JP4363393B2 - 金属板の縁部加工方法および管楽器 - Google Patents

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Description

本発明は、トランペット、ホルン、トロンボーン等の管楽器などに用いられる金属板の縁部を加工する方法、およびこの加工方法によって得られた管楽器に関する。
図5は、従来の管楽器の一例を示すもので、この管楽器11のベル部2は、金属板からなる管状体3の開口縁部にカール部4が形成され、カール部4内にリング状の芯材5(芯金)が設けられている。
カール部4は、芯材5を巻き込むように外方に湾曲して形成されている。
図5(b)に示すように、カール部4と芯材5の隙間には半田部8が形成されている。
管楽器11を作製するには、次の方法をとることができる。
管状体3の開口縁部を、芯材5を巻き込んで外方に湾曲させてカール部4を形成する。
次いで、溶融した半田をカール部4内に導入する。半田はカール部4と芯材5との隙間に導入される。近年では、環境に対する悪影響を防ぐため、鉛フリー半田が多く用いられている。半田の導入によって、カール部4と芯材5とを強固に接合させることができる。この種の接合方法としては、特許文献1に記載された方法がある。
次いで、管状体3にメッキや塗装を施し、管楽器11を得る。
特開2005−74472号公報
しかしながら、管楽器11では、カール部4と芯材5の隙間に形成された半田部8に、ピンホールなどの欠陥9が形成されることがあった。
欠陥9が形成されると、強度の低下や外観の悪化が生じることがあった。また、音質にも悪影響がおよぶことがあった。さらには、欠陥9を原因として、メッキや塗装に剥がれが生じることがあった。特に、鉛フリー半田は、ぬれ性に劣るため、前記隙間に残った空気によって欠陥9が形成されやすかった。
欠陥9が形成された場合には、その部分の半田部8を局所的に再溶融させて前記隙間に充填させることによって、欠陥9を除去することができる。再溶融によって半田部8の表面8aに凹凸が生じた場合には、表面8aが研磨処理によって平滑化される。
このように、欠陥が形成された場合には、その除去に手間がかかる。特に、大型の楽器では、研磨処理するべき箇所が広範囲となるため、作業にいっそう手間がかかるという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、カール部と芯材の隙間に形成された半田部に欠陥が形成されるのを防ぐことができる金属板の縁部加工方法および管楽器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、管楽器の管状体を形成する金属板の縁部に、金属からなる芯材を巻き込んでカール部を形成し、このカール部と前記芯材とを接合する金属板の縁部加工方法であって、前記芯材に、Snを含む金属材料からなるめっき膜を形成する工程と、前記金属板の縁部を、前記芯材を巻き込んで曲げてカール部を形成する工程と、前記カール部を加熱し、溶融した半田を前記カール部と芯材との隙間に導入するとともに前記めっき膜を溶融させることによって、前記カール部と前記芯材との隙間および前記カール部の先端と管状体外面との隙間にSnを含む半田合金を充填する工程と、を含むことを特徴とする金属板の縁部加工方法である。
請求項2に記載の発明は、前記めっき膜を構成する金属材料が、Sn、SnAg合金、SnZn合金のうちいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の金属板の縁部加工方法である。
請求項3に記載の発明は、前記めっき膜の厚さは、5〜100μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の金属板の縁部加工方法である。
請求項4に記載の発明は、前記めっき膜および半田は、鉛フリー半田からなることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の金属板の縁部加工方法である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の金属板の縁部加工方法によって加工された金属板からなる管状体を備えていることを特徴とする管楽器である。
