ENまでの範囲内にないときは、読み込んだフレームに対して透かし情報の埋め込みを行わないように制御するとともに、当該範囲内にあるときには透かし情報の埋め込みを行うように制御する。
【0126】
どのようにすれば透かし情報の埋め込みを行わないように制御できるかは、埋め込み装置51などの機能仕様に依存するが、例えば、有効な透かし情報S3A〜S3Dの供給を行わないか、所定の無効な透かし情報を供給するか、あるいは、フレームカウント部53から供給するフレーム番号S2のなかに、埋め込み動作の可否を示す情報を含ませること等により、埋め込みを行わせないことが可能である。
【0127】
埋め込み装置51の機能仕様によっては、図6に示すような構成を取らなくても、有効な透かし情報S3A〜S3Dの供給を行わないことや、所定の無効な透かし情報を供給すること等によって、所望の一部の区間についてのみ透かし情報を埋め込むことができる可能性もある。したがってこの場合には、例えば、図1に示す第1の実施形態によっても、所望の一部の区間についてのみ透かし情報を埋め込むことができる。
【0128】
なお、フレーム読み込み制御部55がフレームカウント部53にセットする埋め込み開始フレーム番号SNと、埋め込み終了フレーム番号ENの組は、複数組であってもかまわないことは当然である。
【0129】
また、特殊な使用方法として、埋め込み開始フレーム番号SNと、埋め込み終了フレーム番号ENの組をフレームカウント部53に1組もセットしなかったり、切れ目なく連続的にセットすることも可能である。切れ目なく連続的にセットした場合、最終的に出力される動画像コンテンツS25の内容は、第3の実施形態の動画像コンテンツS25とまったく同じとなる。
【0130】
(D−2)第4の実施形態の効果
本実施形態によれば、第1および第3の実施形態の効果と同等な効果を得ることができる。
【0131】
加えて、本実施形態では、連続する区間のうち一部の区間だけに透かし情報を埋め込むことが容易である。
【0132】
(E)第5の実施形態
以下では、本実施形態が第1〜第4の実施形態と相違する点についてのみ説明する。
【0133】
本実施形態は第1〜第4の実施形態で埋め込んだ透かし情報を検出するための検出装置に関するものである。したがって、本実施形態の構成は、基本的に第1〜第4の実施形態の構成に対応するもので、その要点の多くは、すでに第1の実施形態において説明している。
【0134】
(E−1)第5の実施形態の構成および動作
本実施形態にかかる動画像区間別電子透かし検出装置60の構成例は図7に示す通りである。当該検出装置60には、動画像コンテンツS8を再生するための再生装置や、複製するためのコピー装置などが接続され得る。
【0135】
図7において、当該検出装置60は、電子透かし検出及び信頼度計算部61と、信頼度蓄積及び解析部62と、埋め込まれた情報の復号部63と、検出された情報とその区間のリスト作成部64とを備えている。
【0136】
このうち信頼度計算部61は、前記解析部62からの検出方式切り替え制御信号SC1に基づいた検出方式で動画像コンテンツS8中の各フレームに埋め込まれた符号の検出及びその符号に関する前記フレーム内符号信頼度(基準値との差の絶対値)の計算を行なう部分で、検出された符号及び計算されたフレーム内符号信頼度は前記解析部62に入力される。
【0137】
なお、一般的な検出方式は、コンテンツに埋め込まれている透かし情報のあるビットが1であるか0であるかを特定できれば十分(すなわち、透かし情報の検出を行うことができれば十分)であるため、このようなフレーム内符号信頼度を求める手順を備えてはいない。
【0138】
透かし情報を埋め込む側の埋め込み装置が例えば第1の実施形態にように埋め込み方式としてMV1〜MV4を用意してある場合、検出装置60内の信頼度計算部61は、これらの埋め込み方式に対応する検出方式NV1〜NV4を用意するものであってよい。ここで、検出方式NV1は埋め込み方式MV1に対応し、検出方式NV2は埋め込み方式MV2に対応し、検出方式NV3は埋め込み方式MV3に対応し、検出方式NV4は埋め込み方式MV4に対応する。
【0139】
これらの対応関係は、方式の用い方が対応しているだけでなく、方式内部の詳細な手順も完全に対応したものであることが必要であるのは当然である。検出方式の実装しだいでは、ここでいう方式の用い方も含めて、各検出方式(例えば、NV1)の手順として記述しておくことができる。
【0140】
例えば、上述したように、埋め込み方式が、フーリエ変換係数をグループ分けしその内の1つのグループに透かし情報を埋め込むものである場合、対応する検出方式でも同じ様にグループ分けし、その中から1つのグループを選択して検出を行なえる様にしなくてはならない。
