JP4363953B2 - 光学特性の不均一性測定方法および装置ならびにこれを利用した製品良否判定方法および装置 - Google Patents

光学特性の不均一性測定方法および装置ならびにこれを利用した製品良否判定方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、光学特性の不均一性測定方法および装置ならびにこれを利用した製品良否判定方法および装置に関し、特に、本来は光学特性が均一であるべき製品について、光学特性の不均一部分の存在を認識し、製品としての良否判定を行うために利用できる技術に関する。
紙やフィルムといった一様な表面を有する材料をはじめとして、シャドウマスク、カラーフィルタ、プラズマディスプレイパネルの背面板、液晶テレビの表示画面、ブラウン管テレビの表示画面といった工業製品は、本来は光学特性が均一であるべき性質をもっている。もちろん、これらの製品も、ミクロ的に観察すれば、微細な周期的凹凸構造などが存在することになるが、マクロ的に観察すれば、均一な光学特性が得られることになる。逆に言えば、これらの工業製品をマクロ的に観察した際に、不均一性(いわゆるムラ)が生じていれば、製品として何らかの不良が生じていることになる。
このように、工業製品の光学特性の不均一性を測定する技術は、当該製品の出荷前の良否判定に利用することができる。たとえば、カラーフィルタの場合、開口面積の均一性や着色層の膜厚の均一性などの検査に利用することができ、プラズマディスプレイパネルの背面板では、リブ形成前のリブ材の膜厚の均一性、リブ形成後のリブ間隔の均一性、リブ間に充填される蛍光体の発光量の均一性などの検査に利用することができる。また、紙については、色や厚みの均一性の検査に利用することができ、フィルムについては、膜厚の均一性、透過率や拡散率の均一性の検査に利用することができる。
個々の製品に存在する不均一性領域(ムラ領域)を検査する手法としては、検査対象となる製品を撮像してデジタル画像として入力し、このデジタル画像に対して、所定の空間フィルタを利用した画像処理を施すことによりムラ領域を強調する加工を施す方法が知られている。たとえば、下記の特許文献1および2には、二次微分処理を行う機能をもった空間フィルタを用意し、入力画像に対してこの空間フィルタを用いたフィルタリング処理を実行することにより、所定の大きさおよび形状をもった色ムラ領域を強調する処理を行い、特定のムラ領域を検出する機能をもった検査装置が開示されている。
特開2000−199745号公報 特開2001−28059号公報
前掲の特許文献1および2に開示された手法は、特定の大きさおよび形状をもったムラ領域の検出には適している。これは、二次微分処理を実行することにより、当該処理で利用した空間フィルタに応じた特定の大きさおよび形状をもったムラ領域が強調されるためである。したがって、実際に生じる可能性のあるムラ領域の大きさや形状が予測される場合には、この手法は非常に効果的である。たとえば、半径20画素分の円形のムラ領域の発生が予想される場合であれば、そのような大きさおよび形状をもったムラ領域を強調することが可能な固有の二次微分空間フィルタを用意しておき、個々の製品についての撮像画像に対して、この空間フィルタを用いたフィルタリング処理を実行すればよい。予測どおりの大きさおよび形状をもったムラ領域が存在すれば、そのようなムラ領域はフィルタリング処理(二次微分処理)により強調されることになり、所定の方法で容易に検出することが可能になる。
しかしながら、ムラ領域の大きさや形状が予測できない場合、前掲の特許文献1および2に開示されているような二次微分処理を行う手法では、効率的な検査を行うことはできない。これは、特定の二次微分空間フィルタを用いたフィルタリング処理を実行しても、当該フィルタに見合った大きさおよび形状をもったムラ領域しか強調されないためである。このように、従来の光学特性の不均一性測定方法およびこれを利用した製品良否判定方法では、任意の大きさおよび形状をもったムラ領域の測定を有効に行うことができないという問題があった。
そこで本発明は、どのような大きさや形状をもったムラ領域でも、これを正確に認識し、精度の高い評価値を得ることができる光学特性の不均一性測定方法および装置を提供することを目的とし、また、これを利用した製品良否判定方法および装置を提供することを目的とする。
(1) 本発明の第1の態様は、光学特性が均一であるべき測定対象物について、光学特性の不均一性を定量的に測定するための光学特性の不均一性測定方法において、
測定対象物を撮像することにより、所定の階調値をもった画素の集合からなる画像を入力し、これを、もしくは、必要に応じてこれに所定の画像処理を施したものを、入力画像とする画像入力段階と、
入力画像上に所定の微分方向を決定し、入力画像を構成する各画素の階調値について微分方向に関する一次微分を求めることにより微分画像を作成する微分段階と、
所定のしきい値を設定し、微分画像について、しきい値以上の画素値を有する画素については第1の画素値を与え、しきい値未満の画素値を有する画素については第2の画素値を与えることにより、微分画像を二値化し、二値画像を作成する二値化段階と、
この二値画像について、第1の画素値を有する隣接画素の集合からなる領域を着目領域と認識する領域認識段階と、
入力画像から着目領域に対応する領域を評価対象領域として抽出し、この評価対象領域を構成する画素群を、微分方向に沿った複数の一次元画素配列の集合として認識し、個々の一次元画素配列の両端に位置する画素の階調値の差を当該一次元画素配列の長さで除した値を当該一次元画素配列に関する不均一性を示す評価値として求め、複数の一次元画素配列について求めた複数の評価値の代表値を、評価対象領域についての不均一性を示す評価値と決定する評価値決定段階と、
をコンピュータに実行させるようにしたものである。
(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1の態様に係る光学特性の不均一性測定方法において、
微分段階で、所定の微分方向に関する一次微分処理を行う機能をもった空間フィルタを用意し、入力画像に対してこの空間フィルタを用いたフィルタリング処理を実行することにより、微分画像を作成するようにしたものである。
(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1または第2の態様に係る光学特性の不均一性測定方法において、
微分段階で、1つの入力画像に対して複数通りの微分方向を決定し、個々の微分方向についてそれぞれ微分画像を作成し、
二値化段階で、複数通りの微分画像のそれぞれに対応する二値画像を作成し、
領域認識段階で、複数通りの二値画像のそれぞれについて着目領域を認識し、
評価値決定段階で、認識した各着目領域にそれぞれ対応する評価対象領域についての評価値を求めるようにしたものである。
(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1〜第3の態様に係る光学特性の不均一性測定方法において、
二値化段階で、1つの微分画像に対して複数通りのしきい値を設定し、個々のしきい値を用いて1つの微分画像に対して複数通りの二値画像を作成し、
領域認識段階で、複数通りの二値画像のそれぞれについて着目領域を認識し、
評価値決定段階で、認識した各着目領域にそれぞれ対応する評価対象領域についての評価値を求めるようにしたものである。
(5) 本発明の第5の態様は、上述の第4の態様に係る光学特性の不均一性測定方法において、
初期しきい値Tおよびステップ幅ΔTを予め定めておき、T+ΔTなる値を新たなしきい値とする更新処理を、所定回数もしくは二値画像が得られなくなる直前の回数まで、繰り返し行うことにより、複数通りのしきい値を設定するようにしたものである。
(6) 本発明の第6の態様は、上述の第1〜第5の態様に係る光学特性の不均一性測定方法において、
評価値決定段階において、1つの評価対象領域を構成する複数の一次元画素配列について求めた複数の評価値の平均値もしくは最大値を、当該評価対象領域についての代表値として用いるようにしたものである。
(7) 本発明の第7の態様は、上述の第1〜第6の態様に係る光学特性の不均一性測定方法を構成する各段階に加えて、
良否判定の対象製品を測定対象物として与えたときに、評価値決定段階で得られる評価値が、所定の許容条件を満たす場合には良品、許容条件を満たさない場合には不良品と判定する良否判定段階をコンピュータに実行させることにより、製品良否の判定を行うことができるようにしたものである。
(8) 本発明の第8の態様は、上述の第1〜第6の態様に係る光学特性の不均一性測定方法もしくは上述の第7の態様に係る製品良否判定方法を構成する各段階をコンピュータに実行させるためのプログラムを用意し、このプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して配付できるようにしたものである。
(9) 本発明の第9の態様は、光学特性が均一であるべき測定対象物について、光学特性の不均一性を定量的に測定するための光学特性の不均一性測定装置において、
測定対象物を撮像することにより、所定の階調値をもった画素の集合からなる画像を取り込む撮像部と、
