以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機やスロットマシン等であってもよく、画像を表示するための画像表示装置を有する遊技機であればすべてに適用することが可能である。
図1は、遊技機の一例のパチンコ遊技機の遊技盤面を示す正面図である。同図において一部内部構成を示す。パチンコ遊技機の遊技盤1の前面には、遊技領域2が形成されている。パチンコ遊技機には、遊技者が打球操作するための打球操作ハンドル(図示せず)が設けられており、この打球操作ハンドルを遊技者が操作することにより、パチンコ玉を1個ずつ発射することができる。発射されたパチンコ玉は、誘導レール18によって遊技領域2内に導かれる。誘導レール18から遊技領域2への出口部分には、一旦遊技領域2内に打ち込まれたパチンコ玉が誘導レール18内に逆戻りすることを防止するための弁状の逆流防止部材22が設けられている。なお、遊技領域2内に打込まれたパチンコ玉を以下の説明では打玉という。
遊技領域2内には、複数種類の画像情報を可変表示するための可変表示装置3が設けられている。可変表示装置3は、その正面側にセンター飾り28を有し、センター飾り28の中央にLCD表示器29(後記図3に示す)からなる表示部60を備えている。この表示部60には、打玉が始動入賞口5に入賞し(以下、「始動入賞」という)、その入賞玉が始動口スイッチ6(破線で図示)によって検出されたことに応じて、後述する可変入賞球装置4の状態を変化させるか否かを決定するための特定の画像が可変表示される。なお、表示部60に表示される画像の詳細については後述する。
可変表示装置3の頂部には、通過口(ワープ入口)10が設けられている。この通過口10に入った打玉は、可変表示装置3内に設けられた玉流下経路を経て可変表示装置3の下部に設けられたワープ出口11から排出される。ワープ出口11は、始動入賞口5および可変入賞球装置4の真上に設けられているので、通過口10に入った打玉が、始動入賞口5や可変入賞球装置4に入賞しやすいように構成されている。これは、遊技領域2内で可変表示装置3が比較的大きな配置スペースを占めており、そのために、始動入賞口5や可変入賞球装置4への入賞頻度が低下することを防止するためである。
また、可変表示装置3の上部には、飾り図柄9が設けられている。この飾り図柄9は、たとえば遊技場側が、飾り図柄9に表示された図柄の種類に応じて、大当り時に遊技者に払出した賞球を景品等と交換するか、または、払出した賞球を遊技者にそのまま遊技に使用させるかなどの条件を設定する場合などに用いられる。
さらに可変表示装置3には、始動記憶表示器8が設けられている。可変表示装置3が可変表示中に、再度、打玉が始動入賞口5に入賞すれば、その始動入賞が記憶される。この記憶された始動入賞個数が始動記憶表示器8に表示される。可変表示装置3の可変表示が停止した後、可変表示が再度開始できる状態になるまで待って、記憶された始動入賞に基づいて可変表示装置3の可変表示が開始される。この始動入賞記憶の上限値は、たとえば「4」に定められている。
次に、可変入賞球装置4について説明する。可変入賞球装置4には、開口部7が設けられている。開口部7の左右両側には、所定範囲で回動可能な開閉翼片21a,21bが備えられている。可変入賞球装置4は、通常時には、点線で図示したように、開閉翼片21a,21bが閉成して打玉が開口部7へ入賞することが不可能な遊技者にとって不利な第2の状態となっている。そして、始動入賞に基づいて可変表示装置3の表示部60における可変表示が開始された後に停止制御され、その停止時の表示結果が予め定められた特定の表示態様(後述)となったときは、実線で図示したように、開閉翼片21a,21bが開成して打玉が開口部7に入賞することが可能な遊技者にとって有利な第1の状態となる。可変入賞球装置4が第1の状態となるきっかけを大当りという。
可変入賞球装置4の第1の状態は、所定期間(たとえば30秒間)の経過あるいは所定個数(たとえば10個)の打玉の入賞のうち、いずれか早い方の条件が成立したことにより終了して、可変入賞球装置4が第2の状態となる。可変入賞球装置4の開口部7に打玉が入賞した場合には、15個の賞球が払出される。
また、可変入賞球装置4の開口部7内には、Vポケットと呼ばれる特定領域(後記図3に示す)61が設けられている。第1の状態となっている可変入賞球装置4内に入賞した打玉が、この特定領域に入賞すれば、その特定入賞玉が特定領域スイッチ50(後記図2に示す)により検出され、その回の可変入賞球装置4の第1の状態が終了するのを待って、再度、可変入賞球装置4を第1の状態に駆動制御する繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において可変入賞球装置4が第1の状態になる1回ごとをラウンドという。繰返し継続制御の上限回数は、たとえば16回に定められている。
遊技領域2内には、さらに、複数の普通入賞口12が設けられている。これら普通入賞口12および前記始動入賞口5に打玉が入賞した場合は、7個の賞球が払出される。また、遊技領域2内に打ち込まれ、いずれの入賞口へも入賞しなかった打玉は、遊技領域2の最下部に設けられたアウト口17に導かれてアウト玉として処理される。
また、遊技領域2内や遊技盤面を装飾して遊技効果を高めるために、以下のような各種
のランプ類や装飾部材が配設されている。遊技領域2の左右両端部には、サイドランプ14と飾りLED(Light Emitting Diode)56とが設けられている。また、可変表示装置3の左右両側には、風車ランプ15と風車飾り20とが設けられている。遊技領域2内の肩部に設けられた普通入賞口12は、肩LEDによって装飾されている。また、遊技領域2内の袖部に設けられた普通入賞口12は、袖ランプ16によって装飾されている。可変入賞球装置4は、アタッカランプ19によって装飾されている。さらに、誘導レール18は、その周囲に配設されたレール飾りランプ13によって点灯装飾されている。
図2は、遊技盤1の背面側の構成を示す図である。遊技盤1の背面側には、入賞玉集合カバー23,24が設けられている。前述の図1に示した遊技盤1の正面側に設けられた各入賞口に入賞した打玉は、入賞玉集合カバー23,24内に設けられた玉流下経路に沿って所定の箇所へ導かれる。入賞玉の流下経路を矢印にて示す。
遊技盤1の背面側の下方には、特定領域スイッチ50と10カウントスイッチ51a,51bとが備えられている。特定領域スイッチ50は、前述したように可変入賞球装置4の開口部7内に設けられた特定領域61(図3)に入賞した打玉を検出するためのスイッチである。10カウントスイッチ51a,51bは、可変入賞球装置4の開口部7内に入賞した打玉が10個に至ったか否かを検出するためのスイッチである。また、始動入賞玉の流下経路には、始動入賞玉を検出するための始動口スイッチ6が設けられている。遊技盤1の最下部には、アウト口17の背面側における開口が形成されている。
図3は、遊技盤1の背面における各種機構部の装着状態を示す斜視図である。遊技盤1の背面中央には、可変表示装置3のLCD表示器29が取付けられる。可変表示装置3の正面側には、センター飾り28が設けられている。このセンター飾り28の中央に形成された窓部からLCD表示器29の表示部60が臨むようにして、LCD表示器29が取付けられている。
さらに、遊技盤1の背面側において上部に設けられた入賞玉集合カバー23上には、各機構部間の信号を中継するための中継端子基板25が装着されている。また、遊技盤1の背面側の下部には、前記開閉翼片21a,21bを開閉駆動するための開閉翼片用ソレノイド26と、可変入賞球装置4の開口部7内に設けられた可動片(後述)を駆動するための可動片用ソレノイド27とが配設されている。さらに、前記図2に示した入賞玉集合カバー24と始動口スイッチ6とアウト口17とは、それぞれ図示した状態で取付けまたは形成されている。
図4は、可変表示装置3の正面側の詳細構成を示す正面図である。可変表示装置3の正面側には、センター飾り28が設けられている。前述の図1に示した通過口10と飾り図柄9と始動記憶表示器8とは、このセンター飾り28に設けられている。さらに、センター飾り28は、装飾部材47,48と飾りLED55とによって装飾されている。また、前記図2に示したLCD表示器29の表示部60が、センター飾り28の中央に形成された開口から正面側を臨むように配設されている。センター飾り28は取付基板30を有し、この取付基板30を遊技盤1に取付けることにより、センター飾り28が遊技領域2内に固定される。また、通過口10に入った打玉がワープ出口11から排出されるまでの玉の流下経路を矢印にて示した。このセンター飾り28内における玉流下経路の構成については図5を参照して後述する。
図5は、可変表示装置3の断面構成図である。同図において、左方向が可変表示装置3の正面側である。正面側において、前記図4に示した飾り図柄9と装飾部材47,48との断面構成または側面構成をそれぞれ示す。センター飾り28の背面側には、裏カバー部材33が設けられている。通過口10に入った打玉が、センター飾り28の背面側に導か
れて裏カバー部材33内に入るまでの経路を矢印にて示す。
センター飾り28の背面側には、可変表示装置3の本体となるLCD表示器29が取り付けられている。LCD表示器29の正面側には、装飾部材31が配設されている。LCD表示器29は、正面側に保護板36を有し、背面側は、LCDカバー43によって覆われている。LCD表示器29の内部には、ユニットベース41が形成され、このユニットベース41の内部には、LCDを背面側から照明するためのFL(Fluorescent Lamp)管49を備えたCFLユニット40が収納されている。また、ユニットベース41の背面には、CFLユニット40を制御するためのCFL基板42が装着されている。さらに、LCDカバー43の背面には、LCD表示器29の表示を制御するための表示制御基板45が装着されている。この表示制御基板45は、裏カバー46によって保護されている。
