JP4368644B2 - 卓上フード設備及び卓上フード設備付き実験台 - Google Patents

卓上フード設備及び卓上フード設備付き実験台 Download PDF

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Description

本発明は、大学や各種研究機関などで様々な実験研究を行う際に使用される実験台に関し、更に詳しくは、その実験台上の周囲をフードで囲繞するとともにその囲繞された空間内の換気を行うための排気手段を有する卓上フード設備と該設備を備える実験台に関する。
大学や各種研究機関等において行われる化学実験では、実験に使用する有機溶剤や各種試薬から発生するガス、或いは実験の過程で発生するガスが人体に有害なガスである場合がある。そのため、こうした実験において発生する各種ガスが室内に拡散することを防止し、且つ迅速に室外に排出するために、実験台又はそれに近接して局所的な排気設備を設置することが従来より行われている。
例えば特許文献1には、実験台の上部に設置するための排気用フードが開示されている。また、特許文献2には、天板の一部に凹所を形成して、その凹所内に排気口を有する排気設備を設けた実験台が開示されている。更にまた、室内への有害ガスの拡散をより確実に防止するとともに排気効果を高めるために、実験台の周囲を取り囲むように実験台上に設置される卓上フード設備(卓上排気フードなどと呼ばれることもあるが、ここでは卓上フード設備と総称する)が市販されている。
こうした卓上フード設備を実験台に設置して、それによって形成された空間内で各種の化学実験を行うことは、従来から一般に行われている。しかしながら、こうした従来の卓上フード設備を備える実験台は、次のような様々な問題があった。
(1)同一の実験台上で複数の実験者が異なる実験を行いたい場合に、他の実験者の実験により発生したガスの影響を受けたり、場合によっては他の実験者の作業により飛散した薬品などが混入したりするおそれがあり、作業性や利便性が十分に高いものではなかった。
(2)前面の扉体を開閉したときに排気風量が大きく変化し、作業中の器具が転倒する等で作業に支障をきたすことがある。また、排気ファンの電力消費量が増加したり、実験室内の空調された空気が不所望に排出されることによって室内の冷暖房の電力消費量が増加したりすることも考えられる。
(3)多くの場合、前面の扉体は引違い戸又は上下に開閉する1枚扉であるが、そのためにフード内に設置された実験研究設備の上部側の操作・作業が行いにくい。
(4)実験者は実験で使用した後の廃液を一旦ボトルに溜め、所定の廃液タンクまで廃棄しに持って行く必要があり、面倒であって廃液をこぼす等のミスも起こり易い。
(5)実験で使用される周辺装置や機材を実験台上に置く余裕がないために、通路等に置かれることが多く、作業性、安全性に問題がある。
実開昭63−40745号公報 特開平6−142529号公報
本発明は上述したような様々な課題を解決するために成されたものであり、その主たる目的とするところは、作業性及び安全性に優れ、特に同時に複数の実験者が実験する場合の作業性や利便性を考慮した卓上フード設備及び卓上フード設備付き実験台を提供することである。
課題を解決するための手段、及び効果
上記課題を解決するために成された本発明に係る卓上フード設備は、実験台の天板上に設置され、周囲を囲繞するフードと該フードで囲繞された空間内の換気を行うための排気手段とを含む卓上フード設備であって、
前記天板上の作業スペースを複数に区画するための直立した仕切壁と、該仕切壁で区画された各区画室から互いに干渉することなく排気を行うための排気構造体と、
を備えるとともに、
前記仕切壁で区画された各区画室毎に、上下に分割された、内部を透視可能な上部扉体及び下部扉体から成る扉体を備え、該扉体は、上部扉体及び下部扉体を連動して上方に開放することが可能であるとともに、下部扉体を閉鎖したまま上部扉体のみを上方に開放することも可能である構造を有することを特徴としている。
本発明に係る卓上フード設備の具体的な一態様として、前記仕切壁は上面から見たときに略十字状に設けられ、前記実験台の天板を略同サイズに4つに区分して4個の区画室を形成するものである構成とすることができる。
