JP4363625B2 - 画像処理方法および磁気共鳴撮影装置 - Google Patents

画像処理方法および磁気共鳴撮影装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理方法および磁気共鳴撮影装置に関し、とくに、部分的に重複しながら連続する複数のスラブについて磁気共鳴を利用して撮影された3次元タイム・オブ・フライト像を処理する方法、および、部分的に重複しながら連続する複数のスラブについて3次元タイム・オブ・フライト像を撮影する磁気共鳴撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気共鳴撮影装置では血流像の撮影が行われる。血流像の撮影にタイム・オブ・フライト(TOF: Time of Flight)法を用いる場合は、部分的に重複しながら連続する複数のスラブ(slab)について、順次3次元タイム・オブ・フライト(3DTOF)像を撮影する。そして、重複部分については、スラブごとに、スラブの中央寄りのスライス(slice)の画素値を採用し、スラブの両端寄りのスライスの画素値は切り捨て、全スラブを通した3次元血流像を得るようにしている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
荒木力他編、「MRI・CT用語事典」、第1版、株式会社メジカルビュー社、2000年11月、p.18
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように重複部分について画一的な画素値選択を行うと、必ずしも品質の良い画像は得られない。なぜなら、スラブに流入する血流の方向によっては、スラブの端部に属するスライスの信号のほうがSNR(signal−to−noise ratio)が良いことがあり得るからである。
【0005】
そこで、本発明の課題は、品質の良い3次元タイム・オブ・フライト像を得る画像処理方法および品質の良い3次元タイム・オブ・フライト像を撮影する磁気共鳴撮影装置を実現することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)上記の課題を解決するためのひとつの観点での発明は、部分的に重複しながら連続する複数のスラブについて磁気共鳴を利用して撮影された3次元タイム・オブ・フライト像を処理する方法であって、前記重複部分に属する各スライスについて、一方のスラブの画素値と他方のスラブの画素値の比rを対応する画素ごとに求め、前記重複部分に属する各スライスについて、一方のスラブの画素値の総和と他方のスラブの画素値の総和の比Rを求め、前記重複部分に属する各スライスについて、一方のスラブの画素値と他方のスラブの画素値の重み付け平均値により平均値画像を作成し、前記重複部分に属する各スライスについて、一方のスラブの画素値と他方のスラブの画素値のうちの大きいほうの画素値により最大値画像を作成し、前記重複部分に属する各スライスについて、前記rの値が前記Rの値に近いほど前記平均値画像の重みを増し、前記rの値が前記Rの値から遠いほど前記最大値画像の重みを増した重み付け平均値を画素ごとに求め、この重み付け平均値によって出力画像を形成する、ことを特徴とする画像処理方法である。
(2)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、部分的に重複しながら連続する複数のスラブについて磁気共鳴を利用して3次元タイム・オブ・フライト像を撮影する磁気共鳴撮影装置であって、前記重複部分に属する各スライスについて、一方のスラブの画素値と他方のスラブの画素値の比rを対応する画素ごとに求める第1の比計算手段と、前記重複部分に属する各スライスについて、一方のスラブの画素値の総和と他方のスラブの画素値の総和の比Rを求める第2の比計算手段と、前記重複部分に属する各スライスについて、一方のスラブの画素値と他方のスラブの画素値の重み付け平均値により平均値画像を作成する第1の画像作成手段と、前記重複部分に属する各スライスについて、一方のスラブの画素値と他方のスラブの画素値のうちの大きいほうの画素値により最大値画像を作成する第2の画像作成手段と、前記重複部分に属する各スライスについて、前記rの値が前記Rの値に近いほど前記平均値画像の重みを増し、前記rの値が前記Rの値から遠いほど前記最大値画像の重みを増した重み付け平均値を画素ごとに求め、この重み付け平均値によって出力画像を形成する第3の画像作成手段と、を具備することを特徴とする磁気共鳴撮影装置である。
【0007】