図6は、センター飾り28の構成を示す分解斜視図である。図示したように、センター飾り28は、取付基板30と、装飾部材31と、玉通路カバー32と、裏カバー部材33との4つの主要部材により構成されている。前述の通過口10や装飾部材47,48は、取付基板30に形成されている。取付基板30に設けられた通過口10に入った打玉は、裏カバー部材33内に至った後、裏カバー部材33に形成された玉通路34に沿ってセンター飾り28の下方にあるワープ出口11(図4参照)まで導かれる。前記図1に示した始動記憶表示器8は、玉通路カバー32に取り付けられている。
図7は、LCD表示器29の構成を示す分解斜視図である。LCD表示器29の内部には画像を表示するための液晶表示板39が備えられている。液晶表示板39の背面には、拡散板38が装着され、さらにその背面側には、前記図5に示したCFLユニット40が配設されている。このCFLユニット40のFL管49から発せられた光線が、拡散板38によって拡散された後に液晶表示板39を透過することにより、液晶表示板39の液晶によって形成された画像が正面側に表示される。液晶表示板39は、金属製の保持枠37によって支持された状態で、CFLユニット40とともにユニットベース41内に収納される。液晶表示板39は、その正面側を保護板36によって保護されている。
液晶表示板39のアース線104は、保持枠37に接続されている。また、液晶表示板39に制御信号を伝達するための配線102は、ユニットベース41の背面に装着されるCFL基板42に接続されている。なお、CFL基板42自体は、CFLユニット40を駆動制御するほか、液晶表示板39を駆動する電圧を調整するボリュームを有している。CFL基板42は、液晶表示板39への制御信号を中継する。
ユニットベース41の背面側は、LCDカバー43によって保護される。このLCDカバー43の側面には、側部カバー44が着脱自在に取付けられる。この側部カバー44を取り外すことによって、ユニットベース41内のCFLユニット40を収納または取出しすることができる。さらに、LCDカバー43の背面には、表示制御基板45が装着される。この表示制御基板45のコネクタ112にCFL基板42が接続される。これにより、表示制御基板45からの制御信号をCFL基板42によって中継し、さらに配線102を経て液晶表示板39へ伝達することができる。表示制御基板45は、裏カバー46によって保護される。
図8は、前記図7に示した液晶表示板39を背面側から見た拡大斜視図である。液晶表示板39は、液晶を充填した液晶表示部と、液晶表示部を支持する基板101と、基板101を保護するケース100とによって構成されている。液晶表示部の背面には拡散板38が装着されている。基板101には、上部セグメントドライバ103Aと、下部セグメントドライバ103Bと、コモンドライバ103Cとが配設されている。上部セグメントドライバ103Aと上側のコモンドライバ103Cとによって、液晶表示部の上部のセグ
メントが駆動される。また、下部セグメントドライバ103Bと下側のコモンドライバ103Cとによって、下部のセグメントが駆動される。
基板101の上部には配線102が接続されている。基板101には、アース線104が接続されている。このアース線104は、前記図7に示したように保持枠37に接続されている。これは、基板101のグランド領域が小さいので、アース線104を介して金属製の保持枠37に接地することにより、基板101のグランド電位を安定させるためである。
図9は、表示制御基板45の部品の配置構成を示す平面図である。同図(a)は、背面側の構成を示し、同図(b)は、正面側の構成を示す図である。同図(a)に示すように、表示制御基板45の背面側には、表示制御用のプログラムデータなどを格納したROM106と、表示画面を作成するときの基本データとなる画像データを格納したキャラクタROM108と、表示制御用プログラムデータに従って画像データを読出し、表示画面のデータを作成するディスプレイコントローラ105と、このディスプレイコントローラ105のワークメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)107とが配設されている。
さらに、表示制御基板45の背面側には、各部品を同期させるためのクロックパルスを出力する水晶振動子109と、LCD回路70(後述)からの信号線を接続するためのコネクタ110とが設けられている。
一方、同図(b)に示すように、表示制御基板45の正面側には、ディスプレイコントローラ105が作成した表示画面のデータを格納するためのVRAM111が装着され、さらに、前記図7に示したCFL基板42と連結するための信号線用のコネクタ112が設けられている。
前記図9(a),(b)に示した構成により、表示制御基板45において、ディスプレイコントローラ105が外部から入力された指令信号に応答してROM106から表示制御用プログラムデータを読出し、読出したプログラムに従って動作する。ディスプレイコントローラ105は、表示画面の作成に必要な画像データをキャラクタROM108から読出し、読出した画像データを基本データとして編集処理を施し、表示画面データを作成する。ディスプレイコントローラ105が動作するときには、実行プログラムや編集処理中に生成された中間データなどは、RAM107に展開される。ディスプレイコントローラ105が作成した表示画面データは、VRAM111に格納され、所定のタイミングでディスプレイコントローラ105に読出されて液晶表示板39に表示される。なお、表示画面の具体例については、図14〜図17を参照して後述する。
図10および図11は、可変入賞球装置4の詳細構成を示す図であり、図10は一部内部構成を示す正面図、また、図11は一部内部構成を示す斜視図である。図10と図11とを参照して可変入賞球装置4の構成について説明する。可変入賞球装置4の中央には、開口部7が形成されている。この開口部7の左右両側には、図10に示した範囲で回動可能な開閉翼片21a,21bが配設されている。開閉翼片21a,21bが閉じた状態のときは、開閉翼片21a,21bと可変入賞球装置4の上部に設けられた突出部とによって開口部7が閉成され、打玉が開口部7に入賞不可能になる。一方、開閉翼片21a,21bが開いた状態のときは、突出部と開閉翼片21a,21bとの間に所定間隔の隙間が生じ、開口部7が開成状態となり、打玉が開口部7に入賞可能になる。開閉翼片21a,21bは、可変入賞球装置4の背面側に設けられた開閉翼片用ソレノイド26によって駆動される。
開口部7の内部には、特定領域(V入賞口)61が形成されている。この特定領域61に入賞した打玉は、特定領域スイッチ50(図10にて破線で示す)によって検出され、この特定入賞玉の検出に基づいて、大当りが繰返し継続制御される。特定領域61の上方には、可動片用ソレノイド27(図10にて破線で示す)によって駆動され、所定範囲で上下方向に移動可能な可動片52が設けられている。前述の開閉翼片21a,21bが開成状態のときに、打玉が開口部7に入り、特定領域61内に入賞すると、可動片52が下方向へ移動し、打玉の特定領域61への進入路を塞ぎ、それ以上特定領域61内に打玉が入賞しないようにする。これにより、大当りの1ラウンド中には、1回のV入賞しか生じないようにしている。
開口部7内に入り、特定領域61に入賞しなかった打玉は、図10にて矢印で示した経路に沿って流下し、可変入賞球装置4の背面側下部に配設された10カウントスイッチ51a,51bによって検出される。
可変入賞球装置4の上部には、始動入賞口5が設けられている。また、可変入賞球装置4の左右両端部には、普通入賞口12が設けられている。さらに、可変入賞球装置4は、アタッカランプ19や、飾りLED57,58,59などによって点灯装飾されている。
可変入賞球装置4には、その背面側に取付基板53が形成されており、この取付基板53を遊技盤1に取り付けることにより、可変入賞球装置4が遊技領域2内に固定される。
図12は、パチンコ遊技機に用いられる制御回路の構成を示すブロック図である。制御回路は、制御用プログラムに従ってパチンコ遊技機の各種機器を制御するためのメイン基本回路67と、このメイン基本回路67からの制御信号を受けて駆動するスイッチ回路69,LCD回路70,LED回路71,ソレノイド回路72,情報出力回路73,アドレスデコード回路62,ランプ回路63,サブCPUコマンド出力回路64,定期リセット回路65,初期リセット回路66等を含む。また、制御回路には、AC24Vの交流電源に接続されて複数種類の直流の電圧を発生するための電源回路68が備えられている。
メイン基本回路67の内部には、制御用プログラム等を記憶しているROMと、その制御用プログラムに従って制御動作を行なうためのCPU(Central Processing Unit )と、CPUのワーク用メモリとして機能するRAMと、I/O(Input/Output)ポートと、クロック発生回路とが設けられている。なお、メイン基本回路67の内部構成については図示を省略する。
スイッチ回路69は、始動口スイッチ6と、特定領域スイッチ50と10カウントスイッチ51a,51bとからの検出信号をメイン基本回路67に与えるための回路である。LCD回路70は、メイン基本回路67からの制御信号に従って、可変表示装置3のLCD表示器29に対して表示指令信号を与えるための回路である。LED回路71は、可変入賞球装置4に設けられた飾りLED57,58の点灯を制御するための回路である。
ソレノイド回路72は、メイン基本回路67からの指令信号に応答して開閉翼片用ソレノイド26と可動片用ソレノイド27とを作動させるための回路である。情報出力回路73は、メイン基本回路67から与えられるデータ信号に基づいて、大当りが発生した旨を示す大当り情報や、可変表示装置3の可変表示に利用された始動入賞玉の個数を表わす有効始動情報をホストコンピュータであるホール用管理コンピュータ等に対して出力するための回路である。