本発明によれば、Snを含むめっき膜を形成した芯材を用い、半田をカール部内に導入する際に前記めっき膜を溶融させる。前記めっき膜はSnを含むため、カール部内面および芯材外面のぬれ性が向上し、導入された半田はカール部と芯材の隙間に行き渡る。
従って、カール部と芯材の隙間に充填された半田合金には、ピンホールなどの欠陥が生じることがない。
図1は、本発明の管楽器の一例を示すもので、この管楽器1のベル部2は、管状体3の開口縁部にカール部4が形成され、カール部4内に芯材5(芯金)が設けられている。
管状体3は、真ちゅうなどの金属からなる板材を成形して得られたものである。管状体3は、断面略円形とされ、開口縁部に向かって徐々に径が大きくなるように形成することができる。
なお、管状体3の断面形状は略円形に限らず、任意の形状、例えば多角形、楕円形などとすることができる。
カール部4は、芯材5を巻き込むように外方に湾曲して形成されている。すなわち、カール部4は、芯材5の周方向に沿って湾曲し、芯材5を包囲するように形成されている。
カール部4は、管状体3の全周にわたって形成されている。
芯材5は、管状体3の強度を高めるとともに音質を向上させるものであり、鉄、ステンレス、銅、銅合金、真ちゅうなどの金属からなる線状体である。
芯材5は、管状体3の周方向に沿うリング状とされている。図示例では、芯材5は、断面略円形の円形リング状とされている。芯材5の外径(太さ)は2〜5mmが好ましい。
なお、芯材の形状はリング状に限らず、任意の形状、例えば略円弧状、直線状などとしてもよい。
カール部4と芯材5の隙間には、半田合金部6が形成され、これによってカール部4と芯材5とが接合されている。半田合金は、カール部4の先端4aと管状体3外面との隙間にも充填されている。
半田合金部6を構成する半田合金としては、Snを含むものが用いられ、例えば鉛フリー半田、共晶半田などが使用できる。鉛フリー半田は、環境に対する悪影響が少ない点で優れている。
鉛フリー半田としては、例えばSn合金、SnAg合金、SnZn合金、SnAgCu合金、SnAgCuBi合金、SnCu合金、SnBi合金、SnAgInBi合金、SnAgInBi合金、SnSb合金が使用できる。また、前記合金にNiまたはGeを微量添加したものを使用することもできる。
次に、管楽器1を作製する方法について説明する。
図2に示すように、芯材5外面に、Snを含む金属材料からなるめっき膜7を形成する。この金属材料としては、上述の鉛フリー半田や共晶半田を使用してもよいし、Snを使用してもよい。特に、Sn、SnAg合金、SnZn合金のうちいずれか1つを使用すると、欠陥形成を防ぐ効果が高い。
めっき膜7のSn含有量は、例えば50質量%以上とすることができる。
めっき膜7は、薄すぎればカール部4と芯材5との間に欠陥ができやすくなる。また、めっき膜7が厚すぎる場合には、カール部4が形成しにくくなる。このため、めっき膜7の厚さは、5〜100μmが好ましい。
めっき膜7を形成する方法としては、溶融めっき、電気めっき、無電解めっきなどがあり、特に溶融めっきが好ましい。めっき膜7を形成する工程をめっき膜形成工程と呼ぶ。
次いで、図3に示すように、真ちゅうなどからなる金属板を成形して得られた管状体の開口縁部を、芯材5を巻き込むように外方に湾曲させカール部4を形成する。この際、カール部4と芯材5との隙間ができるだけ小さくなるようにカール部4を形成する。カール部4を形成する工程をカール部形成工程と呼ぶ。
次いで、図4に示すように、バーナーなどの加熱手段を用いてカール部4を加熱しつつ、溶融した半田をカール部4内に導入する。ここで用いる半田は、特に限定されず、例えば上述の鉛フリー半田、共晶半田などが使用できる。半田をカール部4に導入する工程を半田導入工程と呼ぶ。
カール部4が加熱される際には、芯材5に形成されためっき膜7も加熱され、めっき膜7の少なくとも一部が溶融する。導入された半田とめっき膜7によって半田合金部6が形成される。
Snを含むめっき膜7が溶融することによって、カール部4内面および芯材5外面のぬれ性が向上するため、導入された半田は、カール部4と芯材5との隙間に行き渡る。
従って、カール部4と芯材5の隙間に形成された半田合金部6には、ピンホールなどの欠陥が生じることがない。
半田は、カール部4の先端4aと管状体3外面との隙間にも充填される(図4を参照)。
半田の充填によって、カール部4と芯材5とを強固に接合させることができる。
次いで、必要に応じてメッキ、塗装などを施し、図1に示す管楽器1を得る。
