JP4361213B2 - 真空下における電子ビームによる蒸発及び凝縮によって金属製基材に傾斜保護コーティングを形成するための組成物 - Google Patents

真空下における電子ビームによる蒸発及び凝縮によって金属製基材に傾斜保護コーティングを形成するための組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、異なる溶融温度及び蒸発温度において異なる蒸気圧を有する金属、合金及び酸化物の混合物を、蒸発させるとともに続いて(300〜500℃の)中間温度で凝縮させることによって、外側セラミック層または金属−セラミック層を含む傾斜機能保護コーティングを金属製基材に形成する電子ビーム技術分野に関する。本発明は、特に、ガスタービンエンジンに使用されるチタン合金製の部材の保護コーティングの分野に関し、更に詳細には、金属製基材に傾斜保護コーティングを形成するための組成物に関する。
【0002】
【背景技術】
基材/コーティングシステムにおける結合が弱い箇所は、これらの間の平らな境界面であることが周知である。動作中の境界面における基材とコーティングとの物理機械的特性の差、主に、線膨張及びヤング係数の熱的な係数の差とともに、酸化などの不可逆反応によって、コーティングの初期剥離及び部材性能の劣化が生じるおそれがある。
【0003】
これに関して、ここ5〜10年の間、コーティングは、基材からコーティングの上層の方向における組成物及び構造体の正確な傾斜(機能)によって改良されてきた。この課題は、特に、金属面に酸化セラミックの外側セラミック層を有する保護コーティングに関して緊急を要する。
【0004】
現時点では、保護コーティングの分野において、傾斜機能保護コーティングという材料科学の新たな方向が定まってきた(エムアールエス会報第20巻、第1号、1995年)。この分野は、主に空気圧プラズマ溶射(APS)、真空プラズマ溶射(VPS,LPPS)及びコーティングの真空下での電子ビーム蒸着(EB−PVD)の先端技術に基づいている。ここでは、個々のコーティング部材を、複数の供給源から溶射すること、及び保護コーティングの組成を予め決定する複合組成物を1つの供給源から溶射することの両方が用いられる。
【0005】
例えば、(ジー.ゴワード等に)81年3月2日に付与された米国特許第4,248,940号では、ZrO2−Y23及びZrO2−MgOの酸化セラミックの外側セラミック層を有する傾斜コーティングを、(15〜40)%Cr−(10〜15)%Al−(0.01〜1.0)%Y、残部Ni−Co合金の耐熱合金粉末と、上述のセラミック粉末と、を空気圧プラズマの2つの個々の供給源から所定のプログラムによって溶射することで形成している。
【0006】
セラミックの含有量が増加する粉末混合物を含む1つの組成物供給源からLL
Figure 0004361213
ールエス会報、第20巻、第1号(1995年)27〜31頁)。
【0007】
同様の方法だが、APSを使用する方法も、Ti−6Al−4Vのチタン合金
Figure 0004361213
られている(シアン シンホワ等、表面及びコーティング技術、第88巻(1996年)66〜69頁)。
【0008】
電子ビーム技術(EB−PVD)は、ニッケル合金にNiCoCrAlYタイプの傾斜ボンドコートを形成するために使用される。ボンドコートの厚みに亘るいくつかの成分の濃度変化は、蒸発及び凝縮の処理パラメータの変更によって得られた(ユー.シャルツ等、傾斜構造及び傾斜機能を有する材料に関する第3回国際シンポジウム、ビー.イルシュナー及びエヌ.チェラルディ(スイス、ローザンヌ)編、ロマンデス大学ポリテクニックプレス(1994年)441〜446頁)。
【0009】
保護コーティングの厚みに亘って傾斜機能を有する組成物及び構造体の開発は、必須であるが、高い信頼性を有する基材−コーティングの組み合わせを形成するにはまだ不充分な状態である。基材と傾斜機能コーティングとの間には、基材に対する高い密着強さをコーティングに与える特定の傾斜遷移領域が必要である。上述の異なる処理では、この領域は、コーティングの蒸着において基材(部材)を高温で予熱すること、コーティングの蒸着後に部材を高温で焼きなますこと、または第1及び第2の熱処理を連続して用いることによって、接触領域の拡散処理を促進することで形成される。例えば、ニッケルベースの合金に関しては、予熱及び焼きなましの温度範囲は、900〜1100℃である。
