JP4362157B2 - 繊維状、紐状異物を含む汚水汚物中で使用されるボルテックス型遠心ポンプにおける羽根車入口部の閉塞防止装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の技術分野】
本発明は、繊維状、紐状異物を含む汚水汚物中で使用されるボルテックス型遠心ポンプにおける羽根車入口部の閉塞防止装置に関するものである。
【０００２】
【従来技術とその問題点】
汚水汚物中での使用を目的としたボルテックス型遠心ポンプでは図３に示よう、サクションカバー上面１０４と羽根板下縁１０３との間の間隔Ｓが広く形成されているため、塊体の通過は容易である。しかし羽根車１０１の入口部１０６の構造については清水中で使用される通常の遠心ポンプと何ら異なるところがないため、汚水汚物中に混在している繊維状、紐状の異物が羽根車１０１の入口部１０６の羽根板内縁１０８や羽根車締着部材１２０等に絡み付き、それが次第に増大して入口部１０６全体を閉塞し、揚水不能や過負荷運転状態を惹起することが屡であり、閉塞解除のため手数の掛る清掃作業を頻繁に実施しなければならない。また、ポンプ機場の補機設備として、予め揚液中の異物を除去するためのスクリーン装置を設置することもあるが、その場合にはその設備費や、それを駆動させるための動力費等のランニングコストが別途必要となる。
【０００３】
【発明の目的】
本発明の目的は、ボルテックス型遠心ポンプの汚水汚物中での使用時における繊維状、紐状異物の絡み付きによる羽根車入口部の閉塞を防止するための装置を提供することにある。
【０００４】
【発明の構成】
本発明に係る繊維状、紐状異物を含む汚水汚物中で使用されるボルテックス型遠心ポンプにおける羽根車入口部の閉塞防止装置では、羽根車の入口部を遮蔽するようバッフルプレートの周辺部を羽根板内縁の下方部と連接状に架設させて、該バッフルプレートの周辺部下面を羽根車の羽根板下縁とツライチ状に中央部を緩やかに下方へ打ち出されたコーン状に形成の該バッフルプレートを羽根車の入口部内周の羽根板内縁に装着させた。
【０００５】
【実施例】
以下実施例の図面により説明をする。
【０００６】
１はポンプ軸２の導下部に装着された羽根車で、塊体状固形物の通過性を良好にするため、羽根板下縁３・・・・３とサクションカバー上面４との間の間隔Ｓを広く保有させた態様でポンプケーシング５内に収容されており、入口部６はバッフルプレート７で遮蔽されるよう、バッフルプレート７の周辺部を各羽根板内縁８・・・・８の下方部と連接状に架設する。バッフルプレート７の下面はフラットに形成されてもよいが、図１に見られるよう該バッフルプレート７の周辺部下面を羽根車１の羽根板下縁３・・・・３とツライチ状に中央部を緩やかに下方へ打ち出されたコーン状に形成の該バッフルプレート７を羽根車１の入口部６内周の各羽根板内縁８・・・・８に装着する。
【０００７】
ボルテックス型遠心ポンプの駆動時において、ポンプ吸込口９から流入する汚水汚物は羽根車１と同一の回転方向に旋回しながら、バッフルプレート７の周辺部から羽根板１０・・・・１０間に導入せられ、ポンプ吐出口１１から吐出導管（図示せず）を通って排出される。即ち、バッフルプレート７が存在することにより、汚水汚物は羽根車１の入口部６を経由することなく羽根板１０・・・・１０間に導入されるため、汚水汚物中に混在している繊維状、紐状の異物が締着部材や羽根板内縁８に絡み付くことはない。
【０００８】
【発明の効果】
本発明では、簡潔な付加構成により、揚水性能を左程低下させることなく、繊維状、紐状異物の絡み付きによる羽根車入口部の閉塞を防止することができ、従来のように手数の掛る清掃作業が不要となり、また、スクリーン装置等の補機設備も必要がなくなるため、設備費およびランニングコストを軽減し得るという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明装置を施したボルテックス型遠心ポンプの要部縦断側面図である。
【図２】図１における羽根車の下方から見た底面図である。
【図３】従来のボルテックス型遠心ポンプの要部縦断側面図である。
【符号の説明】
１ 羽根車
３ 羽根板下縁
６ 羽根車の入口部
７ バッフルプレート
８ 羽根板内縁

Claims (1)

1. 羽根車の入口部を遮蔽するようバッフルプレートの周辺部を羽根板内縁の下方部と連接状に架設させて、該バッフルプレートの周辺部下面を羽根車の羽根板下縁とツライチ状に中央部を緩やかに下方へ打ち出されたコーン状に形成の該バッフルプレートを羽根車の入口部内周の羽根板内縁に装着させたことを特徴とする、繊維状、紐状異物を含む汚水汚物中で使用されるボルテックス型遠心ポンプにおける羽根車入口部の閉塞防止装置。

Images