JP4368957B2 - 義足装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大腿部から下を失った使用者、すなわち膝関節および下腿を失った使用者に装着される義足装置に関する。さらに特定すれば、本発明は上記のような義足装置において、使用者の歩行速度に適応した作動をなし、使用者がより早く、または遅く、より快適に歩行または走行することを可能とした義足装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、大腿部から下を失った使用者に装着される義足は、大腿の断端部に装着されるソケット部と、人体の下腿および足部に相当する部分である下腿義肢部と、上記のソケット部と下腿義肢部とを回動自在に連結する膝関節に相当する膝関節部とから構成されている。このような義足は、使用者の歩行の際に、上記の下腿義肢部が大腿に対して前方に振り出されて着地し、より円滑な歩行を可能としている。
【0003】
しかし、従来の義足においては、上記の下腿義肢部の振り出しの速度について考慮が払われておらず、より円滑な歩行を妨げていた。すなわち、健常者が歩行または走行する場合には、大腿の前方への振り出しの際に膝関節が曲がって下腿が後方に遅れ、この後にこの下腿部分が前方に振り出され、体重の移動と同期してこの振り出された下腿の足部が着地する。この下腿の振り出し速度は、大腿の振り出し速度すなわち歩行または走行の速度に対応して変化するものである。
【0004】
しかし、従来の義足では上述のような歩行の際の下腿義肢部の運動の特性について考慮が払われおらず、円滑な歩行を妨げていた。すなわち、義足の下腿義肢部の運動は、剛体振子の運動に模擬してモデル化できるが、従来の義足では、この下腿義肢部の振子としての周期が一定であった。通常の場合には、この下腿義肢部の周期は標準的な歩行速度に対応して設定されているので、使用者がたとえば早く歩行したり走行したりする場合には、下腿義肢部の振り出しが遅れ、歩行または走行の円滑さを損なうものであった。また、この下腿義肢部の周期を短く設定すると、ゆっくり歩行する場合に下腿義肢部の振り出しが過度に早くなり、これも歩行の円滑さを損なうものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の事情に基づいてなされたもので、上記のような大腿部から下を失った使用者に装着される義足において、使用者の歩行速度が変化した場合でも、常に最適の円滑な歩行を可能とする義足装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述したこの発明の課題を解決するために、この発明に従っている1つの義足装置は:使用者の大腿の断端部に装着されるソケット部と、本体部と上記本体部の下端の足部とで構成されている下腿義肢部と、上記ソケット部と上記下腿義肢部の上記本体部の上端部とを回動自在に連結する膝関節部と、を備えた義足装置において、
上記下腿義肢部の上記本体部に上下方向に移動自在に設けられた重錘と、この重錘を上下方向に移動案内するとともに任意の位置で固定することが出来る重錘移動機構と、を具備しており、
上記重錘は、上記下腿義肢部の上記本体部の内部に収容されたケーシングを備えており、
上記重錘移動機構は、上記下腿義肢部の上記本体部の内部に上記ケーシングを貫通して上下方向に沿って設けられたスクリュー軸及び案内ロッドと、上記ケーシング内に収容されて上記スクリュー軸に螺合し上記ケーシングに対し回転自在に支承されているナット部材と、上記ケーシング内に収容され上記ナット部材を正逆方向に回転駆動するモータと、上記ケーシング内に収容された電池及び上記モータの回転を制御するモータ駆動部を含む制御装置と、を備えている、
ことを特徴としている。
上述したこの発明の課題を解決するために、この発明に従っているもう1つの義足装置は:使用者の大腿の断端部に装着されるソケット部と、本体部と上記本体部の下端の足部とで構成されている下腿義肢部と、上記ソケット部と上記下腿義肢部の上記本体部の上端部とを回動自在に連結する膝関節部と、を備えた義足装置において、
上記下腿義肢部の上記本体部に上下方向に移動自在に設けられた重錘と、この重錘を上下方向に移動案内するとともに任意の位置で固定することが出来る重錘移動機構と、を具備しており、
上記重錘移動機構が、上記下腿義肢部の上記本体部に構成され流体圧により上記重錘を移動させるシリンダ部と、義足装置の使用者の歩行動作により上記シリンダ内に流体を送るポンプ機構と、このポンプ機構により上記のシリンダ内に供給された流体を排出するとともにその排出流量を制限し使用者の歩行速度に対応した上記のシリンダ内への流体の送り量に対応してこのシリンダ内の流体圧を変化させて上記の重錘を移動させる圧力調整機構と、を備えており
前記シリンダの内部は前記重錘により前記重錘よりも上側の上部気室と前記重錘よりも下側の下部気室とに区画されていて、