アドレスデコード回路62は、メイン基本回路67から送られてきたアドレス信号をデコードし、メイン基本回路67内に含まれるROM,RAM,I/Oポート等のうちのい
ずれか1つを選択するための信号を出力する回路である。
ランプ回路63は、レール飾りランプ13とサイドランプ14と風車ランプ15と袖ランプ16とアタッカランプ19と遊技ランプ35(遊技機本体に装着)との点灯を制御するための回路である。サブCPUコマンド出力回路64は、後述の図13に示すサブ基本回路75へコマンドを出力するための回路である。
初期リセット回路66は、電源投入時にメイン基本回路67をリセットするための回路である。また、定期リセット回路65は、メイン基本回路67に対し、定期的(たとえば2msec毎)にリセットパルスを与え、所定のゲーム制御用プログラムを先頭から繰返し実行するための回路である。この定期リセット回路65が発するリセット信号は、メイン基本回路67に送られるとともに、サブ基本回路75へも送られる。
図13は、前記図12に示した制御回路に接続されるサブ制御回路の構成を示すブロック図である。サブ制御回路には、制御回路のサブCPUコマンド出力回路64から出力されたコマンドデータ(DATA0〜6)や定期リセット回路65から出力されるリセット信号(R_RESET)に応じてLEDを点灯制御するための指令信号と、スピーカ78からの音声発生を制御するための信号とを出力するサブ基本回路75が含まれている。
サブ基本回路75から出力されるLEDの点灯制御指令信号は、LED回路74に与えられる。LED回路74は、サブ基本回路75からの指令信号を受けて始動記憶表示器8と、飾り図柄9と、肩LED54と、飾りLED55,56,59とを点灯制御する。また、サブ基本回路75から出力された音声発生指令信号は、音声合成回路76に与えられる。音声合成回路76は、音声発生指令信号に応答して該当する音声を合成する。合成された音声信号は音量増幅回路77に送られ、所定の音量に増幅された後、スピーカ78に与えられる。スピーカ78は、送られてきた音声信号に基づいて音声を発する。
図14〜図17は、始動入賞口5に打玉が入賞したことに応答して可変表示装置3の表示部60に順次表示される画面の一例を示す画面構成図である。
図14(a)〜(c),図15(a)は、始動入賞口5に打玉が入賞した直後に表示部60に表示される図柄合せ画面を表示順序に従って示した画面構成図である。表示領域2に打込まれた打玉が始動入賞口5に入賞すると、その入賞玉が始動口スイッチ6によって検出され、その検出信号に応答して、表示部60において可変表示が開始される。可変表示が開始すると、表示部60には、15個のUFOの画像(以下、単に「UFO」という)79a,79bが表示される。15個のUFO79a,79bには、それぞれ「S,A,N,K,Y,0〜9」の15個のナンバーが付けられている。このナンバーのことを図柄という。そして、この15個のUFO79a,79bが表示部60内を旋回する状態の画面が表示される。UFO79a,79bが旋回する状態を表わすために、大きく表示したUFO79aを表示部60において左方向へ移動させ、小さく表示したUFO79bを表示部60において右方向へ移動させる。このように表示することにより、15個のUFO79a,79bが時計回りの方向に旋回している状態が表わされている。
また、表示部60の下部には、砲台の画像(以下、「砲台」という)80が表示され、旋回している15個のUFO79a,79bを砲台80が打ち落とそうとしている様子の画面が表示される。砲台80からは、所定のタイミングで砲弾(ミサイル)が発射される。発射された砲弾は、画面上で砲台80の手前側を旋回しているUFO79aのいずれかに命中する。砲弾が命中したUFO79aには、円マークが付けられ、さらに、そのUFO79aの上方にそのUFO79aの図柄の画像(以下、単に「図柄」という)81a,81bが表示される。
図14(a)〜(c)に示すように、砲台80は、表示部60における左,右,中の順で3ヶ所に移動して、それぞれの箇所で砲弾を発射し、3つの図柄を順次確定させる。そして、最後の中図柄が確定した時点で、図15(a)に示すように図柄81a,81b,81cが画面中央に拡大表示される。その3ヶ所の図柄が、たとえば「777」のように揃った場合に、大当りが発生する。
図15(b)は、大当りが発生したときに表示部69に表示される画面の一例を示す画面構成図である。前記図14(a)〜(c),図15(a)に示した手順で砲台80が打ち落としたUFO79aの図柄が3つ揃った場合には、図15(b)に示すように、「FEVER」のタイトル画像82が表示されて、大当りが発生したことが遊技者にアピールされる。その後、図15(c)に示すような大当りのラウンドを表示する画面に切換わる。
図15(c)に示すように、ラウンドの表示画面では、ラウンド数を表わす画像(以下、単に「ラウンド数画像」という)83と、UFOの画像(以下、単に「UFO」という)84とが表示される。たとえば、第1ラウンドの場合は、ラウンド数を表わす「1」の画像が表示部60の中央に大きく表示され、その下に「ROUND」の文字画像が表示される。
図16(a)〜(c)は、前記図15(c)に続いて表示される画面であり、ラウンド表示画面における可変表示の様子を示す図である。図に示すように、ラウンド表示画面では、ラウンド数画像83の回りを、UFO84が旋回する状態が表示される。UFO84は、ラウンド数画像83より手前側を旋回しているときには、大きく表示され、また、ラウンド数画像83の向こう側を旋回しているときには小さく表示される。
ラウンド数画像83とUFO84とには、表示の優先順位が設定されており、その優先順位に従って表示制御される。すなわち、図16(a)に示すように、UFO84がラウンド数画像83の向こう側を旋回している場合に、UFO84がラウンド数画像83に隠れて見えなくなる状態を表現するときには、ラウンド数画像83の表示の優先順位をUFO84の表示の優先順位よりも高く設定して、ラウンド数画像83とUFO84とが重複する部分では、ラウンド数画像83の方が優先的に表示されるようにする。
そして、図16(b)に示すように、UFO84がラウンド数画像83の向こう側から手前側へ移動してくる間に、UFO84とラウンド数画像83との表示の優先順位を切換え、UFO84の表示の優先順位をラウンド数画像83の表示の優先順位よりも高く設定する。これにより、図16(c)に示すように、UFO84がラウンド数画像83よりも手前側を旋回しているときには、UFO84が優先的に表示される。
図17(a)〜(c)は、前記図16(a)〜(c)に示したラウンド表示画面に続いて表示される10カウント画面の一例を示す画面構成図である。10カウント画面では、図示したように、UFOを打ち落とす画面が表示される。この画面では、表示部60の左上に、大当りのきっかけとなったナンバーの図柄81a,81b,81cが表示される。そして、表示部60の中央に、小型のUFOの画像(以下、単に「小型UFO」という)86が表示される。さらに、小型UFO86の上方には大型のUFOの画像(以下、単に「大型UFO」という)85が、小型UFO86の下方には砲台80がそれぞれ表示される。小型UFO86はこの画面が表示された直後には、全部で9個の画像が表示され、表示部60の中央に整列している。また、大型UFO85は、1度に1個の画像が表示され、表示部60の上部を所定のタイミングで左端から出現して右方向へ移動する。砲台80は常時、左右に移動しつつ、可変入賞球装置4に打玉が入賞したことに応答して砲弾87
を発射し、小型UFO86または大型UFO85を打ち落とす。小型UFO86と大型UFO85との個数の合計が10個にされているのは、1ラウンドにおける可変入賞球装置4への入賞個数の上限値「10」に対応させるためである。
前記図14〜図17に示した各画面は、前記図9に示した表示制御基板45において作成される。図14(a)〜(c)に示した画面を表示する際には、表示制御基板45において、ディスプレイコントローラ105が、UFO79a,79bと砲台80とナンバー(図柄)81a,81bとの画像データをキャラクタROM108から読出し、読出した画像データを基本データとして編集して表示画面のデータを作成する。
さらに、ディスプレイコントローラ105は、表示画面のデータを作成する際に、画面を構成する各画像に表示の優先順位を設定する。たとえば、図16(a)に示した画面のデータを作成する際には、ディスプレイコントローラ105は、UFO84とラウンド数画像83との画像データをキャラクタROM108から読出した後、ラウンド数画像83に高い優先順位を設定し、UFO84にそれよりも低い優先順位を設定して、表示画面のデータを作成する。この表示の優先順位は、ROM106に格納されている表示制御用プログラムデータによって切換制御が可能であり、この表示制御用プログラムデータに従って、ディスプレイコントローラ105が、たとえば、図16(b)に示した画面のデータを作成する際に、UFO84とラウンド数画像83との表示の優先順位を切換える。
なお、表示の優先順位に従った表示制御では、図16に示したように、優先順位の低い画像が優先順位の高い画像に隠れて非表示となるものに限らず、図15(a)に示すナンバー(図柄)81a,81b,81cとUFOとの表示関係のように、表示の優先順位が高い画像と表示の優先順位が低い画像とが重なり合う部分では、表示の優先順位が高い画像を透かして表示の優先順位が低い画像を表示するといった画像と画像との間の透過表示を行なうことも可能である。
