本発明の好ましい実施形態についてここから詳細に説明するが、その例は添付図により例示されており、添付図において、同じ数字は全ての図で同じ要素を示し、下二桁が同じ参照番号(例えば、20と120)は類似の要素を意味する。
(I)定義
本明細書で使用する時、用語「含む」とは、多様な構成要素、成分、又は工程を連帯して本発明を実施する際に使用できることを意味する。それ故に、用語「含む」は、より制限的な用語「から本質的になる」及び「からなる」を包含する。
本明細書で使用する「直接流体連通」という用語は、中間に入れられた層によって実質的な蓄積、輸送、又は制限なしに流体が2つのクリーニングパッドの構成要素又は層(例えば、フロアシート及び吸収層)の間を容易に移動できることを意味する。例えば、ティッシュ、不織布ウェブ、構築接着剤などは、流体が1つの構成要素又は層から他の構成要素又は層まで流体が通るのを実質的に妨げないか又は制限しない限り、「直接流体連通」を維持しながら、別個の2つの構成要素の間に存在できる。
本明細書で使用する「x−y寸法」という用語は、クリーニングパッド又はその構成要素の厚さに直交する平面を指す。X寸法及びY寸法は、クリーニングパッド又はパッド構成要素の長さ及び幅にそれぞれ相当する。一般的に、クリーニングパッドをハンドルと関連して使用するとき、器具は、パッドのY寸法(すなわち、幅)に平行な方向に動く。
本明細書で使用する「z寸法」という用語は、本発明のクリーニングパッド又はその構成要素の長さ及び幅に直交する寸法を指す。したがって、Z寸法は、クリーニングパッド又はパッド構成要素の厚さに相当する。
もちろん、本発明は、四辺を有するクリーニングパッドに限定されない。円形、楕円形など、他の形状を使用することもできる。Z寸法のいずれかの点でパッドの幅を決定する時、パッドはその所期の用途に従って評価されることが理解される。
本明細書で使用する「層」という用語は、その主要寸法がx−y、すなわち、長さ及び幅に沿うクリーニングパッドの部材又は構成要素を指す。層という用語は、材料の単一の層又は単一のシートに必ずしも限定されないことを理解すべきである。したがって、層は、必要な種類の材料のいくつかのシート又はウェブの、積層体又は組み合わせを含むことができる。それ故に、用語「層」は、用語「複数層」及び「層状の」を含む。
本明細書で使用する「親水性」という用語は、上に置かれた水性流体によって湿潤性である表面を指すために使用される。親水性及び湿潤性は、通常、関わる流体及び固体表面の接触角及び表面張力によって定義される。この点については、ロバート・F・ゴールド(Robert F.Gould)によって編集された「接触角、濡れ性と付着(Contact Angle,Wettability,and Adhesion)」という名称のアメリカ化学会の出版物(1964年版権)にて詳細に説明されており、その文献を参考として本明細書に組み入れる。ある表面は、流体とその表面との間の接触角が90度未満のときか、又は流体が表面全体に自然に広がる傾向があるときのいずれかの時に、流体によって湿潤される(すなわち、親水性)といい、通常は両方の状態が共存する。逆に、ある表面は、接触角が90度より大きい場合及び流体が表面全体に自然に広がらない場合に、「疎水性」であるとされる。
クリーニングパッドの層を指す時か又はモップヘッドを指す時、本明細書で使用する「上面」は、通常のクリーニング状態の間、床表面から最も離れている表面を意味する、すなわち、パッドは床表面とモップヘッドとの間に「挟まれている」。
本発明の目的のために、クリーニングパッドの「上側」層は、清潔にされる表面から相対的に更に離れている層である(すなわち、器具の関係では、使用中の器具のハンドルに相対的に近い)。用語「下側」層は逆に、清潔にされる表面に相対的に近いクリーニングパッドの層を意味する(すなわち、器具の関係では、使用中の器具のハンドルから相対的に更に離れている)。したがって、フロアシートは、好ましくは最下層であり、吸収層は、好ましくはフロアシートに関して上側の層である。「上側」及び「下側」は、多プライである層を指す時(例えば、フロアシートが2プライの材料である時)と同様に使用される。層の順番(例えば、第1層、第2層、及び第3層)では、第1層は、第2層に関して「下側」層である。逆に、第3層は、第2層に関して「上側」層である。用語「上」及び「下」は、クリーニングパッドの厚さの中で2又はそれ以上の材料の相対的な位置を説明するために使用される。実例としては、通常のクリーニング状態の間に材料Bが材料Aより床表面に近く配置される場合、材料Aは材料Bより「上」にある。同様に、この例では材料Bは材料Aより「下」にある。
(II)クリーニング器具
床表面をクリーニングするための様々なタイプの湿式クリーニング器具が、ユーザに入手可能である。
従来の湿式クリーニング器具は、典型的には、スポンジ又は吸収性材料のストリングの形体の吸収性材料を有し得る支持体頭部に接続したハンドルを有する。
「最新の」湿式クリーニング器具は、モップヘッドに回転可能に接続したハンドルを有する。これらの器具のモップヘッドは、吸収性クリーニングパッドと機械的に嵌合し、保持するために、モップヘッドの上面又は下面に位置する保持手段を有し得る。これら湿式クリーニング器具のいくつかは、床表面に洗浄溶液を放出するための内蔵式流体放出機構を含む。洗浄溶液は、流体放出機構に取り外し可能に取り付け可能である容器に貯蔵できる。「最新の」クリーニング器具の非限定的な例には、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)によって販売されるスウィファー(SWIFFER)(登録商標)及びスウィファー・ウェットジェット(SWIFFER WETJET)(登録商標)クリーニング器具と、クロロックス社(The Clorox Company)によって販売されるクロロックス・レディーモップ(CLOROX READY-MOP)(登録商標)と、S.C.ジョンソン社(The S.C.Johnson company)によって販売されるグラビット・ゴーモップ(GRABBIT GO-MOP)(商標)が挙げられる。
図1は、モップヘッドの上面に位置する保持手段40を含む、また本発明のクリーニングパッドと機械的に嵌合し、保持するのに適したモップヘッド30に、回転可能に接続したハンドル20を有するそのような「最新の」湿式クリーニング器具10の1例を示している。モップヘッドの上面に位置する保持手段40は、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に譲渡された米国特許第6,305,046号(キングリー(Kingry)ら、2001年10月23日発行)に説明されるものなど、スリットのある偏向可能な構造体であってもよいが、他の種類の保持手段が、クリーニングパッドを保持し、同じ効果を提供するのに適していることを、当業者は理解するであろう。モップヘッドの上面に位置する保持手段の非限定的な例には、米国特許第4,991,250号(ヤング(Young)、1991年2月12日発行)、米国特許第3,698,030号(ロケット(Lockett)、1972年10月17日発行)に説明されるものなど、クランプ、クリップ、フック又はループファスナなどの機械的ファスナ、ピンなどが挙げられる。前述の保持手段は、モップヘッドの側面縁部にも位置し、尚も同じ効果を提供できることも、当業者は理解するであろう。示された例におけるモップヘッド30は、モップヘッド30の前縁部にほぼ隣接して位置し、ハウジング60、及び洗浄溶液を含む容器70に位置する流体放出機構(図示せず)と流体連通であるノズル50も含む。ノズルは、別の方法としては、器具のハンドルに接続し、尚も同じ効果を提供できることを当業者は理解するであろう。
図2は、内蔵式流体放出機構を含まないが、前述のもののようなモップヘッドの上面に位置する保持手段40を含むクリーニング器具の一例を示している。
図3及び図4は、図1に示された湿式クリーニング器具に類似しているが、図4に示されるようなモップヘッド30の下面に位置する保持手段80を含む、そのような「最新の」湿式クリーニング器具10の他の例を示している。モップヘッド30の下面に位置する保持手段80は、本発明のクリーニングパッドと機械的に嵌合し、保持するのに適している。保持手段80は、モップヘッドの下面に取り付けられ、ループファスナと機械的に嵌合し、保持するのに適しているフックファスナであってもよい。保持手段80はまた、モップヘッドの下面に取り付けられて、フックファスナによって嵌合及び保持可能であり、尚も同じ効果を提供するループファスナであってもよいことを当業者は理解するであろう。
次に説明される本発明のクリーニングパッドは、前述のものを含むがそれらに限定されない様々なタイプのクリーニング器具と共に使用可能であることを意図している。
(III)クリーニングパッド
一態様では、本発明は、様々なタイプのクリーニング器具に取り外し可能に取り付け可能である、好ましくは使い捨てであるクリーニングパッドに関し、同パッドは、次の、
(a)少なくとも1つの吸収層と、
(b)クリーニングパッドに接続し、モップヘッドの上に位置する保持手段によって及び/又はモップヘッドの下に位置する保持手段によって嵌合され得る少なくとも1つの取り付け部分と、
(c)クリーニングパッドを、クリーニング器具の上面に位置する保持手段に取り外し可能に取り付けるための少なくとも第1保持可能手段と、
(d)クリーニングパッドを、クリーニング器具の下面に位置する保持手段に取り外し可能に取り付けるための少なくとも第2保持手段と、
(e)任意に、モップヘッドに位置するノズルによって放出される洗浄溶液をブロックすることなく、クリーニングパッドが、同様にモップヘッドに位置する取り付け構造体に取り付け可能であるように、クリーニングパッドの一部分に作製された少なくとも1つの切れ込みと、
(f)任意に、好ましくは孔あき成形フィルム、より好ましくは、先細の若しくはじょうご形の開口及び/又は表面収差を有し、好ましくは疎水性材料を含む、巨視的に伸張された3次元塑性体ウェブである液体透過性フロアシートと、
(g)任意に、多数の平坦な表面と、
(h)任意に、少なくとも1つの機能的カフ、好ましくは少なくとも1つの浮動性ループ状機能的カフと、
(i)少なくとも5g/g、好ましくは少なくとも10g/g、より好ましくは少なくとも20g/gのΤ1200吸収能力と、
(j)任意に、少なくとも1つの吸収層全体にわたる密度勾配であって、同密度勾配が、好ましくは、約0.01g/cm3〜約0.15g/cm3、好ましくは約0.03g/cm3〜約0.1g/cm3、及びより好ましくは約0.04g/cm3〜約0.06g/cm3の密度を有する第1吸収層と、約0.04g/cm3〜約0.2g/cm3、好ましくは約0.1g/cm3〜約0.2g/cm3、及びより好ましくは約0.12g/cm3〜約0.17g/cm3の密度を有する第2吸収層とを含み、第1吸収層の密度が第2吸収層の密度より、約0.04g/cm3、好ましくは約0.07g/cm3、及びより好ましくは約0.1g/cm3少ない密度勾配と、
(k)任意に、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、研磨剤、及びこれらの混合物から成る群から選択される材料を好ましくは含む少なくとも1つの接着剤スクラブ(こすり洗う)ストリップとを含む。
本発明のクリーニングパッドを開発する努力の最中に、異なる種類の保持手段を有する様々なタイプのクリーニング器具と共にクリーニングパッドを使用する可能性は、様々な保持手段によって機械的に嵌合及び保持され得る保持可能手段を有するクリーニングパッドの能力に関係することが発見された。
一実施形態では、クリーニングパッド11は、クリーニング器具と共にそれを使用する間に、同パッドによって吸収されたいかなる流体及び/又は汚れも保持するのに役立つ吸収層21を少なくとも含む。クリーニングパッドの吸収層は、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に譲渡されたPCT国際公開特許WO 00/27271(ポリシッチオ(Policicchio)ら、1999年11月9日出願)に記載されるものなど、当該技術分野において既知のいかなるタイプの吸収性材料から作製されてもよい。クリーニングパッドの吸収層に適した吸収性材料の非限定的な例は、次のセクションVに説明されている。
