JP4369044B2 - 誘導性ホスホフルクトキナーゼとワールブルグ効果 - Google Patents

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Description

【0001】
発明の技術分野
本発明は、腫瘍細胞で優先的に転写及び翻訳される新規なホスホフルクトキナーゼのイソ酵素(iPFK-2)を提供する。本酵素及びその機能の発見により、本酵素を、診断の標的及び薬物スクリーニングの標的として使用すること、そして、細胞内での本酵素の翻訳を抑えるアンチセンス化合物を、抗腫瘍治療剤として使用することが見出された。
【0002】
発明の背景
解糖系は、真核細胞における基本的な嫌気的糖代謝経路である。解糖には2つの役割があり、すなわち糖を分解してエネルギー(ATP) を生成することと、生合成反応の構築体を提供することがある。これらの2つの細胞要求性を満たす様に、グルコースからピルビン酸への変換速度が制御される。解糖系では、ヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ及びピルビン酸キナーゼが不可逆的な反応を触媒し、これらの酵素が、解糖系の調節点として制御を受ける。これらの酵素は、アロステリック効果器の可逆的結合、共有結合修飾、及び転写調節によって、変化する代謝要求性を満たす様に制御される。これらの3つの酵素の内、ホスホフルクトキナーゼが、哺乳動物の解糖系において最も重要な調節点である。
【0003】
1930年にWarburg は、腫瘍において嫌気的解糖の速度が速いこと、そして比較的高い酸素濃度でも解糖速度の低下が無いことを指摘した。この制御的調節(すなわちパスツール効果)の低下は、ワールブルグ効果と呼ばれた。腫瘍細胞にグルコースを供給すると、酸素消費が抑制され、エネルギーのためにグルコース依存性が増加する。他の型の細胞では、グルコース存在下でさえも他の基質による呼吸が維持されるので、この効果は通常見られない。急速に増殖している腫瘍において、なぜ解糖系で生成されたピルビン酸が、完全な酸化のためにミトコンドリアに輸送されることなく、乳酸に変換される傾向が著しいかと言う問題は、生化学者を長年悩ませてきた。この代謝様式の変化による生理学的な結果は明らかである。腫瘍組織にために、エネルギーの浪費過程、例えば腫瘍と肝臓との間のコリ回路が促進され、その宿主における代謝効率が非常に低下する。解糖速度が高いので、細胞内に多量のピルビン酸が生成すると共に、NADH/NAD+ 比が増加し、従って乳酸脱水素酵素によるピルビン酸から乳酸への還元反応が促進される。腫瘍細胞内のミトコンドリア含量が少ないために、電子伝達系によるNADHの消費が抑制されることによっても、そして多くの腫瘍においてNADH往復系のレベルが低いことによっても、この反応は促進される。腫瘍細胞は、低酸素状態の筋線維の場合と同様に、乳酸を放出する。腫瘍を有する状態で促進されたコリ回路の正確な役割は、完全に解明されていない。しかしこれにより、グルコースから酸素分子への完全な酸化反応によって36〜38分子のATP が形成されても、2つの3炭素分子をグルコース1分子に変換するために、正味4分子のATP が失われるという様に、宿主における効率が悪くなる。
【0004】
ガン保有者における特有の代謝状況が報告されている(Argiles and Azcon-Bieto, Mol.Cell.Biochem.81:3-17,1988)。腫瘍の宿主への浸潤は、代謝的には、宿主の代謝効率の低下、筋タンパク質の減少、糖新生の増加、及び酸化的リン酸化の非共役によって特徴づけられる。この正味の結果、エネルギーの不均衡が起き、悪疫質、更に餓死に至る。
【0005】
発明の概略
本発明は、ガンの悪性度の診断検査であって、体液又は組織の試料(例えば腫瘍組織の試料を含む)の獲得、及びiPFK-2特異的配列(配列番号11)を検出する配列同定検査の実施、を包含する検査を提供する。好ましくは、この配列同定検査は、PCR 検査、ELISA 免疫検査、ハイブリダイゼーション検査、及びそれらの組合せの中から選択される。
【0006】
更に本発明は、抗ガン、抗炎症及び抗悪疫質の医薬組成物であって、本発明の単離iPFK-2配列に特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチドと、医薬に適するオリゴヌクレオチド用担体とを含有する医薬組成物を提供する。好ましくは、このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、
5'-CCAACGGCATCTTCGCGGCT-3'(配列番号2)、
5'-GTCAGTTCCAACGGCATCTT-3'(配列番号4)、及び
それらの組合せの中から選択されるオリゴヌクレオチド配列が組み込まれた15〜50塩基のオリゴヌクレオチドである。
【0007】
更に本発明は、抗腫瘍活性を有する化合物をスクリーニングするための薬剤スクリーニング検査であって、(a) 基質フルクトース6リン酸からフルクトース2,6-ビスリン酸を形成する活性を有する組換えiPFK-2の獲得;(b) 種々の濃度での候補薬剤の添加、又は薬剤を含まないコントロール溶媒の添加;並びに(c) 酵素活性の測定としてのフルクトース2,6-ビスリン酸の検査、を包含する検査を提供する。好ましくは、この生産物検査を、酵素検査によって行う。
【0008】
更に本発明は、配列番号11のcDNA配列から発現される組換えiPFK-2ポリペプチドを提供する。更にこのiPFK-2ポリペプチドを、既知の抗体技術、例えば既知のモノクローナル抗体技術において使用することによって、iPFK-2に特異的に結合する抗体が提供される。この様な抗体として、モノクローナル抗体が好ましい。
【0009】
発明の詳細な説明
