JP4367241B2 - 無線通信方法、モバイルip端末、アクセスポイント及びインテリジェントスイッチ - Google Patents

無線通信方法、モバイルip端末、アクセスポイント及びインテリジェントスイッチ Download PDF

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Description

本発明は、通信ネットワークとネットワーク層レベルで接続されるアクセスルータと、アクセスルータとアクセスポイントとをデータリンク層レベルで接続されるインテリジェントスイッチと、インテリジェントスイッチに接続され無線通信可能なセルを提供するアクセスポイント、インテリジェントスイッチ及びアクセスルータを介して通信ネットワークに接続され外部リンクに位置する可搬性を備えるモバイルIP端末とを備える無線通信方法、その無線通信方法におけるモバイルIP端末、アクセスポイント及びインテリジェントスイッチに関する。
昨今の通信ネットワーク及び情報機器の発達に伴い、ノート型コンピュータやPDAなどのモバイルIP端末や無線LAN技術を用いた高速無線サービスが展開されている。特に、LANケーブルやハブの設置の必要のない無線LANについては、広帯域なデータ通信が可能になり、家庭やオフィスに普及している。
この無線通信の技術を支える標準プロトコルとして、例えばモバイルIPが挙げられる。モバイルIPとは、モバイルIP端末がアプリケーションソフトをリセットしたり接続中の通信を切断せずにその作業場所を移動できるようにする技術である。モバイルIPは、既存のインターネットプロトコル(IP)に移動性を持たせるように拡張したインターネット標準過程プロトコルである。具体的にモバイルIPは、モバイルIP端末がホームリンク(モバイルIP端末が本来属するネットワーク)で用いるホームアドレス(Home Address:HOA)と、外部リンク(MNの移動先ネットワーク)で用いる気付アドレス(Care of Address:COA)の対応関係を保持する専用エージェント(Home Agent:HA)を用いることにより、移動先の端末へのパケット転送を可能とする(例えば、非特許文献1)。
一方、現在インターネット等で利用されているIPアドレスは32ビットであるため、IPアドレスの枯渇が問題になっている。これに対応すべく、128ビットでアドレスを示すIPv6が開発されている。無線通信においても、将来IPv6を用いた通信が一般的になると考えられている。
例えば、図30に示すように通信ネットワークは、モバイルIPv6ネットワーク1、モバイルIPv6ネットワーク1にゲートウェイGW1を介して接続されたPSTN(公衆交換電話網:Public Switched Telephone Networks)3、モバイルIPv6ネットワーク1にゲートウェイGW2を介して接続されたIPv4ネットワーク2が接続されることにより、相互に通信可能となる。モバイルIPv6ネットワーク1には、端末を認証するRADIUS(Remote Authentication Dial-In User Service)サーバ10、ホームエージェントHA、SIP(Session Initiation Protocol)端末11などが接続されている。又、モバイルIPv6ネットワーク1には、アクセスルータAR1及びAR2が接続されている。アクセスルータAR1は、アクセスポイント(基地局)AP1a、AP1b、…AP1nが接続されている。アクセスポイントAP1aは、周波数f1で無線通信可能なセルを提供している。アクセスルータAR1に接続されたアクセスポイントは、少なくとも隣り合うセルにおいて異なる周波数で通信可能に設定されている。モバイルIP端末STA1は、自身が位置するセルを提供するアクセスポイント及びアクセスルータを介して、モバイルIPv6ネットワーク上の情報機器と通信可能である。又、アクセスルータAR2には、アクセスポイントAP3a、AP3b…AP3nを介してモバイルIP端末STA2が接続されている。
ここで、アクセスポイントが提供するセルは、モバイルIPでホームエージェントに位置登録する最小単位であって、気付アドレスの割付単位である。即ち、アクセスポイントAP1aに対応する気付アドレスのパケットが送信されると、アクセスポイントAP1aが提供するセルに対して着信が呼出される。
次に、図31を参照して従来の無線通信におけるハンドオーバーの処理について説明する。
まず、ステップS901においてモバイルIP端末STA1において通信レベルの低下が検出されると、ハンドオーバーを実行する指示がだされ、これに基づいて、ステップS902において、モバイルIP端末によってルータディスカバリメッセージが旧アクセスルータAR1に送信される。これに対応して、ステップS903において、旧アクセスルータによって、新たなアクセスポイントの識別子と、新たなルータの情報を含むルータディスカバリ認定(Ack)メッセージが送信される。
これに基づいて、ステップS904においてモバイルIP端末STA1は、新たなルータの情報をキーとして、ルータ要請代理(Router Solicitation Proxy:RtSolPr)メッセージを旧アクセスルータAR1に送信し、ステップS905において、旧アクセスルータAR1から、新たなルータのサブネット情報を含む代理ルータ広告(Proxy Router Advertisement: PrRtAdv)メッセージを受信する。ここで、モバイルIP端末STA1は、新たな気付アドレスを作成し、ステップS906において、高速位置登録(Fast Binding Update:FBU)メッセージを旧アクセスルータAR1に送信する。
ステップS907において旧アクセスルータAR1は、ハンドオーバー初期化(Handover Initiate::HI)メッセージを新アクセスルータAR2に送信し、これに対応してステップS908において新アクセスルータAR2は、ハンドオーバー認定(Handover Acknowledge:Hack)メッセージを旧アクセスルータAR1に送信する。そこで旧アクセスルータAR1は、ステップS909a及びS909bにおいて、モバイルIP端末STA1と新アクセスルータAR2に、高速位置登録認定(Fast Binding Acknowledge:FBack)メッセージを送信する。
高速位置登録認定メッセージが送信されると、ステップS911において通信相手から送信されたモバイルIP端末STA1の旧COA宛パケット、即ち旧アクセスルータAR1に対応するCOA宛のパケットは、旧アクセスルータAR1で受信され、ステップS912において、新アクセスルータAR1に転送される。新アクセスルータAR2では、受信したパケットをバッファに蓄積する。
一方、位置登録認定メッセージが送信されると、ステップS910においてモバイルIP端末STA1は、旧アクセスポイントとの接続を切断し、ステップS913において新アクセスポイントとの接続を開始する。具体的には、ステップS914において新アクセスポイントとレベル2認証を行い、ステップS915においてアソシエーションを確立する。アソシエーションが確立されると、ステップS916においてモバイルIP端末STA1は、高速近隣広告(Fast Neighbor Advertisement:FNA)メッセージを新アクセスルータAR2に送信し、新アクセスルータAR2は、高速近隣広告メッセージの受信を受けて、ステップS912で蓄積したモバイルIP端末STA1宛のパケットを、モバイルIP端末STA1に送信する。
ここで、ルータと複数の無線基地局との間にスイッチングハブを接続し、無線基地局、スイッチングハブ、ルータを介して無線IPネットワークと通信可能な無線端末がある(例えば、特許文献1)。この特許文献1では、リンクレイヤにおいて無線端末が接続されるので、短い切替時間で無線基地局の切替を行うことができる。
特開2002−218524号公報 Internet-Draft"Mobility Support in IPv6"24版 (http://www.ietf.org/internet-drafts/draft-ietf-mobileip-ipv6-24.txt)
しかし、上述した非特許文献1に記載の通信システムにおいて気付アドレスは、セル単位に割り付けられる。従って、モバイルIP端末STA1がセルを越える度にホームエージェントHAへの位置登録が必要となってしまう問題がある。具体的には、モバイルIP仕様では、セルの移動はセグメントの移動と等価であり、着信に必要な気付アドレスの生成、ホームエージェントHAや通信相手となるCN(Co-respondent Node)に対して、RR(Return Routability)を含むバインディング(Binding:位置登録)処理が必要となる。
無線通信のセルは、数メートルから数十メートルであり、モバイルIP端末STA1の移動速度によっては頻繁にセルが変わるので、その度に位置登録処理を行う必要が生じてしまう。
これは、無線通信におけるモバイルIP端末STA1の移動管理を、レイヤ3即ちOSI基本参照モデルモデルのネットワーク層であるモバイルIPに依存しているためである。上述した非特許文献1に記載の通信システムにおいては、例えば、セルを移動する度にモバイルIP端末STA1が移動管理パケットを送信、即ち無線報知することになり、モバイルIP端末STA1の電池の消耗を加速させてしまう問題がある。
又、図31に示した方法においては、新アクセスポイントと接続され新アクセスルータAR2からバッファリングされたパケットを受信するまでの時間を要するため、VoIPなどのリアルタイム通信において不具合を生じる場合がある。
又、上述した特許文献1においては、切替実行のトリガーが無線端末からの上りパケットに依存しているため、無線端末がパケットを送信しない限り、アクセスポイントの切替が行われない問題がある。又、切替のタイミングによっては、パケットロスが発生してしまう場合もある。
従って本発明は上記問題点に基づきなされたもので、その目的は、アクセスポイントの切替をスムーズに実行される無線通信方法、その無線通信方法におけるモバイルIP端末、アクセスポイント及びインテリジェントスイッチを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の特徴は、通信ネットワークとネットワーク層レベルで接続されるアクセスルータと、アクセスルータとアクセスポイントとをデータリンク層レベルで接続されるインテリジェントスイッチと、インテリジェントスイッチに接続され無線通信可能なセルを提供するアクセスポイントと、アクセスポイント、インテリジェントスイッチ及びアクセスルータを介して通信ネットワークに接続され外部リンクに位置する可搬性を備えるモバイルIP端末とを備える通信システムに用いられる無線通信方法に関する。即ち本発明の特徴に係る無線通信方法は、モバイルIP端末によって、第1のアクセスポイント及びモバイルIP端末に備えられた第1の送受信機を介してインテリジェントスイッチと通信が行われているステップと、モバイルIP端末によって、第1の送受信機による通信レベルが低下したことが検知されるとともに、モバイルIP端末に備えられた第2の送受信機を介して第2のアクセスポイントから、第2のアクセスポイントが接続されたインテリジェントスイッチに対応するページング識別子が含まれたビーコン信号が受信されるステップと、モバイルIP端末によって、ページング識別子が第1のアクセスポイントが接続されたインテリジェントスイッチに対応するページング識別子と同じであるかが判定されるステップと、ページング識別子が第1のアクセスポイントが接続されたインテリジェントスイッチに対応するページング識別子と同じ場合、モバイルIP端末宛のパケットの第1の送受信機と第2の送受信機の両方への送信を依頼するバイキャスト要求メッセージがインテリジェントスイッチに送信されるステップと、インテリジェントスイッチによって、モバイルIP端末宛のパケットが、第1の送受信機と第2の送受信機の両方へ送信されるステップと、モバイルIP端末によって、バイキャスト要求メッセージが受信されると、第1の送受信機又は第2の送受信機を介した通信レベルが更に低下したことが検知されると、通信レベルが低下した送受信機への送信を停止するバイキャスト停止要求メッセージが送信されるステップとを備える。
本発明によれば、アクセスポイントの切替をスムーズに実行される無線通信方法、その無線通信方法におけるモバイルIP端末、アクセスポイント及びインテリジェントスイッチを提供することができる。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
(無線通信方法)
図1に示すように、本発明の最良の実施の形態に係る通信ネットワークは、モバイルIPv6ネットワーク1、モバイルIPv6ネットワーク1にゲートウェイGW1を介して接続されたPSTN(公衆交換電話網:Public Switched Telephone Networks)3、モバイルIPv6ネットワーク1にゲートウェイGW2を介して接続されたIPv4ネットワーク2が接続されることにより、相互に通信可能となる。モバイルIPv6ネットワーク1には、端末を認証するRADIUS(Remote Authentication Dial-In User Service)サーバ10、ホームエージェントHA、SIP(Session Initiation Protocol)端末11などが接続されている。又、モバイルIPv6ネットワーク1には、ネットワーク層レベルでアクセスルータAR1及びAR2が接続されている。又、アクセスルータAR1には、インテリジェントスイッチISW1及びISW2がデータリンク層(L2)レベルで接続されている。インテリジェントスイッチISW1には、アクセスポイント(基地局)AP1a、AP1b、…AP1nが接続されている。アクセスポイントAP1aは、周波数f1で無線通信可能なセルを提供している。アクセスルータAR1に接続されたアクセスポイントは、少なくとも隣り合うセルにおいて異なる周波数で通信可能に設定されている。モバイルIP端末STA1は、自身が位置するセルを提供するアクセスポイント及びアクセスルータを介して、モバイルIPv6ネットワーク上の情報機器と通信可能である。又、アクセスルータAR2には、アクセスポイントAP3a、AP3b…AP3nを介してモバイルIP端末STA2が接続されている。
本発明の最良の実施の形態において、インテリジェントスイッチに接続されたアクセスポイントが提供するセルの集合をページングドメインと定義される。具体的には、インテリジェントスイッチISW1に接続されたアクセスポイントAP1a、AP1b、…AP1nによって提供されるセルの集合をページングドメイン5aと定義される。ここで、ページングドメインとは、L2レベルで通信可能なネットワークで、ホームエージェントHAに対する位置登録の最小単位であり、気付アドレスの割付単位である。即ち、インテリジェントスイッチISW1に対応する気付アドレスのパケットが送信されると、インテリジェントスイッチISW1に接続されたアクセスポイントAP1a、AP1b…AP1nが提供するページングドメイン5aに対して着信が呼出される。