上記各観点での発明では、重複部分に属する各スライスについて、一方のスラブの画素値と他方のスラブの画素値の比rを対応する画素ごとに求め、重複部分に属する各スライスについて、一方のスラブの画素値の総和と他方のスラブの画素値の総和の比Rを求め、重複部分に属する各スライスについて、一方のスラブの画素値と他方のスラブの画素値の重み付け平均値により平均値画像を作成し、重複部分に属する各スライスについて、一方のスラブの画素値と他方のスラブの画素値のうちの大きいほうの画素値により最大値画像を作成し、重複部分に属する各スライスについて、rの値がRの値に近いほど平均値画像の重みを増し、rの値が前記Rの値から遠いほど最大値画像の重みを増した重み付け平均値を画素ごとに求め、この重み付け平均値によって出力画像を形成するので、重複部分の画像の品質が向上し、スラブ全体を通じて品質の良い3次元タイム・オブ・フライト像を得ることができる。
【0008】
前記平均値画像の作成は、前記画素値の総和が大きいほうのスラブの重みを大きくして行うことが、SNRを高める点で好ましい。前記重みは前記比Rに基づいて定めることが、効果的な重みを得る点で好ましい。前記3次元タイム・オブ・フライト像は血流像であることが、血流の3次元画像を得る点で好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。図1に磁気共鳴撮影装置のブロック(block)図を示す。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。本装置の動作によって、本発明の方法に関する実施の形態の一例が示される。
【0010】
同図に示すように、本装置はマグネットシステム(magnet system)100を有する。マグネットシステム100は主磁場コイル(coil)部102、勾配コイル部106およびRFコイル部108を有する。これら各コイル部は概ね円筒状の形状を有し、互いに同軸的に配置されている。マグネットシステム100の概ね円柱状の内部空間(ボア:bore)に、撮影の対象1がクレードル(cradle)500に搭載されて搬入される。
【0011】
クレードル500は、クレードル駆動部120によって駆動される。これによって、対象1をマグネットシステムの内部空間において体軸方向に移動させることできる。
【0012】
主磁場コイル部102はマグネットシステム100の内部空間に静磁場を形成する。静磁場の方向は概ね対象1の体軸の方向に平行である。すなわちいわゆる水平磁場を形成する。主磁場コイル部102は例えば超伝導コイルを用いて構成される。なお、超伝導コイルに限らず常伝導コイル等を用いて構成してもよい。
【0013】
勾配コイル部106は、互いに垂直な3軸すなわちスライス軸、位相軸および周波数軸の方向において、それぞれ静磁場強度に勾配を持たせるための3つの勾配磁場を生じる。
【0014】
静磁場空間における互いに垂直な座標軸をx,y,zとしたとき、いずれの軸もスライス軸とすることができる。その場合、残り2軸のうちの一方を位相軸とし、他方を周波数軸とする。また、スライス軸、位相軸および周波数軸は、相互間の垂直性を保ったままx,y,z軸に関して任意の傾きを持たせることも可能である。これはオブリーク(oblique)とも呼ばれる。なお、本装置では対象1の体軸の方向をz軸方向とする。
【0015】
スライス軸方向の勾配磁場をスライス勾配磁場ともいう。位相軸方向の勾配磁場をフェーズエンコード(phase encode)勾配磁場ともいう。周波数軸方向の勾配磁場をリードアウト(read out)勾配磁場ともいう。リードアウト勾配磁場は周波数エンコード勾配磁場と同義である。このような勾配磁場の発生を可能にするために、勾配コイル部106は図示しない3系統の勾配コイルを有する。以下、勾配磁場を単に勾配ともいう。
【0016】
RFコイル部108は静磁場空間に対象1の体内のスピン(spin)を励起するための高周波磁場を形成する。以下、高周波磁場を形成することをRF励起信号の送信ともいう。また、RF励起信号をRFパルス(pulse)ともいう。励起されたスピンが生じる電磁波すなわち磁気共鳴信号は、RFコイル部108によって受信される。
【0017】
磁気共鳴信号は、周波数ドメイン(domain)すなわちフーリエ(Fourier)空間の信号となる。スライス軸方向、位相軸方向および周波数軸方向の勾配により、磁気共鳴信号のエンコードを3軸で行うので、磁気共鳴信号は3次元フーリエ空間における信号として得られる。スライス勾配、フェーズエンコード勾配およびリードアウト勾配は、3次元フーリエ空間における信号のサンプリング位置を決定する。以下、3次元フーリエ空間をkスペース(k−space)ともいう。
【0018】
勾配コイル部106には勾配駆動部130が接続されている。勾配駆動部130は勾配コイル部106に駆動信号を与えて勾配磁場を発生させる。勾配駆動部130は、勾配コイル部106における3系統の勾配コイルに対応して、図示しない3系統の駆動回路を有する。
【0019】
