JP4364448B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式を用いた複写機、FAX、プリンタなどの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、FAX、プリンタにおいて、画像濃度に影響する最大要因は現像剤におけるトナー濃度であるため、安定した画像濃度を維持するためには、トナー濃度を一定に保つ事が望ましい。トナー濃度を一定に制御するための最も一般的なトナー濃度検出センサとして、現像ユニット内のトナーとキャリアの割合を検知する磁気検出センサ(Tセンサ)が使用されている。
【0003】
ただし、Tセンサは磁気検出器である特性上、現像剤の帯電量の高低によって検出出力値が変動してしまうといった不具合がある。例えば、トナー濃度が等しくて、帯電量の異なる2種類の現像剤があるとする。このとき、帯電量の高い現像剤の方が、Tセンサ検出値は低くなり、反対に帯電量の低い現像剤の方が、Tセンサ検出値は高くなる。この不具合を補うために、Tセンサと一緒に、像担持体上に形成されたトナーパターン像(Pパターン)の濃度を光学的に検出するPセンサを併用している機械も多数ある(特開平8−11070号公報参照)。
【0004】
Tセンサのみか、T・Pセンサ併用かにかかわらず、これらセンサの検知結果に基づいてTセンサのトナー補給制御基準値Vrを補正して、新たにVaをトナー補給制御基準値の目標とし直して、トナー濃度を決定することにより安定した画像が得られる。
【0005】
一例として、従来から用いられているT・Pセンサを併用したトナー濃度制御に次のような方法がある。各画像形成動作時にTセンサよって現像器内のトナー濃度を検出し、その出力値Vtと制御基準値Vrとの比較結果に応じてトナー補給量を制御する。ここで、継時における現像剤自体の物性変化や、温湿度等の環境条件や現像条件等による物性変化によって、トナー濃度に変化が無いにも関わらずTセンサが異なったVtを検出してしまい、トナーの過補給や補給不足が起こり得る。そこで、所定回数の画像形成時毎に、感光体上にPパターンを形成し、その画像濃度をPセンサで検出し、その出力値に基づいて制御基準値Vrの補正量ΔVrを算出する。そして、補正変更された新基準値Va(=Vr+ΔVt)を決定し、新たな制御目標値として設定される(特開平8−110700号公報参照)。ここでの一例として、補正量ΔVrを決定するためのマトリクスを表1に載せておく。
【0006】
【表1】
【0007】
補正後のTセンサ制御目標値Vaと、各画像形成動作時またはあるタイミングで出力するTセンサ出力値Vtの差から、トナー補給量を決定する。トナー補給量は、例えばトナー補給をボトルの回転によって行うタイプであれば、ボトルの回転時間(トナー補給クラッチON時間)に置き換えることができる。(Vt−Vr)の値が大きければ大きい程、トナー濃度が目標値に対して不足しているとみてトナーボトル回転時間(トナー補給クラッチON時間)を長くする制御が一般的である。
【0008】
ここで、例えば連続多枚数のコピー終了後や、低温低湿環境下での多枚数コピーがなされた場合、通常トナーの単位重量あたりの帯電量Q/Mが高くなり、画像濃度IDは低くなる。このときPセンサ出力値およびTセンサ出力値から決定される補正量ΔVr(<0)に従ってトナー補給基準値Vrは下がり、トナー補給を十分に行わせるように、如いてはTCが高くなるように制御する。逆に、少枚数のコピーを日常的に行ったり、高温高湿下での少枚数コピーを行った場合、通常トナーのQ/Mが低くなり、画像IDは高くなる。このとき、Pセンサー出力値およびTセンサ出力値から決定される補正量ΔVr(>0)に従ってトナー補給基準値Vrは上がり、トナー補給が過剰に行われないように如いてはTCが低くなるように制御する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
昨今のプリンター・コピーの低価格化により、市場にて同一種類・複数台の機械本体を設置している場合も珍しくない。このようなユーザーにて、片方の機械が過剰に画像出力されてトナーQ/Mが高くなり、画像濃度IDが低くなったとき、別の機械の現像装置を移して投入するケースがある。
【0010】