従って、例えば、モバイルIP端末STA1がページングドメイン5a内に位置する場合、モバイルIP端末STA1が位置するセルが変更されても常に同じ気付アドレスを利用できるので、ホームエージェントHAに対して位置登録を行う必要がない。一方、モバイルIP端末STA1がページングドメイン5aを越えてページングドメイン5bに移動した場合、従来のモバイルIPの手順によって、新たなページングドメイン5bに対応する気付アドレスをホームエージェントHAに通知する。
次に、図2を参照して本発明の最良の実施の形態に係る無線通信方法について概略を説明する。本発明の最良の実施の形態に係るモバイルIP端末STA1は、送受信機を複数備えており、一つを通信中のアクトとして使用すると、通信していない送受信機は、スタンバイとして使用される。
図2(b)に示すように、モバイルIP端末STA1は、通信中の状態である(1)。具体的には、図2(a)に示す様に、インテリジェントスイッチISW1に、アクセスポイントAP1a、AP1b…AP1nが接続されており、モバイルIP端末STA1は、アクト側の送受信機を介して旧アクセスポイントAP1aを介して通信を行っている。
ACT側の送受信機において通信レベルの低下が検出されると(2)、スタンバイ側の送受信機によって、新アクセスポイントAP1bと通信を行うため、データリンク層レベルでの通信が認証され、新アクセスポイントAP1bとのアソシエーションが確立される(3)。
新アクセスポイントAP1bとのアソシエーションが確立されると、モバイルIP端末STA1は、インテリジェントスイッチISW1に、旧アクセスポイントAP1aからアクト側の送受信機を介すルートと、更に新アクセスポイントAP1bからスタンバイ側の送受信機を介すルートの2通りのルートでパケットを送信させるバイキャスト要求メッセージを送信する(4)。バイキャスト要求メッセージを受信すると、インテリジェントスイッチISW1は、新アクセスポイントAP1a及び旧アクセスポイントAP1bの両方に向けてパケットを送信する。このときモバイルIP端末STA1は、旧アクセスポイントAP1a及び新アクセスポイントAP1bの両方からパケットを受信する(5)。
ここで、モバイルIP端末STA1は、旧アクセスポイントAP1aが提供するセルのエリアから新アクセスポイントAP1bが提供するセルのエリアに向けて移動したとする(8)。モバイルIP端末STA1が新アクセスポイントAP1bが提供するセルに近づくと、モバイルIP端末STA1は、旧アクセスポイントAP1aと通信しているアクト側の送受信機の通信レベルが低下したことを判断し、ハンドオーバーを実行する(7)。
このとき、モバイルIP端末STA1は、アクト側で使用していた送受信機をスタンバイ側に切り換えるとともに、スタンバイ側で使用していた送受信機をアクト側に切り換え(8)、インテリジェントスイッチISW1にバイキャスト送信を停止させるバイキャスト停止要求メッセージを送信する(9)。これを受けてインテリジェントスイッチISW1は、バイキャスト送信を停止する。
次に、図3乃至図5を参照して、本発明の最良の実施の形態に係る通信方法を説明する。ここで、各ステップに記載されている[IETF RFC2461]や、[IEEE 802.11]などの記載は、それぞれの処理に適用される規格を示している。
図3は、アクセスポイントAP1aが起動した場合のシーケンス図である。ステップS101においてアクセスポイントAP1aが起動されると、ステップS102においてルータ通知(Router Advertisement)メッセージを送信させるルータ要請(Router Solicitation)メッセージがアクセスルータAR1に送信される。ルータ要請メッセージの送信元アドレス(SA:Source Address)はアクセスポイントAP1aのMACアドレスで、宛先アドレス(DA:Destination Address)は、全ルータマルチキャストアドレスに対応するMACアドレスである。
アクセスルータAR1はルータ要請メッセージを受信すると、ステップS103においてに、ネットワークプレフィックスを通知するルータ通知メッセージをアクセスポイントAP1aに送信する。ルータ通知メッセージの送信元アドレスはアクセスルータAR1のMACアドレスで、宛先アドレスはアクセスポイントAP1aのMACアドレスである。これにより、アクセスポイントAP1aはアクセスルータAR1のネットワークプレフィックスを取得することができる。
更に、アクセスポイントAP1aはステップS104において、インテリジェントスイッチISW1に、近隣要請(Neighbor Solicitation)メッセージを送信する。近隣要請メッセージは、同一リンク上に存在する他のノードに対し、MACアドレスを知らせるようにリクエストするメッセージである。ここでは、インテリジェントスイッチISW1のIPアドレスに対応するMACアドレスを取得するメッセージを送信する。このとき近隣要請メッセージの送信元アドレスはアクセスポイントAP1aのMACアドレスで、宛先アドレスはISWの要請ノードマルチキャストアドレスに対応するMACアドレスである。
インテリジェントスイッチISW1は近隣要請メッセージを受信すると、インテリジェントスイッチISW1のMACアドレスを含む近隣通知(Neighbor Advertisement)メッセージをアクセスポイントAP1aに送信する。これにより、アクセスポイントAP1aはインテリジェントスイッチISW1のMACアドレスを取得することができる。
図4は、インテリジェントスイッチISW1が起動した場合のシーケンス図である。ステップS151においてインテリジェントスイッチISW1が起動されると、ステップS152においてルータ通知メッセージを送信させるルータ要請メッセージがアクセスルータAR1に送信される。ルータ要請メッセージの送信元アドレスはインテリジェントスイッチISW1のMACアドレスで、宛先アドレスは、全ルータマルチキャストアドレスに対応するMACアドレスである。
アクセスルータAR1はルータ要請メッセージを受信すると、ステップS153においてに、ネットワークプレフィックスを通知するルータ通知メッセージをインテリジェントスイッチISW1に送信する。ルータ通知メッセージの送信元アドレスはアクセスルータAR1のMACアドレスで、宛先アドレスはインテリジェントスイッチISW1のMACアドレスである。これにより、アクセスポイントAP1aはアクセスルータAR1のネットワークプレフィックスを取得することができる。
図5は、本発明の最良の実施の形態に係るモバイルIP端末STA1が通信中にページングドメイン内で移動する際のハンドオーバーについて説明する。
図5に示すようにモバイルIP端末STA1は、第1の送受信機RF1及び第2の送受信機RF2を備えている。本発明の最良の実施の形態では、第1の送受信機RF1は、アクト側で使用されており、ステップS201において、旧アクセスポイントAP1a及びインテリジェントスイッチISW1を介して通信している。一方、第2の送受信機RF2は、スタンバイ側で使用されており、いずれの通信端末とも通信コネクションが確立されていない。
ここで、ステップS202においてモバイルIP端末STA1の第1の送受信機RF1での通信レベルが低下したとする。通信レベルの低下とは、受信した信号レベルが低下したり、PER(パケット誤り率:Packet Error Rate)が劣化したことにより判断される。ここでは、モバイルIP端末STA1の第1の送受信機RF1での通信レベルがバイキャスト送信を実行する閾値より低下したとする。
通信レベルが低下したと判断されると、ステップS203において、スタンバイ側の第2の送受信機RF2は、旧アクセスポイントAP1aとは異なるアクセスポイントからのビーコン信号を探索する。このビーコン信号には、ビーコン信号を発信したアクセスポイントが属するページングドメイン5aのページング識別子と、当該アクセスポイントの識別子が含まれる。このアクセスポイントの識別子には、無線部IDとして、アクセスポイントのMACアドレスであるBSSID(Basic Service Set Identifier)と、事業者又はカンパニーによって採番されるESSID(Extended Service Set Identifier)が含まれる。ここで、第2の送受信機RF2で受信したビーコン信号のページング識別子が第1の送受信機RF1で通信しているアクセスポイントのページング識別子と異なると判断されると、モバイルIP端末STA1は、ページングドメインを越えて移動したことになり、モバイルIPなどの標準化されたプロトコルによってモバイルIP端末STA1のホームエージェントHAに位置登録メッセージを送信する。
一方、第2の送受信機RF2で受信したビーコン信号のページング識別子が第1の送受信機RF1で通信しているアクセスポイントのページング識別子と同じで、かつ第2の送受信機RF2で受信したビーコン信号のアクセスポイントの識別子が第1の送受信機RF1で通信しているアクセスポイントの識別子と異なると判断されると、ステップS204において、モバイルIP端末STA1によって新アクセスポイントAP1bにデータリンク層レベルでの認証要求メッセージが送信される。新アクセスポイントAP1bによってモバイルIP端末STA1から認証要求メッセージが受信されると、ステップS204において、予め記憶されたRADIUSサーバ10のIPアドレスが読み出すれるとともにRADIUSサーバ10のIPアドレスにモバイルIP端末STA1の認証要求メッセージが送信される。RADIUSサーバ10によって認証要求メッセージが受信されると、ステップS205において認証応答メッセージが新アクセスポイントAP1bに送信される。ステップS206において新アクセスポイントAP1bによってRADIUSサーバ10から認証応答メッセージが受信されると、ステップS207においてモバイルIP端末STA1へ認証応答メッセージが送信される。
次に、モバイルIP端末STA1によって、ステップS208において新アクセスポイントAP1bにアソシエーション要求メッセージが送信され、これに対応して、ステップS209において新アクセスポイントAP1bからアソシエーション応答メッセージが送信される。これによりモバイルIP端末STA1と新アクセスポイントAP1bとのアソシエーションが確立される。
新アクセスポイントAP1bによってアソシエーション応答メッセージが送信されると、ステップS210において、モバイルIP端末STA1によってモバイルIP端末宛のパケットを第1の送受信機RF1と第2の送受信機RF2の両方への送信を依頼するバイキャスト要求メッセージがインテリジェントスイッチISW1に送信される。このバイキャスト要求メッセージには、第1の送受信機RF1のMACアドレス、旧アクセスポイントAP1aのMACアドレス、第2の送受信機RF2のMACアドレス、新アクセスポイントAP1bのMACアドレス、モバイルIP端末STA1のMACアドレスが含まれる。バイキャスト要求メッセーのについて、発信元アドレスがモバイルIP端末STA1のMACアドレスで、宛先アドレスがインテリジェントスイッチISW1のMACアドレスである。
インテリジェントスイッチISW1によってバイキャスト要求メッセージが受信されると、モバイルIP端末STA1のMACアドレスと、第1の送受信機RF1のMACアドレスと、第2の送受信機RF2のMACアドレスをそれぞれ関連づけてバイキャストテーブル360に登録して、ステップS211においてバイキャスト応答メッセージが第2の送受信機RF2に送信される。このバイキャスト応答メッセージは、発信元アドレスがインテリジェントスイッチISW1のMACアドレスで、宛先アドレスがモバイルIP端末STA1のMACアドレスである。
これにより、ステップS212及びステップS213に示すように、インテリジェントスイッチISW1によってモバイルIP端末STA1宛のパケットが受信されると、バイキャストテーブル360に従って、第1の送受信機RF1及び第2の送受信機RF2の両方にパケットが送信される。
第1の送受信機RF1によって更に通信レベルが低下した、より具体的にはモバイルIP端末STA1の第1の送受信機RF1での通信レベルが通信が不可能になる閾値より低下したと判断されると、ステップS214において、第2の送受信機RF2によって、第1の送受信機RF1への送信を停止するバイキャスト停止要求メッセージがインテリジェントスイッチISW1に送信される。このバイキャスト停止要求メッセージは、発信された第2の送受信機RF2のMACアドレス又は新アクセスポイントAP1bのMACアドレスを含み、発信元アドレスがモバイルIP端末STA1のMACアドレスで、宛先アドレスがインテリジェントスイッチISW1のMACアドレスである。インテリジェントスイッチISW1によってバイキャスト要求メッセージが受信されると、ステップS215においてモバイルIP端末STA1にバイキャスト停止応答メッセージが送信される。このバイキャスト停止応答メッセージは、発信元アドレスがインテリジェントスイッチISW1のMACアドレスで、宛先アドレスがモバイルIP端末STA1のMACアドレスである。
バイキャスト停止応答メッセージが送信されると、インテリジェントスイッチISW1によって、ステップS216において、バイキャスト停止要求メッセージが送信された送受信機とは異なる送受信機へのパケットの送信が停止を要求する接続切断要求メッセージが送信される。この接続切断要求メッセージは、モバイルIP端末STA1のMACアドレスを含み、発信元アドレスはインテリジェントスイッチISW1のMACアドレスで、宛先アドレスは旧アクセスポイントAP1aのMACアドレスである。
これにより、ステップS217において、第2の送受信機RF2を介してモバイルIP端末STA1との通信が行われる。
図5に示した例では、旧アクセスポイントAP1aから新アクセスポイントAP1bにハンドオーバーする場合について説明したが、旧アクセスポイントAP1aでの通信レベルが低下しバイキャスト送信されたものの、再び旧アクセスポイントAP1aでの通信レベルが回復して、新アクセスポイントAP1aの接続を切断する場合もある。例えば、ステップS212及びステップS213においてバイキャスト送信が行われている間、第1の送受信機RF1及び第2の送受信機RF2のそれぞれによって通信レベルが測定され、第2の送受信機RF2の通信レベルが通信が不可能になる閾値より低下した場合、新アクセスポイントAP1aの接続が切断される。
ここで、図5に示したステップS212及びステップS213でのバイキャスト送信の詳細を説明する。
ステップS212において、インテリジェントスイッチISW1によって、バイキャスト要求メッセージが受信されると、モバイルIP端末STA1のMACアドレス宛のパケットを、第1の送受信機RF1に対応するMACアドレス宛のパケットにIPカプセル化して送信する。一方、ステップS213において、インテリジェントスイッチISW1によって、第2の送受信機RF2に対応するMACアドレス宛のパケットにIPカプセル化して送信する。
ここで、送信されるパケットには、このパケットを識別するシーケンス番号を含み、インテリジェントスイッチによってパケットが受信されるたびにインクリメントされるのが好ましい。この場合、モバイルIP端末STA1によって、第1の送受信機RF1又は第2の送受信機RF2を介してパケットが受信されると、受信されたパケットに含まれているシーケンス番号が読み出されて、既に受信されたパケットのシーケンス番号である場合、受信されたパケットが破棄される。