すなわち、本発明に係る卓上フード設備を実験台の天板上に設置すると、卓上フード設備の仕切壁によって、実験台の天板上のスペースが複数(例えば4区画)に区分される。この仕切壁で区分された各区画室が独立したスペースとなり、異なる実験者が各区画室で異なる作業を行うことができる。さらに、この4つの区画室は排気構造体(及びこの卓上フード設備自体又はその外部に設けられた排気ファン等)によって互いに干渉することがないように排気されるため、或る区画室における実験作業の過程で発生する各種ガスが他の区画室に漏れることなく、しかもそのガスを発生した区画室からも迅速に排出される。
したがって、本発明に係る卓上フード設備によれば、複数の実験者が異なる区画室で同時に実験作業を行っても互いに作業の妨げになることがなく、高い作業性を確保することができる。また、実験室自体が狭く、複数の実験台を設置するスペース的な余裕がない場合でも、1台の実験台を設置しさえすれば複数の実験者が同時に異なる実験作業を行うことができる。したがって、高い利便性を有し、利用者にとっては導入コストを抑制することができる。
また、本発明に係る卓上フード設備では、開口面全体の風速のばらつきを低減するために、実験者が開閉する扉体に対向するバッフルプレートの略中央に長手のスリットを形成し、該スリットを通して扉体を開放したときの開口面から流入した空気を排気構造体へと案内する構成とするとよい。これによれば、開口面から区画室内へ流入する空気流が安定し、例えば労働安全衛生法の規定に準拠した値(0.5m/s)を確保し易くなる。また、局所的な風量の増加も緩和され、器具の転倒なども起きにくくなる。また、排気ファンの排気能力を必要以上に大きくする必要がなく、実験室内の冷暖房された空気も必要以上に排気されてしまうことがない。それによって、実験室全体としての電力消費量を抑制することができる。
また、本発明に係る卓上フード設備は、前記仕切壁で区画された各区画室毎に、上下に分割された、内部を透視可能な上部扉体及び下部扉体から成る扉体を備え、該扉体は、上部扉体及び下部扉体を連動して上方に開放することが可能であるとともに、下部扉体を閉鎖したまま上部扉体のみを上方に開放することも可能である構造を有する。
すなわち、実験者は、前面を広く開放して作業を行いたい場合には上部扉体及び下部扉体を連動して上方に開放すればよいし、区画室内の上部空間に配置された器具等の操作を行いたい場合には下部扉体を閉鎖したまま上部扉体のみを上方に開放すればよい。このように作業内容によって扉体の開放方法を選択できるので、作業性が良好であって効率的に実験を進めることができる。
また、上記のような本発明に係る卓上フード設備を備える実験台においては、該実験台の天板の下方の空間に実験に必要な各種機材を収容するスペースを設けた構成とすることが好ましい。具体的には、このスペースには例えば周辺装置や薬品庫、ゴミ箱、消火器等を組み込むことができるので、こうした各種機材が通路にはみ出さず、利便性が高まって効率よく作業を行うことができるとともに、通路を通る人の妨げとならずに高い安全性を確保することができる。
また、前記卓上フード設備は各区画室毎に廃液専用流しを備え、該廃液専用流しは実験台下方のスペースに収容された廃液タンクと配管によって接続されて成る構成とするとよい。これによれば、実験者は作業中に不要になった溶剤などの廃液を手元の廃液専用流しに流すことができるので、作業性が良好であるとともに、こうした廃液を各実験者が個別に運搬する際に誤ってこぼしてしまうといった事故も軽減できる。
また、前記卓上フード設備及び実験台はそれぞれ容易に組み立て可能なノックダウン方式による構造とするとよい。これによれば、複数の部材に分解した状態で実験室(又は研究室)へ搬入し、その後に組み立てればよいので、実験室の出入口が比較的狭い場合でも無理なく搬入が行える。また、こうした搬入・設置に充たる作業者の数も少なくて済む。
なお、前記実験台の天板には蓋体を有する排水口が形成されて成るものとするとよい。これによって、例えば天板上に何らかの溶剤をこぼしたり天板が汚れたりした場合に、水を天板に流して汚水を排水口から排出することができる。また、蓋体によって通常は排水口上面を閉鎖しておくことにより、物が排水口内に落下することを防止できるほか、廃液等、本来、排水口に流すべきでないものを実験者が不用意に流してしまうことを防止できるという効果もある。