図5及び図6は、モップヘッドの上面又は下面のどちらかに位置する保持手段に取り外し可能に取り付け可能であるクリーニングパッド11を示している。一実施形態では、吸収層21の前部分及び後部分が、モップヘッドの上面に位置する取り付け構造体によって機械的に嵌合可能であるパッドの第1及び第2取り付けウイング部分121、122を形成するように、パッドの吸収層21は、モップヘッドの幅より大きい幅を有し得る。パッドの取り付けウイング部分121、122は、吸収層の一体的部分であってもよいが、同部分は、吸収層21に接続した材料の別個の層であってもよく、尚も同じ効果を提供することを当業者は理解するであろう。一実施形態では、クリーニングパッド11の幅は、モップヘッドの幅より少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約25%、より好ましくは少なくとも約50%、及び最も好ましくは少なくとも約100%大きい。一実施形態では、クリーニングパッドの幅は、約5cm〜約50cm、好ましくは約10cm〜約40cm、より好ましくは約20cm〜約35cmである。
一実施形態では、クリーニングパッド11は、器具のモップヘッドの下面に位置する保持手段によって機械的に嵌合される。好ましい実施形態では、これらの保持手段は、モップヘッドの下面に取り付けられたフックファスナである。一実施形態では、吸収層21は、モップヘッドの下面に位置するフックファスナによって嵌合及び保持され得る把持可能繊維を有する繊維性材料から作製されてもよい。
他の実施形態では、クリーニングパッド11は、クリーニングパッド11の表面に、好ましくはモップヘッドの下面に位置する保持手段に面するパッドの上面に取り付け得る機械的ファスナ31、41の、少なくとも1本であるが、好ましくは2本のストリップを有してもよい。一実施形態では、機械的ファスナのストリップ31、41は、ループファスナのストリップである。一実施形態では、フックファスナのストリップも、ループファスナのストリップ31、41に加えて又はその代わりにどちらかで、クリーニングパッドの表面に取り付け可能である。とりわけ、フックファスナのストリップは、パッドが、器具のモップヘッドの下面に取り付けられたループファスナに取り外し可能に取り付けられるのを可能にする。
一実施形態では、ループファスナのストリップ31、41は、図5及び図6に示されるようなクリーニングパッド11の上面に取り付け可能である。ループファスナ31、41の非限定的な例には、吸収層21に接着剤で取り付け可能である繊維性材料のストリップが挙げられる。適したループファスナの非限定的な例は、後で説明される不織布材を含む。吸収層21上のループファスナのストリップ31、41の寸法及び位置は、モップヘッドの下のフックファスナの位置と関係することを当業者は理解するであろう。この実施形態では、クリーニングパッド11は、モップヘッドの上面に位置する保持手段を有する第1クリーニング器具のモップヘッドに取り外し可能に取り付け可能であってもよいが、同パッドは、第2クリーニング器具のモップヘッドの下面に位置する保持手段を有する第2クリーニング器具にも取り外し可能に取り付け可能であってもよい。
クリーニングパッドは、便利に包装されるために折り畳まれてもよい。一実施形態では、取り付けウイング部分121、221が、図5及び図6に示されるようにクリーニングパッド11の上面を少なくとも部分的に覆うように、クリーニングパッド11が、第1折り畳み線1121及び第2折り畳み線1221に沿って折り畳まれてもよい。この実施形態では、ループファスナのストリップ31、41は、好ましくは、パッドの取り付けウイング部分121、221の上面に取り付けられる。好ましい実施形態では、ループファスナ31、41の2つの層は、パッド11の折り畳み線1121、1221(すなわち、前縁部及び後縁部)にほぼ隣接している。この実施形態では、パッド11の各取り付けウイング部分121、221の上面は、各取り付けウイング121、221がクリーニングパッド11の上に折り畳まれる時ほぼ上の方を向くウイングの面であることを当業者は理解するであろう。とりわけ、各取り付けウイング部分121、221の上面に取り付けられたループファスナ31、41を有することは、パッド121、221の取り付けウイング部分及びループファスナのストリップを容易に見られるユーザに視覚信号を提供する。その結果、ユーザは、クリーニングパッドがモップヘッドの上面又は下面に位置する保持手段に取り付け可能であることに気付く。パッドの各部分121、221の上面に取り付けられたループファスナ31、41を有するもう1つの効果は、消費者が、ループファスナのストリップ31、41に近づくために、取り付けウイング部分121、221を広げる又は「開ける」必要なしに、フックファスナを有するモップヘッドの下面に、クリーニングパッドを直接取り付け可能なことである。パッドの各取り付けウイング部分の上面に取り付けられたループファスナを有する更にもう1つの効果は、そのようなパッドがモップヘッドの下面に位置するフックファスナに取り付けられる時、各取り付けウイング部分はパッドの中間部分と直接流体連通であり、その結果、吸収層の、結果としてクリーニングパッドのより大きい「体積」が、表面から液体を吸収するために使用できる。
図7は、モップヘッド上面に位置する保持手段に取り付け可能である取り付けウイング部分121、221を有する、「開いた」配置のクリーニングパッド11を示している。
図8に表される一実施形態では、ループファスナ31、41は、取り付けウイング部分121、221と吸収層21の中央部分とに「挟まれる」ように、吸収層21の上面に取り付け可能である。この実施形態では、ユーザは、図9に示されるように、モップヘッドの下面に位置する保持手段にパッドを取り付けるために、ループファスナのストリップ31、41に接近するためにパッド11を「開ける」必要がある。
図10及び図11で表される一実施形態では、クリーニングパッド11は、任意に、しかし好ましくは、クリーニングパッド11の上に位置する、半透過性材料又はほとんど不透過性材料から作製されたバリア(防壁)層51を有する。バリア層51は、バリア層の一方の側面から同層のもう一方の側面まで液体が移動するのをほとんど防ぐ、当該技術分野において既知のいかなる不透過性材料から作製されてもよい。適した材料の非限定的な例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、及び同様のフィルムなどの塑性体が挙げられる。好ましい実施形態では、不透過層51は、ユーザが吸収層に、特に最上の吸収層21に吸収された汚れを見るのを可能にする材料の明瞭な透明フィルムから作製される。明瞭な透明不透過層は、クリーニングパッドを取り換える時間をユーザに知らせるのに有益である。更に、ほとんど不透過層51は、パッド11によって吸収された液体がモップヘッドの下面と接触するのを防ぐのに有益なことがある。
一実施形態では、不透過層51は、不透過層が2つの取り付けウイング部分121、221の上面をほとんど覆うように取り付けウイング部分121、221の上面に位置してもよい。ユーザがモップヘッドの上面に位置する保持手段を有するクリーニング器具と共にクリーニングパッド11を使用することを希望する時、ユーザは、各取り付けウイング部分121、221がモップヘッドの上面に取り付け可能であるように、この不透過層を簡単に破断する、裂く、又は切断してもよい。好ましい実施形態では、不透過層51は、ユーザが不透過層51を「破断する」(すなわち、分離する)のを援助するために、穿孔線151を含む。別個の2つの不透過層を少なくとも部分的に結合することにより、同じ結果が得られることを当業者は理解するであろう。この実施形態では、ループファスナのストリップ31、41は、好ましくは、ユーザが不透過層51を破断する必要なしに、フックファスナを有するモップヘッドの下面にクリーニングパッド11を容易に取り付け得るように、不透過層51の上面に取り付けられる。
図12に表された他の実施形態では、不透過層51は、取り付けウイング部分121、221と吸収層21の中間部分とに「挟まれる」ように、吸収層21の上面に位置してもよい。この実施形態では、ループファスナのストリップ31、41は、前述のように、取り付けウイング部分121、221の上面か又は不透過層51の上面のどちらかに取り付け可能ある。更に他の実施形態では、不透過層51は、各取り付けウイング部分121、221の上面に取り付け可能である。
一実施形態では、各取り付けウイング部分121、221がクリーニングパッドの上面に「粘着」するように、取り付けウイング部分121、221はクリーニングパッド11の上面に少なくとも部分的に取り付け可能である。「少なくとも部分的に取り付ける」ことにより、取り付けウイング部分121、221は吸収層21及び/又は不透過層51の上面に部分的に固着されるが、ユーザはこれらの部分的固着2121、2221を破断することによって各取り付けウイング部分121、221を「分離」できることを意味する。部分的固着2121、2221は、当該技術分野において既知のいかなる方法によっても作ることができることを当業者は理解するであろう。例えば、部分的固着2121、2221は、クリーニングパッドの上面に感圧接着剤を塗布し、次に、各取り付けウイング部分121、221が接着剤と接触するように、同部分を折り畳むことによってつくることができる。部分的固着2121、2221は、取り付けウイング部分121、221をクリーニングパッド11の上面に熱結合することによってもつくることができる。ユーザが取り付けウイング部分121、221をモップヘッドの上に位置する保持構造体に取り付けることを望む時、同部分がユーザによる破断が可能である限り、部分的固着2121、2221は、取り付けウイング部分121、221のどの区域にも形成できる。とりわけ、取り付けウイング部分121、221とクリーニングパッド11の上面との間の部分的(又は裂けやすい)固着は、パッドの構造的一体性を強化すると考えられる。その結果、クリーニングパッド11は、フックファスナを有するモップヘッドの下面に容易に、また便利に取り付け可能である。部分的固着2121、2221は、ユーザがパッドをモップヘッドの下面に位置する保持手段に取り付けるのを希望する時、取り付けウイング部分121、221が前後にめくれるのも防ぐ。
図13は、「開いた」配置で上から見た、また取り付けウイング部分121、221の少なくとも1つに作製された少なくとも1つの切れ込み3121を有してもよいクリーニングパッド11を表している。とりわけ、切れ込み3121は、ユーザが、モップヘッドの上面に取り付けられた、液体を放出するためのノズルを含むモップヘッドの上面に同様に位置する保持手段に、パッド11を取り付けるのを可能にする。切れ込み3121を有する取り付けウイング121は、クリーニング操作中に液体がノズルから放出されるのをブロック又は邪魔しないことを、当業者は理解するであろう。好ましい実施形態では、取り付けウイング部分121、221は両方共、クリーニングパッド11が、クリーニングパッド11の前縁部又は後縁部の配向と無関係にモップヘッドに取り付け可能であるように、切れ込み3121、3221を各々含む。洗浄溶液がクリーニングパッドによってブロック又は邪魔されることなしに、モップヘッドのノズルが、洗浄溶液を硬質表面に分配するのを可能にする限り、いかなるタイプの切れ込みが取り付けウイング部分121、221に作られてもよいことも当業者は理解するであろう。
