JP4326615B2 - 繊維状、紐状異物を含む汚水汚物中で使用されるボルテックス型遠心ポンプにおける羽根車入口部の閉塞防止装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の技術分野】
繊維状、紐状異物を含む汚水汚物中で使用されるボルテックス型遠心ポンプにおける羽根車入口部の閉塞防止装置に関するものである。
【０００２】
【従来技術とその問題点】
汚水汚物中での使用を目的としたボルテックス型遠心ポンプでは図８に示よう、サクションカバー上面１０４と羽根板下縁１０３との間の間隔Ｓが広く形成されているため、塊体の通過は容易である。しかし羽根車１０１の入口部１１１の構造については清水中で使用される通常の遠心ポンプと何ら異なるところがないため、汚水汚物中に混在している繊維状、紐状の異物が羽根車１０１の入口部１１１の羽根板内縁１１５や羽根車締着部材１０６等に絡み付き、それが次第に増大して入口部１１１全体を閉塞し、揚水不能や過負荷運転状態を惹起することが屡であり、閉塞解除のため手数の掛る清掃作業を頻繁に実施しなければならない。また、ポンプ機場の補機設備として、予め揚液中の異物を除去するためのスクリーン装置を設置することもあるが、その場合にはその設備費や、それを駆動させるための動力費等のランニングコストが別途必要となる。
【０００３】
【発明の目的】
本発明の目的は、ボルテックス型遠心ポンプの汚水汚物中での使用時における繊維状、紐状異物の絡み付きによる羽根車入口部の閉塞を防止するための装置を提供することにある。
【０００４】
【発明の構成】
本発明に係るボルテックス型遠心ポンプにおける羽根車入口部の閉塞防止装置では、外径が羽根車の入口径とほぼ一致するバッフルプレートを後記螺合接続体の下方に嵌着させ、下端部が締付操作部に形成された螺合接続体の上端部をポンプ軸の下端部へ螺合構造により接続させて、該バッフルプレートはその下面が羽根車の羽根板下縁とツライチ状に羽根車の入口部内周に装着されて、羽根車の入口部がバッフルプレートにより遮蔽されるよう構成した。
【０００５】
【実施例】
以下実施例の図面により説明をする。
【０００６】
１はポンプ軸２の導下部に装着された羽根車で、塊体状固形物の通過性を良好にするため、羽根板下縁３とサクションカバー上面４との間の間隔Ｓを広く保有させた態様でポンプケーシング５内に収容されている。６は下端部が締付操作部に形成され上端部がポンプ軸２の下端部へ螺合構造により接続される螺合接続体であり、締付操作部の形成態様としては図１〜図６に示すよう螺合接続体６の下端部外周を六角等の角頭７Ｐに形成し、或いは図７に示すよう螺合接続体６の下端面に六角等の角穴７Ｎを穿設してもよい。また、螺合接続体６の上端部とポンプ軸２の下端部との螺合構造としては図１および図２に示すよう螺合接続体６の上端面から穿設された雌ネジ８Ｎとポンプ軸２の下端部外周に刻設された雄ネジ９Ｐとを螺合させ、或いは図４および図５に示すよう螺合接続体６の上端部外周に刻設された雄ネジ８Ｐとポンプ軸２の下端面から穿設された雌ネジ９Ｎとを螺合させるという態様でもよい。１０は外径が羽根車１の入口径とほぼ一致するように形成されたバッフルプレートで、螺合接続体６の下方部に嵌着されている。
【０００７】
締付操作部を締付方向に回動操作して螺合接続体６の上端部をポンプ軸２の下端部へ螺合構造により接続させれば、バッフルプレート１０はその下面が羽根車１の羽根板下縁３とツライチ状に羽根車１の入口部１１内周に装着されて羽根車１の入口部１１を遮蔽する。
【０００８】
ボルテックス型遠心ポンプの駆動時において、ポンプ吸込口１２から流入する汚水汚物は羽根車１と同一の回転方向に旋回しながら、バッフルプレート１０の周辺部から羽根板１３・・・・１３間に導入せられ、ポンプ吐出口１４から吐出導管（図示せず）を通って排出される。即ち、バッフルプレート１０が存在することにより、汚水汚物は羽根車１の入口部１１を経由することなく羽根板１３・・・・１３間に導入されるため、汚水汚物中に混在している繊維状、紐状の異物が螺合接続体６や羽根板内縁１５に絡み付くことはない。
【０００９】
【発明の効果】
本発明では、簡潔な付加構成により、揚水性能を左程低下させることなく、繊維状、紐状異物の絡み付きによる羽根車入口部の閉塞を防止することができ、従来のように手数の掛る清掃作業が不要となり、また、スクリーン装置等の補機設備も必要がなくなるため、設備費およびランニングコストを軽減し得るという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明装置を施したボルテックス型遠心ポンプの要部縦断側面図であって、バッフルプレート装着の手段として螺合接続体の上端面から穿設された雌ネジとポンプ軸下端部外周に刻設された雄ネジとを螺合させた事例を示す。
【図２】図１の事例において使用される螺合接続体とバッフルプレートとの結合状態を示す要部縦断側面図である。
【図３】図２の下方から見た底面図である。
【図４】本発明装置を施したボルテックス型遠心ポンプの要部縦断側面図であって、バッフルプレート装着の手段として螺合接続体の上端部外周に刻設された雄ネジとポンプ軸下端面から穿設された雌ネジとを螺合させた事例を示す。
【図５】図４の事例において使用される螺合接続体とバッフルプレートとの結合状態を示す側面図である。
【図６】図５の下方から見た底面図である。
【図７】他の実施例における螺合接続体とバッフルプレートとの結合状態を示す底面図であって、締付操作部の形成態様として螺合接続体の下端面に六角穴を穿設した事例である。
【図８】従来のボルテックス型遠心ポンプの要部縦断側面図である。
【符号の説明】
１ 羽根車
２ ポンプ軸
３ 羽根板下縁
６ 螺合接続体
１０ バッフルプレート
１１ 羽根車の入口部

Claims (1)

1. 外径が羽根車の入口径とほぼ一致するバッフルプレートを後記螺合接続体の下方部に嵌着させ、下端部が締付操作部に形成された螺合接続体の上端部をポンプ軸の下端部螺合構造により接続させて、該バッフルプレートはその下面が羽根車の羽板下縁とツライチ状に羽根車の入口部内周に装着されて、羽根車の入口部がバッフルプレートにより遮蔽されるように構成したことを特徴とする、繊維状、紐状異物を含む汚水汚物中で使用されるボルテックス型遠心ポンプにおける羽根車入口部の閉塞防止装置

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