RFコイル部108にはRF駆動部140が接続されている。RF駆動部140はRFコイル部108に駆動信号を与えてRFパルスを送信し、対象1の体内のスピンを励起する。
【0020】
RFコイル部108にはデータ収集部150が接続されている。データ収集部150は、RFコイル部108が受信した受信信号をディジタルデータ(digital data)として収集する。
【0021】
クレードル駆動部120、勾配駆動部130、RF駆動部140およびデータ収集部150にはシーケンス(sequence)制御部160が接続されている。シーケンス制御部160は、クレードル駆動部120ないしデータ収集部150をそれぞれ制御して撮影を遂行する。
【0022】
シーケンス制御部160は、例えばコンピュータ(computer)等を用いて構成される。シーケンス制御部160は図示しないメモリ(memory)を有する。メモリはシーケンス制御部160用のプログラム(program)および各種のデータを記憶している。シーケンス制御部160の機能は、コンピュータがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
【0023】
データ収集部150の出力側はデータ処理部170に接続されている。データ収集部150が収集したデータがデータ処理部170に入力される。データ処理部170は、データ収集部150が収集したデータをメモリに記憶する。メモリ内にはデータ空間が形成される。このデータ空間はkスペースに対応する。データ処理部170は、kスペースのデータを逆フ−リエ変換することにより画像を再構成する。
【0024】
データ処理部170は、例えばコンピュータ等を用いて構成される。データ処理部170は図示しないメモリを有する。メモリはデータ処理部170用のプログラムおよび各種のデータを記憶している。
【0025】
データ処理部170はシーケンス制御部160に接続されている。データ処理部170はシーケンス制御部160の上位にあってそれを統括する。本装置の機能は、データ処理部170がメモリに記憶されたプログラムを実行することによりを実現される。シーケンス制御部160およびデータ処理部170からなる部分は、本発明における制御手段の実施の形態の一例である。
【0026】
データ処理部170には表示部180および操作部190が接続されている。表示部180は、グラフィックディスプレー(graphic display)等で構成される。操作部190はポインティングデバイス(pointing device)を備えたキーボード(keyboard)等で構成される。
【0027】
表示部180は、データ処理部170から出力される再構成画像および各種の情報を表示する。操作部190は、使用者によって操作され、各種の指令や情報等をデータ処理部170に入力する。使用者は表示部180および操作部190を通じてインタラクティブ(interactive)に本装置を操作する。
【0028】
図2に、他の方式の磁気共鳴撮影装置のブロック図を示す。同図に示す磁気共鳴撮影装置は、本発明の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。本装置の動作によって、本発明の方法に関する実施の形態の一例が示される。
【0029】
本装置は、図1に示した装置とは方式を異にするマグネットシステム100’を有する。マグネットシステム100’以外は図1に示した装置と同様な構成になっており、同様な部分は同一の符号を付して説明を省略する。
【0030】
マグネットシステム100’は主磁場マグネット部102’、勾配コイル部106’およびRFコイル部108’を有する。これら主磁場マグネット部102’および各コイル部は、いずれも空間を挟んで互いに対向する1対のものからなる。また、いずれも概ね円盤状の形状を有し中心軸を共有して配置されている。マグネットシステム100’の内部空間(ボア)に、対象1がクレードル500に搭載されて図示しない搬送手段により搬入および搬出される。
【0031】
主磁場マグネット部102’はマグネットシステム100’の内部空間に静磁場を形成する。静磁場の方向は概ね対象1の体軸方向と直交する。すなわちいわゆる垂直磁場を形成する。主磁場マグネット部102’は例えば永久磁石等を用いて構成される。なお、永久磁石に限らず超伝導電磁石あるいは常伝導電磁石等を用いて構成してもよい。
【0032】
勾配コイル部106’は、互いに垂直な3軸すなわちスライス軸、位相軸および周波数軸の方向において、それぞれ静磁場強度に勾配を持たせるための3つの勾配磁場を生じる。
【0033】
