JP4361703B2 - 電波サービスエリア評価装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、W―CDMA(広帯域・符号分割多元接続:wideband-code division multiple access)方式を採用した携帯電話等の移動体通信網システムにおける基地局の電波サービスエリアを評価する電波サービスエリア評価装置に係わり、特に、短時間でかつ正確に電波サービスエリアの評価を実施できる電波サービスエリア評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話等の移動体通信網システムにおいては、電話サービス地域内に互いに近接して多数の基地局を設置している。この場合、互いに隣接する基地局の電波の届く範囲を示す各セルは互いにその一部が重複している。このように隣接するセルを重複させることによって、移動局は通話をしながら他セルへ移動したとしても、通信先の基地局が自動的に切り替り、通話が遮断されることはない。
【0003】
よって、電話サービス地域内における各地点において、各基地局からの電波を測定して、該当地点の電波状態を評価することは、新規に基地局を設置したり、設置済みの基地局の維持管理に非常に重要なことである。
【0004】
電話サービス地域内の各地点における電波状態を測定する場合、図6に示すように、測定者は、測定車1に測定装置2を搭載して、複数の基地局3が設置された電話サービス地域内を移動する。そして、移動しながら各地点で各基地局3からの電波4を受信して、各電波4の受信信号レベルを測定して、該当地点における各電波状態を評価する。
【0005】
通信方式として、W―CDMA方式を採用した移動体通信網システムにおいては、各電波4内には図7に示すW―CDMA信号5が含まれる。このW―CDMA信号5においては、1つの周波数帯域内に、それぞれ互いに異なる符号でスペクトラム拡散された共通パイロットチャネル(CPICH)6、同期チャネル(SCH)7、複数のデータチャネル8(CH1〜CHN)、及びその他チャネル9が信号合成された状態で含まれる。
【0006】
共通パイロットチャネル(CPICH)6は、各基地局3を特定する9ビットのプライマリコードと4ビットのセカンダリコードとにより生成された符号(例えばGold符号)によりスペクトラム拡散されている。
【0007】
各基地局3から放出される各電波4に含まれるW−CDMA信号5の各データチャネル8の出力信号レベルは、各チャネル毎に異なるが、共通パイロットチャネル6の各基地局3での出力信号レベルは固定である。したがって、測定装置2においては、受信したW−CDMA信号5に含まれる共通パイロットチャネル6をスペクトラム逆拡散して抽出する。そして、このスペクトラム逆拡散して抽出された共通パイロットチャネル6の信号レベルを検出する。
【0008】
そして、測定者は、測定車1で電話サービス地域内を移動して、各測定地点における各基地局3からの電波4のW−CDMA信号5に含まれるの共通パイロットチャネル6の信号レベルに基づいて各基地局4の電波サービスエリアを評価する。
【0009】
このような測定車1に搭載される測定装置2内には、受信したW−CDMA信号5に含まれる共通パイロットチャネル6をスペクトラム逆拡散する図8に示す同期・逆拡散回路が組込まれている。
【0010】
図8において、受信したW−CDMA信号5はマッチドフィルタ10へ入力される。このスペクトラム拡散された状態のW−CDMA信号5は、図9に示すように、複数のフレーム11で構成されている。そして、各1つのフレーム11は150個のシンボル12で構成されている。そして、1つのフレーム11の伝送所要時間は約10msである。また、1つのシンボル12は256チップ(ビット)で構成されている。したがって、1つのフレーム11は、256×150=38400チップ(ビット)で構成されている。よって、受信したW−CDMA信号5は、1フレーム、38400チップ(ビット)の繰返しである。
【0011】
逆拡符号発生器13には、このW−CDMA信号5から共通パイロットチャネル6をスペクトラム逆拡散して抽出するための38400チップ(ビット)分の逆拡散符号が記憶されている。この38400チップ(ビット)分の逆拡散符号を用いてW−CDMA信号5から共通パイロットチャネル6をスペクトラム逆拡散するのであるが、スペクトラム逆拡散する前に、W−CDMA信号5と逆拡散符号との同期を取る必要がある。
