JP4359830B2 - ポリフェニレンサルファイド繊維及び高ろ過性バグフィルタ−用ろ布 - Google Patents

ポリフェニレンサルファイド繊維及び高ろ過性バグフィルタ−用ろ布 Download PDF

Info

Publication number
JP4359830B2
JP4359830B2 JP2003412680A JP2003412680A JP4359830B2 JP 4359830 B2 JP4359830 B2 JP 4359830B2 JP 2003412680 A JP2003412680 A JP 2003412680A JP 2003412680 A JP2003412680 A JP 2003412680A JP 4359830 B2 JP4359830 B2 JP 4359830B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
filter cloth
filter
polyphenylene sulfide
filtration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003412680A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005171415A (ja
Inventor
享 北河
和史 末岐
博文 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2003412680A priority Critical patent/JP4359830B2/ja
Publication of JP2005171415A publication Critical patent/JP2005171415A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4359830B2 publication Critical patent/JP4359830B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Filtering Materials (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

本発明は、各種繊維よりなるバグフィルタ−用ろ布において、ダスト目詰まりがなく、ダスト払い落とし性が良好で、長期安定して排ガス中のダストろ過が行える、高ろ過性バグフィルタ−用ろ布に関するものである。
石炭焚きボイラ−、都市ゴミ焼却炉、産業廃棄物焼却炉等から排出される排ガス中には煤塵のみならずダイオキシン等の有害物質も含まれており、大気汚染防止として各種排ガス集塵は非常に重要である。また、ダイオキシン生成抑制および排出抑制の観点からもバグフィルタ−による排ガスろ過が大きく期待されている。また、大きなろ過速度で目詰まりなく長期運転できれば、ろ過面積やバグフィルタ−設置面積を小さくできコストダウンにもつながる。
ダストによる目詰まりが小さく、ダスト排気濃度も小さく、なおかつ長期安定して排ガス処理を行う方法として、様々な方法が検討されている。例えば、不織布あるいは織物のろ過面にPTFEからなる細孔径が約2μm程度のメンブレンを接着させ払い落とし性を向上させたもの。また、ろ過層の厚み方向の中央部にスリットを入れたフィルムを形成させ、ダスト漏れを防ぐ方法(例えば、特許文献1)、さらに、ニ−ドルパンチングによる刺針密度を大きくして緻密化させる方法(例えば、特許文献2)、等が検討されている。
特開平1−75169号報公報 特開平9−57026号公報
上記のようなPTFEメンブレンをろ布に接着したものでは、パルスジェット方式によるダスト払い落とし性は優れるが、他素材との接着性が悪いというPTFEのもつ特性から長期に渡るパルスジェット払い落とし操作によりメンブレン自体がろ過面から剥がれるという問題がある。また、メンブレン加工コストが非常に高く、現在あるバグフィルタ−用ろ布として最も高いものとなっている。特開平1−75169号公報記載の発明では、ろ過層内部のフィルムによりろ布を通過しようとしたダストを捕捉することができるが、繊維からなるろ過層自体の空隙率が大きいため、目詰まりを起こし長期安定して排ガスろ過を行えないと言う問題がある。また、特開平9−57026号報公報記載の発明では空隙率を小さくして緻密化させようとすると、ニ−ドル針によりろ布内部の支持層がダメ−ジを受け強力低下を引き起こしたり、ろ過層の繊維自体を傷つけてしまうという問題がある。
本発明は、上記従来技術のバグフィルタ−用ろ布の持つ問題点に対し、特に、メンブレンを使用しなくても、ニ−ドルパンチによりろ布を傷つけなくても、各種繊維のろ過層と支持層からなるバグフィルタ−用ろ布により、目詰まりやダスト漏れもなく、長期安定して排ガスろ過が行える高ろ過性バグフィルタ−用ろ布を提案する事を目的とする。
即ち本発明は以下の構成によりなる。
1.下記物性を有するポリフェニレンサルファイド繊維。
複屈折率:0.150〜0.300
巻縮数:10個以上/25mm
巻縮率:10%以上
乾熱(160℃)収縮率:3%以上
伸度:30%以上
(200)面の見かけの結晶サイズが30Å以上
2.(002)面の見かけの結晶サイズが40Å以上であることを特徴とする上記第1に記載のポリフェニレンサルファイド繊維。