静磁場空間における互いに垂直な座標軸をx,y,zとしたとき、いずれの軸もスライス軸とすることができる。その場合、残り2軸のうちの一方を位相軸とし、他方を周波数軸とする。また、スライス軸、位相軸および周波数軸は、相互間の垂直性を保ったままx,y,z軸に関して任意の傾きを持たせること、すなわちオブリークが可能である。本装置でも対象1の体軸の方向をz軸方向とする。3軸方向の勾配磁場の発生を可能にするために、勾配コイル部106’は図示しない3系統の勾配コイルを有する。
【0034】
RFコイル部108’は静磁場空間に対象1の体内のスピンを励起するためのRFパルスを送信する 励起されたスピンが生じる電磁波すなわち磁気共鳴信号は、RFコイル部108’によって受信される。RFコイル部108’の受信信号がデータ収集部150に入力される。
【0035】
図3に、磁気共鳴撮影に用いるパルスシーケンス(pulse sequence)の一例を示す。このパルスシーケンスは、グラディエントエコー(GRE:Gradient Echo)法のパルスシーケンスである。
【0036】
すなわち、(1)はGRE法におけるRF励起用のα°パルスのシーケンスであり、(2)、(3)、(4)および(5)は、同じくそれぞれ、スライス勾配Gs、リードアウト勾配Gr、フェーズエンコード勾配GpおよびグラディエントエコーMRのシーケンスである。なお、α°パルスは中心信号で代表する。パルスシーケンスは時間軸tに沿って左から右に進行する。
【0037】
同図に示すように、α°パルスによりスピンのα°励起が行われる。αは90以下である。このときスライス勾配Gsが印加され所定のスライスについての選択励起が行われる。なお、選択励起は例えば数10mmの厚みを持つスライスについて行われる。そのような厚みを持つスライスはスラブと呼ばれる。以下、スラブという。
【0038】
α°励起後、スライス勾配Gsおよびフェーズエンコード勾配Gpによりスピンのフェーズエンコードが行われる。次に、リードアウト勾配Grによりまずスピンをディフェーズし、次いでスピンをリフェーズして、グラディエントエコーMRを発生させる。グラディエントエコーMRはデータ収集部150によりビューデータとして収集される。
【0039】
このようなパルスシーケンスが周期TRで所定回数繰り返される。繰り返しのたびにスライス勾配Gsとフェーズエンコード勾配Gpの組み合わせを変更し、毎回異なるフェーズエンコードを行う。これによって、所定ビュー数のビューデータが得られる。
【0040】
このようなデータ収集を、予めスピンを飽和させたスラブについて行うことにより、スラブに流入する血流のスピンのビューデータを得ることができる。これが3DTOF法である。
【0041】
このようなパルスシーケンスによって得られたビューデータが、データ処理部170のメモリに収集される。データ処理部170は、メモリに収集したビューデータに基づいて画像を再構成する。再構成画像は血流の3次元像となる。
【0042】
上記のような撮影は、撮影範囲を複数のスラブに分割し、各スラブについて順次に撮影することにより行われる。撮影範囲とスラブの関係の一例を図4に示す。同図に示すように、撮影範囲は例えば3つのスラブに分割される。3つのスラブは、隣り合うもの同士が部分的に重複するようになっている。重複部分を斜線で示す。
【0043】
撮影範囲および各スラブにおける複数の縦の破線は、断層像が再構成される断面の位置を表す。以下、断面の位置をスライスともいう。重複部分では、同一スライスの断層像が隣り合うスラブの両方に存在する。各スライスの断層像はメモリに記憶されている。
【0044】
図5に、隣り合う2つのスラブにおける1対の断層像の模式図を示す。以下、断層像を単に画像ともいう。これら1対の画像はスライスが同一である。1対の画像における同一画素位置の画素値を、それぞれpa(x,y)およびpb(x,y)とする。
【0045】
本装置は、このような1対の画像から、重複部分に属するスライスについてのより適切な画像を、画像処理によって作成する。画像処理はデータ処理部170によって行われる。以下、画像処理について説明する。
【0046】
図6に、画像処理のフロー(flow)図を示す。同図に示すように、ステージ(stage)601で、画素値比rを計算する。画素値比rは次式によって計算される。
【0047】
【数1】
Figure 0004363625
【0048】
画素値比rの計算はデータ処理部170によって行われる。データ処理部170は、本発明における第1の比計算手段の実施の形態の一例である。
【0049】
次に、ステージ603で、画素値総和比Rを計算する。1対の画像の画素値の総和を、それぞれ、
【0050】
【数2】
Figure 0004363625
【0051】
としたとき、画素値総和比Rは次式によって計算される。
【0052】
【数3】
Figure 0004363625
【0053】
画素値総和比Rの計算はデータ処理部170によって行われる。データ処理部170は、本発明における第2の比計算手段の実施の形態の一例である。