【0141】
同様に、埋め込み装置側でウェーブレット変換の位相のずれを使って埋め込み方式を選択する場合、信頼度度計算部61においても位相のずれを指定して検出方式を選択できる様にしなければならない。
【0142】
さらに、これらの係数から透かし情報を検出する手順も埋め込みの手順と完全に対応が取れたものでなければならない。例えば上述したように、周辺係数から得られた基準値との大小関係を使って透かし情報を埋め込む場合、検出側でも同じように基準値との大小関係を使って透かし情報を検出しなければならない。
【0143】
当該信頼度計算部61の構成は、例えば、図8に示すようになる。
【0144】
(E−1−1)電子透かし検出及び信頼度計算部61の構成例
図8において、当該信頼度計算部61は、フレーム振り分け部66と、検出機構65A〜65Nと、検出結果統合部67とを備えている。
【0145】
このうち検出機構65Aは前記検出方式NV1を実行する機能を有し、検出機構65Bは前記検出方式NV2を実行する機能を有し、…、検出機構65Nは前記検出方式NV4を実行する機能を有している。
【0146】
埋め込み方式MV1〜MV4の数は、上述したように最低でも2通り以上必要であるから、検出方式NV1〜NV4の数も最低でも2通り以上は必要である。ただし検出装置60と埋め込み装置10は必ずしも1対1に対応するわけではなく、1種類の埋め込み装置10が複数種類の検出装置60に対応する埋め込みを行う機能を備えること等もあるため、検出装置60が搭載している検出方式の数と埋め込む装置10が搭載している埋め込み方式の数は必ずしも同じである必要はない。
【0147】
フレーム振り分け部66を含む信頼度計算部61は大きく分けて2通りの動作モードを持っており、その1つは、上述した区間の識別や埋め込み方式の識別を行うための探索モードであり、もう1つは、区間の識別後に透かし情報を検出するために実行する検出モードである。
【0148】
探索モードでは、例えば、埋め込み方式MV1で透かし情報を埋め込まれた図2に示す区間TD1を処理しているときであっても、まだ区間が識別できず、区間の埋め込み方式がMV1であることを特定できていない段階であるため、候補として用意されているすべての埋め込み方式MV1〜MV4に対応するすべての検出方式NV1〜NV4を実行する必要がある。したがって、当該振り分け部66は、探索モードにあるとき、すべての検出機構65A〜65Nに対して前記動画像コンテンツS8の振り分けを行う。
【0149】
連続する各フレームを限られた時間のなかで処理しなければならない動画像コンテンツを取り扱う以上、振り分け部66がすべての検出機構65A〜65Nに振り分けたときには、検出機構65A〜65Nが同時並列的に各検出方式NV1〜NV4を実行することができるほうが望ましい。
【0150】
これに対し前記検出モードでは、特定した1つの検出方式(例えば、NV1)に対応する1つの検出機構だけを用いて透かし情報の検出を行うので、振り分け部66は、該当する1つの検出機構(例えば、65A)に対してのみ、動画像コンテンツS8を供給する。
【0151】
当該振り分け部66(および信頼度計算部61)が探索モードを取るか、検出モードを取るかは、解析部62から供給される検出方式切替制御信号SC1によって決定される。
【0152】
探索モード(および検出モード)において各検出機構65A〜65Nが該当する検出方式NV1〜NV4を実行した結果として得られる検出信号DT1〜DTNは、検出結果統合部67によって統合され、統合検出信号DTSとして図7上で当該信頼度計算部61の後段に配置された前記解析部62に供給される。
【0153】
検出結果統合部67が出力する統合検出信号DTSの内容は、前記探索モードと検出モードで相違する。すなわち探索モードでは、全ての検出部機構65A〜65Nで得られた検出信号DT1〜DTNの内容(DTX)と、各検出機構を特定する検出機構識別子(65X)によって構成されるリストが出力され、当該リストの構成は、
(検出機構識別子65X、検出結果DTX)
となる。
【0154】
これに対し検出モードの統合検出信号DTSは、ただ一つの特定された検出機構(例えば、65A)から出力される検出信号だけから構成される。
【0155】
探索モードにおいて各検出機構(例えば、65A)から出力される検出信号(例えばDT1)が上述したフレーム内符号信頼度(例えば、前記差(各変換係数−基準値)の絶対値)であるのに対し、検出モードにおいて各検出機構(例えば65A)から出力される検出信号(例えばDT1)はこの例では、当該差の値が正であるか負であるかを示す情報である。