【0010】
高温での加熱及び焼きなましは、単なる追加処理ではなく、上述の方法によって保護コーティングを施すことができる材料及び部材の範囲を限定する一種の障壁である。このような限定は、高温での加熱や長時間の焼きなましによる部材の材料構造や適切な部材形状の変化に関連する。また、高温での焼きなましとこれに続く室温への部材冷却後に、コーティング内に生じる相当の内部応力のおそれも考慮する必要がある。
【0011】
上述の事実に関連して、傾斜機能保護コーティングは、続いて高温焼きなましを行う必要なく、基材に対する高いコーティング密着強さを提供する上述の傾斜遷移領域を、基材と傾斜機能コーティングとの間に室温で同時に形成するように更に改良することができる。
【0012】
ところが、真空下での電子ビームによる蒸発及び凝縮によって、金属製基材に外側セラミック層を有する傾斜保護コーティングを形成する場合には、異なる溶融温度及び蒸発温度において異なる蒸気圧を有する金属、合金、及び酸化物の混合物から構成される特別な組成物を適用することによってこのような課題を解決することができる。
【0013】
本発明に最も近いためにここで取り上げる従来技術は、(ビー.モーブチャン等による)97年3月4日出願のヨーロッパ特許出願第97105545.4号、ヨーロッパ公開公報第0799904号、MPK6 S23S 14/30,14/06,14/02、公報1997/41、1997年8月10日である。上述の出願の発明において、真空下での電子ビームによる蒸発及び凝縮によって金属製基材に傾斜保護コーティングを形成する一実施例で提案された組成物によって、より良好な特性が得られる。この組成物は、蒸発温度において異なる蒸気圧を有する金属及び金属酸化物の混合物をベースとし、具体的には、Al5〜40質量%、A2360質量%、残部ZrO2である。アルミニウムは、溶融温度が低くかつ蒸発温度での蒸気圧が最も高いので、上述の混合物に加えられる。真空下で固めて焼きなましたタブレット状の上記混合物を、セラミック製のインゴット上あるいは水冷銅るつぼ内に配置し、電子ビームによって溶融する。タブレット成分の蒸発温度における蒸気圧は、アルミニウムが最大であり、酸化ジルコニウムが最低であり、即ち、Al−>Al23−>ZrO2の順で減少する。従って、アルミニウムが最小に蒸発し始め、続いて酸化アルミニウムの蒸発が始まり、最終段階で酸化ジルコニウムが蒸発する。これにより、凝縮中にコーティングの厚みに亘って成分濃度の傾斜が引き起こされる。アルミニウムの第1の部分は、予熱基材上に凝縮するときに基材の表面層と反応して、基材−コーティングの接触領域の組成及び構造体の形成に加わる。
【0014】
上述の組成は、上述のコーティングを施すときの基材の予熱温度が900〜1050℃である場合に関して、広い範囲の動作条件に亘って良好なコーティングの物理機械的特性を提供する。この温度は、試作品で提案されているコーティングが設計目的とするニッケル合金では、構造体や応力に望ましくない変化を生じさせない。
【0015】
しかし、特に、Ti,CuまたはFeをベースとするいくつかの他の合金では、この温度は高すぎる。
【0016】
従って、(300〜500℃の)中間温度に予熱された金属製基材、特にチタン、銅、または鉄ベースの金属製基材に、真空下で電子ビームによる蒸発及び凝縮によって傾斜機能保護コーティングを形成するために適した組成物を形成することが依然として急務である。
【0017】
【発明の開示】
本発明は、真空下での電子ビームによる蒸発及び凝縮によって、基材表面が(300〜500℃の)中間温度である金属製基材に傾斜保護コーティングを施すために適した組成物を形成する課題から生じており、この組成物の成分を適切に選択することによって、基材と傾斜機能コーティングとの間の遷移領域を確実に形成するとともに、基材に対するコーティングの高い密着強さと硬さとを提供する。
【0018】
上述の課題は、真空下での電子ビームによる蒸発及び凝縮によって金属製基材上に傾斜保護コーティングを形成するための組成物を提案することによって解決され、この組成物は、蒸発温度において異なる蒸気圧を有する金属及び金属酸化物の混合物をベースとし、本発明では、金属としてSn及びCrが含まれ、金属酸化物として酸化クロム及び酸化アルミニウムが含まれ、成分比率は、Sn−1〜13質量%、Cr−1〜40質量%、Cr23−0.1〜10質量%、残部Al23である。