【0054】
次に、ステージ605で、平均値画像を作成する。平均値画像の作成は、1対の画像の画素値の重み付け平均値を用いて行われる。重み付け平均値は次式によって計算される。
【0055】
【数4】
Figure 0004363625
【0056】
ここで、重み係数が画素値総和比Rを用いて構成されているので、平均値画像は、画素値総和が大きいほうの画素値の影響を大きく受けた画像となる。これによって、SNRの良い画像が得られる。平均値画像の作成はデータ処理部170によって行われる。データ処理部170は、本発明における第1の画像作成手段の実施の形態の一例である。
【0057】
次に、ステージ607で、最大値画像を作成する。最大値画像の作成は、1対の画像の画素値の大きいほうの値を用いて行われる。最大値は次式によって計算される。
【0058】
【数5】
Figure 0004363625
【0059】
最大値画像の作成はデータ処理部170によって行われる。データ処理部170は、本発明における第2の画像作成手段の実施の形態の一例である。
【0060】
次に、ステージ609で、出力画像を作成する。出力画像の作成はデータ処理部170によって行われる。データ処理部170は、本発明における第3の画像作成手段の実施の形態の一例である。出力画像の作成は、平均値画像の画素値と最大値画像の画素値の重み付け平均値を用いて行われる。重み付け平均値は次式によって計算される。
【0061】
【数6】
Figure 0004363625
【0062】
ここで、重み係数ωは、次式に示すようにαの関数である。
【0063】
【数7】
Figure 0004363625
【0064】
また、αは次式で与えられる。
【0065】
【数8】
Figure 0004363625
【0066】
αの関数としての重み係数ωは、例えば図7にグラフ(graph)で示すような特性を持つ関数である。すなわち、同図に示すように、α=1のときω=1であり、α≒1のときω≒1であり、α>>1またはα<<1のときω<<1である。
【0067】
重み係数ωがこのような性質を持つことにより、出力画像の画素値においては、αが1に近いほどすなわちrの値がRの値に近いほど平均値画像の重みが増し、αが1から遠いほどすなわちrの値がRの値から遠いほど最大値画像の重みが増す。
【0068】
このような出力画像は次のような特質について説明する。重複部分におけるスライスの画像が、例えば図8の(1)に示すように、背景像と血流像からなるとしたとき、この画像の破線上の信号強度のプロファイルは同図の(2)に示すように、背景像の信号に血流像の信号が載ったものとなる。
【0069】
両スラブ間のプロファイルの相違は例えば図9に示すようになる。同図において、(1)は背景像および血流像の信号強度のどちらも両スラブ間で異なる場合である。(2)は背景像および血流像の信号強度が両スラブ間でほぼ同じ場合である。(3)は背景像の信号強度が両スラブ間でほぼ同じで、血流像の信号強度が両スラブ間で異なる場合である。
【0070】
(1)の場合は、上記のような重み付け平均値によって作成される出力画像は、背景像および血流像の信号強度がともに大きいスラブaの画像の影響を強く受けた画像となる。これによって、右端に示すようにSNRの良い出力画像を得ることができる。
【0071】
(2)の場合は、上記のような重み付け平均値によって作成される出力画像は、背景像および血流像の信号強度が両スラブともほぼ同じなので、スラブaおよびbの画像の単純平均に相当する画像となる。このとき、両スラブの信号強度がほぼ同じなので単純平均ではあっても信号強度は低下せずノイズだけが低下する。これによって右端に示すようにSNRの良い出力画像を得ることができる。
【0072】
(3)の場合は、上記のような重み付け平均値によって作成される出力画像は、背景像の信号強度が両スラブともほぼ同じなので、背景画像についてはスラブaおよびbの画像の単純平均に相当する画像となる。一方、血流像については、血流像の信号強度が大きいスラブaの画像の影響を強く受けた画像となる。したがって、この場合も右端に示すようにSNRの良い高品質の出力画像を得ることができる。
【0073】
このように、いずれの場合も重複部分について高品質の画像を得ることができる。重複部分についての画像の品質が良いことにより、撮影範囲全体について高品質の3次元タイム・オブ・フライト像を得ることができる。
【0074】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、品質の良い3次元タイム・オブ・フライト像を得る画像処理方法および品質の良い3次元タイム・オブ・フライト像を撮影する磁気共鳴撮影装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例の装置が実行するパルスシーケンスの一例を示す図である。