【0156】
このように信頼度を求めるための手順は、各変換係数の値と基準値との差の値を求めるための手順に、当該差の絶対値を求めるための手順を付加したものとなるため、各検出機構(例えば、64A)が実行する検出方式の手順自体も探索モードと検出モードでは相違し得るが、正負符号付きの符号をそのまま解析部62に送り解析部62側で必要に応じて正負符号を除いて絶対値を生成する処理を行うようにすれば、検出機構で実行する検出方式の手順は、探索モードと検出モードで同じとすることができる。
【0157】
前記検出方式切替制御信号SC1を出力する解析部62の構成は、例えば、図9に示すようなものである。前記信頼度計算部61との関係では、当該解析部62は、区間の識別が行えたか否か、および検出方式の識別(すなわち、埋め込み方式の識別)が行えたか否かを判定し、検出方式の識別が完了したとの判定結果が出た場合には、検出方式切替制御信号SC1を変化させ、フレーム振り分け部66(および信頼度計算部61)を探索モードから検出モードに遷移させる。
【0158】
(E−1−2)解析部62の構成例
図9において、当該解析部62は、信頼度及び符号振り分け部70と、信頼度蓄積部71A〜71Nと、検出方式決定部72とを備えている。
【0159】
このうち振り分け部70は、検出方式別に信頼度及び符号を分けて信頼度蓄積部71A〜71Nに振り分ける。
【0160】
これを受けた信頼度蓄積部71A〜71Nではそれぞれの前記フレーム内符号信頼度の蓄積を行い、前記フレーム間符号信頼度を求める。ここで、信頼度蓄積部71Aは前記検出機構65Aに対応し、信頼度蓄積部71Bは前記検出機構65Bに対応し、…、信頼度蓄積部71Nは前記検出機構65Nに対応するものとする。
【0161】
通常、十分な蓄積が行われたあとでは、信頼度蓄積部71A〜71Nのなかのいずれか1つの信頼度蓄積部(例えば、71A)に蓄積されるフレーム間符号信頼度が、他の信頼度蓄積部(例えば、71B〜71N)に蓄積されるフレーム間符号信頼度に比べ、突出して大きくなるが、処理するフレームが属する区間が変化すると(例えば、前記区間TD1からTD2へ変化すると)、それまでとは異なる信頼度蓄積部(例えば、71B)のフレーム間符号信頼度が突出して大きくなる。
【0162】
検出方式決定部72では図10に示したステップP10〜P12に応じた手順にしたがい前記検出方式の識別を実行する。
【0163】
図10に示すステップP10では、現時点の信頼度計算部76の動作モードが前記探索モードであるか、前記検出モードであるかが検査され、前記探索モードであればNo側に分岐する。
【0164】
ステップP10のNo側につづくステップP12では、検出方式が特定できたか否かを検査する。これは、例えば、各信頼度蓄積部71A〜71Nのうちの1つの信頼度蓄積部に蓄積されたフレーム間符号信頼度だけが所定の閾値を超え、他の信頼度蓄積部に蓄積されたフレーム間符号信頼度が当該閾値未満であることをもって、検出方式が特定(識別)できたものとしてもよい。
【0165】
特定できた場合、前記検出機構65A〜65Nのうち特定した当該検出方式に対応した前記検出機構だけを動作させ(P12のYes側)、特定できない場合には、前記検出機構65A〜65Nのすべてを動作させてすべての検出方式NV1〜NV4による探索をつづける(P12のNo側)。ここで、ステップP12がYes側に分岐することは、前記探索モードから検出モードへの遷移の発生を意味する。
【0166】
ステップP10のYes側につづくステップP11では、符号が白色雑音的にランダムに分布しているか否かが検査される。ランダムに分布していれば前記フレーム間符号信頼度が小さく、そうでなければ当該フレーム間符号信頼度が大きい。
【0167】
ランダムに分布している場合にはステップP11はYes側に分岐して前記探索モードを継続し、ランダムに分布していない場合にはステップP11はNo側に分岐して結果の蓄積をつづける。ステップP11のNo側の分岐は、前記検出モードの継続を意味し、Yes側の分岐は検出モードから探索モードへの遷移を意味する。
【0168】
動画像コンテンツS8のある区間(例えば、前記TD1)について信頼度計算部61が検出モードにあるとき、当該区間の境界をすぎて次の区間(例えば、TD2)を処理するようになれば、使用中の検出方式が埋め込み方式に適合しなくなるため、検出モードから探索モードへ遷移する必要が生じる。
【0169】
なお、新たに探索モードへ遷移する場合、それまで信頼度蓄積部71A〜71Nに蓄積してある符号信頼度は、初期値(例えば、0)にリセットする必要がある。