【0012】
マッチドフィルタ10は、逆拡符号発生器13から与えられる逆拡散符号14のパターンと一致するW−CDMA信号5のパターンが入力された時に相関が取れたとし、相関が取れたことを示す情報を出力する。例えば、相関が取れた時大きいレベルの相関信号15を出力する。逆に、逆拡符号発生器13から与えられた逆拡散符号14のパターンと一致しないパターンが入力された時には相関が取れていないとし、相関が取れていないことを示す情報を出力する。例えば、相関が取れていない時小さいレベルの相関信号15を出力する。
【0013】
同期を取る手段として、逆拡符号発生器13からマッチドフィルタ10に任意(例えばフレームの先頭)の1シンボル分の逆拡散符号14を与え、1フレーム間その与えた逆拡散符号14を変更せずに、入力されるW−CDMA信号5と相関を取り、同期検出部17で、マッチドフィルタ10が出力する相関結果(相関信号15)からピーク値を検出する。そのピーク値のタイミングが受信したW−CDMA信号5に含まれる所望の共通パイロットチャネルのフレームの先頭タイミングと特定する。
【0014】
その検出したピークのタイミングから10ms後に再度フレームの先頭の信号を受信できるので、次のタイミングで先頭の1シンボルの逆拡散符号14を与え、1シンボル分の時間経過後、次の1シンボルの逆拡散符号を与え、順次シンボル毎に逆拡散符号14を与え、受信信号(W−CDMA信号5)と相関を取る。
【0015】
逆拡散符号発生器13と所望の共通パイロットチャネル6の同期が取れているため、マッチドフィルタ10が出力する相関信号15には、各シンボル毎に大きなピーク値が出力される。そのピーク値のタイミングで信号レベルを測定し、その測定値に基づき電波サービスエリアを評価する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8に示す同期・逆拡散回路が組込まれた測定装置2においてもまだ解消すべき次のような課題があった。
【0017】
すなわち、基地局3から送信された電波4に雑音が混入されると、この雑音が測定装置2で受信される電波4から得られるW−CDMA信号5に大きな干渉信号として重畳する。このような干渉信号が重畳したW−CDMA信号5を逆拡散符号14で逆拡散するマッチドフィルタ10から出力される相関信号15には、図10(a)に示すように、相関が取れた場合の信号(相関値)の理論位置P(P=1)の周囲にノイズに起因する雑音位置NPが発生する、同様に、相関が取れなかった場合の信号(相関値)の理論位置O(O=0)の周囲にノイズに起因する雑音位置NOが発生する、
この図10(a)からも明らかなように、相関が取れた場合の信号の値が、相関が取れなかった場合の信号の値より小さくくなる場合がある。このような事態になると、マッチドフィルタ10から出力される相関信号15には、図10(b)に示すように、相関結果の信号の信号レベルより、信号レベルが高い雑音(ノイズ)が生じる。
【0018】
その結果、信号レベルが高い雑音(ノイズ)を相関結果の信号と誤判断して、この信号レベルが高い雑音(ノイズ)の発生位置を、W−CDMA信号5に対する同期位置と判断して、同期外れのまま、W−CDMA信号5に対してスペクトラム逆拡散を実施して、共通パイロットチャネル19を抽出する懸念がある。
【0019】
このような場合、W−CDMA信号5に含まれる共通パイロットチャネル6の信号レベルを正しく検出できないので、基地局3の電波サービスエリアを正しく評価できない懸念がある。
【0020】
なお、同期検索期間に逆拡散符号発生器13から出力される逆拡散符号14のチップ(ビット)数を2〜3シンボル分とすれば、相関が取れた場合の信号の信号レベルのS/N比を向上できるが、マッチドフィルタ10における相関演算処理時間が長くなり、測定装置全体の電波の測定作業能率が低下する。また、マッチドフィルタ10のタップ数が倍増するので、測定装置全体の設備費が上昇する。