【0019】
真空において上述の組成物を電子ビームによる蒸発及び凝縮によって施す方法は、例えば、ロシア特許第2120494号に開示されている。
【0020】
組成物のこの割合によって、(300〜500℃)の中間温度で高い密着強さ及び硬さを有するコーティングを施すことが可能となる。
【0021】
溶融温度が232℃と低く、かつ蒸発温度での蒸気圧が最大である成分として、Snを組成物に加えることで、凝縮の初期段階においてSnの薄い液膜が形成され、この液膜は、基材の表面層と作用して接触遷移領域の組成及び構造体を決定する。
【0022】
300〜500℃の温度では、Snは、Ti、Fe、Cu及びこれらをベースとする合金に対して相当の溶解度を有する(Ti、Fe、Cuに対して、それぞれ約20質量%、約10質量%、約10質量%)。従って、基材がこのような金属及び合金から形成されている場合には、上述の液膜は、基材表面を湿らせてこの面の粗さを滑らかにするとともに基材材料を溶かし、基材に対するコーティングの密着性に関して望ましくない脆弱相を形成しない。
【0023】
本発明の組成の更なる蒸発では、Snを多く含む遷移領域の上にCr−Cr23−Al23金属−セラミックコーティングが形成される。このコーティングは、保護コーティングにおいて好ましい機械的及び物理機械的特性を全て備えており、具体的には、高い硬さ、金属合金に近い線形熱膨張、優れた酸化耐性、良好な高温耐性などを備える。
【0024】
Sn−1〜13質量%、Al−1〜8質量%、Cr−1〜40質量%、Cr23−0.1〜10質量%、残部Al23の成分比率で組成物に更にAlを加えることが合理的である。
【0025】
これは、Alが、Snと同様にTi,Fe,Cuに対して相当の溶解度を有するために、上述の組成物によって、コーティングの密着強さが向上するからである。
【0026】
また、Sn−1〜13質量%、Al−1〜8質量%、Cr−1〜40質量%、Cr23−0.1〜10質量%、MgO−30〜50質量%、残部Al23の成分総比率で組成物が更にMgOを含むことも合理的である。
【0027】
Cr23の追加と同様に、Al23−CrサーメントへのMgOの追加は、その密度及び硬さを増加させることが周知である(サーメント、ジェイ.アール.ティンクルポー及びダブリュー.アール.クランダル編、1960年、レインホルド出版社)。
【0028】
どのような治金学的処理によっても製造可能であり、特に、粉末の混合及び加圧によって製造される本発明の組成物は、真空下での電子ビームによる蒸発及び蒸着によって300〜500℃に予熱された基材に形成されたコーティングに対して良好な物理的及び技術的特性を提供するとともに、基材に対する高い密着強さと硬さを与える。
【0029】
【発明を実施するための最良の形態】
真空下での電子ビームによる蒸発及び凝縮によって施される傾斜機能保護コーティングを金属製基材に形成するために提案される組成物は、蒸発温度で異なる蒸気圧を有する金属粉末及び酸化物の混合物であり、この混合物は、基本的に、Sn−1〜13質量%、Cr−1〜40質量%、Cr23−0.1〜10質量%、残部Al23の濃度を有する。
【0030】
溶融温度が低くて最初に蒸発し、かつ凝縮中に“接着剤”として機能して、まず表面の微小起伏を滑らかにしてから基材/コーティング遷移領域の組成及び構造体の形成に関与するSnが組成物に含まれることによって、試料の表面粗さに関する必要条件が小さくなる。提案される組成物を用いたコーティングを施す場合に、約1μmの深さの起伏を形成するサンドブラストで充分であることが実験から分かった。
【0031】
周知の組成物と比較した場合の提案される組成部の利点は、以下の実施例で説明されている。
【0032】
実施例1
粉末から直径25mmでかつ重量6gのタブレットに圧縮した、13質量%のSn、13質量%のCr、0.5質量%のCr23、73.5質量%のAl23の基本濃度を有する組成物成分の混合物を、(図1の)水冷るつぼに配置し、低炭素鋼、銅、及びチタンの70×5×2.5mmの平らな試料上に、300℃の温度において、ビーム出力26〜28kW、ビーム電流約1.5Aの電子ビームによって真空下で蒸発させるとともに続いて凝縮させた。供給源と凝縮面との距離が320〜340mmの場合に、固定された基材上の傾斜コーティングの厚みは、5μmであった。コーティングの厚みは、タブレット重量に比例し、厚みが6〜7μmのコーティングのためには、8〜10gのタブレット重量が充分である。