【0170】
検出方式切替制御信号SC1で検出モードを指示している間、検出方式決定部72は、該当する信頼度蓄積部(例えば、71A)のフレーム間符号信頼度を解析結果信号DDとして、図7上で後段に配置されている復号部63に供給する。
【0171】
当該復号部63では、当該解析結果信号DDに対し、第1の実施形態における前記符号化部13の符号化に対応する復号を実行して復号信号DEを出力する。例えば蓄積した基準値との差が結果として渡された場合、絶対値が閾値を超える正の値の場合には1を、負の場合には0を割り当てることで2進符号を得て、この2進符号から埋め込み時に例えば前記符号化部13で使用した符号方式に対応した復号方式で埋め込んだ透かし情報を復号する。
【0172】
当該復号部63の後段の前記リスト作成部64では、前記復号信号DEをもとに、順次復号された透かし情報とその透かし情報が埋め込まれた区間(例えば、TD1)の対をリストとして作成する事になる。動画像コンテンツS8の1つの区間(例えば、TD1)に埋め込まれた透かし情報全体の検出が終了しリストの作成が終了すれば、作成されたリストを出力する。当該リストは、検出装置60による最終的な透かし情報の検出結果であり、検出リストLT1として検出装置60から出力される。
【0173】
一般的に、動画像コンテンツの場合、動画像コンテンツ全体の長さが例えば1時間程度であるとすると、数分置きに透かし情報(この場合は、検出リストLT1)の検出が行えればよいとされることが多いが、この時間間隔が短いほど、透かし情報の管理や透かし情報による制御を、より厳密に行うことができる。
【0174】
(E−2)第5の実施形態の効果
以上の様に本実施形態によれば、第1の実施形態と協働することで、第1の実施形態の効果と同等な効果を得ることができる。
【0175】
すなわち、本実施形態の検出装置(60)では、埋め込み装置側で動画像コンテンツ(S1)の区間毎に異なる埋め込み方式(MV1〜MV4)を使用して、異なる透かし情報を埋め込んでいる場合でも、統計的な判断に基づいて正確に透かし情報を検出することが可能であるため、信頼性の高い透かし情報検出を実現することができる。
【0176】
透かし情報検出の信頼性が高いことにより、動画像コンテンツに埋め込んだ各透かし情報の管理を適切に行うことが可能になるとともに、当該透かし情報に基づく、前記コピー装置や再生装置などの制御を適切に行うことも可能となる。
【0177】
例えば、透かし情報が著作権者の氏名やIDなどを画面表示することを要求している場合、検出装置(60)に接続されている再生装置は、この要求に応じて著作権者の氏名やIDなどを画面表示することが可能である。
【0178】
また、本実施形態では、耐性強度の比較的弱い埋め込み方式を用いることができるため、透かし情報を埋め込んだあとでも、動画像コンテンツの品質は十分に高い。
【0179】
(F)第6の実施形態
以下では、本実施形態が第5の実施形態と相違する点についてのみ説明する。
【0180】
第5の実施形態では、探索モードと検出モードが存在し検出モードでは1つの検出機構だけを動作させたが、本実施形態では、常時、すべての検出機構を動作させ、探索と検出を並列的に実行する。
【0181】
第5の実施形態は検出モードでは1つの検出機構だけを動作させるため、計算量が少ない点で有利であるものの、動画像コンテンツ(S8)のある区間(例えば、TD1)が終了して次の区間(例えば、TD2)を処理するようになると、検出モードから探索モードへの遷移が発生し、この遷移の必要性を認めるまでに一定の処理時間を必要とするため、次の区間(例えば、TD2)の処理が開始されてからしばらくの間は、直前の区間(例えば、TD1)に対応する検出方式による検出モード(無効な検出モード)がつづき、有効に透かし情報の検出が行えない。
【0182】
さらにこの無効な検出モードのあとで探索モードに遷移し、区間の識別および検出方式の識別が終了してはじめて、新たな検出モードに遷移することができる。
【0183】
当該無効な検出モードの期間や、探索モードの期間が長いと、全体として、有効な検出モードの割合が少なくなってしまい、透かし情報の管理や透かし情報による制御が適切に行えなくなる可能性が高くなる。例えば、透かし情報によってコピー回数を制限しようとしても、コピー装置の機能仕様しだいでは、透かし情報の検出自体が正常に行えていない間、不当なコピーが行われてしまう可能性がある。
【0184】
本実施形態はこのような問題点を解決するものである。
【0185】
(F−1)第6の実施形態の構成および動作
本実施形態にかかる動画用区間別電子透かし検出装置75の構成例は図11に示す通りである。
