JP4246748B2 - Cdmaセルラ方式における同期捕捉方法およびその装置 - Google Patents

Cdmaセルラ方式における同期捕捉方法およびその装置 Download PDF

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Description

本発明は、CDMAセルラ方式を用いた移動通信システムにおける同期捕捉方法およびその装置に関し、より詳細には、設置基地局より常時送信されている比較的長い既知の拡散系列で拡散されたチャネルを用いて、通信品質を測定するのに好適な同期捕捉方法及びその装置に関する。
CDMAセルラ方式において、従来の通信品質(伝搬特性)の測定では、まず、測定チャネルの同期チップタイミング、すなわち受信チップタイミングを検出する必要がある。なお、受信チップタイミングは、通信に有効な送受信間パスの時間的位置と一致していることが前提である。次に、受信チップタイミングに対してフィンガと呼ばれる相関器を設定し、その相関検出値から受信チップタイミングにおける受信信号べクトルを求める。
図1に、希望信号電力と干渉信号電力とを求めるプロセスを示す。上述した受信信号べクトルは、希望信号と干渉信号が加算されたものである。そこで、ある一定時間(通常3〜5シンボル程度)内で得られた受信信号べクトルをベクトル平均し、得られたべクトルを希望信号のべクトルとする。希望信号電力は、希望信号べクトルの電力として求める。干渉信号電力は、希望信号ベクトルを基準とする受信信号ベクトルの分散から求める。ここで、相関に用いるチップ長は、1シンボルとしている。
ところで、送受信間の有効パスは一般に市街地において3〜5パス程度存在する(ただし、チップレート4Mcps相当)。従って、これら全てのパスに対して希望信号電力、干渉信号電力、SIRを求めるためには、当該パス分のフィンガが必要となり効率的ではない。また、測定の過程にベクトル平均が含まれていることから、この平均に用いるシンボルは、「希望信号べクトルの位相が同一と見なせるシンボル」である必要がある。通常は、時間的に連続したシンボルが用いられる。ただし、測定チャネルに送信ダイバーシチが運用されている場合には、状況が異なる。
例えば、測定チャネルを送信ダイバーシチ運用時の共通パイロットチャネルとした場合には、まず、相関検出で得られた受信信号ベクトルを前後のシンボルで加減算して、各送信アンテナ毎の受信信号ベクトルに分離する。次に、各受信信号ベクトル毎に上述の計算を行い希望信号電力と干渉信号電力とを求める。得られた各送信アンテナに対する希望信号電力と干渉信号電力とを合成することにより、送信ダイバーシチ運用時の希望信号電力と干渉信号電力とを求める。
この過程において、各送信アンテナに対する受信信号ベクトルは、2シンボル時間毎にしか得ることができない。従って、ベクトル平均に用いるサンプル数、すなわち受信信号ベクトル数は、送信ダイバーシチを運用していない場合に較べて少なくなり、各送信アンテナに対する測定精度は劣化する。サンプル数を、送信ダイバーシチを運用していない場合と同数にすると、フェージングによる希望信号ベクトルの位相変化が無視できなくなり、この場合にも各送信アンテナに対する測定精度は劣化する。当然ながら、各送信アンテナに対する測定精度が劣化すれば、最終的な合成後の測定精度も劣化する。
一方、測定システムを移動測定車に搭載し、移動しながら通信品質を測定する場合、測定車の移動に伴い送受信間のパス位置は、各パス毎に移動する。従って、測定時には常に受信チップタイミングの検出を行い、フィンガの位置を更新しなければならない。更新速度がパスの移動に対して遅い場合には、受信チップタイミングとパス位置がずれてしまうことから、得られる測定値は、正しい値とは言えなくなる。
通信品質の測定を行う前段階として、同期チップタイミングを検出する方法、すなわち移動機が接続基地局との間で同期捕捉をする方法として、広帯域CDMA(以下、W−CDMAという。)セルラ方式においては、いわゆる3段階セルサーチ法が用いられている。より具体的には、基地局より送信されているPSCH(Primary Synchronization CHannel) 、SSCH(Secondary Synchronization CHannel)、CPICH(Common Pilot CHannel:共通パイロットチャネル)の3チャネルを用いて同期捕捉を行うのが、いわゆる3段階セルサーチ法と呼ばれる同期捕捉方法である。3段階セルサーチ法により3チャネルが用いられている理由は、基地局より送信されているチャネルのコード(スクランブリングコード)が未知であることに起因するためである。
しかし、測定対象基地局(対象スクランブリングコード)を予め決定しておく測定システムなどにおいては、効率的な同期捕捉方法であるとは言えない。例えば、測定チャネルとして、基地局より送信されているCPICHを用いる場合には、測定対象基地局のCPICHが拡散されているスクランブリングコードのみを用いて同期捕捉を行えばよい。
また、同期捕捉直後に基地局と移動機との間で通信を行う必要がなく、同期チップタイミングはある範囲を持って決定すればよい場合には、完全な同期捕捉は必要とされない。さらに、実際の基地局を設置する前に先だって、擬似基地局を設置してサービスエリアの測定を行う場合もあるが、この場合にも、測定のために擬似基地局よりPSCH,SSCH,CPICH相当の3チャネルを送信するのは効率的ではない。
従来の方法では、測定チャネルの同期捕捉を行うに際して、その測定チャネル以外のチャネルが必要とされており、効率的でないという問題もある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは測定チャネルのみを用いて、測定のための同期捕捉を高速、高精度、高信頼度で行えるようにした同期捕捉方法およびその装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、同期捕捉に共通パイロットチャネルのみを用いて、送信ダイバーシチが運用されている時の同期捕捉を高速、高精度、高信頼度で行えるようにした同期捕捉方法およびその装置を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、移動受信局にて通信品質の測定を行なう前段階として移動受信局が基地局に対して同期捕捉を行う同期捕捉方法であって、測定対象の基地局は予め決定されており、当該基地局から常時送信されている既知の拡散系列で拡散されたチャネルのみを用いて移動受信局が基地局に対して同期捕捉を行い、移動受信局では、同期捕捉を行うに先立ち、予め平均化時間およびサンプリング時間を設定しておき、該設定サンプリング時間毎に測定チャネルの拡散コードと受信信号との間で部分相関値を検出し、検出した複数の部分相関値を該平均化時間内で平均化処理するに際してベクトル平均処理により平均値を算出し、該平均値を用いて測定チャネルの同期チップタイミングを決定することを特徴とする。
この方法によれば、測定チャネルの拡散コードと受信信号との間で部分相関値を求めるので、同期捕捉に3チャネルを必要としない。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記部分相関値を検出する際にマッチドフィルタを用い、該マッチドフィルタ内のコードを逐次書き換えていくことにより、前記測定チャネルの同期チップタイミングを検出することを特徴とする。
この方法によれば、高速、高精度、高信頼度で部分相関値を用いた同期捕捉を行うことができる。