前記重錘移動機構の前記ポンプ機構は、前記シリンダの内部の下部気室と連通しており
前記重錘移動機構の前記圧力調整機構は、前記シリンダの内部の下部気室及び上部気室の夫々に連通した絞り弁及びドレイン弁の組み合わせ又はオリフィスを有しており、下部気室及び上部気室の夫々は絞り弁及びドレイン弁の組み合わせ又はオリフィスを介して外部に連通している、
ことを特徴としている。
【0007】
したがって、この重錘の位置を調整することにより、膝関節部からこの下腿義肢部の重心までの距離が変化し、この下腿義肢部の振子の周期が変化する。よって、ゆっくり歩行する際には、重錘の位置を下げてこの下腿義肢部の周期を長くしてその振り出しの速度を遅くし、また早く歩行または走行する場合には、この重錘の位置を上げてこの下腿義肢部の周期を短くしてその振り出し速度を早くし、いずれの場合でも最適でかつ円滑な歩行を可能とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施形態を説明する。図1には、第1の本発明の第1の実施形態を示す。
図中の1はソケット部であって、このソケット部1は使用者の大腿Aの断端部に従来公知の手段により装着されるように構成されている。また、図中の2は下腿義肢部であって、この下腿義肢部2の上端部と上記のソケット部1の下端部は膝関節部3により回動自在に連結され、この実施形態では、回動軸4により枢着されている。
【0021】
上記の下腿義肢部2は、中空筒状の本体部5と、この本体部5の下端に形成された足部6とから構成されている。なお、この図1では、この足部6は本体5と一体に描かれているが、歩行床面または路面の状態やその他の条件に対応して、最適の形状の足部6を交換可能に構成しても良い。また、上記の本体部5は、たとえばチタン合金や繊維強化樹脂等の材料で形成され、強靭でかつ軽量に構成されている。
【0022】
そして、この下腿義肢部2の本体部5の内部には、重錘10が設けられ、この重錘10は、重錘移動機構11により上下方向に移動可能で、かつ任意の位置で固定できるように構成されている。
【0023】
上記の重錘移動機構11は、以下のように構成されている。すなわち、この下腿義肢部2の本体部5内には、上下方向に沿って棒状の案内部材12が設けられている。そして、この案内部材12は、たとえば上記の重錘10を摺動自在に貫通し、この重錘10はこの案内部材12に沿って移動自在に案内されている。また、この重錘10には、締螺子13が螺装されており、この締螺子13を締め付けることにより、その先端部が上記の案内部材12を押圧し、この重錘10をその任意の位置に固定できるように構成されている。
【0024】
次に、上記の第1の実施形態の作動を説明する。前述のように、この義足装置の使用者が歩行する際には、大腿Aの振り出しに遅れて下腿義肢部2が前方に振り出され、使用者の体重移動等のタイミングに対応してこの振り出された下腿義肢部2の足部6が接地する。
【0025】
この場合に、使用者が早く歩行または走行する場合には、当然ながら大腿Aの振り出し速度も早くなる。そして、使用者は、歩行に先だってその歩行すべき速度に対応して上記の締螺子13を緩め、重錘10を上方または下方に移動してこの下腿義肢部2の重心Gの位置を変更し、所定の位置で締螺子13を締め付け、この重錘10をその位置に固定する。
【0026】
前述のように、この下腿義肢部2の運動は剛体振子に模擬できるので、上記の重錘10を上下に移動させてこの下腿義肢部2の重心Gから前記の膝関節部3の回動軸4までの距離Lを変更することにより、この下腿義肢部2の振子の周期、すなわち振り出しの速度を変更することができる。したがって、早く歩行または走行する場合には、これに対応して上記の重錘10を上方に移動し、重心Gと回動軸4との距離を短くしてこの下腿義肢部2の振り出し速度を早くする。また、歩行速度が遅い場合には、上記と逆に重錘10を下方に移動し、この下腿義肢部2の振り出し速度を遅くする。このようにして、歩行または走行の速度に対応して下腿義肢部2の振り出し速度を最適に設定し、速度の遅い場合または早い場合のいずれでも円滑な歩行をなすことができる。
【0027】
また、この実施形態のものは、構造が簡単で信頼性が高いとともに、使用者が個々の歩行の癖等に対応してこの下腿義肢部2の運動を微妙に設定できるという利点もある。すなわち、大腿Aの振り出し方、これに追従して振り出される下腿義肢部2の振り出しのタイミングや速度、この下腿義肢部2の足部6が接地する際の大腿Aとの角度、体重移動とのタイミング等は、使用者によりそれぞれ異なるが、この実施形態のものは、使用者自らがこれらの癖に対応して下腿義肢部2の振り出しを微妙に調整できる。
【0028】