【0186】
図11において、当該検出装置75は、全ての検出法による電子透かし検出及び信頼度計算部76と、信頼度蓄積及び解析部77と、埋め込まれた情報の復号部78と、検出された情報とその区間のリスト作成部79とを備えている。
【0187】
このうち信頼度計算部76は前記信頼度計算部61に対応し、解析部77は前記解析部62に対応し、復号部78は前記復号部63に対応し、リスト作成部79は前記リスト作成部64に対応する。
【0188】
ただし本実施形態では、信頼度計算部61に前記探索モードと検出モードの相違がないため、両モードのあいだでモード切替えを行うための機能は信頼度計算部76と、解析部77に搭載されていない。したがって、本実施形態では、解析部77から信頼度計算部76へ検出方式切替制御信号SC1が供給されることもない。
【0189】
これを受けて、信頼度計算部76の内部構成も、図12に示すように、前記振り分け部66に相当する構成要素を持たないものとなっている。ただしそれ以外の点で、信頼度計算部76は信頼度計算部61と同じであり、その内部において、検出機構80Aは前記検出機構65Aに対応し、検出機構80Bは前記検出機構65Bに対応し、…、検出機構80Nは前記検出機構65Nに対応する。
【0190】
同様に、解析部77の内部構成例を示す図12において、前記検出方式切替制御信号SC1を出力する機能を持たない点を除き、解析部77は前記解析部62と同じであり、信頼度蓄積部83Aは前記信頼度蓄積部71Aに対応し、信頼度蓄積部83Bは前記信頼度蓄積部71Bに対応し、…、信頼度蓄積部83Nは前記信頼度蓄積部71Nに対応し、検出方式決定部84は前記検出方式決定部72に対応する。
【0191】
探索モードと検出モードを持たない本実施形態では、前記検出機構80A〜80Nおよび前記信頼度蓄積部83A〜83Nが常時動作しているため、上述した無効な検出モードに相当する期間においても、すべての信頼度蓄積部83A〜83Nがフレーム間符号信頼度の蓄積を継続している。
【0192】
そして、各フレーム間符号信頼度の蓄積状況(伸張状況)を常時監視することができ、前記無効な検出モードの期間や探索モードの期間に相当する期間が少なくなって、有効な検出モードに相当する期間が長くなる。
【0193】
本実施形態では、信頼度蓄積部83A〜83Nの蓄積するフレーム間符号信頼度は、定期的に、初期値(例えば、0)にリセットするようにしてもよい。
【0194】
(F−2)第6の実施形態の効果
本実施形態によれば、第5の実施形態の効果と同等な効果を得ることができる。
【0195】
加えて、本実施形態では、有効な透かし情報の検出を行うことのできる期間の割合が増大し、可用性が向上する。
【0196】
これにより、透かし情報の管理や透かし情報による制御が適切に行えなくなる可能性が低くなるから、例えば、透かし情報によってコピー回数を制限しようとしても不当にコピーされてしまうこと等の発生確率を十分に低減することができる。
【0197】
(G)第7の実施形態
以下では、本実施形態が第1〜第4の実施形態と相違する点についてのみ説明する。
【0198】
本実施形態は埋め込み装置に関するものであるが、第1〜第4の実施形態の埋め込み装置が時間軸方向に異なる透かし情報を埋め込むものであったのに対し、本実施形態の埋め込み装置は、空間軸方向に異なる透かし情報を埋め込む。
【0199】
すなわち、本実施形態による埋め込みでは、1フレームのなかにも、異なる透かし情報が混在する。
【0200】
なお、このように空間軸方向に異なる透かし情報を埋め込む必要性は、例えば、コンテンツの編集作業を空間軸方向に施した場合などに発生する。
【0201】
(G−1)第7の実施形態の構成および動作
本実施形態にかかる動画用複数電子透かし埋め込み装置85の構成例は、図14に示す通りである。図14から明らかなように、埋め込み装置85の大枠の構造は第1の実施形態とかなり相違するが、細部においては共通点が多い。
【0202】
図14において、当該埋め込む装置85は、複数の埋め込み機構87A〜87Mと、埋め込み情報の符号化部86とを備えている。
【0203】
このうちM(原理上、Mは2以上の自然数であればいくつであってもかまわないが、図14の例では、Mは4より大きい)個の埋め込み機構87A〜87Mの機能は実質的に同じであるので、ここでは主として埋め込み機構87Bに着目して説明を進める。なお、符号化部86は前記符号化部13に対応する部分である。
【0204】
