JP4360265B2 - 生化学測定チップおよび測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光学薄膜を利用した生化学センサ、センサの部材およびこれを利用した測定装置に関する。
従来、抗原抗体反応などの生化学物質間の結合の測定は、一般的に、放射性物質や蛍光体などの標識を用いることで行われてきた。この標識には手間がかかり、特にタンパク質への標識は方法が煩雑な場合や標識によりタンパク質の性質が変化する場合があった。
そこで、生化学物質間の結合を簡便に標識を用いることなく直接的に測定する方法として、光学薄膜の干渉色変化を利用した生化学センサは知られている。この生化学センサは、Sandstromらの論文(例えば非特許文献1)に述べられている。その例を図1のモデルを用いて説明する。基板1上に光学薄膜2を設ける。空気の屈折率は1.00であり、光学薄膜2が屈折率1.50の材料であり、基板の屈折率は2.25のものを用いている。光学薄膜の厚さを、可視光の波長λの4分の1またはその奇数倍(3/4λ、5/4λなど)の光学的長さとしておくと、光学薄膜は反射防止膜として働き、図2の反射スペクトルAのように、波長λで光学薄膜に垂直方向の反射光の強度が0となる。これにより、センサが干渉色を生じる。
この光学薄膜2の上に、第1の生化学物質3の単分子層を設ける。生化学物質をタンパク質とすると、屈折率は1.5程度、層の厚さは10nm程度である。これにより、光にとっては光学薄膜が厚くなったことになり、反射スペクトルが図2の実線Aから点線A'のように変化し、干渉色が変化する。この第1の生化学物質3に第2の生化学物質4が生化学的に結合すると、更に膜厚が厚くなることになり、図2の点線A'から破線A''の変化が生じ、干渉色が変化する。これにより、第2の生化学物質の結合が検出される。一般的な検出の手順は、まず基板1上の光学薄膜2を第1の生化学物質の単分子層3で覆ったものを準備する。これを第2の生化学物質の溶液の中に入れる。その後、溶液から取りだし、乾燥した後、図2の点線A'から破線A''への干渉色の変化を調べる。
また基板1の材料として、光吸収性の材料、例えばシリコンを用いることで、基板の裏面で生じる光反射を抑制できることが述べられている。シリコン基板に対しては、光学薄膜として一酸化シリコンを蒸着し、また、最表層を一酸化シリコンの自然酸化により得られる厚さ2から3nmの二酸化シリコンとすることで化学的に安定な膜としている。このように従来は、光吸収性の基板上に設けられた光学薄膜を利用した生化学センサにおいては、センサを空気中に取り出して乾燥した後、干渉色を測定するものであった。
また、特許文献1には、積層体を用いた化学物質の検出等が記載されている。ここでは、ケイ素からなる担体の表面にSiO層を存在させ、反射を減少させる被覆が設けることが記載されている。
T.Sandstrom et al.,APPL.OPT.,24,472,1985
特開昭58-195142号公報
しかしながら、上記論文に記載されたセンサで、検出するためには、一旦空気中に取り出して乾燥後に干渉色を測定するため、乾燥工程の時間がかかり、高スループット化が望めないという問題がある。
また、反応開始後所定の時間経過後に測定を行うため、所定の時間の設定の仕方によっては、反応が飽和する前に空気中に取り出してしまうことも有るため、必ずしも精度のよい測定が行えない。一方で、反応が十分に飽和した後に測定するべく、所定の時間を長時間に設定した場合には、反応が飽和した後もセンサが溶液中に浸されているため、時間的効率が悪い。
一方、センサの耐薬品性に関しては、センサに付着する有機物の除去にはアルカリ洗浄が有効な方法であり、さらに、第1の生化学物質のセンサ表面への固定化およびセンサ表面への非特異的な分子の吸着を防ぐための表面改質を行うときに、アルカリ溶液にセンサチップを浸ける場合もあり、アルカリに対する耐性が重要である。しかしながら、シリコン基板はアルカリ水溶液に対して耐性が悪く、1Mの水酸化ナトリウム水溶液中で気泡を発しながら溶ける。また、上記論文に記載の光学薄膜の最上層の二酸化シリコンもアルカリに対して耐性が十分ではない。
本発明の目的は、アルカリに対する耐性が良く、高スループットで生化学物質の結合を測定できる、光吸収性の基板上の光学薄膜からなる、光干渉効果を利用した簡便なセンサを提供することにある。
上記目的は、以下の構成により、達成される。即ち、