【0021】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、逆拡散符号発生器から出力される各シンボル単位毎の逆拡散符号を複数シンボル分順次出力することによって、マッチドフィルタから出力される各シンボル単位毎の相関信号に対して統計手法を用いてピーク値を検出でき、マッチドフィルタのタップ数を増加することなく、W−CDMA信号と逆拡散符号との同期を正確にかつ短時間で確立でき、各基地局からの電波強度を正確にかつ短時間で測定でき、各基地局の電波サービスエリアを効率的に評価できる電波サービスエリア評価装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基地局から移動局に対して送信されるW―CDMA信号を受信してその受信信号レベルに基づいて基地局の電波サービスエリアを評価する電波サービスエリア評価装置に適用される。
【0023】
そして、上記課題を解消するために、本発明の電波サービスエリア評価装置においては、受信したW−CDMA信号とタップ長分設定された逆拡散符号で順次逆拡散してタップ長単位の相関信号を順次出力するマッチドフィルタと、W−CDMA信号に含まれるフレーム毎に繰り返し同じパターンを送信されている共通パイロットチャネルをスペクトラム逆拡散するために、マッチドフィルタのタップ長単位毎に逆拡散符号を順次前記マッチドフィルタへ出力する逆拡散符号発生器と、マッチドフィルタから順次出力される相関信号をm回(mは正整数)に亘って積算する波形積算部と、波形積算部で積算された相関信号のピーク値およびそのタイミングを検出するピーク値検出部と、マッチドフィルタから順次出力される相関信号をm回積算した後、逆拡散符号発生器の発生タイミングをずらすタイミング制御部と、タイミング制御部によりn回(nは正整数)ずらし、ピーク検出部から得られるn回分のピーク値を比較し、大きいピーク値とそれに対応するタイミングを保持するピーク値比較部と、あらかじめ定められた回数分処理した結果、ピーク値比較部が出力するピークタイミングに同期させる同期検出部と、同期検出部で同期検出された状態で、W−CDMA信号を逆拡散し、共通パイロットチャネルの信号レベルを測定するレベル検出部と、レベル検出部によって得られた信号レベルに基づいて前記基地局の電波サービスエリアを評価するデータ処理部とを備えている。
【0024】
このように構成された電波サービスエリア評価装置においては、逆拡散符号発生器は、W−CDMA信号に含まれる共通パイロットチャネルをスペクトラム逆変換するための各シンボル単位毎の逆拡散符号を複数シンボルに亘って順次出カする。すなわち、逆拡散符号発生器は、複数シンボル分のW−CDMA信号に対応する複数シンボル分の逆拡散符号を1シンボル単位毎に分割して、順次マッチドフィルタヘ送出する。
【0025】
したがって、マッチドフィルタには、各シンボル単位毎に該当シンボル単位に対応する互いに異なる1シンボル単位分の逆拡散符号が複数シンボルに亘って順次入力される。
【0026】
よって、マッチドフィルタは、複数シンボル分のW−CDMA信号が入カすると、複数シンボルを構成する各1シンボル単位分の時間(チップ数)が経過する毎にこの1シンボル単位分の相関信号が出カされる。1シンボル単位毎の逆拡散符号を接続すれば、複数シンボルのW−CDMA信号に対する全体の逆拡散符号になるので、各シンボル単位の相関信号は理論的に同一値を有するはずである。
【0027】
そして、逆拡散符号発生器から出力される複数シンボル分の逆拡散符号の出力タイミングを複数シンボル毎に順次移動させていく過程で、1シンボル単位分内に同期点が存在すると、全てのシンボル単位内に同期点が存在するはずである。よって、全てのシンボル単位に対応する相関信号にピークが同一同期点に生じるはずである。
【0028】
一方、相関信号に存在するノイズに起因するピークはランダムな時間位置に生じる。したがって、各相関信号を複数シンボルに亘って積算すると、同期点に生じるピークの信号レベルのみが強調され、ノイズに起因するビークの信号レベルは増加しない。したがって、複数シンボルに亘って積算された相関信号のピーク点位置から正確に同期点を検出できる。
【0029】
入力されたW−CDMA信号と逆拡散符号の同期点が検出されると、W−CDMA信号の1フレームの開始タイミングに複数シンボル分(例えば1フレーム分)の逆拡散符号の開始点を一致させて、この複数シンボル分(例えば1フレーム分)の逆拡散符号をマッチドフィルタへ送出する。
【0030】
その結果、マッチドフィルタから、W−CDMA信号の逆拡散信号、すなわち、逆拡散された共通パイロットチャネルが出力される。この共通パイロットチャネルの信号レベルが検出されてデータ処理される。その結果、基地局の電波サービスエリア評価が実施される。