埋め込み機構87Bは、直前の埋め込み機構87Aから受け取った動画像コンテンツ(フレーム系列)に対して符号(透かし情報)MKA〜MKMのうち自身に割り当てられた符号MKBを埋め込み、埋め込み後の動画像コンテンツS8Aを直後の埋め込み機構(図示せず)に渡す機能を持つ。埋め込み機構87Aから受け取る動画像コンテンツS8Aにはすでに受け込み部87Aによって符号MKAが埋め込まれているため、埋め込み機構87Bが出力する動画像コンテンツS8Bには、符号MKAとMKBが埋め込まれていることになる。このように動画像コンテンツS1には、新たな埋め込み機構に供給されるたびに、新たな符号が埋め込まれて行く。
【0205】
最前段の埋め込み機構87Aは直前の埋め込み機構を持たず、最後段の埋め込み機構87Mは直後の埋め込み機構を持たないが、埋め込み機構87Aにとっては、透かし情報を埋め込んでいない動画像コンテンツS1の供給元を直前の埋め込み機構とみなし、埋め込み機構87Mにとってはすべての符号MKA〜MKMを各フレームに埋め込んだ動画像コンテンツS8Mの出力先を直後の埋め込み機構とみなすことができる。
【0206】
符号MKA〜MKMの埋め込みに使用する埋め込み方法は第1の実施形態と同様な埋め込み方式MV1〜MV4を用いるようにしてもよいが、本実施形態の場合、同一のフレーム内で、各埋め込み方式による符号MKA〜MKMの埋め込みが干渉しないように配慮する必要がある。このような干渉が発生すれば、電子透かしに対する攻撃の一種である上書き攻撃を受けた場合と同様な事態が発生する可能性があり、検出装置側で正常な透かし情報の検出を行うことが困難になる可能性があるからである。
【0207】
符号MKA〜MKMのもとになる透かし情報と、その埋め込み方式を、予めリスト形式などによって対応付けておくことも考えられる。この場合、リストを作成する際に、前記干渉が生じないような配慮を行うことができる。
【0208】
(G−2)第7の実施形態の効果
本実施形態によれば、空間軸方向に異なる透かし情報を埋め込むことができる。
【0209】
これにより、検出側では、空間軸方向に埋め込んだ透かし情報(MKA〜MKMに対応)のうち一部の透かし情報だけを検出することなども可能となる。
【0210】
(F)第8の実施形態
以下では、本実施形態が第1〜第7の実施形態と相違する点についてのみ説明する。
【0211】
本実施形態は、第7の実施形態の埋め込み装置85に対応する検出装置を提案するものである。
【0212】
(F−1)第8の実施形態の構成および動作
本実施形態にかかる動画用複数電子透かし検出装置88の構成例は図15に示す通りである。
【0213】
図15において、当該検出装置88は、検出機構89A〜89Mと、信頼度及び符号蓄積部90A〜90Mと、復号部91A〜91Mと、検出情報のリスト作成部92と、検出完了信号統合部93とを備えている。
【0214】
このうち検出機構89A〜89Mの任意の1つの検出機構の機能は、基本的に、検出機構65A〜65Nのいずれかの検出機構の機能に相当する。ただし、前記検出機構65A〜65Nが時間軸方向に異なる透かし情報を埋め込むための埋め込み方式に対応するものであったのに対し、当該検出機構89A〜89Mの機能は、前記埋め込み機構87A〜87Mに応じて、空間軸方向に異なる透かし情報を埋め込むための埋め込み方式に対応するものである点で質的に相違する。
【0215】
検出機構89Aは前記埋め込み機構87Aに対応し、検出機構89Bは前記埋め込み機構87Bに対応し、…、検出機構89Mは前記埋め込み機構87Mに対応する。
【0216】
埋め込み装置85と、検出装置88が必ずしも1対1に対応するわけではないことから、上述した検出装置60と埋め込み装置10の関係と同様、第7の実施形態の埋め込み装置85が備える埋め込み機構87A〜87Mの数と、本実施形態の検出装置88が備える検出機構89A〜89Mの数は必ずしも同じである必要はない。
【0217】
ただし、第1〜第4の実施形態の埋め込み装置では、時間軸上の途中に透かし情報を検出することのできない区間があるとその影響は以降の区間や直前の区間における透かし情報の検出にもおよぶため、すべての区間の透かし情報が、その検出装置(例えば、60)において検出できることが必要であるが、本実施形態の場合には基本的にこのような制限がない。
【0218】
したがって本実施形態では、動画像コンテンツS8Mに、検出装置88において検出することのできない埋め込み方式によって透かし情報が埋め込まれていてもかまわない。すなわち、空間軸方向に埋め込まれた異なる透かし情報のうち、一部の透かし情報は検出装置88で検出できるが、その他の透かし情報は検出することができないことも、本実施形態では許される。
【0219】