より具体的には、モバイルIP端末STA1によって、第1の送受信機RF1又は第2の送受信機RF2を介してパケットが受信されると、受信されたパケットに含まれているシーケンス番号が読み出されて、モバイルIP端末STA1によって直近に受信されたパケットのシーケンス番号であるラスト受信シーケンス番号と受信されたパケットのシーケンス番号が比較される。受信されたパケットのシーケンス番号の方が大きい場合、モバイルIP端末STA1によって、受信されたパケットがモバイルIP端末STA1のアプリケーションに送信されるとともに、ラスト受信シーケンス番号が受信されたパケットのシーケンス番号に書き換えられる。一方、受信されたパケットのシーケンス番号の方が小さい場合、モバイルIP端末STA1によって、受信されたパケットが破棄される。
又、受信されたパケットのシーケンス番号の方が大きい場合、モバイルIP端末STA1によって、直近にパケットが受信された送受信機の識別子を示すラスト送受信機番号が、受信されたパケットを受信した送受信機の識別子に書き換えられる。このとき、モバイルIP端末STA1によって、ラスト送受信機番号に対応する送受信機を介して、アプリケーションからパケットが送信される。
本発明の最良の実施の形態に係る無線通信方法においては、モバイルIP端末STA1からの要請に基づいて、インテリジェントスイッチISW1によって旧アクセスポイントAP1aと新アクセスポイントAP1bの両方にバイキャスト配信でパケットが送信されることにより、モバイルIP端末STA1においてパケットロスが発生しないハンドオーバーが可能になる。
次に、本発明の最良の実施の形態に係る無線通信方法に用いられるモバイルIP端末、アクセスポイント及びインテリジェントスイッチについて詳述する。
(モバイルIP端末)
本発明の最良の実施の形態に係るモバイルIP端末STA1は、複数の送受信機を備えており、それらの通信レベルに応じて、通信する送受信機を決定したり、バイキャスト配信を要請したりする機能を備える。
具体的には、図6に示すように本発明の最良の実施の形態に係るモバイルIP端末STA1は、中央制御部100、無線制御部104a及び104b、第1の送受信機RF1、第2の送受信機RF2、バス切替部107、アンテナ106を備えている。中央制御部100は、中央処理制御装置(CPU)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103を備えている。
ROM102には、モバイルIP端末STA1の起動時に実行されるブートプログラムが、RAM103にはモバイルIP端末STA1で実行されるプログラムや、後述するモバイルIP端末STA1のMACアドレスと、第1の送受信機RF1のMACアドレスと、第2の送受信機RF2のMACアドレスとを含むデータテーブル150と、バイキャスト送信を実行する閾値と、通信が不可能になる閾値及び処理中に発生する一時記憶データなどが記憶されている。
モバイルIP端末STA1が起動されると、ROM102に記憶されたブートプログラムが中央処理制御装置101によって実行される。又、中央制御部100は、無線制御部104を制御して、アンテナ106及び送受信機RF1及びRF2を介して、アクセスポイントAP1aとデータを送受信する。このとき、バス切替部107は、中央制御部100からの指示に従って、無線制御部104a又は104bを介して、第1の送受信機RF1又は第2の送受信機RF2のいずれかを制御する。
中央制御部100は、第1の送受信機RF1を介して旧アクセスポイントAP1aと通信するとともに、旧アクセスポイントAP1aの識別子をRAM103に記憶する。第1の送受信機RF1の通信レベルがバイキャスト送信を実行する閾値より低下されたと判断されると、第2の送受信機RF2を介して新たなアクセスポイントから送信される現在位置するページングドメインのページング識別子とア新たなクセスポイントの識別子を含むビーコン信号を受信する。
ここで、現在位置するページングドメインが変更されたと判断されると、モバイルIP端末のホームエージェントへの位置登録を更新する。
一方、現在位置するページングドメインが変更されず、かつ旧アクセスポイントの識別子と新たなアクセスポイントの識別子が異なると判断されると、受信したアクセスポイントを新アクセスポイントとする。更に、中央制御部100は、モバイルIP端末STA1のMACアドレスと、第1の送受信機RF1のMACアドレスと、旧アクセスポイントAP1aの識別子と、第2の送受信機RF2のMACアドレスと、第2のアクセスポイントAP1bの識別子とを少なくとも含み、モバイルIP端末STA1宛のパケットを第1の送受信機RF1及び第2の送受信機RF2の両方への送信を要求するバイキャスト要求メッセージをインテリジェントスイッチISW1に送信する。
バイキャスト配信されたデータの処理については、図25乃至図29を参照して後に詳述する。
図7に示すように、本発明の最良の実施の形態に係るモバイルIP端末STA1は、データリンク層において、ミドルウェアによって複数の送受信機に対応するMACアドレスが扱われている。このミドルウェアの代表的なアルゴリズムとしては、状態遷移のアルゴリズムや、バイキャスト配信されたパケットの制御アルゴリズムなどが含まれる。又、ミドルウェアによって扱われる複数の送受信機の情報は、上位層であるネットワーク層(IP)において、隠蔽される。
ネットワーク層においては、複数の送受信機のMACアドレスを扱うことなく、モバイルIP端末STA1に割り当てられたMACアドレスに基づいて処理が実行される。ここでは、モバイルIPにおける気付アドレス(COA)は、上位層であるトランスポート層において、隠蔽される。トランスポート層及びアプリケーション層などにおいては、ホームアドレスでの通信としか見えず、モバイルIP端末STA1の現在位置に関係なくセッションの維持が可能となる。
図8に示すように、モバイルIP端末STA1のデータテーブル150は、モバイルIP端末STA1自身に関するデータ、アクセスポイントに関するデータ、アクセスルータに関するデータ、インテリジェントスイッチに関するデータ、ホームエージェントに関するデータが含まれる。
(1)モバイルIP端末STA1自身に関するデータ
・ホームアドレス情報:モバイルIP端末STA1のホームリンクでのIPアドレス即ちホームアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイなど。これらの情報は、モバイルIP端末STA1に固有の情報でスタティックに記憶される。
・COA情報:モバイルIP端末STA1の外部リンクでのIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイなど。これらの情報は、アクセスポイントと接続されたとき、即ち図4に示した位置登録時に生成される。
・RF1−MAC:モバイルIP端末STA1に備えられた第1の送受信機RF1のMACアドレスである。この情報は、モバイルIP端末STA1に固有の情報でスタティックに記憶される。
・RF2−MAC:モバイルIP端末STA1に備えられた第2の送受信機RF2のMACアドレスである。この情報は、モバイルIP端末STA1に固有の情報でスタティックに記憶される。
・STA−MACアドレス:モバイルIP端末STA1のMACアドレスである。これらの情報は、モバイルIP端末STA1に固有の情報でスタティックに記憶される。
・AP−ID:アクセスポイントの無線部ID(ESSID)である。モバイルIP端末STA1は、このAP−IDに基づいて接続しても良いアクセスポイントを判断する。
(2)アクセスポイントに関するデータ
このアクセスポイントに関するデータは、モバイルIP端末STA1とアソシエーションが確立されたアクセスポイント毎に以下のデータを備える。
・AP−ID:検出されたアクセスポイントの無線部ID(BSSID及びESSID)である。
・ページングID:アクセスポイントから送信されるビーコン信号に含まれる。このページングIDが変更した場合、モバイルIP端末STA1は、ページングドメインが変更したと判断し、位置登録処理を行う。
(3)アクセスルータに関するデータ
このアクセスルータに関するデータは、アクセスポイントが検出されたときに、アクセスポイントから送信される。
・ネットワークプレフィックス:モバイルIP端末STA1は、このネットワークプレフィックスに基づいて気付アドレスを生成する。
・MACアドレス:アクセスルータのMACアドレス。
・デフォルトゲートウェイ:アクセスルータのMACアドレス
(4)インテリジェントスイッチに関するデータ
・MACアドレス:インテリジェントスイッチのMACアドレスは、モバイルIP端末STA1がページング要求する宛先アドレスとして利用される。このインテリジェントスイッチに関するデータは、アクセスポイントが検出されたときに、アクセスポイントから送信される。
(5)ホームエージェントに関するデータ
・IPアドレス:ホームエージェントのIPアドレスは、モバイルIP端末STA1がホームエージェントに位置登録更新を行う場合の宛先IPアドレスになる。
次に、図9乃至図13を参照して、本発明の最良の実施の形態に係るモバイルIP端末STA1の状態遷移を説明する。
まず、ステップS1100においてモバイルIP端末STA1は、停止状態であるとする。ステップS1101において、アクト側の送受信機が決定される。アクト側の送受信機が決定されると、ステップS1102において、アクセスポイントを探索し、アクセスポイントからのビーコン信号を受信する。
ビーコン信号を受信すると、ステップS1103においてモバイルIP端末STA1は、アクセスポイントを介してRADIUSサーバにL2認証依頼メッセージを送信し、これに対応してステップS1104において、RADIUSサーバからアクセスポイントを介してL2認証応答メッセージを受信する。ステップS1105において認証されなかった場合は、ステップS1101に戻り、再びステップS1102において、アクセスポイントを探索する。
ステップS1105において認証された場合、ステップS1106においてモバイルIP端末STA1は、アクセスポイントにアソシエーション要求メッセージを送信し、これに対応してステップS1107において、アクセスポイントからアソシエーション要求メッセージを受信する。これにより、モバイルIP端末STA1とアクセスポイントとの間でアソシエーションが確立される。このとき、モバイルIP端末STA1は、アソシエーション要求メッセージのヘッダの「ADDRESS4」に、現在アクト側の送受信機のMACアドレスを挿入して送信する。
次に、ステップS1108においてモバイルIP端末STA1は、アクセスポイントから、アクセスポイントが接続されインテリジェントスイッチの情報と、そのインテリジェントスイッチが接続されたアクセスルータの情報を含むネットワークプレフィックス通知メッセージを受信する。これに対応してステップS1108においてモバイルIP端末STA1は、ネットワークプレフィックス応答メッセージをアクセスポイントに送信する。このとき、ステップS1110においてモバイルIP端末STA1は、ステップS1108で受信したアクセスルータの情報に含まれるネットワークプレフィックスと、図7に示したモバイルIP端末STA1のMACアドレスに基づいて気付アドレス(COA)を生成する。
ステップS1110において気付アドレスが生成されると、ステップS1111においてモバイルIP端末STA1は、生成された気付アドレスを含む位置登録更新メッセージをホームエージェントに送信し、これに対応してステップS1112において位置登録認定メッセージをホームエージェントから受信する。
ホームエージェントへの位置登録が完了すると、ステップS1113においてモバイルIP端末STA1は、インテリジェントスイッチにページング要求メッセージを送信し、これに対応してステップS1114において、インテリジェントスイッチからページング応答メッセージを受信する。これにより、モバイルIP端末STA1は、インテリジェントスイッチを介して発着信することができる。
インテリジェントスイッチへのページング要求が完了すると、ステップS1115においてモバイルIP端末STA1は、着信や発信が発生するまで、スリープ状態で待機する。このとき、定期的にビーコン信号を探索し、アソシエーションを確立できるアクセスポイントを探索する。
ここで、ステップS1201においてモバイルIP端末STA1は、アクセスポイントからビーコン信号を受信し、ビーコン信号に含まれるページングドメインの識別子が変更したことを認識すると、ページングドメインを越えて移動したと判断され、ステップS1101に進み、新たに認識されたアクセスポイントと接続する。
一方、ステップS1202においてモバイルIP端末STA1で起動しているアプリケーションから発信が要求されると、ステップS1204に進む。
ステップS1204においてモバイルIP端末STA1は、アクセスポイントを介してRADIUSサーバにL2認証依頼メッセージを送信し、これに対応してステップS1205において、RADIUSサーバからアクセスポイントを介してL2認証応答メッセージを受信する。ステップS1206において認証されなかった場合は、ステップS1101に戻り、再びステップS1102において、アクセスポイントを探索する。
ステップS1206において認証された場合、ステップS1207においてモバイルIP端末STA1は、アクセスポイントにアソシエーション要求メッセージを送信し、これに対応してステップS1208において、アクセスポイントからアソシエーション要求メッセージを受信する。ステップS1209において、モバイルIP端末STA1とアクセスポイントとの間でアソシエーションが確立される。
一方、ステップS1203において、ビーコン信号に含まれるページング着信要求メッセージをアクセスポイントから受信し、ページング着信要求メッセージにモバイルIP端末STA1自身のMACアドレスが含まれていると、ステップS1210に進む。一方、モバイルIP端末STA1自身のMACアドレスが含まれていない場合、何も処理されない。
ステップS1210においてモバイルIP端末STA1は、アクセスポイントを介してRADIUSサーバにL2認証依頼メッセージを送信し、これに対応してステップS1211において、RADIUSサーバからアクセスポイントを介してL2認証応答メッセージを受信する。ステップS1212において認証されなかった場合は、ステップS1101に戻り、再びステップS1102において、アクセスポイントを探索する。
ステップS1212において認証された場合、ステップS1213においてモバイルIP端末STA1は、アクセスポイントにアソシエーション要求メッセージを送信し、これに対応してステップS1214において、アクセスポイントからアソシエーション応答メッセージを受信する。このとき、ステップS1215において、モバイルIP端末STA1は、ページング着信応答メッセージをインテリジェントスイッチに送信する。これにより、ステップS1216において、モバイルIP端末STA1とアクセスポイントとの間でアソシエーションが確立される。
