JP4362467B2 - 電子制御式燃料噴射ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、燃料の圧送のON・OFFを電磁弁によって制御する電子制御式燃料噴射ポンプの技術に関する。
従来から、ディーゼルエンジン等の内燃機関においては、NOxの排出濃度の低減が重要視されている。NOxの排出濃度を低減させるためには、燃料噴射タイミングを遅延させて、燃焼温度を低下させたり、燃焼時間を短縮させることが有効である。そこで、燃料噴射タイミングの制御を高精度なものとすべく、油路上に電磁弁を配設する電子制御式燃料噴射ポンプ等の技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、エンジンにかかる負荷が小さいときは、燃焼室内の温度が上がり難く、着火遅れが生じる虞があり、かかる場合にまで燃料噴射タイミングを遅延させると、アイドリング時等に失火する可能性が高くなる。
このような不具合を解消するためには、予め少量の燃料を噴射することによって着火遅れを防ぐ方法が有効であるが、エンジンのクランク角度等に応じた燃料の流量調節は非常に困難であるため、現在では、燃料噴射ポンプや油路に別途電磁弁を追加し、両電磁弁の開閉タイミングを制御することによって、前記クランク角度やエンジンの負荷等に応じた流量制御を行なう方法が考えられている。
特開2004−218636号公報
しかし、燃料噴射ポンプに電磁弁を2つ設けた場合には、電磁弁が1つの場合と比べて、製造コストが高くなり、且つ、電磁弁に占領されるスペースも大きくなってしまうという欠点があった。そこで、本発明においては、燃料噴射ポンプの製造コストや占領スペースを抑えつつ、前記クランク角度等に応じて燃料の流量を変化させることができる燃料噴射ポンプを提供することを課題とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に、この課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、プランジャとプランジャバレル(25)との間に燃料圧室(25a)を形成し、該燃料圧室(25a)に連通する油路に電磁弁(2)を具備して、該プランジャの往復運動によって、燃料ギャラリから該燃料圧室(25a)に燃料を吸い込んで、該燃料を燃料噴射ノズル(45)へと圧送する電子制御式燃料噴射ポンプ(1)であって、該プランジャ先端部の断面積を、該プランジャ中下部の断面積よりも小さく構成し、該プランジャ先端部が通過する位置の側方の、該プランジャバレル(25)にスピル孔(25b)を穿設し、エンジンにかかる負荷に応じて、前記電磁弁(2)の開閉タイミングを自由に変化させて制御すると同時に、アイドリング時等の、エンジンにかかる負荷が小さいときには、燃焼室の温度が上がり難いため、該電磁弁(2)を閉じるタイミングを早めに制御することにより、噴射圧力の上昇タイミングを制御し、プランジャ先端部の側方の、前記スピル孔(25b)から燃料を逃がしながら、低い噴射圧力で燃料を噴射し始め、長い時間をかけて前記燃料噴射ノズル(45)へ圧送し、噴射圧力を緩やかに上昇させ、燃焼室内圧力の上昇を緩やかにするものである。
請求項2においては、請求項1記載の電子制御式燃料噴射ポンプにおいて、前記プランジャ(20)に段差(20b)を設けて、プランジャ先端部(20a)の径を、プランジャ中下部の径よりも小さく構成したものである。
請求項3においては、請求項1記載の電子制御式燃料噴射ポンプにおいて、前記プランジャ(21)のプランジャ先端部(21a)をテーパ面(21a)に形成したものである。