図14に示される一実施形態では、クリーニングパッド11は、クリーニングパッド11の前縁部及び/又は後縁部に取り付け可能である1又はそれ以上のカフ、好ましくは「浮動性」機能的カフ61を有してもよい。機能的カフ61は、例えばパッドによって集められる微粒子に関して、クリーニングパッドのクリーニング性能を改善する。機能的カフを含むクリーニングパッドは、硬質表面全体にわたって前後にこすりつけられるので、機能的カフが横に「めくれ」、その結果、微粒子物質を集める及び閉じ込める。機能的カフ61は、単層カフ(すなわち、ループ状である単層の材料から作製される)又は二重層カフ(すなわち、共にループ状である2層の材料)のどちらであってもよい。機能的カフの非限定的な例は、どちらもプロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に譲渡されたPCT特許国際公開特許WO00/27271(ポリシチオ(Policicchio)ら、1999年11月9日出願)及びPCT国際公開特許WO02/41747(ポリシチオ(Policicchio)、2000年11月27日出願)に説明されている。
一実施形態では、クリーニングパッド11は、スクラブ層として機能できるフロアシートを有してもよい。一実施形態では、フロアシートは、クリーニングパッド11の吸収層21の下面と流体連通である。適したフロアシートの非限定的な例は、次のセクションVにおいて更に詳細に説明される。
図15及び図16に示される他の実施形態では、クリーニングパッド12は、フロアシート72が第1及び第2取り付けウイング部分172、272を含むように、クリーニング器具のモップヘッドの幅より大きい幅を有し得るフロアシート72と、吸収層12とを有してもよい。第1及び第2取り付けウイング部分172、272は、モップヘッドの上又は下に位置する保持手段によって取り外し可能に嵌合及び保持できる。前述のように、フロアシートの取り付けウイング部分172、272は各々、モップヘッドの上に位置するノズルから液体が放出されるのを可能にする切れ込み1172、1272を有してもよい。一実施形態では、フロアシート72の取り付けウイング部分172、272は、モップヘッドの下面に位置するフックファスナに取り外し可能に適して取り付けられるループファスナタイプの材料から作製できる。一実施形態では、クリーニングパッド12がモップヘッドの下面に位置するフックファスナに取り外し可能に取り付け可能であるように、ループファスナのストリップ32、42は、取り付けウイング部分172、272に、好ましくは取り付けウイング部分の上面に取り付け可能である。一実施形態では、取り付けウイング部分172、272は、クリーニングパッドの上面に折り畳まれて、第1及び第2折り畳み線2172、2272を形成できる。一実施形態では、取り付けウイング部分172、272は、クリーニングパッドの上面に部分的に固着できる、及び/又は前述のように互いに部分的に固着できる。
図17に示される他の実施形態では、クリーンニングパッド14は、少なくとも1つであるが好ましくは多数の吸収層24を含む。一実施形態では、クリーニングパッド14は、少なくとも吸収層24と、吸収層24の下面と直接流体連通であるフロアシート34と、吸収層24の上面に位置するバリア層44と、バッドをモップヘッドの上面に位置する保持手段に取り外し可能に取り付けるための取り付けウイング54、64と、任意にしかし好ましくは、少なくとも1つの機能的カフ74とを含む。
吸収層24は、次に説明される材料のいずれから作製されてもよい。一実施形態では、クリーニングパッド14は、連続的に流体連通であり、また多数の吸収層24によって形成された吸収性コア全体がz軸線に沿った多数の幅を有するように異なる幅を有する、少なくとも2つであるが、好ましくは少なくとも3つの吸収層24を含む。
一実施形態では、バリア層44(バックシート)は、パッド14の吸収性コア内に吸収され、封じ込まれた液体及び汚れを保持すると同時に、モップヘッドの下を乾燥させて清潔に保つのを援助するために、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、及び同様のフィルムなどのほとんど不透過性材料から、又はSMS(スパンボンド、メルトブロウン、スパンボンド)、スパンボンドした、毛羽立てた、熱接着した、若しくは水流交絡したなどの、1又はそれ以上の不織布層を含む半透過性材料から作製できる。一実施形態では、バリア層44は、単一層又は多重層から構成されてもよい。クリーニングパッド14が、内蔵式流体放出機構を有するクリーニング器具と共に使用される時、特にこの流体放出機構が、液体が放出される間に液体をバッド14の裏に滴らせる傾向がある時、バリア層44は、ほとんど不透過性よりも半透過性である方が有益である。理論に束縛されることを意図するものではないが、液体が、半透過性材料から作製されたバリア層44を有するパッド14の裏に滴る場合、その液体は、ほとんど不透過層に貫通し、次に、吸収層24によって吸収され得ると考えられる。半透過性層は、パッドの裏への液体の蓄積を低減する。そうでなければ、ユーザがモップヘッドからパッドを取り外す時に床に潜在的に落ちることがある。適した半透過性材料の1例は、孔あきポリエチレンフィルムである。一実施形態では、開口は、半透過性材料又はほとんど不透過性材料のどちらかから作製されたバリア層44に、穴又はスリットを切断することにより行われてもよい。例えば、開口は、既に形成されたポリエチレンフィルムに作製されてもよく、又はそのフィルムの形成中にフィルムに開口をつくることによって作製されてもよいそのような方法の例は、トレデガー社(Tredegar Industries)によって使用される真空形成技術である。
一実施形態では、クリーニングパッド14は、パッド14の層の1つ、好ましくはバリア層44に取り付け可能な少なくとも1対の取り付けウイング54、64を含む。取り付けウイング54、64は、バリア層44の画定された区域、好ましくはバリア層44の前縁部及び後縁部に隣接する区域に塗布できるホットメルト接着剤などの接着剤で、ビーズ、螺旋、又は溝コーティングなど、当該技術分野において既知のいかなるパターンでも、バリア層44に取り付け可能である。
一実施形態では、取り付けウイング54、64は、プラスチックフィルム、不織布、紙、又はこれらの材料のいかなる組み合わせ若しくは積層体から作製されてもよい。好ましい実施形態では、取り付けウイング54、64は、良好な乾燥強度及び良好な湿潤強度を有する材料から作製される。「乾燥強度」により、材料がほとんど乾燥している時、特に、取り付けウイング54、64が引っ張られ、次にモップヘッドの上に位置する保持手段によって機械的に嵌合される時、ほとんど裂けないか又は過度に拡張しないことを意味する。「湿潤強度」により、材料が濡れた状態である時、材料の構造的特性がほとんど低下しないことを意味する。良好な湿潤強度は、濡れた状態のモップの操作中に、液体が偶発的に取り付けウイング54、64と接触する時に有益である。取り付け手段54、64を作製するために使用される材料の種類を、その機械方向(以後、「MD」」))とする」の特性及び/又はその「横断方向(以後、CD)の特性によって特徴付けすることができる。「機械方向」により、基材のより多数の繊維が向く傾向がある方向を意味することを当業者は理解するであろう。基材は、典型的には機械方向により強く、また機械方向における長さの変化はより少ない。「横断方向」により、機械方向にほぼ垂直な方向を意味する。一実施形態では、材料のMDが、パッドの長さに沿って(すなわち、パッドの前/後縁部に平行に)向き、材料のCDが、パッドの幅に沿って(すなわち、パッドの前/後縁部にほぼ垂直に)向くように、取り付けウイング54、64はクリーニングパッド14に取り付け可能である。理論に束縛されることを意図するものではないが、この実施形態では、CDは、ユーザが取り付けウイングをモップヘッドの上の保持手段に取り付けることを希望する時、同ウイングがユーザによって拡張され、引っ張られる方向であるので、CDの引っ張り特性は、特に取り付けウイング54、64の引裂抵抗に関連すると考えられる。他の実施形態では、材料のCDがパッドの長さに沿って(すなわち、パッドの前/後縁部に平行に)向き、材料のMDがパッド14の幅に沿って(すなわち、パッドの前/後縁部にほぼ垂直に)向くように、取り付けウイング54、64はクリーニングパッド14に取り付け可能である。一実施形態では、パッド14の前/後縁部にほぼ垂直な方向における取り付けウイング54、64の引張り強度は、少なくとも約118g/cm(300g/インチ)、好ましくは少なくとも約196g/cm(500g/インチ)、及びより好ましくは少なくとも約275g/cm(700g/インチ)である。取り付けウイング54、64が保持手段によって適して保持されるために、取り付けウイング54、64を作製するために使用される材料の嵩の程度又は厚さの程度が、注意深く選択されるべきであることも考えられる。一実施形態では、取り付けウイング54、64を作製するために使用される材料は、はさみ尺を使用して689パスカル(0.1psi)の力で測定される時、少なくとも約0.2mm、好ましくは少なくとも約0.25mm、及びより好ましくは少なくとも約0.3mmの厚さを有する。更に、取り付けウイング54、64の剛性は、同ウイングを「操作する」ユーザの能力に影響を与え得ると考えられる。一実施形態では、取り付けウイング54、64を作製するために使用される材料は、少なくとも約15g/sqm(又は15gsm)、好ましくは少なくとも30g/sqm(又は30gsm)、及びより好ましくは少なくとも約40g/sqm(又は40gsm)の坪量を有する。特に、取り付けウイングの一部分が、鋭利な縁部を有することがあるスリットのある偏向可能な取り付け構造体又はグリッパ(つかみ具)内に「押し込まれる」時、取り付けウイング54、64は実質的に引裂抵抗であることも有益であり得る。取り付けウイング54、64が、特にモップ操作中に、モップヘッドの上に位置する保持構造体の中で嵌合したままであるために、取り付けウイング54、64を作製するために使用される材料が、一定量の質感又はざらざらさを有することも有益であり得る。より低い摩擦係数を有する「より平滑な」材料は、潜在的に取り付けウイング54、64をモップヘッドの上に位置する保持手段から滑落させることがある。取り付けウイングを作製するために使用される適した材料の非限定的な例には、スパンボンド、スパンボンド・メルトブロウン・スパンボンド、水流交絡などの不織布が挙げられる。フィルムの形体の塑性体材料は、典型的には不織布より平滑で、破壊抵抗性が少ない傾向があり、取り付けウイング54、64を作製するために好ましくはないが尚も使用可能である。一実施形態では、取り付けウイング54、64は、少なくとも約25gsm、より好ましくは約30gsm、及び更により好ましくは約40gsmの相対的に高い坪量を有する塑性体材料から作製可能である。取り付けウイング54、64は、もう1つの材料に積層可能である塑性体材料のフィルムからも作製可能である。取り付けウイング54、64は、材料の平滑度を低減するために改質可能である塑性体材料、すなわち、コポリマーと共に又は型押しで作製可能である塑性体材料からも作製可能である。この結果を得るために可能な1つの方法は、嵩及び/又はざらざらさをつくるために、フィルムの表面にホットメルトなどを適用することか、又は取り付けウイング54、64の表面にエラストマー材を適用することにもよる。適したホットメルト接着剤の非限定的な例には、HBフラー社(HB Fuller Company)(ミネソタ州セントポール(St.Paul))によって作製されたHL−2238、HL−1461、D−3151、及びHL−1620と、ボスティック・フィンドレー社(Bostik Findley Inc)(ウィスコンシン州ワウワトサ(Wauwatosa))によって作製されたH2737、H2738、H2736、HX5275−01、HX5258−01とが挙げられる。一実施形態では、プラスチックフィルムは、嵩及び/又はざらざらさをつくるために当該技術分野において周知であるリングロールタイプの技術によって変形されるか又は波形化されてもよい。
