JP2000037406A - 義足装置 - Google Patents

義足装置

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JP2000037406A
JP2000037406A JP10209456A JP20945698A JP2000037406A JP 2000037406 A JP2000037406 A JP 2000037406A JP 10209456 A JP10209456 A JP 10209456A JP 20945698 A JP20945698 A JP 20945698A JP 2000037406 A JP2000037406 A JP 2000037406A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大腿部から下を失った使用者に装着される義足
装置において、歩行速度が変化した場合でも、最適かつ
円滑な歩行を可能とする義足装置を提供する。 【解決手段】下腿義肢部2の本体5内に上下方向に案内
部材12を設け、締螺子13を緩めてこの案内部材12
に沿って重錘10を上下方向に移動可能で、かつこの締
螺子13を締め付けて任意の位置で固定可能とし、歩行
速度に対応して下腿義肢部2の重心Gの位置を変更して
その振り出し速度を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大腿部から下を失
った使用者、すなわち膝関節および下腿を失った使用者
に装着される義足装置に関する。さらに特定すれば、本
発明は上記のような義足装置において、使用者の歩行速
度に適応した作動をなし、使用者がより早く、または遅
く、より快適に歩行または走行することを可能とした義
足装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、大腿部から下を失った使用者に
装着される義足は、大腿の断端部に装着されるソケット
部と、人体の下腿および足部に相当する部分である下腿
義肢部と、上記のソケット部と下腿義肢部とを回動自在
に連結する膝関節に相当する膝関節部とから構成されて
いる。このような義足は、使用者の歩行の際に、上記の
下腿義肢部が大腿に対して前方に振り出されて着地し、
より円滑な歩行を可能としている。
【0003】しかし、従来の義足においては、上記の下
腿義肢部の振り出しの速度について考慮が払われておら
ず、より円滑な歩行を妨げていた。すなわち、健常者が
歩行または走行する場合には、大腿の前方への振り出し
の際に膝関節が曲がって下腿が後方に遅れ、この後にこ
の下腿部分が前方に振り出され、体重の移動と同期して
この振り出された下腿の足部が着地する。この下腿の振
り出し速度は、大腿の振り出し速度すなわち歩行または
走行の速度に対応して変化するものである。
【0004】しかし、従来の義足では上述のような歩行
の際の下腿義肢部の運動の特性について考慮が払われお
らず、円滑な歩行を妨げていた。すなわち、義足の下腿
義肢部の運動は、剛体振子の運動に模擬してモデル化で
きるが、従来の義足では、この下腿義肢部の振子として
の周期が一定であった。通常の場合には、この下腿義肢
部の周期は標準的な歩行速度に対応して設定されている
ので、使用者がたとえば早く歩行したり走行したりする
場合には、下腿義肢部の振り出しが遅れ、歩行または走
行の円滑さを損なうものであった。また、この下腿義肢
部の周期を短く設定すると、ゆっくり歩行する場合に下
腿義肢部の振り出しが過度に早くなり、これも歩行の円
滑さを損なうものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の事情
に基づいてなされたもので、上記のような大腿部から下
を失った使用者に装着される義足において、使用者の歩
行速度が変化した場合でも、常に最適の円滑な歩行を可
能とする義足装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の第1の
本発明は、使用者の大腿の断端部に装着されるソケット
部と、下腿義肢部と、上記のソケット部と下腿義肢部と
を回動自在に連結する膝関節部とを備えたものにおい
て、上記の下腿義足部に上下方向に移動自在に設けられ
た重錘と、この重錘を上下方向に移動案内するとともに
任意の位置で固定することができる重錘移動機構とを具
備したことを特徴とするものである。
【0007】したがって、この重錘の位置を調整するこ
とにより、膝関節部からこの下腿義肢部の重心までの距
離が変化し、この下腿義肢部の振子の周期が変化する。
よって、ゆっくり歩行する際には、重錘の位置を下げて
この下腿義肢部の周期を長くしてその振り出しの速度を
遅くし、また早く歩行または走行する場合には、この重
錘の位置を上げてこの下腿義肢部の周期を短くしてその
振り出し速度を早くし、いずれの場合でも最適でかつ円
滑な歩行を可能とする。
【0008】また、請求項2に記載の発明は、前記の重
錘移動機構は、手動により前記の重錘を上下方向に移動
させかつ任意の位置に固定するものである。したがっ
て、使用者が歩行速度に合わせて任意に重錘の位置を調
整し、下腿義肢部の振り出し速度を最適に設定すること
ができる。また、この発明のものは、使用者が自らの歩
行の癖等に対応して下腿義肢部の振り出し速度を微妙に
調整することが可能であり、かつ構造が簡単で信頼性が
高い。
【0009】また、請求項3に記載の発明は、前記の重
錘移動機構は、前記の重錘を上下方向に移動させる駆動
機構と、この駆動機構に駆動用の電力を供給する電源
と、この義足装置の使用者の歩行速度を検出する検出器