請求項4においては、請求項1記載の電子制御式燃料噴射ポンプにおいて、前記プランジャ(22)のプランジャ先端部(22a)に、該プランジャ先端面から前記スピル孔(25b)に達するサブポートを構成し、該サブポートは、連通する縦きり穴(22b)と横きり穴(22c)と凹部(22d)とを、該プランジャ先端部(22a)内に穿設して構成したものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、プランジャとプランジャバレル(25)との間に燃料圧室(25a)を形成し、該燃料圧室(25a)に連通する油路に電磁弁(2)を具備して、該プランジャの往復運動によって、燃料ギャラリから該燃料圧室(25a)に燃料を吸い込んで、該燃料を燃料噴射ノズル(45)へと圧送する電子制御式燃料噴射ポンプ(1)であって、該プランジャ先端部の断面積を、該プランジャ中下部の断面積よりも小さく構成し、該プランジャ先端部が通過する位置の側方の、該プランジャバレル(25)にスピル孔(25b)を穿設し、エンジンにかかる負荷に応じて、前記電磁弁(2)の開閉タイミングを自由に変化させて制御すると同時に、アイドリング時等の、エンジンにかかる負荷が小さいときには、燃焼室の温度が上がり難いため、該電磁弁(2)を閉じるタイミングを早めに制御することにより、噴射圧力の上昇タイミングを制御し、プランジャ先端部の側方の、前記スピル孔(25b)から燃料を逃がしながら、低い噴射圧力で燃料を噴射し始め、長い時間をかけて前記燃料噴射ノズル(45)へ圧送し、噴射圧力を緩やかに上昇させ、燃焼室内圧力の上昇を緩やかにするので、燃料噴射ポンプの製造コストや占領スペースを抑えつつ、クランク角度等に応じた燃料の流量変化を行なうことができるため、着火遅れ期間中の燃料噴射量を少なくさせることができる。その結果、通常の電子制御式燃料噴射ポンプを使用する場合に比べてNOx濃度を減少させることができる。また、燃焼室内の急激燃焼を抑制することができるため、ディーゼルノック等の燃焼音を低減させることができる。
また、燃料の噴射タイミングがNOx及び燃焼音に与える影響が小さい(着火遅れが短い)とき、即ちエンジンにかかる負荷が大きいときに、電磁弁の開閉タイミングを遅くして、逆に燃料の噴射タイミングがNOx及び燃焼音に与える影響が大きい(着火遅れが長い)とき、即ちエンジンにかかる負荷が小さいときには、電磁弁の開閉タイミングを早くすることにより、着火遅れ期間に噴射される燃料を少なくして、NOx濃度の減少及び燃焼音の低減を行なうことが可能となる。
請求項2においては、請求項1記載の電子制御式燃料噴射ポンプにおいて、前記プランジャ(20)に段差(20b)を設けて、プランジャ先端部(20a)の径を、プランジャ中下部の径よりも小さく構成したので、電子制御式燃料噴射ポンプの加工コストを抑えつつ、容易に前記クランク角度等に応じた燃料の流量変化を為しえる。
請求項3においては、請求項1記載の電子制御式燃料噴射ポンプにおいて、前記プランジャ(21)のプランジャ先端部(21a)をテーパ面(21a)に形成したので、電子制御式燃料噴射ポンプの加工コストを抑えつつ、容易に前記クランク角度等に応じた燃料の流量変化を為しえる。また、徐々にスピル孔に流れる燃料を減少させることができるため、燃焼室内の圧力上昇をより緩やかなものにすることができる。
請求項4においては、請求項1記載の電子制御式燃料噴射ポンプにおいて、前記プランジャ(22)のプランジャ先端部(22a)に、該プランジャ先端面から前記スピル孔(25b)に達するサブポートを構成し、該サブポートは、連通する縦きり穴(22b)と横きり穴(22c)と凹部(22d)とを、該プランジャ先端部(22a)内に穿設して構成したので、電子制御式燃料噴射ポンプの加工コストを抑えつつ、容易に前記クランク角度等に応じた燃料の流量変化を為しえる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の電子制御式燃料噴射ポンプ1を示す側面断面図、図2はプランジャ20の第1の実施例を示す側面断面図とその噴射圧力を示した図、図3は従来の電子制御式燃料噴射ポンプと本発明の電