【0031】
また、別の発明は、上述した発明の電波サービスエリア評価装置において、タイミング制御部は、複数シンボル分の逆拡散符号の出力タイミングをシンボル単位分ずつ順次移動させる。
【0032】
さらに、別の発明は、上述した発明の電波サービスエリア評価装置において、タイミング制御部は、複数シンボル分の逆拡散符号の出力タイミングをシンボル単位分より少ない間隔で順次移動させる。
【0033】
このように、複数シンボル分の各シンボル単位毎の相関信号の算出及び積算が終了すると、前記各複数シンボル分の逆拡散符号を、1シシボル単位分ずらせる揚合に、一部オーバーラッブさせることによって、W−CDMA信号の各チップ(ビット)について相関演算もれが生じないようにできる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。
図1は実施形態に係る電波サービスエリア評価装置の概略構成を示すブロック図である。図6、図7、図8、図9に示す、各基地局3、各電波2、この各電波2に含まれるW―CDMA尊号5のフレーム構成と同一部分には同一符号を付して、重複する部分の詳細説明を省略する。
【0035】
図1において、基地局3から送信された各電波4はアンテナ21で受信されてRF(高周波)処理部22へ入力される。RF(高周波)処理部22は、各電波4に含まれる高周波のW―CDMA信号5の周波数を中間周波数に周波数変換するとともに、直交復調して、ベースバンドのW―CDMA信号5としてマッチドフィルタ23へ送出する。
【0036】
W―CDMA信号5内には、図7で説明したように、共通パイロットチャネル(CPICH)6が含まれる。共通パイロットチャネル(CPICH)6は、各基地局3を特定する9ビットのプライマリコードと4ビットのセカンダリコードとにより生成された符号(例えばGold符号)によりスペクトラム拡散されている。
【0037】
さらに、図2に示すように、このW―CDMA信号5の各フレーム11は150個のシンボル12で構成されている。そして、1つのフレーム11の所要時間は10msである。そして、1つのシンボル12は256チップ(ビット)で構成されている。したがって、W―CDMA信号5の1つのフレーム11は、256×150=38400チップ(ビット)で構成されている。
【0038】
逆拡符号発生器24には、このW−CDMA信号5から共通パイロットチャネル6をスペクトラム逆拡散して抽出するための1フレーム11分の38400チップ(ビット)の逆拡散符号が記憶されている。
【0039】
そして、同期検索期間内においては、逆拡符号発生器24は、この1フレーム11分の38400チップ(ビット)の逆拡散符号をシンボル単位に相当する256チップ(ビット)長を有する150個の逆拡散符号25に分割して、このシンボル単位毎の逆拡散符号25を順次マッチドフィルタ23へ印加する。したがって、各逆拡散符号25は自己が対応するシンボル単位に対応してそれぞれ異なる値に設定されている。
【0040】
マッチドフィルタ23は、256個のタップを有し、同期検索期間中に、入力されたW−CDMA信号5に対して、逆拡符号発生器24から256個のタップに一度に印加された1シンボル12分の256チップ(桁)の逆拡散符号25を順次ずらせていって、両者の相関をとり、W−CDMA信号5の各チップ(ビット)位置における相関値を示す相関信号26を出力する。
【0041】
マッチドフィルタ23は、逆拡符号発生器24から1シンボル単位毎の逆拡散符号25が入力される毎に、W−CDMA信号5の該当位置のデータとの前述した相関信号26を算出して出力する。したがって、1フレーム分の150個の逆拡散符号25の取込みが終了した時点においては、図2に示すように、マッチドフィルタ23から150個の相関信号26が連続して出力される。
【0042】
マッチドフィルタ23から順次出力される各相関信号26は、波形積算部27へ入力される。波形積算部27は、順次入力される各相関信号26を1フレーム分、すなわち150個分積算して、積算された相関信号28を次のピーク値検出部29へ送出する。
【0043】