請求項に記載の発明は、請求項1または2において、前記平均化処理のプロセスを複数回設定可能とし、各プロセスにおいて同一もしくは異なる平均化方法で複数回平均化して得た平均値を用いて、前記測定チャネルの同期チップタイミングを決定することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の同期チップタイミング検出処理を複数回行い、得られた複数のタイミング値の平均値と標準偏差値を用いて前記測定チャネルの同期チップタイミングを決定するか、または,再び同期捕捉を行うか否かの判定を行うことを特徴とする。
この方法によれば、検出した同期チップタイミングの正当性を容易に判定できる。また、測定ウィンドウを用いた通信品質測定を行う場合には、ウィンドウの位置と幅を決定することができる。
請求項に記載の発明は、移動受信局に設けられるとともに、移動受信局にて通信品質の測定を行う前段階として移動受信局と基地局との同期捕捉を行う同期捕捉装置であって、測定対象の基地局は予め決定されており、当該基地局から常時送信されている既知の拡散系列で拡散されたチャネルのみを用いて移動受信局と基地局との同期捕捉を行い、移動受信局は、同期捕捉を行うに先立ち、予め平均化時間およびサンプリング時間を設定しておき、該設定サンプリング時間毎に測定チャネルの拡散コードと受信信号との間で部分相関値を検出し、検出した複数の部分相関値を該平均化時間内で平均化処理するに際してベクトル平均処理により平均値を算出し、該平均値を用いて測定チャネルの同期チップタイミングを決定する手段を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、測定チャネルの拡散コードと受信信号との間で部分相関値を求めるので、同期捕捉に3チャネルを必要としない。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の前記手段は、前記部分相関値を検出するマッチドフィルタを有し、該マッチドフィルタ内のコードを逐次書き換えていくことにより、前記測定チャネルの同期チップタイミングを検出することを特徴とする。
この構成によれば、高速、高精度、高信頼度で部分相関値を用いた同期捕捉を行うことができる。
請求項に記載の発明は、請求項5または6に記載の前記手段は、前記平均化処理のプロセスを複数回設定可能とし、各プロセスにおいて同一もしくは異なる平均化方法で複数回平均化して得た平均値を用いて、前記測定チャネルの同期チップタイミングを決定することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、前記手段は、請求項乃至のいずれかに記載の同期チップタイミング検出処理を複数回行い、得られた複数のタイミング値の平均値と標準偏差値を用いて前記測定チャネルの同期チップタイミングを決定するか、または,再び同期捕捉を行うか否かの判定を行うことを特徴とする。
この構成によれば、検出した同期チップタイミングの正当性を容易に判定できる。また、測定ウィンドウを用いた通信品質測定を行う場合には、ウィンドウの位置と幅を決定することができる。
以上説明したように、本発明によれば、測定チャネルのみを用いるので、測定のための同期捕捉を高速、高精度、高信頼度で行うことが可能となる。また、測定ウィンドウを用いた通信品質測定を前提とした同期捕捉の場合には、測定ウィンドウの位置とウィンドウ幅が決定されれば良いことから、完全な同期捕捉は必要とされない。
また、本発明によれば、測定チャネルに送信ダイバーシチが運用されていても、高速、高精度、高信頼度で同期捕捉行うことが可能であり、また、高精度かつ効率的に通信品質を測定することが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。最初に、同期チップタイミングを検出する方法である同期捕捉について説明し、次に通信品質の測定について説明する。
(同期捕捉方法)
図2に、本発明を適用したW−CDMA方式の移動通信システムの全体構成を示す。移動通信システムは、基地局201と移動局202とから構成されている。また、移動局202は、基地局との通信および通信品質測定のために、測定チャネルの同期チップタイミングを検出する同期捕捉部221と、検出された同期チップタイミングの情報を蓄積する同期チップタイミング情報部225と、検出された同期チップタイミングを受信チップタイミングとして、基地局との通信および通信品質の測定を行うために、測定チャネルの拡散コードと受信波との間で相関値を求める相関検出部222と、相関検出後の受信信号ベクトルの時系列データを生成する時系列生成部223と、生成された時系列データから通信品質を計算する通信品質計算部224とを備えている。また、同期捕捉部221は、同期する可能性のある全チップタイミングをブロック化して、同期タイミング候補を生成する同期タイミング候補生成部2210と、同期タイミング候補に対して受信信号との間で部分相関値を求める部分相関検出部2211と、各候補タイミングの部分相関値から同期チップタイミングを決定する同期チップタイミング決定部2212とを備えている。
図3に、CPICHのフレーム構成を示す。CPICH(共通パイロットチャネル)の1フレームには、150個のシンボルが含まれている。1フレームは、10msec の周期である。本実施形態においては、測定チャネルとして、各基地局から常時送信されているCPICHを用いるものとする。すなわち、測定チャネルのみを用いる同期捕捉方法では、当該測定チャネルの拡散コードと受信信号との間で部分相関を求め、その値が最大となるピーク値を求めることで、同期するチップタイミングを検出することが可能である。ここで、相関検出にマッチドフィルタを用い、マッチドフィルタに書き込むコードを逐次変更しながら部分相関値を求めることにより、高速な同期チップタイミングの検出が可能となる。
なお、他の実施形態として後述するが、得られた部分相関値をある一定間隔毎に平均し、その平均値を用いて同期チップタイミングを検出することにより、その同期捕捉精度を向上させることが可能となる。さらに、同期チップタイミング検出を数回繰り返し、それらの値を用いて測定の対象とする同期チップタイミングを決定するか、同期チップタイミングをある範囲を持たせて決定するか、あるいは、再び同期捕捉を行うかのいずれかの判定を行うことにより信頼性を向上させることが可能となる。
また、後述する同期捕捉の実施形態では、簡単のため同期タイミングの時間分解能を1チップ長としているが、より詳細な同期のタイミングを検出する場合には、チップ長に対してX倍のオーバサンプリングとして、本発明にかかる同期捕捉方法を行えばよい。
図4に、本発明にかかる同期捕捉方法における第1の実施形態の動作原理を示す。第1の実施形態では、部分相関の対象を256チップ長としている。測定チャネルをCPICHとした場合、同期する可能性のあるチップタイミングは、38400通りある。最初に、チップタイミングをシンボル単位でブロック化する。次に、同期タイミングとして、フレーム先頭のシンボル番号を基準に150個の候補を生成する。次に、各同期タイミング候補のコードと受信信号との部分相関を、図4に示したように逐次求め、各同期タイミング候補毎の電力遅延プロファイルを取得する。最後に、取得した各候補の電力遅延プロファイルの中から最大ピークとなるチップタイミングを検索し、得られたタイミングを測定チャネルの同期チップタイミングとする。このように、同期捕捉とは、この同期チップタイミングを検出することである。
ところで、W−CDMA方式では同一周波数で複数のチャネルを送信することから、測定チャネル以外は全て干渉となる。ただし、プロセスゲインについてみると、干渉信号の電力は、平均的に相関検出に用いるチップ長分だけ抑圧される。図4に示した実施形態では、256チップ長(1シンボル=256チップ)で部分相関を行うことから、プロセスゲインは256であり、干渉信号の平均電力は1/256になる。