ステップS1301においてアクト側の送受信機で通信可能な状態になると、ステップS1302に示すようにVoIP(Voice over Internet Protocol)などのリアルタイム系通信の要求メッセージを受信すると、ステップS1303においてモバイルIP端末STA1のアクト側の送受信機は、VoIP通信中に遷移する。このとき、ステップS1304においてリアルタイム系通信の切断が要求されると、ステップS1305においてモバイルIP端末STA1は、インテリジェントスイッチにページング要求メッセージを送信し、これに対応してステップS1306において、インテリジェントスイッチからページング応答メッセージを受信する。これにより、モバイルIP端末STA1は、ステップS1115の状態に遷移し、インテリジェントスイッチを介して再び発着信することができる。ここで、ステップS1304におけるリアルタイム系通信の切断要求とは、例えば、通信先端末からbye信号が受信されたり、モバイルIP端末STA1のユーザによって切断ボタンが押下されたり、通信状態の悪化などによるセッション断などである。
一方、ステップS1303においてVoIP通信中であるときに、ステップS1307においてデータ通信などの非リアルタイム系通信の要求メッセージを受信すると、ステップS1319において、アクト側の送受信機でVoIPとデータとが同時に通信される状態に遷移する。
一方、ステップS1301において通信可能な状態になると、ステップS1311に示すようにデータ通信などの非リアルタイム系通信の要求メッセージを受信すると、ステップS1312においてモバイルIP端末STA1のアクト側の送受信機は、データ通信中に遷移する。このとき、無通信時間を監視する無通信タイマーが起動される。
ステップS1314において無通信タイマーがタイムオーバーになるか、ステップS1313においてデータセッションが切断されてしまうと、ステップS1315においてモバイルIP端末STA1は、インテリジェントスイッチにページング要求メッセージを送信し、これに対応してステップS1316において、インテリジェントスイッチからページング応答メッセージを受信する。これにより、モバイルIP端末STA1は、ステップS1115の状態に遷移し、インテリジェントスイッチを介して再び発着信することができる。
一方、ステップS1312においてデータ通信中であるとき、ステップS1317においてVoIPなどのリアルタイム系通信の要求メッセージを受信すると、ステップS1312で起動された無通信タイマーをステップS1318で停止し、ステップS1319において、アクト側の送受信機でVoIPとデータとが同時に通信される状態に遷移する。
このとき、ステップS1320においてリアルタイム系通信の切断が要求されると、モバイルIP端末STA1は、ステップS1312に進みデータ通信のみが行われる状態に遷移する。一方、ステップS1321においてデータセッションが切断されると、モバイルIP端末STA1は、ステップS1303に進みVoIP通信のみが行われる状態に遷移する。
ステップS1301においてアクト側で通信中、ステップS1303においてアクト側でVoIP通信中、ステップS1312においてACT側でデータ通信中及びACT側でVoIPとデータとの同時通信中のいずれかの状態であるとき、ステップS1401において、アクセスポイントから送信されるビーコン信号を受信し、バイキャスト送信を実行する閾値より通信レベルが低下したことが判断されると、ステップS1402において、スタンバイ側の送受信機に起動を要求する。更に、アクト側の送受信機は、ステップS1403においてハンドオーバーの前処理状態に遷移し、アクト側の送受信機によって、モバイルIP端末STA1宛のパケットが受信される。
ステップS1402におけるアクト側送受信機によるスタンバイ側の起動要求に伴い、スタンバイ側の送受信機は、ステップS1451において停止中であったところ、ステップS1452において、スタンバイ側の送受信機からの起動要求に基づいて、起動される。
スタンバイ側の送受信機は、ステップS1453においてハンドオーバーの前処理状態に遷移する。
スタンバイ側の送受信機は、ステップS1454において、新たなアクセスポイントを探索し、新たなアクセスポイントからのビーコン信号を受信する。ステップS1455において、ページングエリアを越える移動である場合、ステップS1456において、モバイルIP手順に準拠した位置登録処理が行われる。
一方、ステップS1455においてページングエリア内の移動でかつ、アクト側の送受信機とアソシエーションが確立されているアクセスポイントとは異なるアクセスポイントからのビーコン信号を受信した場合、ステップS1457においてモバイルIP端末STA1は、アクセスポイントを介してRADIUSサーバにL2認証依頼メッセージを送信し、これに対応してステップS1458において、RADIUSサーバからアクセスポイントを介してL2認証応答メッセージを受信する。図示しないが、ここで認証されなかった場合は、ステップS1453に戻り、再びステップS1454において、アクセスポイントを探索する。ステップS1458において認証された場合、ステップS1459おいてモバイルIP端末STA1は、アクセスポイントにアソシエーション要求メッセージを送信し、これに対応してステップS1460において、アクセスポイントからアソシエーション応答メッセージを受信する。このとき、モバイルIP端末STA1は、アソシエーション要求メッセージのヘッダの「ADDRESS4」に、現在スタンバイ側の送受信機のMACアドレスを挿入して送信する。この処理は、図5のステップS204乃至ステップS209に相当する。
更に、スタンバイ側の送受信機は、ステップS1461においてインテリジェントスイッチにハンドオーバーのバイキャスト要求メッセージを送信し、これに対応してステップS1462において、インテリジェントスイッチからバイキャスト応答メッセージを受信する。バイキャスト応答メッセージを受信すると、ステップS1551において、アクト側の送受信機にバイキャストが実行されていることを通知し、その後、ステップS1552において、スタンバイ側の送受信機でバイキャスト受信中の状態に遷移する。この処理は、図5のステップS210乃至ステップS211、及びステップS213に相当する。
ここで、ステップS1553において、新たなアクセスポイントからのビーコン信号の通信レベルを監視する。
一方、アクト側の送受信機は、ステップS1551においてスタンバイ側から送信された通知をステップS1501で受信すると、ステップS1502において、アクト側の送受信機でバイキャスト受信中の状態に遷移する。この処理は、図5のステップS212に相当する。ここで、ステップS1410においてアクセスポイントからのビーコン信号の通信レベルを監視する。
アクト側の送受信機の通信レベルが、通信が不可能になる閾値より低下したことが判断されると、ステップS1504において、ハンドオーバー後処理要求メッセージがスタンバイ側の送受信機に送信される。スタンバイ側の送受信機は、ステップS1554において、ハンドオーバーの後処理要求メッセージを受信すると、ステップS1555において、ハンドオーバー後処理応答メッセージをアクト側の送受信機に送信する。
アクト側の送受信機は、ステップS1505においてハンドオーバー後処理応答メッセージを受信すると、アクト側の送受信機は機能を停止し、ステップS1506において、アクト側停止完了メッセージをスタンバイ側の送受信機に送信して、ステップS1507において、スタンバイ側の送受信として待機状態に遷移する。
一方、スタンバイ側の送受信機は、ステップS1556において、アクト側停止完了メッセージを受信すると、ステップS1557において、インテリジェントスイッチにハンドオーバーのバイキャスト停止要求メッセージを送信する。これに対応してステップS1558において、インテリジェントスイッチからバイキャスト停止応答メッセージを受信すると、ステップS1559において、スタンバイ側の送受信機は、アクト側の送受信機として通信し、ハンドオーバーが完了する。
一方、ステップS1502において、アクト側の送受信機の通信レベルが維持されるとともに、ステップS1552においてスタンバイ側の通信レベルが、通信が不可能になる閾値より低下したことが判断されると、スタンバイ側の送受信機は、ステップS1560において、ハンドオーバー中止要求メッセージをアクト側の送受信機に送信する。その後、ステップS1561において、スタンバイ側の送受信機は、停止状態に遷移する。アクト側の送受信機は、ステップS1508においてハンドオーバー中止要求メッセージを受信すると、ステップS1509において、インテリジェントスイッチにハンドオーバーのバイキャスト停止要求メッセージを送信する。これに対応してステップS1510において、インテリジェントスイッチからバイキャスト停止応答メッセージを受信すると、ステップS1511におけるアクト側で通信を行い、ステップS1301におけるアクト側で通信中、ステップS1303におけるアクト側でVoIP通信中、ステップS1312におけるACT側でデータ通信中及びACT側でVoIPとデータとの同時通信中のいずれかの状態に遷移する。
この様に、本発明の最良の実施の携帯に係るモバイルIP端末STA1は、アクト側の送受信機の通信レベルが低下すると、スタンバイ側の送受信機を起動させる。インテリジェントスイッチは、アクト側とスタンバイ側の複数の送受信機にバイキャスト送信することにより、モバイルIP端末STA1において、パケットロスが発生することなくハンドオーバーを完了することができる。
ここでは、モバイルIP端末STA1について記述したが、モバイルIP端末STA2についても同様である。
(アクセスポイント)
本発明の最良の実施の形態に係るアクセスポイントAP1aは、インテリジェントスイッチISW1から受信した着信要求を自己終端し、ビーコン信号に着信するモバイルIP端末STA1を指定したページング着信要求メッセージを載せる機能を備える。
具体的には、図14に示すように本発明の最良の実施の形態に係るアクセスポイントAP1aは、中央制御部200、PHY(PHYsical sublayer)205、無線制御部206、送受信機207及びアンテナ208を備えている。中央制御部200は、MAC制御部201、中央処理制御装置(CPU)202、ROM203、RAM204を備えている。
ROM203には、アクセスポイントAP1aの起動時に実行されるブートプログラムが、RAM204にはアクセスポイントAP1aで実行されるプログラムや、後述するアクセスルータの情報と、インテリジェントスイッチの情報が含まれるデータテーブル250及び処理中に発生する一時記憶データなどが記憶されている。ここで、アクセスルータの情報は、アクセスルータのネットワークプリフィクス、アクセスルータのIPアドレス及びMACアドレスなどで、インテリジェントスイッチの情報は、インテリジェントスイッチのIPアドレス及びMACアドレスなどである。
アクセスポイントAP1aが起動されると、ROM203に記憶されたブートプログラムが中央処理制御装置202によって実行される。又、中央制御部200は、無線制御部206を制御して、アンテナ208及び送受信機207を介して、モバイルIP端末STA1とデータを送受信する。無線制御部206は、インテリジェントスイッチISW1が提供するページングドメイン5aのページング識別子を含むビーコン信号をセルに送信し、モバイルIP端末STA1からアソシエーション要求メッセージが送信されると、モバイルIP端末STA1にアクセスルータAR1の情報を送信する処理を制御する。更に、中央処理制御装置202は、モバイルIP端末からアソシエーション要求メッセージを受信すると、アクセスポイントに接続した送受信機のMACアドレスをアソシエーション要求メッセージから読み出すとともに、モバイルIP端末のMACアドレスと送受信機のMACアドレスについてアソシエーションが確立されたことをアソシエーションテーブルに記憶する。具体的には、中央処理制御装置202は、インテリジェントスイッチからモバイルIP端末とで送受信されるパケットについて、モバイルIP端末に具備された複数の送受信機のいずれかのMACアドレスにパケットが送信されるバイキャスト送信の場合、アソシエーションを読み出して、モバイルIP端末に具備されたいずれかの送受信機と確立されたアソシエーションに基づいてモバイルIP端末と通信し、モバイルIP端末のMACアドレスにパケットが送信されるユニキャスト送信の場合、モバイルIP端末と確立されたアソシエーションに基づいてモバイルIP端末と通信する。一方、MAC制御部201には、データリンク層の制御を実現するチップで、アクセスポイントAP1aがインテリジェントスイッチISW1に接続するために利用されるMACアドレスに基づいて、PHY205を介してインテリジェントスイッチISW1と送受信される。PHY205は、アクセスポイントが起動されたときに、ルータ要請メッセージを送信することによりアクセスルータのネットワークプレフィックスを受信し、近隣要請メッセージを送信することによりインテリジェントスイッチのMACアドレスを受信する処理を制御する。
図15に示すように、アクセスポイントAP1aのデータテーブル250は、アクセスポイントAP1a自身に関するデータ、インテリジェントスイッチに関するデータ、モバイルIP端末STA1に関するデータ、RADIUSサーバに関するデータ、アクセスルータに関するデータが含まれる。
(1)アクセスポイントAP1a自身に関するデータ
これに関するデータは全て、アクセスポイントAP1aに固有の情報でスタティックに記憶される。
・アドレス情報:アクセスポイントAP1aのIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイのデータである。
・MACアドレス:アクセスポイントAP1a自身のMACアドレスである。
・AP−ID:アクセスポイントAP1a自身の無線部ID(BSSID及びESSID)である。
・ページングID:アクセスポイントAP1aが接続されたインテリジェントスイッチが提供するページングドメインの識別子である。
(2)インテリジェントスイッチに関するデータ
・IPアドレス:アクセスポイントAP1aが接続されるインテリジェントスイッチのIPアドレスである。このデータは予めアクセスポイントAP1aに記憶される。
・MACアドレス:アクセスポイントAP1aが接続されるインテリジェントスイッチのMACアドレスである。この情報は、アクセスポイントAP1aが起動されたときに、インテリジェントスイッチのIPアドレスが指定された近隣要請メッセージを送信し、近隣通知メッセージを受信することにより取得される。
(3)モバイルIP端末に関するデータ
この情報は、アクセスポイントAP1aが送信するビーコン信号に基づいて、アソシエーションが確立されたモバイルIP端末毎に以下のデータを備える。これらのデータは、モバイルIP端末が接続されたときに取得され、アクセスポイントAP1aが接続可能な接続テーブルとして管理される。本発明の最良の実施の形態に係るアクセスポイントは、バイキャスト送信に備えてモバイルIP端末に備えられた複数の送受信機とアソシエーションを保持し、ユニキャスト送信に備えてモバイルIP端末とアソシエーションを保持する。