ここで、過剰に画像出力された機械では、トナー補給基準値Vrが補正によって下がった状態であることは上記説明で明らかである。この機械に、少枚数のコピーを日常的に行ってきた別機械のTセンサ込みの現像装置を投入したとする。この現像装置内のトナーQ/Mは低下しているためにVrは高めに補正され、Tセンサ出力Vtは高いはずである。この時、先述の機械本体は直前まで投入されていた現像装置に適応させるために、高いトナー濃度制御をさせるような低いVr設定をしている。よって、Q/Mが低くてVtが高い後述の機械の現像装置を投入すると、(Vt−Vr)差を0近傍にするまでトナー補給が行われてしまい、過剰なトナー濃度となって地汚れ画像・トナー噴き出し等の問題が発生してしまう。
【0011】
本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、同一種類、複数台の機械本体を設置しているユーザーにて特に起こり得る地汚れ画像・トナー噴き出し等の問題を簡単なソフト制御によってコストをかけずに解決できる画像形成装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、像坦持体上に形成された潜像にトナーを供給して顕像化する現像装置と、該現像装置の現像部へトナーを補給するトナー補給手段と、該現像装置内のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、
該トナー濃度検出手段の出力値Vtと基準値Vrとを比較した結果に基づいて該トナー補給手段を制御するトナー補給制御手段と、前記出力値Vtと前記基準値Vrとを比較した結果を用いて前記基準値Vrを新基準値Vaに補正する手段と、を備えている画像形成装置において、前記補正する手段は、前記現像装置の着脱をする為に必要なドア開閉が行われた事が検知されたときに、ドア開閉前に検出されたトナー濃度検出手段の出力値V1と、ドア開閉後に検出されたトナー濃度検出手段の出力値V2と、前記基準値Vrと、現像剤の帯電特性が大きく異なったことを認識するための定数αと、に基づいて、V2>V1、V2>Vr、(V2−V1)>定数αの関係の場合、新基準値Vaを基準値Vrよりも大きな値に設定することを特徴とする。
【0013】
また、請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の発明において、前記定数αが前記基準値Vrの値によって変化する値であることを特徴とする。
【0014】
また、請求項3に記載された発明は、請求項2に記載の発明において、前記定数αは、前記基準値Vrが高めのトナー濃度であることを示す値であるときには、補正を実行しやすくする値に変化させることを特徴とする。
【0015】
また、請求項4に記載された発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発明において、像坦持体上に画像濃度検出用の基準画像を形成し該基準画像の画像濃度を検出する画像濃度検出手段と、該画像濃度検出手段の出力値に基づいて該基準値Vrを補正する基準値補正手段とを備えていることを特徴とする。
【0017】
上記請求項のいずれの構成においても、同一種類、複数台の機械本体を設置しているユーザーにて特に起こり得る地汚れ画像・トナー噴き出し等の問題を簡単なソフト制御によってコストをかけずに解決できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を画像形成装置である電子写真複写機に適用した一実施形態について説明する。
【0019】
図1は、該複写機の概略図である。図中に無い書き込み手段によって感光体1上に静電潜像を形成する。感光体1の周辺には感光体1の表面を一様に負極性に帯電する帯電装置R2、感光体上に形成された静電潜像を顕像化する現像装置、顕像化した像を転写紙に転写する転写装置R3等が配置されている。
【0020】
上記現像装置は、現像器4内へトナーを補給するトナー補給手段としての図中にないトナーホッパー及び現像器4内のキャリア及び負帯電トナーからなる二成分系現像剤のトナー濃度を検出する手段としての透磁率センサ(以下、Tセンサという)5、現像部内の現像剤を担持して感光体1上にトナーを供給する現像剤担持体としての現像スリーブ6等を備えている。この現像スリーブ6には図示しない電源から負帯電の現像バイアスが印加され、感光体との間に所定の現像ポテンシャルが形成される。7は感光体上の画像濃度を検出する手段としての反射型フォトセンサ(以下、Pセンサという)である。ここで、Tセンサ出力値Vrは現像剤中のトナー濃度TCが高ければ高い程、低い値を出力し、Pセンサ出力値Vspは感光体上の画像濃度が高ければ高い程、低い値を出力する。なお、図中、10はクリーニングブレードである。
【0021】