(1)光吸収性の基板上に形成されたアルカリに耐性のある光学薄膜と、その光学薄膜表面に形成されたプローブからなるセンサチップに、そのプローブと相互作用するサンプルを含む液を供給し、この液体が供給された状態で、相互作用の前後で変化する反射光の強度を検出する。ここで、光学薄膜としては、アルカリに対する耐性がある窒化シリコン、酸化タンタルのようなものを用いる。また、基板のセンサを有する面のセンサ以外の領域および裏面に、窒化シリコン、酸化タンタルなどのアルカリに対する耐性のある材料からなる保護膜を設ける。これにより、基板のセンサを有する面と、その裏面について、チップの耐アルカリ性を持たせることができる。更に、センサを有する面については、センサ部およびセンサ部などを示す印および文字と、それ以外の部分の間で、膜の光路長に差をつけて、異なる色を示すようにする。
ここで、本発明では主に、生化学物質間の結合を溶液中で光学薄膜の干渉色変化を利用して検出する。ここで、この生化学物質とは、他の物質に生化学的に結合する物質のことを指し、タンパク質、核酸、脂質、糖などの生体内で生産される物質だけではなく、薬剤物質、内分泌錯乱化学物質などの生体内の分子と結合する外来物質も含む。
(2)水溶液中で明瞭な干渉色が得られるように、光学薄膜の屈折率を調節する。例えば、シリコン基板上の光学薄膜に対しては、光学薄膜の屈折率を2.2に調節する。または、光学薄膜を屈折率の異なる複数の層の組み合わせとする。例えば、シリコン基板上の光学薄膜に対しては、基板上に屈折率2.4の膜を形成し、その上に屈折率2.0の膜を形成する。または、光学薄膜をセンサ表面では屈折率2.0で、基板との界面ではこれより高い屈折率を持つ傾斜屈折率膜とする。このとき、光学薄膜の屈折率は膜厚方向に2.0から2.6の範囲で連続的に変化させる。例えば、シリコン基板上の光学薄膜に対しては、基板との界面では屈折率2.4とし、光学薄膜のセンサ表面では屈折率2.0になるように、連続的に屈折率を変化させる。ここで、屈折率2.0の膜とは、窒化シリコンでは最もアルカリに対して耐性のある膜であり、これを最上層とすることでより化学的に安定なセンサとなる。また、窒化シリコンはCVD法でガスの混合比を変化させることで屈折率を2.0から2.6まで変化させることができる。
(3)更に、複数種類のプローブ毎に、光を照射し、その反射光を検出する光ファイバと、反射光の強度変化を計測する測定器を設けた検出装置によって達成される。ここでは、プローブの種類毎に光ファイバを設けるため、複数種の反応をほぼ同時に検出できる。ここで、上記センサチップを保持するチップ保持部を設け、センサおよび光ファイバの配列をチップ保持部に対して回転方向に非対称とすることで、センサチップをチップ保持部に対して誤った方向に装着した場合に、検出装置により誤りを検知できるため、この誤りを防止できる。
チップの一の例は、シリコン基板と、シリコン基板の表面に設けられた第1の窒化シリコン膜と、シリコン基板の裏面に設けられた第2の窒化シリコン膜とを有し、第1の窒化シリコン膜は、生体物質と結合するプローブを表面に固定するための第1の領域を有することを特徴とする。ここで、第1の窒化シリコン膜の屈折率は2.0程度から2.6程度の範囲の値であってもよい。また、プローブはタンパク質であってもよい。また、第1の窒化シリコン膜は、シリコン基板の表面に設けられかつ屈折率が2.4程度の第3の窒化シリコン膜と、第3の窒化シリコン膜の表面に設けられかつ屈折率2.0程度の第4の窒化シリコン膜とからなってもよい。また、第1の窒化シリコン膜及び第2の窒化シリコン膜は、シリコン基板に接する表面及び他の表面の屈折率が各々2.4程度及び2.0程度であり、シリコン基板に接する表面から他の表面に向かって屈折率が連続的に変化するものであってもよい。また、第1の窒化シリコン膜及び第2の窒化シリコン膜は、表面からシリコン基板の表面に向かって屈折率が指数関数的に変化するものであってもよい。
アルカリ洗浄およびアルカリを用いた表面改質を施すことができるセンサチップを用いて、高スループットで生化学物質の結合を測定できる。
以下、アルカリに耐性のある生化学センサチップの製造方法を述べる。なお、以下において、屈折率の値に関して「程度」という語を用いる際には、その値の±0.5以内の範囲をさすものとする。図3にセンサの製造方法の一例を示す。図3(a)に示したように、実質的に平坦な表面を持つシリコン基板5の表面および裏面に、70nm程度の厚さの窒化シリコン(SixNy、屈折率2.2)の光学薄膜6を化学気相蒸着(CVD)法により形成する。
通常、窒化シリコン膜の組成はシリコン3に対し、窒素が4であり、このときの屈折率は2となる。我々は、窒化シリコン膜の成膜条件を調整することで屈折率を2.0から2.6の範囲で調整できることを見いだした。
図4に、CVD法に用いる混合ガスのモノシラン、アンモニア、窒素に占めるモノシランの混合比に対する、製膜される窒化シリコン膜の屈折率を示した。具体的には原料混合ガスのモノシラン、アンモニア、窒素に占めるモノシランの混合比を0.07程度から0.45程度に調節することで、屈折率を窒化シリコン膜の屈折率を2.0程度から2.6程度の範囲で調整できた。しかしながら、原料混合ガス中に占めるモノシランの比率を高くすると窒化シリコン膜組成は「シリコン/窒素」の値が3/4より大きくなると推測される。