・IPアドレス:モバイルIP端末のIPアドレスである。
・RF−MACアドレス:モバイルIP端末に複数搭載されたいずれかの送受信機のMACアドレスである。アクセスポイントAP1aは、バイキャスト送信時に、モバイルIP端末宛のパケットを受信すると、RF−MACアドレス宛にそのパケットを送信する。
・STA−MACアドレス:モバイルIP端末のMACアドレスである。
(4)RADIUSサーバに関するデータ
・IPアドレス:アクセスポイントAP1aが認証を依頼するRADIUSサーバのIPアドレスである。このデータは予めアクセスポイントAP1aに記憶される。
(5)アクセスルータに関するデータ
・ネットワークプレフィックス:アクセスポイントAP1aがインテリジェントスイッチを関して接続されたアクセスルータのネットワークプレフィックスである。この情報は、アクセスポイントAP1aが起動されたときに、ルータ要請メッセージを送信し、ルータ通知メッセージを受信することにより取得される。
次に、図16乃至図18を参照して、本発明の最良の実施の形態に係るアクセスポイントAP1aの状態遷移を説明する。図示しないが、アクセスポイントAP1aが起動されたときに、上述したルータ要請メッセージ及び近隣要請メッセージを送信してアクセスルータとインテリジェントスイッチの情報が予め取得される。
まず、ステップS2101においてアクセスポイントAP1aは、待機状態である。待機状態である間、断続的に、ステップS2102においてビーコン信号をモバイルIP端末に向けて送信する。ステップS2103においてモバイルIP端末から応答がない場合は、再びステップS2101に戻り待機状態となる。
ステップS2103においてモバイルIP端末から応答があった場合、ステップS2104においてアクセスポイントAP1aは、モバイルIP端末からL2認証要求メッセージを受信し、データテーブル250を読み出して、RADIUSサーバのIPアドレスを取得する。次にアクセスポイントAP1aは、ステップS2105においてRADIUSサーバのIPアドレス宛にL2認証要求メッセージを送信して、ステップS2106においてRADIUSサーバからL2認証応答メッセージを受信する。ステップS2107において認証されなかった場合、ステップS2108においてアクセスポイントAP1aは、認証されなかったことを示すL2認証応答メッセージをモバイルIP端末に送信し、再びステップS2101に戻り待機状態となる。
ステップS2107において認証された場合、ステップS2109においてアクセスポイントAP1aは、認証されたことを示すL2認証応答メッセージをモバイルIP端末に送信する。ステップS2110においてアクセスポイントAP1aは、モバイルIP端末からアソシエーション要求メッセージを受信すると、これに対応してステップS2111においてアソシエーション応答メッセージをモバイルIP端末に送信する。このとき、アクセスポイントAP1aは、モバイルIP端末から受信したアソシエーション要求メッセージにおいて、後述するアドレス(4)に記憶された送受信機のMACアドレスも取得し、モバイルIP端末のMACアドレスと、モバイルIP端末に搭載された送受信機のMACアドレスの両方をアソシエーションテーブルに書き込む。
ステップS2112においてモバイルIP端末からプレフィックス要求メッセージを受信しない場合、ステップS2115においてアクセスポイントAP1aは、データテーブル250の接続テーブルに、このモバイルIP端末の情報を登録し、ステップS2201においてモバイルIP端末と通信可能な状態に遷移する。このとき、モバイルIP端末STA1とアクセスポイントとの間でアソシエーションが確立される。
一方、ステップS2112においてモバイルIP端末からプレフィックス要求メッセージを受信した場合、ステップS2113においてアクセスポイントAP1aは、データテーブル250を読み出してアクセスルータのネットワークプレフィックスを抽出し、IPv6アドレスのネットワークプレフィックス通知メッセージをモバイルIP端末に送信し、これに対応してステップS2114においてモバイルIP端末からネットワークプレフィックス応答メッセージを受信する。その後、ステップS2115においてアクセスポイントAP1aは、データテーブル250の接続テーブルに、このモバイルIP端末の情報を登録し、ステップS2201においてモバイルIP端末と通信可能な状態に遷移する。これにより、モバイルIP端末STA1とアクセスポイントとの間でアソシエーションが確立される。
ここで、ステップS2202においてアクセスポイントAP1aは、モバイルIP端末からフレームを受信すると、ステップS2203において無通信タイマーを初期化し、ステップS2204においてインテリジェントスイッチに受信したフレームを送信し、再びステップS2201においてモバイルIP端末と通信可能な状態に遷移する。又、ステップS2205においてアクセスポイントAP1aは、インテリジェントスイッチからモバイルIP端末宛のフレームを受信すると、ステップS2206において無通信タイマーを初期化し、ステップS2207においてモバイルIP端末に受信したフレームを送信し、再びステップS2201においてモバイルIP端末と通信可能な状態に遷移する。
一方、ステップS2208においてアクセスポイントAP1aは、インテリジェントスイッチから所定のモバイルIP端末とのアソシエーションを切断する接続テーブル削除要求メッセージを受信すると、ステップS2209においてデータテーブル250の接続テーブルからそのモバイルIP端末に関する情報を削除し、再びステップS2101に戻り待機状態となる。又、ステップS2210において無通信タイマーがタイムオーバするとアクセスポイントAP1aは、ステップS2211においてモバイルIP端末に接続切断要求メッセージを送信する。更に、ステップS2212においてアクセスポイントAP1aは、データテーブル250の接続テーブルからそのモバイルIP端末に関する情報を削除し、再びステップS2101に戻り待機状態となる。
又、ステップS2101において待機状態であるときに、ステップS2302においてアクセスポイントAP1aは、モバイルIP端末のMACアドレスが指定されたページング着信要求をインテリジェントスイッチから受信すると、ステップS2303においてページング着信状態に遷移する。次にステップS2304においてアクセスポイントAP1aは、ビーコン信号に着信要求メッセージを組み込むことにより、ページング着信要求を開始し、ステップS2305において、アクセスポイントAP1aが提供するセルに位置するモバイルIP端末にページング着信要求メッセージを送信する。
ステップS2306においてモバイルIP端末から応答がなかった場合、ステップS2307においてアクセスポイントAP1aは、インテリジェントスイッチからページング着信要求終了メッセージを受信すると、ステップS2308においてページング着信要求を終了する。具体的には、アクセスポイントAP1aが送信しているビーコン信号から、ステップS2304で組み込んだ着信要求メッセージを取り外す。ページング着信要求を終了すると、再びステップS2101に戻り待機状態となる。
一方、ステップS2306において、ページング着信要求メッセージに対して、モバイルIP端末から応答がある場合、ステップS2309においてアクセスポイントAP1aは、モバイルIP端末からL2認証要求メッセージを受信し、データテーブル250を読み出して、RADIUSサーバのIPアドレスを取得する。次にアクセスポイントAP1aは、ステップS2310においてRADIUSサーバのIPアドレス宛にL2認証要求メッセージを送信して、ステップS2311においてRADIUSサーバからL2認証応答メッセージを受信する。ステップS2312において認証されなかった場合、ステップS2313においてアクセスポイントAP1aは、認証されなかったことを示すL2認証応答メッセージをモバイルIP端末に送信し、ステップS2307においてアクセスポイントAP1aは、インテリジェントスイッチからページング着信要求終了メッセージを受信すると、ステップS2308においてページング着信要求を終了する。
ステップS2312において認証された場合、ステップS2314においてアクセスポイントAP1aは、認証されたことを示すL2認証応答メッセージをモバイルIP端末に送信する。ステップS2315においてアクセスポイントAP1aは、モバイルIP端末からアソシエーション要求メッセージを受信すると、これに対応してステップS2316においてアソシエーション応答メッセージをモバイルIP端末に送信する。
ステップS2317においてアクセスポイントAP1aは、インテリジェントスイッチ宛のページング着信応答メッセージをモバイルIP端末から受信すると、ステップS2318において、受信したページング着信応答メッセージをインテリジェントスイッチに転送する。
更に、ステップS2319においてアクセスポイントAP1aは、インテリジェントスイッチからページング着信要求終了メッセージを受信すると、ステップS2320においてページング着信要求を終了する。その後アクセスポイントAP1aは、ステップS2201においてモバイルIP端末と通信可能な状態に遷移する。
ここでは、アクセスポイントAP1aについて記述したが、アクセスポイントAP1bなど他のアクセスポイントについても同様である。
(インテリジェントスイッチ)
本発明の最良の実施の形態に係るインテリジェントスイッチISW1は、アクセスルータAR1からの着信があると、モバイルIP端末STA1からのページング要求メッセージに基づいて、インテリジェントスイッチに接続されたアクセスポイントAP1a、AP1b…AP1nに対してページング着信要求を送信する機能を備える。
具体的には、図19に示すように本発明の最良の実施の形態に係るインテリジェントスイッチISW1は、中央制御部301、メモリ302、L2スイッチLSI303、4ポートPHY304a乃至304d、RS−232Cインタフェース305、電源部306を備えている。メモリ302には、インテリジェントスイッチISW1の起動時に実行されるブートプログラムや後述するアクセスルータのネットワークプレフィックス、アクセスポイントのIPアドレス及びMACアドレスが含まれるデータテーブル350及び処理中に発生する一時記憶データ、ポートとポート先に接続された情報機器のMAC学習テーブル、バイキャスト送信に関するバイキャストテーブル360などが記憶されている。
インテリジェントスイッチISW1が起動されると、メモリ302に記憶されたブートプログラムが中央制御部301によって実行される。又、中央制御部301は、L2スイッチLSI303を制御して、L2スイッチLSI303に接続されている4ポートPHY304a乃至304dを制御して、ネットワークと通信を行わせる。図17に示した例ではインテリジェントスイッチISW1は、4ポートPHYを4つ備えているので、合計で16ポートを備える。このポートがそれぞれアクセスルータAR1、アクセスポイントAP1a、AP1b…AP1nに接続されることにより、インテリジェントスイッチISW1は、これらの情報機器と通信可能になる。具体的にはインテリジェントスイッチISW1は、これらの情報機器から受信したパケットの宛先MACアドレスを読み出すとともに、メモリ302に記憶されたMAC学習テーブルを読み出して、読み出されたMACアドレスに対応するポートを抽出し、そのポートに向けてパケットを送信する。
RS−232Cインタフェース305は、外部からの入出力のインタフェースであり、電源部306にはAC100V電源が接続され、インテリジェントスイッチISWに電源を供給する。
更に、中央制御部301は、モバイルIP端末STA1からモバイルIP端末STA1のMACアドレスと、第1の送受信機RF1のMACアドレスと、第1のアクセスポイントAP1aの識別子と、第2の送受信機RF2のMACアドレスと、第2のアクセスポイントAP1bの識別子を含み、モバイルIP端末STA1宛のパケットを第1の送受信機RF1及び第2の送受信機RF2の両方への送信を要求するバイキャスト要求メッセージを受信する。中央制御部301は、モバイルIP端末STA1のMACアドレスと、第1の送受信機RF1のMACアドレスと、第1のアクセスポイントAP1aの識別子と、第2の送受信機RF2のMACアドレスと、第2のアクセスポイントAP1bの識別子とを対応付けるバイキャストテーブル360を作成してメモリ302に記憶し、ホームエージェントHAからモバイルIP端末STA1宛のパケットを受信すると、第1のアクセスポイントAP1aを介して第1の送受信機RF1のMACアドレスに送信するとともに、第2のアクセスポイントAP1bを介して第2の送受信機RF2のMACアドレスに送信する処理を制御する。このとき、中央制御部301は、バイキャスト要求メッセージを受信すると、モバイルIP端末STA1のMACアドレス宛のパケットを、第1の送受信機RF1に対応するMACアドレス宛のパケットにIPカプセル化して送信するとともに、第2の送受信機RF2に対応するMACアドレス宛のパケットにIPカプセル化して送信する。ここで、モバイルIP端末STA1のMACアドレス宛のパケットにパケットを識別するシーケンス番号を含む新たなパケットを生成し、新たなパケットをIPカプセル化して、アクセスポイントAP1a又はAP1bに送信するのが好ましい。
更に中央制御部301は、モバイルIP端末STA1からインテリジェントスイッチISW1が転送するパケットの宛先アドレスを登録させるページング要求メッセージを受信すると、ページング応答メッセージをモバイルIP端末に送信する。更に中央制御部301は、モバイルIP端末宛のパケットを受信するとパケットをメモリ302にバッファリングするとともに、アクセスポイントに、モバイルIP端末宛のパケットが着信されたことを示すページング着信要求メッセージを送信する。更に中央制御部301は、モバイルIP端末からページング着信応答を受信すると、バッファリングされたパケットをモバイルIP端末に送信するとともに、アクセスポイントにページング着信終了要求メッセージを送信する処理を制御する。又、中央制御部301は、モバイルIP端末からインテリジェントスイッチISW1が転送するパケットの宛先アドレスを登録させるページング要求メッセージを受信すると、モバイルIP端末とアクセスポイントとの間で確立されたアソシエーションを切断するアソシエーション接続切断要求メッセージを送信する処理を制御するのが好ましい。
図20に示すように、インテリジェントスイッチISW1のデータテーブル350は、インテリジェントスイッチ自身に関するデータ、アクセスポイントに関するデータ及びアクセスルータに関するデータが含まれる。
(1)インテリジェントスイッチに関するデータ
これに関するデータは全て、インテリジェントスイッチISW1に固有の情報でスタティックに記憶される。
・アドレス情報:インテリジェントスイッチISW1自身のIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイのデータである。
・MACアドレス:インテリジェントスイッチISW1自身のMACアドレスである。