なお、本発明は上記の実施形態には限定されない。たとえば、図2には第1の本発明の第2の実施形態を示す。このものは、下腿義肢部2の本体が棒状の支柱部5aとして構成されており、この支柱部5aがこの下腿義肢部2の本体と、重錘10の案内部材とを兼用しているものである。なお、この実施形態のものは、上記の点以外は前記の第1の実施形態と同様の構成であり、図2中で第1の実施形態と対応する部分には同じ符号を付してその説明は省略する。この実施形態の作動および特徴は、上記の第1の実施形態と同様であるが、より構造が簡単でかつ軽量に構成できる利点がある。
【0029】
また、図3および図4には、第1の本発明の第3の実施形態を示す。このものは、前記の重錘の移動を自動化したものである。
この実施形態のものは、下腿義肢部2の本体部5の内部に重錘10が収容され、またこの重錘10を自動的に上下に移動させる駆動機構20が設けられている。この駆動機構20は、上下方向に沿って設けられたスクリュー軸21を備えており、このスクリュー軸21は重錘10に設けられたナット29を貫通してこれに螺合している。
【0030】
このスクリュー軸21は、上記の本体部5に回転自在に支承されているとともに、この本体部5内に設けられたモータ22により正逆両方向に回転駆動される。よって、このモータ22によりこのスクリュー軸21が回転されると、上記の重錘10が上下に移動する。また、このモータ22にはロータリーエンコーダ25が内蔵されており、上記のスクリュー軸21の回転を検出することにより上記の重錘10の位置を検出する。
【0031】
また、この下腿義肢部2には、歩行検出器24が取り付けられている。この歩行検出器24は、たとえば加速度検出器から構成され、この義足装置の振り出しの加速度、あるいは接地の際の衝撃等を検出し、これらから歩行者の歩行速度を検出するものである。
【0032】
そして、上記のモータ22、ロータリーエンコーダ25、歩行検出器24等は、電線30を介して制御装置23に接続されている。この制御装置23は、使用者の身体、たとえば腰部等に装着される。この制御装置23は、図4に示すように、上記のモータ22を駆動するための電力を供給する電池26、上記のモータ22の回転を制御するモータ駆動部27、およびこれらを制御する制御部28等を内蔵している。
【0033】
以下、この実施形態の作動を説明する。上記の歩行検出器24、ロータリーエンコーダ25等からの信号は、上記の制御部23に入力される。この制御部28では、これらの信号からこの使用者の歩行速度を算定し、これに対応して前記の重錘の最適な位置を算出する。そして、これに対応して上記のモータ駆動部27に制御信号を出力し、モータ22を駆動して重錘10を上記の算出した最適の位置まで移動させる。
【0034】
なお、この実施形態のものは、その構成および作動は上記の点以外は前記の第1の実施形態と同様の構成であり、図3および図4中で対応する部分には同じ符号を付してその説明は省略する。
【0035】
この実施形態のものは、使用者の歩行速度に対応して重錘10の位置が自動的に変更され、下腿義肢部2の振り出し速度が歩行速度に対応した最適の値に自動的に設定される。したがって、使用者は歩行または走行の速度を変える度に設定をする必要がなく、煩わしさがない。また、この実施形態のものは、遅い歩行、早い歩行および走行を頻繁に繰り返すような場合に適しており、遅い歩行や早い走行を繰り返すようなスポーツ等でもより快適に楽しむことができる。
【0036】
また、この実施形態のものは、個々の使用者の歩行の癖等に対応した制御プログラムを上記の制御部28に予め入力しておくこともできる。
また、図5には第1の本発明の第4の実施形態を示す。このものは、前記の第3の実施形態における制御装置23、すなわち電池26、制御部28、歩行検出器24等を下腿義肢部2に取り付けたものである。なお、31はこれらの部品を保護する着脱自在のカバーである。
【0037】
このものは、外部に電線が導出されないので、この義足装置の装着等の取扱が容易であり、また電線等によって使用者の歩行や動作が妨げられない等の利点がある。
【0038】
また図6には本発明の第5の実施形態を示す。このものは、上記の重錘の内部にモータ等を内蔵させたものである。
すなわち、この実施形態では、前記のスクリュー軸21は義足の本体部5側に固定されている。そして、重錘10aは、中空のケーシング32を備えており、上記のスクリュー軸21はこのケーシング32を貫通している。そして、このケーシング32内にはナット部材33が収容され、このナット部材33は上記のスクリュー軸21に螺合し、また上記のケーシング32に対して軸受34により回転自在に支承されている。
【0039】
また、このケーシング32内には、モータ37が収容され、歯車35,36を介して上記のナット部材33を正、逆、両方向に回転駆動するように構成されている。また、本体部5内には、上記のスクリュー軸21と平行に案内ロッド38が取り付けられており、この案内ロッド38は上記のケーシング32を摺動自在に貫通している。
【0040】
なお、この実施形態のものは、上記の点以外は前記の第3の実施形態と同様の構成であり、図6中でこの実施形態に対応する部分には同じ符号を付してその説明は省略し、また制御系統や配線等も省略されている。