第1の実施形態による同期捕捉方法では、通信に有効なパス位置と一致するチップタイミングの受信信号電力が、他のタイミングの受信信号電力以上である場合に、同期チップタイミングの検出成功となる。従って、部分相関のチップ長(ブロック化の単位)を長くすることにより、同期チップタイミングの検出成功確率を高くすることができる。
図5に、本発明を適用した移動局の相関検出部にマッチドフィルタを用いた場合の動作説明を示す。部分相関の演算にマッチドフィルタを用い、1/15msec毎にマッチドフィルタ内のコードを書き換える。書き換えるコードは、図5に示すように、150個のタイミング候補#1〜#150の中から、256チップを抽出してマッチドフィルタの書き込みコードとする。
第1の実施形態によれば、同期チップタイミングを検出するために要する時間は、10msec で済む。
次に、同期捕捉方法における第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、図2に示した同期捕捉部221における平均化処理を説明する。移動通信システムにおいては、一般にマルチパスフェージングの影響を受けることから、受信信号の電力(相関検出値)は激しく変動する。また、相関検出に部分相関を用いていることから、必ずしも相関検出精度は良いとは限らない。
図6に、本発明にかかる同期捕捉方法における第2の実施形態の動作原理を示す。第2の実施形態では、各同期タイミング候補の部分相関値を一定時間内で平均化し、得られた平均値を用いて同期チップタイミングを検出する。従って、平均化時間内の各タイミング候補のサンプル数をNとすれば、同期チップタイミングを検出するまでに要する時間は、N・10msec となる。平均化の方法として、電力平均処理を行う方法とベクトル平均処理を行う方法とがある。
図7に、同期捕捉方法の第2の実施形態における平均化処理として電力平均処理を行った場合を示す。マッチドフィルタから出力される同期タイミング候補#i、そのシンボル内チップ番号k、の時刻tにおける受信信号ベクトルを(Ii_k(t),Qi_k(t))とし、平均化後の同期タイミング候補#i、そのシンボル内チップ番号kにおける電力をPi_kとする。
電力平均処理では、各同期タイミング候補の受信信号ベクトルから瞬時の受信信号電力を計算し、続いて、それらの受信信号電力を同期タイミング候補毎にN個分電力平均する。そして、得られた平均化後の電力値より、測定チャネルの同期チップタイミングを決定する。電力平均処理では、サンプル数Nを増やすと、本来の同期チップタイミング以外における受信信号電力の標準偏差が、小さくなることが特徴である(但し、平均値は変わらない)。
図8に、平均化処理として電力平均処理を行った後の受信信号電力分布を示す。あるスクランブリングコードを256チップ長で部分相関検出し、サンプル数5、10、15で電力平均した後の、本来の同期チップタイミング以外における受信信号電力値の分布である。但し、フェージングは付加していない。図8から判るように、サンプル数Nを増やせば、本来の同期チップタイミング以外における受信信号電力値の標準偏差が小さくなる。その結果として、同期捕捉の検出成功確率は高くなる。
図9に、電力平均処理による同期チップタイミング検出手順を示す。ステップS1において、同期捕捉を開始する。ステップS2では、同期タイミング候補を設定する(i=0)。ステップS3では、部分相関演算を行う。ステップS4では、受信信号電力を演算する。ステップS5では、i<max iであるか否かを判別する。ステップS6では、iをインクリメントする。ステップS7では、k<Nであるか否かを判別する。ステップS8では、kをインクリメントする。ステップS9では、全同期タイミング候補、全チップタイミングについて電力平均を行う。ステップS10では、全同期タイミング候補、全チップタイミングについて最大受信信号電力の探索を行う。ステップS11では、同期チップタイミングの決定を行う。ステップS12では、同期捕捉を終了する。
図10に、同期捕捉方法の第2の実施形態における平均化処理としてベクトル平均処理を行った場合を示す。ベクトル平均処理では、まず、各同期タイミング候補の受信信号ベクトルをI側,Q側それぞれについて平均化する(個数N個分)。続いて、平均化後のI,Qの値から受信信号電力を計算し、その値を用いて測定チャネルの同期チップタイミングを決定する。但し、ベクトル平均処理では、平均化時間内においてフェージングによる希望信号ベクトルの位相回転が無視できることを前提としているので、図10に示した例では、1同期タイミング候補あたりのサンプリング間隔を1/15msec としている。
上述したベクトル平均処理では、平均化サンプル数を増やすことにより、本来の同期チップタイミング以外における受信信号電力の平均値が小さくなることが特徴である(但し、標準偏差は変わらない)。
図11に、平均化処理としてベクトル平均処理を行った後の受信信号電力分布を示す。あるスクランブリングコードを256チップ長で部分相関検出し、サンプル数5,10,15でベクトル平均した後の、本来の同期チップタイミング以外における受信信号電力値の分布である。但し、フェージングは付加していない。本図から判るように、サンプル数Nを増やせば、本来の同期チップタイミング以外における受信信号電力値の平均値が小さくなる。その結果として、同期捕捉の検出成功確率は高くなる。
図12に、ベクトル平均処理による同期チップタイミング検出手順を示す。ステップS21において、同期捕捉を開始する。ステップS22では、同期タイミング候補を設定する(i=0)。ステップS23では、部分相関演算を行う。ステップS24では、k<Nであるか否かを判別する。ステップS25では、kをインクリメントする。ステップS26では、同期タイミング候補#iの全チップタイミングについてベクトル平均を求める。ステップS27では、同期タイミング候補#iの全チップタイミングについて電力値を算出する。ステップS28では、i<max iであるか否かを判別する。ステップS29では、iをインクリメントする。ステップS30では、全同期タイミング候補,全チップタイミングについて最大受信信号電力の探索を行う。ステップS31では、同期チップタイミングの決定を行う。ステップS32では、同期捕捉を終了する。
図13に、本発明にかかる同期捕捉方法における第3の実施形態の動作原理を示す。上述した第2の実施形態を更に改良した同期捕捉方法を示している。すなわち、平均化処理のプロセスを複数回設定可能とし、各プロセスにおいて同一もしくは異なる平均化方法で複数回平均化して得た平均値を用いて、前記測定チャネルの同期チップタイミングを決定するものである。
第3の実施形態では、平均化の操作を2回としている。平均化の第1段階では、同期タイミング候補毎にN1個のベクトル平均処理を行う。続いて、ベクトル平均化後の受信信号ベクトルから電力値を算出し、それらN2個の平均値を求める。第2段階平均化後の受信信号電力が最大となるチップタイミングを測定チャネルの同期チップタイミングとして検出する。
第3の実施形態では、まず第1段階平均化により、本来の同期チップタイミング以外における受信信号電力の平均値がサンプル数N1個分だけ小さくなり、続く第2段階の平均化により、その標準偏差がサンプル数N2個分だけ小さくなる。その結果として、同期捕捉の検出成功確率は、平均化操作が1回の場合に比べて更に高くなる。第3の実施形態において、同期捕捉に要する時間は(N1×N2×10)msec である。