図17(b)に示すように、砲弾87が当たった小型UFO86は、表示部60から消去される。また、可変入賞球装置4の特定領域61に打玉が入賞した場合(V入賞)は、大型UFO85が打ち落とされ、さらに、表示部60の中央に「V」の文字を示すV画像88が大きく表示される。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機は、可変入賞球装置4への入賞に応答して砲弾87が発射されるように構成したが、砲弾発射用の押しボタン等を設け、遊技者がその押しボタンを押してUFOを打ち落とすゲームを楽しめるように構成してもよい。
図18(a)は、本実施の形態にて用いられるランダムカウンタの種類とその内容とを示す説明図である。ランダムカウンタとは、前記図14(a)〜(c),図15(a)に示した図柄合わせ画面において確定される図柄を決定したり、飾り図柄9に表示する図柄を決定したりするための乱数値をカウントするものであり、C_RND1〜C_RND3,C_RND4_0〜2,C_RND5の7種類がある。
C_RND1は、図柄合わせ画面における3つの図柄の確定により大当りを発生させるか否かを決定するためのランダムカウンタである。C_RND1は、0からカウントアップされ、その上限値である204まで至った後、再度0からカウントアップし直すものである。C_RND1は1ずつ加算され、その加算は、0.002秒ごとに1回実行される。
C_RND2は、図柄合わせ画面において左図柄と右図柄が確定した時点でリーチを発生させるか否かを決定するためのランダムカウンタである。リーチとは、確定した左図柄
と右図柄とが同一の図柄であり、さらに、中図柄に同一の図柄が確定した場合に大当りが発生する状態のことを言う。C_RND2は、0〜13の範囲で1ずつ加算される。C_RND2の加算は、0.002秒ごとに1回ずつと割込処理(後述)の余り時間とに実行される。
C_RND3は、図柄合わせ画面において大当りまたはリーチを発生させるときの確定図柄を決定するためのランダムカウンタである。大当りを発生させるときには、C_RND3の値により、左,中,右図柄を決定する。また、リーチを発生させるときは、C_RND3の値により、左図柄と右図柄との確定図柄を決定する。C_RND3は、0〜149の範囲で1ずつカウントアップされる。C_RND3の加算は、前述のC_RND2の桁上げのときに1回ずつ行なわれる。
C_RND4_0〜2は、図柄合わせ画面において左,中,右の確定図柄をそれぞれ決定するためのランダムカウンタである。C_RND4_0〜2は、それぞれ0〜14の範囲で1ずつ加算される。最初に確定される左図柄を決定するためのC_RND4_0の加算は、割込処理の余り時間に実行される。最後に確定される中図柄を決定するためのC_RND4_1の加算は、C_RND4_0の桁上げのときに1回ずつ実行される。2番目に確定される右図柄を決定するためのC_RND4_2の加算は、C_RND4_1の桁上げのときに1回ずつ実行される。
なお、後述するように、C_RND4_0はリーチの態様を決定するためのランダムカウンタとしても用いられ、また、C_RND4_2はリーチ時に図柄が何周するかを決定するためのランダムカウンタとしても用いられる。
C_RND5は、大当りが発生したときに飾り図柄9(前記図1参照)に表示される図柄を決定するためのランダムカウンタである。C_RND5は、0〜49の範囲で1ずつ加算される。C_RND5の加算は、割込処理の余り時間に実行される。
図18(b)は、前記図14に示した図柄合わせ画面においてリーチが発生したときに中図柄を何周させるかを決定するためのデータテーブルの内容を示す説明図である。リーチが発生したときの中図柄の周回数は、C_RND4_2の値により決定される。図示したように、大当りが発生するときの中図柄の周回数は、比較的多くなるように設定されている。一方、はずれのときの中図柄の周回数は、大当りのときの周回数よりも少なく設定されている。そして、はずれのときであっても、大当りとなる図柄の前後の図柄を中図柄の確定図柄とする場合は、周回数を多くするようにしている。
本実施の形態のパチンコ遊技機を用いて何度か遊技を行なった遊技者は、中図柄を確定するときの周回数が多くなれば大当りが発生する可能性が高いことに気づくようになる。そして、以降の遊技では、周回数が多くなると遊技者の期待感が高まるようになる。このようにリーチ時における中図柄確定のための周回数を制御して、確定される図柄の状態に応じて、周回数を異ならせることにより、遊技内容を変化性に富んだ充実したものにすることが可能となる。
図19(a)は、はずれリーチ時にどの図柄でリーチとするかを決めるためのはずれリーチ図柄決定テーブルの内容を示す説明図である。前述したように大当り、またはリーチを発生させるときには、C_RND3の値により確定図柄を決定する。このとき、大当りを発生させるときには15個の各図柄が均等に出現するように確定図柄を制御する。
一方、リーチを発生させるが最終的にはずれとする場合(以下、「はずれリーチ」という)には、図示したはずれリーチ図柄決定テーブルに従ってリーチ図柄を決定する。図柄
に対応させるC_RND3の値の範囲を異ならせることにより、「1,3,5,7,9」の奇数図柄の出現率を1.1/15にし、「0,2,4,6,8」の偶数図柄の出現率を0.9/15にし、「S,A,N,K,Y」のアルファベット図柄の出現率を1.0/15にしている。
奇数図柄の出現率を他の図柄の出現率よりも高く設定しているのは、奇数図柄が一般の遊技場においてラッキーナンバーとして扱われることが多いので、奇数図柄によるリーチが発生しやすくして、遊技者の期待感を高めるためである。また、出現率が高い奇数図柄を大当りのまたは小当りのある遊技機における小当りの発生確率を変動制御するための確率変動図柄として用いれば、図柄の確定に基づいて遊技者に与えられる遊技価値をさらに多様化させ、より面白味のある遊技を提供することができる。なお、複数の当りラインが設定されている遊技機においては、リーチ図柄を決めるだけでなく、どの当りラインでリーチとするのかを決めるようにしてもよい。
図19(b)は、リーチの態様を決めるためのリーチ態様決定データテーブルの内容を示す説明図である。本実施の形態のパチンコ遊技機は、通常リーチと、特別リーチ1と、特別リーチ2との3態様のリーチを発生することができるように構成した。3態様のリーチのうちのいずれを発生させるかは、C_RND4_0の値によって決定される。
図示したように、大当りを発生させるときには、特別リーチ1,2となりやすいように設定されている。また、はずれリーチとするときであっても、中図柄をの確定図柄を大当り図柄の前後1図柄とするときには、大当りを発生させるときと同様に特別リーチ1,2が発生しやすいように設定されている。したがって、遊技者は前述した中図柄の周回数と同様に、リーチの態様によっても、大当りの発生する可能性の高低を判断することができ、特別リーチ1,2の発生によって、遊技者の期待感を高めるようにすることができる。
なお、3態様のリーチのそれぞれによって発生させる音声や、ランプとLED等の点灯による報知パターンを異ならせる。これにより、どの態様のリーチが発生したかを遊技者が認識しやすくなり、また、遊技状態の変化が強調されるので、報知パターンが単調な場合よりもより高い遊技効果を実現することが可能となる。
図20は、特別リーチ1,2が発生したときの表示画面の一例を示す画面構成図である。同図において(a)〜(e)は特別リーチ1の表示例、(f)〜(j)は特別リーチ2の表示例をそれぞれ示す。
特別リーチ1の場合は、前記図18(b)に示した中図柄周回数データテーブルによって決定された予定周回数が終了した時点で特別リーチ1が開始する。始めに、(a)に示したように確定図柄の2図柄手前でUFO79a,79bの旋回が停止し、(b)に示すように0.49秒が経過した後に再びUFO79a,79bが旋回を開始する。UFO79a,79bを1周させた後、(c)に示すように確定図柄の1図柄手前で停止させる。0.49秒後に、(d)に示すようにUFO79a,79bを再び旋回させ、(e)に示すように確定予定図柄が砲台80の真上に来た時点でUFO79a,79bの旋回を停止させる。
特別リーチ2の場合は、旋回させるUFO79a,79bの周回が進む毎に、UFO79a,79bが徐々に拡大表示される。(f)は1,2周目における表示状態を示し、(g)は3周目、(h)は4周目、(i)は5周目以降の表示状態をそれぞれ示す。予定の周回数に達した時点で(j)に示すようにUFO79a,79bが停止する。
図21は、C_RND1〜C_RND3,C_RND4_0〜2を用いて、大当りまた
はリーチを発生させるかもしくははずれとするかを決定し、左,中,右の3つの確定図柄を決定する手順を示すフローチャートである。C_RND1の値により、大当りを発生させるか否かが決定される。C_RND1の値が「77」であれば大当りを発生させることが決定される。大当りを発生させる場合には、左,中,右の3図柄の確定図柄はすべてC_RND3の値によって決定される。
C_RND1の値が「77」以外のときは、はずれにすることが決定される。はずれとすることが決定されれば、さらに、C_RND2の値により、リーチを発生させるか否かが決定される。C_RND2の値が「7」のときは、リーチを発生させることが決定される。C_RND2は0〜13の範囲でカウントアップされるので、リーチは、1/14の確率で発生することになる。この発生確率は、「S,A,N,K,Y,0〜9」の15個の図柄による見かけ上のリーチ発生確率(1/15)よりも高い確率に設定されている。このように、見かけ上のリーチ発生確率よりも実際上のリーチ発生確率を高くすることにより、遊技者の期待感が高まる機会を多くして遊技内容を充実させるようにしている。
リーチを発生させるときの確定図柄は、左図柄と右図柄とがC_RND3の値により決定され、中図柄はC_RND4_1によって決定される。なお、偶然、C_RND4_1の値がC_RND3の値と一致した場合は、C_RND4_1の値に「1」を加算し、はずれ図柄が確定されるようにする。