と、この検出器からの信号に対応して上記の駆動機構を
制御し、前記の重錘を使用者の歩行速度に対応した位置
まで移動させる制御部とを具備したものである。
【0010】したがって、使用者の歩行または走行の速
度に対応して自動的に下腿義肢部の振り出しの速度が調
整されるので、遅い歩行、早い歩行、走行等を交互に繰
り返す場合でも上記のような調整作業が不要で煩わしさ
がなく、またこれらの歩行や走行を繰り返すスポーツ等
をおこなうことも可能となる。
【0011】また、請求項4に記載の発明は、前記の重
錘移動機構は、流体圧により前記の重錘を移動させるシ
リンダ部と、この義足装置の使用者の歩行動作により上
記のシリンダ内に流体を送るポンプ機構と、このポンプ
機構により上記のシリンダ内に供給された流体を排出す
るとともにその排出流量を制限し使用者の歩行速度に対
応した上記のシリンダ内への流体の送り量に対応してこ
のシリンダ内の流体圧を変化させて上記の重錘を移動さ
せる圧力調整機構とを具備したものである。
【0012】したがって、上記の請求項3に記載の発明
と同様に、自動的に下腿義肢部の振り出しの速度が調整
されるので、遅い歩行、早い歩行、走行等を交互に繰り
返す場合でも上記のような調整作業が不要で煩わしさが
ない。また、この発明のものは、電池の交換等が不要で
あり、また構造も簡単で信頼性も高い。
【0013】また、請求項5に記載の第2の本発明は、
使用者の上腿の断端部に装着されるソケット部と、下腿
義肢部と、上記のソケット部と下腿義肢部とを回動自在
に連結する膝関節部とを備えたものにおいて、上記のソ
ケット部に対して上記の下腿義肢部を前方に回動する方
向に付勢するスプリングと、このスプリングの付勢力を
変更する付勢力変更機構とを具備したことを特徴とする
ものである。
【0014】したがって、このスプリングの付勢力を変
更することにより、この下腿義肢部の振子としての振動
の周期が変化する。よって、ゆっくり歩行する際にはこ
の下腿義肢部の周期を長くしてその振り出しの速度を遅
くし、また早く歩行または走行する場合には、この下腿
義肢部の周期を短くしてその振り出し速度を早くし、い
ずれの場合でも最適でかつ円滑な歩行を可能とする。
【0015】また、請求項6に記載の発明は、前記の付
勢力変更機構は、手動により前記のスプリングの初期変
形量を変更してその付勢力を変更するものである。した
がって、使用者が歩行速度に合わせてスプリングの付勢
力を任意に調整し、下腿義肢部の振り出し速度を最適に
設定することができる。また、この発明のものは、使用
者が自らの歩行の癖等に対応して下腿義肢部の振り出し
速度を微妙に調整することが可能であり、かつ構造が簡
単で信頼性が高い。
【0016】また、請求項7に記載の発明は、前記の付
勢力変更機構は、前記のスプリングの初期変形量を変更
してその付勢力を変更する駆動機構と、この駆動機構に
駆動用の電力を供給する電源と、この義足装置の使用者
の歩行速度を検出する検出器と、この検出器からの信号
に対応して上記の駆動機構を制御し、前記のスプリング
の付勢力を使用者の歩行速度に対応して変更する制御部
とを具備したものである。
【0017】したがって、使用者の歩行または走行の速
度に対応して自動的に下腿義肢部の振り出しの速度が調
整されるので、遅い歩行、早い歩行、走行等を交互に繰
り返す場合でも上記のような調整作業が不要で煩わしさ
がなく、またこれらの歩行や走行を繰り返すスポーツ等
をおこなうことも可能となる。
【0018】また、請求項8に記載の発明は、前記の付
勢力変更機構は、流体圧により前記のスプリングの初期
変形量を変更してその付勢力を変更するシリンダ機構
と、この義足装置の使用者の歩行動作により上記のシリ
ンダ機構内に流体を送るポンプ機構と、このポンプ機構
により上記のシリンダ機構内に供給された流体を排出す
るとともにその排出流量を制限し使用者の歩行速度に対
応した上記のシリンダ機構内への流体の送り量に対応し
てこのシリンダ機構内の流体圧を変化させて上記のスプ
リングの付勢力を変更する圧力調整機構とを具備したも
のである。
【0019】したがって、上記の請求項7に記載の発明
と同様に、自動的に下腿義肢部の振り出しの速度が調整
されるので、遅い歩行、早い歩行、走行等を交互に繰り
返す場合でも上記のような調整作業が不要で煩わしさが
ない。また、この発明のものは、電池の交換等が不要で
あり、また構造も簡単で信頼性も高い。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
形態を説明する。図1には、第1の本発明の第1の実施
形態を示す。図中の1はソケット部であって、このソケ
ット部1は使用者の大腿Aの断端部に従来公知の手段に
より装着されるように構成されている。また、図中の2
は下腿義肢部であって、この下腿義肢部2の上端部と上
記のソケット部1の下端部は膝関節部3により回動自在
に連結され、この実施形態では、回動軸4により枢着さ
れている。
【0021】上記の下腿義肢部2は、中空筒状の本体部
5と、この本体部5の下端に形成された足部6とから構
成されている。なお、この図1では、この足部6は本体
5と一体に描かれているが、歩行床面または路面の状態
やその他の条件に対応して、最適の形状の足部6を交換
可能に構成しても良い。また、上記の本体部5は、たと
えばチタン合金や繊維強化樹脂等の材料で形成され、強
靭でかつ軽量に構成されている。
【0022】そして、この下腿義肢部2の本体部5の内
部には、重錘10が設けられ、この重錘10は、重錘移
動機構11により上下方向に移動可能で、かつ任意の位
置で固定できるように構成されている。
【0023】上記の重錘移動機構11は、以下のように