このため、本実施形態では、検出装置88のユーザごとに、透かし情報に対して異なる使用権を設定することも可能で、図15中に示す検出機構使用権情報RT1によって、一部の検出機構(例えば、89A)だけを動作させ、他の検出機構(例えば、89B〜89M)を動作させないように制御することもできる。
【0220】
なお、本実施形態の各検出機構89A〜89Mは、各自における透かし情報の検出が完了すると、検出完了信号CLA〜CLMを検出完了信号統合部93に供給する機能を備えている。
【0221】
これを受けて当該検出完了信号統合部93は、すべての検出機構89A〜89Mから検出完了信号CLA〜CLMが供給を受けた場合や、検出機構89A〜89Mのうち、予め検出機構使用権情報RT1に基づいて動作することが判明しているすべての検出機構から検出完了信号の供給を受けた場合に、統合検出完了信号CLSを装置外に出力する。
【0222】
この統合検出完了信号CLSは、例えば、前記コピー装置などが、当該検出装置88と同期を取るために利用することができる。
【0223】
検出機構(例えば、89A)で検出された信頼度(前記フレーム内符号信頼度)や、前記符号は、蓄積部90A〜90Mのうち該当する蓄積部(例えば、90A)に蓄積され、十分な信頼度の蓄積が確認されたとき、蓄積結果は復号部91A〜91Mのうちの該当する復号部に蓄積される。ここで、蓄積部90A〜90Mは、前記信頼度蓄積部83A〜83Nに対応し、復号部91A〜91Mは前記復号部78に対応する部分であるが、本実施形態では透かし情報を空間軸方向に埋め込んでいるため、区間の識別は不要で、透かし情報の識別だけを行えばよい。
【0224】
また本実施形態では、検出機構89A〜89Mごとに異なる復号部91A〜91Mを設けてあるため、各透かし情報の復号を同時並列的に実行することが可能である。
【0225】
ただし復号にそれほど厳密な同時並列性を要しない場合には、1つの復号部、あるいは検出機構89A〜89Mの数よりも少ない数の復号部を用いて、時分割で復号を行うことが可能である。
【0226】
復号部91A〜91Mから出力された復号結果としての復号信号DEA〜DEMを受け取ったリスト作成部92は、前記検出リストLT1に対応する検出リストLT2を出力する。当該検出リストLT2のなかには、検出使用権情報RT1によって動作するように制御された検出機構に対応する復号部(例えば、89Aに対応するのは、91A)から供給された復号信号の内容が含まれている。
【0227】
(H−2)第8の実施形態の効果
本実施形態によれば、空間軸方向に異なる透かし情報を埋め込んだ場合でも、適切に透かし情報の検出を行うことができる。
【0228】
例えば、検出機構使用権情報(RT1)などに応じて、空間軸方向に埋め込んだ透かし情報(MKA〜MKMに対応)のうち一部の透かし情報だけを検出することなども可能となる。
【0229】
(I)他の実施形態
上記第1〜第8の実施形態では動画像コンテンツを例に説明したが、本発明は動画像に限らず、音声データや音楽データなど、時系列に処理されるマルチメディアに関して広く適用することが可能である。
【0230】
また、第1〜第4の実施形態と、第7および第8の実施形態の特徴は相互に排他的ではないため、これらの特徴を併せ持つ装置やシステムを構築することが可能である。
【0231】
例えば、第7および第8実施形態では、同一単位データ内にのみ異なる透かし情報を(異なる埋め込み方式で)埋め込んだが、同一単位データ内複数埋め込み方式に加えて時間軸方向にも異なる透かし情報を埋め込むようにしてもよい。
【0232】
さらに、第1〜第8の実施形態における符号化や復号は省略することが可能である。
【0233】
また、透かし情報は、埋め込む前に暗号化してもよい。これにより、埋め込み方式が第3者に知られた場合などでも攻撃に耐えることができ、高いセキュリティ性を維持することができる。
【0234】
さらに、埋め込み方式の違いを出すためには、埋め込む周波数領域を変える方法、ウエーブレット変換において位相を変えることによって埋め込む方法、実際の係数値を変える際、量子化による方法を選択するか、係数の大小関係によって係数値を変える方法を選択するか等、透かしを埋め込むための係数値修正方法の選択による方法等の使用が考えられる。
【0235】
以上の説明では主としてハードウエア的に本発明を実現したが、本発明はソフトウエア的に実現することも可能である。
【0236】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、コンテンツに対して統計的な処理を施すことによって透かし情報を正確に検出することができるため、高い流通性を維持しながら、透かし情報検出の信頼性を向上することができる。