【図4】撮影範囲とスラブの関係を示す図である。
【図5】2つのスラブにおける画像を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例の装置の動作のフロー図である。
【図7】重み係数の一例を示す図である。
【図8】断層像およびそのプロファイルの一例を示す図である。
【図9】2つのスラブの画像と出力画像の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 対象
100,100’ マグネットシステム
102 主磁場コイル部
102’ 主磁場マグネット部
106,106’ 勾配コイル部
108,108’ RFコイル部
120 クレードル駆動部
130 勾配駆動部
140 RF駆動部
160 データ収集部
160 シーケンス制御部
170 データ処理部
180 表示部
190 操作部
500 クレードル

Claims (8)

  1. 部分的に重複しながら連続する複数のスラブについて磁気共鳴を利用して撮影された3次元タイム・オブ・フライト像を処理する方法であって、
    前記重複部分に属する各スライスについて、一方のスラブの画素値と他方のスラブの画素値の比rを対応する画素ごとに求め、
    前記重複部分に属する各スライスについて、一方のスラブの画素値の総和と他方のスラブの画素値の総和の比Rを求め、
    前記重複部分に属する各スライスについて、一方のスラブの画素値と他方のスラブの画素値の重み付け平均値により平均値画像を作成し、
    前記重複部分に属する各スライスについて、一方のスラブの画素値と他方のスラブの画素値のうちの大きいほうの画素値により最大値画像を作成し、
    前記重複部分に属する各スライスについて、前記rの値が前記Rの値に近いほど前記平均値画像の重みを増し、前記rの値が前記Rの値から遠いほど前記最大値画像の重みを増した重み付け平均値を画素ごとに求め、この重み付け平均値によって出力画像を形成する、
    ことを特徴とする画像処理方法。
  2. 前記平均値画像の作成は、前記画素値の総和が大きいほうのスラブの重みを大きくして行う、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 前記重みは前記比Rに基づいて定める、
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理方法。
  4. 前記3次元タイム・オブ・フライト像は血流像である、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の画像処理方法。
  5. 部分的に重複しながら連続する複数のスラブについて磁気共鳴を利用して3次元タイム・オブ・フライト像を撮影する磁気共鳴撮影装置であって、
    前記重複部分に属する各スライスについて、一方のスラブの画素値と他方のスラブの画素値の比rを対応する画素ごとに求める第1の比計算手段と、
    前記重複部分に属する各スライスについて、一方のスラブの画素値の総和と他方のスラブの画素値の総和の比Rを求める第2の比計算手段と、
    前記重複部分に属する各スライスについて、一方のスラブの画素値と他方のスラブの画素値の重み付け平均値により平均値画像を作成する第1の画像作成手段と、
    前記重複部分に属する各スライスについて、一方のスラブの画素値と他方のスラブの画素値のうちの大きいほうの画素値により最大値画像を作成する第2の画像作成手段と、
    前記重複部分に属する各スライスについて、前記rの値が前記Rの値に近いほど前記平均値画像の重みを増し、前記rの値が前記Rの値から遠いほど前記最大値画像の重みを増した重み付け平均値を画素ごとに求め、この重み付け平均値によって出力画像を形成する第3の画像作成手段と、
    を具備することを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  6. 前記第1の画像作成手段は、前記画素値の総和が大きいほうのスラブの重みを大きくして前記平均値画像の作成を行う、
    ことを特徴とする請求項5に記載の磁気共鳴撮影装置。
  7. 前記第1の画像作成手段は、前記重みを記比Rに基づいて定める、
    ことを特徴とする請求項6に記載の磁気共鳴撮影装置。
  8. 前記3次元タイム・オブ・フライト像は血流像である、
    ことを特徴とする請求項5ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の磁気共鳴撮影装置。
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