子制御式燃料噴射ポンプとの噴射圧力を示した図、図4は従来の電子制御式燃料噴射ポンプ1を使用した場合の燃焼室内圧力と噴射圧力を示した図、図5は本発明の電子制御式燃料噴射ポンプを使用した場合の燃焼室内圧力と噴射圧力を示した図、図6はエンジンの負荷に応じて電磁弁2の開閉タイミングを制御した場合の噴射圧力を示した図、図7は燃費とNOx排出濃度との関係を示した図、図8はエンジン負荷率と燃焼騒音との関係を示した図、図9はプランジャ21の第2の実施例を示した側面断面図とその噴射圧力を示した図、図10はプランジャ22の第3の実施例を示した側面断面図とその噴射圧力を示した図である。
本発明の電子制御式燃料噴射ポンプの実施例として、燃料圧室25aより下流側に電磁弁2を具備した燃料噴射ポンプ1について説明する。図1に示すように、本発明の燃料噴射ポンプ1は、電磁弁2の動作によって、後述する燃料噴射ノズル45へ燃料の圧送のON・OFFを制御するものであり、いわゆる電子制御式燃料噴射ポンプと呼ばれるものである。そして、エンジンの燃焼室数と同じ数の燃料噴射ポンプ1・1・・・を配設して使用するものである。
本実施例の、電子制御式燃料噴射ポンプ1は、プランジャバレル25や、該プランジャバレル25に形成された燃料圧室25aに摺動自在に挿入されるプランジャ20や、プランジャバレル25を支持するハウジング30や、プランジャバレル25の上方(下流側)に配設される電磁弁2(開閉弁4a)等から構成されるものである。そして、該燃料噴射ポンプ1には、該燃料圧室25a内に燃料を供給する供給路25e、燃料圧室25aから燃料を排出するスピル孔25bやスピルポート30a、燃料圧室25aの燃料を燃料噴射ノズル45へ向けて排出するための排出孔25cや排出ポート2a等が形成されている。
プランジャバレル25は、中空形状に形成されており、該中空部分が燃料圧室25aとなって、該燃料圧室25aに下方からプランジャ20が摺動自在に挿入される。詳しくは、プランジャバレル25の平面視略中央部に、中部から下面にかけて燃料圧室25aが形成されて、該燃料圧室25aの上端からプランジャバレル25の上面にかけて該燃料圧室25aより小径の排出孔25cが穿設されている。そして、燃料圧室25aの側面には、燃料圧室25aからプランジャバレル25の外部まで、スピル孔25bが穿設されている。
詳しくは、該スピル孔25bは、後述するプランジャ20が最下位置にあるときの該プランジャの段差20bより高い位置、且つプランジャ20が最上位置にあるときの該プランジャ20の段差20bより低い位置に形成されるものである。換言すれば、プランジャバレル25の燃料圧室25a側壁の、後述するプランジャ先端部20aが上下摺動する範囲の高さ位置に、スピル孔25bが形成される。
プランジャバレル25は、上部にフランジ25dが形成されており、該フランジ25d下面と後述するハウジング30の上面をピン等で位置決めし、ボルトで固定することによって、ハウジング30に上方から支持、固定されている。そして、プランジャバレル25の上面には、同じくピン等によって電磁弁2が載置、固定されている。
電磁弁2は、プランジャバレル25の上面(下流側)に固設されるものであり、前記排出孔25cの外側端部に連通するように、排出ポート2aが形成されている。そして、該排出ポート2aと直交するように電磁弁2のスプール4と、その先に開閉弁4aが配設され、該スプール4の摺動によって前記排出孔25cと供給路25eとの連通がON・OFFされるように構成されている。つまり、電磁弁2の開閉動作により、供給路25eの開閉を行い、燃料噴射ポンプ1から燃料噴射ノズル45への燃料の圧送を開始したり、終了したりする構成となっている。