図14に、同期捕捉方法の第3の実施形態による同期チップタイミング検出手順を示す。ステップS41において、同期捕捉を開始する。ステップS42では、同期タイミング候補を設定する(i=0)。ステップS43では、部分相関演算を行う。ステップS44では、k1<N1であるか否かを判別する。ステップS45では、k1をインクリメントする。ステップS46では、同期タイミング候補#iの全チップタイミングについてベクトル平均を求める。ステップS47では、タイミング候補#iの全チップタイミングについて受信信号電力値を算出する。ステップS48では、i<max iであるか否かを判別する。ステップS49では、iをインクリメントする。ステップS50では、k2<N2であるか否かを判別する。ステップS51では、k2をインクリメントする。ステップS52では、全同期タイミング候補,全チップタイミングについて電力平均を求める。ステップS53では、全同期タイミング候補,全チップタイミングについて最大受信信号電力の探索を行う。ステップS54では、同期チップタイミングの決定を行う。ステップS55では、同期捕捉を終了する。
さらに、同期捕捉方法における第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、上述した第1〜3の実施形態における同期チップタイミング検出処理を複数回行い、得られた複数の同期チップタイミング値の平均値と標準偏差値を用いて前記測定チャネルの同期チップタイミングを決定するか、同期チップタイミングをある範囲を持たせて決定するか、または、再び同期捕捉を行うか否かのいずれかの判定を行うものである。
すなわち、上述した第2,3の実施形態で述べた平均化の処理により、同期捕捉の検出成功確率を高くすることができるが、検出した同期チップタイミングが必ずしも正しいとは限らない。そこで、第4の実施形態では、検出した同期チップタイミングが妥当か否かの判定を行うものである。
図15に、本発明にかかる同期捕捉方法における第4の実施形態の動作原理を示す。平均化後に検出した同期チップタイミングをM個用意し、それらから、測定の対象とする同期チップタイミングを判定する。なお、第4の実施形態では、完全な同期捕捉を必要とせず、ある範囲(測定ウィンドウ)に同期チップタイミングが入っていれば良いものとする。
第4の実施形態では、同期捕捉後に測定ウィンドウ内の全チップタイミングの測定を行うことを前提としている。まず、検出同期チップタイミングM個の平均値を求める。続いて、その値を用いて標準偏差を求める。測定ウィンドウの中心を求めた平均値とし、求めた標準偏差の値が測定ウィンドウ幅内に収まっていれば、測定が可能となることから、検出成功とする。他方、求めた標準偏差が測定ウィンドウ幅内に収まらない場合は、検出が失敗している確率が高いと判断して、再び同期捕捉を開始する。
次に、CPICHに送信ダイバーシチが運用されている場合の同期捕捉方法について説明する。
図16に、送信ダイバーシチが運用されている場合のCPICHのフレーム構成と受信信号を示す。α1は、基地局の送信アンテナ#1から移動局までの伝搬路に依存するベクトル変化量であり、α2は、基地局の送信アンテナ#2から移動局までの伝搬路に依存するベクトル変化量である。これらは、移動局の場所的移動に伴い時間的に変化する。また、基地局の各アンテナから送信される信号は、シンボル毎にAまたは−Aの変調が施されており、このパターンは一意に定められている。なお、送信ダイバーシチが運用されていない場合のシンボル変調パターンは、アンテナ#1と同一である。
基地局のアンテナ#1とアンテナ#2とから送信されたCPICHは、各伝搬路の影響を受け、移動局では信号が合成された形で受信される。従って、基地局から送信されたシンボル0番の信号は、移動受信局において、
Figure 0004246748
で受信される。ここで、R(0)は、相関検出後の受信信号ベクトルであり、Pt1、Pt2は、各送信アンテナにおけるCPICHの送信電力であり、N(0)は、干渉信号ベクトルである。
同期捕捉は、移動受信局において、シンボル0番の位置を検出することである。なお、後述する送信ダイバーシチ運用時の通信品質測定は、希望信号電力である
Figure 0004246748
と、干渉電力である
Figure 0004246748
とを求めることである。ここで、<・>は、平均を表す。
次に、式(1)で表される合成された受信信号ベクトルを、各送信アンテナからの受信信号ベクトルに分離する。分離するためには、2つの連続するシンボルが使用される。基準とするシンボルをi番目のシンボル(ただし、iは偶数。)とすると、各アンテナからの受信信号ベクトルr1、r2は、
Figure 0004246748
となる。式(4)は、α1(i+1)≒α1(i)およびα2(i+1)≒α2(i)の近似を用いている。
図17に、本発明にかかる同期捕捉方法における第4の実施形態の動作原理を示す。同期捕捉は、受信信号からCPICHの先頭位置(同期チップタイミング)を検出することである。図17に示した#0〜#149は、図2に示した同期タイミング候補生成部2210で生成される同期タイミング候補である。なお、ブロック化の単位は1シンボルとしている。受信信号との相関計算は、同期タイミング候補#0〜#149の中から順次対象シンボル番号を抽出し、このシンボル番号に対応する拡散コード(256チップ長)で行う。
例えば、ベクトル平均個数を N1 とすると、同期タイミング候補 #i からは、シンボル番号 2(N1+1)i から連続して、2N1+1 個が選択されて相関演算が行われる。相関演算にマッチドフィルタを用いた場合には、全同期タイミング候補に対して相関演算が終了する時間は、T1=10×(2N1+1)[ms]である。
次に、得られた受信信号ベクトル R(i)とR(i+1) から、式(4)を用いて、各送信アンテナからの受信信号ベクトルに分離する。ここで、同一の同期タイミング候補に属する分離後の受信信号ベクトル数は、1送信アンテナあたり N1 個である。これらN1個の受信信号ベクトルを送信アンテナ毎にベクトル平均し、最後に得られた2つの平均ベクトルを電力加算する。図17は、ベクトル平均個数 N1=2 とした場合である。なお、実際には、上述した演算は、各シンボル内256チップ全てに対して行う。また、x倍のオーバーサンプリングで実行した場合には、256×xのサンプル数に対して演算を行う。同期チップタイミングは、最大電力値を有する同期タイミング候補とそのシンボル内チップ番号より決定される。
図18に、同期捕捉方法の第6の実施形態による同期チップタイミング検出手順を示す。本実施形態では、演算に要する時間を除けば、同期捕捉の開始から終了までの時間は、T1=10×(2N1+1)×N2[ms]である。
ステップS61において、同期捕捉を開始する。ステップS62では、同期タイミング候補を設定する(i=0)。ステップS63では、部分相関演算を行う。ステップS64では、k1<2N1+1であるか否かを判別する。ステップ65では、k1をインクリメントする。ステップS66では、同期タイミング候補の全チップタイミングについて受信信号ベクトルをアンテナ毎に分離する。ステップS67では、前記受信信号ベクトルのベクトル平均値を算出する。ステップS68では、最初に、前記平均受信信号ベクトルを各アンテナ毎に電力値に変換し、次に、各アンテナ毎の電力値を加算する。
ステップS69では、i<max iであるか否かを判別する。ステップS70では、iをインクリメントする。ステップS71では、k1=0とする。ステップS72では、k2<N2であるか否かを判別する。ステップS73では、k2をインクリメントする。ステップS74では、k1=0とする。ステップS75では、同期タイミング候補の全チップタイミングについて電力平均を求める。ステップS76では、受信信号電力が最大となる同期タイミング候補およびチップタイミングを探索する。ステップS77では、同期チップタイミングの決定を行う。ステップS78では、同期捕捉を終了する。
(通信品質測定方法)
次に通信品質の測定方法について説明する。