図示した確定1〜3(図面の丸付数字の1〜3)は、図柄合わせ画面において確定される順序を示し、確定1〜3がそれぞれ左図柄,右図柄,中図柄に対応する。
C_RND2の値が「7」以外のときは、通常のはずれとすることが決定される。通常のはずれの場合は、左,中,右図柄の確定図柄は、それぞれC_RND4_0,2,1の値によって決定される。なお、偶然、C_RND4_2の値がC_RND4_0の値と一致した場合は、そのまま確定させるとリーチ状態となるので、C_RND4_2の値に「1」を加算し、通常のはずれ図柄にして確定させる。
C_RND1により、可変表示部の複数の表示結果の内容を決定する表示結果決定手段が構成されている。また、C_RND2により、前記表示結果決定手段により、前記可変表示部の複数の表示結果を前記特定の表示態様の組合せにしないことが決定された場合に、前記可変表示部の複数の表示結果の導出表示の途中段階において先に導出表示される表示結果の表示態様を前記特定の表示態様の組合せとなる条件を満たす表示状態とするか否かを決定する途中表示状態決定手段が構成されている。
なお、本実施の形態では、左,右,中の3つの図柄を順次確定して図柄合わせを行なうように構成し、左図柄と右図柄とが確定した段階でのリーチが発生する確率を高く設定したが、本発明は、このような構成に限られるものではない。たとえば、遊技内容によっては、リーチ発生確率を低く設定してもよく、さらには、リーチ発生確率を変更するための機構を設けて、たとえば遊技場側の都合などに応じてリーチ発生確率を調整できるようにしてもよい。
また、確率を設定する対象としては、一般にいう「リーチ」の発生に限らず、それ以外の段階における所定の状態の発生確率を設定したり、または、調整可能にしたりしてもよい。たとえば、本実施の形態のように3つの図柄によって図柄合わせを行なう場合に、右図柄が確定してから中図柄が確定する直前までの間の所定の段階における表示状態が、その直後に大当りとなる蓋然性が高い状態になる確率を所望の値に設定するようにしたり、右図柄が確定する以前の所定の段階において、予め定められた表示状態が発生する確率を設定するようにしてもよい。
図22は、前記図14に示した図柄合わせ画面における可変表示を制御する手順を示すタイミングチャートである。打玉が始動入賞口5(図1参照)に入賞すると、その始動入賞玉が始動口スイッチ6により検出され、その検出パルスがONとなって前記図12に示した制御回路のメイン基本回路67に入力される。始動口スイッチ6の検出パルスの立上りのタイミングに従って、メイン基本回路67は、C_RND1〜C_RND3の値の抽出および格納を行なう。
始動入賞玉の検出パルスの立下りのタイミング(立上り時点より0.002秒後)において、すでに格納されているC_RND1,C_RND2の値が読出される。このとき、C_RND1の値が「77」であり大当りとする場合、または、C_RND2の値が「7」でありリーチにする場合には、併わせてC_RND3の値も読出し、さらに、C_RND4_0〜2の値を抽出する。大当りとする場合には、さらに、C_RND5の値を抽出する。以下、リーチおよび大当り以外の時の制御とリーチまたは大当り発生時の制御とに分けて説明する。
始めに、リーチおよび大当り以外の時の制御手順について説明する。始動入賞玉検出パルスの立上りから0.016〜0.032秒の後に、表示部69において可変表示(図14参照)が開始される。変動を開始してから1.400秒間にUFO79a,79bの旋回が加速され、次の3.600秒間では、定速(1回の旋回周期が0.340秒)に維持される。定速変動時間が終了した時点すなわち、変動を開始してから5.00秒が経過した時点で、左図柄にC_RND4_0によって決定された停止図柄の1図柄手前の図柄がセットされる。次の0.300秒間にUFO79a,79bの旋回が減速され、この減速変動時間中にUFO79a,79bを1図柄分だけ移動させる。そして、減速変動時間が終了した時点すなわち、変動開始後5.300秒が経過した時点で砲台80からの砲弾発射によって左図柄が確定される。
左図柄が確定した後、0.300秒間は遊技者が確定図柄を視認するために表示部60における可変表示を停止させる。変動停止時間が経過した後、続く1.500秒間に再びUFO79a,79bを定速(周期0.340秒)で旋回させる。定速変動時間が終了した時点すなわち、変動開始後7.100秒が経過した時点で、右図柄の位置に、C_RND4_2によって決定された停止図柄の1図柄手前の図柄をセットする。そして、左図柄のときと同様に、続く0.300秒で変動を減速させつつUFO79a,79bを1図柄分だけ移動させた後、砲台80から砲弾を発射して右図柄を確定する。
右図柄が確定した後、0.300秒間変動を停止させた後、0.300秒間定速変動させる。そして、中図柄の位置に、C_RND4_1によって決定された停止図柄の1図柄手前の図柄をセットし、続く0.300秒間で変動を減速させつつUFO79a,79bを1図柄分だけ移動させた後、砲台80から砲弾を発射して中図柄を確定する。
次に、リーチまたは大当り発生時における可変表示の制御手順を説明する。リーチまたは大当り発生時の制御手順は、左図柄確定用の変動が開始されてから中図柄確定用の変動が開始される前までは前述のリーチ以外の時の制御と同様である。リーチ発生時には、中図柄を確定するための変動を行なう場合に、13.800〜22.800秒間の定速(周期4.500秒)で画像を変動させる。この時の変動速度は、各UFOの図柄を遊技者が視認できる程度の速度である。また、変動させる時間に幅があるのは、前記図18(b)に示したテーブルによって決定される中図柄確定のための周回数が1〜5までの範囲で異なり、それに伴って、移動図柄数が16〜76までの範囲でそれぞれ異なるからである。指定された移動図柄数だけ変動させた後、砲台80から砲弾を発射して中図柄を確定する。
図23ないし図30は、メイン基本回路67のROMに記憶されているプログラムのフローチャートを示す図である。
図23は、メインプログラムの処理手順を示すフローチャートである。このメインプログラムは、2msec毎に前記図12に示した定期リセット回路65が発生するリセットパルスに応答して実行される。まず、ステップ(以下「S」という)1により、スタックポインタの指定アドレスをセットするためのスタックセット処理が行なわれる。続いて、S2により、初期化処理が行なわれる。この初期化処理では、メイン基本回路67のRAMにエラーが含まれているか否かを判定し、エラーが含まれている場合は、RAMを初期化するなどの処理が行なわれる。
次に、S3により、LCD表示器29に対する制御コードを出力する処理が行なわれる。
次に、S4により、ランダム1更新処理が行なわれる。このランダム1更新処理では、前述のC_RND1をカウントアップする処理が行なわれる。続いて、S5によりランダム2,3更新処理が行われ、前述のC_RND2とC_RND3とがそれぞれカウントアップされる。
次に、S6により、サブマイコン通信制御処理が行なわれる。サブマイコン通信制御処理では、前記図13に示したサブ制御回路に音声発生やLEDの点灯制御用のコマンドデータが送られる。
次に、S7により、ハードウエアによる定期的な割込処理の1つである後記図34に示すNMI(Non Maskable Interrupt)処理において出力される各種のデータを出力ポートにセットする処理が行なわれる。
続いて、S8では、パチンコ遊技機の内部に備えられている自己診断機能によって、種々の異常診断処理が行なわれ、その結果に応じて必要ならば警告が発せられる。
次に、S9により、前記図12に示した情報出力回路73を介して、ホール管理用コンピュータへ大当り情報や有効始動情報などのデータが出力される。この有効始動情報とは、始動入賞記憶の上限を超えて入賞した始動入賞を除外した、実際に可変表示装置3の可変表示に有効に用いられた始動入賞個数に関するデータである。
次に、S10により、飾り図柄表示用のランダムカウンタであるC_RND_KAZARIを更新する飾り図柄制御が行なわれる。続いて、S11により、前述のS5にて出力ポートにセットされた各種のデータが出力される。
次に、S12により、プロセス制御が行なわれる。プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機を所定の順序で制御するためのプロセスフラグに従って、該当する処理が選び出されて実行される。
続いて、S13により、始動口スイッチ6や10カウントスイッチ51a,51bなどが監視され、始動入賞口5や可変入賞球装置4のアタッカへの入賞があったか否かなどが判定される。
前述のS1〜S13の処理が終了した後、次にこのメインプログラムが実行されるまでのリセット待ち時間を利用して、S14aのC_RND4をカウントアップするためのラ
ンダム4更新処理と、S14bのC_RND5をカウントアップするためのランダム5更新処理と、S14cのC_RND2とC_RND3とを更新するためのランダム2,3更新処理とが繰返し実行される。S14のランダム1,3更新処理が繰返し実行されている最中に、定期リセット回路65(図12参照)からの信号がメイン基本回路67(図12参照)に入力されると、再び、S1からの処理が繰返される。
図24は、前記図23におけるS10のプロセス制御のサブルーチンプログラムの処理手順を示すフローチャートである。プロセス制御では、S15により、その時点でセットされているプロセスフラグの値が判定され、その値に応じて該当する処理が実行される。プロセスフラグの値は、後述するように、遊技状態に応じて各処理中に更新される。そして、このプロセス制御において、その値を判定し、該当する処理を実行することにより、パチンコ遊技機が所定の順序に従って適正に制御される。このプロセスフラグの値は16進数で示されている。