本発明の一実施例である卓上フード設備付き実験台について、図1〜図8を参照して説明する。図1〜図4は実験台に各種機材を組み込み、且つ卓上フード設備を取り外した状態での外観図であり、図1は正面図、図2は上面図、図3は右側面図、図4は図1中のA−A’線断面図及びB−B’線断面図である。図5及び図6は卓上フード設備を取り付けた状態での正面外観図及び上面外観図、図7は卓上フード設備のみの右側面透視図、図8は排気時の空気の流れを示す模式図である。なお、理解を容易にするために、図6、図7では断面でない部分にも適宜、斜線による塗りつぶしを入れている。また、説明の中で使用したいくつかの符号は、背面に隠れる等の理由で以て図面上には現れない場合がある。
本実施例の卓上フード設備付き実験台は、それ単体でも使用可能な実験台10上に、ノックダウン構造の卓上フード設備30を取り付けたものであり、通常、実験室又は研究室の中央(隅ではない)に設置され、その前方向及び後方向の二方向から実験者が作業するようになっている。
図1〜図3に示すように、実験台10は、例えば幅3000mm、奥行1500mm、厚さ20mmのサイズの平板であって、上面にフェノール樹脂表面特殊仕上げが施された天板11を備える。床面から天板11の上面までの高さは例えば880mmである。この天板11は1枚板でもよいが、ここでは同寸法の4枚に分割されており、これを現地(実験室内)で組み立てるようにしている。この天板11上が実験研究のための作業スペースであり、後述するように卓上フードの仕切壁によって4区画に区分される。以下の説明では、仕切壁によって形成される4つの区画室にU1〜U4なる符号を付す。
天板11には、各区画室U1〜U4に対応した範囲毎に、蓋体を備えた排水口121〜124と、通気穴13,14とが設けられている。排水口121〜124は天板11の下に排水トラップが埋設されることにより形成され、各排水トラップは排水管(図示しない)を通して通常の排水溝に接続される。この排水口121〜124は、天板11が汚れた場合などに後述する給水栓から天板11上に水を流し、その汚水を天板11上から除去する際に利用されるが、通常(実験中など)は蓋体で閉鎖される。
通気穴13は天板11を貫通し、天板11上部と吹き抜け部19とを連通している。この吹き抜け部19には2個の廃液タンク20が設置され、該廃液タンク20には使用済みの有機溶剤等の廃液が貯留される。通気穴13はこうした廃液から揮発するガスを天板11上部へと吸引するためのものである。一方、通気穴14の下には、図4に示すような、適宜の箇所に通気穴15aが設けられた筒状の換気ダクト15が装着される。この換気ダクト15は後述する薬品庫24の後方に位置する。薬品庫24内に収容される各種薬品から揮発するガスの中には、空気よりも比重が大きいために床面近くに溜まるものがあるが、換気ダクト15はこうした床面近傍に溜まったガスを効果的に天板11上部へと吸引するためのものである。
天板11の下方には、各区画室U1〜U4の端部に複数段(この例では4段)の引出しユニット161〜164が設けられ、その内側には各種配管等を隠蔽する機能を有するバックボード17が設けられている。このバックボード17には、そのバックボード17の手前のスペースに設置される各種機材の電源用としてのACコンセント18が設置されている。この実施例では、各区画室U1〜U4毎にそれぞれ設けられる機材として、ゴミ箱211〜214、油回転ポンプ(真空ポンプ)221〜224、冷媒循環装置231〜234が、バックボード17手前のスペースに設置されている。また、左右に並んだ2つの区画室U1とU2、及びU3とU4で共通に利用される機材として、バックボード17の手前のスペースに消火器25が、バックボード17の無いスペースに薬品庫24が収容されている。図1に示すように、この薬品庫24は区画室U1の直下に収容されているため、その分だけバックボード17手前のスペースの幅が狭くなっている。そこで、本来、ここに収容すべき冷媒循環装置231を区画室U2の直下に設置している。図示しないが、後部側の区画室U3、U4でも同様である。
また、天板11のすぐ下には、各区画室U1〜U4毎に、真空ポンプ用のACコンセントのオン/オフを行うポンプ用スイッチ261〜264と、ACコンセント281〜284と、オプションとして設けられるアスピレータ装置のオン/オフを行うアスピレータ用スイッチ271〜274とが設けられている。