構成されている。すなわち、この下腿義肢部2の本体部
5内には、上下方向に沿って棒状の案内部材12が設け
られている。そして、この案内部材12は、たとえば上
記の重錘10を摺動自在に貫通し、この重錘10はこの
案内部材12に沿って移動自在に案内されている。ま
た、この重錘10には、締螺子13が螺装されており、
この締螺子13を締め付けることにより、その先端部が
上記の案内部材12を押圧し、この重錘10をその任意
の位置に固定できるように構成されている。
【0024】次に、上記の第1の実施形態の作動を説明
する。前述のように、この義足装置の使用者が歩行する
際には、大腿Aの振り出しに遅れて下腿義肢部2が前方
に振り出され、使用者の体重移動等のタイミングに対応
してこの振り出された下腿義肢部2の足部6が接地す
る。
【0025】この場合に、使用者が早く歩行または走行
する場合には、当然ながら大腿Aの振り出し速度も早く
なる。そして、使用者は、歩行に先だってその歩行すべ
き速度に対応して上記の締螺子13を緩め、重錘10を
上方または下方に移動してこの下腿義肢部2の重心Gの
位置を変更し、所定の位置で締螺子13を締め付け、こ
の重錘10をその位置に固定する。
【0026】前述のように、この下腿義肢部2の運動は
剛体振子に模擬できるので、上記の重錘10を上下に移
動させてこの下腿義肢部2の重心Gから前記の膝関節部
3の回動軸4までの距離Lを変更することにより、この
下腿義肢部2の振子の周期、すなわち振り出しの速度を
変更することができる。したがって、早く歩行または走
行する場合には、これに対応して上記の重錘10を上方
に移動し、重心Gと回動軸4との距離を短くしてこの下
腿義肢部2の振り出し速度を早くする。また、歩行速度
が遅い場合には、上記と逆に重錘10を下方に移動し、
この下腿義肢部2の振り出し速度を遅くする。このよう
にして、歩行または走行の速度に対応して下腿義肢部2
の振り出し速度を最適に設定し、速度の遅い場合または
早い場合のいずれでも円滑な歩行をなすことができる。
【0027】また、この実施形態のものは、構造が簡単
で信頼性が高いとともに、使用者が個々の歩行の癖等に
対応してこの下腿義肢部2の運動を微妙に設定できると
いう利点もある。すなわち、大腿Aの振り出し方、これ
に追従して振り出される下腿義肢部2の振り出しのタイ
ミングや速度、この下腿義肢部2の足部6が接地する際
の大腿Aとの角度、体重移動とのタイミング等は、使用
者によりそれぞれ異なるが、この実施形態のものは、使
用者自らがこれらの癖に対応して下腿義肢部2の振り出
しを微妙に調整できる。
【0028】なお、本発明は上記の実施形態には限定さ
れない。たとえば、図2には第1の本発明の第2の実施
形態を示す。このものは、下腿義肢部2の本体が棒状の
支柱部5aとして構成されており、この支柱部5aがこ
の下腿義肢部2の本体と、重錘10の案内部材とを兼用
しているものである。なお、この実施形態のものは、上
記の点以外は前記の第1の実施形態と同様の構成であ
り、図2中で第1の実施形態と対応する部分には同じ符
号を付してその説明は省略する。この実施形態の作動お
よび特徴は、上記の第1の実施形態と同様であるが、よ
り構造が簡単でかつ軽量に構成できる利点がある。
【0029】また、図3および図4には、第1の本発明
の第3の実施形態を示す。このものは、前記の重錘の移
動を自動化したものである。この実施形態のものは、下
腿義肢部2の本体部5の内部に重錘10が収容され、ま
たこの重錘10を自動的に上下に移動させる駆動機構2
0が設けられている。この駆動機構20は、上下方向に
沿って設けられたスクリュー軸21を備えており、この
スクリュー軸21は重錘10に設けられたナット29を
貫通してこれに螺合している。
【0030】このスクリュー軸21は、上記の本体部5
に回転自在に支承されているとともに、この本体部5内
に設けられたモータ22により正逆両方向に回転駆動さ
れる。よって、このモータ22によりこのスクリュー軸
21が回転されると、上記の重錘10が上下に移動す
る。また、このモータ22にはロータリーエンコーダ2
5が内蔵されており、上記のスクリュー軸21の回転を
検出することにより上記の重錘10の位置を検出する。
【0031】また、この下腿義肢部2には、歩行検出器
24が取り付けられている。この歩行検出器24は、た
とえば加速度検出器から構成され、この義足装置の振り
出しの加速度、あるいは接地の際の衝撃等を検出し、こ
れらから歩行者の歩行速度を検出するものである。
【0032】そして、上記のモータ22、ロータリーエ
ンコーダ25、歩行検出器24等は、電線30を介して
制御装置23に接続されている。この制御装置23は、
使用者の身体、たとえば腰部等に装着される。この制御
装置23は、図4に示すように、上記のモータ22を駆
動するための電力を供給する電池26、上記のモータ2
2の回転を制御するモータ駆動部27、およびこれらを
制御する制御部28等を内蔵している。
【0033】以下、この実施形態の作動を説明する。上
記の歩行検出器24、ロータリーエンコーダ25等から
の信号は、上記の制御部23に入力される。この制御部
28では、これらの信号からこの使用者の歩行速度を算
定し、これに対応して前記の重錘の最適な位置を算出す
る。そして、これに対応して上記のモータ駆動部27に
制御信号を出力し、モータ22を駆動して重錘10を上
記の算出した最適の位置まで移動させる。
【0034】なお、この実施形態のものは、その構成お
よび作動は上記の点以外は前記の第1の実施形態と同様
の構成であり、図3および図4中で対応する部分には同
じ符号を付してその説明は省略する。