プロセスフラグの値が、「00H」であればS16にて通常時処理が、「01H」であればS17にて図柄変動処理が、「02H」であればS18にて図柄左停止処理が、「03H」であればS19にて図柄右停止処理が、「04H」であればS20にて図柄中停止処理が、それぞれ実行される。
さらに、プロセスフラグの値が、「05H」であればS21にて大当りチェック処理が、「06H」であればS22にてはずれ待ち時間処理が、「07H」であればS23にて大入賞口開放前処理が、「08H」であればS24にて大入賞口開放中処理が、「09H」であればS25にて大入賞口開放後処理が、それぞれ実行される。以上のS16〜S25の処理のうちのいずれかが実行された後にプロセス制御が終了して、前記図23に示したメインプログラムに復帰する。
なお、S16〜S25の各処理は、該当するサブルーチンプログラムを実行して行なわれる。各サブルーチンプログラムの内容については、図25〜図30を参照して後述する。
図25(a)は、前記図24におけるS16の通常時処理のサブルーチンプログラムの処理手順を示すフローチャートである。通常時処理サブルーチンプログラムは、プロセスフラグが「00H」のときに実行される。始めに、S26にて、始動入賞が記憶されているか否かが判定される。始動入賞が記憶されている場合は、そのまま通常時処理を終了する。始動入賞が記憶されていなければ、S27に進み、始動情報を出力する時間を設定するための始動情報出力タイマをセットする。このときセットされるタイマは0.5秒に対応させる。
続いて、S28にて、図柄セット処理を行なう。この図柄セット処理は、前記図14で示した図柄合わせ画面において砲台80にて打ち落とされるUFO79aのナンバー(停止図柄)を決定する処理であり、前記図21に示したように、C_RND1〜C_RND3,C_RND4_0〜2の値を判定することにより停止図柄が決定される。図柄セット処理が完了すれば、S29に進み、プロセスフラグに1が加算される。プロセスフラグに1が加算されたことにより、プロセスフラグの値が「01H」となり、次にメインプログラム(図23参照)が実行されたときには、図24のプロセス制御において図柄変動処理サブルーチンプログラムが起動される。
ここで、後述する各処理において使用される表示プロセスフラグについて説明する。表示プロセスフラグとは、可変表示装置3の表示部60においてどのような画面を表示するかを制御するためのフラグである。セットされた表示プロセスフラグの値は、メイン基本
回路67からLCD回路70を介してLCD表示器29に送られる。LCD表示器29では、送られてきた表示プロセスフラグの値に基づいて、表示する画面を制御する。
表示プロセスフラグの値の一覧と各値に対応する表示制御の内容とを図31に示す。
始動入賞がなく、また、大当りが発生していない状態のときには、表示プロセスフラグに「10h」がセットされる。表示プロセスフラグに「10h」がセットされているときは、表示部60にデモンストレーション画面が表示される。
始動入賞口5に打玉が入賞したことに基づいて、前記図14(a)〜(c),図15(a)に示した図柄合わせの画面を表示するときには、表示プロセスフラグに「20h〜28h」の値を順次セットして画面を制御する。たとえば、表示プロセスフラグに「22h」をセットすれば、前記図14(a)に示したように、砲台80が左側に移動し、UFO79a,79bが低速で旋回移動する画面が表示された後、砲台80からミサイル(砲弾)が発射され、そのミサイルが命中したUFO79aの図柄が表示される。表示プロセスフラグに「28h」がセットされると、前記図15(a)に示したように、砲台80が中央で停止し、UFOが停止し、左,中,右の図柄が拡大表示された画面が表示される。
なお、図示したように、「24h」の画面は、はずれ時において中図柄を確定する際に表示される画面であり、「25h」の画面は、リーチ時において中図柄を確定する際に表示される画面である。
図柄合わせの結果、大当りが発生したときには、表示プロセスフラグに「30h」がセットされる。表示プロセスフラグに「30h」がセットされると、表示部60には前記図15(b)に示したように、「FEVER」のタイトル画像82が表示される。
また、大当り発生中には、各ラウンドに対応して、「40h〜4Fh」の値が順次表示プロセスフラグにセットされる。たとえば、大当りの第1ラウンドでは、表示プロセスフラグに「40h」がセットされる。表示プロセスフラグに「40h」がセットされると、前記図15(c)および図16(a)〜(c)に示したように、「1ROUND」のラウンド数画像83の回りをUFO84が旋回する状態を表したラウンド表示画面が表示された後、前記図17(a)および図17(b)に示した整列した9個の小型UFO86と1個の大型UFO85とをミサイルで打ち落とす10カウント画面が表示される。
さらに、大当り中にV入賞があったときには、表示プロセスフラグに「50h」がセットされ、前記図17(c)に示したようなV画像88が中央に大きく表示された画面が表示される。
表示プロセスフラグに「60h」がセットされると、終了デモンストレーション画面が表示される。この終了デモンストレーション画面は、大当り終了時に表示される画面である。
表示プロセスフラグに「70h」がセットされると、「障害発生」の文字画像が画面に表示される。パチンコ遊技機において何らかの異常が検出された場合に、この画面が表示される。表示プロセスフラグに「72h」がセットされると、表示部60にテスト画面が表示される。
図25(b)は、前記図24におけるS17の図柄変動処理のサブルーチンプログラムの処理手順を示すフローチャートである。このサブルーチンプログラムは、プロセスフラグに「01H」がセットされているときに実行される。図柄変動処理サブルーチンプログラムが起動すると、始めに、S30にて表示プロセスフラグに「21h」がセットされる
。図31に示したように、表示プロセスフラグに「21h」がセットされることにより、表示部60には、砲台の画像が左右に移動し、15個のUFOの画像が旋回している画面が表示される。UFOは、徐々に加速してやがて高速で旋回移動するようになる。
この画面が表示部60に表示されている間に、図柄変動処理サブルーチンプログラムは、S31に進み、プロセスタイマが作動中であるか否かが判定される。
このサブルーチンプログラムが最初に実行されたときには、プロセスタイマが作動中でないので、S33に進み、プロセスタイマがセットされる。このときセットされるタイマは、前記図22に示したように、図柄の変動が開始されてからUFOを加速するAの1.400秒と、それに続いてUFOを定速移動させるBの3.600秒との合計である5.000秒に対応するタイマがセットされる。
また、このサブルーチンプログラムの実行が2回目以降であり、先の実行時に、S33にてプロセスタイマがセットされている場合は(S31にてYES)、S32に進み、プロセスタイマを1減算する処理を行なう。
次に、S34にて、プロセスタイマが終了しているか否かが判定される。プロセスタイマが作動している間は(S34にてNO)、そのままこのサブルーチンプログラムを終了する。そして、このサブルーチンプログラムが実行されるたびに、S32にてプロセスタイマが1ずつ減算され、S34にてプロセスタイマが終了していると判定されれば(S34にてYES)、S35に進み、プロセスフラグに1を加算する。これにより、表示プロセスフラグの「21h」に対応する画面が、図22に示した図柄変動の所要時間だけ表示部60に表示され続け、5.000秒が経過した後、次の画面に移ることになる。
S35にてプロセスフラグに1が加算されることにより、プロセスフラグの値が「02H」となり、次にメインプログラムが実行されるときには、プロセス制御において図柄左停止処理サブルーチンプログラムが起動される。
図25(c)は、図柄左停止処理サブルーチンプログラムの処理手順を示すフローチャートである。この図柄左停止処理サブルーチンプログラムは、前記図24におけるS18に対応するものである。また、図24のS19に示した図柄右停止処理のサブルーチンプログラムについてもこの図柄左停止処理サブルーチンプログラムと処理手順が同様であるので、同図を参照して、2つのサブルーチンプログラムを合わせて説明する。
図柄左停止処理サブルーチンプログラムが起動すると、始めに、S36にて表示プロセスフラグに「22h」がセットされる。ただし、図柄右停止処理サブルーチンプログラムの場合は、表示プロセスフラグに「23h」がセットされる。図31に示すように、表示プロセスフラグに「22h」または「23h」がセットされることにより、砲台の画像が左側または右側に移動し、低速移動しているUFOにミサイルを発射し、そのミサイルがUFOに命中して停止図柄が確定する画面の表示が開始される。
この画面が表示されている間に、サブルーチンプログラムは次に進み、S37にて、プロセスタイマが作動中か否かが判定される。最初に、このサブルーチンプログラムが実行されたときには、プロセスタイマが作動中でないので、S39に進み、プロセスタイマに所要時間がセットされる。
一方、このサブルーチンプログラムの実行が2回目以降の場合には、先の実行により、S39にてプロセスタイマがセットされているので、S38に進み、プロセスタイマを1減算する処理が行なわれる。
続いて、S40にてプロセスタイマが終了しているか否かが判定される。プロセスタイマが作動中である場合には、そのままこのサブルーチンプログラムを終了し、このサブルーチンプログラムが実行されるたびに、S38にてプロセスタイマが1ずつ減算され、S40にてプロセスタイマが終了していることが判定されれば、S41にてプロセスフラグに1を加算する。
これにより、左図柄または右図柄を確定するための画面表示に必要な時間だけ、図柄左停止処理サブルーチンプログラムまたは図柄右停止サブルーチンプログラムが繰返し実行され、それぞれの図柄が確定した段階で、次の処理を実行するためにプロセスフラグが更新される。