(2)アクセスポイントに関するデータ
このデータは、インテリジェントスイッチISW1に接続されたアクセスポイント毎に以下の情報を備える。
・IPアドレス:アクセスポイントのIPアドレスである。この情報は、インテリジェントスイッチISW1に固有の情報でスタティックに記憶される。
・MACアドレス:アクセスポイントのMACアドレスである。この情報は、アクセスポイントが起動したときに、図2に示したルータ要請メッセージを受信することにより取得される。
・送出ポート:アクセスポイントが接続されたポート番号である。この情報は、アクセスポイントが起動したときに、ルータ要請メッセージを受信したポート番号により取得される。
(3)アクセスルータに関するデータ
・ネットワークプレフィックス:インテリジェントスイッチISW1に接続されたアクセスルータのネットワークプレフィックスである。この情報は、インテリジェントスイッチISW1が起動されたときに、ルータ要請メッセージを送信し、ルータ通知メッセージを受信することにより取得される。
ここで、図21を参照して、本発明の最良の実施の形態に係るインテリジェントスイッチISW1のメモリ302に記憶されるバイキャストテーブル360を説明する。図5に示したステップS210で、バイキャスト要求メッセージを受信するとインテリジェントスイッチISW1は、受信したバイキャスト要求メッセージに基づいてバイキャストテーブル360を作成してメモリ302に記憶する。
バイキャストテーブル360は、モバイルIP端末のMACアドレスをキーとして、バイキャスト送信するための第1のトンネル情報と、第2のトンネル情報を備えている。
第1のトンネル情報は、モバイルIP端末の第1の送受信機RF1と接続されているアクセスポイントのMACアドレスと、送受信機RF1のMACアドレスと、送受信機RF1に送信する第1の送出ポートが関連づけられて記憶されている。第2のトンネル情報は、モバイルIP端末の第2の送受信機RF2と接続されているアクセスポイントのMACアドレスと、送受信機RF2のMACアドレスと、送受信機RF2に送信する第2の送出ポートが関連づけられて記憶されている。ここで、送出ポートは、バイキャスト要求メッセージによって、バイキャスト要求メッセージのパラメータである送受信機RF1とアソシエーションが確立されたアクセスポイントのMACアドレス、又は送受信機RF2とアソシエーションが確立されたアクセスポイントのMACアドレスから取得される。
インテリジェントスイッチISW1は、モバイルIP端末STA1宛のパケットを受信すると、メモリ302からバイキャストテーブル360に記憶されたモバイルIP端末STA1に関する情報を読み出して、モバイルIP端末STA1宛に送信されたパケットをIPカプセル化してそれぞれの送出ポートを介してバイキャストで送信する。
次に、図22乃至図24を参照して、本発明の最良の実施の形態に係るインテリジェントスイッチISW1の状態遷移を説明する。図示しないが、インテリジェントスイッチISW1が起動されたときに、上述したルータ要請メッセージを送信してアクセスルータの情報が予め取得される。
まず、ステップS3101においてインテリジェントスイッチISW1は、起動された後、初期状態で待機する。ステップS3102においてモバイルIP端末にページング要求メッセージを送信すると、ステップS3103においてインテリジェントスイッチは、ページング応答メッセージをモバイルIP端末から受信する。更にステップS3104においてインテリジェントスイッチISW1は、アクセスポイントにデータテーブル250の接続テーブルからそのモバイルIP端末に関する情報を削除させる接続切断要求メッセージを送信し、ステップS3301のページング状態に遷移する。ページング状態になると、インテリジェントスイッチISW1は、モバイルIP端末との発着信を受けることができ、無通信時間を計測するタイマーを起動する。この処理は、図4のステップS212乃至ステップS214に相当する。
ステップS3301でページング状態であるとき、ステップS3302においてインテリジェントスイッチISW1は、モバイルIP端末からフレームを受信すると、フレームを受信したポート番号とモバイルIP端末のMACアドレスに基づいて、ステップS3303においてMAC学習テーブルに登録し、ステップS3304において、ステップS3302において受信したフレームを宛先に転送し、ステップS3105のユニキャスト通信状態に遷移する。ここでユニキャスト状態とは、インテリジェントスイッチISW1からモバイルIP端末STA1のMACアドレスを指定して、ユニキャストで通信される状態である。
一方ステップS3301でページング状態であるとき、ステップS3305においてインテリジェントスイッチISW1は、モバイルIP端末宛のフレームを受信すると、受信したフレームをメモリ302に蓄積する。ステップS3306において、インテリジェントスイッチISW1に接続されている全てのアクセスポイントにページング着信要求メッセージを送信する。ステップS3307においてモバイルIP端末からページング着信応答メッセージが送信されると、ステップS3308においてページング着信応答メッセージを受信したポート番号とモバイルIP端末のMACアドレスに基づいてMAC学習テーブルに登録する。ページング着信応答がない場合は、再度全てのアクセスポイントにページング着信要求メッセージを送信する。次にステップS3309においてインテリジェントスイッチISW1は、インテリジェントスイッチISW1に接続された全てのアクセスポイントにページング着信終了要求メッセージを送信し、ステップS3305で蓄積したフレームを、ステップS3310においてモバイルIP端末にユニキャストで送信する。その後インテリジェントスイッチISW1は、ステップS3105のユニキャスト状態に遷移する。この処理は、図4のステップS252乃至ステップS262に相当する。又、ステップS3311で無通信タイマーがタイムオーバーすると、ステップS3101の初期状態に遷移する。
ステップS3105においてユニキャスト状態で通信されているとき、インテリジェントスイッチISW1は無通信タイマーを起動する。
ステップS3106においてインテリジェントスイッチISW1は、モバイルIP端末からフレームを受信すると、ステップS3107において無通信タイマーを初期化しステップS3108においてモバイルIP端末にフレームを転送し、再びステップS3105のユニキャスト状態に遷移する。この処理は、図5のステップS263に相当する。
ステップS3109においてインテリジェントスイッチISW1は、モバイルIP端末宛のフレームを受信すると、ステップS3110においてメモリ302を読み出しMAC学習テーブルを参照してモバイルIP端末に送信可能なポート番号を抽出する。ステップS3111においてインテリジェントスイッチISW1は、抽出されたポートを介してモバイルIP端末にフレームを転送する。この処理は、図5のステップS263に相当する。
ステップS3112においてモバイルIP端末にページング要求メッセージを送信すると、ステップS3113においてインテリジェントスイッチは、ページング応答メッセージをモバイルIP端末から受信する。更にステップS3114においてインテリジェントスイッチISW1は、アクセスポイントにデータテーブル250の接続テーブルからそのモバイルIP端末に関する情報を削除させる接続切断要求メッセージを送信し、ステップS3301のページング状態に遷移する。一方、ステップS3115において無通信タイマーがタイムオーバすると、ステップS3116においてインテリジェントスイッチISW1は、アクセスポイントにデータテーブル250の接続テーブルからそのモバイルIP端末に関する情報を削除させる接続切断要求メッセージを送信し、ステップS3101の初期状態に遷移する。
次にバイキャスト状態でのインテリジェントスイッチISW1の動作を説明する。ここでは、モバイルIP端末STA1の第1の送受信機RF1が、アクト側として旧アクセスポイントに接続され、第2の送受信機RF2が、スタンバイ側として新アクセスポイントに接続される場合について説明する。
ステップS3201においてバイキャスト状態で通信されているとき、インテリジェントスイッチISW1は無通信タイマーを起動する。
ステップS3202においてインテリジェントスイッチISW1は、モバイルIP端末からフレームを受信すると、ステップS3203において無通信タイマーを初期化しステップS3204においてモバイルIP端末にフレームを転送し、再びステップS3201のバイキャスト状態に遷移する。
ステップS3205においてインテリジェントスイッチISW1は、モバイルIP端末宛のフレームを受信すると、ステップS3206においてメモリ302を読み出しバイキャストテーブルを参照して、モバイルIP端末宛にIPカプセル化してモバイルIP端末の第1の送受信機RF1宛とモバイルIP端末の第2の送受信機RF2宛の二つのパケットを生成するとともに、モバイルIP端末に送信可能なポート番号を抽出する。ステップS3207においてインテリジェントスイッチISW1は、抽出されたポートを介してモバイルIP端末にそれぞれフレームを転送する。この処理は、図5のステップS212及びステップS213に相当する。
ステップS3208において、モバイルIP端末STA1のスタンバイ側、ここでは第2の送受信機RF2から、ハンドオーバーに成功し、バイキャスト停止要求メッセージを受信すると、インテリジェントスイッチISW1は、ステップS3209において、バイキャストテーブル360から、このモバイルIP端末STA1に関する情報を削除し、ステップS3209において、モバイルIP端末STA1にバイキャスト停止応答メッセージを送信する。更に、ステップS3211においてインテリジェントスイッチISW1は、旧アクセスポイントに接続切断要求メッセージを送信する。この処理は、図5のステップS214乃至ステップS216に相当する。
ステップS3212において、モバイルIP端末STA1のアクト側、ここでは第1の送受信機RF1から、ハンドオーバーを中止し、バイキャスト停止要求メッセージを受信すると、インテリジェントスイッチISW1は、ステップS3213において、バイキャストテーブル360から、このモバイルIP端末STA1に関する情報を削除し、ステップS3214において、モバイルIP端末STA1にバイキャスト停止応答メッセージを送信する。更に、ステップS3215においてインテリジェントスイッチISW1は、新アクセスポイントに接続切断要求メッセージを送信する。
一方、ステップS3216において無通信タイマーがタイムオーバすると、ステップS3217及びステップS3218においてインテリジェントスイッチISW1は、新アクセスポイント及び旧アクセスポイントにデータテーブル250の接続テーブルからそのモバイルIP端末に関する情報を削除させる接続切断要求メッセージを送信する。ステップS3101の初期状態に遷移する。
ここでは、インテリジェントスイッチISW1について記述したが、インテリジェントスイッチISW2など他のインテリジェントスイッチについても同様である。
(バイキャスト送信の方法)
次に、図25及び図26を参照して、インテリジェントスイッチISW1からバイキャストで送信されるパケットについて説明する。
アクセスルータAR1を介してインテリジェントスイッチISW1が、パケットPKT1を受信する。このパケットPKT1が、バイキャストテーブル360を読み出して、バイキャスト送信の対象になっているか否かを判定し、バイキャスト送信の対象になっていなければ、通常通り、アクセスポイントにページング着信要求メッセージを送信する。ここでは、受信したパケットPKT1がバイキャスト送信の対象になっている場合について説明する。このパケットPKT1には、送信元アドレスとして送信元端末のMACアドレスが、宛先アドレスとしてモバイルIP端末STA1のMACアドレスがそれぞれ指定されている。
インテリジェントスイッチISW1は、受信したパケットPKT1のフレームを複製して、バイキャストテーブル360に基づいて、モバイルIP端末STA1の第1の送受信機RF1及び第2の送受信機RF2のそれぞれにバイキャスト送信するパケットPKT2及びPKT3を生成する。
第1の送受信機RF1宛のパケットPKT2は、パケットPKT1をペイロードに格納し、送信元アドレスとして、インテリジェントスイッチのMACアドレスが、宛先アドレスとして、モバイルIP端末STA1の第1の送受信機RF1のMACアドレスが指定されている。更に、インテリジェントスイッチISW1は、ペイロードにパケットを識別するシーケンス番号を記憶する。このシーケンス番号は、インテリジェントスイッチISW1が受信したパケットPKT1毎に採番される番号である。シーケンス番号の先頭ビットは、「0」か「1」の値を取り、シーケンス番号の繰り返しを意味する数を示す。本発明の実施の形態では、インテリジェントスイッチISW1によって、パケットPKT1を受信する度に、シーケンス番号をインクリメントする場合について説明する。この第1の送受信機RF1宛のパケットPKT2は、第1の送受信機RF1が接続されている旧アクセスポイントを含むトンネルT1を介して、モバイルIP端末STA1の第1の送受信機RF1にトンネリング転送される。
第2の送受信機RF2宛のパケットPKT3は、パケットPKT1をペイロードに格納し、送信元アドレスとして、インテリジェントスイッチのMACアドレスが、宛先アドレスとして、モバイルIP端末STA1の第2の送受信機RF2のMACアドレスが指定されている。更に、インテリジェントスイッチISW1は、ペイロードにパケットを識別するシーケンス番号を記憶する。このシーケンス番号は、第1の送受信機RF1宛のパケットPKT2のシーケンス番号と同じである。この第2の送受信機RF2宛のパケットPKT3は、第2の送受信機RF2が接続されている新アクセスポイントを含むトンネルT2を介して、モバイルIP端末STA1の第2の送受信機RF2にトンネリング転送される。
モバイルIP端末STA1においては、先に到着したパケットを取得して、アプリケーションに送信される。図25に示した例においては、第1の送受信機RF1を介して受信したパケットの方が早く到着した例であって、インテリジェントスイッチISW1は、第1の送受信機RF1及び無線制御部104aを介してミドルウェアでパケットPKT2を受信し、アプリケーションに送信される。その後、インテリジェントスイッチISW1は、第2の送受信機RF2及び無線制御部104bを介してパケットPKT3を受信するが、アプリケーションに送信される前に、ミドルウェアによって破棄される。このパケットPKT3は、同時に送信されたPKT2より遅れて到着しているので、PKT3の伝送経路の通信品質が悪いと予想される。
一方、図26に示すように、モバイルIP端末STA1において、第1の送受信機RF1より第2の送受信機RF2において先にパケットPKT3を受信したとすると、パケットPKT3がアプリケーションに送信され、パケットPKT2が破棄される。
次に、図27を参照して、モバイルIP端末STA1において、第1の送受信機RF1及び第2の送受信機RF2のいずれの送受信機から受信したパケットをアプリケーションに送信し、破棄するのかを詳述する。