具体的には、屈折率2.0の膜の組成比は、シリコン3に対して窒素が4である。すなわち、シリコン約0.43に対して窒素が約0.57である。屈折率2.2の膜では、その組成比はシリコン約0.51に対して、窒素が約0.49である。屈折率2.3の膜では、その組成比はシリコン約0.52に対して、窒素が約0.48である。このように、屈折率が高いものほど、組成比のシリコンの比率が高い。次に、図3(b)に示したように、レジストを塗布、ホトリソグラフィにより露光、現像し、センサ部およびセンサ部などを示す印および文字の部分にレジストパターン7を形成する。引き続き、図3(c)に示したように、窒化シリコン膜を40nmエッチングし、窒化シリコン膜に段差をつける。その後に、図3(d)に示したように、レジストを除去する。図5にセンサチップの上面図を示す。センサチップの上面には、センサ部8、センサチップの向きを示す印9、センサ部の名称を示す文字10、保護層11等が設けられる。センサ部8、センサチップの向きを示す印9、センサ部の名称を示す文字10は、図3(b)のレジストパターンに描くことで、同時に形成される。
センサ部8、センサチップの向きを示す印9、センサ部の名称を示す文字10の部分の窒化シリコンの厚さは70nm程度であり、その干渉色のため青色に、保護層11の厚さは、図3(c)のエッチングのために薄くなり、30nm程度であるためにシリコンに近い色で若干褐色がかった色にそれぞれ見えるため、目視にて見分けることができる。すなわち、少なくともセンサ部8と保護層11とは厚さが異なり、さらに目視上において色で識別することができる。これにより、各センサ部へ第一の生化学物質(プローブ)を固定化するために、各センサ部へ第一の生化学物質の溶液を滴下する時などに便利になる。
以上により、アルカリ耐性の優れたセンサチップが得られる。表1に窒化シリコンと二酸化シリコンのアルカリに対する耐性試験の結果をまとめた。表1には、シリコン基板上に窒化シリコン膜(屈折率2.0)、窒化シリコン膜(屈折率2.2)、窒化シリコン膜(屈折率2.3)、二酸化シリコン膜をそれぞれ形成したものを、1Mの水酸化ナトリウム水溶液に6時間、24時間、48時間浸したときに、それぞれの膜厚が減少した量を示してある。各屈折率の窒化シリコン膜は、上記のCVD法によって得た。二酸化シリコン膜はシリコン基板表面を熱酸化することで成膜したものである。表1から、二酸化シリコンに比べて、窒化シリコンの方がアルカリに対して耐性が良いと分かる。二酸化シリコンの膜では、24時間で100オングストローム膜厚が減少、すなわち10ナノメートル溶けてしまったのに対して、窒化シリコンでは数オングストローム以下しか膜厚が減少しない。
このように窒化シリコン膜はアルカリに対して耐性に優れていることが分かる。特に、屈折率2.0の窒化シリコン膜がもっともアルカリ耐性が優れている。屈折率を2.2や2.3に調整した窒化シリコン膜では、屈折率2.0のものよりアルカリ耐性は低くなる傾向にある。シリコン自体は水酸化ナトリウム水溶液のようなアルカリ液でエッチングされるので、シリコン比率が高いものほどアルカリ耐性が低くなると考える。屈折率2.3の窒化シリコン膜(SixNy)の組成はx/yがおおよそ1.1と予測される。今回の結果から、アルカリ耐性を考慮した場合には、シリコン比率の観点から、センサ部の表面の窒化シリコン膜(SixNy)のx/yを1.1以下とすることにしてもよい。窒化シリコン以外の材料でも、同様の屈折率と耐アルカリ性を示すものがある。その例として、スパッタ堆積による酸化タンタル膜(屈折率2.06程度)の、1Mの水酸化ナトリウム水溶液への耐性を試験した。その結果、24時間浸した時に約6オングストロームの膜厚の減少を確かめた。酸化タンタル膜を用いる場合には、化学気相成長法を用いるなどして膜質を調整することで、窒化シリコンと同等の性能を得ることができる。
このセンサは溶液中で明瞭な干渉色を示し、生化学物質の結合によりその干渉色が変化する。図6に計算機シミュレーションに用いたモデルを示す。センサ部はシリコン基板12上の窒化シリコンからなる光学薄膜13であって第一の生化学物質(プローブ)を固定するものである。また、光学薄膜13の屈折率は2.2、厚さは70nmとした。ここでセンサ部は次の実施例以下で述べるように、屈折率を調節した窒化シリコンであってもよい。背景の屈折率nは1.3330とした。第一の生化学物質(プローブ)を、屈折率1.5、厚さ10nmの層14とした(図6(a))。この生化学センサに対し、第2の生化学物質を含むサンプルを供給することにより、第1の生化学物質と第2の生化学物質とを結合させる(図6(b))。この第2の生化学物質を、屈折率1.5、厚さ10nmの層15として示した。図7に反射スペクトルを示す。縦軸の吸光度は、−log10Rとした。
