JP4370084B2 - サイドエアバッグ装置を備える車両用リアシート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、側面衝突の衝撃から乗員を保護するためのサイドエアバッグ装置を備える車両用リアシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
側面衝突時の車体変形から乗員を保護するための装置として、例えば特開平9−272392号公報に開示されているような、折り畳んだエアバッグとガス発生装置とからなるエアバッグモジュールを主にシートバックの側端部あるいはシートクッションの側端部に収納し、側方からの衝撃を検知した際に車体内面と乗員との間にエアバッグを膨出させるようにした側面衝突用エアバッグ装置が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−272392号公報(段落番号0003、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上述のような側面衝突用エアバッグ装置において、シートの側端面と車体の内面との間に余裕のあるフロントシートの場合は、シートの側端部に収納したエアバッグの膨出が妨げられずに済むが、リアシートの場合は、その側端部と車体との間に隙間が殆ど無いため、エアバッグを車室内へ膨出させる抵抗の低減には限界がある。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消すべく案出されたものであり、その主な目的は、シート側端部と車体との間に隙間が殆ど無い場合でも、エアバッグを車室内へ抵抗なく膨出させることができるように改良されたサイドエアバッグ装置を備える車両用リアシートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的を果たすために、本発明の請求項1は、車室内面と乗員との間に側面衝突時にガスの圧力でエアバッグを展開させて衝撃から乗員を保護するサイドエアバッグ装置を備える車両用リアシートであって、折り畳んだエアバッグとガス発生装置とからなるエアバッグモジュール(9)を、当該リアシート(1)の側端部の背面をなすフレーム板(5)と当該フレーム板に対向し前記リアシートの外部に存在して車体を構成する板金部分(4)との間の空間に配置して前記板金部分に取り付けると共に、当該リアシートの側端部の少なくとも一部に前記エアバッグの膨張力によって変位し得る変位可能部を設け、前記変位可能部が変位して前記エアバッグを車室内に膨出させる隙間(G)が開くようにした。
【0007】
このようにすれば、シートバック或いはシートクッションの側端部が変形し、リアシートの側方からエアバッグが展開し得る。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明に基づき構成されたリアシートの側端部を示している。このリアシート1は、シートバック2とシートクッション3とからなり、公知のリアシートと同様に、その側端部が車体のホイールハウスの膨らみの前側部分を覆うように設けられている。
【0010】
シートバック2は、図2に示すように、車体を構成する板金部分4との対向面(背面)に比較的硬質な合成樹脂材で成型されたフレーム板5が設けられ、そのフレーム板5の前面に発泡ウレタン材からなるパッド6が設けられ、そのパッド6の表面が、織布やビニールレザー等からなる表皮材7で覆われている。そしてフレーム板5のパッド6の当接面の適所には、背面から車室側への押し出し力が加わると折れ曲がるように、溝8が形成されている。
【0011】
フレーム板5と板金部分4との対向面間に形成された空間における溝8が形成された部分に対向する位置に、周知形式のエアバッグモジュール9が収納されている。
【0012】
エアバックモジュール9は、衝突時の衝撃で発する加速度センサなどの信号でガス発生装置が作動し、その時に発生する高圧ガスをエアバッグに吹き込み、エアバッグを瞬時に車室内へ展開させるようになっている。このエアバッグ10の展開に伴う車室内へ向けての膨張力がシートバック2の側端部背面に作用すると、フレーム板5の溝8により形成された線状の薄肉部がヒンジ作用を発揮し、フレーム板5が溝8に沿って折れ曲がり、図3に示すように、シートバック2の側端部の溝8から外側の部分が前方へ押し出される。
【0013】
このようにしてシートバック2或いはシートクッション3の一部にエアバッグ10の膨張力によって変位し得る変位可能部2aを設けることにより、エアバッグ10が膨張する際にシートバック2或いはシートクッション3の側端部と板金部分4つまり車体との間に隙間Gが開き、比較的抵抗なくエアバック10が車室内へ膨出する。この膨出するエアバッグ10によって乗員の上体がいち早く非衝突側へと移動させられ、内向きに変形する車体から乗員が保護される。
【0014】