図2は、Tセンサ及びPセンサを用いてトナー濃度制御を行う電装部のブロック図である。制御手段としての制御部12はCPU,RAM,ROM,I/Oインターフェース等で構成されている。I/Oインターフェースにはドライバーを介して、それぞれメインモーター14,トナー補給クラッチ16が接続されている。また、I/Oインターフェースには、Tセンサ及びPセンサに所定の電圧を供給するためのPWMコントローラ18,Tセンサ及びPセンサから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ20が接続されている。
【0022】
前述のように、例えば連続多枚数のコピー終了後や、低温低湿環境下での多枚数コピーがなされると、現像剤の帯電量が高くなり、通常画像濃度IDは低くなる。このときPセンサ出力値から決定される補正量に従って、トナー補給基準値VrはVa(=Vr+ΔVt), ΔVt<0と下がり、トナー補給クラッチON時間を長くしてトナー補給を十分に行わせるように働く(表1参照)。
【0023】
適切なID時のVsp値は0.40≦Vsp<0.52(V)を満たしている。Vspが0.52(V)以上の場合にIDが低いと判断し、その時のVspに応じてトナー補給基準値Vrを0.05(V)〜0.20(V)だけ低めに補正する。Pセンサによって感光体上の画像濃度の高低をVspによって確認する度にVrの補正を行う。このとき、機械の使用環境等によっては毎回Vrは小さく補正される事もあり得る。ここでは、Vrの下限値を1.10(V)とすることによって、過剰なトナー補給、如いてはトナー濃度過多による現像容器内の現像剤のあふれ等を防止し、トナー落ちや地汚れ,トナーチリ等の異常画像発生が起こらないようにしている。逆に、Vspが0.40(V)以下の場合にIDが高いと判断し、その時のVspに応じてトナー補給基準値Vrを0.05(V)〜0.20(V)だけ高めに補正する。ここでは、Vrの上限値を2.80(V)として、現像器内の現像剤の不足を防止し、画像ムラ等の異常画像が起こらないようにしている。
【0024】
本機械を甲乙2台設置しているユーザーを想定し、機械甲については2K枚/dayのコピーを20日間行いVrは下限値1.10(V)に、機械乙は50枚/dayのコピーを20日間行いVrは上限値2.80(V)に補正されている状態とした。このとき、機械甲のPCU甲の中の現像剤のTCは6.4(wt%)、機械乙のPCU乙の中の現像剤のTCは3.6(wt%)であった。
【0025】
ここで機械本体のドア30を開けて(図3)機械甲のPCU甲を抜き、替わりに機械乙のPCU乙を投入した。なお、通常現像ケースやPCUは外部からの埃・光の侵入を防いだり、また機械本体の外観を良くするためにドア30によって遮られている。PCU乙のTセンサ出力Vtは直前まで投入されていた機械乙での最適条件に適応させるために、低いTC制御をさせるようにVtをVrの上限値2.80(V)になるように制御されてきたものである。よって、Vrが1.10(V)と低い機械甲にPCU乙を投入した事によって、(2.80(V)−1.10(V))の差に相当する量のトナー補給がコピー毎に行われ、最終的にTCが3.6(wt%)から6.8(wt%)まで上昇してしまい、過剰なTC時に発生する地汚れ画像・トナー噴き出し等がコピー画像上に発生してしまった。
【0026】
そこで、PCU甲が抜かれる直前の、PCU甲のTセンサが機械甲にて出力した値V1(図4のステップS3)と、機械本体のドアが開かれてPCU乙が投入された直後のPCU乙のTセンサが機械甲にて出力した値V2(図4のステップS4)の値を比較する。このとき、V2>V1>Vrで且つ(V2−V1)>α(αは定数)または、V2>Vr>V1で且つ(V2−V1)>αを満たす場合(図4のステップS6およびステップS11)、トナー補給基準値VrをVa(>Vr)に補正する(図4のステップS7およびステップS12)ことによって、次回のトナー補給の際に過剰な補給が行われないようにする。
【0027】
つまり、従来では(V2−Vr)の差分に相当するトナー補給が入ってしまうことを防ぎ、(V2−Va)に相当するトナー補給にとどめている(図4のステップS8およびステップS13)。Va値を大きくすれば大きくする程、トナー補給を少なくできることは明らかである。上記条件外である、Vr>V2の場合は、Vrを補正しなくてもトナー補給を行わないので、Vr補正は実行しない(図4のステップS16)。
【0028】