【0035】この実施形態のものは、使用者の歩行速度
に対応して重錘10の位置が自動的に変更され、下腿義
肢部2の振り出し速度が歩行速度に対応した最適の値に
自動的に設定される。したがって、使用者は歩行または
走行の速度を変える度に設定をする必要がなく、煩わし
さがない。また、この実施形態のものは、遅い歩行、早
い歩行および走行を頻繁に繰り返すような場合に適して
おり、遅い歩行や早い走行を繰り返すようなスポーツ等
でもより快適に楽しむことができる。
【0036】また、この実施形態のものは、個々の使用
者の歩行の癖等に対応した制御プログラムを上記の制御
部28に予め入力しておくこともできる。また、図5に
は第1の本発明の第4の実施形態を示す。このものは、
前記の第3の実施形態における制御装置23、すなわち
電池26、制御部28、歩行検出器24等を下腿義肢部
2に取り付けたものである。なお、31はこれらの部品
を保護する着脱自在のカバーである。
【0037】このものは、外部に電線が導出されないの
で、この義足装置の装着等の取扱が容易であり、また電
線等によって使用者の歩行や動作が妨げられない等の利
点がある。
【0038】また図6には本発明の第5の実施形態を示
す。このものは、上記の重錘の内部にモータ等を内蔵さ
せたものである。すなわち、この実施形態では、前記の
スクリュー軸21は義足の本体部5側に固定されてい
る。そして、重錘10aは、中空のケーシング32を備
えており、上記のスクリュー軸21はこのケーシング3
2を貫通している。そして、このケーシング32内には
ナット部材33が収容され、このナット部材33は上記
のスクリュー軸21に螺合し、また上記のケーシング3
2に対して軸受34により回転自在に支承されている。
【0039】また、このケーシング32内には、モータ
37が収容され、歯車35,36を介して上記のナット
部材33を正、逆、両方向に回転駆動するように構成さ
れている。また、本体部5内には、上記のスクリュー軸
21と平行に案内ロッド38が取り付けられており、こ
の案内ロッド38は上記のケーシング32を摺動自在に
貫通している。
【0040】なお、この実施形態のものは、上記の点以
外は前記の第3の実施形態と同様の構成であり、図6中
でこの実施形態に対応する部分には同じ符号を付してそ
の説明は省略し、また制御系統や配線等も省略されてい
る。
【0041】この実施形態のものは、上記のモータ37
によりナット部材33が回転駆動され、このモータ37
やナット部材33を含めた重錘10aが上下に移動して
重心の位置を調整する。
【0042】この実施形態のものは、重錘10a内にナ
ット部材33やモータ37等が内蔵されているので、よ
り小形化が可能であるとともに、このモータ37や駆動
用の歯車35,36等の質量がこの重錘10aの質量と
して兼用されるので、この義足装置全体をより軽量にす
ることができる。なお、この実施形態では、重錘10a
内にモータを内蔵した例を示したが、これに限らず、電
池、その他の部品を重錘に内蔵させ、それらの質量をこ
の重錘の質量として兼用させることもでき、このように
してもこの義足装置の軽量化が達成できる。
【0043】また、図7には第1の本発明の第6の実施
形態を示す。このものは、歩行者の歩行動作を利用して
空気圧により重錘の位置を変更するものである。この実
施形態のものは、下腿義肢部2の本体が円筒状のシリン
ダ40により構成されている。そして、このシリンダ4
0内には、重錘10が上下に移動自在に収容されてい
る。この重錘10とシリンダ40の内面との間は、たと
えばシール部材等により気密が維持されている。この重
錘10により区画されたシリンダ40の内部は、重錘1
0より下側が下部気室40a、重錘10より上側が上部
気室40bである。
【0044】また、この実施例のソケット部1には、使
用者の歩行動作により作動されるポンプ機構が内蔵され
ている。このポンプ機構としては各種の構造のものが採
用可能であるが、この実施形態では図示のような構造の
ものが採用されている。すなわち、このソケット1は、
外側部41と内側部42とから構成され、外側部41は
膝関節部3を介して下腿義肢部2に連結され、また内側
部42は使用者の大腿の断端部Aに装着される。
【0045】上記の内側部42は外側部41に対して少
なくとも上下方向に移動自在に取り付けられている。こ
の取り付け構造も各種の構造のものが採用可能である
が、この実施形態のものでは、これらの間にたとえば発
泡ゴム等の弾性体43が充填されており、使用者の体重
がこの内側部42に作用した場合に、この弾性体43が
圧縮され、この内側部42が外側部41に対して下方に
移動するように構成されている。
【0046】そして、この外側部41と内側部42との
間には、たとえばベローズ形の空気ポンプ44が設けら
れ、内側部42が下方に移動すると、空気を吐出するよ
うに構成されている。そして、この空気ポンプ44は、
チューブ45等を介して前記のシリンダ40の下部気室
40aに連通している。また、この下部気室40aは、
所定の空気抵抗を有する調整可能形の絞り弁46および
ドレン弁47を介して大気に連通している。また、上記
の上部気室40bも、同様に絞り弁48およびドレン弁
49を介して大気に連通している。なお、上記の絞り弁
46,48は、一定の空気抵抗を有するオリフイスでも
良い。
【0047】次に、この実施形態の作用を説明する。使
用者が歩行をすると、この歩行動作により上記の空気ポ
ンプ44が作用し、シリンダ40の下部気室40a内に
空気を供給する。この下部気室40a内に供給された空
気は、絞り弁46を介して大気に放出されるが、その際
の空気抵抗により、この下部気室40a内の圧力は上昇