モバイルIP端末STA1は、RF1パケット受信部161、RF2パケット受信部162、ラスト受信RF番号記憶部163、ラスト受信シーケンス番号記憶部164と、ラスト受信RF番号取得部165を備えている。RF1パケット受信部161は、第1の送受信機RF1から受信したパケットを処理する手段である。RF2パケット受信部162は、第2の送受信機RF2から受信したパケットを処理する手段である。ラスト受信RF番号記憶部163は、モバイルIP端末STA1が直近にパケットを取得した送受信機の識別子が記憶された記憶装置である。ここでは、ラスト受信RF番号として、「RF1」が記憶されているとする。ラスト受信シーケンス番号記憶部164は、モバイルIP端末STA1で直近に受信したシーケンス番号が記憶された記憶装置である。ここでは、ラストシーケンス番号として「n−1」が記憶されているとする。ラスト受信RF番号取得部165は、ラスト受信RF番号記憶部163を読み出して、モバイルIP端末STA1が直近に受信した送受信機の識別子を取得し、アプリケーションから返信されたパケットをその識別子の送受信機に送信する手段である。
ここで、RF1パケット受信部161及びRF2パケット受信部162は、それぞれで処理が実行されている間は割り込みが禁止される。例えば、RF1パケット受信部161によって受信したパケットが処理されている間、RF2パケット受信部162は、待機する。この様に割り込み禁止にすることにより、ラスト受信RF番号記憶部163及びラスト受信シーケンス番号記憶部164の排他制御が行われる。
図27に示した例においては、モバイルIP端末STA1の第1の送受信機RF1と旧アクセスポイントAP1aとが良好な無線状況で接続されている、一方、モバイルIP端末STA1の第2の送受信機RF2とハンドオーバー先の新アクセスポイントAP1bとが劣悪な無線状況で接続されており、インテリジェントスイッチISW1から新アクセスポイントAP1bを介してモバイルIP端末STA1に送信される無線通信区間でのリトライが発生していたとする。又、図27に示した例においては、インテリジェントスイッチISW1がパケットPKT1を受信する度に、シーケンス番号がインクリメントされる、具体的には、インテリジェントスイッチISW1によってより遅く受信されたパケットには、より大きいシーケンス番号が採番されるとする。
モバイルIP端末STA1の第1の送受信機RF1及び無線制御部104aによって旧アクセスポイントAP1aからシーケンス番号が「n」のパケットPKT2を受信したとする。受信したパケットPKT2は、無線制御部104aに到着したことにより無線制御部104aでトンネルT1が終端される。送信されたパケットは、RF1パケット受信部161で処理される。
RF1パケット受信部161は、ラスト受信シーケンス番号記憶部164を読み出して、直近に受信したパケットのシーケンス番号と、パケットPKT2のシーケンス番号を比較する。ラスト受信シーケンス番号がパケットPKT2のシーケンス番号より大きい場合、具体的には、パケットPKT2が既に受信されたパケットと同じシーケンス番号を持つパケットである場合、そのパケットPKT2は破棄される。一方、ラスト受信シーケンス番号がパケットPKT2のシーケンス番号より小さい場合、具体的には、パケットPKT2が受信されていないパケットである場合、パケットPKT2のシーケンス番号が、ラスト受信シーケンス番号記憶部164に記憶され、パケットPKT2を受信した送受信機の識別子がラスト受信RF番号として記憶される。
ここでは、第1の送受信機RF1によって受信されたパケットPKT2のシーケンス番号が「n」で、ラスト受信シーケンス番号記憶部164に記憶されたデータが「n−1」であるので、パケットPKT2は破棄されず、ラスト受信シーケンス番号記憶部164は、「n−1」から「n」に更新され、ラスト受信RF番号記憶部163には、「RF1」と記憶される。第1の送受信機RF1によって受信されたパケットPKT2は、アプリケーションに送信され、アプリケーションで処理される。アプリケーションがこのパケットPKT2に対して返信パケットを送信すると、ラスト受信RF番号取得部165は、ラスト受信RF番号記憶部163を読み出して、「RF1」に該当する送受信機、具体的には第1の送受信機RF1に対して返信パケットを送信する。
一方、モバイルIP端末STA1の第2の送受信機RF2及び無線制御部104bによって新アクセスポイントAP1bからシーケンス番号が「n−1」のパケットPKT3を受信したとする。受信したパケットPKT3は、無線制御部104bに到着したことにより無線制御部104bでトンネルT2が終端される。送信されたパケットは、RF2パケット受信部162で処理される。ここでは、第1の送受信機RF1によってパケットPKT2が処理される前の状態、具体的には、ラスト受信シーケンス番号記憶部164には「n−1」が記憶されている場合について説明する。
RF2パケット受信部162は、ラスト受信シーケンス番号記憶部164を読み出して、直近に受信したパケットのシーケンス番号と、パケットPKT2のシーケンス番号を比較する。ラスト受信シーケンス番号がパケットPKT3のシーケンス番号より大きい場合、具体的には、パケットPKT3が既に受信されたパケットと同じシーケンス番号を持つパケットである場合、そのパケットPKT2は破棄される。一方、ラスト受信シーケンス番号がパケットPKT3のシーケンス番号より小さい場合、具体的には、パケットPKT3が受信されていないパケットである場合、パケットPKT3のシーケンス番号が、ラスト受信シーケンス番号記憶部164に記憶され、パケットPKT3を受信した送受信機の識別子がラスト受信RF番号として記憶される。
ここでは、第2の送受信機RF2によって受信されたパケットPKT3のシーケンス番号が「n−1」で、ラスト受信シーケンス番号記憶部164に記憶されたデータが「n−1」であるので、パケットPKT3は破棄される。
図28を参照して、図27に示した状態から遷移し、モバイルIP端末STA1が新アクセスポイントAP1b方向へ移動した場合について説明する。
図28に示した例においては、モバイルIP端末STA1の第1の送受信機RF1と旧アクセスポイントAP1aとが劣悪な無線状況で接続されている、一方、モバイルIP端末STA1の第2の送受信機RF2とハンドオーバー先の新アクセスポイントAP1bとが良好な無線状況で接続されており、インテリジェントスイッチISW1から新アクセスポイントAP1bを介してモバイルIP端末STA1に送信される無線通信区間でのリトライが発生していたとする。又、ラスト受信シーケンス番号記憶部164には「n」と記憶されている。
旧アクセスポイントAP1aからシーケンス番号「n」のパケットPKT2が送信されると、ラスト受信シーケンス番号記憶部164に記憶されたデータが「n」であるので、RF1パケット受信部161は、受信したパケットPKT2は既に受信したパケットのシーケンス番号を備えると判断され、そのパケットは破棄される。
一方、第2の送受信機RF2によって受信されたパケットPKT3のシーケンス番号が「n+1」で、ラスト受信シーケンス番号記憶部164に記憶されたデータが「n」であるので、パケットPKT3は破棄されず、ラスト受信シーケンス番号記憶部164は、「n」から「n+1」に更新され、ラスト受信RF番号記憶部163には、「RF2」と記憶される。第2の送受信機RF2によって受信されたパケットPKT3は、アプリケーションに送信され、アプリケーションで処理される。アプリケーションがこのパケットPKT3に対して返信パケットを送信すると、ラスト受信RF番号取得部165は、ラスト受信RF番号記憶部163を読み出して、「RF2」に該当する送受信機、具体的には第2の送受信機RF2に対して返信パケットを送信する。
次に、図29を参照して、本発明の無線通信方法において送受信されるパケットの構成を説明する。図29(a)は、アクセスポイントからモバイルIP端末に送信されるパケットを示している。ここでは、「ADDRESS1」部に、宛先アドレスとしてモバイルIP端末の送受信機のMACアドレス又はモバイルIP端末のMACアドレスが指定されている。「ADDRESS2」部に、アクセスポイントのMACアドレスが指定されている。「ADDRESS3」部に、送信元アドレスとしてインテリジェントスイッチのMACアドレスか、インテリジェントスイッチのデフォルトゲートウェイのMACアドレスが指定されている。更に、通常利用されない「ADDRESS4」部に、当該パケットを受信する送受信機のMACアドレスが指定される。これにより、アクセスポイントから送信されたパケットを受信するモバイルIP端末の送受信機のMACアドレスが特定される。図29(b)は、モバイルIP端末からアクセスポイントに送信されるパケットを示している。ここでは、「ADDRESS1」部に、宛先アドレスとしてアクセスポイントのMACアドレスが指定されている。「ADDRESS2」部に、送信元アドレスとして、モバイルIP端末のMACアドレスが指定されている。「ADDRESS3」部に、宛先アドレスとしてデフォルトゲートウェイのMACアドレスが指定されている。更に、通常利用されない「ADDRESS4」部に、当該パケットを送信する送受信機のMACアドレスが指定される。これにより、アクセスポイントへ送信されたパケットを送信したモバイルIP端末の送受信機のMACアドレスが特定される。
この様に、本発明の最良の実施の形態に係るモバイルIP端末STA1においては、既に受信したパケットを破棄し、受信していないパケットのみをアプリケーションに送信することができるので、インテリジェントスイッチISW1からバイキャスト送信されたとしても、アプリケーションの動作に不具合が生じることはない。又、アプリケーションからパケットを返信する場合、アプリケーションがパケットを受信した送受信機を介して返信パケットが送信されるので、無線状況が良好でパケットが早く到着する通信経路を介して返信パケットが送信されるので、通信エラーが生じる可能性が少ない。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の最良の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明に係る無線通信方法は、アクセスポイントが提供するセルを越えて移動する場合でも、ハンドオーバー時にも複数経路でパケットを送信するので、パケットロスを軽減することができる。
本発明の最良の実施の形態に係る通信ネットワークのシステム構成図である。 本発明の最良の実施の形態に係る無線通信方法の概略を説明する図である。 本発明の最良の実施の形態に係るアクセスポイントが起動された場合の処理を示すシーケンス図である。 本発明の最良の実施の形態に係るインテリジェントスイッチが起動された場合の処理を示すシーケンス図である。 本発明の最良の実施の形態に係る通信システムにおいて、モバイルIP端末によってハンドオーバーが行われる場合の処理を示すシーケンス図である。 本発明の最良の実施の形態に係るモバイルIP端末のハードウェア構成図である。 本発明の最良の実施の形態に係るモバイルIP端末のソフトウェア構造を説明する図である。 本発明の最良の実施の形態に係るモバイルIP端末で管理されるデータテーブルの一例である。 本発明の最良の実施の形態に係るモバイルIP端末の状態遷移図である。(その1) 本発明の最良の実施の形態に係るモバイルIP端末の状態遷移図である。(その2) 本発明の最良の実施の形態に係るモバイルIP端末の状態遷移図である。(その3) 本発明の最良の実施の形態に係るモバイルIP端末の状態遷移図である。(その4) 本発明の最良の実施の形態に係るモバイルIP端末の状態遷移図である。(その5) 本発明の最良の実施の形態に係るアクセスポイントのハードウェア構成図である。 本発明の最良の実施の形態に係るアクセスポイントで管理されるデータテーブルの一例である。 本発明の最良の実施の形態に係るアクセスポイントの状態遷移図である。(その1) 本発明の最良の実施の形態に係るアクセスポイントの状態遷移図である。(その2) 本発明の最良の実施の形態に係るアクセスポイントの状態遷移図である。(その3) 本発明の最良の実施の形態に係るインテリジェントスイッチのハードウェア構成図である。 本発明の最良の実施の形態に係るインテリジェントスイッチで管理されるデータテーブルの一例である。 本発明の最良の実施の形態に係るインテリジェントスイッチで管理されるバイキャストテーブルの一例である。 本発明の最良の実施の形態に係るインテリジェントスイッチの状態遷移図である。(その1) 本発明の最良の実施の形態に係るインテリジェントスイッチの状態遷移図である。(その2) 本発明の最良の実施の形態に係るインテリジェントスイッチの制御フローを示す図である。 本発明の最良の実施の形態に係るバイキャスト送信を説明する図である。(その1) 本発明の最良の実施の形態に係るバイキャスト送信を説明する図である。(その2) 本発明の最良の実施の形態に係るモバイルIP端末において、バイキャスト送信されたパケットの処理を説明する図である。(その1) 本発明の最良の実施の形態に係るモバイルIP端末において、バイキャスト送信されたパケットの処理を説明する図である。(その2) 図29(a)は、アクセスポイントからモバイルIP端末に送信されるパケット構成を示す図で、図29(b)は、モバイルIP端末からアクセスポイントに送信されるパケットの構成を示す図である。 従来の通信ネットワークのシステム構成図である。 従来のモバイルIPにおいて予測型高速ハンドオーバーを説明するシーケンス図である。
符号の説明
1…モバイルIPv6ネットワーク
2…IPv4ネットワーク
3…PSTN
5a、5b…ページングドメイン
10…RADIUSサーバ
11…SIP端末
100、200、301…中央制御部
101、202…CPU
102、203…ROM
103、204…RAM
104a、104b、206…無線制御部
106、208…アンテナ
107…バス切替部
108…HYB
150、250、350…データテーブル
161…RF1パケット受信部
162…RF2パケット受信部
163…ラスト受信RF番号記憶部
164…ラスト受信シーケンス番号記憶部
165…番号取得部
201…MAC制御部
205…PHY
302…メモリ
303…L2スイッチLSI
304…4ポートPHY
305…RS−232Cインタフェース
306…電源部
360…バイキャストテーブル
AP1a、AP1b、AP1n…アクセスポイント
AR1、AR2…アクセスルータ
GW1、GW2…ゲートウェイ
ISW1、ISW2、ISW3、ISW4…インテリジェントスイッチ
PKT1、PKT2、PKT3…パケット
RF1、RF2…送受信機
STA1、STA2…モバイルIP端末
T1、T2…トンネル

Claims (18)

  1. 通信ネットワークとネットワーク層レベルで接続されるアクセスルータと、前記アクセスルータとアクセスポイントとをデータリンク層レベルで接続されるインテリジェントスイッチと、前記インテリジェントスイッチに接続され無線通信可能なセルを提供するアクセスポイントと、前記アクセスポイント、前記インテリジェントスイッチ及び前記アクセスルータを介して前記通信ネットワークに接続され外部リンクに位置する可搬性を備えるモバイルIP端末とを備える通信システムに用いられる無線通信方法であって、