図19に、本発明を適用した移動局の全体構成を示す。移動局202は、図2に示した構成に同じである。通信品質計算部224は、時系列生成部223で生成させた受信信号ベクトルにおける2つの時系列データから自己共分散行列を求め、その固有値を計算する行列演算手段2301と、この固有値を用いて、希望信号電力と干渉信号電力を演算する電力演算手段2302と、SIRを算出するSIR演算手段2303とから構成されている。
また、移動通信システムの構成要素である制御部2304を利用して、SIR演算手段2303において算出されたSIR値を用い、通信に有効となる送受信間パスを求め、同期チップタイミング情報部225を制御することで、より正確な値を測定することができる。
本実施形態においては、同期捕捉部で得られた同期チップタイミングを基準にある範囲内の全チップタイミングを測定の対象とする。すなわち、測定ウィンドを用いた通信品質測定を行うものとする。
図20に、本発明にかかる通信品質測定方法における第1の実施形態の動作原理を示す。相関検出を行うチップ長および測定ウィンドウ幅を1シンボルとする。ここで、測定ウィンドウ内のあるチップタイミングkについて着目する。チップタイミングkにおける希望信号電力と干渉信号電力を求めるためには、ある一定時間内(平均化時間)におけるチップタイミングkの受信信号べクトルを時系列的に並べて系列1とし、系列1から数シンボル離れた受信信号べクトルの時系列データを系列2とする。
次に、系列1と系列2の自己共分散行列を求め、その固有値を計算する。得られた固有値を用いて、図20に示す演算を行うことで、チップタイミングkにおける希望信号電力と干渉信号電力を平均化時間内の平均値として求めることができる。ただし、図20に示す固有値から当該電力を求める演算が成り立つのは、2系列間の相関が比較的高い場合である。言い換えれば、2系列間の時間差がマルチパスフェージングによる希望信号ベクトルの変動に対して十分小さい時間の場合である。本実施形態では、サンプリング間隔(1系列内のデータ間隔)およびサンプル数(1系列内のデータ数)に制限はない。
なお、平均化時間内のサンプル数が多いほど、真の平均値に近づく。チップタイミングkにおけるSIRは、得られた希望信号電力と干渉信号電力との比から求めることができる。また、測定ウィンドウを用いない通信品質測定の場合は、同期捕捉部で得られた同期チップタイミングを、チップタイミングkとして測定すれば良い。
図21に、本発明にかかる通信品質測定方法における第2の実施形態の動作原理を示す。上記2系列の相関が非常に高い場合、即ち、相関値0.85以上においては、希望信号電力と干渉信号電力は、2つの時系列データ間で受信時間が接近している受信信号べクトルに対する加算べクトルおよび差分べクトルから求めることができる。より好ましくは、相関値0.9以上で、図20の第1の実施形態と同等の精度で、希望信号電力および干渉信号電力を算出することができる。さらに、より好ましくは、相関値0.95以上で、図20の第1の実施形態と同等の精度で、かつ、より簡易な計算方法で希望信号電力および干渉信号電力を算出することができる。
本実施形態では、時系列間の時間差(遅延時間差)を1シンボルとし、隣り合うシンボル間の受信信号べクトルから加算べクトル、差分べクトルを求めている。まず、平均化時間内N個の差分べクトルを用いて、図21に示した演算により干渉信号電力を求める。次に、平均化時間内N個の加算べクトルおよび既に求めた干渉信号電力を用いて希望信号電力を求める。求めた希望信号電力と干渉信号電力の比より、当該平均化時間におけるSIRを求めることができる。なお、本実施形態においても、図20に示した第1の実施形態と同様に、サンプリング間隔とサンプル数に対する制約は基本的に無い。
本実施形態では、図19に示した時系列生成部223において、受信信号ベクトルの2つの時系列データ生成に加えて、加算ベクトルと差分ベクトルの時系列データ生成までを行う。なお、本実施形態では、固有値を求める必要が無いことから、図19に示した行列演算部2301は必要としない。
図22に、通信品質測定方法における第2の実施形態によるシミュレーション結果を示す。シミュレーションにより求めた測定ウィンドウ内の希望信号電力と干渉信号電力の出力結果例である。シミュレーションでは、あるコードで拡散された波が5チップ遅れで2波到来するとした。すなわち、送受信間パスが2パス存在するとした。1パス目の位置は10チップ目、2パス目の位置は15チップ目である。2パス目に到来する波が1パス目における干渉信号となり、1パス目に到来する波が2パス目における干渉信号となる。平均化時間は1500シンボル、サンプリング間隔は1シンボルである。なお、2パス目に到来する波の電力は1パス目に到来する電力より5dB低く設定し、相関検出は256チップ長の4倍オーバサンプリングである。
図23に、本発明にかかる通信品質測定方法における第3の実施形態の動作原理を示す。上述した第1の実施形態または第2の実施形態で求めた希望信号電力および干渉信号電力を、さらに電力平均することでより安定した値(平均値)を得ることができる。本実施例では、まず、第1の実施形態または第2の実施形態の方法を用いて平均化時間内N1個毎の希望信号電力および干渉信号電力の平均値を求める(1次平均)。次に、2次平均として、1次平均より得られたN2個の希望信号電力および干渉信号電力値を電力平均する。なお、求めた希望信号電力と干渉信号電力の比より、当該平均化区間におけるSIRは求められる。
図24に、通信品質測定方法における第3の実施形態によるシミュレーション結果を示す。シミュレーション条件は、平均化方法を除いて図22の場合と同一である。平均化サンプル数は1次平均5個、2次平均が300個であり、トータルの平均化時間は1500シンボルである。図22の結果と比べると、より安定した値が得られていることが分かる。
図25に、本発明にかかる通信品質測定方法における第4の実施形態の動作原理を示す。本実施形態では、測定チャネル数をMとした。同一チャネルが2シンボル分連続しているのは、第1の実施形態または第2の実施形態の平均化法により2つの時系列データが必要であるからである。図25に示したように、2シンボルを1組とすれば、サンプリング区間内において他チャネルの測定が可能となり、ある一定時間内において、ほぼ同一条件で複数チャネルの測定データを得ることができる。ベクトル平均を用いる従来技術では、平均化時間内において“マルチパスフェージングによる希望信号ベクトルの位相変化が無視できること”とする制約があることから、測定チャネル数が多く、平均化時間が比較的長い場合には、本実施例のように、サンプリング区間内に他チャネルを時間多重することは困難である。
図26に、本発明にかかる通信品質測定方法における第5の実施形態の動作原理を示す。本実施形態では、1チャネルのサンプリング区間内に他チャネルを時間多重して1次平均を求め、得られた結果より、2次平均(電力平均)を行う。
図27に、本発明にかかる通信品質測定方法における第6の実施形態の動作原理を示す。本実施形態では、1チャネル毎にまず1次平均を行い、2次平均化時間内で他チャネルを多重することで、各チャネルの2次平均化後の値を得る。
図28に、通信品質測定方法における第5の実施形態によるシミュレーション結果を示す。図28(a)は、図22および図24と同一条件でシミュレーションを行い、得られた受信信号電力のプロファイルである。ただし、平均化方法は各チップ毎に電力平均のみしか行っていない。図28(b)は、図22より得られた希望信号電力と干渉信号電力を用いて求めた各チップ毎のSIRのプロファイルである。従来、通信に有効となるパスの位置は、図19に示した同期捕捉部221において、図28(a)に示すような受信信号電力を、各チップ毎に求め、その電力が最大となるピークから、同期チップタイミングとして検出を行っていた。