この撮像部によって取り込まれた画像をデジタルデータとして入力し、これを、もしくは、必要に応じてこれに所定の画像処理を施したものを、入力画像とする画像入力部と、
入力画像を構成する各画素の階調値について、所定の微分方向に関する一次微分を求めることにより微分画像を作成する微分処理部と、
所定のしきい値を用いて、微分画像について、しきい値以上の画素値を有する画素については第1の画素値を与え、しきい値未満の画素値を有する画素については第2の画素値を与えることにより、微分画像を二値化し、二値画像を作成する二値化処理部と、
この二値画像について、第1の画素値を有する隣接画素の集合からなる領域を着目領域と認識する領域認識部と、
入力画像から着目領域に対応する領域を評価対象領域として抽出し、この評価対象領域を構成する画素群を、微分方向に沿った複数の一次元画素配列の集合として認識し、個々の一次元画素配列の両端に位置する画素の階調値の差を当該一次元画素配列の長さで除した値を当該一次元画素配列に関する不均一性を示す評価値として求め、複数の一次元画素配列について求めた複数の評価値の代表値を、評価対象領域についての不均一性を示す評価値と決定する評価値算出部と、
を設けるようにしたものである。
(10) 本発明の第10の態様は、上述の第9の態様に係る光学特性の不均一性測定装置において、
画像入力部の制御下で測定対象物を所定の搬送方向に搬送する搬送装置と、搬送中の測定対象物の表面上の線状視野領域を撮像するラインセンサカメラと、線状視野領域を照明する光源と、により撮像部を構成したものである。
(11) 本発明の第11の態様は、上述の第9または第10の態様に係る光学特性の不均一性測定装置において、
微分処理部が、所定の微分方向に関する一次微分処理を行う機能をもった空間フィルタを用いて、入力画像に対するフィルタリング処理を実行することにより、微分画像を作成するようにしたものである。
(12) 本発明の第12の態様は、上述の第11の態様に係る光学特性の不均一性測定装置において、
それぞれ異なる微分方向に関する一次微分処理を行う機能をもった複数通りの空間フィルタを記憶したフィルタ記憶部を設け、
微分処理部が、このフィルタ記憶部から読み出した複数通りの空間フィルタを用いて、1つの入力画像に対して複数通りの微分画像を作成するようにし、
二値化処理部が、複数通りの微分画像のそれぞれに対応する二値画像を作成するようにし、
領域認識部が、複数通りの二値画像のそれぞれについて着目領域を認識するようにし、
評価値算出部が、認識した各着目領域にそれぞれ対応する評価対象領域についての評価値を求めるようにしたものである。
(13) 本発明の第13の態様は、上述の第9〜第12の態様に係る光学特性の不均一性測定装置において、
複数通りのしきい値を設定する機能をもったしきい値設定部を設け、
二値化処理部が、しきい値設定部で設定された個々のしきい値を用いて、1つの微分画像に対して複数通りの二値画像を作成するようにし、
領域認識部が、複数通りの二値画像のそれぞれについて着目領域を認識するようにし、
評価値算出部が、認識した各着目領域にそれぞれ対応する評価対象領域についての評価値を求めるようにしたものである。
(14) 本発明の第14の態様は、上述の第9〜第13の態様に係る光学特性の不均一性測定装置において、
評価値算出部が、1つの評価対象領域を構成する複数の一次元画素配列について求めた複数の評価値の平均値もしくは最大値を、当該評価対象領域についての代表値として用いることにより、評価値の算出を行うようにしたものである。
(15) 本発明の第15の態様は、上述の第9〜第14の態様に係る光学特性の不均一性測定装置に、更に、良否判定部を付加することにより製品良否判定装置を構成し、
この良否判定部が、良否判定の対象製品を測定対象物として不均一性測定装置に与えたときに、評価値算出部によって算出される評価値が、所定の許容条件を満たす場合には良品、許容条件を満たさない場合には不良品と判定するようにしたものである。
本発明に係る光学特性の不均一性測定方法および装置によれば、測定対象物について入力した画像の一次微分画像に基づいて評価値を算出するようにしたため、任意の大きさや形状をもったムラ領域でも、これを正確に認識し、精度の高い評価値を得ることができるようになる。また、これを利用した製品良否判定方法および装置を用いれば、より正確な良否判定が可能になる。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。
<<< 第1章:本発明における不均一性定量化の基本概念 >>>
本発明は、光学特性の不均一性測定方法および測定装置に係るものであり、この測定方法および測定装置は、製品良否判定方法および判定装置に利用することができる。すなわち、本発明に係る光学特性の不均一性測定装置は、本来、光学特性が均一であるべき測定対象物について、光学特性の不均一性を定量的に測定するための装置であり、製品良否判定装置は、この光学特性の不均一性測定装置による測定結果に基づいて、測定対象物として与えられた製品の良否を判定する装置である。
本発明の測定対象となる測定対象物は、本来、光学特性が均一であるべき物であれば、どのようなものであってもかまわない。具体的には、前述したとおり、紙、フィルム、シャドウマスク、カラーフィルタ、プラズマディスプレイパネルの背面板、液晶テレビの表示画面、ブラウン管テレビの表示画面といった様々な工業製品を、測定対象物として与えることができる。なお、本願において「光学特性が均一」とは、既に述べたとおり、マクロ的に観察した際の均一性を意味しており、ミクロ的に観察した場合に、微細な凹凸構造や周期的パターンをもった製品であっても、本発明における測定対象物として適した物になる。
所定の対象物について、光学特性が不均一である領域(いわゆる「ムラ領域」)を検査する場合、通常、当該対象物を撮像してデジタル画像を入力し、この入力画像に対して種々の解析を行うことにより、ムラの発生箇所を特定したり、ムラの程度を定量化したりする処理が行われる。本発明においても、測定対象物を撮像し、入力画像をデジタルデータとして取り込み、この入力画像に対して所定の処理を施すことにより、ムラの発生箇所を特定したり、ムラの程度を定量化したりすることになる。
たとえば、測定対象物を撮像することにより、図1の上段に示すような入力画像10が得られた場合を考える。図1の下段は、この入力画像10のX軸に沿った位置にある画素についての階調値の分布を示すグラフである。なお、ここでは、説明の便宜上、白色の階調値を0とし、グレーを経て黒色に近づくほど、階調値は増加してゆくものとする(もちろん、白黒と階調値の大小との関係は逆にしてもかまわない)。また、入力画像10は、本来、全面が白色の均一画像(すべての画素が階調値0をもった画像)になるべきところ、実際には、2つのムラ領域11,12が生じてしまっているものとしよう。ここで、図1の例では、説明の便宜上、ムラ領域11,12は、かなり大きな領域として示されており、また、本来の白色の地の部分に比べて、かなり濃淡差が明瞭な領域として示されているが、実際の製品検査の工程では、より小さな面積をもち、より濃淡差の少ないムラ領域の検出や不均一性の定量化を行うことが可能である。
さて、前掲の特許文献1および2には、二次微分処理を行う機能をもった空間フィルタを用意し、入力画像10に対してこの空間フィルタを用いたフィルタリング処理を実行することにより、所定の大きさおよび形状をもった色ムラ領域を強調する処理を行い、特定のムラ領域を検出する手法が開示されている。この手法を用いれば、たとえば、図1のムラ領域11のように、「直径L1をもった円形のムラ領域」の発生が予測される場合には、そのような大きさおよび形状をもったムラ領域を強調することが可能な固有の二次微分空間フィルタを用意しておき、個々の製品について入力した入力画像10に対して、この空間フィルタを用いたフィルタリング処理を実行すれば、ムラ領域11が強調された評価用画像を得ることができ、この評価用画像に基づいて、ムラ領域11の位置を特定したり、ムラの程度を定量化したりすることが可能になる。
しかしながら、このようなフィルタリング処理では、「直径L2をもった円形のムラ領域12」に対する強調処理を行うことができないため、ムラ領域12については十分な精度で検出することはできない。ムラ領域12に対する強調処理を行うためには、「直径L2をもった円形のムラ領域」を強調するための別な空間フィルタを用いたフィルタリング処理を行う必要がある。また、楕円形、矩形、三角形など、さまざまな形状をもったムラ領域を強調するためには、それぞれ各形状に応じた固有の空間フィルタを用いたフィルタリング処理を行う必要がある。このように、従来の光学特性の不均一性測定方法では、任意の大きさおよび形状をもったのムラ領域の測定を有効に行うことができないという問題があることは、既に述べたとおりである。
本発明に係る光学特性の不均一性測定方法の特徴は、入力画像10に対して一次微分処理を行い、得られた微分画像に基づいて、ムラが存在すると予想される評価対象領域を定め、この評価対象領域についての階調値の空間的な変化割合を、ムラの程度を示す評価値として用いるようにした点にある。以下、図1に示す例について、その基本概念を簡単に説明しよう。