ハウジング30は、平面視略中央部に前記プランジャバレル25の中下部が挿入されるための中空部が形成された略筒状の部材であり、プランジャバレル25の中下部を覆うようにして、プランジャバレル25の下方に配設されるものである。詳しくは、ハウジング30の上面に、プランジャバレル25のフランジ25dが固設されるものである。ハウジング30の側壁には、前記プランジャバレル25のスピル孔25bと連通するスピルポート30aが形成されている。
図1及び図2に示すように、プランジャ20は、前記プランジャバレル25の燃料圧室25aに上下方向摺動自在に挿入されるものであり、先端部(上端部)20aの径が、中部や下部の径より小径に形成されている。本実施例においては、図1及び図2に示すように、プランジャ20の上部外周に段差20bを形成することによって、先端部20aの径を、他の部分に比べて小径に構成している。本発明のプランジャ20は、通常のプランジャよりも長めに形成されており、例えば、プランジャ20の段差20b以下の長さが従来のプランジャの長さと同程度になるように形成されている。
次に、本実施例の電子制御式燃料噴射ポンプ1の使用方法について説明する。図1に示すように、プランジャ20が下降している間は、電磁弁2(開閉弁4a)が開けられて、燃料圧室25a内が負圧となり、図示しない燃料ギャラリから配給管6を通って供給路25eより燃料圧室25a内に燃料が吸入される。
そして、カム55が回動して、プランジャ20が上昇を始めると、燃料圧室25a内の燃料がスピルポート30aへ排出され始める。プランジャ先端部20aの高さがスピル孔25bの高さに到達すると、プランジャ先端部20aに阻まれて、燃料圧室25a内からスピルポート30aへの送油量は減少する(図2参照)。この状態において、電磁弁2(開閉弁4a)が閉じられると、配給管6と燃料圧室25aとは遮断され、該燃料圧室25a内の燃料は排出孔25c・排出ポート2a・油路7を通って、燃料噴射ノズル45へ圧送されはじめる。本発明のプランジャ20は、従来のプランジャよりも長く形成されているため、従来のプランジャを使用している場合よりも電磁弁2が閉じられるタイミングが早く設定されている。
燃料噴射ノズル45への燃料の圧送量は、燃料圧室25a内の圧力に応じて増加するが、プランジャ20の段差20bがスピル孔25bの高さよりも低い位置にあるときには、燃料圧室25aの燃料がスピルポート30aへも逃げるため、燃料圧室25a内の圧力及び燃料噴射ノズル45による噴射圧力が急激に上昇することがない。そして、プランジャ20に形成された段差20bがスピル孔25bの高さよりも高い位置に到達すると、燃料圧室25aの燃料はスピルポート30aへ逃げることが出来なくなり、燃料圧室25aの燃料が全て排出ポート2aから排出されて燃料噴射ノズル45にて噴射されるため、従来のプランジャ20を使用した場合と略同様の噴射圧力に達する。
つまり、本発明の燃料噴射ポンプ1においては、従来に比べて早めに電磁弁2を閉じることにより、図3に示すように、燃料噴射ノズル45において低い噴射圧力で燃料を噴射し始め、プランジャ20の段差20bの高さがスピル孔25bに到達すると、通常のプランジャ20と略同様の噴射圧力で燃料を噴射する構成となっている。より詳しくは、通常のプランジャ20を使用した場合は、図4(b)に示すように電磁弁2が閉じると急激に噴射圧力が上昇し、その結果、図4(a)に示すように燃焼室内において急激燃焼が行なわれるが、本発明のプランジャ20においては、電磁弁2が閉じてもプランジャ先端部20aの側方から燃料が逃げる構成とできるため、図5(b)に示すように噴射圧力が緩やかに上昇し、その結果、図5(a)に示すように燃焼室内の圧力上昇が緩やかなものとなる。圧力上昇が緩やかになることによって、燃焼音も低減する。
そして、本発明の電子制御式燃料噴射ポンプ1においては、図6に示すように、電磁弁2を閉じるタイミングを変化させることによって、噴射圧力の上昇タイミングを自由に変化させることができる。すなわち、アイドリング時のように、エンジンにかかる負荷が小さいときには、燃焼室の温度が上がり難いため、電磁弁2を早めに閉じて、長い時間をかけてプランジャ先端部20a側方から燃料を逃がしながら燃焼室内へ燃料噴射を行なう。これによって、着火遅れや失火を防ぐことができるため、スピル孔25bを完全に閉じた状態の燃料噴射を遅延させることができ、NOxの排出濃度を低減させることができる。