ピーク値検出部29は、積算された相関信号28のピーク値を検出して、次のピーク値比較部30へ送出する。ピーク値比較部30は、今回入力されたピーク値と、最大ピーク値メモリ31に記憶されている前回までの最大ピーク値と比較して、今回入力されたピーク値が前回までの最大ピーク値より大きい場合は、ピーク値更新部32へ今回のピーク値を送信する。ピーク値更新部32は、最大ピーク値メモリ31に記憶されている前回までの最大ピーク値を今回のピーク値で更新する。
【0044】
したがって、最大ピーク値メモリ31には、1フレーム分の150個の逆拡散符号25の相関処置が終了する毎に、出力される各積算された相関信号28のピーク値における最大ピーク値が記憶されている。
【0045】
同期検出部33は、最大ピーク値メモリ31に記憶されている最大ピーク値が予め定められた規定値(しきい値)以上になると、入力されたW−CDMA信号5と逆拡散符号との間の同期が取れたと判断し、この積算された相関信号28におけるピーク位置を入力されたW−CDMA信号5の各シンボル12の開始タイミング位置と特定する。そして、これらの同期確立信号と各シンボル12の開始タイミング位置とを、タイミング制御部34、マッチドフィルタ23、及びレベル検出部35へ送出する。
【0046】
前記ピーク値検出部30は、ピーク値の比較処理が終了すると、比較処理終了信号をタイミング制御部34へ送信する。
タイミング制御部34は、ピーク値比較部30から比較処理を入力すると、同期確立信号が入力していない条件において、図2に示すように、逆拡散符号発生部24からマッチドフィルタ23へ送出する1フレーム分の150個の各シンボル単位毎の逆拡散符号25の出力タイミングを、1シンボル単位分、すなわち、256チップ(ビット)だけ遅らす(移動させる)。
【0047】
マッチドフィルタ23は、この出力タイミングが1シンボル単位分だけ遅れた150個の各シンボル単位毎の各逆拡散符号25に対する各相関信号26を順次出力する。波形積算部27は、出力タイミングが1シンボル単位分だけ遅れた150個の相関信号26を積算する。ピーク値検出部29は、出力タイミングが1シンボル単位分だけ遅れた積算後の相関信号28のピーク値を検出する。そして、ピーク値比較部30は、今回のピーク値と前回までの最大ピーク値とを比較する。
【0048】
このように、タイミング制御部34は、同期確立信号が入力していない条件において、図2に示すように、逆拡散符号発生器24からマッチドフィルタ23へ送出する1フレーム分の150個の各シンボル単位毎の逆拡散符号25の出力タイミングを、1シンボル単位分、すなわち、256チップ(ビット)だけ順次遅らせていく。
【0049】
そして、図2の最下段に示すように、1シンボル単位分内に同期点が存在すると、全てのシンボル単位内に同期点が存在するはずである。よって、全てのシンボル単位に対応する相関信号26に相関値[1]に対応する信号レベル(ピーク値)を有したピーク36が同一のピーク位置に生じる。したがって、波形積算部27から出力される、150個の相関信号26を積算した積算後の相関信号28にも同一ピーク位置により大きなピーク37が生じる。
【0050】
この大きなピーク37のピーク値(信号レベル)とピーク位置は最大ピーク値メモリ31に書込まれる。この値に基づいて、同期検出部33は、同期確立信号と各シンボル12の開始タイミング位置とを、タイミング制御部34、マッチドフィルタ23、及びレベル検出部35へ送出する。
【0051】
同期確立信号と各シンボル12の開始タイミング位置とを受信したタイミング制御部34は、逆拡散符号発生器24に対して、この同期確立信号が出力された状態における、先頭の逆拡散符号25の先頭位置を、W−CDMA信号5の現在時点で対応しているシンボル12の開始タイミング位置に合わせて、1フレーム分である38400チップ(ビット)分の逆拡散符号をマッチドフィルタ23へ順次送出させる。
【0052】
その結果、マッチドフィルタ23へ入力されるW−CDMA信号5と、1フレーム分の逆拡散符号とは完全に同期が取れている。したがって、マッチドフィルタ23は、受信したW−CDMA信号5を逆拡散符号発生器24からの1フレーム分の逆拡散符号でスペクトラム逆拡散を実施し、逆拡散信号としての共通パイロットチャネル38を出力する。
【0053】
同期検出部33から同期確立信号を受信したレベル検出部35は、マッチドフィルタ23でスペクトラム逆拡散された共通パイロットチャネル38の信号レベルを検出して、データ処理部39へ送出する。データ処理部39は、共通パイロットチャネル38の信号レベルを基地局3からの電波4の受信信号レベルとして、この受信信号レベルに基づいて、基地局3の電波サービスエリアを評価してその評価結果を表示器40に表示出力する。具体的には、電話サービス地域内の各地点における基地局3からの電波4の受信信号レベルを測定して表示する。