また、V1>V2>Vrの場合は過剰なトナー補給を行う恐れがないので、Vr補正は実行しない(図4のステップS16)。ドア開閉が行われていない時はPCUの交換はされ得ないので、今回のようなVrをVa(>Vr)にする補正は行わない(図4のステップS16)。また、αはV2とV1の差の大きさの程度を区別するための値で、(V2−V1)>αのときは連続して検出されたTセンサの出力値の差が大きい、すなわち別のPCUが投入された、または急激な環境変化を受けた等の理由で現像剤の帯電特性が大きく異なったことを認識するためのものである。
【0029】
この基準値αは固定値でも構わないし、任意に変更できるように可変値としても構わない(図4参照)。またαは、Vrの値によって変化するような値としても良い。例えば、Vr<1.5の場合についてはα=0.7、1.5≦Vrの場合はα=1.4とする。すなわち、特にVr<1.5のときは該機械が元々狙いとしているTCが高めであるため、Vr補正を実行し易くして、過剰なトナー補給に対する余裕度を上げる。
【0030】
また、V1,V2の検出タイミングは、画像形成動作開始毎やある時間毎など、いかなるタイミングでも有効である。しかし、連続して画像を形成する場合は連続するV1,V2の検出値は大きく異ならないし、1枚毎の画像形成時でも、各job間隔が短い時は連続するV1,V2の検出値は大きく異ならない。よって、PCUの交換時に限定して本発明は有用である。
【0031】
また、本発明は、Tセンサの出力値Vtとトナー補給基準値Vrとを比較した結果に元づいて行われるが、本実施形態のように、像坦持体上に画像濃度検出用の基準画像を形成し該基準画像の画像濃度を検出する画像濃度検出手段(Pセンサ)と、Tセンサを併用してVrを補正する手段とを備えている装置において実施すれば、より効果的にTC制御が可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、同一種類、複数台の機械本体を設置しているユーザーにて特に起こり得る地汚れ画像・トナー噴き出し等の問題を簡単なソフト制御によってコストをかけずに解決できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される画像形成装置の一例を示した概略図である。
【図2】図1の画像形成装置のトナー濃度制御系のブロック図である。
【図3】図1の画像形成装置のドア開閉部の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る制御動作のフローチャートである。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体)
4 現像装置
5 Tセンサ(トナー濃度検出手段)
7 Pセンサ(画像濃度検出手段)
30 ドア
Claims (4)
- 像坦持体上に形成された潜像にトナーを供給して顕像化する現像装置と、
該現像装置の現像部へトナーを補給するトナー補給手段と、
該現像装置内のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、
該トナー濃度検出手段の出力値Vtと基準値Vrとを比較した結果に基づいて該トナー補給手段を制御するトナー補給制御手段と、
前記出力値Vtと前記基準値Vrとを比較した結果を用いて前記基準値Vrを新基準値Vaに補正する手段と、
を備えている画像形成装置において、
前記補正する手段は、前記現像装置の着脱をする為に必要なドア開閉が行われた事が検知されたときに、
ドア開閉前に検出されたトナー濃度検出手段の出力値V1と、ドア開閉後に検出されたトナー濃度検出手段の出力値V2と、前記基準値Vrと、現像剤の帯電特性が大きく異なったことを認識するための定数αと、に基づいて、
V2>V1、V2>Vr、(V2−V1)>定数αの関係の場合、新基準値Vaを基準値Vrよりも大きな値に設定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記定数αが前記基準値Vrの値によって変化する値であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記定数αは、前記基準値Vrが高めのトナー濃度であることを示す値であるときには、補正を実行しやすくする値に変化させることを特徴とする請求項2に記載の画像成形装置。
- 像坦持体上に画像濃度検出用の基準画像を形成し該基準画像の画像濃度を検出する画像濃度検出手段と、該画像濃度検出手段の出力値に基づいて該基準値Vrを補正する基準値補正手段とを備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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