する。
【0048】そして、使用者がゆっくり歩行している場
合には、空気ポンプ44から下部気室40a内に供給さ
れる空気の流量が少ないので、この下部気室40a内の
圧力は比較的低くなり、上記の重錘10は下方に移動す
る。したがって、この下腿義肢部2の振子の周期は長く
なり、その振り出し速度は遅い歩行速度に対応して遅く
なる。また、使用者が早く歩行または走行した場合に
は、上記の空気ポンプ44から供給される空気の流量が
多くなり、この下部気室40aの圧力は上昇する。これ
によって重錘10は上方に移動し、この下腿義肢部2の
振子の周期が長くなり、早い歩行または走行に対応して
この下腿義肢部2の振り出し速度が早くなる。なお、上
記の作動の際に、上部気室40b内の圧力は、絞り弁4
8の作用により適度に維持され、重錘10とシリンダ4
0の内周面との摩擦力とともに、この重錘10が上下に
振動するのを防止する減衰作用をなす。
【0049】この実施形態のものは、前記の第3の実施
形態と同様に、使用者の歩行または走行の速度に対応し
て自動的に下腿義肢部の振り出し速度が変更されるの
で、操作に煩わしさがなく、歩行または走行の速度を頻
繁に変更することができる。さらに、この実施形態のも
のは、使用者の歩行動作を利用して重錘の位置を変更す
るので、電源等が不要であり、保守等が不要であるとと
もに構造も簡単で信頼性が高い。
【0050】また、図8には第7の実施形態を示す。こ
のものは、上記の第6の実施形態と同様に、歩行動作に
対応して作動する空気ポンプにより重錘の位置を変更す
るものであるが、構造をより簡略化したものである。
【0051】すなわち、この実施形態のものは、シリン
ダ40の上部気室40bをチューブ50等を介して空気
ポンプ44の吸入側に連通させ、また重錘10には下部
気室40aと上部気室40bとを連通する連通路51を
形成し、この連通路51の途中にオリフイス等の絞り部
52を設けたものである。なお、この実施形態では、下
部気室40aや上部気室40bと大気とを連通する絞り
弁やドレン弁は省略されている。
【0052】このものは、上部気室40bの空気が空気
ポンプ44に吸入されて負圧となり、またこの空気ポン
プ44から空気が下部気室40aに送られ、この下部気
室40aの圧力が高くなる。そして、この空気は、上記
の連通路51、絞り部52を介して下部気室40aから
上部気室40bに送られ、空気はこの経路を循環する。
そして、使用者が遅く歩行した場合には、この空気ポン
プ44による空気の循環量が少ないので、下部気室40
aと上部気室40bとの差圧が少なくなり、重錘10は
下方に移動し、この下腿義肢部2の振り出し速度が遅く
なる、また、使用者が早く歩行または走行した場合に
は、空気ポンプ44による循環空気量が多くなるので、
下部気室40aと上部気室40bとの間の差圧が大きく
なり、重錘10が上方に移動し、この下腿義肢部2の振
り出し速度が早くなる。
【0053】この実施形態のものは、前述の第5の実施
形態と同様の作動をなすものであるが、空気が閉ループ
内の経路を循環するので、大気と連通する絞り弁やドレ
ン弁等が不要となり、構造がより簡単となる。
【0054】また、この実施形態のものは、上記のよう
に空気が流通する経路が閉ループを構成しており、外部
と連通していないので、この閉ループの循環経路内に空
気の代わりにその他の気体または液体等の流体を封入す
ることが可能である。液体を封入した場合には、圧縮性
がないので、前記のような空気の圧縮性に起因する重錘
の振動等の問題がない。
【0055】また、図9には本発明の第8の実施形態を
示す。このものは、前記の空気ポンプを義足装置の足部
に内蔵させたものである。すなわちこの実施形態では、
図9に示すように義足装置の足部6が、比較的硬質の合
成ゴム等の材料からなる底部55と、この底部55の上
側に積層された圧縮性の発泡ゴム等の材料からなる甲部
56とから構成されており、使用者の体重が作用する
と、この甲部56が圧縮される。
【0056】そして、この甲部56内には、たとえばベ
ローズ形の空気ポンプ44aが埋設されており、歩行に
際して使用者の体重が作用する度に、この空気ポンプ4
4aにより下腿義肢部2のシリンダ40の下部気室40
a内に空気を供給する。
【0057】なお、この実施形態は、上記の点以外は前
記の第6の実施形態と同様な構成であり、図9中でこの
第6の実施形態に対応する部分には同じ符号を付してそ
の説明は省略する。
【0058】この実施形態のものは、前記の第6の実施
形態と同様の作用効果が得られるが、空気ポンプ44a
が足部6内に内蔵されているので、より小形化ができ、
また構造も簡単である。また、甲部56や空気ポンプ4
4aの圧縮により、歩行の際の地面からの衝撃をより効
果的に緩衝する効果もある。
【0059】また、図10には本発明の第9の実施形態
を示す。このものは、前記の図8に示す第7の実施形態
の空気ポンプを、前記の図9に示す第8の実施形態と同
様に下腿義肢部2の足部6内に内蔵させたものである。
【0060】なお、この第9の実施形態は上記の点以外
は前記の第7および第8の実施形態と同様な構成であ
り、図10中で第7および第8の実施形態と対応する部
分には同じ符号を付してその説明は省略する。
【0061】この実施形態のものは、上記の第8の実施
形態と同様な作用効果を得られるが、空気が循環する経
路が閉ループであり、外部と連通していないので、この
閉ループの循環経路内に空気の代わりにその他の気体ま
たは液体等の流体を封入することが可能である。液体を
封入した場合には、圧縮性がないので、前記のような空
気の圧縮性に起因する重錘の振動等の問題がない。