ムラの程度を定量的に示す評価値としては、さまざまなパラメータを定義することが可能である。たとえば、図1の上段に示す例のような円形のムラ領域については、直径L1,L2の値を、そのまま「ムラの程度を示す評価値」と定義することも可能である。この場合、面積の大きなムラ領域ほど、大きな評価値が与えられることになる。一方、階調値の濃淡差に着目し、図1の下段に示すグラフにおけるピーク値を、そのまま「ムラの程度を示す評価値」と定義することも可能である。この場合、より大きな階調値をもった画素が存在するムラ領域ほど、大きな評価値が与えられることになる。
しかしながら、一般的な工業製品について、製品の良否を判定する検査を行う上では、人間の目で見たときに、「ムラがどれだけ目立ちやすいか」という尺度での評価値を採用するのが好ましい。すなわち、「ムラの目立ちやすさ」を示す評価値を用いれば、この評価値が所定の許容範囲内の製品であれば、ムラが存在しても、その目立ちやすさは許容範囲内に収まっている製品と判断でき、良品として出荷してもかまわないことになる。逆に、この評価値が所定の許容範囲を越えている製品であれば、かなり目立つムラが存在する製品と判断でき、不良品としての処理を行うことができる。
そこで、いま、図1の上段に示す2つのムラ領域11,12について、どちらのムラの方が目立ち易いかを考えてみる。図示の例では、説明の便宜上、ムラ領域11,12は、極端に濃淡差の大きな領域として描かれているため、いずれも非常に目立った領域となっているが、実際には、階調値のピーク値Gはより低く、地の部分に対するムラ領域の階調差は、これほど大きくはない(たとえば、図1の上段の例の場合、ムラ領域11,12は、白色に近い淡いグレーになる)。そのような現実的な濃淡差をもったムラ領域を考慮すると、実際には、ムラ領域12よりもムラ領域11の方が目立ちやすいことがわかる。その理由は、領域面積を比べれば、ムラ領域12の方がムラ領域11よりも広いが、階調値の空間的な変化割合は、ムラ領域12よりもムラ領域11の方が大きいためである。別言すれば、図1の下段のグラフの傾斜を比べると、ムラ領域12よりもムラ領域11の方が急俊になっているためである。これは、人間の視覚には、広い区間にわたって徐々に変化してゆく濃淡差は認識しにくいが、狭い区間での急峻な濃淡差は認識しやすい、という特性があるためと考えられる。
本発明では、このような点に着目し、「ムラの程度を示す評価値」として、「所定方向に関する階調値の変化を示すグラフの傾斜」を用いることにした。たとえば、図1に示す例の場合、X軸上の一次元方向に関する評価値を求めると、ムラ領域11の場合、グラフの立ち上がり部分の傾斜は、(G−0)/(L1/2)となり、立ち下がり部分の傾斜は、(0−G)/(L1/2)となる。両者は符号が逆になるが、絶対値は同じである。同様に、ムラ領域12の場合、グラフの立ち上がり部分の傾斜は、(G−0)/(L2/2)となり、立ち下がり部分の傾斜は、(0−G)/(L2/2)となる。こちらも、両者は符号が逆になるが、絶対値は同じである。淡い部分から濃い部分へと変化した場合も、逆に、濃い部分から淡い部分へと変化した場合も、ムラの程度として差はないので、評価値としては、上記各値の符号は無視して、絶対値だけをとれば十分である。評価値として、このような値を定義すれば、当然、ムラ領域11の評価値の方がムラ領域12の評価値よりも大きくなり、より目立ちやすいことが示される。
このような評価値を算出するためには、図1の上段に示すX軸に相当する方向を定義する必要があり、また、図1の下段に示す立ち上がり区間(区間L1やL2の左半分の区間)もしくは立ち下がり区間(区間L1やL2の右半分の区間)に相当する評価対象領域を認識する必要がある。このような評価対象領域は、グラフがある程度の傾斜をもって立ち上がる部分もしくは立ち下がる部分として認識可能である。そのためには、X軸方向を微分方向として、階調値の一次微分を求め、求められた微分値(すなわち、図1の下段のグラフにおける傾斜)の絶対値が所定のしきい値以上となる区間を、評価対象領域として認識すればよい。
以上が、本発明における不均一性定量化の基本概念であり、この手法により、光学特性が均一であるべき測定対象物について、光学特性の不均一性を定量的に測定することが可能になる。この基本概念に基づいた具体的な手法を、次章以下で詳述する。
<<< 第2章:本発明に係る方法の基本手順 >>>
図2は、本発明に係る光学特性の不均一性測定方法(ステップS1〜S13の手順)およびこれを利用した製品良否判定方法(更に、ステップS14を付加した手順)の基本手順を示す流れ図である。これらの手順は、実際には、すべてコンピュータを利用して実行されることになるので、各手順は、それぞれコンピュータプログラムとして記述されることになる。
まず、ステップS1の画像入力段階では、測定対象物を撮像することにより、所定の階調値をもった画素の集合からなる画像が入力される。このステップS1では、たとえば、図1の上段に示すような入力画像10が、デジタル画像データとして、コンピュータに取り込まれることになる。
続いて、ステップS2において、この入力画像10上に、所定の微分方向を決定する処理が行われる。たとえば、図1の上段に示す例では、X軸方向に微分方向が定義されている。この微分方向は、入力画像10上の階調値の増減の変化の度合いを調べる方向としての意味合いをもつ。原理的には、このステップS2において、どのような微分方向を定義してもかまわないが、実用上は、入力画像10を構成する二次元画素配列の行または列方向に定義すれば、後の演算を最も効率的に実行することができる。図3は、入力画像10上に定義した微分方向(一点鎖線)の例を示す平面図である。ここでは、4通りの微分方向D1〜D4を定義した例が示されている。微分方向D1は、二次元画素配列の行方向、微分方向D2は、二次元画素配列の列方向を示している。また、微分方向D3,D4は、二次元画素配列の行および列に対して斜め45°の方向を示している。
図2の流れ図を見れば明らかなとおり、ステップS13において、全方向の処理が完了したか否かの判断がなされ、全方向の処理が未完了である場合には、再びステップS2からの処理が繰り返し実行されることになるが、これは、ステップS2〜S13までの処理が、複数通りの微分方向について繰り返し実行されることを意味している。たとえば、最初にステップS2において、図3に示す微分方向D1が決定された場合、ステップS2〜S13までの第1巡目の処理では、微分方向をD1とする前提で処理が行われる。そして、ステップS13からステップS2へと戻った第2巡目の処理では、たとえば、微分方向D2なる決定がなされ、ステップS2〜S13までの第2巡目の処理では、微分方向をD2とする前提で処理が行われる。以下、同様に、微分方向をD3とする第3巡目の処理が行われた後、微分方向をD4とする第4巡目の処理が行われることになる。
予め、図3に示すような4通りの微分方向D1〜D4が定義されていた場合は、第4巡目の処理が完了した時点で、ステップS13からステップS14へと移行することになる。もちろん、よりたくさんの微分方向を定義しておくことも可能である。たとえば、斜め22.5°の方向を含めた全8方向の微分方向を定義しておいた場合であれば、第8巡目の処理が完了した時点で、ステップS13からステップS14へと移行することになる。このように、複数通りの微分方向を定義して、それぞれの微分方向ごとに評価値を求めるようにしているのは、同じムラ領域であっても、微分方向の違いにより、異なる評価値が得られるためである。
たとえば、図1に示すムラ領域11,12のように、円形のムラ領域の場合は、どのような微分方向をとっても同じ評価値を得ることができるが、図4に示すムラ領域13のような楕円形のムラ領域の場合は、微分方向のとり方によって、得られる評価値は異なる。たとえば、図示の微分方向D1をとった場合、ムラ領域13の楕円の長軸方向に関する階調値の増減の変化の程度が評価されるのに対して、図示の微分方向D2をとった場合、ムラ領域13の楕円の短軸方向に関する階調値の増減の変化の程度が評価されることになる。前述したとおり、本発明では「微分方向に関する階調値の変化を示すグラフの傾斜」を評価値として用いることにしているため、図4に示すようなムラ領域13についての評価値は、微分方向をD1にとったときよりも、D2にとったときの方が大きくなる。
本発明の目的は、どのような大きさや形状をもったムラ領域でも、これを正確に認識し、精度の高い評価値を得ることにあるので、理論的には、できるだけ多くの微分方向を定義し、ステップS2〜S13までの処理をできるだけ多くの回数繰り返した方が、効果的である。ただ、実用上は、図3に示すような4通りの微分方向D1〜D4を定義すれば、十分効果的な結果を得ることが可能である。
続いて、ステップS3において、入力画像10を、ステップS2で決定した微分方向に関して微分する処理が行われる。たとえば、ステップS2において、図3に示す微分方向D1が決定された場合、入力画像10を構成する各画素の階調値について、微分方向D1に関する一次微分を求める処理が行われ、その結果、微分画像が作成されることになる。具体的には、たとえば、図1の上段に示す入力画像10におけるX軸上に配列された一次元画素配列の各階調値について、X軸方向についての微分を行えば、図1の下段のグラフで示されている関数を、変数Xで微分した関数が得られることになり、得られる微分値は、このグラフの傾斜を示す値になる。