ここで、Rはセンサの反射率である。図7は、波長が400nmから830nmでの吸光度スペクトルである。それぞれ、図6(a)の第一の生化学物質層が施されたセンサの反射スペクトルを実線Bで、図6(b)の第2の生化学物質が結合した後の反射スペクトルを点線B'で示した。図7の反射スペクトルから、波長620nm付近で光干渉により反射が小さくなっていることが分かる。また、生化学物質層が加わることで、スペクトル全体が長波長側に移動することが分かる。破線B''は点線B'から実線Bを引いた差スペクトルである。差スペクトルB''からわかるように、センサの反射スペクトル変化、すなわち反射光強度の変化から第1の生化学物質への第2の生化学物質の結合を計測することが可能である。
以下、センサ部への第一の生化学物質の固定化の一例として、タンパク質の固定化の方法を述べる。まず、センサチップを1Mの水酸化ナトリウムに24時間浸しアルカリ洗浄する。続いて、センサチップに酸素または大気のプラズマを照射する。その後、3−アミノプロピルトリメトキシシランで表面処理を行い、光学薄膜の表面にアミノ基を導入する。そして、2mgのN−ヒドロキシスクシイミドと10mgの水溶性カルボジイミドと1mgのタンパク質を1mlの脱イオン水に溶かしタンパク質のカルボキシル基を活性化し、この溶液をアミノ基を導入した箇所に滴下して、タンパク質をセンサ表面のアミノ基に共有結合により固定化する。この後、脱イオン水でセンサチップをすすぎ、窒素ガスを吹きかけて乾燥する。
この他の生化学物質の固定化の方法として、センサ表面への分子の非特異的吸着の少ない固定化方法として知られている、デキストランをリンカーとした固定化方法を述べる。まず、センサチップを1Mの水酸化ナトリウムに24時間浸しアルカリ洗浄する。続いて、センサチップに酸素または大気のプラズマを照射する。その後、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランで表面処理を行い、光学薄膜の表面にエポキシ基を導入する。続いて、センサチップを0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液に溶かした0.3g/mlのデキストラン溶液に20時間浸ける。以上によりセンサ表面にデキストランが結合する。しかる後に、センサチップを2Mの水酸化ナトリウム水溶液に溶かした1Mのブロモ酢酸溶液に16時間浸ける。これにより、デキストランにカルボキシル基が導入される。
ここで、図21に示した表1中の窒化シリコンの中で最もアルカリに対する耐性が良くない屈折率を2.3に調節した窒化シリコン膜を2Mの水酸化ナトリウム水溶液に24時間浸した場合には9オングストローム以下の膜厚減少となることを確認しており、窒化シリコン膜は酸化シリコン膜に比べて2Mの水酸化ナトリウム水溶液にも十分な耐性がある。N−ヒドロキシスクシイミドと水溶性カルボジイミドの水溶液を用いてこのカルボキシル基を活性化することにより、リンカーのデキストランに一級アミンを有する生化学物質、例えばタンパク質を結合させることができる。
図21に示した表1の異なる屈折率を持つ窒化シリコンのアルカリ耐性を比較すると、屈折率2.0の膜が最も耐性が良く、次に屈折率2.2の膜、次が屈折率2.3の膜の順に耐性が良い。窒化シリコン膜の組成比が、シリコン3に対して窒素4の最も化学的に安定な組成比に近いほど、耐性が良いと言える。ここでは、実施例1のシリコン基板上の屈折率2.2の光学薄膜の代わりに、シリコン基板上の屈折率2.0の光学薄膜、すなわちシリコン3に対して窒素4の組成比の窒化シリコン膜とすることで、より耐アルカリ性に優れた生化学センサチップとした例を示す。
この生化学センサチップは、実施例1の生化学センサチップの作製法で図3(a)の実質的に平坦な表面を持つシリコン基板5の表面および裏面に70nm程度の厚さの窒化シリコン(SixNy、屈折率2.2)の光学薄膜6をCVD法により形成する代わりに、実質的に平坦な表面を持つシリコン基板5の表面および裏面に75nm程度の厚さの屈折率2.0の窒化シリコンをCVD法により形成することで、他は実施例1のとおりで実現される。
実施例1と同様に計算機シミュレーションを行った。実施例1とのモデルの違いは、図6の光学薄膜13の屈折率を2.0としたことと、その厚さを75nmとしたことのみである。図8に反射スペクトルを示す。図8は、波長が400nmから830nmでの吸光度スペクトルである。それぞれ、図6(a)の第一の生化学物質層が施されたセンサの反射スペクトルを実線Cで、図6(b)の第2の生化学物質が結合した後の反射スペクトルを点線C'で示した。破線C''は点線C'から実線Cを引いた差スペクトルである。実施例1の図7と比較して吸光度のピーク値および差スペクトルのピーク値は小さくなるものの、第2の生化学物質が結合することで反射スペクトルが変化するのでセンサとして用いることができる。以上のように、屈折率2.0の窒化シリコンの光学薄膜とすることで、よりアルカリに耐性のある生化学センサチップが得られる。