3.小角X線散乱4点干渉像を示すことを特徴とする上記第1に記載のポリフェニレンサルファイド繊維。
4.強度保持率が50%以上であることを特徴とする上記第1に記載のポリフェニレンサルファイド繊維。
5.ろ過層と支持層が積層一体化した通気度が1〜20cc/cm2・ sのバグフィルタ−用ろ布であって、前記ろ過層は請求項1記載のポリフェニレンサルファイド繊維を含有する見かけの空隙率が40〜90%であることを特徴とする高ろ過性バグフィルタ−用ろ布。
6.ろ過層はポリフェニレンサルファイド繊維と、ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ガラス繊維のいずれか一種以上の繊維と混綿あるいは積層されたものからなることを特徴とする上記第3記載の高ろ過性バグフィルタ−用ろ布。
7.支持層はポリフェニレンサルファイド繊維、ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ガラス繊維のいずれか一種以上の繊維からなることを特徴とする上記第3記載の高ろ過性バグフィルタ−用ろ布。
本発明によると、ポリフェニレンサルファイド繊維からなるろ布を熱風処理して見かけの空隙率を小さくすることにより、長期安定してダスト払い落としができ、ダスト目詰まりも小さい、ろ過特性が長期安定したバグフィルタ−用ろ布を提供する事を可能とした。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明はろ過層と支持層が積層一体化した通気度が1〜20cc/cm2・ sのバグフィルタ−用ろ布であって、前記ろ過層はポリフェニレンサルファイド繊維を含有する見かけの空隙率が40〜90%であることを特徴とする高ろ過性バグフィルタ−用ろ布であって、具体的にはろ過層はポリフェニレンサルファイド繊維及びポリイミド、ポリアミドイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ガラス繊維のいずれか一種以上の繊維と混綿あるいは積層されたものからなることを特徴とする上記記載の高ろ過性バグフィルタ−用ろ布及び、支持層はポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ガラスのいずれか一種以上の繊維からなることを特徴とする上記記載の高ろ過性バグフィルタ−用ろ布である。
また本発明は160℃乾熱収縮率が3%以上のポリフェニレンサルファイド繊維を含有するろ過層と支持層とを積層一体化処理してろ布となし、次いで該ろ布を熱処理することにより前記ろ過層の見かけの空隙率が40〜90%で、且つ前記ろ布の通気度が1〜20cc/cm2・ s とすることを特徴とする高ろ過性バグフィルタ−用ろ布の製造方法であって、具体的には熱処理は、熱風処理温度が150〜350℃であることを特徴とする上記記載の高ろ過性バグフィルタ−用ろ布の製造方法、熱処理は、高温スチ−ム処理によることを特徴とする上記記載の高ろ過性バグフィルタ−用ろ布の製造方法、熱処理後に加熱プレス処理を施すことを特徴とする上記記載の高ろ過性バグフィルタ−用ろ布の製造方法、熱処理後にろ過面の毛焼き処理を施すことを特徴とする上記記載の高ろ過性バグフィルタ−用ろ布の製造方法、及びろ過層と支持層をニ−ドルパンチ、あるいはウオ−タ−パンチにより積層一体化することを特徴とする上記記載の高ろ過性バグフィルタ−用ろ布の製造方法である。
上記構成からなる本発明の高ろ過性バグフィルタ−用ろ布は、排ガス中のダストろ過を目詰まりなく、ダスト漏れも小さく、さらに、パルスジェット方式や逆先方式の払い落とし操作において長期安定した優れた特性を示すことができる。
以下本発明を詳述する。各種繊維からなるろ過層と支持層からなるバグフィルタ−用ろ布で、目詰まりやダスト漏れもなく、長期安定して排ガスろ過が行える高ろ過性バグフィルタ−用ろ布を得るには、見かけの空隙率を40〜90%、好ましくは60〜80%にする必要がある。本発明においては、180℃乾熱収縮率が3%以上、好ましくは4%以上のポリフェニレンサルファイド繊維を含有するバグフィルタ−用ろ布を熱処理することにより緻密化させ、高ろ過性バグフィルタ−用ろ布を得ることができる。なお、見かけの空隙率は次式により求めた。バグフィルタ−用ろ布を25cm ×10cmにカット し、60g/cm2 荷重のダイヤルゲ−ジで厚さt(cm) をはかり、サンプル重量w(g)を秤量する。また、繊維の比重ρから見かけの空隙率εを求めた。
ε={1−w /(25・t・ρ)}・100
本発明に用いるバグフィルタ−用ろ布を構成する好適な繊維としては、ポリフェニレンサルファイドが挙げられるが、単独、あるいはその他の繊維との混綿、積層等によりバグフィルタ−用ろ布を形成する事ができる。その他の繊維としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ガラス等が挙げられる。
本発明に用いるポリフェニレンサルファイド繊維とは、p−フェニレンサルファイト(−C6 H4 −S−)単位を含有するポリマ−からなる繊維で、p−フェニレンサルファイド繰り返し単位を70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上含む線状ポリマ−からなる繊維である。ポリフェニレンサルファイド繊維は、耐熱性、各種薬品に対する耐薬品性、難燃性に優れることから、190℃以下での使用範囲ではバグフィルタ−用ろ布として非常に高い性能を発揮する。