上記加工方法によれば、半田合金部6に欠陥が形成されるのを防ぐことができるため、研磨処理が不要となり、作業が容易となる。
また、欠陥形成を防ぐことができるため、管楽器のベル部に適用すると、発生した音波に対する影響が少なく、音質を向上させることができる。
以下、具体例を挙げて、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す管楽器1を、次のようにして作製した。
図2に示すように、ステンレスからなる芯材5外面に、溶融めっきによって、Snからなるめっき膜7(厚さ50μm)を形成した。芯材5は、外径(太さ)2mmの断面円形とした。
次いで、図3に示すように、真ちゅうからなる管状体3の開口縁部を、芯材5を巻き込むように外方に湾曲させカール部4を形成した。
次いで、バーナーを用いてカール部4を加熱しつつ、溶融した鉛フリー半田をカール部4内に導入した。鉛フリー半田としては、SnAg(Ag3質量%、残部がSn)を用いた。
カール部4内を観察したところ、欠陥は形成されていないことが確認された。
(実施例2)
めっき膜7を構成する金属材料を、実施例1で用いたものと同様のSnAgとすること以外は実施例1と同様にして管楽器1を作製した。
カール部4内を観察したところ、欠陥は形成されていないことが確認された。
(実施例3)
めっき膜7を構成する金属材料を、SnZn(Zn7質量%、残部がSn)とすること以外は実施例1と同様にして管楽器1を作製した。
カール部4内を観察したところ、欠陥は形成されていないことが確認された。
(比較例1)
芯材5にめっきを施さないこと以外は実施例1と同様にして管楽器を作製した。
カール部4内を観察したところ、欠陥が形成されていることが確認された。
以上の結果より、芯材5に、Snを含む金属材料からなるめっき膜7を形成することによって、欠陥の形成を防ぐことができることが確認された。
本発明は、トランペット、ホルン、トロンボーンなどの管楽器に適用することができる。また、これに限らず、例えば金属製パイプ、金属製容器などにも適用できる。また、管状以外の形状、例えば平板状の金属板にも、本発明の加工方法を適用することができる。
金属板の材料は、真ちゅうに限らず、鉄、ステンレス、銅、アルミニウムなどであってもよい。
本発明の管楽器の一例を示す断面図であり、(a)は全体図であり、(b)は要部拡大図である。 本発明の加工方法の一例を示す工程図である。 前図に続く工程図である。 前図に続く工程図である。 従来の管楽器の一例を示す断面図であり、(a)は全体図であり、(b)は要部拡大図である。
符号の説明
1…管楽器、3…管状体、4…カール部、5…芯材、6…半田合金部、7…めっき膜。

Claims (5)

  1. 管楽器の管状体を形成する金属板の縁部に、金属からなる芯材を巻き込んでカール部を形成し、このカール部と前記芯材とを接合する金属板の縁部加工方法であって、
    前記芯材に、Snを含む金属材料からなるめっき膜を形成する工程と、
    前記金属板の縁部を、前記芯材を巻き込んで曲げてカール部を形成する工程と、
    前記カール部を加熱し、溶融した半田を前記カール部と芯材との隙間に導入するとともに前記めっき膜を溶融させることによって、前記カール部と前記芯材との隙間および前記カール部の先端と管状体外面との隙間にSnを含む半田合金を充填する工程と、を含むことを特徴とする金属板の縁部加工方法。
  2. 前記めっき膜を構成する金属材料は、Sn、SnAg合金、SnZn合金のうちいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の金属板の縁部加工方法。
  3. 前記めっき膜の厚さは、5〜100μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の金属板の縁部加工方法。
  4. 前記めっき膜および半田は、鉛フリー半田からなることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の金属板の縁部加工方法。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の金属板の縁部加工方法によって加工された金属板からなる管状体を備えていることを特徴とする管楽器。
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