【0041】
この実施形態のものは、上記のモータ37によりナット部材33が回転駆動され、このモータ37やナット部材33を含めた重錘10aが上下に移動して重心の位置を調整する。
【0042】
この実施形態のものは、重錘10a内にナット部材33やモータ37等が内蔵されているので、より小形化が可能であるとともに、このモータ37や駆動用の歯車35,36等の質量がこの重錘10aの質量として兼用されるので、この義足装置全体をより軽量にすることができる。なお、この実施形態では、重錘10a内にモータを内蔵した例を示したが、これに限らず、電池、その他の部品を重錘に内蔵させ、それらの質量をこの重錘の質量として兼用させることもでき、このようにしてもこの義足装置の軽量化が達成できる。
【0043】
また、図7には第1の本発明の第6の実施形態を示す。このものは、歩行者の歩行動作を利用して空気圧により重錘の位置を変更するものである。
この実施形態のものは、下腿義肢部2の本体が円筒状のシリンダ40により構成されている。そして、このシリンダ40内には、重錘10が上下に移動自在に収容されている。この重錘10とシリンダ40の内面との間は、たとえばシール部材等により気密が維持されている。この重錘10により区画されたシリンダ40の内部は、重錘10より下側が下部気室40a、重錘10より上側が上部気室40bである。
【0044】
また、この実施例のソケット部1には、使用者の歩行動作により作動されるポンプ機構が内蔵されている。このポンプ機構としては各種の構造のものが採用可能であるが、この実施形態では図示のような構造のものが採用されている。すなわち、このソケット1は、外側部41と内側部42とから構成され、外側部41は膝関節部3を介して下腿義肢部2に連結され、また内側部42は使用者の大腿の断端部Aに装着される。
【0045】
上記の内側部42は外側部41に対して少なくとも上下方向に移動自在に取り付けられている。この取り付け構造も各種の構造のものが採用可能であるが、この実施形態のものでは、これらの間にたとえば発泡ゴム等の弾性体43が充填されており、使用者の体重がこの内側部42に作用した場合に、この弾性体43が圧縮され、この内側部42が外側部41に対して下方に移動するように構成されている。
【0046】
そして、この外側部41と内側部42との間には、たとえばベローズ形の空気ポンプ44が設けられ、内側部42が下方に移動すると、空気を吐出するように構成されている。そして、この空気ポンプ44は、チューブ45等を介して前記のシリンダ40の下部気室40aに連通している。また、この下部気室40aは、所定の空気抵抗を有する調整可能形の絞り弁46およびドレン弁47を介して大気に連通している。また、上記の上部気室40bも、同様に絞り弁48およびドレン弁49を介して大気に連通している。なお、上記の絞り弁46,48は、一定の空気抵抗を有するオリフイスでも良い。
【0047】
次に、この実施形態の作用を説明する。使用者が歩行をすると、この歩行動作により上記の空気ポンプ44が作用し、シリンダ40の下部気室40a内に空気を供給する。この下部気室40a内に供給された空気は、絞り弁46を介して大気に放出されるが、その際の空気抵抗により、この下部気室40a内の圧力は上昇する。
【0048】
そして、使用者がゆっくり歩行している場合には、空気ポンプ44から下部気室40a内に供給される空気の流量が少ないので、この下部気室40a内の圧力は比較的低くなり、上記の重錘10は下方に移動する。したがって、この下腿義肢部2の振子の周期は長くなり、その振り出し速度は遅い歩行速度に対応して遅くなる。また、使用者が早く歩行または走行した場合には、上記の空気ポンプ44から供給される空気の流量が多くなり、この下部気室40aの圧力は上昇する。これによって重錘10は上方に移動し、この下腿義肢部2の振子の周期が短くなり、早い歩行または走行に対応してこの下腿義肢部2の振り出し速度が早くなる。なお、上記の作動の際に、上部気室40b内の圧力は、絞り弁48の作用により適度に維持され、重錘10とシリンダ40の内周面との摩擦力とともに、この重錘10が上下に振動するのを防止する減衰作用をなす。
【0049】
この実施形態のものは、前記の第3の実施形態と同様に、使用者の歩行または走行の速度に対応して自動的に下腿義肢部の振り出し速度が変更されるので、操作に煩わしさがなく、歩行または走行の速度を頻繁に変更することができる。さらに、この実施形態のものは、使用者の歩行動作を利用して重錘の位置を変更するので、電源等が不要であり、保守等が不要であるとともに構造も簡単で信頼性が高い。
【0050】
また、図8には第7の実施形態を示す。このものは、上記の第6の実施形態と同様に、歩行動作に対応して作動する空気ポンプにより重錘の位置を変更するものであるが、構造をより簡略化したものである。
【0051】