【0062】また、図11ないし図14を参照して本発
明の第2の発明を説明する。この第2の発明は、前述し
た第1の発明と同様の目的、効果を有するものである
が、下腿義肢部の振り出し速度を変更する構成として、
重錘の移動に変わってこの下腿義肢部を前方に付勢する
スプリングを備え、このスプリングの初期変形量を変更
することによりその付勢力を変更し、下腿義肢部の振り
出し速度を変更するものである。
【0063】図11には、この第2の発明の第1の実施
形態を示す。このものは、スプリングたとえば引っ張り
コイルスプリング100を備えており、このスプリング
100の一端部はソケット1側に取り付けられ、また他
端部は下腿義肢部2側に取り付けられている。そして、
このスプリング100により、この下腿義肢部2は前方
に振り出されるように付勢されている。
【0064】また、この下腿義肢部2内には、上記のス
プリング100の付勢力を変更する付勢力変更機構10
1が内蔵されている。この付勢力変更機構101は、上
下方向に沿って設けられた案内レール102を備えてお
り、またこの案内レール102に沿って摺動自在な摺動
部材103を備えている。この摺動部材103には、締
螺子104が螺装されており、この締螺子104の頭部
は下腿義肢部2の本体5の外側に突出している。そし
て、この摺動部材103には、前記のスプリング100
の他端部が取り付けられている。なお、この実施形態で
は、上記のソケット部1の前部にストッパ部105が形
成され、このストッパ部105は下腿義肢部2の一部に
当接し、上記のスプリング100の付勢によりこの下腿
義肢部2が所定の角度以上前方に回動しないように規制
している。
【0065】なお、この第2の発明は、上記の点以外は
前記の第1の発明と同様の構成であり、図11中で第1
の発明の実施形態に対応する部分には同じ符号を付して
その説明は省略する。
【0066】次に、この第2の発明の第1の実施形態の
作用を説明する。上記のように、この下腿義肢部2はス
プリング100により前方に振り出されるように付勢さ
れており、その振動の周期すなわち振り出し速度は、こ
のスプリング100の付勢力により変化する。
【0067】そして、この実施形態では、たとえば遅く
歩行する場合には、上記の締螺子104を緩めるととも
に、この締螺子104を摘んで上記の摺動部材103を
上方に移動させ、スプリング100の初期変形量を少な
くし、所定の位置でこの締螺子104を締め付けて摺動
部材103を固定する。これによって、このスプリング
100の付勢力が小さくなり、この下腿義肢部2の振り
出し速度が遅くなる。また、早く歩行または走行する場
合には、この摺動部材103を下方に移動させ、スプリ
ング100の初期変形量を大きくしてその付勢力を大き
くし、このした腿義肢部2の振り出し速度を早くする。
【0068】この第2の発明のものは、前述の第1の発
明と同様に歩行または走行の速度に対応して下腿義肢部
2の振り出しの速度を変更し、より円滑な歩行または走
行が可能となる。また、この第2の発明のものは、重錘
を使用しないので、より軽量に形成することが可能とな
る。
【0069】また、図12には第2の発明の第2の実施
形態を示す。このものは、下腿義肢部2内に上下方向に
沿ってスクリュー軸110を設け、このスクリュー軸1
10に螺合した移動部材112にスプリング100の他
端部を取り付けたものである。また、このスクリュー軸
110は、モータ111により正逆両方向に回転駆動さ
れる。また、この実施形態では、図3に示す前述の第1
の発明の第3の実施形態と同様に、歩行速度等を検出す
る歩行検出器113、を備え、これらは電線114を介
して電池や制御部を内蔵した制御装置115に接続され
ている。
【0070】この実施形態のものは、前記の図3に示し
た実施形態と同様に、歩行検出器113により歩行速度
を検出し、この信号に対応して上記のモータ111を駆
動してスクリュー軸110を回転し、移動部材112が
上下に移動する。これにより、プリング100の初期変
形量を変更してその付勢力を変化させ、歩行速度に対応
した下腿義肢部2の振り出し速度を最適に自動的に調整
する。
【0071】なお、この実施形態において、上記の制御
装置を前記の図5に示す実施形態と同様に、下腿義肢部
2に一体的に取り付けることもできる。また、図13に
は第2の発明の第3の実施形態を示す。このものは、上
記のスプリングの初期変形量を変更する機構を空気圧方
式にしたものである。
【0072】すなわち、この実施形態では、下腿義肢部
2の本体が筒状のシリンダ120に構成され、この内部
にピストン121が気密を維持して上下に移動自在に収
容されており、このピストン121の下側が下部気室1
2a、上側が上部気室120bに形成されている。そし
て、スプリング100の他端部は、このピストン121
に取り付けられている。なお、123はこのスプリング
100がシリンダ状の下腿義肢部2を貫通する部分の気
密を維持するためのゴムブッシュである。
【0073】また、この実施形態のソケット部1は、前
記の図6に示す第1の発明の第5の実施形態と同様な構
成であり、歩行動作により作動される空気ポンプ44を
備えている。そして、この空気ポンプ44の空気吐出側
は、チューブ122等を介して上記の上部気室120b
に連通されている。また、この上部気室120bおよび
下部気室120aは、それぞれ絞り弁126,128お
よびドレン弁127,129を介して大気に連通してい
る。
【0074】この実施形態のものは、使用者が遅く歩行
した場合には、空気ポンプ44からの供給空気流量が少
ないので、上部気室120b内の圧力が比較的低く、よ
ってピストン121が上昇してスプリング100の初期