【0033】
基材/コーティング接触領域におけるSnの濃度も、タブレットのSn含有量に比例する。図2は、13重量%のSn−13重量%のCr−0.5重量%のCr23−73.5重量%のAl23の組成物を含む重量40gのタブレットの蒸発によって形成したコーティング及びその接触領域におけるSn及びその他の成分の分布を示している。
【0034】
基材に対するコーティングの密着強さとコーティングの質は、コーティングされた試料に層剥離または割れが生じる直前の曲げ角度によって測定した。上述の低炭素鋼、銅、及びチタンの平らな試料の曲げ角度は、支持部の間隔が18mmである、3点における曲げ処理によって1mm/分の負荷速度で測定した。測定値は、約90°であった。コーティング表面の微小硬さHVは、負荷50gで測定し、測定値は、8〜9GPaであった。
【0035】
実施例2
実施例1と同様の条件の下で、低炭素鋼、銅、及びチタンの70×5×2.5mmの平らな試料上に、6質量%のSn−3質量%のAl−15質量%のCr−0.5質量%のCr23−75.5質量%のAl23の組成物を、電子ビームによって蒸発させるとともに続いて凝縮させた。固定された基材上の傾斜コーティングの厚みは、約6μmであった。
【0036】
基材に対するコーティングの密着強さ及びコーティングの質は、実施例1と同様に、コーティングされた試料に層剥離または割れが生じる直前の曲げ角度によって測定した。この実施例では、曲げ角度は、約120°であり、負荷50gにおけるコーティング表面の微小硬さHVは、約8〜9GPaであった。
【0037】
実施例3
実施例1と同様の条件の下で、低炭素鋼、銅、及びチタンの70×5×2.5mmの平らな試料上に、6質量%のSn−2質量%のAl−34質量%のCr−1質量%のCr23−44質量%のMgO−13質量%のAl23の組成物を、電子ビームによって蒸発させるとともに続いて凝縮させた。固定された基材上の傾斜コーティングの厚みは、約6μmであった。
【0038】
基材に対するコーティングの密着強さ及びコーティングの質は、実施例1と同様に、コーティングされた試料に層剥離または割れが生じる直前の曲げ角度によって測定した。この実施例では、曲げ角度は、約90°〜100°であった。
【0039】
コーティング表面の微小硬さHVは、負荷50gで測定し、測定値は、19〜20GPaであった。
【0040】
本発明は、鉄及び銅の合金部材に傾斜機能保護コーティングを施す産業において利用可能であり、特に、ガスタービンに使用されるチタン合金製部材に保護コーティングを形成する分野において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 水冷るつぼにタブレット状の組成物を配置する方法の説明図である。
【図2】 13質量%のSn−13質量%のCr−0.5質量%のCr23−73.5質量%のAl23の組成物を蒸発させることによって形成した傾斜コーティングの厚みに亘るSn,Cr,Al,Oの分布を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 真空下における電子ビームによる蒸発及び凝縮によって金属製基材に傾斜保護コーティングを形成するための組成物であって、蒸発温度において異なる蒸気圧を有する金属及び金属酸化物の混合物をベースとする該組成物において、
    前記金属としてSn及びCrを含み、前記金属酸化物として酸化クロム及び酸化アルミニウムを含み、成分比率が、Sn−1〜13質量%、Cr−1〜40質量%、Cr23−0.1〜10質量%、残部Al23であることを特徴とする金属製基材に傾斜保護コーティングを形成するための組成物。
  2. 更にAlを含み、成分比率が、Sn−1〜13質量%、Al−1〜8質量%、Cr−1〜40質量%、Cr23−0.1〜10質量%、残部Al23であることを特徴とする請求項1記載の金属製基材に傾斜保護コーティングを形成するための組成物。
  3. 更にMgOを含み、成分比率が、Sn−1〜13質量%、Al−1〜8質量%、Cr−1〜40質量%、Cr23−0.1〜10質量%、MgO−30〜50質量%、残部Al23であることを特徴とする請求項2記載の金属製基材に傾斜保護コーティングを形成するための組成物。
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