図28(a)では、希望信号電力が干渉信号電力より比較的高く設定してあるために、そのピーク値からパスの位置を検出しやすい。しかし、干渉信号電力が高くなるにつれて、そのピーク値が実際のパス位置か否かの判定は困難となる。また、電力のピーク値のみでは、パスが存在していることによるピークなのか、ノイズの変動によるピークなのか区別がつかない。同期捕捉部221において同期チップタイミングに誤りがあった場合、通信品質測定部224では、通信に有効なパス位置とは異なるチップタイミングで測定を行うことから、測定精度は劣化する。
一方、本実施形態では、同期捕捉部221で得られた同期チップタイミングを受信チップタイミングとして、第1の実施形態または第2の実施形態によりSIRを測定し、図19に示した制御部2304において、測定されたSIR値から、受信チップタイミングが通信に有効なパス位置からずれているか否かの判定を行う。ずれていると判定された場合には、図19に示した同期チップタイミング情報部225を制御することにより、同期チップタイミングの変更を行う。
また、測定ウィンドウを前提とした通信品質測定の場合には、測定ウィンドウ内の全チップタイミングに対して、希望信号電力と干渉信号電力とSIRとを測定することから、図28(b)に示すSIRプロファイルが得られる。図28(b)において、パスの存在しない場所は確実にSIR<0となり、パスが存在する場所ではSIR>0となっている。図19に示した制御部2304では、SIR>0となるピーク値を検出し、その位置を通信に有効なパス位置として検出する。
測定ウィンドウの位置またはウィンドウ幅が適当でないと判定された場合には、図19の同期チップタイミング情報部225を制御することにより、測定ウィンドウの位置もしくはウィンドウ幅の変更を行う。このような制御により、移動局が移動することで送受信間パス位置が移動したとしても、ウィンドウの位置はパスの移動に追従して変更され、その結果、精度を劣化させること無く通信品質の移動測定が実現可能となる。
(送信ダイバーシチ運用時の通信品質測定方法)
図29に、送信ダイバーシチを運用した移動通信システムの全体構成を示す。移動局202は、図2に示した構成に同じである。時系列生成部223は、相関検出後の受信信号ベクトルを所定の遅延シンボル数だけ遅延させる遅延回路3301と、受信信号ベクトルの差分と加算から、差分ベクトルと加算ベクトルを求めるベクトル計算部3302と、通信品質計算部224で計算を行うためのベクトルを選択するベクトル選択部3303とから構成されている。
測定チャネルとして送信ダイバーシチを使用した通信が運用されている場合には、無線基地局の2つの異なるアンテナから、共通の拡散コードを用いてそれぞれ異なるパターンの既知の送信シンボル系列が繰り返し送信されるチャネルを想定している。送信ダイバーシチを使用した通信が運用されていない場合には、無線基地局の1つのアンテナから、既知のパターンの送信シンボル系列が繰り返し送信されるチャネルを想定している。無線基地局の2つのアンテナは近接しているが、空間相関が十分小さくなるようにアンテナ距離を設定しているため、サービスエリア内の受信点では、独立した伝送路の影響を受けた信号として到達する。2つのアンテナから送信された信号は、空間でベクトル合成されて受信点のアンテナで受信される。
図30に、送信ダイバーシチが運用されたチャネルが受信点に到達するまでを示す。一般的に、アンテナ#1からの送信系列 s1(t) と、アンテナ#2からの送信系列 s2(t) とは、それぞれ独立のフェージング c1(t), c2(t) を受ける。これらの2つの系列は、空間において合成された後に受信される。従って、伝搬遅延を無視すると、受信系列は、r(t)=c1(t)*s1(t)+c2(t)*s2(t) となる。ここで、伝搬路の影響が同一と見なせる時間範囲で考えると、フェージングも一定と見なせるため、c1(t)=c1, c2(t)=c2 とおける。このため、受信系列は、送信系列 s1(t) と s2(t) の組合せ毎に一定の値をとる。
例えば、ある時間のアンテナ#1の送信系列のシンボルをA、アンテナ#2の送信系列のシンボルをAとした場合には、受信系列は、Xとなる。ある時間のアンテナ1の送信系列のシンボルをA、アンテナ#2の送信系列のシンボルをBとした場合には、受信系列は、Yとなる。このように、伝搬路の影響が一定と見なせる時間範囲において、受信系列は、送信系列にのみ依存して決まる。
このことから、送信系列において、規則的なパターンが周期的に繰り返し送信されていれば、受信系列においても同一の周期で何らかの系列パターンが繰り返されることになる。このとき、受信系列とそれを規則的な系列パターンの周期分遅延させた遅延受信系列との間で相関値を求めると1となる。すなわち、送信系列パターンの周期分遅延させた遅延受信系列と受信系列とは完全に一致し、系列相互の相関が1になることを意味している。ここで、送信側において、既知の系列パターンを複数回繰り返した単位をフレームと定義する。
図31に、本発明の一実施形態にかかる相関検出過程を示す。相関前の受信系列 r'(t) のtj+1+iΔτを先頭とする相関単位であるシンボルを r'(tj+1+iΔτ)とすると、対応するそれぞれのシンボルを拡散しているコード m(tj+1+iΔτ)を設定したマッチドフィルタのような相関器で相関検出処理を行うと、相関後の受信信号ベクトル系列 r(tj+1+iΔτ) を得ることができ、受信信号ベクトルを rk(tj+1+iΔτ) とする。ただし、Δτは、1シンボル長の時間、j は、フレーム内における系列パターンの繰り返し番号、i は、パターン内シンボル番号、k は、シンボル内の受信チップタイミングである。また、測定チャネルフレーム先頭位置、シンボル位置などの情報が既知であると仮定している。
図32に、本発明の一実施形態にかかる遅延過程を示す。予め設定された遅延シンボル数 I により、相関検出後の受信信号ベクトル系列を数シンボル分遅らせることにより、遅延受信信号ベクトル系列を生成させる。遅延シンボル数 I には、送信系列パターンの繰り返し周期の整数倍を設定する。
図33に、本発明の一実施形態にかかるベクトル計算過程を示す。相関後の受信信号ベクトル系列 r(t) と当該系列を遅延シンボル数 I 遅らせた遅延受信信号ベクトル系列 r(t-IΔτ) の2つの時系列データ間において、シンボル内の受信チップタイミング k における受信信号ベクトル rk(tj+1+iΔτ) と、当該系列を遅延シンボル数 I 遅らせた同じ受信チップタイミングにおける受信信号ベクトル系列 rk(tj+1+iΔτ-IΔτ)、すなわち rk(tj+iΔτ) より受信信号ベクトルの差分と加算から、差分ベクトルと加算ベクトルを求める。加算ベクトルは、αi_k(tj)=rk(tj+1+iΔτ)+ rk(tj+iΔτ) となり、差分ベクトルは、βi_k(tj)=rk(tj+1+iΔτ)- rk(tj+iΔτ) となる。
図34に、本発明の一実施形態にかかるベクトル選択過程と通信品質計算過程を示す。ベクトル選択は、予め設定したベクトル選択情報 seli_k(tj) により、通信品質計算過程に入力すべきベクトル計算過程の出力、すなわち差分ベクトルと加算ベクトルを選択する。ベクトル選択情報は、シンボル単位の ON=1, OFF=0 の情報である。
通信品質計算は、入力された加算ベクトル α'i_k(tj) と差分ベクトルβ'i_k とを用いる。差分ベクトルの平均から干渉信号電力を、加算ベクトルの平均と差分ベクトルの平均から希望信号電力を求める。SIRは、希望信号電力と干渉電力の比から求めることができる。