このように本実施例における実験台10では、実験に必要な各種機材・装置が効率よく天板11の下方のスペースに収容できるようになっており、こうした機材や装置を通路等にはみ出して置くことがなくなり、作業性が向上するのみならず通路の安全の確保にも有用である。
上述した実験台10の上には卓上フード設備30が取り付けられる。この卓上フード設備30の枠体は、基本的に、両側部31a及び天井31bが閉塞されており、前面側及び後面側は実験者が実験台10にアプローチ可能であるように開放した構造となっている。この卓上フード設備30は、上述したように実験台10上のスペースを4つに区画するために、左右の略中央に前後方向に延展して直立する仕切壁32と、前後の略中央に左右方向に延展して直立する仕切壁33とを備える。これら仕切壁32、33によって実験台10上のスペースは4つに区画されるが、実際には、配管スペース等を確保する必要があるため、仕切壁32の両側には仕切壁32と所定間隔離してサイドプレート34が立設され、仕切壁33の両側には仕切壁33と所定間隔離してバックプレート35が立設されている。したがって、サイドプレート34及びバックプレート35で囲まれたスペースが、各区画室U1〜U4において実際に実験者が作業可能なスペースである。
各区画室U1〜U4にあって実験者がアプローチする方向から見て手前側(つまり図面上では区画室U1、U2においては前方側、区画室U3、U4においては後方側)には、上下2枚の強化ガラスから成る内部透視可能な扉体421〜424が開閉自在に設けられている。この扉体421〜424においては、手前側の上部扉体421a〜424aはそれ単体で上方に開放可能である。また、奥側の下部扉体421b〜424bを上方に引き上げると、途中までは下部扉体421b〜424bのみが開放し、上部扉体421a〜424aの下端近くまで引き上げた後には、上部扉体421a〜424aが下部扉体421b〜424bと連動して上方に開放する。したがって、全体を広く開放して作業を行いたい場合には、下部扉体421b〜424bを引き上げればよいし、区画室U1〜U4内の上部スペースのみの作業を行いたい場合には上部扉体421a〜424aを引き上げれば、下部扉体421b〜424bはそのままの位置を維持する。これによって、区画室U1〜U4内の上部スペースのみの作業を行う場合の作業性が向上する。なお、扉体421〜424はそれぞれ独立に施錠が可能であって、それによってセキュリティ性も確保できる。
天井31bには、区画室U1、U3の左右方向の略中央の仕切壁33の直上に円形状の吸込み口36が開口し、この吸込み口36は排気ダクト37を介して右測方に開口した排気口38に連通している。同様に、区画室U2、U4の左右方向の略中央の仕切壁33の直上には円形状の吸込み口39が開口し、この吸込み口39は排気ダクト40を介して右測方に開口した排気口41に連通している。実験室に設置された状態では、排気口38、41には図示しない外部の排気ダクトが連結され、排気用のファンを介して屋外に向けて開口した排気口へと連通する。すなわち、この排気用のファンが作動すると、吸込み口36を通して区画室U1、U3内の空気が吸引される一方、吸込み口39を通して区画室U2、U4内の空気が吸引されて屋外へと排出される。
このときの区画室内における空気の流れを図8により説明する。図8は扉体421〜424を完全に閉鎖した状態で排気用ファンを作動させたときの空気の流れを示している。扉体421〜424を完全に閉鎖した状態でも、下部扉体421b〜424bの下端下側には小さな隙間が形成されるようになっている。また、このとき上部の通気穴421c〜424cは開放する。したがって、この通気穴421c〜424cと下部の隙間とから空気が各区画室U1〜U4内へ流入する。一方、バックプレート35の下部、中央部にはそれぞれ横方向に細長いスリット35a、35bが形成されており、また手前側に折り曲げられた上部の上端と天井31bとの間にも隙間が形成されている。したがって、これらスリットや隙間を通して各区画室U1〜U4内の空気(ガス)はバックプレート35と仕切壁33との間の空間に流れ込んで上方へと向かい、吸込み口39(又は36)を通して排気ダクト37、40へと吸い出される。さらに、卓上フード設備30を実験台10上に設置した状態では、実験台10の通気穴13、14はバックプレート35と仕切壁33との間の空間に連通する。したがって、通気穴13、14を通して天板11の下方からも空気が吸い上げられ、前述したように、廃液タンク20内の廃液や薬品庫24内の薬品に由来するガスも屋外へと排出される。