本発明は、ガンの悪性度の診断検査であって、体液又は体組織、腫瘍液又は腫瘍組織の試料の獲得、及びiPFK-2特異的配列を検出する配列同定検査の実施、を包含する検査を提供する。好ましくは、この配列同定検査は、PCR 検査、ELISA 免疫検査、ハイブリダイゼーション検査、及びそれらの組合せの中から選択される。
【0010】
更に本発明は、抗ガン医薬組成物であって、本発明の単離iPFK-2配列に特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチドと、医薬に適するオリゴヌクレオチド用担体とを含有する医薬組成物を提供する。好ましくは、このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、
5'-CCAACGGCATCTTCGCGGCT-3'(配列番号2)、
5'-GTCAGTTCCAACGGCATCTT-3'(配列番号4)、及び
それらの組合せの中から選択されるオリゴヌクレオチド配列が組み込まれた15〜50塩基のオリゴヌクレオチドから選択される。
【0011】
更に本発明は、配列番号11のcDNA配列から発現される組換えiPFK-2ポリペプチドを提供する。更にこのiPFK-2ポリペプチドを、既知の抗体技術、例えば既知のモノクローナル抗体技術において使用することによって、iPFK-2に特異的に結合する抗体が提供される。この様な抗体として、モノクローナル抗体が好ましい。
【0012】
更に本発明は、ヒトの誘導性ホスホフルクトキナーゼ-2(iPFK-2)酵素をコードする単離されたcDNA配列を提供する。このcDNA配列を、配列番号11に示す。配列番号11では、コード領域の開始コドンと停止コドンが存在する(太字)。更に、他の任意のPFK-2 イソ型には存在しないC-末端の付加的なアミノ酸をコードする領域が存在する(下線塩基対)。本発明のiPFK-2のcDNA配列は、組換えiPFK-2ポリペプチドを生産するために、アンチセンスオリゴヌクレオチドを設計するために、そして組換えiPFK-2及びその断片を生産する様に細胞(原核及び真核細胞)を形質転換するために有用である。この組換えiPFK-2ポリペプチドは、PFK-2 酵素活性を有するので、治療活性を有する抗ガン剤として、特に本発明の誘導性iPFK-2イソ型に対する阻害剤をスクリーニングするために有用である。抗ガン治療活性を、iPFK-2阻害剤に求めることができるのは、富AU性の初期反応遺伝子が、白血病細胞の増殖に必要であるからである。その遺伝子は、明らかに本発明の誘導性iPFK-2遺伝子であり、その遺伝子産物が、腫瘍細胞において最も広範に分布している。
【0013】
更に本発明は、ヒトの誘導性ホスホフルクトキナーゼ-2(iPFK-2)のイソ酵素をコードする単離されたcDNA配列を提供する。下記の実施例に、この酵素の単離、精製及び発現に関する詳細を記す。この単離されたイソ酵素配列は、腫瘍細胞において優先的に発現され、そのため解糖活性が増加することが分かった。
【0014】
本発明は、6-ホスホフルクト-2- キナーゼ(PFK-2) /フルクトース-2,6- ビスホスファターゼ(FBPase)における新規な遺伝子、すなわち「iPFK-2」の同定及び機能解明に基づく。本酵素は、炎症原性の刺激によって誘導されるものであり、その遺伝子の3'非翻訳領域に、mRNA不安定性モチーフであるAUUUA が複数コピー存在することによって、PFK 型酵素をコードする他の類似遺伝子と区別される。この富AU性要素は、いくつかの炎症性サイトカイン(TNF-α, IL-1, IFN-γ及びGM-CSFなど)及びガンタンパク質(c-Fos, c-Myc及びc-Sis など)をコードするmRNAに特有である(Greenberg and Belasco, Control of Messenger RNA Stablity, Belasco and Brawerman eds.,pp.199-218,Academic Press, New York,1993) 。本明細書のデータから、iPFK-2は、いくつかのヒトガン細胞株において構成的に発現していること、そしてインビボでの腫瘍細胞増殖にとって必須であることが分かる。iPFK-2タンパク質の発現レベルを抑制したところ、プリン及びピリミジン生合成の重要な前駆体である5-ホスホリボシル-1- ピロリン酸(PRPP)の細胞内レベルが低下した。従ってiPFK-2は、腫瘍増殖にとって明らかに必須な重要な調節性イソ酵素であり、そのアンタゴニストは、重要な抗ガン治療活性を有する。そしてiPFK-2によって、解糖とガン細胞増殖との明らかな共役に関する長年の観察を説明できる。
【0015】
初期反応遺伝子に属するいつかのサイトカイン及びガン原遺伝子のmRNAは、その3'非翻訳領域(3'UTR) に、配列モチーフAUUUA を含んでいる。この富AU要素は、mRNA分子に不安定性を付与するもので、その生理的な半減期を調節する機能を有する(Caput et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:1670-1674,1986; Shaw et al.,Cell 46:659-667,1986) 。配列モチーフAUUUA が保存されているcDNA配列を、発現配列タグ(EST) データベースから検索した。以前に報告された遺伝子とは無関係な1つの富AU性EST を同定し、その完全なcDNAをクローン化し、その配列を決定した。この新規遺伝子のDNA 配列は、富AU性要素を含んでいないヒト肝臓PFK-2 (図1)に対して29%同一であった。その予想アミノ酸配列は、69%同一であり、更に広範な保存的な置換が認められた(図1)(Lange and Pilkis, Nuc.Acids Res.18:3652,1990)。
【0016】