【0054】
このように構成された電波サービスエリア評価装置においては、図2に示すように、同期検索期間内においては、逆拡符号発生器24は、この1フレーム11分の38400チップ(ビット)の逆拡散符号をシンボル単位に相当する256チップ(ビット)長を有する150個の逆拡散符号25に分割して、分割した各シンボル単位毎の逆拡散符号25を順次マッチドフィルタ23へ印加する。そして、マッチドフィルタ23から順次出力される各相関信号26を、波形積算部27で順次積算して相関信号28を得る。
【0055】
各相関信号26に存在するノイズに起因するピークはランダムな時間位置に生じる。したがって、各相関信号26を複数シンボル(例えば1フレーム)に亘って積算すると、正しい同期点に生じるピーク37の信号レベルみが強調され、ノイズに起因するピークの信号レベルは増加しない。したがって、複数シンボル(例えば1フレーム)に亘って積算された相関信号28のピーク点位置からから正確に同期点を検出できる。
【0056】
よって、相関信号26のS/N比を大幅に向上させる必要がないので、マッチドフィルタ23のタップ数(一度に印加する逆拡散符号のチップ数;実施形態では256)を増加する必要がない。したがって、設備費を増加することなく、短時間で、各相関信号26を算出できる。
【0057】
このように、たとえ受信されたW―CDMA信号5に高いレベルの雑音が重畳されていたとしても、このW―CDMA信号5と逆拡散符号との同期を正確にかつ短時間で取ることができる。また、設備費を増加する必要がない。
【0058】
図3は、波形積算部27における各相関信号26を積算する場合における積算回数と積算された相関信号28におけるS/N比の改善比との関係を示す図である。積算回数の増加に伴ってS/N比の改善比が上昇することが理解できる。さらに、積算手法として、ベクトル積算を採用した方がパワー積算を採用した方よりS/N比の改善比が高いことが理解できる。
【0059】
なお、本発明は上述した実施形態の電波サービスエリア評価装置に限定されるものではない。
同期検出部33は、ピーク値検出部29で検出された積算後の相関信号28のピーク値を監視して、このピーク値から同期が成立したか否かを判定してもよい。
【0060】
さらに、図4に示すように、タイミング制御部34は、逆拡散符号発生器24から1フレーム分の150個の各逆拡散符号25のマッチドフィルタ23へ送出する出力タイミングを、正確に1シンボル単位分(256チップ)ずらせるのではなくて、1シンボル単位分(256チップ)より10チップ少ない間隔(例えば246チップ)だけずらせることも可能である。
【0061】
図4においては、2回目は1回目に対して、10チップ少ない246チップの間隔だけずらせているので、2回目の先頭の逆拡散符号25には、3830〜245のデータが書込まれる。その結果、W―CDMA信号5の各逆拡散符号25の境目近傍に位置する各チップ(ビット)に対して、逆拡散符号25が2回目と1回目とで重複(オーバーラップ)して印加される。
【0062】
したがって、図5に示すように、この電波サービスエリア評価装置に組込まれたクロック発信器のクロック周期の誤差に起因して、受信したW―CDMA信号5の1フレーム11の継続時間(10ms)に比較して、逆拡散符号発生器24から出力される1フレーム分の逆拡散符号25の継続時間が微少時間Δtだけ短かったとしても、W−CDMA信号5の各チップ(ビット)について相関演算もれが生じることを未然に防止できる。よって、電波サービスエリア評価装置全体の信頼性をさらに向上できる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電波サービスエリア評価装置においては、逆拡散符号発生器から出力される各シンボル単位毎の逆拡散符号を複数シンボルに亘って順次出力して、マッチドフィルタから出力される各シンボル単位毎の相関信号を積算している。
【0064】