実験者により上部扉体421a〜424aが引き上げられると、扉体は開放するが通気穴421c〜424cは閉塞される。それによって、その開放部分から空気が区画室U1〜U4内に流入するため、区画室U1〜U4内で発生している不所望のガスが実験者のほうへ逆流することを防止できる。
この実施例の卓上フード設備30では、前後に並んだ区画室U1、U3とU2、U4とで吸込み口36、39が共用されているが、図6及び図8で明らかなように、仕切壁33によって吸込み口36、39の開口面積はちょうど等分されており、前後の区画室U1(又はU2)、U3(又はU4)からの吸気の条件は揃っている。したがって、一方の区画室に偏ることなく両区画室から良好に排気を行うことができる。もちろん、各区画室毎に吸込み口を設けても構わないが、本実施例の構成によれば同等の排気能力を確保しつつ設備のコスト削減が可能である。
上記のように扉体421〜424の開閉が行われると区画室U1〜U4内への空気の流入路の断面積が変化することになるが、それによって風速が大きく変動すると、作業中の器具が転倒する等のおそれがある。そこで、この卓上フード設備30では、それぞれ排気風速を一定に維持する装置が排気ダクト37、40に付設されている。具体的には、排気ダクト37、40の排気路には電動開閉式のダンパが設けられ、このダンパの開度は各扉体421〜424の開閉動作に連動して風速が略一定(ここでは0.5m/s)になるように制御される。これによって、風速が落ちて各区画室U1〜U4内からガスが逆流してくることを防止できるとともに、逆に風速が増加して各区画室U1〜U4内での作業に支障をきたすことも防止できる。また、実験室内の空調された空気が必要以上に排気されることも防止できるので、実験室を冷暖房するための消費電力の節約にも寄与する。
また、上述したようにバックプレート35にスリット35a、35bが形成されていることによって、扉体421〜424が開放されたときの開口面内での風速のばらつきが軽減され、局所的に風速が大きくなることを回避できる。それによって、区画室U1〜U4へ流入する空気流による作業の妨げを一層少なくすることができる。
卓上フード設備30によって形成される各区画室U1〜U4内部には、それぞれ実験に必要な設備が備えられている。すなわち、バックプレート35には、フラスコや試験管などの器具を固定するためのスタンド441〜444が設けられ、サイドプレート34には、廃液専用流し431〜434、ACコンセント481〜484、不活性ガスバルブ491〜494、真空バルブ501〜504、冷媒循環パイプ取出し口511〜514、給水栓521〜524が設けられている。真空バルブ501〜504は図示しない配管により上記真空ポンプ221〜224に接続され、冷媒循環パイプ取出し口511〜514は図示しない配管により上記冷媒循環装置231〜234に接続されている。また、不活性ガスバルブ491〜494は右側壁31aに共通に設けられた不活性ガス調圧バルブ47を介して、図示しない不活性ガス供給管に接続されている。
廃液専用流し431〜434は実験に使用して不要となった有機溶剤などを流すためのものであって、廃液管53を介して前述の廃液タンク20へと接続されている。各区画室U1〜U4に独立して廃液専用流し431〜434が設けられているため、実験者は作業中に不要になった廃液をすぐに手元の廃液専用流し431〜434に廃棄することができ、作業効率がよい。
上述したように、本実施例による卓上フード設備30を設置した実験台10では、4人の実験者が同時に4つの区画室U1〜U4を使用してそれぞれ異なる内容の実験を行うことができる。各区画室U1〜U4は完全に仕切られ、しかも互いに干渉することなく排気が行われるので、互いに他の実験者の妨げとなることがなく、効率よく作業を進めることができる。また、各実験者の作業環境も良好に維持でき、特に労働安全衛生法などの規定に準拠した環境を形成するのも容易である。
また、実験台10、卓上フード設備30共に、ノックダウン構造となっており、複数の部材に分解した状態で実験室へと搬入し、その実験室内で組み立てを行うようにしている。そのため、実験室への搬入路が狭い場合等であっても、比較的容易に設置が可能である。