図35に、W−CDMAセルラ方式を用いた移動通信システムにおける送信ダイバーシチ運用時のCPICHを示す。CPICHは、1フレーム150シンボルからなり、アンテナ#1からは(A,A,A,A)が、アンテナ#2からは(A,B,B,A)の4シンボルを周期としたシンボル系列が繰り返し送信されている。ただし、1フレーム毎に送信シンボル系列がいったんリセットされるため、フレーム境界においては、4シンボル周期の規則性が連続しない。このため、送信シンボル系列との相関が1となるような系列を得るためには、遅延時間を1フレームとしなければならないが、このように大きな遅延を与えた系列では、伝搬路の影響が一定と見なせる範囲を逸脱し、正しい加算ベクトルと差分ベクトルを求めることができない。
これを回避するために、遅延時間を4シンボルとしてフレーム境界を回避し、正しい加算ベクトルと差分ベクトルのみを選択する方法と、遅延時間シンボルを1シンボルとして、1シンボルおきに現れる正しい加算ベクトルと差分ベクトルのみを選択する方法とがある。
図36に、本発明にかかる送信ダイバーシチ運用時の通信品質測定方法における第1の実施形態の動作原理を示す。遅延時間を4シンボルとして通信品質を計算する。系列1において、1フレーム150シンボル中146シンボルは、系列2のシンボルと一致するが、フレーム境界から4シンボルは一致しない。このため、系列1と系列2との相関値が1とならない。このままでは、正しい加算ベクトルと差分ベクトルを算出できないので、フレーム境界における非一致シンボル部分のベクトル情報を、ベクトル選択過程において OFF=0 にセットすることにより、通信品質計算過程において正しい計算結果を得ることができる。
図37に、本発明にかかる送信ダイバーシチ運用時の通信品質測定方法における第2の実施形態の動作原理を示す。遅延時間を1シンボルとして通信品質を計算する。系列1において、フレーム先頭から第1番目を除き、奇数番目のシンボルは、系列2のシンボルと一致するが、フレーム先頭から偶数番目のシンボルは一致しない。このため、系列1と系列2との相関値が1とならない。このままでは、正しい加算ベクトルと差分ベクトルを算出できないので、フレーム先頭から第1番目と、フレーム先頭から偶数番目のベクトル情報を、ベクトル選択過程において OFF=0 にセットすることにより、通信品質計算過程において正しい計算結果を得ることができる。
図38に、W−CDMAセルラ方式を用いた移動通信システムにおける送信ダイバーシチを運用しない時のCPICHを示す。パイロットチャネルは、1フレーム150シンボルからなり、アンテナ#1のみから(A,A,A,A)の4シンボルを周期としたシンボル系列が繰り返し送信されている。1フレーム毎に送信シンボル系列がいったんリセットされるが、シンボルが一定のため、フレーム境界での不連続は発生しない。このため、どのような遅延時間を与えても送信シンボル系列の相関が1となる。従って、伝搬路の時間相関が小さくなる任意の遅延時間において、正しい加算ベクトルと差分ベクトルを求めることができる。
このことは、図36に示した遅延時間を4シンボルとして通信品質を計算する方法、または図37に示した遅延時間を1シンボルとして通信品質を計算する方法のいずれを用いても、送信ダイバーシチを運用しない時の希望信号電力と干渉信号電力とが正しく測定されることを示している。従って、送信ダイバーシチを運用する基地局と、送信ダイバーシチを運用しない基地局とが混在するときにも、計算方法を区別する必要なく共通的に適用できることを示している。
図39に、本発明にかかる送信ダイバーシチ運用時の通信品質測定方法における第3の実施形態の動作原理を示す。送信ダイバーシチ運用時のCPICHを測定チャネルとして、図29に示したベクトル選択部223を必要としない通信品質測定方法を示す。図29に示した同期捕捉部221で検出され、同期チップタイミング情報部225に蓄積されている同期チップタイミングを受信チップタイミングとして、相関検出は、受信信号のシンボル番号に合わせて、参照信号の拡散コードを変更しながら実行する。各送信アンテナに対する受信信号ベクトルは、相関検出により得られる受信信号ベクトルを用いて、式(4)により算出する。
次に、各送信アンテナ毎に加算ベクトルと差分ベクトルを作成する。送信ダイバーシチ運用時の希望信号電力と干渉信号電力とは、各アンテナに対する加算ベクトルと差分ベクトルより算出する。図39において、希望信号電力と干渉信号電力とを求める際の N は、1送信アンテナ当たりの加算ベクトルもしくは差分ベクトルのサンプル数であり、例えば、平均化時間が150シンボル(1フレーム内シンボル数)の場合には、N=74 となる。また、図39においては、簡単のため相関検出をフレーム先頭から行っているが、必ずしも先頭から行う必要はない。
図40に、送信ダイバーシチ運用時の通信品質測定方法の第3の実施形態によるシミュレーション結果を示す。測定ウィンドウを用いた通信品質測定を前提とし、演算はチップタイミングに対して4倍のオーバサンプリング点で行っている。シミュレーションは、希望信号の受信電力を 0dBm(各アンテナに対して-3dBm)、干渉信号の受信電力を 100dBm、送受信間のパス位置を測定ウィンドウ内10チップ目と設定した。図40より、設定した送受信間パス位置において、希望信号電力と干渉信号電力とが精度良く演算されていることがわかる。
図41に、本発明にかかる送信ダイバーシチ運用時の通信品質測定方法における第4の実施形態の動作原理を示す。送信ダイバーシチ運用時のCPICHを測定チャネルとして、図29のベクトル選択過程223を必要としない通信品質測定方法を示す。本実施形態では、相関検出により得られた受信信号ベクトルから、1送信アンテナに対する受信信号ベクトルのみを式(4)により算出する。ここで、選択する送信アンテナはアンテナ#1、アンテナ#2どちらでもよいが、算が単純なのはアンテナ#1の方であり、図41では選択する送信アンテナをアンテナ#1としている。
次に、得られた1送信アンテナにおける受信信号ベクトルに対し、加算ベクトルと差分ベクトルを生成する。送信ダイバーシチ運用時の希望信号電力と干渉信号電力とは、この加算ベクトルと差分ベクトルにより算出する。図41において、希望信号電力と干渉信号電力とを求める際の N は、加算ベクトルもしくは差分ベクトルのサンプル数であり、例えば、平均化時間が150シンボル(1フレーム内シンボル数)の場合には、N=74 となる。また、希望信号電力と干渉信号電力とを求める際の (Pt1+Pt2)/Pt1 は、補正値であり既知の値である。ここで、Pt1、Pt2は、各送信アンテナにおけるCPICHの送信電力である。なお、図41においては、簡単のため相関検出をフレーム先頭から行っているが、必ずしも先頭から行う必要はない。
図42に、送信ダイバーシチ運用時の通信品質測定方法の第4の実施形態によるシミュレーション結果を示す。シミュレーション条件は、図40に同じである。ただし、図42は送信電力による補正を行う前の値である。送受信間パス位置において、希望信号電力と干渉信号電力とが設定値より 3dB 低く演算されていることがわかる。一方、補正値は、(Pt1+Pt2)/Pt1 = 2(3dB)である。従って、補正値3dBを加えることにより、希望信号電力と干渉信号電力が正しく測定されることがわかる。