AUUUA モチーフを有する多くのガン原遺伝子及びサイトカインの細胞内発現は、分裂促進性又は炎症原性の刺激によって増加する。従って、正常なヒト組織(心臓、脳、胎盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓、膵臓、脾臓及びリンパ節)のノーザンブロットでは、非常に低レベルのiPFK-2発現しか検出されなかった。これとは対照的に、リポ多糖(LPS) で刺激したヒト単球のノーザンブロット分析から、この新規なiPFK-2遺伝子の発現が、急速に誘導されること(図2a)が分かった。従って「iPFK-2」と命名された。iPFK-2の発現レベルの増加の誘導は、サイトカインIL-1β(これも富AU性要素を含む)において観察された誘導と似ていた(図2b)。PFK-2 の肝臓の(構成的)イソ体は、LPS 刺激の影響を受けなかった。抗iPFK-2特異抗体を用いたウエスタンブロット分析から、iPFK-2のmRNAの誘導に伴って、それに対応する免疫反応性のiPFK-2タンパク質の増加が見られた(図2c)。これらのデータから、iPFK-2は、3'UTR に富AU性モチーフを有する他の遺伝子と同様に、インビトロで炎症原性刺激した初代培養ヒト単球において誘導されることが判る。別の実験では、5人のHIV 感染者の末梢血白血球において、iPFK-2の発現を調べた。各感染者のiPFK-2のmRNAレベルは、非感染者コントロール(n=3) に比べてより高かった。これらのデータから、iPFK-2は、インビボでの白血球の活性化時に誘導されることが示唆される。
【0017】
富AU性の3'UTR を有するガン原遺伝子の安定発現レベルの増加は、多くの悪性形質転換細胞に特有の特性であり、直に発ガン性を呈し得る(Lee et al.,Mol.Cell.Biol.8:5521-5527,1988; Rabbitts et al.,EMBO.J.4:3727-3733,1985; Piechaczyk et al.,Cell 42:589-597,1985)。ヒトの8種類の腫瘍細胞株においてノーザンブロットによりiPFK-2のmRNAを調べたところ、高レベルの発現が認められた(図3a)。そのiPFK-2のハイブリダイゼーションシグナル強度は、LPS 刺激した初代培養ヒト単球から得たRNA におけるiPFK-2シグナルに匹敵した(図2b)。慢性骨髄性白血病細胞株K562を用いて更に調べたところ、iPFK-2の発現は、肝PFK-2 イソ体の発現よりも非常に高かった(図3b)。これらのデータから、iPFK-2の発現は、腫瘍細胞増殖時の解糖系の調節にとって重要であることが示唆される。
【0018】
iPFK-2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドを、K562白血病細胞に導入した。コントロールオリゴヌクレオチドを導入した細胞に比べて、iPFK-2タンパク質及びF2,6BPレベルの両方が有意に増加した(図4a)。これらのデータから、iPFK-2のキナーゼ活性が、細胞内F2,6BPレベルに有意に寄与することが分かる。悪性形質転換細胞では解糖系の促進により、プリン及びピリミジン生合成の必須前駆体である5-ホスホリボシルピロリン酸(PRPP)が増加する(Eifenbrody et al.,Trends Pharmacol.Sci.1:24-245,1980)。K562細胞ではiPFK-2の阻害により、PRPPレベルが有意に低下し、この低下に一致して、K562のDNA 合成及び細胞増殖が低下した(図4c)。iPFK-2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドを、細胞株HL-60, MOLT-4, SW480, G361及びKG1Aに導入しても、同様なレベルのDNA 合成阻害が認められた。これらのデータから、iPFK-2が触媒したF2,6BPの生産により、(PFK-1 の刺激を介して)解糖系が促進され、そしてPRPP合成に向かうグルコース代謝の経路が増強され得ることが分かる。
【0019】
インビボの腫瘍形成におけるiPFK-2の役割を、K562腫瘍を有するヌードマウスにiPFK-2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドを投与することによって調べた。処理2日目に、iPFK-2アンチセンスで処理したマウスの腫瘍は、iPFK-2センスオリゴヌクレオチド又はPBS で処理したマウスの腫瘍よりも有意に小さかった(図5)。
【0020】
化合物又は化合物ライブラリーを高効率にスクリーニングするのに適した急速インビトロ検査を用いて、iPFK-2阻害剤を検査するために、その方法と試薬を開発した。既知のPFK-2 の機能ドメインとの相同性から、本iPFK-2ポリペプチドは、2つの独特なドメイン:キナーゼドメインを含むアミノ末端部分(フルクトース6-リン酸をリン酸化してフルクトース2,6-ビスリン酸を生成する機能を有する)と、ホスファターゼドメインを含むカルボキシ末端部分(フルクトース2,6-ビスリン酸を加水分解してフルクトース6-リン酸を生成する機能を有する)とを含んでいる。
【0021】
「iPFK-2の発現」
iPFK-2特異的プローブでEST cDNAライブラリーをスクリーニングして、iPFK-2の完全な読み取り枠を単離し、pT7T3D-Pacプラスミド(Pharmacia) にクローン化した。制限切断と配列決定によって、この挿入体の配列が適切であることを確認した。挿入体を有するベクターによって細菌を形質転換し、制限分析と配列決定によって陽性コロニーを検出した。最後に、挿入体を切り出し、pET11b発現ベクター(Novagen) に再クローン化し、下記の一般的方法に従って発現させた。
【0022】
「iPFK-2キナーゼドメインの発現」