最新タイプのクリーニング器具の多くは、器具のモップヘッド又はハンドルに、取り外し可能に又は永久に取り付けられたノズルを含む内蔵式流体放出機構を有する。故に、上述のように、取り付けウイング54、64の少なくとも1つが、図17に示されるような切れ込み又は切り取り154を有することが有益なことがある。この切れ込み又は切り取り154は、ユーザが、モップヘッドの上に位置するノズルを有する器具のモップヘッドにクリーニングパッドを取り付けるのを可能にする一方、取り付けウイング54、64によってブロックされるか又は邪魔されることなく、液体がノズルから放出されるのを可能にする。好ましい実施形態では、ユーザがパッド14の前縁部又は後縁部の配向に関係なくクリーニングパッドをモップヘッドに取り付けることができるように、クリーニングパッド14は、各々が切れ込み又は切り取り154を有する1対の取り付けウイング54、64を含む。切れ込み154、164を有する材料の連続層から作製される取り付けウイング54、64を有する代わりに、図18に示されるように同じ縁部に位置する別個のこれら2つの取り付けウイングの間に空間があるように、パッドの各側に、すなわち、パッドの前縁部及び/又は後縁部に、対で取り付けられた別個の4つの取り付けウイング541、542、641、及び642を有するクリーニングパッドを提供することによって同じ結果が得られることを当業者は理解するであろう。
一実施形態では、切れ込み154は、取り付けウイング54のほぼ中央部分を切り取ることによって作製可能である。一実施形態では、切れ込み154、164を各々有する取り付けウイング54、64は、材料のロールから材料の層又はウェブ84を提供し、この層を、図19aに示されるような、好ましくは中央にある対称性の切れ込み184を打ち抜くナイフに当てることによって作製可能である。材料の連続層84から切り取られた材料の部分は、次に、真空を使用してウェブから迅速に取り除かれる。プロセスのこの時点で、材料の層(ウェブ)84は、まだ1片であるが、中央部分が取り除かれている。次に、材料の層は、図19b及び19cに示されるように、別個の2つの取り付けウイング54、64をつくるために、その幅に沿って切断され、中央部分を切り離されてもよい。
図20a〜図20cに表される好ましい実施形態では、取り付けウイング54、64の外側縁部を画定する一方で材料の層84の一体性を維持する穿孔線284をつくるために、材料の層84は、例えば、穿孔ブレードで中央部分を部分的にのみ切断される。単層84の材料は、パッドの残部に関してより均一にたどることができるので、層の一体性を保つことによって製造プロセスを単純化できる。中央の穿孔線284の穿孔は、全て同一寸法を有してもよいか、又は長さが変化してもよいか、又は長い穿孔の後に短い穿孔の連続も含んでもよい。前述のように、穿孔線284は、器具頭部に取り付ける前にユーザが取り付けウイングをほぼ連続する線に沿って容易に分離するのを可能にする。
図21a〜図21cに表される他の実施形態では、取り付けウイング54、64は、「ネスティング」プロセス(入れ子方法)によって作製可能である。「ネスティング」プロセスの間に、図21aに示されるような材料のウェブ84に、対称的で周期的な形384が、切り抜かれる。得られた、また最終的に取り付けウイング54、64を形成する材料の2層が、次に図21bに示されるように整列されてもよい。別個の2層54、64は、例えば、それらの層の1方の、他方に関する速度を増すことによって整列されてもよい。別個の2層が適切に整列されると、これらの層は、その幅に沿って切断されて、図21cに示されるような1対の取り付けウイング54、64を形成し得る。とりわけ、「ネスティング」プロセスは、切れ込み184が層の中央区域で切断される時、前述のように廃棄される材料の量を低減し、そしてクリーニングパッド14の製造プロセスも単純化する。形は、取り付けウイング54又は64によってブロックされることなく液体がノズルから放出されるのを可能にする切れ込み154、164を提供する限り、いかなる対称的な形であってもよい。適した形の非限定的な例には、正弦波形状、三角形、四角形、又はそのいかなる組み合わせも挙げられる。
一実施形態では、一旦取り付けウイング54、64が切断され、任意に、しかし好ましく切れ込みを入れられると、これらのウイングはパッド14に固着される。取り付けウイング54、64は、当該技術分野において既知のいかなる方法によってもパッド14に固着可能である。適した固着方法の非限定的な例には、接着剤結合、ヒートシール、機械的クリンピング(ひだを入れる)、超音波溶接などが挙げられる。
図22に示される一実施形態では、各取り付けウイング54、64は、パッドの前縁部及び後縁部にほぼ隣接可能である第1区域254及び第2区域264に各々固着され得る。好ましい実施形態では、取り付けウイング54、64は、適した固着強度を提供する接着剤のビーズで区域254、264に各々固着される。一実施形態では、各固着区域254、264は、約1mm〜約15mmの幅を有する。パッド14が固定幅Wを有する時、各固着区域254、264の幅はそれより狭く、2つの取り付けウイング54、64間の距離は長いことを当業者は理解するであろう。2つの取り付けウイング54、64間の距離を最適化することは、クリーニングパッドが、幅広のモップヘッドを有するクリーニング器具と共に使用される時、特に有益である。前述のように、取り付けウイング54、64をクリーニングパッドに固着し、適した固着強度を提供する一方、2つの取り付けウイング間の距離を最適化するために、他のタイプの固着方法が使用可能である。例えば、取り付けウイング54、64は、クリーニングパッドのバリア層に熱結合可能であるが、この場合、取り付けウイング及びバリア層を作製するために使用される材料は、結合適合性によって選択されるべきである。
図22及び図23で示される一実施形態では、取り付けウイング54、64は、バリア層44の前縁部及び後縁部に固着されることに加えて、任意に、しかし好ましくはクリーニングパッドのバリア層44に部分的に固着されてもよい。各取り付けウイング54、64は、部分的固着144、244を形成するために、また各取り付けウイング54、64がバリア層44の上面に「粘着」されるように、バリア層の、ある区域に各々部分的に固着されてもよい。部分的固着144、244は、取り付けウイング54、64を引っ張ることによって各取り付けウイングがバリア層の上面で滑動するのを防ぎ、またユーザが部分的固着144、244を「破断する」まで、同ウイングを適所に維持する。理論に束縛されることを意図するものではないが、クリーニングパッド14が、フックファスナを有するモップヘッドの下面に取り付けられる時、部分的固着144、244は、モップ操作中に、特にパッドの吸収層24が、液体を徐々に吸収する時、パッドに働く剪断力によって、クリーニングパッド14がモップヘッドから外れるおそれを最小化すると考えられる。部分的固着144、244は、パッド14に働く剪断力をループファスナの広い部分まで均一に分配するのにも貢献し、その結果、同固着144、244は、ループファスナの局部的区域への剪断強度の集中を回避する。クリーニングパッドをモップヘッドの上に位置する保持手段に取り付けるために、ユーザが取り付けウイング54、64を引っ張るか又は剥がす時、部分的固着144、244は、ユーザによって好ましくは容易に壊れやすいか又は「破断可能」である。適した部分的固着144、244は、当該技術分野において既知のいかなる方法によっても作製可能である。適した方法の非限定的な例には、接着剤結合、ヒートシール、機械的クリンピング、超音波溶接などが挙げられる。一実施形態では、部分的固着144、244は、低レベルのホットメルト接着剤を、バリア層44の上面の、スポット溶接をつくるために好ましくは約36mm2以下である小区域に塗布することによって形成される。
一実施形態では、部分的固着144は、固着区域254と取り付けウイング54の自由縁部354との間のどこに位置してもよい。好ましい実施形態では、固着区域254と部分的固着144との間の距離は、取り付けウイング54の固着区域254と自由縁部354との間の距離の、約1/5〜約4/5、好ましくは約1/3〜約2/3、及びより好ましくは約1/2である。とりわけ、自由縁部354を「非固着」にしておくことは、ユーザが取り付けウイング54の縁部354を把持し、部分的固着144を破断するために取り付けウイング54を引っ張るのを可能にする。部分的固着144の寸法、位置、及び固着強度を適合させることができ、尚も同じ効果を提供できることを当業者は理解するであろう。
一実施形態では、最大ピーク抵抗力に基づく部分的固着の固着強度は、約11g/幅cm(30g/インチ)〜約118g/幅cm(300g/インチ)、好ましくは約11g/幅cm(30g/インチ)〜約78g/幅cm(200g/インチ)、及びより好ましくは約11g/幅cm(30g/インチ)〜約78g/幅cm(200g/インチ)である。部分的固着の最大ピーク抵抗力は、ASTM試験D1876−95(T剥離試験としても既知である、剥離抵抗力のための標準試験方法)に従って測定可能である。好ましい実施形態では、ユーザが取り付けウイング(又は取り付けウイング部分)を剥がし、部分的固着を「破断する」時、取り付けウイング(又は取り付けウイング部分)もバリア層(又はバリア層が存在しない場合、吸収層)も、ほとんど損傷を受けない、すなわち、裂けない。パッドの重量によって部分的固着が破断されないように、部分的固着の強度は、クリーニングパッドの乾燥重量及びパッドの総吸収能力次第で調節可能であることを当業者は理解するであろう。「総吸収能力」により、パッドによって吸収され得る脱イオン水の総量を意味する。クリーニング操作中にパッドに働く剪断力の量は、好ましくは部分的固着を破断させないことを当業者は評価するであろう。
一実施形態では、パッド14の前縁部及び後縁部に隣接して固着した取り付けウイング54、64は、図24に示されるように互いに部分的に固着してもよい。取り付けウイング54、64は、前述のように反対側の別個の2つのウイングの間に少なくとも1つの部分的固着484をつくることによって、又は材料の層のほぼ中央に位置し、前述のように、取り付けウイング54、64をつくるためにユーザによって破断され得る穿孔線284を少なくとも有することのいずれかによって互いに部分的に固着可能である。取り付けウイング54、64間の部分的固着は、フックファスナを有するモップヘッドの下面への、クリーニングパッドの「保持性」を改善する。各取り付けウイングがクリーニングパッドの上面に部分的に固着されない時、及び/又はループファスナのストリップ94、104が、各取り付けウイング54、64の上に位置する時、特に、ループファスナのストリップ94、104が固着区域254、264から離れて位置する時、取り付けウイング54、64間の部分的固着484は、特に価値がある。
前述のように、本発明のクリーニングパッド14は、モップヘッドの上に位置する保持手段を有するクリーニング器具か、又はモップヘッドの下に位置する保持手段を有するクリーニング器具のどちらかと共に使用可能である。典型的には、モップヘッドの下に位置する保持手段は、ループ状の材料の把持可能繊維と機械的に嵌合し、保持するのに適したフック突出部を有するフックファスナである。結果として、フックファスナを有するモップヘッドの下面のクリーニングパッドの「保持性」は、クリーニングパッド上にあるループ状の材料のタイプによって影響を受けることがある。一実施形態では、ループファスナのストリップ94、104は、クリーニングパッド14に、好ましくはモップヘッドのフックファスナによって直接又は間接的に接近可能であるクリーニングパッドの表面に付加されてもよい。適したループファスナの非限定的な例には、3M社(3M Corp.)から入手可能なXPL−99139と、アプリックス社(Aplix Corp.)から入手可能なシリーズ800、804、及び040のループと、ベルコUSA社(Velcro USA Inc.)からのシリーズ1000及び2000とが挙げられる。前述のように、ループファスナのストリップ94、104は、好ましくは、ユーザが取り付けウイング54、64を引っ張る必要なしに、モップヘッドのフックファスナにより直接接近及び嵌合可能であるクリーニングパッド14の外側(又は上)表面に付加される。この形体では、ユーザは、パッドを器具に取り付けるために、クリーニングパッドの上面を、フックファスナを有するモップヘッドの下面に簡単にあてがうことができる。一実施形態では、ループファスナのストリップ94、104が取り付けウイング54、64とバリア層44との間に「挟まれる」ように、同ストリップがバリア層44(又はバリア層が使用されない場合、吸収層)の上面に付加されてもよい。一実施形態では、取り付けウイング54、64は、前述の機能的カフと同じタイプの材料から作製可能である。とりわけ、これらの取り付けウイング54、64は、モップヘッドの上面に保持手段を有するクリーニング器具に取り外し可能に取り付け可能であるのみならず、パッド14が、フックファスナを有するクリーニング器具と共に使用される時、機構的カフ74と同じ効果も提供する。クリーニングパッドが、モップヘッドの下にフックファスナを有する器具と共に使用される時、取り付けウイング54、64の「未使用」部分は、典型的なモップ操作中に床表面と接触できるように、外側に下向きに伸びてもよい。