もっとも、このステップS3で実施される微分処理は、1本の線上に配置された一次元画素配列に対してのみ行われるわけではなく、微分方向に配列された一次元画素配列すべてに対して実行される。たとえば、図1の上段に示す入力画像10の場合、微分方向がX軸方向と決定されたら、図の行方向に配置された一次元画素配列すべてに対して微分処理が実行されることになる。したがって、たとえば、入力画像10が、画素をm行n列に配したマトリックスから構成されていたとすると、1行目の一次元画素配列(n個の画素からなる配列)〜m行目の一次元画素配列(同じくn個の画素からなる配列)のすべてについて、行方向に関する微分処理が行われることになり、その結果、微分値をそれぞれ画素値とする画素を、m行n列に配したマトリックスから構成される微分画像が得られることになる。
次に、ステップS4で、所定の初期しきい値Tが設定され、ステップS5で、得られた微分画像に対する二値化が行われる。具体的には、微分画像を構成する個々の画素について、しきい値T以上の画素値を有する画素については第1の画素値(たとえば、論理値「1」)を与え、しきい値T未満の画素値を有する画素については第2の画素値(たとえば、論理値「0」)を与えることにより、微分画像を二値化し、二値画像を作成することができる。なお、一般に、増減変動する値に対する微分処理で得られる微分値は、正負の符号を有する値となるが(増加変動は正の微分値、減少変動は負の微分値として示される)、ムラの程度を評価する上では、微分値の正負の符号は格別な意味をもたない。したがって、ステップS5で行われる二値化処理における「しきい値T以上か否か」とは、「微分画像を構成する個々の画素の画素値の絶対値がしきい値T以上か否か」を意味するものである。
図5は、ステップS3による微分処理およびステップS5による二値化処理の概念を説明するためのグラフである。図5(a) は、入力画像10上の微分方向に沿った特定の一次元画素配列に所属する画素のもつ階調値を示すグラフであり、横軸は微分方向に沿った画素の位置を示し、縦軸は各画素のもつ階調値を示している。両端位置の画素のもつ階調値は120、中央位置の画素のもつ階調値は160になっている。図5(b) は、図5(a) に示すグラフを微分することにより得られるグラフであり、横軸は微分方向に沿った画素の位置を示し、縦軸は微分値(任意尺度)を示している。図5(a) に示すグラフの立ち上がり部分(左半分)に相当する区間では、図5(b) に示すグラフは正の値をとっており、図5(a) に示すグラフの立ち下がり部分(右半分)に相当する区間では、図5(b) に示すグラフは負の値をとっている。結局、図5(a) は入力画像を構成する一次元画素配列の各階調値を示すグラフということになり、図5(b) はこの入力画像に対する微分処理を行うことにより得られる微分画像を構成する一次元画素配列の各画素値(微分値)を示すグラフということになる。
ここで、図5(b) のグラフにおける絶対値が大きい部分は、図5(a) のグラフにおける傾斜が急であることを示している。既に述べたとおり、本発明では、「微分方向に関する階調値の変化を示すグラフの傾斜」をムラの程度の評価値として用いることにしているため、図5(b) のグラフにおける絶対値が大きい部分は、ムラの程度が大きい部分ということになる。ステップS5における二値化処理は、このムラの程度が大きい部分を着目領域として認識するための準備段階の処理ということができる。たとえば、図5(b) に示すように、所定のしきい値T1=2を設定し、微分画像上で、しきい値T1以上の画素値を有する画素については第1の画素値「1」を与え、しきい値T未満の画素値を有する画素については第2の画素値「0」を与えるようにすれば、図5(c) に示すような画素値をもった二値画像が得られることになる。
なお、図5(c) では、図5(b) における微分値が正の部分について二値化を行った状態のみが示されているが、実際には、前述したとおり、微分画像を構成する個々の画素のうち、画素値(微分値)の絶対値が、しきい値T1以上である画素に対して、第1の画素値「1」が与えられることになるので、図5(c) の右半分にも、左半分と同様の矩形グラフが得られることになる。もっとも、実際は、後述するように、ステップS3の微分処理は、一次微分処理を行う機能をもった空間フィルタを用いたフィルタリング処理により実行されるため、微分値が正をとる微分画像と、微分値が負をとる微分画像と、がそれぞれ別個独立して作成され、それぞれについて別個独立した二値画像が得られることになる。これについては、第3章で説明する。
さて、図5に示すグラフは、微分方向に沿った特定の一次元画素配列に所属する画素についての処理プロセスを示すものであるが、実際には、これと同様の処理プロセスが、他の一次元画素配列についても実行されることになる(入力画像が、m行n列のマトリックスから構成されていた場合、1行目〜m行目まで全m行の一次元画素配列について同様の処理が実行される)。したがって、最終的に得られる二値画像は、たとえば、図6に示すような二次元画像になる(入力画像が、m行n列のマトリックスから構成されていた場合、得られる二値画像も同様にm行n列のマトリックスから構成された画像になる)。この二値画像において、画素値「1」が与えられている領域は、元の入力画像において、ムラの程度が大きいと思われる領域ということになる。
図2の流れ図におけるステップS6の処理は、このムラの程度が大きいと思われる領域を着目領域として認識する処理である。すなわち、ステップS6では、得られた二値画像について、第1の画素値「1」を有する隣接画素の集合からなる領域を、着目領域と認識する領域認識処理が行われる。たとえば、図6に示す二値画像が得られた場合、図7にハッチングを施して示す領域が、着目領域A1として認識されることになる。もっとも、実際の入力画像は、より多数の画素配列から構成されているため、実際には、複数の着目領域が認識されるケースも少なくない。ここでは、説明の便宜上、合計3つの着目領域A1〜A3が認識されたものとして、以下の説明を続けることにする。このように、第1の画素値を有する画素と第2の画素値を有する画素とによって構成される二値画像に基づいて、第1の画素値を有する隣接画素の集合からなる部分(ひとまとまりの集団となった部分)を1つの領域として認識し、個々の領域ごとに識別コードを付与する処理は、一般にラベリング処理と呼ばれている公知の処理であり、ここでは、その具体的手法についての説明は省略する。
図2の流れ図におけるステップS7〜S10の処理は、ステップS6で認識された複数の着目領域について実行される処理であり、個々の領域ごとに、それぞれ評価値を決定するための処理である。まず、ステップS7において、領域の番号を示すパラメータiが、初期値1に設定される。続く、ステップS8は、第i番目の評価対象領域の評価値を決定する処理であり、ステップS9およびステップS10を経て、この処理が全領域について完了するまで繰り返し実行されることになる。上述の例のように、合計3つの着目領域A1〜A3が認識された場合、パラメータiを、i=1,2,3と順次更新させながら、ステップS8の処理が3回繰り返して行われることになる。
このステップS8の処理は、次の3つのプロセスから構成される。まず、第1のプロセスは、入力画像から着目領域に対応する領域を評価対象領域として抽出するプロセスである。前述したとおり、入力画像が、m行n列のマトリックスから構成されていた場合、得られる二値画像も同様にm行n列のマトリックスから構成された画像になる。したがって、二値画像上で認識された個々の着目領域に基づいて、それぞれ入力画像上に全く同一位置、同一形状の領域を定義することができる。たとえば、図7に示す着目領域A1は、二値画像上に定義された領域であるが、入力画像上にも、この着目領域A1と全く同一位置に同一形状の対応する領域を定義することができる。ここでは、この入力画像上に定義された対応する領域を、評価対象領域AA1と呼ぶことにする。図8は、このようにして、入力画像10上に3つの評価対象領域AA1,AA2,AA3が定義された例を示す平面図である。これらの領域は、二値画像上で認識された着目領域A1,A2,A3にそれぞれ対応して定義された領域である。
ステップS8で行われる第1のプロセスでは、このような評価対象領域AA1,AA2,AA3が、入力画像10から抽出されることになる。この3つの評価対象領域AA1,AA2,AA3は、いずれも所定の階調値をもった画素の集合からなる領域である。しかも、「特定の微分方向(ステップS2で決定された微分方向)に関する階調値の変化を示すグラフの傾斜が大きい領域」であり、ムラの程度が大きいと予想される領域ということになる。
ステップS8で行われる第2のプロセスは、個々の評価対象領域を構成する画素群を、微分方向に沿った複数の一次元画素配列の集合として認識し、個々の一次元画素配列の両端に位置する画素の階調値の差を当該一次元画素配列の長さで除した値を当該一次元画素配列に関する不均一性を示す評価値として求める処理である。この処理を具体例に即して説明しよう。ここでは、二値画像上で認識された図7に示すような着目領域A1に対応して、入力画像から、図9に示すような評価対象領域AA1が抽出された場合を考える。ここで、微分方向は、図示のとおり、横方向(画素配列の行方向)であるものとする。もちろん、二値画像上で認識された着目領域A1(図7)と、入力画像上で定義された評価対象領域AA1(図9)とは、同一位置に存在する同一形状の領域となっている。