なお、上記実施例は本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨に沿って適宜変形や修正を行えることは明らかである。
本発明の一実施例である卓上フード設備付き実験台について、卓上フード設備を取り外した状態での実験台の正面外観図。 卓上フード設備を取り外した状態での実験台の上面外観図。 卓上フード設備を取り外した状態での実験台の右側面外観図。 図1中のA−A’線断面及びB−B’線断面図。 卓上フード設備を取り付けた状態での実験台の正面外観図。 卓上フード設備を取り付けた状態での実験台の上面外観図。 卓上フード設備の右側面透視図。 卓上フード設備内における排気時の空気の流れを示す模式図。
符号の説明
U1〜U4…区画室
10…実験台
11…天板
121〜124…排水口
13、14…通気穴
15…換気ダクト
15a…通気穴
161〜164…引出しユニット
17…バックボード
18…ACコンセント
19…吹き抜け部
20…廃液タンク
211〜214…ゴミ箱
221〜224…真空ポンプ
231〜234…冷媒循環装置
24…薬品庫
25…消火器
261〜264…ポンプ用スイッチ
271〜274…アスピレータ用スイッチ
281〜284…ACコンセント
30…卓上フード設備
31a…右側壁
31b…天井
32、33…仕切壁
34…サイドプレート
35…バックプレート
35a、35b…スリット
36、39…吸込み口
37、40…排気ダクト
38、41…排気口
421〜424…扉体
421a〜424a…上部扉体
421b〜424b…下部扉体
421c〜424c…通気穴
431〜434…廃液専用流し
441〜444…スタンド
47…不活性ガス調圧バルブ
481〜484…ACコンセント
491〜494…不活性ガスバルブ
501〜504…真空バルブ
511〜514…冷媒循環パイプ取出し口
521〜524…給水栓
53…廃液管

Claims (7)

  1. 実験台の天板上に設置され、周囲を囲繞するフードと該フードで囲繞された空間内の換気を行うための排気手段とを含む卓上フード設備であって、
    前記天板上の作業スペースを複数に区画するための直立した仕切壁と、該仕切壁で区画された各区画室から互いに干渉することなく排気を行うための排気構造体と、
    を備えるとともに、
    前記仕切壁で区画された各区画室毎に、上下に分割された、内部を透視可能な上部扉体及び下部扉体から成る扉体を備え、該扉体は、上部扉体及び下部扉体を連動して上方に開放することが可能であるとともに、下部扉体を閉鎖したまま上部扉体のみを上方に開放することも可能である構造を有することを特徴とする卓上フード設備。
  2. 前記仕切壁は上面から見たときに略十字状に設けられ、前記実験台の天板を略同サイズに4つに区分して4個の区画室を形成するものであることを特徴とする請求項1に記載の卓上フード設備。
  3. 前記扉体は、上部扉体がそれ単体で上方に開放可能であるとともに、下部扉体を上方に引き上げると、途中までは該下部扉体のみが開放し、上部扉体の下端近くまで引き上げた後には、該上部扉体が該下部扉体と連動して上方に開放する構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の卓上フード設備。
  4. 請求項1〜3に記載の卓上フード設備を備える実験台であって、該実験台の天板の下方の空間に実験に必要な各種機材を収容するスペースを設けたことを特徴とする卓上フード設備付き実験台。
  5. 前記卓上フード設備は各区画室毎に廃液専用流しを備え、該廃液専用流しは実験台下方のスペースに収容された廃液タンクと配管によって接続されて成ることを特徴とする請求項4に記載の卓上フード設備付き実験台。
  6. 前記卓上フード設備及び実験台はそれぞれ容易に組み立て可能なノックダウン方式による構造であることを特徴とする請求項4又は5のいずれかに記載の卓上フード設備付き実験台。
  7. 前記実験台の天板には蓋体を有する排水口が形成されて成ることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の卓上フード設備付き実験台。
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