詳しくは、図6に示すように、エンジン負荷率が小さいとき、即ち電磁弁2を閉じるタイミングを早くした場合には、スピル孔25bを完全に閉じた状態の燃料噴射量は少なくなるため、最大噴射圧力は小さくなる。
このように、プランジャ20・21・22とプランジャバレル25との間に燃料圧室25aを形成し、該燃料圧室25aに連通する油路2aに電磁弁2を具備して、該プランジャ20・21・22の往復運動によって、燃料ギャラリから該燃料圧室25aに燃料を吸い込んで、該燃料を燃料噴射ノズル45へと圧送する電子制御式燃料噴射ポンプ1であって、該プランジャバレル25にスピル孔25bを穿設し、該プランジャ先端部20a・21a・22aの断面積を、該プランジャ20・21・22中下部の断面積よりも小さく構成し、該プランジャ先端部20a・21a・22aが通過する位置の側方に該スピル孔25bを穿設したので、燃料噴射ポンプ1の製造コストや占領スペースを抑えつつ、クランク角度等に応じた燃料の流量変化を行なうことができるため、着火遅れ期間中の燃料噴射量を少なくさせることができる。その結果、図7に示すように通常の電子制御式燃料噴射ポンプを使用する場合に比べてNOx濃度を減少させることができる。また、燃焼室内の急激燃焼を抑制することができるため、図8に示すようにディーゼルノック等の燃焼音を低減させることができる。
また、前記プランジャ20に段差20bを設けて、プランジャ先端部20aの径を、プランジャ20中下部の径よりも小さく構成したので、燃料噴射ポンプ1の加工コストを抑えつつ、容易に前記クランク角度等に応じた燃料の流量変化を為しえる。
エンジンにかかる負荷に応じて、前記電磁弁2の開閉タイミングを変化させるので、燃料の噴射タイミングがNOx及び燃焼音に与える影響が小さい(着火遅れが短い)とき、即ちエンジンにかかる負荷が大きいときに、電磁弁2の開閉タイミングを遅くして、逆に燃料の噴射タイミングがNOx及び燃焼音に与える影響が大きい(着火遅れが長い)とき、即ちエンジンにかかる負荷が小さいときには、電磁弁2の開閉タイミングを早くすることにより、着火遅れ期間に噴射される燃料を少なくして、NOx濃度の減少及び燃焼音の低減を行なうことが可能となる。
以上に述べたように、プランジャ20の形状については、プランジャ先端部20aの断面積が、該プランジャ20中下部の断面積よりも小さくなるように構成すれば良く、限定するものではない。つまり、プランジャ先端部20a側面のスピル孔25b側を切り欠く等して、該切欠部を通ってスピル孔25bから燃料が逃げられる構成であれば良い。
例えば、図9に示すように、プランジャ21の上部(先端部)21aの外周をテーパ形状としても良い。詳しくは、プランジャ21の上部外周にテーパ面21bを形成し、テーパ面21bとスピル孔25bの高さが重なっているときには、燃料圧室25aの燃料がスピル孔25bから燃料ギャラリ50へ逃げることが可能な構成とする。このように、前記プランジャ先端部21aをテーパ状に形成したので、燃料噴射ポンプ1の加工コストを抑えつつ、容易に前記クランク角度等に応じた燃料の流量変化を為しえる。また、徐々にスピル孔25bに流れる燃料を減少させることができるため、図9に示すように燃焼室内の圧力上昇をより緩やかなものにすることができる。