実施例2で述べたように、窒化シリコン膜の中でも、屈折率を2.0に調節したものが最もアルカリに対する耐性が優れている。従って、センサ表面には、屈折率2.0に調節した窒化シリコン膜が最もふさわしい。しかしながら、実施例2のシリコン基板上の屈折率2.0の膜とした場合では、屈折率2.0の膜と水溶液の界面での光の反射に比べて、シリコン基板との界面の光の反射が強くなるため、水溶液中での光干渉が弱い。そこで、シリコン基板上に屈折率2.4程度の窒化シリコンの膜を40nm程度堆積し、さらにその上に屈折率2.0程度の窒化シリコンの膜を40nm程度堆積することで、実施例1の図7と同様の反射スペクトルを持ち、より耐アルカリ性に優れた生化学センサチップを得ることができる。
この生化学センサチップは、実施例1の生化学センサチップの作製法で図3(a)の実質的に平坦な表面を持つシリコン基板5の表面および裏面に70nm程度の厚さの窒化シリコン(SixNy、屈折率2.2)の光学薄膜6をCVD法により形成する代わりに、実質的に平坦な表面を持つシリコン基板5の表面および裏面に40nm程度の厚さの屈折率2.4程度の窒化シリコンをCVD法により形成し、その上に40nm程度の厚さの屈折率2.0程度の窒化シリコンをCVD法により形成することで、他は実施例1のとおりで実現される。
このセンサも実施例1と同様に溶液中で明瞭な干渉色を示し、生化学物質の結合によりその干渉色が変化する。図9に計算機シミュレーションに用いたモデルを示す。背景の屈折率nは1.3330とした。基板はシリコンとし、光学薄膜はシリコン基板上の厚さ40nmの屈折率2.4の膜16と厚さ40nmの屈折率2.0の膜17の二層膜とした。実施例1と同じく、第一の生化学物質(プローブ)を、屈折率1.5、厚さ10nmの層14とした(図9(a))。この生化学センサに対し、第2の生化学物質を含むサンプルを供給することにより、第1の生化学物質と第2の生化学物質とを結合させる(図9(b))。この第2の生化学物質を、屈折率1.5、厚さ10nmの層15として示した。図10に反射スペクトルを示す。図10は、波長が400nmから830nmでの吸光度スペクトルである。それぞれ、図9(a)の第一の生化学物質層が施されたセンサの反射スペクトルを実線Dで、図9(b)の第2の生化学物質が結合した後の反射スペクトルを点線D'で示した。破線D''は点線D'から実線Dを引いた差スペクトルである。実施例1の図7と比較して、ほぼ同じ反射スペクトルと差スペクトルとなることが分かる。以上のように、屈折率2.0の窒化シリコンの膜をセンサ部の最上層とした二層膜とすることで、実施例1とセンサとしての性能は同程度で、よりアルカリに耐性のある生化学センサチップが得られる。
本実施例においては、生化学センサチップを実施例1の作製法の図3(a)の光学薄膜6を屈折率2.0程度の窒化シリコンと屈折率2.4程度の窒化シリコンを40nm程度の積層膜として堆積し、図3(c)に示すように部分的に加工することで段差を形成しているが、実質的に平坦なシリコン基板の表面及び裏面に厚さ40nm程度の屈折率2.4程度の窒化シリコン膜を堆積した後、ホトリソグラフィで実施例1と同様なレジストパターンを形成し、それをマスクとしてシリコン基板の表面の厚さ40nm程度の屈折率2.4程度の窒化シリコン膜をエッチングしてから、基板表面及び裏面に厚さ40nm程度の屈折率2.0程度の窒化シリコン膜を堆積することでも実現される。この場合は、センサ部だけでなくセンサチップ表面が全て薬品耐性の高い屈折率2.0程度の窒化シリコンで覆われることになるので、薬品耐性をより高くできる。
実施例3では光学薄膜を屈折率の異なる2つの膜からなる二層膜とすることで、最上層を屈折率2.0の窒化シリコンとしたが、傾斜屈折率膜を用いることでも実施例3と同様の効果を得ることができる。図11に傾斜屈折率膜の例を示す。図11(a)のように、厚さ75nm程度の光学薄膜18中で屈折率を連続的に変化させる。センサ表面では屈折率を2.0程度とし、z 軸をセンサ表面を0として光学薄膜18に対して垂直方向にとり、シリコン基板19上、すなわちz=75nmで屈折率を2.4程度とする。ここではその間の屈折率変化は指数関数とし、図11(b)のように、屈折率n(z)をn(z)=exp(W×z)とする。ここでWは定数である。この傾斜屈折率膜は、表面の屈折率が一定であれば、その内部での屈折率変化は図11(b)に示したような指数関数的変化でも、それ以外の連続的な変化であってもよい。このときに表面の屈折率を2程度とすることにより、薬品耐性を高めることができ、またシリコン基板上に複数の薄膜を形成することなく、測定に適した光学薄膜を形成することができる。