一実施形態では、各取り付けウイング54、64は、任意に、ユーザがパッド14から取り付けウイング54、64を任意に取り外し得るように、固着区域254、264にほぼ隣接する穿孔線454、464を各々有し得る。これは、フックファスナを有する器具のモップヘッド辺りでパッドを保持するために取り付けウイング54、64が必要でない時の場合であってもよい。
前述のように、ループファスナのストリップ94、104は、バリア層44の上面か、又は取り付けウイング54、64の上面に取り付け可能である。多くのループファスナタイプの材料が、フックファスナ材によって数回嵌合され、それから取り外されるものの、良好な保持特性を維持するように特に設計されるという意味において、同材料は「最適化された」と見られることができる。「最適化されたループ状の材料」により、次に更に詳細に説明される剥離抵抗力試験で測定される時、約200g超過の剥離抵抗力を有する材料を意味する。しかし、フックファスナを有するクリーニング器具と共に使用されるクリーニングパッド14は、パッドが使用され、捨てられる前に、相対的に少ない回数、モップヘッドに取り付けられ、そこから取り外されるだけである。結果として、「最適化された」ループ状の材料は、パッド14をモップヘッドの下面に位置するフックファスナに保持させる必要がないことがある。更に、「最適化された」ループタイプの材料は、かなり費用がかかることがある。様々なタイプのクリーニング器具と共に使用できる適したパッドを提供し、クリーニングパッドの製造費用を最小化するために、クリーニングパッド14は、「最適化された」ループ状の材料の相対的に小さいストリップを含んでもよい。「受け入れ可能な保持特性」により、クリーニングパッド14が、モップ操作中、フックファスナを有するモップヘッドにほとんど取り付けられたままであるべきこと、及び/又はモップヘッドが床表面から揚げられる時モップヘッドにほとんど取り付けられたままであるべきことを意味する。一実施形態では、クリーニングパッド14は、各々が少なくとも約100mm2、好ましくは少なくとも約250mm2、及びより好ましくは少なくとも約500mm2の面積を有する、「最適化された」ループ状の材料の少なくとも2本のストリップ94、104を含む。
驚くべきことに、モップヘッドのフックファスナに取り付けられるクリーニングパッドなど、特定の用途について、他のタイプのループ状の材料が使用可能で、また尚も「最適化された」タイプのループファスナと同じ効果を提供し得ることが判明した。一実施形態では、クリーニングパッド14は、適した程度の把持可能繊維、嵩、及び/又は厚さを有する不織布材から作製されたループファスナ材から作製された取り付けウイング54、64を含んでもよい。フックファスナによって保持されるループファスナタイプの材料の能力、及び結果として、クリーニングパッドがモップヘッドに取り付けられたままである能力は、液体がループファスナタイプの材料によって吸収された場合、低減することがあることが判明した。合成繊維はほとんど疎水性であり、その結果、液体をほとんど吸収しない。好ましい実施形態では、ループファスナは、単層又は多層タイプの材料の形体であってもよい合成繊維を含む不織布材から作製できる。一実施形態では、クリーニングパッド14は、取り付けウイング54、64に、又は前述のようなバリア層44に取り付けられた、不織布のループタイプの材料のストリップ94、104を更に含んでもよい。ループファスナの追加ストリップ94、104がクリーニングパッドに付加される時、取り付けウイング54、64は、約30g超過の剥離抵抗力を有する材料から作製できるが、取り付けウイング54、64は、好ましくは約30g未満の剥離抵抗力を有する材料から作製される。
図25に示される一実施形態では、クリーニングパッド14は、全体的に不織布のループファスナタイプの材料から作製された取り付けウイング54、64を有してもよい。とりわけ、取り付けウイング54、64を作製するために不織布のループタイプの材料を使用すると、ループファスナの追加ストリップが必要ないので、クリーニングパッドの製造プロセスが単純化される。前述のように、嵩の程度に関係する取り付けウイング54、64の厚さは、取り付けウイング54、64が、モップヘッドの上に位置する取り付け構造体によって保持される能力に影響を与えることがある。取り付けウイング54、64の厚さは、取り付けウイングの剛性の程度に影響を与え、その結果、取り付けウイングを「開け」(又は引っ張り)、次にクリーニングパッド14をモップヘッドに取り付けるユーザの能力にも影響を与えることがある。更に、厚い/硬い材料から作製された取り付けウイング54、64は、最初の折り畳まれた形に戻る(又は跳ね戻る)傾向を有することがある。最初の折り畳まれた及び/又は折り畳まれない形に戻るこの傾向は、ユーザに充分に受け入れられないことがある。一方、薄い材料から作製された取り付けウイング54、64は、ユーザが開けるのがより容易で、またユーザが一旦開けると、最初の折り畳まれた及び/又は折り畳まれない形に戻る同じ傾向を有さない。薄い取り付けウイング54、64によって提供される長所は、特に、取り付けウイング54、64が鋭いスリットのある構造体に取り付けられる時、その相対的に弱い引裂抵抗及び低い嵩の程度と釣り合いを取る必要がある。消費者の観点から、薄い取り付け手段の相対的な弱さを制限しようと努力する一方、その長所を提案するために、取り付けウイング54、64が図24に示されるようにパッドの中央部分474で重なるように、クリーニングパッドは、同パッド14の幅の約50%を超える幅を有する取り付けウイング54、64を含んでもよい。取り付けウイング54、64の幅を増大することによって、より多くの材料をモップヘッドのスリットのある各取り付け構造体内に挿入し、その結果、モップヘッド上のクリーニングパッド14の嵩及び/又は保持性を増大するのが可能になることを、当業者は理解するであろう。一実施形態では、取り付けウイング54、64の少なくとも一部分554、564、好ましくはモップヘッドの取り付け構造体によって嵌合される取り付けウイングの部分は、取り付けウイング54、64の残部の厚さより厚い全体的な厚さを有する。
一実施形態では、材料の層は、その部分の厚さを増すために、各取り付けウイング54、64の一部分に固着可能である。
図26に示される他の実施形態では、取り付けウイング54、64の厚さを増す、すなわち、2倍にするために、取り付けウイング54、64を作製するために使用される材料の層の一部分が、その長さに沿って折り畳まれ(又はループ状にされ)、固着されてもよい。更に他の実施形態では、各取り付けウイング54、64は、材料の並置された少なくとも2層から作製できる。とりわけ、各取り付けウイング54、64の少なくとも一部分の厚さを増すことは、取り付けウイングのこの部分の、スリットのある取り付け構造体への保持性を増大し得る。取り付けウイングの少なくとも一部分の厚さを増すことは、モップヘッドの下面でフックファスナへの取り付けウイングの保持性も増大する。
(IV)試験方法
ループタイプのファスナとして使用できる適した不織布又は不織布積層体材料は、次の試験で明らかにされる。これらの試験は、乾燥環境及び湿潤環境の両方におけるクリーニングパッドの使用状態を再現することと、適したループファスナ材の剥離抵抗力を決定することとを目的とする。
「乾燥」試験及び「湿潤」試験
プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)によって販売されるスウィファー・ウェットジェット(SWIFFER WETJET)(登録商標)クリーニングパッドと同一のクリーニングパッドに取り付けられる取り付けウイング又はループファスナのストリップを作製するために、「乾燥」試験及び「湿潤」試験中に様々な不織布材が使用される。更に、クロロックス社(The Clorox Company)によって販売されるレディーモップ(Readymop)(登録商標)クリーニングパッドと、S.C.ジョンソン社(the S.C.Johnson Company)によって販売されるゴーモップ(GoMop)(商標)クリーニングパッドなど、他の市販のクリーニングパッドも同様に試験される。
第1試験は、スウィファー・ウェットジェット(SWIFFER WETJET)(登録商標)クリーニング器具のクリーニングパッドのモップヘッドの下面で、フックファスナへの、ほとんど乾燥したクリーニングパッドの保持性を評価するために行われる。
第2試験は、スウィファー・ウェットジェット(SWIFFER WETJET)(登録商標)クリーニング器具のモップヘッドの下面で、フックファスナへの、約100mlの脱イオン水を吸収したクリーニングパッドの保持性を評価するために行われる。
これら2つの試験は次のように行われる。
ほとんど乾燥したパッドの取り付け試験
数個のクリーニングパッドが、その下面が、約0.91mx0.91m(3フィートx3フィート)の寸法のビニルの床表面に平坦になるように配置される。クリーニングパッドがモップヘッドの下面とほぼ一直線になるように、モップヘッドの下面にフックファスナを有するスウィファー・ウェットジェット(SWIFFER WETJET)(登録商標)クリーニング器具が、クリーニングパッドの上面の上に注意深くあてがわれる。約3.4キロパスカル(0.5psi)の安定した圧力が、約3秒間、下向きにクリーニング器具のハンドルに加えられる。次に、モップヘッドを左から右に移動させつつ、前後の動きで6回、パッドを床表面にこすりつける。同じ動きが右から左に繰り返される。こすりつける動きの間に使用されるクリーニング器具のハンドルに加えられる圧力は、約1.72キロパスカル(0.25psi)である。次に、器具のモップヘッドが床表面から持ち上げられ、床から約30.48cm(12インチ)揚げられる。クリーニングパッドがモップヘッドにほとんど取り付けられたままである場合、このクリーニングパッドは「乾燥試験」を通過したと記録される。クリーニングパッドがモップヘッドから落下した場合、このクリーニングパッドは「乾燥試験」に失敗したと記録される。
ほとんど濡れた状態のパッドの取り付け試験
次に、先の試験の各パッドの下面が上を向くように、実験台に配置される。次に、脱イオン水100mlが均等に各パッドに注がれる。脱イオン水が均等にパッド内に浸透するために、各クリーニングパッドは実験台で約1分間放置される。
前述の「乾燥試験」のように、各クリーニングパッドは、そのフロアシートが同じビニルの床表面で平坦になるように配置される。次に、クリーニングパッドがモップヘッドの下面とほぼ一直線になるように、スウィファー・ウェットジェット(SWIFFER WETJET)(登録商標)クリーニング器具がクリーニングパッドの裏の上に注意深くあてがわれる。約3.4キロパスカル(0.5psi)の安定した圧力が、約3秒間、下向きにクリーニング器具のハンドルに加えられる。次に、左から右へ移動しつつ、前後の動きで6回、パッドを床表面にこすりつける。同じ動きが右から左に繰り返される。こすりつける動きの間に使用されるクリーニング器具のハンドルに加えられる圧力は、約1.72キロパスカル(0.25psi)である。次に、器具のモップヘッドが床表面から持ち上げられて、床から約30.48cm(12インチ)揚げられる。クリーニングパッドがモップヘッドにほとんど取り付けられたままである場合、このクリーニングパッドは、「湿潤試験」を通過したと記録される。クリーニングパッドがモップヘッドから落下した場合、このクリーニングパッドは「湿潤試験」に失敗したと記録される。