すなわち、この実施形態のものは、シリンダ40の上部気室40bをチューブ50等を介して空気ポンプ44の吸入側に連通させ、また重錘10には下部気室40aと上部気室40bとを連通する連通路51を形成し、この連通路51の途中にオリフイス等の絞り部52を設けたものである。なお、この実施形態では、下部気室40aや上部気室40bと大気とを連通する絞り弁やドレン弁は省略されている。
【0052】
このものは、上部気室40bの空気が空気ポンプ44に吸入されて負圧となり、またこの空気ポンプ44から空気が下部気室40aに送られ、この下部気室40aの圧力が高くなる。そして、この空気は、上記の連通路51、絞り部52を介して下部気室40aから上部気室40bに送られ、空気はこの経路を循環する。そして、使用者が遅く歩行した場合には、この空気ポンプ44による空気の循環量が少ないので、下部気室40aと上部気室40bとの差圧が少なくなり、重錘10は下方に移動し、この下腿義肢部2の振り出し速度が遅くなる、また、使用者が早く歩行または走行した場合には、空気ポンプ44による循環空気量が多くなるので、下部気室40aと上部気室40bとの間の差圧が大きくなり、重錘10が上方に移動し、この下腿義肢部2の振り出し速度が早くなる。
【0053】
この実施形態のものは、前述の第5の実施形態と同様の作動をなすものであるが、空気が閉ループ内の経路を循環するので、大気と連通する絞り弁やドレン弁等が不要となり、構造がより簡単となる。
【0054】
また、この実施形態のものは、上記のように空気が流通する経路が閉ループを構成しており、外部と連通していないので、この閉ループの循環経路内に空気の代わりにその他の気体または液体等の流体を封入することが可能である。液体を封入した場合には、圧縮性がないので、前記のような空気の圧縮性に起因する重錘の振動等の問題がない。
【0055】
また、図9には本発明の第8の実施形態を示す。このものは、前記の空気ポンプを義足装置の足部に内蔵させたものである。
すなわちこの実施形態では、図9に示すように義足装置の足部6が、比較的硬質の合成ゴム等の材料からなる底部55と、この底部55の上側に積層された圧縮性の発泡ゴム等の材料からなる甲部56とから構成されており、使用者の体重が作用すると、この甲部56が圧縮される。
【0056】
そして、この甲部56内には、たとえばベローズ形の空気ポンプ44aが埋設されており、歩行に際して使用者の体重が作用する度に、この空気ポンプ44aにより下腿義肢部2のシリンダ40の下部気室40a内に空気を供給する。
【0057】
なお、この実施形態は、上記の点以外は前記の第6の実施形態と同様な構成であり、図9中でこの第6の実施形態に対応する部分には同じ符号を付してその説明は省略する。
【0058】
この実施形態のものは、前記の第6の実施形態と同様の作用効果が得られるが、空気ポンプ44aが足部6内に内蔵されているので、より小形化ができ、また構造も簡単である。また、甲部56や空気ポンプ44aの圧縮により、歩行の際の地面からの衝撃をより効果的に緩衝する効果もある。
【0059】
また、図10には本発明の第9の実施形態を示す。このものは、前記の図8に示す第7の実施形態の空気ポンプを、前記の図9に示す第8の実施形態と同様に下腿義肢部2の足部6内に内蔵させたものである。
【0060】
なお、この第9の実施形態は上記の点以外は前記の第7および第8の実施形態と同様な構成であり、図10中で第7および第8の実施形態と対応する部分には同じ符号を付してその説明は省略する。
【0061】
この実施形態のものは、上記の第8の実施形態と同様な作用効果を得られるが、空気が循環する経路が閉ループであり、外部と連通していないので、この閉ループの循環経路内に空気の代わりにその他の気体または液体等の流体を封入することが可能である。液体を封入した場合には、圧縮性がないので、前記のような空気の圧縮性に起因する重錘の振動等の問題がない。
【0062】
また、図11ないし図14を参照して本発明の第2の発明を説明する。この第2の発明は、前述した第1の発明と同様の目的、効果を有するものであるが、下腿義肢部の振り出し速度を変更する構成として、重錘の移動に変わってこの下腿義肢部を前方に付勢するスプリングを備え、このスプリングの初期変形量を変更することによりその付勢力を変更し、下腿義肢部の振り出し速度を変更するものである。
【0063】
図11には、この第2の発明の第1の実施形態を示す。このものは、スプリングたとえば引っ張りコイルスプリング100を備えており、このスプリング100の一端部はソケット1側に取り付けられ、また他端部は下腿義肢部2側に取り付けられている。そして、このスプリング100により、この下腿義肢部2は前方に振り出されるように付勢されている。
【0064】