従来技術における希望信号電力と干渉信号電力とを求めるプロセスを示した図である。 本発明を適用したW−CDMA方式の移動通信システムの全体構成を示したブロック図である。 CPICHのフレーム構成を示した図である。 本発明にかかる同期捕捉方法における第1の実施形態の動作原理を示した図である。 本発明を適用した移動局の相関検出部にマッチドフィルタを用いた場合の動作説明図である。 本発明にかかる同期捕捉方法における第2の実施形態の動作原理を示した図である。 同期捕捉方法の第2の実施形態における平均化処理として電力平均処理を行った場合の図である。 平均化処理として電力平均処理を行った後の受信信号電力分布を示した図である。 電力平均処理による同期チップタイミング検出手順を示したフローチャートである。 同期捕捉方法の第2の実施形態における平均化処理としてベクトル平均処理を行った場合の図である。 平均化処理としてベクトル平均処理を行った後の分布を示した図である。 ベクトル平均処理による同期チップタイミング検出手順を示したフローチャートである。 本発明にかかる同期捕捉方法における第3の実施形態の動作原理を示した図である。 同期捕捉方法の第3の実施形態による同期チップタイミング検出手順を示したフローチャートである。 本発明にかかる同期捕捉方法における第4の実施形態の動作原理を示した図である。 送信ダイバーシチが運用されている場合のCPICHのフレーム構成と受信信号を示した図である。 本発明にかかる同期捕捉方法における第5の実施形態の動作原理を示した図である。 同期捕捉方法の第6の実施形態による同期チップタイミング検出手順を示したフローチャートである。 本発明を適用した移動局の全体構成を示したブロック図である。 本発明にかかる通信品質測定方法における第1の実施形態の動作原理を示した図である。 本発明にかかる通信品質測定方法における第2の実施形態の動作原理を示した図である。 通信品質測定方法における第2の実施形態によるシミュレーション結果を示した図である。 本発明にかかる通信品質測定方法における第3の実施形態の動作原理を示した図である。 通信品質測定方法における第3の実施形態によるシミュレーション結果を示した図である。 本発明にかかる通信品質測定方法における第4の実施形態の動作原理を示した図である。 本発明にかかる通信品質測定方法における第5の実施形態の動作原理を示した図である。 本発明にかかる通信品質測定方法における第6の実施形態の動作原理を示した図である。 通信品質測定方法における第5の実施形態によるシミュレーション結果を示した図である。 送信ダイバーシチを運用した移動通信システムの全体構成を示したブロック図である。 送信ダイバーシチが運用されたチャネルが受信点に到達するまでを説明するための図である。 本発明の一実施形態にかかる相関検出過程を説明するための図である。 本発明の一実施形態にかかる遅延過程を説明するための図である。 本発明の一実施形態にかかるベクトル計算過程を説明するための図である。 本発明の一実施形態にかかるベクトル選択過程と通信品質計算過程を説明するための図である。 W−CDMAセルラ方式を用いた移動通信システムにおける送信ダイバーシチ運用時のCPICHを示した図である。 本発明にかかる送信ダイバーシチ運用時の通信品質測定方法における第1の実施形態の動作原理を示した図である。 本発明にかかる送信ダイバーシチ運用時の通信品質測定方法における第2の実施形態の動作原理を示した図である。 W−CDMAセルラ方式を用いた移動通信システムにおける送信ダイバーシチを運用しない時のCPICHを示した図である。 本発明にかかる送信ダイバーシチ運用時の通信品質測定方法における第3の実施形態の動作原理を示した図である。 送信ダイバーシチ運用時の通信品質測定方法の第3の実施形態によるシミュレーション結果を示した図である。 本発明にかかる送信ダイバーシチ運用時の通信品質測定方法における第4の実施形態の動作原理を示した図である。 送信ダイバーシチ運用時の通信品質測定方法の第4の実施形態によるシミュレーション結果を示した図である。
符号の説明
201 基地局
202 移動局
221 同期捕捉部
222 相関検出部
223 時系列生成部
224 通信品質計算部
225 同期チップタイミング情報部
2210 同期タイミング候補生成部
2211 部分相関検出部
2212 同期チップタイミング決定部
2301 行列演算部
2302 電力演算部
2303 SIR演算部
2304 制御部
3301 遅延回路
3302 ベクトル計算部
3303 ベクトル選択部

Claims (8)

  1. 移動受信局にて通信品質の測定を行なう前段階として前記移動受信局が基地局に対して同期捕捉を行う同期捕捉方法であって、
    測定対象の前記基地局は予め決定されており、
    前記基地局から常時送信されている既知の拡散系列で拡散されたチャネルのみを用いて前記移動受信局が前記基地局に対して同期捕捉を行い、
    前記移動受信局は、前記同期捕捉を行うに先立ち、予め平均化時間およびサンプリング時間を設定しておき、該設定サンプリング時間毎に測定チャネルの拡散コードと受信信号との間で部分相関値を検出し、検出した複数の部分相関値を該平均化時間内で平均化処理するに際してベクトル平均処理により平均値を算出し、該平均値を用いて前記測定チャネルの同期チップタイミングを決定することを特徴とするCDMAセルラ方式における同期捕捉方法。
  2. 前記部分相関値を検出する際にマッチドフィルタを用い、該マッチドフィルタ内のコードを逐次書き換えていくことにより、前記測定チャネルの同期チップタイミングを検出することを特徴とする請求項1に記載のCDMAセルラ方式における同期捕捉方法。
  3. 前記平均化処理のプロセスを複数回設定可能とし、各プロセスにおいて同一もしくは異なる平均化方法で複数回平均化して得た平均値を用いて、前記測定チャネルの同期チップタイミングを決定することを特徴とする請求項1または2に記載のCDMAセルラ方式における同期捕捉方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の同期チップタイミング検出処理を複数回行い、得られた複数のタイミング値の平均値と標準偏差値を用いて前記測定チャネルの同期チップタイミングを決定するか、または、再び同期捕捉を行うか否かのいずれかの判定を行うことを特徴とするCDMAセルラ方式における同期捕捉方法。
  5. 移動受信局に設けられるとともに、前記移動受信局にて通信品質の測定を行う前段階として前記移動受信局と基地局との同期捕捉を行う同期捕捉装置であって、
    測定対象の前記基地局は予め決定されており、
    前記基地局から常時送信されている既知の拡散系列で拡散されたチャネルのみを用いて前記移動受信局と前記基地局との同期捕捉を行い、
    前記移動受信局は、前記同期捕捉を行うに先立ち、予め平均化時間およびサンプリング時間を設定しておき、該設定サンプリング時間毎に測定チャネルの拡散コードと受信信号との間で部分相関値を検出し、検出した複数の部分相関値を該平均化時間内で平均化処理するに際してベクトル平均処理により平均値を算出し、該平均値を用いて測定チャネルの同期チップタイミングを決定する手段を備えたことを特徴とするCDMAセルラ方式における同期捕捉装置。
  6. 前記手段は、前記部分相関値を検出するマッチドフィルタを有し、該マッチドフィルタ内のコードを逐次書き換えていくことにより、前記測定チャネルの同期チップタイミングを検出することを特徴とする請求項5に記載のCDMAセルラ方式における同期捕捉装置。
  7. 前記手段は、前記平均化処理のプロセスを複数回設定可能とし、各プロセスにおいて同一もしくは異なる平均化方法で複数回平均化して得た平均値を用いて、前記測定チャネルの同期チップタイミングを決定することを特徴とする請求項5または6に記載のCDMAセルラ方式における同期捕捉装置。
  8. 前記手段は、請求項5乃至7のいずれかに記載の同期チップタイミング検出処理を複数回行い、得られた複数のタイミング値の平均値と標準偏差値を用いて前記測定チャネルの同期チップタイミングを決定するか、または、再び同期捕捉を行うか否かのいずれかの判定を行うことを特徴とするCDMAセルラ方式における同期捕捉装置。
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