PCR クローニングによって、iPFK-2キナーゼドメインを得た。LPS 刺激したヒト単球の総mRNAを逆転写して得たcDNAプールを鋳型として、PCR 増幅を行った。5'伸長部分にNdeIとBamHI の制限部位を保有する2つの特異的プライマーを合成した:
P1: 5'-ACATATGCCGTTGGAACTGACGCAGAGC-3'(配列番号27)
P2: 5'-TGGATCCTCACAGGTAGATGGTACGCGGCT-3'(配列番号28)。
増幅産物は、予想サイズ通りであり、iPFK-2キナーゼドメイン(iPFK-2の読み取り枠47-797に相当する)のヌクレオチド配列に一致した。この増幅DNA 産物を、GENECLEAN DNA 精製キット(BIO101)によって精製し、pT7Blue クローニングt-ベクター(Novagen) と、ヒスチジンタグを有するpET14b発現ベクター(Novagen) とにクローン化した。PCR スクリーニングによって、挿入体を有するベクターを検出し、配列決定によって、挿入体の配列を検査した。挿入体陽性のpET14bの単一コロニーを、LBブロス2mlに接種し、37℃で3時間培養した。その培養細菌を、100ml のLBブロスが入った大きいフラスコに移し、37℃で培養した。そのOD600 が0.7 になったら、誘導のために培養細菌にIPTG(1mM) を加え、撹拌しながら25℃で一晩増殖させた。最後に培養液を遠心し、上清を吸い取り出し、ペレットを−70℃で凍結した。この保存細胞を溶解緩衝液(B-PER, Pierce) 中に再縣濁し、遠心し、可溶性タンパク質としての上清を、使用まで−20℃で保存した。ヒスチジンタグ精製キット(Novagen) で、本キナーゼドメインペプチドを精製し、下記の通りその酵素活性を検査した。この方法によって、ヒスチジンタグを付加したキナーゼドメイン又はホスファターゼドメインポリペプチドを生産し得る。
【0023】
「iPFK-2キナーゼ活性の検査」
Sakata et al.(J.Biol.Chem.266:15764-15770,1990) の方法に従った。Fru6-PとATP とからの代謝物であるFru2,6BPの生産を測定することで、iPFK-2ペプチド又はiPFK-2キナーゼドメイン(天然のもの又は組換え体)の酵素活性を簡便に検査する。活性1単位を、1分間あたり1μmol の代謝物の生成を触媒する酵素の量として定義する。通常、100mM Tris-HCl,pH7.5, 2mM DTT, 0.1mM EDTA, 5mM ATP, 1mM F6-P, 5mM リン酸カリウム及び10mM MgCl2を含む最終容量200 μl の反応液中で、30℃で反応を行う。一定の時間間隔で反応を止めるために、20μl 分量を、180 μl の50mM NaOH 溶液中に移し、この希釈溶液を90℃まで加熱する。この加熱した溶液の適量を用いて、下記通りF2,6BPを検査した。iPFK-2キナーゼ活性の阻害剤としてテスト薬剤を簡便に評価するために、前記インキュベーションにおいてテスト薬剤を添加し、F2,6BPの生産を検査した。コントロール実験を行って、テスト薬剤自体が、引き続いて行われるフルクトース2,6-ビスリン酸の測定を妨害しないことを確認した。
【0024】
フルクトース2,6-ビスリン酸の検査
Van Schaftingen et al.(Eur.J.Biochem.129:191-195,1982)の方法に従った。96ウエルプレート上で最終容量300 μl にて、簡便にF2,6BP検査を行った。各ウエルで、30μl の酵素溶液(4.5U/mlアルドラーゼ、17U/mlグリセロール-3-Pデヒドロゲナーゼ、50U/mlトリオースイソメラーゼ、0.1U/ml1- ピロリン酸依存性フルクトースビスリン酸キナーゼ、0.2%BSA)を、150 μl の緩衝液(100mM Tris/酢酸緩衝液、4mM 酢酸マグネシウム、100mM フルクトース-6- リン酸、0.3mM EDTA) に加える。試料(又は基準液)(105μl)を各ウエルに分配し、ピペッティングによって混合する。この反応混合液を室温で5分間インキュベーションしてから、10mMピロリン酸15μl を試料ウエルとコントロールウエルに同時に加え、ピペッティングによって混合する。この反応によりNADHが酸化される。それを、試料の340nm の吸光度を1分間隔で10分間測定することによって監視し、OD/分の値を得る。単位時間あたりの吸光度の変化率は、試料中に存在するF2,6BP濃度の双曲線関数になる。フルクトース2,6-ビスリン酸の適当な標準曲線に当てはめて、実験値を決定する。
【0025】
実施例1
この実施例では、本iPFK-2配列の最初のクローニングを説明する。富AU性要素を有する発現配列タグ(EST) を、National Center for Biotechnology Information のdbEST データベースから、参照配列ATTTATTTATTTA (配列番号12)を用いたTBLASTN 検索によって同定した。富AU性EST(GenBank ID F00287)を、ヒト骨格筋cDNAライブラリーから得た。これは、以前に同定された配列と無関係であった。ヒト骨格筋用Marathon cDNA-ready RACEキット(Clontech Lab.Inc.,Palo Alto,CA)を用いて、5'及び3'RACE法(cDNA末端急速増幅法)を行った。連続的5'方向RACE法に用いた遺伝子特異的オリゴヌクレオチドを、以下に示す:
5'-ATTGGTCTGGCAACTGCAAA-3'(配列番号19)
5'-GATTGTACCATACCTGAAGCACAGCCTC-3'(配列番号13)
5'-TCTCCTGCCGCTCCAGCTCCATGATCAC-3'(配列番号14)
5'-GTCAGCTTCTTGGAGATGTAGGTCTTGC-3'(配列番号15)
3'方向RACE法に用いた遺伝子特異的オリゴヌクレオチドを、以下に示す:
5'-TTGGTTTGGGAGCCTCCTATGTGTGACT-3'(配列番号16)
5'-TTGGCGTCTACTGATTCCTCCAACTCTC-3'(配列番号17)
増幅DNA 産物を、QIAEX DNA ゲル抽出キット(Qiagen, Germany) により精製し、そしてpT7Blue T-ベクター(Novagen, Madison,WI) 内にクローン化した。各増幅産物毎に、5個の組換えクローンを単離し、その挿入DNA の配列を、Taq Dye Deoxy Terminator Cycle配列決定キットとABI モデル373A DNA配列決定装置(Applied Biosystems, Foster City,CA)を用いて、両方向から決定した。ヒトiPFK-2の完全な予想アミノ酸配列を、近縁配列との比較と共に図1に示す。
【0026】
実施例2
この実施例では、LPS によって誘導した末梢血単球におけるiPFK-2のmRNAとタンパク質の急速発現を説明する。フィコール(Ficoll-Paque,内毒素検査済み;Pharmacia, Piscataway,NJ) を用いた全血の密度勾配遠心によってPBMCを単離し、6ウエルプレートで培養した(2x106cell/ml/well;10%牛胎児血清含有RPMI, Hyclone Labs, Logan, UT)。24時間後に培地交換して非接着細胞を除き、残った接着性の単球を、コントロールとしてそのまま、又は1mg/ml LPS(E.Coli 0111:B4;Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO) を加えて培養した。1.5, 3, 6, 12 又は24時間インキュベーションした後、細胞を剥がし、10分間の300g遠心で収集し、即座に分析した。改変グアニジニウムイソチオシアネート法(RNAzol, Cinna Biotecx,Friendwood,TX) によって細胞内総RNA を単離した。RT-PCR分析のために、取扱説明書に従って1.0mg の総RNA から、0.25ngのオリゴ(dT)及びSuperscript II(Gibco/BRL, Grand Island,NY)を用いてcDNAを調製した。そのcDNA2μl を、Perkin-Elmerモデル9600Thermal Cyclerで、下記のプライマーを用いたPCR によって増幅した。このPCR では、1サイクルを、95℃15秒の変性、55℃20秒のアニール、そして72℃30秒の伸長として、指示したサイクル数反応した後、72℃で5分間最後の伸長を行った。下記のヒトmRNA用プライマーを合成した(Gibco/BRL) :
βアクチン用:
5'-TAAGGAGAAGCTGTGCTACG-3'(配列番号7)
5'-ATCTCCTTCTGCATCCTGTC-3'(配列番号8)
IL-1β用:
5'-CTGTACCTGTCCTGCGTGTT-3'(配列番号18)
5'-AGCTCTCTTTAGGAAGACAC-3'(配列番号19)
iPFK-2用:
5'-ATTGGTCTGGCAACTGCAAA-3'(配列番号9)
5'-GGAGCCTCCTATGTGTGACT-3'(配列番号10)
肝臓PFK-2 用:
5'-GAAGTCAAACTGAATGTGTC-3'(配列番号20)
5'-CCTCTTGTAGGCAGTAAGTC-3'(配列番号21)
(及び、
5'-AGGCAGTAAGTCTTTATTCG-3'(配列番号22)
5'-AAGTCAAACTGCCTGTGTCC-3'(配列番号23)
データ未表示)
ノーザンブロット分析のために、RNA(7.5 μg)を1.5%アガロース/ホルムアルデヒドゲル中で電気泳動し、ナイロン膜(Schleicher & Schuell)に転写し、ヒトiPFK-2及びβアクチン用のcDNAプローブによって連続してハイブリダイズした。前記のプライマーを用いたPCR によってプローブを作成し、ランダムプライマー法(Megaprime Kit, Amersham) によって32P-標識した。DuPont反射フィルムと増強スクリーンとを用いて、室温で2〜6時間かけてオートラジオグラフを得た。ウエスタンブロット分析のために、2X Laemle 試料用緩衝液中で95℃で5分間加熱することで細胞を溶解し、18% SDS ポリアクリルアミドゲル中で還元条件下に電気泳動することで細胞総タンパク質を分離し、ニトロセルロース膜(Schleicher & Schuell)に転写した。この膜を、ウサギポリクローナル抗体である抗ヒトiPFK-2抗血清とインキュベーションした。この抗体を、KLH と連結したiPFK-2カルボキシ末端ペプチド([NH2]-GQPLLGQACLT-[COOH])(配列番号24)によってウサギを免疫化することで作成した。このペプチドは、iPFK-2に特有な領域(アミノ酸505-515 )を含むもので、その領域は、5アミノ酸の欠失及び8アミノ酸の不一致の点で胎盤PFK-2 の対応部分と異なる。その膜を、ペルオキシダーゼを連結したロバの抗ウサギIgG 抗体(1:8000)で、続いてECL 試薬(Amersham International, Buckinghamshire,England) で処理することで、免疫反応性のiPFK-2(Mr=59kD) を検出した(図2)。
【0027】
実施例3