【0237】
これにより、コンテンツに埋め込んだ各透かし情報の管理を適切に行うことが可能になるとともに、当該透かし情報に基づく制御を適切に行うことも可能となる。
【0238】
また、本発明では、比較的弱い耐性強度しか持たない埋め込み態様を用いることができるから、埋め込み処理を施したあとのコンテンツの品質を高く維持することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る動画用区間別電子透かし埋め込み装置の主要部の構成例を示す概略図である。
【図2】第1〜第8の実施形態で使用する動画像コンテンツの一例を示す概略図である。
【図3】第1の実施形態に係る動画用区間別電子透かし埋め込み装置で使用する電子透かし埋め込み機構の主要部の構成例を示す概略図である。
【図4】第2の実施形態に係る電子透かし埋め込みシステムの主要部の構成例を示す概略図である。
【図5】第3の実施形態に係る電子透かし埋め込みシステムの主要部の構成例を示す概略図である。
【図6】第4の実施形態に係る電子透かし埋め込みシステムの主要部の構成例を示す概略図である。
【図7】第5の実施形態に係る動画用区間別電子透かし検出装置の主要部の構成例を示す概略図である。
【図8】第5の実施形態に係る動画用区間別電子透かし検出装置で使用する電子透かし検出及び信頼度計算部の構成例を示す概略図である。
【図9】第5の実施形態に係る動画用区間別電子透かし検出装置で使用する信頼度蓄積及び解析部の構成例を示す概略図である。
【図10】第5の実施形態の動作説明図である。
【図11】第6の実施形態に係る動画用区間別電子透かし検出装置の主要部の構成例を示す概略図である。
【図12】第6の実施形態に係る動画用区間別電子透かし検出装置で使用する全ての検出法による電子透かし検出及び信頼度計算部の主要部の構成例を示す概略図である。
【図13】第6の実施形態に係る動画用区間別電子透かし検出装置で使用する信頼度蓄積及び解析部の主要部の構成例を示す概略図である。
【図14】第7の実施形態に係る動画用複数電子透かし検出装置の主要部の構成例を示す概略図である。
【図15】第8の実施形態に係る動画用複数電子透かし検出装置の主要部の構成例を示す概略図である。
【符号の説明】
10、31,41,51、85…電子透かし埋め込み装置、11…電子透かし埋め込み部、12…埋め込み方式指定部、13…埋め込み情報の符号化部、14…埋め込み符号の切替部、21A〜21N…埋め込み機構、30,40,50…電子透かし埋め込みシステム、60、75、88…電子透かし検出装置、61…電子透かし検出及び信頼度計算部、62…信頼度蓄積及び解析部、63…埋め込まれた情報の復号部、64…検出された情報とその区間のリスト作成部、65A〜65N…検出機構、S1,S8…動画像コンテンツ、TD1〜TD4…区間、S3A〜S3D…透かし情報、MV1〜MV4…埋め込み方式、F1〜F29…フレーム。

Claims (2)

  1. 時系列に処理される所定のコンテンツに対して所定の透かし情報を埋め込む電子透かし埋め込み装置であって、複数の異なる埋め込み態様で前記コンテンツに対する透かし情報の埋め込み処理を実行する機能を持つ埋め込み実行手段と、前記コンテンツに関して時間軸上の区間を指定する区間指定手段とを備え、少なくとも、当該時間軸上で隣接する区間については、透かし情報の埋め込み処理を規定する前記埋め込み態様を相違させる上記電子透かし埋め込み装置で透かし情報を埋め込まれたコンテンツを時系列に処理して当該コンテンツから透かし情報を検出する電子透かし検出装置であって
    複数の異なる埋め込み態様に対応する複数の検出態様で、前記コンテンツに対する透かし情報の検出処理を実行する機能を持つ検出実行手段と、
    当該検出実行手段の動作を制御する検出制御手段とを備え、
    当該検出制御手段は、前記埋め込み態様を時間軸上で隣接する区間について相違させた時系列なコンテンツから、統計的な処理によって当該区間の検出を行う区間検出状態では、前記検出実行手段に複数の検出態様で並行して検出処理を実行させ、透かし情報を検出する透かし情報検出状態では単一の検出態様で検出処理を実行させることを特徴とする電子透かし検出装置。
  2. 請求項の電子透かし検出装置において、
    前記区間検出状態のなかには、処理中の時系列なコンテンツに関し統計的な処理を実行して前記埋め込み態様を特定することで対応する検出態様を一義的に特定する検出態様特定状態を含むことを特徴とする電子透かし検出装置。
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