(表1で記録された結果の説明)
前述のように、「乾燥試験」及び「湿潤試験」は、取り付けウイングを作製するために、又はパッドに取り付けられたループファスナのストリップを作製するために、ループファスナとして使用できる適した材料を明らかにすることを意図するものである。更に、これらの試験は、クリーニングパッドの適した設計形体(クリーニングパッドの上に部分的に固着した取り付けウイング、互いに部分的に固着した取り付けウイング、ループファスナの追加ストリップの必要性/位置)を明らかにすることも意図するものである。
実施例I、II、及びIIIは、現在市販されている(2002年11月現在)吸収性クリーニングパッドがどれも、様々なクリーニング器具と共に使用可能でないことを証明している。
取り付けウイングを有する実施例I及びIIの吸収性クリーニングパッドは、モップヘッドの上に位置する保持手段を有するクリーニング器具と共に使用するのには適しているが、モップヘッドの下面に位置するフックタイプのファスナを有するクリーニング器具と共に使用できない。
逆に、いかなる取り付けウイングもない実施例IIIの吸収性クリーニングパッドは、モップヘッドの下面にフックファスナを有するクリーニング器具と共には使用できるが、モップヘッドの上面に位置する保持手段を有するクリーニング器具と共に使用できない。
実施例1〜実施例10のクリーニングパッドは、様々な材料から作製され、様々な設計形体を有する取り付けウイングを含むように改良された、スウィファー・ウェットジェット(登録商標)タイプの吸収性クリーニングパッドである。実施例1〜実施例10のパッドの取り付けウイングは、モップヘッドの上面に位置する保持手段を有する器具にパッドを取り外し可能に取り付けるのに適している。実施例1〜実施例10では、取り付けウイングは、パッドをフックタイプのファスナに取り外し可能に取り付けるために使用される単独の保持手段である、すなわち、ループファスナ材の追加ストリップがパッドに付加されない。
実施例1、実施例2、及び実施例3のパッドの取り付けウイングは、同一材料(すなわち、40gsmのスパンボンド材)から作製され、特にクリーニングパッドが濡れた状態の時、取り付けウイングとパッドの上面との間の部分的固着、又は互いに面する取り付けウイング間の部分的固着(穿孔線)をつくる効果を示している。
実施例4のパッドの取り付けウイングは、実施例1の取り付けウイングと同じ設計形体を有する、すなわち取り付けウイングには部分的固着がない、しかし異なる坪量(20gsmのスパンボンド材)を有する材料から作製される。
実施例5のパッドの取り付けウイングは、実施例4の取り付けウイングと同じ材料から作製されるが、異なる設計形体を有する、すなわち、それらはクリーニングパッドの上面に部分的に固着している(実施例2におけるように)。実施例5は、低い坪量を有する材料でも、取り付けウイングとパッドの上面との間の部分的固着が有益で、パッドの保持性を強化し得ることを示している。
実施例6の取り付けウイングは、実施例4及び実施例5の取り付けウイングと同じ材料から作製され、穿孔線により互いに部分的に固着している。
実施例7の取り付けウイングは、そうでない実施例6の取り付けウイングと比較して、パッドの上面に追加的に固着されている。実施例6及び実施例7は、取り付けウイングとパッドの上面との間の部分的固着をつくる効果及び優越性までも証明している。
更に、実施例3及び実施例6は、取り付けウイングを作製するために使用される材料の坪量、厚さ、及び剛性の程度が、特にクリーニングパッドが濡れた状態の時、クリーニングパッドの保持性に影響を及ぼし得ることを示している。
実施例8〜実施例10のクリーニングパッドの取り付けウイングは、同じ設計形体を有する、すなわち、ウイングはパッドの上面に部分的に固着し、また穿孔線によって互いに部分的に固着しているが、様々な坪量を有する材料(スパンボンド/メルトブロウン/スパンボンド)から作製されている。
驚くべきことに、この特定の設計形体で、「乾燥試験」及び「湿潤試験」の両方を通過した唯一のクリーニングパッドは、最も低い坪量の材料から作製されたウイングを有するクリーニングパッドであることが判明した。理論に束縛されることを意図するものではないが、このタイプの不織布材(SMS)のメルトブロウン成分は、同材料の把持可能繊維のいくつかを束縛する傾向を有すると考えられる。更に、SMS材は、実施例1〜実施例7で試験されたスパンボンド材より低い程度の把持可能繊維を有する。フックファスナのフック突出部は、最も低い坪量を有する材料の層をより良好に「貫通」できることも考えられる。最も低い坪量を有する材料を「貫通」するこの能力によって、特にクリーニングパッドが濡れた状態の時、実施例10の取り付けウイングが、モップヘッドの下面へのパッドの保持性を強化する理由を説明できる。
実施例11〜実施例19のクリーニングパッドは、ループファスナ材の追加ストリップを含むように改良されたスウィファー・ウェットジェット(SWIFFER WETJET)(登録商標)、レディーモップ(READY-MOP)(登録商標)、又はゴーモップ(GO-MOP)(登録商標)タイプのクリーニングパッドのいずれかである。
実施例11及び実施例12のクリーニングパッドの取り付けウイングは、同じタイプの材料から作製されるが、異なる設計形体を有する。現在市販されているスウィファー・ウェットジェット(SWIFFER WETJET)(登録商標)クリーニングパッドのバリア層上に位置するものなど、「最適化された」タイプのループファスナ(3MXPL−99139)の追加ストリップが、各取り付けウイングの上面に固着された。実施例11及び実施例12は、取り付けウイングの設計形体に関係なくクリーニングパッドがモップヘッドの下面への優れた保持性を証明することを示している。理論に束縛されることを意図するものではないが、これらのパッドの優れた保持性は、ループファスナの「最適化された」ストリップの、高度の把持可能繊維のためであると考えられる。
実施例13のパッドのループファスナの追加ストリップは、孔あき成形フィルムと積層した通気性不織布材から作製される。通気性不織布構成成分は、高融点ポリマーである内側コアと、低融点ポリマーである外側シースとを有する合成2成分繊維100%から構成される。このタイプの不織布材は、高度の把持可能繊維を有し、その結果、その一体性を増すための型押しは必要でない。材料の一体性は、この基質を形成するために繊維を融合させる、2成分の外側ポリマーを部分的に融かすことによって得られる。この不織布の引っ張り強度は相対的に低いので、適した引っ張り強度を有する有意な把持可能繊維を有する複合材料をつくるために、この材料をもう1つの不織布に積層するのが好ましい。
実施例11、実施形12、及び実施例13は、高度の「フックへの繊維」の嵌合を有するループファスナが、ウイングを作製するために使用される材料の剛性の程度、又はパッド上の取り付けウイングの設計形体に関係なく有益であることを示している。
実施例14及び実施例15は、ループファスナの追加ストリップに使用される材料が相対的に低い坪量、低い程度の剛性、及び相対的に低い程度の「フックへの繊維」の嵌合を有する時、取り付けウイングをバッドの上面に部分的に固着する効果を示している。理論によって束縛されることを意図するものではないが、取り付けウイングとパッドの上面との間の部分的固着は、特にパッドが濡れた状態の時、パッドのバリア層上で「滑動する」傾向を有する取り付けウイングに働く剪断力を相殺できると考えられる。
実施例16〜実施例19のクリーニングパッドは、20gsmのスパンボンド材から作製され、取り付けウイングの上面に固着され、様々な設計形体で試験されるループファスナのストリップを含むように改良された市販のレディーモップ(READY-MOP)(登録商標)及びゴーモップ(GO-MOP)(登録商標)タイプのクリーニングパッドである。
再度、実施例16及び実施例18のパッドと比較される時、実施例17及び実施例19のパッドは、特にクリーニングパッドが液体を含む時、取り付けウイングとクリーニングパッドの上面との間の部分的固着をつくる効果を示している。
上述のように、実施例1〜実施例15のクリーニングパッドは、2002年11月現在市販されている、改良されたスウィファー・ウェットジェット(SWIFFER WETJET)(登録商標)クリーニングパッドである。これらのスウィファー・ウェットジェット(SWIFFER WETJET)(登録商標)クリーニングパッドは、約20gの乾燥重量を有し、約250mlの液体の総吸収能力を有する。結果として、スウィファー・ウェットジェット(SWIFFER WETJET)(登録商標)クリーニングパッドの「湿潤重量」は、約270gである。更に、これらのパッドの下層、すなわちモップ操作中に床表面と直接接触する層は、乾燥した床表面にこすりつけられる時約4g/sqcmの摩擦係数を有する孔あき成形ポリエチレンフィルムから作製される。「乾燥試験」及び「湿潤試験」で得られる結果は、試験されるパッドの「乾燥」重量及び「湿潤」重量により影響され得ることを当業者は理解するであろう。例えば、「軽い」パッドは、「重い」パッドと比較して、モップヘッドのフックファスナによってより容易に保持される。更にその上、特にパッドが完全に飽和状態である時、クリーニングパッドの総吸収能力も、パッドの保持性に影響し得る。例えば、同じ乾燥重量を有するが、異なる吸収能力を有する2つのクリーニングパッドは、同じ保持特性を有するループファスナを必要としない。吸収能力は、パッドが液体を吸収する能力を測定するので、両方のクリーニングパッドが液体で充分に飽和状態である時、最も低い吸収能力を有するクリーニングパッドは、最も高い吸収能力を有するクリーニングパッドより「軽い」。
更に、クリーニング操作中の、クリーニングパッドの下層と床表面との間の摩擦係数も、モップヘッドのフックファスナのパッド保持性に影響し得る。この摩擦係数が低い時、クリーニングパッドに働く剪断力は、パッドに働く、より大きい剪断力を生じる高い摩擦係数と比較して低いことを当業者は理解するであろう。
(剥離抵抗力試験)
取り付けウイング、及び/又はループファスナの追加ストリップに使用できる適した材料を更に良好に明らかにするために、様々なタイプの材料について別の試験が行われる。
不織布材について、スウィファー・ウェットジェット(SWIFFER WETJET)(登録商標)クリーニング器具から採取したフックファスナでの、同材料の保持性を決定するために、一連の剥離抵抗力試験が行われる。
試験前に、フックファスナのストリップが、スウィファー・ウェットジェット(SWIFFER WETJET)(登録商標)クリーニング器具のモップヘッドの下面から取り外され、次に、試験中の操作を容易にするために、薄い紙のシートに接着剤で取り付けられる。
行われる剥離抵抗力試験は、次の僅かな修正を行ったASTM試験D1876−95(T剥離試験としても既知である剥離抵抗力のための標準試験方法)からの試験プロトコル(計画案)に従う。
1.試験試料は、スウィファー・ウェットジェット(SWIFFER WETJET)(登録商標)クリーニング器具からのフックファスナで試験される様々な不織布及び不織布積層体からなる。
2.試験試料は、幅約25mmx長さ128mmである不織布のストリップである。