    前記モバイルIP端末によって、第1のアクセスポイント及び前記モバイルIP端末に備えられた第1の送受信機を介して前記インテリジェントスイッチと通信が行われているステップと、
    前記モバイルIP端末によって、前記第1の送受信機による通信レベルが低下したことが検知されるとともに、前記モバイルIP端末に備えられた第2の送受信機を介して、第2のアクセスポイントから前記第2のアクセスポイントが接続された前記インテリジェントスイッチに対応するページング識別子が含まれたビーコン信号が受信されるステップと、
    前記モバイルIP端末によって、前記ページング識別子が前記第1のアクセスポイントが接続された前記インテリジェントスイッチに対応するページング識別子と同じであるかが判定されるステップと、
    前記ページング識別子が前記第1のアクセスポイントが接続された前記インテリジェントスイッチに対応するページング識別子と同じ場合、前記モバイルIP端末宛のパケットの前記第1の送受信機と前記第2の送受信機の両方への送信を依頼するバイキャスト要求メッセージが前記インテリジェントスイッチに送信されるステップと、
    前記インテリジェントスイッチによって、前記モバイルIP端末宛のパケットが、前記第1の送受信機と前記第2の送受信機の両方へ送信されるステップ、
    とを備えることを特徴とする無線通信方法。
  2. 前記モバイルIP端末によって、前記第1の送受信機又は前記第2の送受信機による通信レベルが更に低下したことが検知されると、通信レベルが低下した送受信機への送信を停止するバイキャスト停止要求メッセージが、通信レベルが低下していない送受信機によって前記インテリジェントスイッチに送信されるステップ
    を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の無線通信方法。
  3. 前記ページング識別子が前記第1のアクセスポイントが接続された前記インテリジェントスイッチに対応するページング識別子と異なる場合、前記モバイルIP端末のホームエージェントに位置登録メッセージを送信するステップ
    を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の無線通信方法。
  4. 前記インテリジェントスイッチによって前記バイキャスト停止要求メッセージが受信されると、前記バイキャスト停止要求メッセージが送信された送受信機とは異なる送受信機へのパケットの送信が停止されるステップ
    を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の無線通信方法。
  5. 前記モバイルIP端末によって、前記第2のアクセスポイントからのビーコン信号が受信されると、前記モバイルIP端末によって前記アクセスポイントを介してRADIUSサーバに対して前記認証要求メッセージが送信され、前記RADIUSサーバによって前記アクセスポイントを介して前記モバイルIP端末へ認証応答メッセージが送信されるとともに、前記モバイルIP端末が認証されると、前記モバイルIP端末によって前記アクセスポイントへアソシエーション要求メッセージが送信されることにより、前記モバイルIP端末と前記アクセスポイントとのアソシエーションが確立されるステップ
    を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の無線通信方法。
  6. 前記モバイルIP端末宛のパケットが、前記第1の送受信機と前記第2の送受信機の両方へ送信されるステップは、
    前記インテリジェントスイッチによって、前記バイキャスト要求メッセージが受信されると、前記モバイルIP端末のMACアドレス宛のパケットを、前記第1の送受信機に対応するMACアドレス宛のパケットにIPカプセル化して送信するとともに、前記第2の送受信機に対応するMACアドレス宛のパケットにIPカプセル化して送信するステップである
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信方法。
  7. 前記モバイルIP端末宛のパケットが、前記第1の送受信機と前記第2の送受信機の両方へ送信されるステップは、
    前記インテリジェントスイッチによって、前記バイキャスト要求メッセージが受信されると、前記モバイルIP端末のMACアドレス宛のパケットに前記パケットを識別するシーケンス番号を含む新たなパケットを生成し、前記新たなパケットを、前記第1の送受信機に対応するMACアドレス宛のパケットにIPカプセル化して送信するとともに、前記第2の送受信機に対応するMACアドレス宛のパケットにIPカプセル化して送信するステップであって、
    前記モバイルIP端末によって、前記第1の送受信機又は前記第2の送受信機を介してパケットが受信されると、前記受信されたパケットに含まれているシーケンス番号が読み出されて、既に受信されたパケットのシーケンス番号である場合、前記受信されたパケットが破棄されるステップ
    を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の無線通信方法。
  8. 前記モバイルIP端末によって、前記第1の送受信機又は前記第2の送受信機を介してパケットが受信されると、前記受信されたパケットに含まれているシーケンス番号が読み出されて、前記モバイルIP端末によって直近に受信されたパケットのシーケンス番号であるラスト受信シーケンス番号と前記受信された前記パケットのシーケンス番号が比較されるステップと、
    前記受信されたパケットのシーケンス番号の方が大きい場合、前記モバイルIP端末によって、前記受信されたパケットが前記モバイルIP端末のアプリケーションに送信されるとともに、前記ラスト受信シーケンス番号が前記受信されたパケットのシーケンス番号に書き換えられるステップと、
    前記受信されたパケットのシーケンス番号の方が小さい場合、前記モバイルIP端末によって、前記受信されたパケットが破棄されるステップ
    とを更に備えることを特徴とする請求項7に記載の無線通信方法。
  9. 前記受信されたパケットのシーケンス番号の方が大きい場合、前記モバイルIP端末によって、直近にパケットが受信された送受信機の識別子を示すラスト送受信機番号が、前記受信されたパケットを受信した送受信機の識別子に書き換えられるステップと、
    前記モバイルIP端末によって、前記ラスト送受信機番号に対応する送受信機を介して、前記アプリケーションからパケットが送信されるステップ
    とを更に備えることを特徴とする請求項8に記載の無線通信方法。
  10. 通信ネットワークとネットワーク層レベルで接続されるアクセスルータと、前記アクセスルータとアクセスポイントとをデータリンク層レベルで接続されるインテリジェントスイッチと、前記インテリジェントスイッチに接続され無線通信可能なセルを提供するアクセスポイントと、前記アクセスポイント、前記インテリジェントスイッチ及び前記アクセスルータを介して前記通信ネットワークに接続され外部リンクに位置する可搬性を備えるモバイルIP端末とを備える通信システムに用いられるモバイルIP端末であって、
    前記アクセスポイントとの無線通信のインタフェースとなる第1及び第2の送受信機と、
    モバイルIP端末のMACアドレスと、前記第1の送受信機のMACアドレスと、前記第2の送受信機のMACアドレスと、バイキャスト送信を実行する閾値と、通信が不可能になる閾値とを記憶する記憶部と、
    前記第1の送受信機を介して第1のアクセスポイントと通信するとともに、前記第1のアクセスポイントの識別子を前記記憶部に記憶し、
    前記第1の送受信機の通信レベルが前記バイキャスト送信を実行する閾値より低下されたと判断されると、前記第2の送受信機を介して第2のアクセスポイントから送信される現在位置するページングドメインのページング識別子と前記第2のアクセスポイントの識別子を含むビーコン信号を受信し、
    現在位置するページングドメインが変更されたと判断されると、前記モバイルIP端末のホームエージェントへの位置登録を更新し、
    現在位置するページングドメインが変更されず、かつ前記第1のアクセスポイントの識別子と前記第2のアクセスポイントの識別子が異なると判断されると、前記モバイルIP端末のMACアドレスと、前記第1の送受信機のMACアドレスと、前記第1のアクセスポイントの識別子と、前記第2の送受信機のMACアドレスと、前記第2のアクセスポイントの識別子とを少なくとも含み、前記モバイルIP端末宛のパケットを前記第1の送受信機及び前記第2の送受信機の両方への送信を要求するバイキャスト要求メッセージを前記インテリジェントスイッチに送信する中央処理制御装置
    とを備えることを特徴とするモバイルIP端末。
  11. 前記中央処理制御装置は、更に
    前記第1の送受信機の通信レベル及び前記第2の送受信機の通信レベルのいずれかが前記通信が不可能になる閾値より低下した場合、通信レベルが低下していない送受信機を介してバイキャスト送信の停止を要求するバイキャスト停止要求メッセージを前記インテリジェントスイッチに送信し、前記インテリジェントスイッチに、通信レベルが前記通信が不可能になる閾値より低下した送受信機への前記パケットの送信を停止させる
    ことを特徴とする請求項10に記載のモバイルIP端末。
  12. 前記中央処理制御装置は、更に、
    前記第1の送受信機によって、前記第1の送受信機のMACアドレス宛のパケットにIPカプセル化された前記モバイルIP端末のMACアドレス宛のパケットを前記第1のアクセスポイントから受信し、
    前記第2の送受信機によって、前記第2の送受信機のMACアドレス宛のパケットにIPカプセル化された前記モバイルIP端末のMACアドレス宛のパケットを前記第2のアクセスポイントから受信する
    ことを特徴とする請求項10に記載のモバイルIP端末。
  13. 前記中央処理制御装置は、更に、
    前記第1の送受信機又は前記第2の送受信機を介してパケットが受信されると、前記受信されたパケットに含まれている識別子が読み出されて、既に受信されたパケットの識別子である場合、前記受信されたパケットを破棄する
    ことを特徴とする請求項12に記載のモバイルIP端末。
  14. 前記インテリジェントスイッチによって、前記モバイルIP端末宛のパケットが受信される度に前記パケットを識別するシーケンス番号がインクリメントされ、
    前記記憶部は更に、前記モバイルIP端末によって直近に受信されたパケットのシーケンス番号であるラスト受信シーケンス番号を記憶し、
    前記中央処理制御装置は、更に、
    前記第1の送受信機又は前記第2の送受信機を介してパケットを受信すると、前記記憶部からラスト受信シーケンス番号を読み出すとともに前記受信されたパケットに含まれているシーケンス番号を読み出して、前記ラスト受信シーケンス番号と前記受信された前記パケットのシーケンス番号を比較し、
    前記受信されたパケットのシーケンス番号が大きい場合、前記受信されたパケットを前記モバイルIP端末で実行されるアプリケーションに送信するとともに、前記ラスト受信シーケンス番号を前記受信されたパケットのシーケンス番号に書き換えて前記記憶部に記憶し、
    前記受信されたパケットのシーケンス番号が小さい場合、前記受信されたパケットを破棄する
    ことを特徴とする請求項13に記載のモバイルIP端末。
  15. 前記記憶部は更に、前記モバイルIP端末によって直近にパケットが受信された送受信機の識別子を示すラスト送受信機番号を記憶し、
    前記中央処理制御装置は、更に、
    前記受信されたパケットのシーケンス番号が大きい場合、前記ラスト送受信機番号を、前記受信されたパケットを受信した送受信機の識別子に書き換えて前記記憶部に記憶し、
    前記ラスト送受信機番号に対応する送受信機を介して、前記アプリケーションからパケットを送信するステップ
    とを更に備えることを特徴とする請求項14に記載のモバイルIP端末。
  16. ホームエージェントが接続される通信ネットワークとネットワーク層レベルで接続されるアクセスルータと、前記アクセスルータとアクセスポイントとをデータリンク層レベルで接続されるインテリジェントスイッチと、前記インテリジェントスイッチに接続され無線通信可能なセルを提供するアクセスポイントと、前記アクセスポイント、前記インテリジェントスイッチ及び前記アクセスルータを介して前記通信ネットワークに接続され外部リンクに位置する可搬性を備えるモバイルIP端末とを備える通信システムに用いられるインテリジェントスイッチであって、
    前記モバイルIP端末において、ページング識別子に基づいてページングドメインが変更されたか否かが判定され、該ページングドメインが変更されておらずアクセスポイントのみが変更される際に、
    前記モバイルIP端末から前記モバイルIP端末のMACアドレスと、前記第1の送受信機のMACアドレスと、前記第1のアクセスポイントの識別子と、前記第2の送受信機のMACアドレスと、前記第2のアクセスポイントの識別子を含み、前記モバイルIP端末宛のパケットを前記第1の送受信機及び前記第2の送受信機の両方への送信を要求するバイキャスト要求メッセージを前記モバイルIP端末から受信し、
    前記モバイルIP端末のMACアドレスと、前記第1の送受信機のMACアドレスと、前記第1のアクセスポイントの識別子と、前記第2の送受信機のMACアドレスと、前記第2のアクセスポイントの識別子とを対応付けるバイキャストテーブルを作成して記憶部に記憶し、
    前記ホームエージェントから前記モバイルIP端末宛のパケットを受信すると、前記第1のアクセスポイントを介して前記第1の送受信機のMACアドレスに送信するとともに、前記第2のアクセスポイントを介して前記第2の送受信機のMACアドレスに送信する中央処理制御装置
    を備えることを特徴とするインテリジェントスイッチ。
  17. 前記中央処理制御装置は、
    前記バイキャスト要求メッセージを受信すると、前記モバイルIP端末のMACアドレス宛のパケットを、前記第1の送受信機に対応するMACアドレス宛のパケットにIPカプセル化して送信するとともに、前記第2の送受信機に対応するMACアドレス宛のパケットにIPカプセル化して送信する
    ことを特徴とする請求項16に記載のインテリジェントスイッチ。
  18. 前記中央処理制御装置は、
    前記バイキャスト要求メッセージを受信すると、前記モバイルIP端末のMACアドレス宛のパケットに前記パケットを識別するシーケンス番号を含む新たなパケットを生成し、前記新たなパケットを、前記第1の送受信機に対応するMACアドレス宛のパケットにIPカプセル化して送信するとともに、前記第2の送受信機に対応するMACアドレス宛のパケットにIPカプセル化して送信する
    ことを特徴とする請求項16に記載のインテリジェントスイッチ。
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