図9に示されているとおり、この評価対象領域AA1は、第1行目〜第8行目までの全8行の一次元画素配列の集合によって構成されている。図9の右側に示したL1〜L8は、各行の一次元画素配列の長さ(横方向に並んだ画素の総数)を示すものである。また、各一次元画素配列の左端の画素内に記されたa1〜a8および右端の画素内に記されたb1〜b8は、当該画素のもつ階調値を示している。すなわち、一般式で示せば、第j行目の一次元画素配列は、長さLjをもった画素配列であり、左端の画素の階調値はaj、右端の画素の階調値はbjということになる。本発明では、この第j行目の一次元画素配列に関する階調値の不均一性を示す評価値として、ajとbjとの差(絶対値)を、長さLjで除した値を用いるようにしている。たとえば、第1行目の一次元画素配列に関する階調値の不均一性を示す評価値は、a1とb1との差を、長さL1=3で除した値ということになり、第2行目の一次元画素配列に関する階調値の不均一性を示す評価値は、a2とb2との差を、長さL2=5で除した値ということになる。
要するに、個々の一次元画素配列の両端に位置する画素の階調値の差(絶対値)を当該一次元画素配列の長さで除した値が、当該一次元画素配列に関する不均一性を示す評価値として定義されることになる。このような評価値の定義の仕方は、第1章で述べた本発明における不均一性定量化の基本概念に応じたものであり、「微分方向に関する階調値の変化を示すグラフの傾斜の度合い」をムラの程度の評価値として用いるという基本的な考え方に基づくものである。結局、図9に示す評価対象領域AA1については、第1行目〜第8行目までの全8行の一次元画素配列のそれぞれについて、所定の評価値が求められることになる。
ステップS8で行われる第3のプロセスは、こうして求められた複数の一次元画素配列についての評価値の代表値を算出し、この代表値を、評価対象領域AA1についての不均一性を示す評価値と決定する処理である。代表値としては、たとえば、平均値や最大値を用いることができる。たとえば、図9に示す例の場合、平均値を代表値として用いるのであれば、第1行目〜第8行目までの全8行の一次元画素配列のそれぞれについて求めた評価値の平均値が、評価対象領域AA1全体についての評価値ということになる。また、最大値を代表値として用いるのであれば、第1行目〜第8行目までの全8行の一次元画素配列のそれぞれについて求めた評価値の最大値が、評価対象領域AA1全体についての評価値ということになる。
以上、図2の流れ図におけるステップS8の処理を説明したが、結局、この処理は、第i番目の評価対象領域を構成する複数の一次元画素配列についての評価値に基づいて、当該評価対象領域の全体としての評価値を決定する処理ということができる。この処理は、ステップS9,S10を経て、すべての評価対象領域について繰り返し実行されることになる。たとえば、図8に示すように、3つの評価対象領域AA1,AA2,AA3が抽出された場合には、それぞれの領域について、評価値が1つずつ決定されることになる。
続く、ステップS11では、しきい値Tを更新するか否かが判断され、更新する場合には、ステップS12において、「T+ΔT」を新たなしきい値Tとする更新処理を行い、ステップS5からの処理を繰り返すことになる。
既に述べたとおり、しきい値Tは、ステップS5における二値化処理に利用されるパラメータであり、しきい値Tが異なれば、ステップS5で得られる二値画像も異なってくる。たとえば、図5(b) には、微分画像に対して、T1=2なるしきい値を用いた二値化処理が行われた例が示されており、その結果、図5(c) に示すような二値画像が得られている。これに対して、図10は、微分画像に対して、T2=4なるしきい値を用いた二値化処理が行われた例を示している。図10(a) に示す入力画像および図10(b) に示す微分画像は、それぞれ図5(a) に示す入力画像および図5(b) に示す微分画像と全く同じものである。ところが、二値化処理に用いるしきい値が異なるため、図10(c) に示す二値画像は、図5(c) に示す二値画像とは異なっている。
実際に得られる二値画像は、二次元平面上での着目領域を画定させるための二次元画像になるが、二値化処理を行う際に用いるしきい値に応じて、得られる着目領域の大きさ、形状、位置が異なることになり、結果的に、入力画像から抽出される評価対象領域の大きさ、形状、位置も異なってくる。したがって、たとえば、図8に示されている3つの評価対象領域AA1,AA2,AA3は、あくまでも所定のしきい値を前提とした領域であり、二値化処理時に用いるしきい値が変われば、全く別な評価対象領域が定義されることになる。もちろん、入力画像10上に得られる評価対象領域の数も、しきい値を変えることにより変化する可能性があり、別なしきい値で二値化処理を行った結果、たとえば、評価対象領域AA3が消滅してしまったり、評価対象領域AA2が2つの領域に分裂してしまったりすることもありうる。
図11は、二値化処理時に用いるしきい値を変えることにより、評価対象領域の大きさおよび評価値が大きく変化することを示すグラフである。図11(a) には、入力画像の階調値を示すグラフと、その微分値を示すグラフとが示されている。横軸は、微分方向に関する位置を示し、縦軸は入力画像の階調値(左側軸)もしくは微分画像の画素値(微分値:右側軸)を示している。この図11(a) に示す微分画像に対して、しきい値T=1なる設定で二値化処理を行ったとすると、微分画像を示すグラフ上の点P1〜P4に対応する領域が、評価対象領域として抽出されることになる。図11(b) は、こうして抽出された評価対象領域の区間幅L(1)を示している。一方、図11(a) に示す微分画像に対して、しきい値T=3なる設定で二値化処理を行ったとすると、微分画像を示すグラフ上の点P2〜P3に対応する領域が、評価対象領域として抽出されることになる。図11(c) は、こうして抽出された評価対象領域の区間幅L(3)を示している。図11(b) に示されている区間幅L(1)と図11(c) に示されている区間幅L(3)とは大きく異なっている。
また、各評価対象領域について算出される評価値も大きく異なることになる。たとえば、図11(b) に示すように、区間幅L(1)をもった評価対象領域が抽出された場合、両端の画素の階調値をa(1),b(1)とすれば、評価値は、(b(1)−a(1))÷L(1)として与えられるのに対して、図11(c) に示すように、区間幅L(3)をもった評価対象領域が抽出された場合、両端の画素の階調値をa(3),b(3)とすれば、評価値は、(b(3)−a(3))÷L(3)として与えられる。両端の画素の階調値の差は、前者の方が後者よりも大きいものの、区間幅も前者の方が後者より大きくなるため、図示の例では、後者の評価値の方が前者の評価値よりも大きくなる。これは、図11(b) に示す区間幅L(1)全体の階調値の変動の傾斜よりも、図11(c) に示す区間幅L(3)の階調値の変動の傾斜の方がより急峻であるためである。
このように、広い区間幅L(1)の部分に着目した場合の評価値が比較的低い値であったとしても、狭い区間幅L(3)の部分に着目すれば、より高い評価値が得られるような場合、ムラの目立ちやすさの基準としては、狭い区間幅L(3)の部分に着目した高い評価値を採用すべきである。別言すれば、図11に示す例の場合、二値化処理時に用いるしきい値は、T=1ではなく、T=3とすべきであることがわかる。しかしながら、実際には、任意の入力画像が与えられた場合に、当該入力画像に最適のしきい値を決定することは困難である。
そこで、本実施形態では、二値化段階で、1つの微分画像に対して複数通りのしきい値を設定し、個々のしきい値を用いて1つの微分画像に対して複数通りの二値画像を作成し、領域認識段階で、複数通りの二値画像のそれぞれについて着目領域を認識し、評価値決定段階で、各着目領域にそれぞれ対応する評価対象領域についての評価値を求めるようにしている。具体的には、図2の流れ図において、まず、ステップS4において、初期しきい値Tを所定の値に設定するとともに、所定のステップ幅ΔTを予め定めておき、ステップS12において、「T+ΔT」なる値を新たなしきい値Tとする更新処理を実行し、しきい値を徐々に高めながら、ステップS5〜ステップS11までの処理を繰り返し実行するようにしている。
ステップS11において、しきい値Tを更新するか否かを判断する必要があるが、この判断は、たとえば、更新回数を所定回数に設定しておくことにより行うことができる。具体的には、更新回数を5回というように予め設定しておけば、ステップS12における更新処理を5回行うことにより、合計6通りのしきい値について、ステップS5〜ステップS11の処理を繰り返すことができる。この場合、毎回、異なる評価対象領域が抽出され、個々の評価対象領域についてそれぞれ所定の評価値が与えられることになる。
なお、しきい値Tの値が大きくなると、実質的に二値画像が得られない状態も生じる。たとえば、図11(a) に示す例の場合、しきい値T=1,2,3までは、それぞれ二値画像を得ることができるが、T=4に更新されると、しきい値以上の微分値を示す部分が存在しないため、二値画像は得られなくなる。そこで、ステップS11では、しきい値Tを更新した場合に二値画像が得られるか否かを確認し、二値画像が得られる限り、更新を行うような判断を行うようにしてもよい。この場合、二値画像が得られなくなる直前まで、ステップS11からステップS12を経て、ステップS5からの処理が繰り返して実行されることになる。