したがって、統計手法を用いて同期タイミングを求めるためのピーク値及びピーク位置を検出でき、マッチドフィルタのタップ数を増加することなく、W−CDMA信号と逆拡散符号との同期を正確にかつ短時間で確立でき、各基地局からの電波強度を正確にかつ短時間で測定でき、各基地局の電波サービスエリアを効率的に評価できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる電波サービスエリア評価装置の概略構成を示すブロック図
【図2】同実施形態電波サービスエリア評価装置における受信したW−CDMA信号と逆拡散符号発生器から出力される各逆拡散符号との期間関係を示す図
【図3】同実施形態電波サービスエリア評価装置における相関信号の積算回数とS/N改善比との関係を示す図
【図4】本発明の他の実施形態に係わる電波サービスエリア評価装置における受信したW−CDMA信号と逆拡散符号発生器から出力される各逆拡散符号との期間関係を示す図
【図5】同じく、本発明の他の実施形態に係わる電波サービスエリア評価装置における受信したW−CDMA信号と逆拡散符号発生器から出力される各逆拡散符号との期間関係を示す図
【図6】一般的な電話サービス地域における各地点の電波状態の測定を示す模式図
【図7】電波に組込まれたW―CDMA信号のフォーマット図
【図8】一般的な測定装置に組込まれた同期・逆拡散回路を示すブロック図
【図9】同同期・逆拡散回路を用いたW―CDMA信号の逆拡散動作を示す図
【図10】同同期・逆拡散回路を用いたW―CDMA信号の逆拡散動作の問題点を説明するための図
【符号の説明】
3…基地局
4…電波
5…W−CDMA信号
6…共通パイロットチャネル(CPICH)
11…フレーム
12…シンボル
22…RF処理部
23…マッチドフィルタ
24…逆拡散符号発生器
25…逆拡散符号
26…相関信号
27…波形積算部
28…積算された相関信号
29…ピーク値検出部
30…ピーク値比較部
31…最大ピーク値メモリ
32…ピーク値更新部
33…同期検出部
34…タイミング制御部
35…レベル検出部
37…ピーク
38…逆拡散された共通パイロットチャネル
39…データ処理部
40…表示器

Claims (3)

  1. 基地局(3)から移動局に対して送信されるW−CDMA信号(5)を受信してその受信信号レベルに基づいて前記基地局の電波サービスエリアを評価する電波サービスエリア評価装置において、
    前記受信したW−CDMA信号とタップ長分設定された逆拡散符号で順次逆拡散してタップ長単位の相関信号(26)を順次出力するマッチドフィルタ(23)と、
    前記W−CDMA信号に含まれるフレーム毎に繰り返し同じパターンを送信されている共通パイロットチャネル(6)をスペクトラム逆拡散するために、マッチドフィルタのタップ長単位毎に前記逆拡散符号(25)を順次前記マッチドフィルタへ出力する逆拡散符号発生器(24)と、
    前記マッチドフィルタから順次出力される前記相関信号をm回(mは正整数)に亘って積算する波形積算部(27)と、
    この波形積算部で積算された相関信号(28)のピーク値およびそのタイミングを検出するピーク値検出部(29)と、
    前記マッチドフィルタから順次出力される前記相関信号をm回積算した後、前記逆拡散符号発生器の発生タイミングをずらすタイミング制御部(34)と、
    前記タイミング制御部によりn回(nは正整数)ずらし、前記ピーク検出部から得られるn回分のピーク値を比較し、大きいピーク値とそれに対応するタイミングを保持するピーク値比較部(30)と、
    あらかじめ定められた回数分処理した結果、ピーク値比較部が出力するピークタイミングに同期させる同期検出部(33)と、
    この同期検出部で同期検出された状態で、前記W−CDMA信号を逆拡散し、共通パイロットチャネルの信号レベルを測定するレベル検出部(35)と、
    このレベル検出部によって得られた信号レベルに基づいて前記基地局の電波サービスエリアを評価するデータ処理部(39)と
    を備えた電波サービスエリア評価装置。
  2. 前記タイミング制御部は、複数シンボル分の逆拡散符号の出力タイミングをシンボル単位分ずつ順次移動させることを特徴とする請求項1記載の電波サービスエリア評価装置。
  3. 前記タイミング制御部は、複数シンボル分の逆拡散符号の出力タイミングをシンボル単位分より少ない間隔で順次移動させることを特徴とする請求項1記載の電波サービスエリア評価装置。
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