エアバッグ10を展開させる位置は、シートバック2或いはシートクッション3の側端部の全体に限らず、特に保護効果を高めたい部分を必要に応じて特定することもできる。例えば変位可能部をシートバック2の側端部の縦方向についての一部のみに特定したい場合は、図4に示すように、エアバック10の膨出用開口とする部分の表皮材7を分割し、この分割部と他の一般部との間を適度な張力で切れる糸を用いて縫い繋ぐことにより、特定の部分を断裂し易くなるように構成することができる。このように、縫製線11で断裂部位を特定するものとすることにより、エアバック10の展開性能が表皮材7の物性の違いに影響されないようにすることができる。
【0015】
なお、エアバックモジュール9は、折り畳んだエアバッグとガス発生装置とからなる周知構造のものを利用し得るので、ここでは詳細な説明は省略する。またエアバックモジュールの取付位置は、要はリアシート1のシートバック2或いはシートクッション3の側端部と車体との間に収まれば良く、特に限定されることはない。
【0016】
図5〜図7は本発明の第2の実施形態を示している。この実施形態は、フレーム板5の所定の部分に脆弱部12が設けてあり、エアバッグ10の膨張力によって特定の部分が断裂するようにしてある。またこの脆弱部12に対応してパッド6にはスリット13が設けられ、表皮材7はスリット13に対応する位置で分割され且つ適度な張力で切れる糸を用いて縫い繋がれている。そしてエアバッグモジュール9は、フレーム板5の脆弱部12に近接配置されている。
【0017】
この構成においても、エアバッグ10が膨張する際に、その膨張力によって脆弱部12および縫製線11が断裂してシートバック2(或いはシートクッション3)の特定の部分2aが変位して隙間Gが開き(図8参照)、比較的抵抗なくエアバック10が車室内へ膨出する点は上記第1の実施形態と同様である。
【0018】
図9は本発明の第3の実施形態を示している。この構成においては、フレーム板5は所定位置で分断されると共に、その分断部Sの位置に合わせてパッド6並びに表皮材7も分割され、表皮材7は分割線がシートバック2或いはシートクッション3の表面側で縫い繋がれている。そしてフレーム板5の分断部Sとの対向部にエアバックモジュール9が配置されている。
【0019】
この構成においては、エアバック10が膨張すると、膨張したエアバッグ10がフレーム板5の分断部Sを押し広げる。すると縫製線11にエアバッグ10の膨張力が伝達され、縫製線11が破断して分断部Sに隙間Gが開き、比較的抵抗なくエアバック10が車室内へ膨出する(図10参照)。
【0020】
この縫製線11を所望の位置に設定すれば、エアバッグ10の展開位置を所望の位置に設定し得る。
【0021】
図11に示すように、パッド6を分割し、その端縁部を表皮材7でくるむと共に両者を互いに当接させて表面側で表皮材7を縫い繋ぎ、且つ表皮材7の端縁を分断されたフレーム板5の端縁部に結合するようにしても良い。
【0022】
【発明の効果】
以上詳述した通り本発明によれば、通常はシートの側端部と車体との間に隙間が殆どない場合でも、シートの所望の部位を部分的に断裂し易くすると共に、その部分を変位可能にしたので、シートの背面に設けたエアバッグが膨張する際にシートが妨げとならず、エアバッグを車室内へ抵抗なく膨出させることができる。従って、シートと車体との間に設けられるサイドエアバッグ装置による側面衝突からの乗員保護効果を高める上に多大な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたリアシートの要部斜視図
【図2】図1中のII−II線に沿う要部断面図
【図3】エアバッグの展開状態時の図2と同様な断面図
【図4】本発明の別の適用例を示すリアシートの要部斜視図
【図5】本発明のさらに別の適用例を示すリアシートの要部斜視図
【図6】本発明の第2の実施形態を示す図5中のVI−VI線に沿う要部断面図
【図7】本発明の第2の実施形態を示す図5中のVII−VII線に沿う断面図
【図8】エアバッグの展開状態時の図6と同一面に沿う断面図
【図9】本発明の第3の実施形態を示す図4中のIX−IX線に沿う断面図
【図10】エアバッグの展開状態時の図9と同一面に沿う断面図
【図11】本発明の第3の実施形態の変形例を示す図9と同一面に沿う断面図
【符号の説明】
1 リアシート
2 シートバック
3 シートクッション
4 板金部分
5 フレーム板
6 パッド
7 表皮材
8 溝
9 エアバッグモジュール
10 エアバッグ
11 縫製線
12 脆弱部
13 スリット
Claims (1)
- 車室内面と乗員との間に側面衝突時にガスの圧力でエアバッグを展開させて衝撃から乗員を保護するサイドエアバッグ装置を備える車両用リアシートであって、
折り畳んだエアバッグとガス発生装置とからなるエアバッグモジュールを、当該リアシートの側端部の背面をなすフレーム板と当該フレーム板に対向し前記リアシートの外部に存在して車体を構成する板金部分との間の空間に配置して前記板金部分に取り付けると共に、当該リアシートの側端部の少なくとも一部に前記エアバッグの膨張力によって変位し得る変位可能部を設け、
前記変位可能部が変位して前記エアバッグを車室内に膨出させる隙間が開くようにしてなることを特徴とするサイドエアバッグ装置を備える車両用リアシート。
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