変形量を少なくし、その付勢力を減少させて下腿義肢部
2の振り出し速度を遅くする。また、早く歩行または走
行した場合には、空気ポンプ44からの供給空気流量が
多くなるため、上部気室120b内の圧力が上昇し、ピ
ストン121が下方に移動し、スプリング100の初期
変形量が大きくなってその付勢力が増大し、下腿義肢部
2の振り出し速度が早くなる。
【0075】また、図14には第2の発明の第4の実施
形態を示す。このものは、基本的には前記の図13に示
す第3の実施形態と同様のものであるが、流体圧により
スプリングの付勢力を調整する形式のものである。
【0076】すなわち、図14に示すように、この実施
形態では足部6に前記と同様にポンプ44aが内蔵され
ている。また、下腿義肢部2の本体部120内にはシリ
ンダ130が設けられ、このシリンダ130の下端部は
下腿義肢部2の本体部120に取り付けられている。そ
して、このシリンダ130内には、ピストン131が液
密を維持して摺動自在に収容されており、このピストン
131によりシリンダ130内が上部シリンダ室130
aと下部シリンダ室130bとに区画されている。
【0077】そして、上記の上部シリンダ室130a内
には、スプリング100が収容されており、このスプリ
ング100の下端部は上記のピストン131に取り付け
られ、また上端部はシリンダ130の上端のシール部材
132を液密に摺動自在に貫通し、ソケット部1に取り
付けられている。
【0078】また、この下腿義肢部2の本体部120内
には、第1リザーバ133および第2リザーバ142が
設けられている。そして、上記のシリンダ130内に
は、流体、たとえば油圧作動油等が充填されており、上
部シリンダ室130aは絞り弁140および弁141を
介して上記の第1リザーバ133内に連通し、また下部
シリンダ室130bは絞り弁143および弁145を介
して上記の第2リザーバ142に連通している。
【0079】また、上記のポンプ44aの吐出側は、管
135を介して上記の上部シリンダ室130a内に連通
し、また吸込側は管136を介して上記の第1リザーバ
133に連通している。
【0080】なお、この実施形態は上記の点以外は前記
の図13に示す第3の実施形態と同様な構成であり、図
14中でこの第3の実施形態と対応する部分には同じ符
号を付してその説明は省略する。
【0081】この実施形態のものは、歩行または走行に
伴って上記のポンプ44aが作動し、流体たとえば作動
油を第1リザーバ133から吸入し、これを加圧してシ
リンダ130の上部シリンダ室130a内に供給する。
そして、この上部シリンダ室130a内に供給された作
動油は、上記の絞り弁140を介して第1リザーバ13
3に戻され、この経路を循環する。
【0082】そして、歩行速度が遅い場合には、上記の
ポンプ44aにより上部シリンダ室130a内に供給さ
れる作動油の流量が少ないので、この上部シリンダ室1
30a内の圧力が低下する。これによって、ピストン1
31が上方に移動し、スプリング100の初期変形量が
減少して付勢力が減少する。よって、この下腿義肢部2
の前方への振出し速度が歩行速度に対応して遅くなる。
【0083】また、歩行または走行の速度が早くなる
と、ポンプ44aから上部シリンダ室130a内に供給
される作動油の流量が増加するため、この上部シリンダ
室130a内の圧力が上昇する。これによって、ピスト
ン131が下方に移動し、スプリング100の初期変形
量が増大して付勢力が増加し、この下腿義肢部2の前方
への振出し速度が歩行または走行の速度に対応して早く
なる。
【0084】なお、上記のようなピストン131の上下
移動により、下部シリンダ室130b内の容積が変化す
るので、この下部シリンダ室130b内の作動油は上記
の第2リザーバ134に排出され、またこのリザーバか
ら戻される。この場合に、上記の絞り弁143により流
通する作動油に流動抵抗が与えられ、上記のピストン1
31の振動を減衰する。
【0085】この実施形態のものは、流体たとえば作動
油が循環する経路が閉じループであるので、上記のよう
な作動油を使用することができる。また、このように圧
力媒体として液体を使用するので、その圧力を高く設定
することが可能であり、上記のようなシリンダ130や
ポンプ44a等を小形に形成することができ、全体を軽
量かつコンパクトに構成できる。
【0086】なお、本発明は上述した実施形態には限定
されず、各種の変更、変形が可能である。たとえば、第
1の発明における重錘の形状や配置、個数等は上記のも
のには限定されず、下腿義肢部の構造等に対応して最適
のものに設計可能である。また、このモータ等を駆動す
る電池をこの重錘と兼用させても良い。
【0087】また、前述の第2の発明におけるスプリン
グは、引っ張りコイルスプリングには限定されず、圧縮
コイルスプリング、ねじりスプリング、板バネ、空気ス
プリング等、設計仕様に対応して各種のスプリングを採
用することができる。
【0088】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、重錘の移動
による重心位置の移動、またはスプリングの付勢力の変
更等により、義足の下腿義肢部の振り出し速度を使用者
の歩行または走行の速度に対応して任意に設定すること
ができる。
【0089】したがって、遅く歩行する場合には下腿義
肢部の振り出し速度を遅くし、また早く歩行または走行
する場合には下腿義肢部の振り出し速度を早くし、歩行
または走行の速度に対応した最適の値に設定し、より円
滑な歩行を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の第1の実施形態の義足の一部を断