この生化学センサチップは、実施例1の生化学センサチップの作製法で図3(a)の実質的に平坦な表面を持つシリコン基板5の表面および裏面に70nm程度の厚さの窒化シリコン(SixNy、屈折率2.2)の光学薄膜6をCVD法により形成する代わりに、実質的に平坦な表面を持つシリコン基板5の表面および裏面に、図11に示したように、75nm程度の厚さで屈折率が2.4から2.0へ変化するように、モノシランの混合比を調節しながら窒化シリコンをCVD法により形成することで、他は実施例1のとおりで実現される。
このセンサも実施例1と実施例3と同様に溶液中で明瞭な干渉色を示し、生化学物質の結合によりその干渉色が変化する。図12に計算機シミュレーションに用いたモデルを示す。背景の屈折率nは1.3330とした。基板はシリコンとし、光学薄膜は図11に示した屈折率が2.4から2.0へ変化する傾斜屈折率膜18とした。実施例1と同じく、第一の生化学物質(プローブ)を、屈折率1.5、厚さ10nmの層14とした(図12(a))。この生化学センサに対し、第2の生化学物質を含むサンプルを供給することにより、第1の生化学物質と第2の生化学物質とを結合させる(図12(b))。この第2の生化学物質を、屈折率1.5、厚さ10nmの層15として示した。図13に反射スペクトルを示す。図13は、波長が400nmから830nmでの吸光度スペクトルである。それぞれ、図12(a)の第一の生化学物質層が施されたセンサの反射スペクトルを実線Eで、図12(b)の第2の生化学物質が結合した後の反射スペクトルを点線E'で示した。破線E''は点線E'から実線Eを引いた差スペクトルである。実施例1の図7と比較して、ほぼ同じ反射スペクトルと差スペクトルとなることが分かる。以上のように、センサ表面を屈折率2.0の窒化シリコンとした屈折率傾斜膜とすることで、実施例1とセンサとしての性能は同程度で、よりアルカリに耐性のある生化学センサチップが得られる。
本実施例においても、センサ表面に加えて、チップ表面全体の薬品耐性を向上するために、上記傾斜屈折率膜を加工した表面に、屈折率2.0程度の窒化シリコン膜を0.5nm程度から10nm程度堆積してもよい。この場合は、傾斜屈折率膜と後から堆積する屈折率2.0程度の窒化シリコン膜の両方を考慮した膜厚、屈折率傾斜とする。
以下、本発明の光学薄膜センサの干渉色変化を溶液中でリアルタイムに検出する装置を、図面を用いて説明する。図14は、本発明の一実施例を示すブロック図、図15は本発明の検出装置の計算機の表示画面の一実施例を示す図、図16は本発明の検出装置で検出する量を示す図、図17は本発明の検出装置の光学系の一実施例を示す斜視図、図18は本発明の検出装置の反応槽の一実施例を示す斜視図、図19は図18のG−G’での断面図、図20は図18のH−H’での断面図である。
本発明の検出装置は、図14のように、タングステンランプなどの白色光源20からの光が光ファイバからなる照射光学系21を経て、反応槽22に入ったセンサチップ23上の実施例1〜実施例4で述べた複数の光学薄膜センサ部24に照射され、その光学薄膜センサ部24からの反射光が光ファイバからなる集光光学系25を経て、複数の分光器26と複数のCCDやフォトダイオードアレイなどの多チャンネル受光機27でリアルタイムに反射スペクトルとして測定され、計算機28に反射スペクトルのデータが取りこまれる。計算機28により、実施例1〜4で述べた、各光学薄膜センサ部24の反射スペクトルの、吸光度のピーク位置の変化または単一波長での吸光度の変化をリアルタイムに計算し、その経時変化を図15のグラフ30のようにリアルタイムにプロットし、記録する。
図16に実施例1の図7の実線B、点線B'、破線B''のグラフを用いて、吸光度のピーク位置および単一波長での吸光度の変化の波長位置を矢印F、F'、F''で示した。吸光度のピーク位置の変化量とは、矢印Fの位置から矢印F'の位置へのピーク位置の変化量を指す。単一波長での吸光度の変化の波長位置は矢印F''のように差スペクトルの値が大きい波長位置が望ましい。グラフ30の時間微分をグラフ31に表示し記録する。これにより、結合の開始と、飽和が分かり易くなる。このように、試料溶液中でリアルタイムに計測を行うことで、センサチップを空気中に取り出して測定を行う場合に比べて、反応を迅速かつ正確に調べることができる。
図17に光ファイバを用いた照射光学系21、集光光学系25の一実施例を示す。図17のように、直径1.5mmの金属のパイプ32に直径200ミクロンのガラス製の光ファイバが7本詰まった光ファイバ束を用意する。光ファイバ束の中心に配置した光ファイバ33の反対側の端は、分光器26のスリットの前に置かれる。中心に配置した光ファイバ33を囲む残りの6本の光ファイバ34の反対側の端は、白色光源20の前に置かれる。