また、この下腿義肢部2内には、上記のスプリング100の付勢力を変更する付勢力変更機構101が内蔵されている。この付勢力変更機構101は、上下方向に沿って設けられた案内レール102を備えており、またこの案内レール102に沿って摺動自在な摺動部材103を備えている。この摺動部材103には、締螺子104が螺装されており、この締螺子104の頭部は下腿義肢部2の本体5の外側に突出している。そして、この摺動部材103には、前記のスプリング100の他端部が取り付けられている。なお、この実施形態では、上記のソケット部1の前部にストッパ部105が形成され、このストッパ部105は下腿義肢部2の一部に当接し、上記のスプリング100の付勢によりこの下腿義肢部2が所定の角度以上前方に回動しないように規制している。
【0065】
なお、この第2の発明は、上記の点以外は前記の第1の発明と同様の構成であり、図11中で第1の発明の実施形態に対応する部分には同じ符号を付してその説明は省略する。
【0066】
次に、この第2の発明の第1の実施形態の作用を説明する。上記のように、この下腿義肢部2はスプリング100により前方に振り出されるように付勢されており、その振動の周期すなわち振り出し速度は、このスプリング100の付勢力により変化する。
【0067】
そして、この実施形態では、たとえば遅く歩行する場合には、上記の締螺子104を緩めるとともに、この締螺子104を摘んで上記の摺動部材103を上方に移動させ、スプリング100の初期変形量を少なくし、所定の位置でこの締螺子104を締め付けて摺動部材103を固定する。これによって、このスプリング100の付勢力が小さくなり、この下腿義肢部2の振り出し速度が遅くなる。また、早く歩行または走行する場合には、この摺動部材103を下方に移動させ、スプリング100の初期変形量を大きくしてその付勢力を大きくし、このした腿義肢部2の振り出し速度を早くする。
【0068】
この第2の発明のものは、前述の第1の発明と同様に歩行または走行の速度に対応して下腿義肢部2の振り出しの速度を変更し、より円滑な歩行または走行が可能となる。また、この第2の発明のものは、重錘を使用しないので、より軽量に形成することが可能となる。
【0069】
また、図12には第2の発明の第2の実施形態を示す。このものは、下腿義肢部2内に上下方向に沿ってスクリュー軸110を設け、このスクリュー軸110に螺合した移動部材112にスプリング100の他端部を取り付けたものである。また、このスクリュー軸110は、モータ111により正逆両方向に回転駆動される。また、この実施形態では、図3に示す前述の第1の発明の第3の実施形態と同様に、歩行速度等を検出する歩行検出器113、を備え、これらは電線114を介して電池や制御部を内蔵した制御装置115に接続されている。
【0070】
この実施形態のものは、前記の図3に示した実施形態と同様に、歩行検出器113により歩行速度を検出し、この信号に対応して上記のモータ111を駆動してスクリュー軸110を回転し、移動部材112が上下に移動する。これにより、プリング100の初期変形量を変更してその付勢力を変化させ、歩行速度に対応した下腿義肢部2の振り出し速度を最適に自動的に調整する。
【0071】
なお、この実施形態において、上記の制御装置を前記の図5に示す実施形態と同様に、下腿義肢部2に一体的に取り付けることもできる。
また、図13には第2の発明の第3の実施形態を示す。このものは、上記のスプリングの初期変形量を変更する機構を空気圧方式にしたものである。
【0072】
すなわち、この実施形態では、下腿義肢部2の本体が筒状のシリンダ120に構成され、この内部にピストン121が気密を維持して上下に移動自在に収容されており、このピストン121の下側が下部気室12a、上側が上部気室120bに形成されている。そして、スプリング100の他端部は、このピストン121に取り付けられている。なお、123はこのスプリング100がシリンダ状の下腿義肢部2を貫通する部分の気密を維持するためのゴムブッシュである。
【0073】
また、この実施形態のソケット部1は、前記の図6に示す第1の発明の第5の実施形態と同様な構成であり、歩行動作により作動される空気ポンプ44を備えている。そして、この空気ポンプ44の空気吐出側は、チューブ122等を介して上記の上部気室120bに連通されている。また、この上部気室120bおよび下部気室120aは、それぞれ絞り弁126,128およびドレン弁127,129を介して大気に連通している。
【0074】
この実施形態のものは、使用者が遅く歩行した場合には、空気ポンプ44からの供給空気流量が少ないので、上部気室120b内の圧力が比較的低く、よってピストン121が上昇してスプリング100の初期変形量を少なくし、その付勢力を減少させて下腿義肢部2の振り出し速度を遅くする。また、早く歩行または走行した場合には、空気ポンプ44からの供給空気流量が多くなるため、上部気室120b内の圧力が上昇し、ピストン121が下方に移動し、スプリング100の初期変形量が大きくなってその付勢力が増大し、下腿義肢部2の振り出し速度が早くなる。
【0075】