面で示す側面図。
【図2】第1の発明の第2の実施形態の義足の一部を断
面で示す側面図。
【図3】第1の発明の第3の実施形態の義足の一部を断
面で示す側面図。
【図4】第1の発明の第3の実施形態の制御装置の概略
図。
【図5】第1の発明の第4の実施形態の義足の一部を断
面で示す側面図。
【図6】第1の発明の第5の実施形態の義足の一部を断
面で示す側面図。
【図7】第1の発明の第6の実施形態の義足の一部を断
面で示す側面図。
【図8】第1の発明の第7の実施形態の義足の一部を断
面で示す側面図。
【図9】第1の発明の第8の実施形態の義足の一部を断
面で示す側面図。
【図10】第1の発明の第9の実施形態の義足の一部を
断面で示す側面図。
【図11】第2の発明の第1の実施形態の義足の一部を
断面で示す側面図。
【図12】第2の発明の第2の実施形態の義足の一部を
断面で示す側面図。
【図13】第2の発明の第3の実施形態の義足の一部を
断面で示す側面図。
【図14】第2の発明の第4の実施形態の義足の一部を
断面で示す側面図。
【符号の説明】
1 ソケット部 2 下腿義肢部 3 膝関節部 10 重錘 11 重錘移動機構 12 案内部材 13 締螺子 21 スクリュー軸 22 モータ 23 制御装置 40 シリンダ 44,44a 空気ポンプ 46 絞り弁 100 スプリング 102 案内レール 103 摺動部材 104 締螺子 110 スクリュー軸 111 モータ 115 制御装置 120 シリンダ 121 ピストン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 哲也 東京都渋谷区笹塚1丁目21番17号 櫻護謨 株式会社内 Fターム(参考) 4C097 AA02 BB02 CC01 CC15 CC18 TA08 TB14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用者の大腿の断端部に装着されるソケ
    ット部と、下腿義肢部と、上記のソケット部と下腿義肢
    部とを回動自在に連結する膝関節部とを備えたものにお
    いて、 上記の下腿義足部に上下方向に移動自在に設けられた重
    錘と、この重錘を上下方向に移動案内するとともに任意
    の位置で固定することができる重錘移動機構とを具備し
    たことを特徴とする義足装置。
  2. 【請求項2】 前記の重錘移動機構は、手動により前記
    の重錘を上下方向に移動させかつ任意の位置に固定する
    ものであることを特徴とする請求項1の義足装置。
  3. 【請求項3】 前記の重錘移動機構は、前記の重錘を上
    下方向に移動させる駆動機構と、この駆動機構に駆動用
    の電力を供給する電源と、この義足装置の使用者の歩行
    速度を検出する検出器と、この検出器からの信号に対応
    して上記の駆動機構を制御し、前記の重錘を使用者の歩
    行速度に対応した位置まで移動させる制御部とを具備し
    たことを特徴とする請求項1の義足装置。
  4. 【請求項4】 前記の重錘移動機構は、流体圧により前
    記の重錘を移動させるシリンダ部と、この義足装置の使
    用者の歩行動作により上記のシリンダ内に流体を送るポ
    ンプ機構と、このポンプ機構により上記のシリンダ内に
    供給された流体を排出するとともにその排出流量を制限
    し使用者の歩行速度に対応した上記のシリンダ内への流
    体の送り量に対応してこのシリンダ内の流体圧を変化さ
    せて上記の重錘を移動させる圧力調整機構とを具備した
    ことを特徴とする請求項1の義足装置。
  5. 【請求項5】 使用者の上腿の断端部に装着されるソケ
    ット部と、下腿義肢部と、上記のソケット部と下腿義肢
    部とを回動自在に連結する膝関節部とを備えたものにお
    いて、 上記のソケット部に対して上記の下腿義肢部を前方に回
    動する方向に付勢するスプリングと、このスプリングの
    付勢力を変更する付勢力変更機構とを具備したことを特
    徴とする義足装置。
  6. 【請求項6】 前記の付勢力変更機構は、手動により前
    記のスプリングの初期変形量を変更してその付勢力を変
    更するものであることを特徴とする請求項5の義足装
    置。
  7. 【請求項7】 前記の付勢力変更機構は、前記のスプリ
    ングの初期変形量を変更してその付勢力を変更する駆動
    機構と、この駆動機構に駆動用の電力を供給する電源
    と、この義足装置の使用者の歩行速度を検出する検出器
    と、この検出器からの信号に対応して上記の駆動機構を
    制御し、前記のスプリングの付勢力を使用者の歩行速度
    に対応して変更する制御部とを具備したことを特徴とす
    る請求項1の義足装置。
  8. 【請求項8】 前記の付勢力変更機構は、流体圧により
    前記のスプリングの初期変形量を変更してその付勢力を
    変更するシリンダ機構と、この義足装置の使用者の歩行
    動作により上記のシリンダ機構内に流体を送るポンプ機
    構と、このポンプ機構により上記のシリンダ機構内に供
    給された流体を排出するとともにその排出流量を制限し
    使用者の歩行速度に対応した上記のシリンダ機構内への
    流体の送り量に対応してこのシリンダ機構内の流体圧を
    変化させて上記のスプリングの付勢力を変更する圧力調
    整機構とを具備したことを特徴とする請求項1の義足装
    置。
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