こうして、ステップS11において、しきい値Tの更新を行わないと判断されると、ステップS13へと移行し、予め設定しておいた全微分方向についての処理が完了するまで、ステップS2からの処理が繰り返し実行されることになる。具体的には、前述したとおり、図3に示す4通りの微分方向D1〜D4を予め設定しておいた場合、ステップS2からの処理が、合計4巡にわたって繰り返されることになる。結局、ステップS2の微分方向決定処理では、同一の入力画像に対して複数通りの微分方向が決定され、ステップS3では、同一の入力画像について、個々の微分方向ごとにそれぞれ別個の微分画像が作成されることになる。もちろん、ステップS5の二値化処理段階では、複数通りの微分画像のそれぞれに対応する二値画像が作成され、ステップS6の認識段階では、複数通りの二値画像のそれぞれについて着目領域の認識が行われ、ステップS7〜S9では、各着目領域にそれぞれ対応する評価対象領域についての評価値が求められ、そのような処理が、複数通りのしきい値について繰り返されることになる。
こうして、ステップS13において、すべての微分方向についての処理が完了したと判断されると、最後のステップS14において、良否判定の処理が行われる。この処理は、測定対象物として与えられた対象製品が良品であるか、不良品であるかを判定する処理であり、ステップS8で決定された個々の評価対象領域についての評価値が、所定の許容条件を満たす場合には良品、この許容条件を満たさない場合には不良品と判定する処理である。
図2に示す実施形態の場合、微分方向が同一であっても、しきい値Tを変えることにより、複数通りの評価対象領域が抽出されることになるので、微分方向を変えれば、更に多数の評価対象領域が抽出されることになる。そして、これら多数の評価対象領域のそれぞれについて、固有の評価値が決定されることになる。ステップS14の良否判定段階では、これら多数の評価対象領域について得られた多数の評価値を総合的に考慮して、所定の許容条件を満たすか否かが判定される。
具体的には、たとえば、多数の評価値の平均値が、許容範囲として設定した所定の値以下であれば、良品と判断することにしてもよい。あるいは、多数の評価値のすべてが、許容範囲として設定した所定の値以下であるときに限り、良品と判定することにし、許容範囲を越える評価値が1つでも存在した場合には、これを不良品と判定することも可能である。また、許容範囲を越える評価値が3つ以上存在した場合には、これを不良品と判定する、という方法をとることも可能である。要するに、得られた多数の評価値に関して、所定の許容条件を設定しておき、この条件を満たしている限り、良品であるとする判定を行うアルゴリズムであれば、どのようなアルゴリズムを採用してもかまわない。
<<< 第3章:空間フィルタを用いた微分処理 >>>
前章では、図2の流れ図を参照しながら、本発明に係る方法の基本手順を述べた。ここでは、この流れ図におけるステップS3の一次微分処理を、空間フィルタを用いたフィルタリング処理として実行する具体的な手法を説明する。
いま、図12に示すように、入力画像10を構成する第i行目、第j列目の画素のもつ階調値を、P(i,j)と表すことにし、この入力画像10に対して、図示のような空間フィルタ20を適用したフィルタリング処理を行うことを考える。この空間フィルタ20は、一次微分処理用のフィルタであり、その実体は、3行3列のマトリックスである。ここでは、この空間フィルタ20を構成するマトリックスの各値を、C11〜C33と表すことにする。空間フィルタ20を用いたフィルタリング処理は、次のような方法で、第i行目、第j列目の画素のもつ階調値P(i,j)から、新たな階調値Q(i,j)を生成することによって行われる。すなわち、新たな階調値Q(i,j)は、図12の最下欄に示す式による演算で求められる。この式で、各項の係数C11〜C33は、上述したとおり、空間フィルタ20を構成するマトリックスの各値であり、階調値P(i,j)等は、図12の上段に示すように、第i行目、第j列目の画素およびその周囲の各画素のもつ階調値である。
このようにして、入力画像10上の第i行目、第j列目の画素およびその周囲の各画素のもつ階調値に基づいて、第i行目、第j列目の画素の新たな階調値Q(i,j)を算出する、という処理を、任意のi,jについて行えば、新たな階調値Q(i,j)をもった画素の集合として、処理画像30を得ることができる。要するに、処理画像30は、入力画像10に対して、空間フィルタ20を用いたフィルタリング処理の結果として得られる画像ということになる。このようなフィルタリング処理は、原画像に種々の効果を与える画像処理として、広く知られている手法であり、空間フィルタ20として、一次微分処理用のフィルタを用いれば、入力画像10を所定の微分方向について微分した微分画像を、処理画像30として得ることができる。
図13は、このような微分処理に利用可能な一次微分処理用の空間フィルタ(カーネル)の具体例を示す平面図である。具体的には、図13(a) ,(b) に示す空間フィルタは、図3に示す微分方向D1に関する微分処理を行う機能を有し、図13(c) ,(d) に示す空間フィルタは、図3に示す微分方向D2に関する微分処理を行う機能を有し、図13(e) ,(f) に示す空間フィルタは、図3に示す微分方向D3に関する微分処理を行う機能を有し、図13(g) ,(h) に示す空間フィルタは、図3に示す微分方向D4に関する微分処理を行う機能を有している。同一の微分方向に関して、2通りの空間フィルタが示されているのは、各空間フィルタが正負の方向性を有しているからである。
たとえば、図13(a) ,(b) に示す空間フィルタは、いずれも図3に示す微分方向D1に関する微分処理を行う機能を有しているが、図13(a) に示す空間フィルタは、主として図5(b) に示す正の微分値を示す領域(左半分)の微分画像を生成する機能(図5(a) に示す入力画像の立ち上がり部分を検出する機能)を有し、逆に、図13(b) に示す空間フィルタは、主として図5(b) に示す負の微分値を示す領域(右半分)の微分画像を生成する機能(図5(a) に示す入力画像の立ち下がり部分を検出する機能)を有する。
結局、図13に示す空間フィルタを用いて微分処理を行えば、図3に示す4通りの微分方向D1〜D4についての微分処理が可能であるが、それぞれ方向を考慮した8通りの微分方向+D1,−D1,+D2,−D2,+D3,−D3,+D4,−D4を定義した取り扱いを行い、図2の流れ図におけるステップS13では、合計8方向についての繰り返しが完了するまで、ステップS2へと戻る処理が行われることになる。この8回の繰り返し処理におけるステップS3の微分処理では、図13(a) 〜(h) に示す8通りの空間フィルタが順に利用されることになる。
このように、微分段階で、所定の微分方向に関する一次微分処理を行う機能をもった空間フィルタを用意し、入力画像に対してこの空間フィルタを用いたフィルタリング処理を実行するようにすれば、本発明に必要な微分画像を作成することが可能になる。
なお、図13に示す空間フィルタは、一次微分処理を行う機能をもった空間フィルタの一例を示すものであり、本発明の実施にあたって利用する空間フィルタは、この図13に示す空間フィルタに限定されるものではない。たとえば、図14(a) ,(b) に示す空間フィルタは、図13(a) ,(b) に示す空間フィルタと同様に、微分方向D1についての微分処理を行う機能をもったフィルタである。図13に示す空間フィルタが、3行3列のマトリックスで構成されていたのに対し、図14に示す空間フィルタは、5行5列のマトリックスで構成されている点で異なっている。また、図13あるいは図14に示す空間フィルタは、マトリックスを構成する数字が、0、1、−1のいずれかであるが、数字に重みづけをした空間フィルタ(いわゆるソーベルフィルタ)を用いてもかまわない。
<<< 第4章:本発明に係る装置の基本構成 >>>
最後に、図15のブロック図を参照しながら、本発明に係る製品良否判定装置の基本構成を説明する。この装置は、光学特性が均一であるべき測定対象物Vについて、光学特性の不均一性を定量的に測定する機能を有し、測定対象物Vとして与えられた対象製品の良否判定を行うことができる。
図に一点鎖線で示すとおり、この装置は、制御演算部100と撮像部200によって構成されている。撮像部200は、測定対象物Vを撮像することにより、所定の階調値をもった画素の集合からなる画像を取り込む機能を有する。撮像部200によって取り込まれた画像は、制御演算部100で処理され、不均一性の定量的な測定および製品の良否判定が行われる。制御演算部100は、図示のとおり、画像入力部110、微分処理部120、フィルタ記憶部125、二値化処理部130、しきい値設定部135、領域認識部140、評価値算出部150、良否判定部160によって構成されている。もっとも、実際には、この制御演算部100は、パソコンなどの汎用コンピュータに、専用のプログラムを組み込むことにより構成され、上述した各構成要素は、個々のプログラムの機能によって実現されることになる。もちろん、このコンピュータには、必要に応じて、マウスやキーボードなどの入力装置や、ディスプレイや警報器などの出力装置が接続される。