図18,19,20に、図17に示した光ファイバ束35を用いた検出装置の一実施例を示す。図18,19,20のように、光ファイバ束35を、反応槽22とセンサチップを所定の位置に置くためのセンサチップホルダ36と冷却水または温水37を循環させることで温調を行う冷却・加熱機38を固定した台39に取りつけられた可動台40に固定し、光学薄膜センサ部24の真上に置く。このようにして、それぞれの光ファイバ束35から、実質的に透明な光学窓41を通して、それぞれの真下の光学薄膜センサ部24に光が照射されるようにする。センサチップ23をセンサチップホルダ36に装着する際に、センサチップの向きを示す印29により適切な方向に装着できる。さらに、センサの配列を回転対称性を持たないもの、つまりセンサチップの回転方向に関して非対称とすることで、センサチップを誤った方向に装着した場合に、反射強度の違いから検出器によって装着方向の誤りを判定できる。なお、これに対応して、光ファイバ束35はセンサチップと対面する端部の配置が回転対称性を持たない、つまり回転方向に関して非対称とする。これにより、センサチップに対して適切な測定を行うことができる。
可動台40は、光ファイバ束35を保持する光ファイバ保持部でもあり、光ファイバ束35の光学薄膜センサ部24に対する位置が再現されるように、可動台の位置を規定する位置決め機構42が取り付けられる。一般に、光学薄膜の干渉色は測定に用いる光の入射・反射角度に依存する。位置決め機構42を利用して光ファイバ束35の位置を再現することで、照射光学系21用の光ファイバ34から照射される光と光学薄膜センサ部24で反射され集光光学系25用の光ファイバ33で集光される光の角度が再現される。ここで、使用する光ファイバの開口数から決まる光照射角、集光角の範囲内でこの角度を決めて使用するのが望ましい。また、位置決め機構42を用いることで、光ファイバ束35の光学窓41への衝突による破損を避けることができる。
ここで、光ファイバ束35と光学窓41を十分に近づけることで、光学窓41での光の反射の反射スペクトル測定への影響を低減することができる。一度により多くの種類の生化学物質の結合を調べるには、光学薄膜センサ部24と光ファイバ束35の数を増やすことで対応できる。光ファイバ束35の先端と光学窓41の間に液体を入れるための空間43を設ける。これにより、光ファイバ束35の先端および光学窓41での界面の光の反射を低減でき、反射スペクトル測定への影響をより少なくできる。また、冷却時に反応槽22の周りに水滴や霜が付着することがあるが、この空間43に液体を入れることで水滴や霜の付着による反射スペクトル測定への影響を防ぐことができる。溶液の入り口44から溶液の出口45へ送液ポンプとサンプルインジェクターなどを用いて生化学物質を含む試料溶液46を互いに独立した二つの反応槽22へ送液し、ある時間の間だけ生化学物質を含む試料溶液46が光学窓41と各光学薄膜センサ部24の間の隙間を通過する状態を作ることで、生化学物質の結合および解離のリアルタイム検出を行うことができる。
独立した二つの反応槽22には、それぞれ異なる試料溶液46を注入することができる。反応槽の上方に、溶液の入り口44および溶液の出口45を配置し、気泡が反応槽22に進入した場合や発生した場合に、その排出を促進することができる。一般に生化学物質間の結合には、環境の温度依存性がある。冷却・加熱機38により反応槽22の温度を調節し、対象生化学物質の結合の温度依存性を調べることができる。ここで、センサチップ23への熱伝導を良くするために、センサチップホルダ36および冷却・加熱機38の一部または全体を金属製とする。冷却・加熱機38はペルティエ素子などでもよい。
以下、送液および測定の手順の一例である。始状態では試料を含まない緩衝液を送液している。次に、一定時間試料溶液を送液し、第2の生化学物質の第1の生化学物質への結合を調べる。続いて、試料を含まない緩衝液を一定時間送液する。この時に、第2の生化学物質の第1の生化学物質からの解離を調べる。次に、20mMの塩酸を3分間送液し、第1の生化学物質に結合している第2の生化学物質を解離させる。その後試料を含まない緩衝液を送液し、始状態に戻る。
この実施例では、複数の検体をほぼ同時に、リアルタイムで反応が検出できるので、より高スループットで生化学物質間の結合を測定できる。
本センサ、及び本測定装置は、物質間、特に生化学物質間の結合を測定することに用いる。具体的には、創薬における薬剤物質の探索、医療・検査機関における病原の探索、及び理化学機器として用いる際の分子間の相互作用の解析に利用することができる。