図柄左停止処理サブルーチンプログラムが終了し、続いて、図柄右停止処理サブルーチンプログラムが終了した時点で、プロセスフラグの値は、「04H」となり、次にメインプログラムが実行したときには、前記図24に示したプロセス制御サブルーチンプログラムにより、図柄中停止処理のサブルーチンプログラムが起動される。
図26(a)は、図柄中停止処理のサブルーチンプログラムの処理手順を示すフローチャートである。図柄中停止処理サブルーチンプログラムが起動すると、始めに、S42にて、表示プロセスフラグに「24h」がセットされる。図31に示したように、表示プロセスフラグに「24h」がセットされることにより、砲台の画像が中央に移動して、低速で旋回するUFOにミサイルを発射して中図柄を確定するための画面の表示が開始される。
この画面が表示されている間に、サブルーチンプログラムは次に進み、S43にてプロセスタイマが作動中か否かが判定される。このサブルーチンプログラムが最初に実行されたときには、プロセスタイマが作動中ではないので、S45に進み、前記図25(c)に示した図柄左停止処理および図柄右停止処理によって確定された左図柄と右図柄とによってリーチとなっているか否かが判定される。
リーチとなっていない場合は、S48に進み、通常時のプロセスタイマをセットする。一方、左図柄と右図柄とによりリーチとなっている場合には、S46に進み、リーチ時のプロセスタイマがセットされる。S48の通常時およびS46のリーチ時にそれぞれセットされるプロセスタイマは、前記図22に示した中図柄確定のために要する時間に対応している。
リーチ時には、続いて、S47にて表示プロセスフラグに「25h」がセットされる。これにより、図31に示したように、リーチ時の中図柄確定用の画面が表示される。
前記図22に示したように、通常時には、中図柄を確定するまでに、周期0.340秒のB定速を0.300秒間続けた後、図柄の変動すなわちUFOの旋回速度を減速させ、0.300秒間でUFOを減速させた後に中図柄を決定する。また、リーチ時の時には、周期4.500秒の視認可能な速度でUFOを定速旋回させた後に中図柄を確定する。この定速旋回の時間は、停止させる中図柄の移動図柄数によって異なるため、S46にセットされるプロセスタイマもそれに対応させて異なった値がその都度セットされる。
一方、このサブルーチンプログラムの実行が2回目以降の場合には、先の実行により、S48またはS46にてプロセスタイマがセットされているので、S44に進み、プロセスタイマを1減算する処理が行なわれる。続いて、S49にてプロセスタイマが終了しているか否かが判定される。プロセスタイマが作動中の間は、そのままこのサブルーチンプ
ログラムが終了し、このサブルーチンプログラムが繰返し実行されるたびに、S44にてプロセスタイマが1ずつ減算され、S49にて、プロセスタイマが終了したことが判定されると、S50にてプロセスフラグに1が加算される。
これにより、中図柄を確定するための表示画面が必要な時間だけ表示され続け、中図柄が確定した段階で、次の処理へ移行する。S50にてプロセスフラグに1が加算されることにより、プロセスフラグの値が「05H」になり、次回にメインプログラムが実行するときには、プロセス制御において大当りチェック処理のサブルーチンプログラムが起動される。
前述した図柄左停止処理サブルーチンプログラムと、図柄右停止処理サブルーチンプログラムと、図柄中停止処理サブルーチンプログラムと、メイン基本回路67に含まれるCPUとにより可変表示部の表示結果を時期を異ならせて複数導出表示させる可変表示制御手段が構成されている。
図26(b)は、大当りチェック処理のサブルーチンプログラムの処理手順を示すフローチャートである。大当りチェック処理サブルーチンプログラムが起動すると、始めに、S51にて、表示プロセスフラグに「27h」がセットされる。図31に示したように、表示プロセスフラグに「27h」がセットされることにより、砲台が中央で停止し、旋回移動していたUFOが停止し、左,中,右のそれぞれの図柄が確定した状態の画面が表示される。
この画面が表示されている間に、このサブルーチンプログラムが次に進み、S52にてプロセスフラグに1を加算し、次に、S53にて左図柄と中図柄と右図柄とが一致しているか否かすなわち大当りが発生しているか否かが判定される。大当りが発生していればプロセスフラグにさらに1を加算して、このサブルーチンプログラムを終了する。一方、大当りとなっていなければ、そのままこのサブルーチンプログラムを終了する。
これにより、大当りが発生している場合には、プロセスフラグの値が「07H」になり、大当り以外の場合には「06H」となる。したがって、次にメインプログラムが実行されたときには、図24のプロセス制御サブルーチンプログラムにより、大当りが発生していれば大入賞口開放前処理のサブルーチンプログラムが起動され、大当り以外の場合には、はずれ待ち時間処理のサブルーチンプログラムが起動される。
図27は、はずれ待ち時間処理のサブルーチンプログラムの処理手順を示すフローチャートである。このサブルーチンプログラムが起動すると、始めに、S55にて表示プロセスフラグに「28h」がセットされる。これによって表示される画面は、前記図15(a)に示したような砲台が中央で停止し、UFOと拡大表示された左,中,右の図柄とが表示された画面である。
この画面が表示されている間に、このサブルーチンプログラムが次に進み、S56にてプロセスタイマが作動中か否かが判定される。このサブルーチンプログラムが最初に実行されたときには、プロセスタイマが作動中でないので、所定時間に対応したプロセスタイマがセットされる。また、このサブルーチンプログラムの実行が2回目以降であり、先の実行により、S58にてプロセスタイマがセットされている場合には、S57にてプロセスタイマが1減算される。続いて、S59に進み、プロセスタイマが終了しているか否かが判定され、プロセスタイマが作動中の場合には、そのままこのサブルーチンプログラムを繰返し実行するたびに、S57にてプロセスタイマを1ずつ減算し、S59にてプロセスタイマが終了していることが判定されれば、S60にてプロセスフラグをクリアする。
これにより、図15(a)に示した図柄確定画面がS58にてセットされたプロセスタイマに対応する時間だけ表示部60に表示された後、S60にてプロセスフラグがクリアされることにより、次回にメインプログラムが実行するときには、図24のプロセス制御によって、通常時処理のサブルーチンプログラムが起動される。
図28は、大入賞口開放前のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずS61により、プロセスタイマが作動中であるか否かの判断がなされ、この場合にはプロセスタイマが作動中でないためにS63に進み、開放回数が1回目であるか否かの判断がなされる。
可変入賞球装置4を第1の状態に繰返し継続制御する繰返し継続回数が1回目の場合にはS64に進み、開放回数1回目の表示プロセスデータをD_COM0にセットし、対応する時間をプロセスタイマにセットする処理が行なわれる。この表示プロセスデータとは、表示プロセスフラグデータ,タイマデータ,ランプ,LED,音発生制御データのアドレスデータ等である。そしてS66によりプロセスタイマが終了したか否かの判断がなされ、この時点ではNOの判断がなされてそのままサブルーチンプログラムが終了となる。
この大入賞口開放前処理のサブルーチンプログラムの次回の実行に際しては、S61によりYESの判断がなされてS62によるプロセスタイマを「1」減算する処理がなされる。そして、この大入賞口開放前処理を複数回繰返し実行してその度にS62による「1」の減算処理が行なわれた結果、プロセスタイマが0となった時点でS66によりYESの判断がなされてS67に進み、特定領域入賞フラグがクリアされ、入賞個数カウンタがクリアされ、特定領域入賞タイマがクリアされる。そしてS68によりプロセスフラグが「1」加算され、その値が「08H」となり、次回にメインプログラムが実行するときには、プロセス制御において大入賞口開放中処理のサブルーチンプログラムが起動される。
なお、S67に示した、特定領域入賞フラグは、可変入賞球装置4(図1)の特定領域(Vポケット)61に打玉が入賞したことを記憶しておくためのフラグである。また、入賞個数カウンタとは、第1の状態となっている可変入賞球装置4内に入賞した入賞玉の合計を計数するためのカウンタである。また特定領域入賞タイマとは、打玉が特定領域(Vポケット)61に入賞したことを電気的可変表示装置3(図1)により表示するための表示時間を計時するためのものであり、可変入賞球装置4が第1の状態となっているときに最初に特定領域61に入賞した打玉に基づいてセットされる。
一方、可変入賞球装置4の開放回数が2回目以降である場合には、S65に進み、開放回数に応じたラウンドデータをD_COM0にセットし、プロセスタイマに1000をセットする処理がなされてS66に進む。このラウンドデータとは、可変入賞球装置4を第1の状態に繰返す現時点での繰返し回数を電気的可変表示装置3により表示させるためのデータである。そしてS65によりセットされたプロセスタイマが終了したか否かがS66により判断されるのである。S68の処理の結果、プロセスフラグが「08H」となるために、次回にメインプログラムが実行するときには、前記図24のプロセス制御において、大入賞口開放中処理のサブルーチンプログラムが起動される。