また、図14には第2の発明の第4の実施形態を示す。このものは、基本的には前記の図13に示す第3の実施形態と同様のものであるが、流体圧によりスプリングの付勢力を調整する形式のものである。
【0076】
すなわち、図14に示すように、この実施形態では足部6に前記と同様にポンプ44aが内蔵されている。また、下腿義肢部2の本体部120内にはシリンダ130が設けられ、このシリンダ130の下端部は下腿義肢部2の本体部120に取り付けられている。そして、このシリンダ130内には、ピストン131が液密を維持して摺動自在に収容されており、このピストン131によりシリンダ130内が上部シリンダ室130aと下部シリンダ室130bとに区画されている。
【0077】
そして、上記の上部シリンダ室130a内には、スプリング100が収容されており、このスプリング100の下端部は上記のピストン131に取り付けられ、また上端部はシリンダ130の上端のシール部材132を液密に摺動自在に貫通し、ソケット部1に取り付けられている。
【0078】
また、この下腿義肢部2の本体部120内には、第1リザーバ133および第2リザーバ142が設けられている。そして、上記のシリンダ130内には、流体、たとえば油圧作動油等が充填されており、上部シリンダ室130aは絞り弁140および弁141を介して上記の第1リザーバ133内に連通し、また下部シリンダ室130bは絞り弁143および弁145を介して上記の第2リザーバ142に連通している。
【0079】
また、上記のポンプ44aの吐出側は、管135を介して上記の上部シリンダ室130a内に連通し、また吸込側は管136を介して上記の第1リザーバ133に連通している。
【0080】
なお、この実施形態は上記の点以外は前記の図13に示す第3の実施形態と同様な構成であり、図14中でこの第3の実施形態と対応する部分には同じ符号を付してその説明は省略する。
【0081】
この実施形態のものは、歩行または走行に伴って上記のポンプ44aが作動し、流体たとえば作動油を第1リザーバ133から吸入し、これを加圧してシリンダ130の上部シリンダ室130a内に供給する。そして、この上部シリンダ室130a内に供給された作動油は、上記の絞り弁140を介して第1リザーバ133に戻され、この経路を循環する。
【0082】
そして、歩行速度が遅い場合には、上記のポンプ44aにより上部シリンダ室130a内に供給される作動油の流量が少ないので、この上部シリンダ室130a内の圧力が低下する。これによって、ピストン131が上方に移動し、スプリング100の初期変形量が減少して付勢力が減少する。よって、この下腿義肢部2の前方への振出し速度が歩行速度に対応して遅くなる。
【0083】
また、歩行または走行の速度が早くなると、ポンプ44aから上部シリンダ室130a内に供給される作動油の流量が増加するため、この上部シリンダ室130a内の圧力が上昇する。これによって、ピストン131が下方に移動し、スプリング100の初期変形量が増大して付勢力が増加し、この下腿義肢部2の前方への振出し速度が歩行または走行の速度に対応して早くなる。
【0084】
なお、上記のようなピストン131の上下移動により、下部シリンダ室130b内の容積が変化するので、この下部シリンダ室130b内の作動油は上記の第2リザーバ134に排出され、またこのリザーバから戻される。この場合に、上記の絞り弁143により流通する作動油に流動抵抗が与えられ、上記のピストン131の振動を減衰する。
【0085】
この実施形態のものは、流体たとえば作動油が循環する経路が閉じループであるので、上記のような作動油を使用することができる。また、このように圧力媒体として液体を使用するので、その圧力を高く設定することが可能であり、上記のようなシリンダ130やポンプ44a等を小形に形成することができ、全体を軽量かつコンパクトに構成できる。
【0086】
なお、本発明は上述した実施形態には限定されず、各種の変更、変形が可能である。たとえば、第1の発明における重錘の形状や配置、個数等は上記のものには限定されず、下腿義肢部の構造等に対応して最適のものに設計可能である。また、このモータ等を駆動する電池をこの重錘と兼用させても良い。
【0087】
また、前述の第2の発明におけるスプリングは、引っ張りコイルスプリングには限定されず、圧縮コイルスプリング、ねじりスプリング、板バネ、空気スプリング等、設計仕様に対応して各種のスプリングを採用することができる。
【0088】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、重錘の移動による重心位置の移動、またはスプリングの付勢力の変更等により、義足の下腿義肢部の振り出し速度を使用者の歩行または走行の速度に対応して任意に設定することができる。
【0089】
したがって、遅く歩行する場合には下腿義肢部の振り出し速度を遅くし、また早く歩行または走行する場合には下腿義肢部の振り出し速度を早くし、歩行または走行の速度に対応した最適の値に設定し、より円滑な歩行を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の第1の実施形態の義足の一部を断面で示す側面図。