従来の生化学センサの構成を示す図。 従来の生化学センサの干渉色変化を示す図。 本発明の生化学センサの製造工程図。 本発明の生化学センサの光学薄膜の屈折率を示す図。 本発明の生化学センサの上面図。 本発明の生化学センサの構成を示す図。 蛋白結合前と結合後の反射スペクトル変化を示す図。 蛋白結合前と結合後の反射スペクトル変化を示す図。 本発明の生化学センサの構成を示す図。 蛋白結合前と結合後の反射スペクトル変化を示す図。 本発明の生化学センサの構成を示す図。 本発明の生化学センサの構成を示す図。 蛋白結合前と結合後の反射スペクトル変化を示す図。 本発明の装置を示すブロック図。 本発明の検出装置の計算機の表示画面を示す図。 蛋白結合前と結合後の反射スペクトル変化を示す図。 本発明の検出装置の光学系を示す斜視図。 本発明の検出装置の反応槽を示す斜視図。 図18のG−G’での断面図。 図18のH−H’での断面図。 耐アルカリ性試験の結果に関する表1。
符号の説明
1:基板、2:光学薄膜、3:第1の生化学物質、4:第2の生化学物質、5:シリコン基板、6:光学薄膜、7:レジストパターン、8:センサ部、9:センサチップの向きを示す印、10:センサ部の名称を示す文字、11:保護層、12:シリコン基板、13:光学薄膜、14:第1の生化学物質の層、15:第2の生化学物質の層、16:屈折率2.4の膜、17:屈折率2.0の膜、18:傾斜屈折率膜、19:シリコン基板、20:白色光源、21:照射光学系、22:反応槽、23:センサチップ、24:光学薄膜センサ部、25:集光光学系、26:分光器、27:多チャンネル受光機、28:計算機、29:センサチップの向きを示す印、30:グラフ、31:グラフ、32:金属のパイプ、33:集光光学系用の光ファイバ、34:照射光学系用の光ファイバ、35:光ファイバ束、36:センサチップホルダ、37:冷却水または温水、38:冷却・過熱機、39:台、40:可動台、41:光学窓、42:位置決め機構、43:空間、44:溶液の入り口、45:溶液の出口、46:試料溶液。

Claims (8)

  1. シリコン基板と、
    前記シリコン基板の表面に設けられた第1の窒化シリコン膜と、
    前記シリコン基板の裏面に設けられた第2の窒化シリコン膜とを有し、
    前記第1の窒化シリコン膜は、生体物質と結合するプローブを表面に固定するための第1の領域を有することを特徴とするチップ。
  2. 前記第1の領域は、前記第1の窒化シリコン膜の他の領域よりも膜厚が厚いことを特徴とする請求項1に記載のチップ。
  3. 前記第1の窒化シリコン膜の窒素とシリコンの組成比は、シリコン量をx、窒素量をyとしたときにx/yが1.1以下であることを特徴とする請求項1に記載のチップ。
  4. 前記プローブはタンパク質であることを特徴とする請求項1に記載のチップ。
  5. シリコン基板と、前記シリコン基板の表面に設けられた第1の窒化シリコン膜と、前記 シリコン基板の裏面に設けられた第2の窒化シリコン膜とを有し、前記第1の窒化シリコン膜は、生体物質と結合するプローブを表面に固定するための領域を有するチップと、
    前記チップに試料溶液を供給する試料溶液供給部と、
    前記領域に対して光を照射する光源と、
    前記領域で反射した光を測定する受光部と、
    前記受光部の測定結果の処理を行う計算部とを有することを特徴とする測定装置。
  6. シリコン基板と、前記シリコン基板の表面に設けられた第1の窒化シリコン膜と、前記シリコン基板の裏面に設けられた第2の窒化シリコン膜とを有し、前記第1の窒化シリコン膜は、生体物質と結合するプローブを表面に固定するための複数のプローブ固定領域を有するチップと、
    前記チップを設置するための台と、
    前記チップに試料溶液を供給する試料溶液供給部と、
    光源と、
    前記チップの表面に設けられた前記複数のプローブ固定領域の各々に対応して、前記光源からの光を照射するための複数の第1光ファイバと、
    前記チップの表面に設けられた前記複数のプローブ固定領域の各々に対応して、前記プローブ固定領域で反射した光を検出する複数の第2光ファイバと、
    前記反射した光を測定する受光部と、
    前記受光部の測定結果について処理を行う計算部とを有することを特徴とする測定装置。
  7. 前記第1光ファイバと前記第2光ファイバとは、前記チップと対面する端部の配置が前記チップに対して回転方向に関して非対称であることを特徴とする請求項6記載の測定装置。
  8. 前記第1光ファイバと前記第2光ファイバを保持しかつ可動である光ファイバ保持部と、前記光ファイバ保持部の位置を定める位置決め機構とを有することを特徴とする請求項6に記載の測定装置。
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