一方、撮像部200は、図示のとおり、光源210、ラインセンサカメラ220、搬送装置230によって構成されている。搬送装置230は、画像入力部110の制御下で測定対象物Vを所定の搬送方向に搬送する機能を有する機械的な構成要素であり、具体的には、たとえば、ベルトコンベアやコロコンベアなどによって構成することができる。ラインセンサカメラ220は、搬送装置230によって搬送中の測定対象物Vの表面上の線状視野領域E(図では、紙面に垂直な線分)を撮像する機能を有しており、光源210は、この線状視野領域Eを照明する機能を有している。図に示されている破線は、光源210からの照明光と、その反射光の光路を示すものである。
測定対象物Vは、図の右方に示す搬送方向へと徐々に搬送されてゆく。したがって、ラインセンサカメラ220は、測定対象物V上に形成された線状視野領域Eについての一次元画像を撮像する機能しか有していないが、測定対象物Vを搬送方向へ移動させることにより、線状視野領域Eを二次元平面に沿って走査することが可能になり、画像入力部110には、測定対象物Vの上面の二次元画像が入力されることになる。
もっとも、ここに示す撮像部200は、一例として開示したものであり、撮像部200は、必ずしもラインセンサカメラ220と搬送装置230によって構成する必要はなく、たとえば、エリアセンサカメラ(二次元CCDカメラなど)によって構成することも可能である。また、必ずしも測定対象物Vからの反射光を受光する形態にする必要はなく、測定対象物Vが透光性を有する場合は、測定対象物Vからの透過光を受光する形態にしてもかまわない。
測定対象物Vは、前述したとおり、紙、フィルム、シャドウマスク、カラーフィルタ、プラズマディスプレイパネルの背面板、液晶テレビの表示画面、ブラウン管テレビの表示画面といった様々な工業製品であり、本来、光学特性が均一であるべき物であれば、どのようなものであってもかまわない。もっとも、この装置は、必ずしも測定対象物Vの「上面の構造的な不均一性」を測定するだけでなく、「測定対象物Vの上面に形成された膜の厚みの不均一性」を測定する用途にも利用することが可能である。たとえば、測定対象物V上に、ある程度の透光性を有する材料からなる膜が形成されていた場合、膜の上面で反射した光と膜を透過して下面で反射した光との干渉による輝度分布が得られ、この輝度分布は膜厚の分布に依存したものになる。したがって、この装置により、測定対象物Vの上面に形成された厚みの不均一性を測定し、膜厚の良否判定を行うようなことも可能である。
画像入力部110は、撮像部200によって取り込まれた画像をデジタルデータからなる入力画像として入力する機能を有する。なお、必要に応じて、撮像部200によって取り込まれた画像に対して、所定の画像処理を施したものを、入力画像として取り扱うことも可能である。たとえば、撮像部200によって取り込まれた画像に対して、ガウシアンフィルタ、メディアンフィルタ、平均値フィルタ、などのノイズ除去フィルタを用いたフィルタリング処理を施し、処理後に得られる画像を入力画像として、以下の処理を続行するようにしてもよい。
微分処理部120は、画像入力部110で用意された入力画像を微分する処理を実行する構成要素である。具体的には、既に述べたとおり、入力画像を構成する各画素の階調値について、所定の微分方向に関する一次微分を求めることにより微分画像を作成する処理が行われる。フィルタ記憶部125には、それぞれ異なる微分方向に関する一次微分処理を行う機能をもった複数通りの空間フィルタ(たとえば、図13に示すような8通りの空間フィルタ)が記憶されている。微分処理部120は、フィルタ記憶部125に記憶されている複数通りのフィルタを順次読み出し、各フィルタを用いて、それぞれ入力画像に対するフィルタリング処理を実行することにより、複数通りの微分画像を作成することになる。
二値化処理部130は、所定のしきい値を用いて、微分処理部120から与えられる各微分画像について、しきい値以上の画素値を有する画素については第1の画素値を与え、しきい値未満の画素値を有する画素については第2の画素値を与えることにより、二値画像を作成する処理を実行する。しきい値設定部135は、複数通りのしきい値を設定する機能を有しており、二値化処理部130は、このしきい値設定部135で設定された個々のしきい値を用いて、1つの微分画像に対して複数通りの二値画像を作成する処理を行う。
領域認識部140は、二値化処理部130で作成された各二値画像について、第1の画素値を有する隣接画素の集合からなる領域を着目領域と認識する処理を行う。ここで認識された着目領域は、評価値算出部150へと伝えられる。評価値算出部150は、まず、領域認識部140から伝えられた着目領域に基づいて、画像入力部110に用意されている入力画像から、この着目領域に対応する領域を評価対象領域として抽出する処理を行う。そして、微分処理部120から与えられる情報に基づいて、当該評価対象領域に対応する微分方向を認識し、当該評価対象領域を構成する画素群を、微分方向に沿った複数の一次元画素配列の集合として認識する。そして、既に述べたとおり、個々の一次元画素配列の両端に位置する画素の階調値の差を当該一次元画素配列の長さで除した値を当該一次元画素配列に関する不均一性を示す評価値として求める。最後に、複数の一次元画素配列について求めた複数の評価値の代表値を、当該評価対象領域についての不均一性を示す評価値と決定する。代表値としては、前述したとおり、複数の一次元画素配列について求めた複数の評価値の平均値もしくは最大値を用いるようにすればよい。
こうして求められた各評価対象領域ごとの評価値は、良否判定部160へと与えられる。良否判定部160は、評価値算出部150によって算出された評価値が、所定の許容条件を満たす場合には、測定対象物Vとして与えられた製品を良品と判定し、許容条件を満たさない場合には不良品と判定する処理を行う。具体的な判定条件については、既に述べたとおりである。
なお、実用上は、搬送手段230によって、多数の製品を連続的に搬送路上に流した状態で、撮像部200による撮像を順次行い、その結果に基づいて、制御演算部100による良否判定を行うことになる。その場合、不良品との判定がなされた場合には、何らかの警報器を用いた報知処理が実行されるようにしておくのが望ましい。そうすれば、オペレータは、警報器による報知処理がなされたときに流れている製品を不良品と判断して、これをラインから取り除くことができる。もちろん、警報器による出力に基づいて、不良品を自動的に排除するような機構を設けておくことも可能である。
本発明に係る不均一性測定方法の測定対象となる対象物から取り込んだ入力画像の一例を示す平面図(上段)およびこの入力画像のX軸に沿った階調値分布を示すグラフ(下段)である。 本発明に係る光学特性の不均一性測定方法およびこれを利用した製品良否判定方法の基本手順を示す流れ図である。 入力画像10上に定義した微分方向の例を示す平面図である。 楕円状のムラ領域13が存在する入力画像10の一例を示す平面図である。 図2に示す流れ図におけるステップS3による微分処理およびステップS5による二値化処理の概念を説明するためのグラフである。 図2に示す流れ図におけるステップS5による二値化処理の結果として得られる二値画像の一例を示す平面図である。 図2に示す流れ図におけるステップS6による認識処理の結果として認識された着目領域の一例を示す平面図である。 入力画像10上に3つの評価対象領域AA1,AA2,AA3が定義された例を示す平面図である。 図7に示す着目領域A1に対応する領域として入力画像から抽出された評価対象領域AA1を示す平面図である。 図5とは異なるしきい値を用いて二値化処理を行った結果を示すグラフである。 二値化処理時に用いるしきい値を変えることにより、評価対象領域の大きさおよび評価値が大きく変化することを示すグラフである。 空間フィルタを用いた微分処理の概念を説明する平面図である。 本発明における微分処理に利用可能な一次微分処理用の空間フィルタの具体例を示す平面図である。 本発明における微分処理に利用可能な一次微分処理用の空間フィルタの別な具体例を示す平面図である。 本発明に係る製品良否判定装置の基本構成を示すブロック図である。
符号の説明
10:入力画像
11〜13:ムラ領域
20:一次微分処理用空間フィルタ
30:処理画像(微分画像)
100:制御演算部
110:画像入力部
120:微分処理部
125:フィルタ記憶部
130:二値化処理部
135:しきい値設定部
140:領域認識部
150:評価値算出部
160:良否判定部
200:撮像部
210:光源
220:ラインセンサカメラ
230:搬送装置
A1:着目領域
AA1〜AA3:評価対象領域
a1〜a8,b1〜b8:両端にある画素の階調値
a(1),a(3),b(1),b(3):両端にある画素の階調値
C11〜C33:空間フィルタ用マトリックスの数値
D1〜D4:微分方向
E:線状視野領域
G:階調値のピーク値
L1〜L8:ムラ領域/一次元画素配列の長さ
L(1),L(3):区間長
P1〜P4:グラフ上の点
P(i,j):入力画像上の階調値
Q(i,j):処理画像上の階調値