【図2】第1の発明の第2の実施形態の義足の一部を断面で示す側面図。
【図3】第1の発明の第3の実施形態の義足の一部を断面で示す側面図。
【図4】第1の発明の第3の実施形態の制御装置の概略図。
【図5】第1の発明の第4の実施形態の義足の一部を断面で示す側面図。
【図6】第1の発明の第5の実施形態の義足の一部を断面で示す側面図。
【図7】第1の発明の第6の実施形態の義足の一部を断面で示す側面図。
【図8】第1の発明の第7の実施形態の義足の一部を断面で示す側面図。
【図9】第1の発明の第8の実施形態の義足の一部を断面で示す側面図。
【図10】第1の発明の第9の実施形態の義足の一部を断面で示す側面図。
【図11】第2の発明の第1の実施形態の義足の一部を断面で示す側面図。
【図12】第2の発明の第2の実施形態の義足の一部を断面で示す側面図。
【図13】第2の発明の第3の実施形態の義足の一部を断面で示す側面図。
【図14】第2の発明の第4の実施形態の義足の一部を断面で示す側面図。
【符号の説明】
1 ソケット部
2 下腿義肢部
3 膝関節部
10 重錘
11 重錘移動機構
12 案内部材
13 締螺子
21 スクリュー軸
22 モータ
23 制御装置
40 シリンダ
44,44a 空気ポンプ
46 絞り弁
100 スプリング
102 案内レール
103 摺動部材
104 締螺子
110 スクリュー軸
111 モータ
115 制御装置
120 シリンダ
121 ピストン

Claims (4)

  1. 使用者の大腿の断端部に装着されるソケット部と、本体部と上記本体部の下端の足部とで構成されている下腿義肢部と、上記ソケット部と上記下腿義肢部の上記本体部の上端部とを回動自在に連結する膝関節部と、を備えた義足装置において、
    上記下腿義肢部の上記本体部に上下方向に移動自在に設けられた重錘と、この重錘を上下方向に移動案内するとともに任意の位置で固定することが出来る重錘移動機構と、を具備しており、
    上記重錘は、上記下腿義肢部の上記本体部の内部に収容されたケーシングを備えており、
    上記重錘移動機構は、上記下腿義肢部の上記本体部の内部に上記ケーシングを貫通して上下方向に沿って設けられたスクリュー軸及び案内ロッドと、上記ケーシング内に収容されて上記スクリュー軸に螺合し上記ケーシングに対し回転自在に支承されているナット部材と、上記ケーシング内に収容され上記ナット部材を正逆方向に回転駆動するモータと、上記ケーシング内に収容された電池及び上記モータの回転を制御するモータ駆動部を含む制御装置と、を備えている、
    ことを特徴とする義足装置。
  2. 前記下腿義肢部には、歩行者の歩行速度を検出する歩行検出器が取り付けられており、
    前記重錘移動機構の前記制御装置は上記歩行検出器からの信号に対応して前記モータ駆動部を制御し上記の重錘を使用者の歩行速度に対応した位置まで移動させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の義足装置。
  3. 使用者の大腿の断端部に装着されるソケット部と、本体部と上記本体部の下端の足部とで構成されている下腿義肢部と、上記ソケット部と上記下腿義肢部の上記本体部の上端部とを回動自在に連結する膝関節部と、を備えた義足装置において、
    上記下腿義肢部の上記本体部に上下方向に移動自在に設けられた重錘と、この重錘を上下方向に移動案内するとともに任意の位置で固定することが出来る重錘移動機構と、を具備しており、
    上記重錘移動機構が、上記下腿義肢部の上記本体部に構成され流体圧により上記重錘を移動させるシリンダ部と、義足装置の使用者の歩行動作により上記シリンダ内に流体を送るポンプ機構と、このポンプ機構により上記のシリンダ内に供給された流体を排出するとともにその排出流量を制限し使用者の歩行速度に対応した上記のシリンダ内への流体の送り量に対応してこのシリンダ内の流体圧を変化させて上記の重錘を移動させる圧力調整機構と、を備えており
    前記シリンダの内部は前記重錘により前記重錘よりも上側の上部気室と前記重錘よりも下側の下部気室とに区画されていて、
    前記重錘移動機構の前記ポンプ機構は、前記シリンダの内部の下部気室と連通しており
    前記重錘移動機構の前記圧力調整機構は、前記シリンダの内部の下部気室及び上部気室の夫々に連通した絞り弁及びドレイン弁の組み合わせ又はオリフィスを有しており、下部気室及び上部気室の夫々は絞り弁及びドレイン弁の組み合わせ又はオリフィスを介して外部に連通している、
    ことを特徴とする義足装置。
  4. 前記ポンプ機構が前記下腿義肢部の前記足部に内蔵されている、ことを特徴とする請求項3に記載の義足装置。
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