各試験試料は、平坦な実験台の上に配置される。フックファスナのストリップは、約25mmx長さ128mmである。フックファスナのストリップが、不織布の試験試料とほぼ一直線になるように、同試料の上にあてがわれる。発泡体の裏材の薄片(厚さ約2mm)が、約550g及び幅約40mmx長さ約140mmのおもりの下面全体を覆うように、同おもりの下面に取り付けられる。次に、発泡体の裏材及びおもりが、フックファスナ及び試験試料の上に注意深くあてがわれる。余分な圧力を加えることなく、おもりを15.24cm(6インチ)前方に、次に15.24cm(6インチ)後方に移動させて、試料の上に静かに滑らせる。このおもりの滑動が3回繰り返される。このおもりの滑動の意図は、クリーニング器具が使用される時に典型的に発生するZ方向及びX−Y方向の双方向における、不織布へのフックの嵌合をシミュレートするために、前後の動きで1.72キロパスカル(0.25psi)の圧力を加えることである。不織布の試験試料及びフックファスナは、ASTM試験D1876−95のセクション6.1で勧められる調湿を必要としないことに注意すること。
3.この箇所から、ASTM試験D1876−95に説明される方法に従う。第1に、フック/不織布複合物の末端部で約12mmの部分を分離し、ASTM試験D1876−95のセクション5.2に説明されるようなT形に曲げる。
4.次に、ASTM試験D1876−95のセクション7.1に説明されるように、フックファスナが下のクランプで、また不織布が上のクランプで、非固着自由末端部が、張力試験機のグリッパ内にクランプ締めされる。
5.材料が完全に分離するまで、張力試験機を回転させ、運転させる。グラムで記録され、表された力の最大荷重によって、剥離抵抗強度が画定される一方、複合物の試料が剥がされる。試験は少なくとも5回繰り返され、各回で不織布基材の新しい片が使用されるが、各回で同じフックファスナ片を使用する。不織布の試料が試験される時、フックファスナのストリップは、新しい未試験片にあてがわれる。
表2は、スウィファー・ウェットジェット(SWIFFER WETJET)(登録商標)クリーニング器具から取り外されたフックファスナにあてがわれた不織布材の様々な試料で測定された剥離抵抗力の結果を提供する。比較の目的のために、表2は、前述の「乾燥試験」及び「湿潤試験」から得られた結果の表1からの要約も含む。
(1)取り付けウイングの上に位置するループファスナの追加ストリップとして試験される材料
(2)実際のウイングとして試験される材料
実施例5、実施例6、及び実施例7のSMS(スパンボンド、メルトブロウン・スパンボンド)材の剥離抵抗力の結果は、前述の驚くべき結果を確認するものである。最も低い坪量を有するSMS材(実施例6)が、高い坪量を有する類似材料(実施例6及び実施例7)より大きい剥離抵抗力を有する。
表2に記録された結果に基づいて、クリーニングパッドの取り付けウイングを作製するために適した材料、又はパッドに加え得るループファスナの適したストリップを作製するために適した材料は、特にクリーニングパッドが濡れた状態である場合、クリーニングパッドに適切な保持性を提供するために、少なくとも約30g、好ましくは少なくとも約40g、より好ましくは少なくとも約50g、及び更により好ましくは少なくとも約60gの剥離抵抗力を有すると考えられる。
一実施形態では、適したループ材は、約200g未満、好ましくは約180g未満、より好ましくは約150g未満の剥離抵抗力を有し得る。
一実施形態では、クリーニングパッドは、クリーニングパッドがモップヘッドの下面に位置するフックファスナに取り外し可能に取り付け可能であるようなループファスナを有し得る。好ましい実施形態では、クリーニングパッドのループファスナタイプの材料は、クリーニングパッドが液体で充分に飽和状態である時、パッドの重量に加わった吸収された液体の重量が、モップヘッドが床表面から上に引き揚げられた時、クリーニングパッドを床表面に落下させるように選択される。とりわけ、そのようなクリーニングパッドは、パッドがより多くの液体を尚も吸収できるかどうかを視覚的にチェックするために汚れたパッドを操作する必要なしに、パッドを取り換える時をユーザに知らせる。
図27において示される一実施形態では、クリーニング器具のモップヘッドの上面又は下面に位置する保持手段の存在とは関係なしに、クリーニングパッドがクリーニング器具に取り外し可能に取り付けられるように、感圧接着剤が前述のクリーニングパッドのいずれかの少なくとも1層の一部分に塗布され得る。
一実施形態では、クリーニングパッド16は、吸収層26、バリア層36、及びクリーニングパッド16がいかなるクリーニング器具のモップヘッドの下面にも取り外し可能に取り付け可能であるようにバリア層36の上面に塗布される感圧接着剤46を含む。感圧接着剤46は、好ましくは、感圧接着剤によって覆われる面積が、バリア層36の全上面の少なくとも約10%、好ましくは少なくとも33%、より好ましくは少なくとも66%に等しい表面を有するように、バリア層36の上面のほぼ中央の区域に塗布される。感圧接着剤46は、バリア層36の上面で均質な層、ストライプ、螺旋、ビーズ、又はこれらのいかなる組み合わせをも形成するように塗布されてもよい。感圧接着剤46は、乾燥環境又は湿潤環境のどちらかにおいて、モップヘッドの下面でパッドが保持されるように選択される。好ましい実施形態では、感圧接着剤46は、モップヘッドの下面に残基が残るおそれを低減するために、良好な粘着特性を表す。
一実施形態では、薄い紙のシートなど、材料の保護剥離シート136が、感圧接着剤46によって覆われる区域の上にあてがわれてもよい。とりわけ、この材料の保護剥離シート136は、感圧接着剤46の粘着性を保存し、また包装のためにクリーニングパッドが折り畳まれる及び/又は互いの上に積み重なるのも可能にする。ユーザがパッド16をモップヘッドの下面に取り付けることを希望する時、ユーザは、この材料の保護シート136を簡単に剥がすことができる。
クリーニングパッド16が、クリーニング器具のモップヘッドの上面又は下面に位置する保持手段に取り外し可能に固定されてもよいように、そのようなクリーニングパッド16は、取り付けウイング56、66、及び/又はループファスナの追加ストリップ76、86も有してもよいことを当業者は理解するであろう。ユーザが、モップヘッドの上面又は下面に位置する保持手段を有するクリーニング器具と共に、感圧接着剤46を有するクリーニングパッド16を使用することを希望する場合、ユーザは、パッド16から保護剥離シート136を剥がさないように指示されてもよいことを当業者は理解するであろう。
図28に表される一実施形態では、感圧接着剤は、前述のクリーニングパッドのいずれかの取り付けウイング56、66(又は取り付けウイング部分)に塗布されてもよい。好ましい実施形態では、感圧接着剤46は、取り付けウイング56、66の内側表面に塗布される。「内側表面」により、取り付けウイング56、66がパッド16の上、すなわち吸収層26及び/又はバリア層36の上に「折り畳まれる」時、クリーニングパッド16の上面に面する取り付けウイング56、66の面を意味する。前述のように、保護剥離材のシート156、166は、接着剤の粘着性を長時間にわたって保存するために、感圧接着剤46によって各々覆われる取り付けウイング56、66の区域の上にあてがわれてもよい。ユーザがクリーニングパッド16をモップヘッドの上面に取り付けることを希望する時、特にモップヘッドの上面にいかなる保持手段もない時、ユーザは、この材料の保護剥離シート156、166を簡単に取り除くことができる。感圧接着剤46が取り付けウイングをモップヘッドに固着するように、ユーザは取り付けウイング56、66の内側表面をモップヘッドの上面に押し付けることができる。このクリーニングパッド16は、モップヘッドの上面及び/又は下面に位置する保持手段を有するクリーニング器具と共にも使用できることを、当業者は理解するであろう。
そのようなクリーニングパッド16は、モップヘッドの上面及び/又は下面に位置する保持手段を有するクリーニング器具にも取り付け可能であることを、当業者は理解するであろう。
図29に示される他の実施形態では、クリーニングパッド18は、少なくとも吸収層28と、任意にしかし好ましくは吸収層28の上面に取り付けられたバリア層38と、パッドの前縁部及び後縁部に各々隣接して取り付けられ、2つの取り付けウイングを互いに取り付けるための固定部材148、158を有してもよい少なくとも2つの取り付けウイング48、58とを有してもよい。一実施形態では、取り付けウイング48は、取り付けウイング58の「雌の」固定部材と嵌合するための「雄の」固定部材148を有してもよい。「雄の」及び「雌の」固定部材148、158の非限定的な例には、スナップ、ループ・アンド・フックファスナ、ベルトのデザイン、接着剤が挙げられる。
とりわけ、雄及び雌の固定部材148、158を有する取り付けウイング48、58を有するクリーニングパッド18は、ハンドル168及びモップヘッド268を含み、またモップヘッド268の上面又は下面に位置する、クリーニングパッドと嵌合し、保持するのに適したいかなる保持手段もない、図29に概略的に表されたクリーニング器具にも取り付け可能である。そのようなクリーニング器具の1例は、スポンジなどの吸収性材料を有するほとんど平坦な支持体頭部に接続したハンドルを有するスポンジモップである。クリーニング操作中に、ユーザは典型的には、洗浄溶液を充填したバケツにモップヘッドを浸す。スポンジが洗浄溶液をいくらか吸収すると、ユーザは床表面を掃除できる。しかし、床表面を洗い流す必要があることが多く、表面に残った液体の量によっては、乾燥するのに長時間かかることがある。更に、土汚れ、バクテリア、及び細菌のほとんどは、このタイプのスポンジモップが使用される時、表面から取り除かれない。クリーニングパッド、特に、クリーニングパッドと嵌合し、保持するための保持手段を有するクリーニング器具と共に使用できる、少なくとも5g/g、好ましくは少なくとも10g/g、より好ましくは少なくとも20g/gのΤ1200の吸収能力を有するクリーニングパッドは、同パッドが汚れた液体を吸収し、その後捨てられるので、床表面に残った汚れ、バクテリア、及び細菌のレベルの低下によってクリーニング効力を大きく改善できる。消費者は、新しいクリーニング器具を購入するのを躊躇することがあるので、前述のクリーニングパッドのいずれもが、しかし好ましくは雄及び雌の固定部材148、158を含む取り付けウイングを有するクリーニングパッドが、キットとして販売されてもよい。キットは、少なくとも1つであるが、好ましくは複数のクリーニングパッドを有してもよく、またこのタイプのクリーニングパッドを、ハンドルと、クリーニングパッドと嵌合し、保持するためのいかなる保持手段も必ずしも有さない支持体頭部とを有するいずれかの器具と共に使用することにより、消費者にこのタイプのクリーニングパッドを試みさせる。キットは、器具の支持体頭部辺りにクリーニングパッドを取り付け、洗浄溶液を床表面に注ぎ、器具に取り付けられたクリーニングパッドで床表面を掃除し、次に、使用したクリーニングパッドを取り外して捨てることを消費者に指示する指示を含んでもよい。指示は、クリーニングパッドを有する支持体頭部を、洗浄溶液を充填したバケツの中に浸さないように、ユーザに更に指示してもよい。指示は、洗浄溶液を直接、床表面に注ぐようにユーザに更に指示してもよい。これらの指示は、器具と共に使用されるクリーニングパッドが、相対的に低い圧搾値を有する時及び/又は超吸収性材料を含む時、特に有益なことがある。他の実施形態では、キットは、洗浄溶液を充填した容器を更に含む。洗浄溶液の非限定的な例がセクションV以後に説明されている。一実施形態では、容器は、引上げフタ又はスクワート(噴出)キャップを有するキャップを有してもよい。容器は、引金式スプレー容器、スクワート瓶、又はユーザが洗浄溶液を床表面に注ぐのを可能にする他のいかなる容器であってもよい。指示は、パッドを取り付ける前にモップヘッドが完全に乾燥している必要があることの説明を含む。経験を更に増すために、上述のような洗浄溶液の瓶がトライアルキットに含まれてもよい。とりわけ、このキットは、新しいクリーニング器具の費用を負担する必要なしに、クリーニングパッドを使用するクリーニングシステムの便利さを消費者に経験させる。キットは、クリーニングパッドを機械的に保持するためにモップヘッドの上面又は下面に位置する保持手段を有するモップヘッドに回転可能に接続したハンドルと、ハンドルに接続した流体放出機構とを含むクリーニング器具を含むクリーニングシステムのための割引購入券も含んでもよい。流体放出機構は、床表面に洗浄溶液を放出するためにモップヘッドに取り付けられたノズルと流体連通であってもよい。クリーニングシステムは、流体放出機構に取り外し可能に取り付け可能である容器も含んでもよい。