この実施例は、ヒトガン細胞株によるiPFK-2のmRNA発現を説明する。各レーンに8種類のヒト細胞株由来のポリA-RNA 2 μg を含んだノーザンブロット膜(Clontech Labs) を、GAPDH のcDNAプローブ(Clontech Labs) と、実施例2のiPFK-2のcDNAプローブとによって連続してハイブリダイズした。下記の細胞株:前骨髄性白血病由来のHL-60 、HeLa細胞S3、慢性骨髄性白血病由来のK562、リンパ芽球性白血病由来のMOLT-4、バーキットリンパ腫由来のRaji、結腸直腸アデノカルシノーマ由来のSW480 、肺カルシノーマ由来のA549、及びメラノーマ由来のG361、を用いた。RT-PCR分析のために、K562のcDNA2μl を、Perkin-Elmerモデル9600Thermal Cyclerで、βアクチン、iPFK-2又は肝臓PFK-2 に特異的なプライマー(実施例2に記載されたもの)を用いてPCR で増幅した。これらのデータ(図3)から、多様なヒトガン細胞株でiPFK-2が発現していることが分かる。従って、このiPFK-2は、治療中ガンの進行を測定するため、細胞がガンであることを最初に同定するため、又は、患者がガンを有することを同定するために使用することができる腫瘍マーカー酵素配列としての可能性が高い。
【0028】
実施例4
この実施例では、iPFK-2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドが、インビトロでK562細胞の増殖を抑制することを説明する。対数増殖期のK562細胞(ATCC)を、96ウエルプレート上で10%FBS補充RPMI(Gibco/BRL) によって3対1組で培養した(5x103cell/well)。この細胞を、コントロールとしてPBS と共に、又はリポフェクチン法によって下記のホスホロチオエートオリゴヌクレオチドを導入して、20時間培養した:
S-iPFK-2(A) (位置35-55 センス)
5'-AGCCGCGAAGATGCCGTTGG-3'(配列番号1)
AS-iPFK-2(A)(位置35-55 アンチセンス)
5'-CCAACGGCATCTTCGCGGCT-3'(配列番号2)
S-iPFK-2(B) (位置42-62 センス)
5'-AAGATGCCGTTGGAACTGAC-3'(配列番号3)
AS-iPFK-2(B)(位置42-62 アンチセンス)
5'-GTCAGTTCCAACGGCATCTT-3'(配列番号4)
実施例2の通りにウエスタンブロット分析を行った。
Van Schaftingen, Methods.Enz.Anal.6:335-341,1984及びSant et al.,J.Biol.Biocehm.16:11038-11045,1992に各々従って、細胞のフルクトース2,6-ビスリン酸及び5-ホスホリボシル1-ピロリン酸の総量を測定した。K562の増殖活性を、インキュベーション/導入過程の最後の14時間におけるDNA への[3H]チミジン(4μCi/ml)(DuPont, Boston,MA) の取り込みから、それを液体シンチレーション計数機で定量して、測定した。図4のデータを平均±SD(n=3) として表す。2群のT-検定によって統計的有意差を評価した(分散を不均一と仮定した)(*はp<0.05)(Taetle et al.,Cancer Trmt.Reports 71:297-304,1987)。図4から、アンチセンスオリゴヌクレオチドの一群は、iPFK-2アンタゴニスト活性を有することが分かる。従って、このアンチセンスは、腫瘍組織におけるiPFK-2の広範な存在、及びワールブルグ効果の観点から、有意な抗ガン治療活性となる可能性が高い。
【0029】
実施例5
この実施例では、iPFK-2特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドが、インビボでK562腫瘍の増殖を抑制することを説明する。K562腫瘍を保有したマウスに、PBS (白丸)、S-iPFK-2(B) (白四角)又はAS-iPFK-2(B)(黒四角)を含んだミクロ浸透ポンプを、指示した日数の間移植した(図5)。10%FBS補充RPMI培地中で対数増殖期まで培養したK562細胞を集め、2回洗浄し、そしてPBS 中に再縣濁した(1x107cell/ml)。1群5匹の雌BALB/cヌードマウス(20gm)(Harlan Labs) の皮下に、K562縣濁液0.10ml(1x106cell) を注射した。処理前に平均重量が0.4gに成る様に、腫瘍を7日間増殖させた。0.1ml のPBS 、あるいはホスホロチオエートオリゴヌクレオチドS-iPFK-2(B) 又はAS-iPFK-2(B)(3mM/PBS;実施例4参照) を詰めたAlzet ミクロ浸透ポンプ(Alzet Co.,Palo Alto,CA)を、腫瘍保有マウスの皮下に移植した。0, 1, 2, 3及び4 日後に、Vernier カリパスを用い、式:重量(mg)=幅mm2 x 長さmm2 に従って、腫瘍のサイズを決定した(Taetle et al.,Cancer Trmt.Reports 71:297-304,1987) 。図5から、iPFK-2アンタゴニスト活性を示した当アンチセンスオリゴヌクレオチドが、抗ガン治療活性をも有することが証明される。従って、iPFK-2アンタゴニストは、ガン治療に有用である。
【0030】
実施例6
この実施例では、血中内毒素が、マウスの脾臓と筋において、iPFK-2のmRNA発現を誘導すること説明する。10週齢のBALB/cマウス(19-20gm) の腹腔内に、LPS(12.5mg/kg)又はコントロールとしての生理食塩水を注射した。6及び24時間後にCO2 窒息によりマウスを安楽死させ、脳(B) 、肝臓(L) 、下肢筋(M) 及び脾臓(S) を切開により取り出した。総RNA を抽出して、マウスiPFK-2に特異的なcDNAプローブを用いてノーザンブロット分析した(前記プローブを、ヒトiPFK-2特異的プライマー:
5'-TGAGGCAGACGTGTCGGTTC-3'(配列番号25)
5'-CAGCAGCTCCAGGAAAGTGT-3'(配列番号26)
を用いて、マウス腹腔内マクロファージのcDNAから、30サイクルのRT-PCRにより増幅した)。
この結果を示した図6から、LPS が、マウスの組織においてiPFK-2のmRNA発現を誘導したことが分かる。このデータから、iPFK-2が、炎症症状の治療マーカーとして診断薬理学上重要であることが指摘できる。