S1〜S14:流れ図の各ステップ
T,T1,T2:二値化処理のためのしきい値
V:測定対象物(対象製品)

Claims (15)

  1. 光学特性が均一であるべき測定対象物について、光学特性の不均一性を定量的に測定するための方法であって、
    測定対象物を撮像することにより、所定の階調値をもった画素の集合からなる画像を入力し、これを、もしくは、必要に応じてこれに所定の画像処理を施したものを、入力画像とする画像入力段階と、
    入力画像上に所定の微分方向を決定し、入力画像を構成する各画素の階調値について前記微分方向に関する一次微分を求めることにより微分画像を作成する微分段階と、
    所定のしきい値を設定し、前記微分画像について、しきい値以上の画素値を有する画素については第1の画素値を与え、しきい値未満の画素値を有する画素については第2の画素値を与えることにより、前記微分画像を二値化し、二値画像を作成する二値化段階と、
    前記二値画像について、前記第1の画素値を有する隣接画素の集合からなる領域を着目領域と認識する領域認識段階と、
    前記入力画像から前記着目領域に対応する領域を評価対象領域として抽出し、この評価対象領域を構成する画素群を、前記微分方向に沿った複数の一次元画素配列の集合として認識し、個々の一次元画素配列の両端に位置する画素の階調値の差を当該一次元画素配列の長さで除した値を当該一次元画素配列に関する不均一性を示す評価値として求め、前記複数の一次元画素配列について求めた複数の評価値の代表値を、前記評価対象領域についての不均一性を示す評価値と決定する評価値決定段階と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする光学特性の不均一性測定方法。
  2. 請求項1に記載の測定方法において、
    微分段階で、所定の微分方向に関する一次微分処理を行う機能をもった空間フィルタを用意し、入力画像に対して前記空間フィルタを用いたフィルタリング処理を実行することにより、微分画像を作成することを特徴とする光学特性の不均一性測定方法。
  3. 請求項1または2に記載の測定方法において、
    微分段階で、1つの入力画像に対して複数通りの微分方向を決定し、個々の微分方向についてそれぞれ微分画像を作成し、
    二値化段階で、複数通りの微分画像のそれぞれに対応する二値画像を作成し、
    領域認識段階で、複数通りの二値画像のそれぞれについて着目領域を認識し、
    評価値決定段階で、前記各着目領域にそれぞれ対応する評価対象領域についての評価値を求めることを特徴とする光学特性の不均一性測定方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の測定方法において、
    二値化段階で、1つの微分画像に対して複数通りのしきい値を設定し、個々のしきい値を用いて1つの微分画像に対して複数通りの二値画像を作成し、
    領域認識段階で、複数通りの二値画像のそれぞれについて着目領域を認識し、
    評価値決定段階で、前記各着目領域にそれぞれ対応する評価対象領域についての評価値を求めることを特徴とする光学特性の不均一性測定方法。
  5. 請求項4に記載の測定方法において、
    初期しきい値Tおよびステップ幅ΔTを予め定めておき、T+ΔTなる値を新たなしきい値とする更新処理を、所定回数もしくは二値画像が得られなくなる直前の回数まで、繰り返し行うことにより、複数通りのしきい値を設定することを特徴とする光学特性の不均一性測定方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の測定方法において、
    評価値決定段階において、1つの評価対象領域を構成する複数の一次元画素配列について求めた複数の評価値の平均値もしくは最大値を、当該評価対象領域についての代表値として用いることを特徴とする光学特性の不均一性測定方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の測定方法を構成する各段階に加えて、
    良否判定の対象製品を測定対象物として与えたときに、評価値決定段階で得られる評価値が、所定の許容条件を満たす場合には良品、前記許容条件を満たさない場合には不良品と判定する良否判定段階をコンピュータに実行させることを特徴とする製品良否判定方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の光学特性の不均一性測定方法もしくは請求項7に記載の製品良否判定方法を構成する各段階をコンピュータに実行させるためのプログラムまたはこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  9. 光学特性が均一であるべき測定対象物について、光学特性の不均一性を定量的に測定するための装置であって、
    測定対象物を撮像することにより、所定の階調値をもった画素の集合からなる画像を取り込む撮像部と、
    前記撮像部によって取り込まれた画像をデジタルデータとして入力し、これを、もしくは、必要に応じてこれに所定の画像処理を施したものを、入力画像とする画像入力部と、
    入力画像を構成する各画素の階調値について、所定の微分方向に関する一次微分を求めることにより微分画像を作成する微分処理部と、
    所定のしきい値を用いて、前記微分画像について、しきい値以上の画素値を有する画素については第1の画素値を与え、しきい値未満の画素値を有する画素については第2の画素値を与えることにより、前記微分画像を二値化し、二値画像を作成する二値化処理部と、
    前記二値画像について、前記第1の画素値を有する隣接画素の集合からなる領域を着目領域と認識する領域認識部と、
    前記入力画像から前記着目領域に対応する領域を評価対象領域として抽出し、この評価対象領域を構成する画素群を、前記微分方向に沿った複数の一次元画素配列の集合として認識し、個々の一次元画素配列の両端に位置する画素の階調値の差を当該一次元画素配列の長さで除した値を当該一次元画素配列に関する不均一性を示す評価値として求め、前記複数の一次元画素配列について求めた複数の評価値の代表値を、前記評価対象領域についての不均一性を示す評価値と決定する評価値算出部と、
    を備えることを特徴とする光学特性の不均一性測定装置。
  10. 請求項9に記載の測定装置において、
    撮像部が、画像入力部の制御下で測定対象物を所定の搬送方向に搬送する搬送装置と、搬送中の前記測定対象物の表面上の線状視野領域を撮像するラインセンサカメラと、前記線状視野領域を照明する光源と、を有することを特徴とする光学特性の不均一性測定装置。
  11. 請求項9または10に記載の測定装置において、
    微分処理部が、所定の微分方向に関する一次微分処理を行う機能をもった空間フィルタを用いて、入力画像に対するフィルタリング処理を実行することにより、微分画像を作成することを特徴とする光学特性の不均一性測定装置。
  12. 請求項11に記載の測定装置において、
    それぞれ異なる微分方向に関する一次微分処理を行う機能をもった複数通りの空間フィルタを記憶したフィルタ記憶部を備え、
    微分処理部が、このフィルタ記憶部から読み出した複数通りの空間フィルタを用いて、1つの入力画像に対して複数通りの微分画像を作成する機能を有し、
    二値化処理部が、前記複数通りの微分画像のそれぞれに対応する二値画像を作成する機能を有し、
    領域認識部が、複数通りの二値画像のそれぞれについて着目領域を認識する機能を有し、
    評価値算出部が、前記各着目領域にそれぞれ対応する評価対象領域についての評価値を求める機能を有することを特徴とする光学特性の不均一性測定装置。
  13. 請求項9〜12のいずれかに記載の測定装置において、
    複数通りのしきい値を設定する機能をもったしきい値設定部を備え、
    二値化処理部が、前記しきい値設定部で設定された個々のしきい値を用いて、1つの微分画像に対して複数通りの二値画像を作成する機能を有し、
    領域認識部が、複数通りの二値画像のそれぞれについて着目領域を認識する機能を有し、
    評価値算出部が、前記各着目領域にそれぞれ対応する評価対象領域についての評価値を求める機能を有することを特徴とする光学特性の不均一性測定装置。
  14. 請求項9〜13のいずれかに記載の測定装置において、
    評価値算出部が、1つの評価対象領域を構成する複数の一次元画素配列について求めた複数の評価値の平均値もしくは最大値を、当該評価対象領域についての代表値として用いることにより、評価値の算出を行うことを特徴とする光学特性の不均一性測定装置。
  15. 請求項9〜14のいずれかに記載の不均一性測定装置に、更に良否判定部を付加することにより構成される製品良否判定装置であって、
    前記良否判定部が、良否判定の対象製品を測定対象物として前記不均一性測定装置に与えたときに、評価値算出部によって算出される評価値が、所定の許容条件を満たす場合には良品、前記許容条件を満たさない場合には不良品と判定することを特徴とする製品良否判定装置。
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