図29は、大入賞口開放中処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。まず、S69により、入賞個数カウンタが10以上であるか否かの判断がなされる。第1の状態となっている可変入賞球装置4に入賞した入賞玉が10未満である場合には、S70に進み、プロセスタイマが作動中であるか否かの判断がなされる。この場合には作動中でないためにS72に進み、対応する時間をプロセスタイマにセットする処理がなされ、S73により、そのセットされたプロセスタイマが終了したか否かの判断がなされ、この場合には終了していないために、そのまま、終了する。
一方、この大入賞口開放中処理のサブルーチンの次回の実行に際しては、S70により、YESの判断がなされ、S71によりプロセスタイマを「1」減算する処理がなされる。この大入賞口開放中処理を複数回実行してその度にS71による減算処理がなされた結果プロセスタイマが0となった段階でS73によりYESの判断がなされてS74に進む。
S74では、プロセスフラグを「1」加算する処理がなされ、S75により特定領域有効タイマがセットされる。この特定領域有効タイマは、可変入賞球装置4が第2の状態に切り替わった後においても所定期間だけ特定入賞玉検出スイッチからの検出信号を受け付けるようにするためのものであり、可変入賞球装置4が第2の状態になる間際に入賞した打玉が特定領域(Vポケット)61に入賞した場合にもその入賞を有効なものとして検出して特定入賞に基づく制御を有効に行なわんとするためのものである。S74の処理の結果、プロセスフラグが「09H」となり、次回にメインプログラムが実行するときには、プロセス制御において大入賞口開放後処理のサブルーチンプログラムが起動される。
図30は、大入賞口開放後処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まず、S76により、入賞個数カウンタが「0」であるか否かの判断がなされる。そして「0」と判断された場合にはS77に進み、スイッチ異常フラグがセットされる。これは、可変入賞球装置4が第1の状態となっている期間中に1個の打玉すらその可変入賞球装置4に入賞しなかった場合であり、そのようなことは通常あり得ないために入賞玉検出スイッチに異常が発生していることが想定され、それに対処するべくS77によりスイッチ異常フラグがセットされるのである。
一方、入賞個数カウンタが「0」でない場合にはS78に進み、スイッチ異常フラグがクリアされ、S79により、特定領域有効タイマが終了したか否かの判断がなされ、終了していない場合にはS80により特定領域有効タイマを「1」減算する処理がなされ、S81により、特定領域入賞フラグがセットされているか否かの判断がなされる。そして、可変入賞球装置4内に入賞した入賞玉が特定領域(Vポケット)61に入賞していれば特定入賞フラグがセットされているために、S82に進み、プロセスフラグを「07H」にセットし、開放回数カウンタを「01H」加算する処理がなされてサブルーチンプログラムが終了する。
このS82の処理の結果、以降、大入賞口開放前処理のサブルーチンプログラムが再度実行されることとなる。一方、S81により特定領域入賞フラグがセットされていないと判断された場合にはS83に進み、プロセスタイマが作動中であるか否かの判断がなされる。この場合には作動中でないためにS85に進み、大当り終了時の音,ランプ,表示プロセスデータがセットされてS86に進む。S86では、S85に対応する時間をプロセスタイマにセットする処理がなされてS87に進み、そのセットされたプロセスタイマが終了したか否かの判断がなされ、このサブルーチンプログラムの初回の実行の場合にはNOの判断がなされ、そのままサブルーチンが終了する。
この大入賞口開放後処理のサブルーチンプログラムの次回の実行に際しては、S83によりYESの判断がなされてS84によりプロセスタイマを1減算する処理がなされ、このサブルーチンプログラムが複数回実行される毎にこのS84による減算処理が行なわれ、その結果プロセスタイマが0になった段階でS87によりYESの判断がなされてS88に進む。
S88では、大入賞口開放後(プロセスフラグ=09H)および大当りの種類に対応するデータエリアから上記S85によりセットされたデータがすべてが終了したか否かの判
断がなされ、未だに終了していない場合にはS92により、次アドレスの各データがセットされる。そして対応するデータエリアのデータがすべて終了した段階でS88によりYESの判断がなされてS89に進み、プロセスフラグをクリアする処理がなされ、プロセスフラグが「00H」となる。
次に、S90により、C_RND格納エリアをシフトするとともに入賞記憶カウンタを「1」減算する処理がなされる。次にS91に進み、大当りフラグをクリアし、開放回数カウンタをクリアし、入賞個数カウンタをクリアする処理がなされてサブルーチンプログラムが終了する。上記S89の処理の結果、次回にメインプログラムが実行するときには、プロセス制御において、図25(a)に示した通常時処理のサブルーチンプログラムが起動される。
図32は、メイン基本回路67からLCD回路70を介してLCD表示器29に送られるLCD制御コマンドの種類とその内容とを示す説明図である。LCD制御コマンドには、comH,com0〜com6,comCの9個のコマンドがある。
comHは、コマンドのヘッダであり、「0CAh」に固定されている。com0には、その時点における制御の状態を示すメインステータスデータがセットされる。com1〜com3には、それぞれ左,中,右図柄のナンバーがセットされる。セットされるナンバーは、前述した10個の数字と5個のアルファベットとに対応した00〜0Ehのデータによって表される。
com4には、図柄合わせ画面などにおけるUFOの画像の移動回数が、一回りを1として、00〜05hの範囲でセットされる。com5には、その時点における表示部60の図柄変動の継続回数が00〜0Fhの範囲でセットされる。com6には、その時点における10カウント数が00〜0Ahの範囲でセットされる。
comCは、データの誤りを検出するためのチェックサムであり、comH〜com6までの和の下位の7ビットがセットされる。comH〜com6の和とチェックサムのビットとを照合して、両者が合致していなければ、データに何らかの誤りがあるものと判定される。
図33は、LCD表示器29を制御するためのNMI割込処理プログラムの処理手順を示すフローチャートである。このNMI割込処理プログラムは、メイン基本回路67からLCD回路70を介してLCD表示器29へLCDコマンドを送るための処理プログラムであり、2msec毎に定期的に実行される。1回の割込処理によって1つのコマンドが転送される。
S93により、メイン基本回路67のcomH出力用のポートにヘッダ(0CAh)がセットされる。続いて、S94により、com0〜com6のLCD制御コマンドが転送される。続いて、S95により、comH〜com6までの和のチェックサムが加算演算される。次に、S96により、チェックサムの最上位ビットがクリアされる。次に、S97により、LCD表示器29を初期化するためのLCD制御INTがセットされる。このINTのセットにより、LCD表示器29に対して初期化のための割込信号が送られる。このS97の処理後500μ秒後にS98により、LCD制御INTがクリアされる。
図34は、前記図13に示したサブ制御回路におけるLEDの点灯表示と音発生とを制御するための処理手順を示すフローチャートである。始めに、S99により、スタックセットが行なわれる。次に、S100により、初期化処理が行なわれる。この初期化処理では、サブ基本回路75に含まれるRAMが正常であるか否かの判断がなされ、RAMの記
憶データが正常でなければ、データを初期化する処理がなされる。
次に、S101により、メイン基本回路67からサブ基本回路75にコマンドデータを入力する処理が行なわれる。次に、S102により、LEDを制御するための表示データがセットされる。セットされたLED表示データが、S103により、LED回路74に出力される。次に、S104により、音声合成回路76へチャンネル1音を出力させる指令が送られる。続いて、S105により、音声合成回路76へチャンネル2音を出力させる指令が送られる。その後、次の割込処理が入力されるまで、サブ制御回路を制御するためのプログラムの実行を待機する。
次に、表示部60に表示する画像の選択処理について説明する。以上の説明では、表示部60にUFOの画像を表示する構成を示したが、本実施の形態のパチンコ遊技機は、表示部60に表示するキャラクタを選択するための選択ボタン90が設けられ、その選択ボタン90により、複数種類のキャラクタの中から自由にキャラクタを選択できるように構成されている。
図35(a)に示すように表示部60にデモンストレーション画面が表示されているときに、選択ボタン90を押すと、表示部60の画面が図35(b)に示すようなキャラクタ選択画面に切換わる。キャラクタ選択画面では、複数種類のキャラクタ91〜93の画像が表示される。その時点で選択されているキャラクタの画像の背景色が他のキャラクタの背景色と異なっており、選択ボタン90を1回押す毎に、選択されるキャラクタが順次切換わり、その選択されたキャラクタの背景色が変化するように構成されている。
キャラクタの選択は、遊技者自身が選択できるようにしてもよいし、また、遊技場側が選択するようにしてもよい。また、このキャラクタの選択処理によって、表示されるキャラクタを切換えるだけではなく、そのキャラクタに対応させて遊技内容を異ならせるようにしてもよい。
1 遊技盤、2 遊技領域、3 可変表示装置、4 可変入賞球装置、29 LCD表示器、39 液晶表示板、45 表示制御基板、60 表示部、67 メイン基本回路、70 LCD回路、79a,79b,84 UFO画像、80 砲台画像、81a,81b,81c 左,中,右のナンバー(図柄)画像、82 タイトル画像、83 ラウンド数表示画像、85 大型UFO画像、86 小型UFO画像、87 砲弾画像、88 V表示画像、105 ディスプレイコントローラ、106 ROM、107 RAM、108 キャラクタROM。