【0031】
実施例7
この実施例では、HIV 陽性者の末梢血単核細胞(PBMC)において、iPFK-2が過剰発現していることを説明する。3人の非感染者(レーン1-3)と5人のHIV 陽性者(レーン4-8)から総RNA を単離し、そしてβアクチン特異的プライマー:
5'-TAAGGAGAAGCTGTGCTACG-3'(配列番号7)
5'-ATCTCCTTCTGCATCCTGTC-3'(配列番号8)
及びiPFK-2特異的プライマー:
5'-ATTGGTCTGGCAACTGCAAA-3'(配列番号9)
5'-GGAGCCTCCTATGTGTGACT-3'(配列番号10)
を用いたRT-PCR(各々19及び23サイクル)によって分析した。
この結果を示した図7から、HIV 陽性者のPBMCにおいて、iPFK-2が過剰発現していることが分かる。
【0032】
実施例8
この実施例では、iPFK-2アンタゴニストの抗腫瘍治療活性を説明する。
テスト化合物、例えば、潜在的なiPFK-2アンタゴニストである2,5-アンヒドロ-D- マンニトールは、本発明で提供される組換えiPFK-2ポリペプチドにおいて、そのiPFK-2酵素(すなわちキナーゼ)活性を阻害するものである。次に、この2,5-アンヒドロ-D- マンニトール又はその他のテスト化合物を、抗腫瘍治療活性のインビトロ検査によって検査することもできる。これにより、iPFK-2キナーゼ酵素活性の阻害と、治療上の抗腫瘍薬理活性とを関係づける。糖(グルコース)を制御するために、K562腫瘍細胞(10%FBS補充RPMI培地中で増殖した1x104 細胞)を、種々の濃度の2,5-アンヒドロ-D- マンニトール又はその他のテスト化合物に12時間さらす。次に腫瘍細胞の増殖を評価するために、細胞増殖検査、例えばトリチウム化チミジンの取り込みの測定を行う。従ってこの方法は、テスト化合物が、iPFK-2アンタゴニストであるかどうかを決定する助けとなる。このアンタゴニストとは、検査においてiPFK-2に作用して、F2,6BPを低下させるか、及び/又はF6P を増加させる薬剤を指す。
【0033】
別の腫瘍細胞増殖検査を、2つの異なるiPFK-2アンチセンスオリゴヌクレオチドとT-細胞腫瘍株MOLT-4を用いて、実施例4の記載の様に実施した。図9で示す通り、両iPFK-2アンチセンスオリゴヌクレオチドが、腫瘍細胞増殖を抑制し、この予想インビトロ検査において抗腫瘍医薬活性を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、新規なiPFK-2のcDNAから予想されるアミノ酸配列、並びに、そのアミノ酸配列と、ヒト胎盤のcDNA(Sakai, Kato, Fukusawa et al.,J.Biochem.119:506-511,1996) 及びヒト肝臓のcDNA(Lange and Pilkis, Nuc.Acids Res.18:3652,1990)から推定したPFK-2 アミノ酸配列との整列を示す。箱で囲った部分の残基が同一である。
【図2】 図2a-cは、LPS が、iPFK-2のmRNAとタンパク質とを急速に発現する様に、末梢血単球を誘導することを示す。図2aは、RT-PCRによる分析である。図2bは、ノーザンブロットによる分析である。図2cは、ウエスタンブロットによる分析であり、右パネルでは抗iPFK-2血清を用い、左パネルでは、その抗血清を作ったiPFK-2特異的ペプチドによって、その抗血清を事前に吸着させたものを用いた。
【図3】 図3a及びc は、ヒトのガン細胞株におけるiPFK-2のmRNAの発現を示す。図3aは、種々のヒトのガン細胞株におけるノーザンブロット分析を示す。図3bは、RT-PCRによる、K562細胞におけるβアクチン、iPFK-2及びヒト肝臓PFK-2 の分析を示す。
【図4】 図4a-cは、iPFK-2アンタゴニストであるアンチセンスオリゴヌクレオチドが、インビトロで、iPFK-2特異的なK562細胞の増殖を阻害することを示す。図4aは、アンチセンスオリゴヌクレオチドのiPFK-2アンタゴニスト活性を、ウエスタンブロットで分析したものである。図4bは、センスオリゴヌクレオチド(S) とアンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)のiPFK-2アンタゴニスト活性を、フルクトース2,6-ビスリン酸測定によって分析したものである。図4cは、センスオリゴヌクレオチド(S) とアンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)のiPFK-2アンタゴニスト活性を、5-ホスホリボシル1-ピロリン酸測定と、K562細胞の増殖測定とによって分析したものである。
【図5】 図5は、アンチセンスオリゴヌクレオチドのiPFK-2アンタゴニスト活性をインビボで証明するデータであり、しかもiPFK-2アンタゴニストの抗ガン治療活性を示す。
【図6】 図6は、血中内毒素が、脾臓と筋組織において、マウスiPFK-2のmRNA発現を誘導することを示す。10週齢のBALB/cマウス(19-20gm) の腹腔内に、LPS(12.5mg/kg)又はコントロールとしての生理食塩水を注射した。6及び24時間後にCO2 窒息によりマウスを安楽死させ、脳(B) 、肝臓(L) 、下肢筋(M) 及び脾臓(S) を切開により取り出した。総RNA を抽出して、マウスiPFK-2に特異的なcDNAプローブを用いてノーザンブロット分析した(前記プローブを、ヒトiPFK-2特異的プライマー:
5'-TGAGGCAGACGTGTCGGTTC-3'(配列番号5)
5'-CAGCAGCTCCAGGAAAGTGT-3'(配列番号6)