消費者が、先に開示されたクリーニングパッドのいずれかを試し、またそのようなクリーニングパッドの使用を、より便利なスポンジモップ若しくはストリングモップ、又はモップヘッドの上面若しくは下面に位置する適した保持手段を有する他のタイプのクリーニング器具の使用と比較するのを可能にするために、床表面のクリーニング頻度による消費者のクリーニング習慣に関する、及び床表面を清潔にするために消費者によって使用されるクリーニング器具のタイプに関する消費者からの情報を収集することができる。収集された情報は、清潔にされる床表面のタイプ(木の表面、リノリウムの表面、セラミックタイルの表面)と、任意にしかし好ましくは清潔にされる部屋の数及び寸法とも含んでもよい。情報は、当該技術分野において既知のいかなる方法で収集されてもよい。情報を収集する方法の非限定的な例には、目の前の調査又は電話による調査、郵便又はeメールで送られる調査、インターネットのウェブサイトに消費者がアクセスして得られる調査、及びこれらのいかなる組み合わせも挙げられる。情報が収集されると、収集された情報によって、床表面用クリーニング製品のシステムを選択できる。例えば、モップヘッドの上面又は下面に位置する、またクリーニングパッドを取り外し可能に保持するのに適した保持手段のないクリーニング器具を所有する消費者は、「雄の」固定部材及び「雌の」固定部材を有する取り付けウイングを含む、ほとんど乾燥した少なくとも1つのクリーニングパッドと、任意に、洗浄溶液を有する容器とを提供されてもよい。他の例は、モップヘッドの上面に位置する保持手段を有するが、内蔵式液体放出機構を含まないクリーニング器具を所有する消費者である。この例では、消費者は、取り付けウイング(又は取り付けウイング部分)を有するほとんど乾燥したクリーニングパッドと、洗浄溶液を有する容器とを提供されてもよい。このシステムで提供されるクリーニングパッドの数は、消費者による床表面のクリーニング頻度に関係することがある。一実施形態では、このシステムは、消費者によって使用されるクリーニング器具のタイプ及びクリーニング頻度次第で選択されてもよい前述のクリーニングパッドのいずれかの少なくとも1つを含むキットであってもよい。一実施形態では、このシステムは、洗浄溶液を含む容器も含んでもよい。消費者は、クリーニングパッドの取り付け方法及び使用方法に関する前述のような指示を含む情報も提供されてもよい。
(V)その他
吸収層に適した吸収性材料。
本発明のクリーニングパッドは、少なくとも1つの吸収層を含む。
吸収層を含むクリーニングパッドを形成する層は、好ましくは、同パッドが少なくとも5g/g、より好ましくは少なくとも10g/g、最も好ましくは少なくとも20g/gのΤ1200吸収能力を有するような材料から作製される。
クリーニングパッドの吸収層に適した吸収性材料の非限定的な例には、綿、アフリカハネガヤ、バガス、ケルプ、亜麻、絹、羊毛、木材パルプ、化学的に改質した木材パルプ、黄麻、エチルセルロース、及びセルロースアセテートなどの天然繊維(改質した又は非改質の)と、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、オーロン(ORLON)(登録商標)などのポリアクリル類、ポリビニルアセテート、レーヨン(登録商標)、ポリエチルビニルアセテート、非溶性又は可溶性ポリビニルアルコール、ポリエチレン(例、パルペックス(PULPEX)(登録商標))及びポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ナイロンなどのポリアミド類、ダクロン(DACRON)(登録商標)又はコデル(KODEL)(登録商標)などのポリエステル類、ポリウレタン類、ポリスチレン類などから作製できる、合成的に作られた繊維が挙げられる。
一実施形態では、吸収層は、天然発生繊維のみ、合成繊維のみ、又は天然発生繊維及び合成繊維のいかなる融和性のある組み合わせも含んでもよい。
本明細書で有用な繊維は、親水性、疎水性であっても、又は親水性繊維と疎水性繊維との組み合わせであってもよい。本発明で使用するのに適した親水性繊維には、セルロース繊維、改質されたセルロース繊維、レーヨン、親水性ナイロン(ヒドロフィル(HYDROFIL)(登録商標))などのポリエステル繊維が挙げられる。適した親水性繊維は、疎水性繊維を親水性化して、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリアクリル類、ポリアミド類、ポリスチレン類、ポリウレタン類などから誘導された熱可塑性繊維を界面活性剤処理又はシリカ処理するなどして得ることもできる。
適した木材パルプ繊維は、クラフト・アンド・サルファイトプロセスなど、周知の化学的プロセスと、グラウンドウッドプロセス、リファイナー・メカニカルプロセス、サーモメカニカルプロイセス、ケミメカニカルプロセス、及びケミ・サーモメカニカルパルププロセスなど、機械的プロセスとから得られる。
更に、繊維は任意に、クリーニングパッドに更なる全体的一体性を提供するために、熱可塑性材料と熱結合されてもよい。本発明で有用な熱可塑性材料は、粒子状、繊維、又は粒子状と繊維との組み合わせを含む様々な形体のいずれであってもよい。熱可塑性材料、及び特に熱可塑性繊維は、ポリエチレン(例:パルペックス(PULPEX)(登録商標))及びポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリエステル類、コポリエステル類、ポリビニルアセテート、ポリエチルビニルアセテート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル類、ポリアミド類、コポリアミド類、ポリスチレン類、ポリウレタン類、及び前述のビニル塩化/ビニルアセテートなどのいずれかのコポリマー類などが挙げられる様々な熱可塑性ポリマー類で作られることができる。
適した熱可塑性繊維は、単一のポリマーで作ることができ(単一成分繊維)、又は2つ以上のポリマーで作ることができる(例えば、2成分繊維)。
クリーニングパッドの吸収層は、セルロース繊維(任意に熱結合した)と当該技術分野において既知の超吸収性材料との混合物など、均一材料も含んでもよい。本明細書で使用する用語「超吸収性材料」とは、2.0キロパスカル(0.3psi)の制限圧力下で測定される時、少なくとも約15g/gの、水へのg/g吸収量を有するいかなる吸収性材料をも意味する。本発明と共に有用な洗浄流体の大部分は、水性系であるので、超吸収性材料は、水又は水系流体に対して相対的に高いg/g吸収量を有することが好ましい。適した超吸収性材料の非限定的な例には、Τ1200吸収能力を測定する方法も説明する、プロクター・アンド・ギャンブル社(the Procter & Gamble Company)に譲渡された米国特許出願09/831,480(ポリシッチオ(Policicchio)ら、1999年11月9日出願)に説明されている非水溶性、水膨潤性超吸収性ゲル化ポリマー類(本明細書では、「超吸収性ゲル化ポリマー類」と呼ばれる)が挙げられる。これらの材料は、水への非常に高い吸収能力を表す。
あるいは、吸収層は、熱結合エアレイド材料の層及び超吸収性材料の別個の層など、材料の別個の層を含んでもよい。
好ましい実施形態では、吸収層は、セルロース繊維(ウエアハウザー社(Weyerhaeuser)(ワシントン州)から入手可能なフリントリバー(Flint River))及びアルサーマルC(AL Thermal C)(ダンアクロン社(Danaklon a/s)(デンマーク Varde)から入手可能な熱可塑性樹脂)の熱結合エアレイドウェブと、膨潤可能なヒドロゲル形成超吸収性ポリマーとを含む。超吸収性ポリマーは、好ましくは、別個の層が、フロアシートから離れた吸収層の表面近くに位置するように組み込まれる。好ましくは、例えば、セルロース繊維(任意に熱結合された)の薄層は、閉じ込めを強化するために、超吸収性ゲル化ポリマーの上に配置される。
(任意の液体透過性フロアシート)
フロアシートは、クリーニングパッドの、クリーニング中に汚れた表面に接触する部分である。故に、フロアシートとして有用な材料には、クリーニングプロセス中に層がその一体性を保持する充分な耐久性がある必要がある。更に、クリーニングパッドが溶液との組み合わせで使用される時、フロアシートは、液体及び汚れを吸収層まで移動させることができるように、少なくとも部分的に液体透過性である必要がある。フロアシートは単層であっても、又は多層構造体であってもよく、その層の1又はそれ以上の層が、汚れた表面をこすり、粒子状物質を持ち上げるのを容易にするために、スリットを入れてもよい。フロアシートは、好ましくは、大きい粒子状物質が自由に入って、パッドの吸収層内に閉じ込められるための容易な通路を提供する開口部(例:スリット、先細の毛管、又は孔)を含む。パッドの吸収層までの粒子状物質の輸送を更に容易にするために、低密度の構造体が、フロアシートとして使用するのに好ましい。フロアシートは、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に譲渡されたPCT国際公開特許WO00/27271(ポリシッチオ(Policicchio)ら、1999年11月9日出願)に説明されるものなど、当該技術分野における既知のいかなる透過性材料から作製されてもよい。フロアシートに適した前記の透過性材料の非限定的な例には、織布材及び不織布材、孔あき成形熱可塑性フィルム、孔あきプラスチックフィルム、及びハイドロフォーミングされた熱可塑性フィルムなどの高分子材料、多孔質発泡体、網状発泡体、網状熱可塑性フィルム、及び熱可塑性スクリムが挙げられる。適した織布材及び不織布材は、天然繊維(例、木材又は綿繊維)、ポリオレフィン類(例、ポリエチレン及びポリプロピレン)、ポリエステル類、ポリアミド類、及び合成セルロース(例、レーヨン(RAYON)(登録商標))などの合成繊維、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせを含んでもよい。好ましい実施形態では、クリーニングパッド10は、孔あき成形フィルムを少なくとも部分的に含む液体透過性フロアシートを含む。
一実施形態では、フロアシートは、パッドの下面の少なくとも一部分に、パッドに有意な質感を提供する材料も含んでもよい。例えば、そのような質感を提供するための好ましい手段は、スクリム材(例、ポリプロピレン)及びスパンレース材(例、ポリエステル)を含む多層複合物を形成することである。
(洗浄溶液)
前述のように、クリーニングパッドは、内蔵式流体放出機構を有するクリーニング器具と共に、及び/又はクリーニング器具と、ユーザが床表面に洗浄溶液を直接分配するのを可能にする容器と共に使用してもよい。
洗浄溶液は、水、少なくとも界面活性剤、任意に溶媒、任意に泡抑制剤、任意に緩衝剤、任意にポリマー、任意に香料、及び任意に抗菌剤を含む。
適した組成物の非限定的な例は、全てプロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に譲渡された米国特許出願09/655,211(ゴッドフロイド(Godfroid)ら、2000年9月5日出願)、米国特許出願09/671,718(シェリー(Sherry)ら、2000年9月27日出願)、及び米国特許出願09/671,080(ゴッドフロイド(Godfroid)ら、2000年9月27日出願)に説明されている。
主題発明の特定の実施形態について説明してきたが、主題発明の様々な変形及び変更が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく実施可能であることは当業者に明らかである。更に、本発明をある特定の実施形態と関連させて説明したが、限られた手段によるものであり、本発明の範囲は添付の請求項によって定義され、従来技術で認められるのと同様に広範に解釈されるべきである。