また、図10に示すように、プランジャ22の先端面から下方へ向けて縦きり穴22bを穿設し、該プランジャ22のスピル孔25b側から該縦きり穴22bに連通する横きり穴22cを穿設しても良い。プランジャ22側面の該横きり穴22cの出口付近には、凹部22dを形成し、プランジャ22がある程度摺動しても、きり穴22b・22cがスピル孔25bと連通している構成としている。即ち、縦きり穴22bと横きり穴22cと凹部22dとによって、プランジャ先端部22a内にサブポートを形成するのである。このように、前記プランジャ先端部22aに、該プランジャ先端面から前記スピル孔25bに達するサブポート22b・22c・22dを穿設したので、燃料噴射ポンプ1の加工コストを抑えつつ、容易に前記クランク角度等に応じた燃料の流量変化を為しえる。
本発明の電子制御式燃料噴射ポンプ1を示す側面断面図。 (a)プランジャ20の第1の実施例を示す側面断面図。(b)噴射圧力を示した図。 (a)従来の電子制御式燃料噴射ポンプの噴射圧力を示した図。(b)本発明の電子制御式燃料噴射ポンプの噴射圧力を示した図。 (a)従来の電子制御式燃料噴射ポンプ1を使用した場合の燃焼室内圧力を示した図。(b)同じく噴射圧力を示した図。 (a)本発明の電子制御式燃料噴射ポンプを使用した場合の燃焼室内圧力を示した図。(b)同じく噴射圧力を示した図。 エンジンの負荷に応じて電磁弁2の開閉タイミングを制御した場合の噴射圧力を示した図。 燃費とNOx排出濃度との関係を示した図。 エンジン負荷率と燃焼騒音との関係を示した図。 (a)プランジャ21の第2の実施例を示した側面断面図。(a)噴射圧力を示した図。 (a)プランジャ22の第3の実施例を示した側面断面図。(b)噴射圧力を示した図。
1 電子制御式燃料噴射ポンプ
2 電磁弁
20・21・22 プランジャ
20a・21a・22a プランジャ先端部
20b 段差
21b テーパ面
22b・22c・22d サブポート(縦・横きり穴・凹部)
25 プランジャバレル
25a 燃料圧室
25b スピル孔

Claims (4)

  1. プランジャとプランジャバレル(25)との間に燃料圧室(25a)を形成し、該燃料圧室(25a)に連通する油路に電磁弁(2)を具備して、該プランジャの往復運動によって、燃料ギャラリから該燃料圧室(25a)に燃料を吸い込んで、該燃料を燃料噴射ノズル(45)へと圧送する電子制御式燃料噴射ポンプ(1)であって、該プランジャ先端部の断面積を、該プランジャ中下部の断面積よりも小さく構成し、該プランジャ先端部が通過する位置の側方の、該プランジャバレル(25)にスピル孔(25b)を穿設し、エンジンにかかる負荷に応じて、前記電磁弁(2)の開閉タイミングを自由に変化させて制御すると同時に、アイドリング時等の、エンジンにかかる負荷が小さいときには、燃焼室の温度が上がり難いため、該電磁弁(2)を閉じるタイミングを早めに制御することにより、噴射圧力の上昇タイミングを制御し、プランジャ先端部の側方の、前記スピル孔(25b)から燃料を逃がしながら、低い噴射圧力で燃料を噴射し始め、長い時間をかけて前記燃料噴射ノズル(45)へ圧送し、噴射圧力を緩やかに上昇させ、燃焼室内圧力の上昇を緩やかにすることを特徴とする電子制御式燃料噴射ポンプ。
  2. 請求項1記載の電子制御式燃料噴射ポンプにおいて、前記プランジャ(20)に段差(20b)を設けて、プランジャ先端部(20a)の径を、プランジャ中下部の径よりも小さく構成したことを特徴とする電子制御式燃料噴射ポンプ。
  3. 請求項1記載の電子制御式燃料噴射ポンプにおいて、前記プランジャ(21)のプランジャ先端部(21a)をテーパ面(21a)に形成したことを特徴とする電子制御式燃料噴射ポンプ。
  4. 請求項1に記載の電子制御式燃料噴射ポンプにおいて、前記プランジャ(22)のプランジャ先端部(22a)に、該プランジャ先端面から前記スピル孔(25b)に達するサブポートを構成し、該サブポートは、連通する縦きり穴(22b)と横きり穴(22c)と凹部(22d)とを、該プランジャ先端部(22a)内に穿設して構成したことを特徴とする電子制御式燃料噴射ポンプ。
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