を用いて、マウス腹腔内マクロファージのcDNAから、30サイクルのRT-PCRにより増幅した)。このインビボのデータから、LPS が、マウスの脳、肝臓、筋及び脾臓において、iPFK-2のmRNA発現を誘導することが示される。
【図7】 図7は、HIV 陽性者の末梢血単核細胞(PBMC)において、iPFK-2が過剰発現していることを示す。3人の非感染者(レーン1-3)と5人のHIV 陽性者(レーン4-8)から総RNA を単離し、そしてβアクチン特異的プライマー:
5'-TAAGGAGAAGCTGTGCTACG-3'(配列番号7)
5'-ATCTCCTTCTGCATCCTGTC-3'(配列番号8)
及びiPFK-2特異的プライマー:
5'-ATTGGTCTGGCAACTGCAAA-3'(配列番号9)
5'-GGAGCCTCCTATGTGTGACT-3'(配列番号10)
を用いたRT-PCR(各々19及び23サイクル)によって分析した。
【図8】 図8は、代謝におけるiPFK-2の役割、特に急速分裂中のガン細胞における役割を推定した代謝経路図であり、そこには、嫌気的代謝による乳酸の集積と、急速な細胞分裂を支援するためのヌクレオチド生産とがある。
【図9】 図9は、iPFK-2アンチセンスオリゴヌクレオチドが、T-細胞腫瘍株MOLT-4の増殖を阻害することを示す。2つの異なるiPFK-2アンチセンスオリゴヌクレオチドが有効であり、この予想検査において抗腫瘍医薬活性を示した。
【配列表】
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Claims (14)

  1. ヒトiPFK-2転写物の1つ又は複数のヌクレオチド配列の存在を検出するために体液又は体組織、腫瘍液又は腫瘍組織の試料について配列同定検査を実施することを含んで成る検査方法であって、該1つ又は複数のヌクレオチド配列が配列番号9、配列番号10、配列番号24をコードするヌクレオチド配列、これらの相補配列、又はこれらの組み合わせから成る群から選択される、検査方法
  2. ヒト誘導性ホスホフルクトキナーゼ−2(iPFK-2)転写物の核酸配列に相補的な少なくも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチド、及び医薬的に許容されるオリゴヌクレオチド担体を含んで成る、医薬組成物であって、該アンチセンスオリゴヌクレオチドが、5'-CCAACGGCATCTTCGCGGCT-3'(配列番号2)、5'-GTCAGTTCCAACGGCATCTT-3'(配列番号4)、及びこれらの組合せの中から選択されるアンチセンスオリゴヌクレオチド配列を含んで成る20-50 塩基のオリゴヌクレオチドである、医薬組成物。
  3. ヒトiPFK-2ポリペプチドをコードし、且つ配列番号11の配列内のコード領域を含んでいる、単離されたDNA。
  4. 配列番号11の配列を含んでいるcDNA配列から発現された、単離されたヒトiPFK-2ポリペプチド。
  5. ヌクレオチド配列が配列番号9である、請求項1の検査方法
  6. ヌクレオチド配列が配列番号10である、請求項1の検査方法
  7. オリゴヌクレオチド配列が、5'-CCAACGGCATCTTCGCGGCT-3'(配列番号2)である、請求項2の医薬組成物。
  8. オリゴヌクレオチド配列が、5'-GTCAGTTCCAACGGCATCTT-3'(配列番号4)である、請求項2の医薬組成物。
  9. オリゴヌクレオチド配列が、5'-CCAACGGCATCTTCGCGGCT-3'(配列番号2)及び5'-GTCAGTTCCAACGGCATCTT-3'(配列番号4)の組み合わせである、請求項2の医薬組成物。
  10. ヌクレオチド配列が、配列番号9及び配列番号10の組み合わせである、請求項1の検査方法
  11. ヒト誘導性ホスホフルクトキナーゼ−2(iPFK-2)のキナーゼ酵素活性を阻害する薬剤をスクリーニングするための方法であって:
    (a)iPFK-2酵素又は配列番号11由来のそのキナーゼドメインを発現させること;
    (b)候補薬剤の存在下及び不存在下においてiPFK-2酵素又はそのキナーゼドメインをフルクトース6−ホスフェート基質と接触させること;及び
    (c)候補薬剤の存在下及び不存在下においてフルクトース6−ホスフェートのフルクトース2,6−ビスホスフェートへの変換を測定すること、を含んで成り、
    ここで、候補薬剤の存在下における変換がその不存在下よりも小さい場合に、候補治療剤はキナーゼ活性の阻害剤であり、そして
    候補薬剤の存在下における変換がその不存在下よりも小さくない場合に、候補治療剤はキナーゼ活性の阻害剤ではない、ことを特徴とする方法。
  12. さらに、発現したiPFK-2酵素又はそのキナーゼドメインを精製及び単離することを含んで成る、請求項11の方法。
  13. ヒト誘導性ホスホフルクトキナーゼ−2(iPFK-2)アンタゴニストを含んで成る炎症性疾患の治療のための医薬組成物であって、該アンタゴニストが5'-CCAACGGCATCTTCGCGGCT-3'(配列番号2)、5'-GTCAGTTCCAACGGCATCTT-3'(配列番号4)、及びこれらの組合せから成る群から選択されるアンチセンスオリゴヌクレオチドを含んで成る20-50 塩基のオリゴヌクレオチドである、医薬組成物。
  14. ヒト誘導性ホスホフルクトキナーゼ−2(iPFK-2)アンタゴニストを含んで成る癌の治療のための医薬組成物であって、該アンタゴニストが5'-CCAACGGCATCTTCGCGGCT-3'(配列番号2)、5'-GTCAGTTCCAACGGCATCTT-3'(配列番号4)、及びこれらの組合せから成る群から選択されるアンチセンスオリゴヌクレオチドを含んで成る20-50 塩基のオリゴヌクレオチドである、医薬組成物。
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