元来ポリフェニレンサルファイドは、融点が280℃以上およびガラス転移温度が85℃以上と従来の汎用繊維より高いので、前記の様なPASよりなるステ−プル繊維を製造するに当たっては、紡糸温度および延伸・熱処理温度を高くする必要があり、紡糸温度は290〜310℃(融点+10〜30℃)の範囲にしなければならず、この温度範囲外では、溶融紡糸時にノズルの目詰りや糸切れを生じ易くなる。また紡糸速度は500〜1500m/minの範囲でドラフト比を300以上に設定する必要がある。このためには紡糸口金の細孔を0.3〜0.6mmにすることが望ましい。延伸温度は、ポリフェニレンサルファイドのガラス転移温度±20℃、好ましくは±10℃の範囲とすることが望ましく、好ましい延伸倍率は2.0〜4.0、より好ましくは25〜3.5の範囲である。さらに一旦30℃〜100℃で1〜10秒間緊張か下で処理した後熱処理は160〜180℃で1〜10秒間緊張下で行なうことで、今回見いだした新規な繊維構造を有するポリフェニレンサルファイド繊維を得ることが出来た。
上記条件で紡糸・延伸および熱処理を行なうことによって、前記複屈折率0.150〜0.300で、強度3.5g以上/d、伸度30%以上という物性値を有する繊維を得ることができる。また特に上述の延伸後の2段熱処理は、繊維の結晶性を制御するうえでも重要である。
そのように製造することで、従来になかった、赤道・子午線両方向に大きな結晶サイズを有したり、或いは小角X線散乱領域に4点干渉を示すような特異な繊維構造を示すことが判明した。
ろ過層に用いるポリフェニレンサルファイド繊維は、上述の方法で作成した160℃乾熱収縮率が3%以上の短繊維を用いる。3%未満では、熱処理時収縮による見かけの空隙率の低減効果が小さく、目的とする高ろ過性バグフィルタ−用ろ布を得ることができない。また、繊維の繊維径は0.1〜100μmであることが望ましく、1〜50μmが好ましい。さらに、繊維断面形状については、丸形、三角、トライロ−バル、ランダム等種々あるが、特に限定されるものではなく、微粒子の捕捉という面から考えると比表面積がより大きいものが好ましい。
本発明に用いる熱処理としては、熱風処理温度が150〜350℃、好ましくは200〜320℃であり、160℃、30分下での乾熱収縮率が3%以上のポリフェニレンサルファイド繊維を収縮させ、その後、加熱ロ−ルによりプレスしさらに緻密化させる。さらにろ過面は毛焼きによりダスト払い落とし性を向上させる。バグフィルタ−用ろ布を緻密化させるための熱処理としては、高温スチ−ムを用いた処理や赤外線による熱処理等も採用できる。
本発明に用いるバグフィルタ−用ろ布は、その構成繊維の形態に特に制限されないが、短繊維からなるろ過層と、マルチフィラメント、モノフィラメント、紡績糸からなる支持層から構成される組み合わせが好ましい。ろ布の形成方法としては、ニ−ドルパンチング法やウオ−タ−パンチング法が挙げられる。
尚本発明の不織布を構成するポリフェニレンサルファイド繊維の複屈折率、巻縮数、巻縮率、乾熱収縮率、見かけの結晶サイズ、小角X線散乱像等は夫々以下の様にして求めた。
複屈折率:偏光顕微鏡(ニコン社製,POH型)、ベレックコンペンセ−タ−(ライツ社製)、スペクトル光源用起動装置(Na光源,東芝製SLS−3−B型)を用い、長さ5〜6mmの繊維を繊維軸に対して45゜の角度に切断したものを試料とし、偏光顕微鏡の載物台上で前記切断面が上になる様に調節し、アナライザ−を挿入し暗視界とした後、コンペンセ−タ−を30にして縞数を数える(n個)。コンペンセ−タ−を右ネジ方向にまわして試料が最初に一番暗くなるコンペンセ−タ−の目盛a,コンペンセ−タ−を左ネジ方向にまわして試料が最初に一番暗くなる点のコンペンセ−タ−の目盛bをそれぞれ測定する(いずれも1/10目盛まで読む)。さらにコンペンセ−タ−を30にもどしてアナライザ−をはずし、試料の直径dを測定し、下記の式に基いて複屈折率(Δn)を算出する(測定数20個の平均値)。
Δn=T/d(T=nλ0+ε)
λ0=589.3mμ[但しε:ライツ社のコンペンセ−タ−の説明書のC/1000とiより求める i:(a−b)(コンペンセ−タ−の読みの差)]
巻縮数:単繊維に2mg/dの初荷量をかけたときの/25mm当りの巻縮数(個/25mm)
巻縮率:単繊維に2mg/dの初荷量をかけた時の長さをa、5mg/dの荷重をかけた時の長さをbとし、下記式によって求める。
乾熱収縮率:JIS L1015(1981)に従い160℃で測定する。
強度保持率:240℃の空気循環層の中で400時間繊維を放置した前後での強度保持率を測定した。強度保持率は、保管前後の引張強度を測定し、高温高湿度保管試験後の引張強度を高温高湿度保管試験前の引張強度で除して求めた。なお、引張強度の測定は、JIS−L1013に準じて引張試験機(島津製作所製、型式AG−50KNG)を用いて測定した。
見かけの結晶サイズ:リガク製X線回折装置(リント2500システム)を用いて赤道、子午線方向の回折プロファイルを測定した。装置は出力40kV x 200mAで運転し、銅回転タ−ゲットからCuKα線を発生させた。試料繊維は繊維試料台に取り付けて、広角透過法にて測定した。得られたピ−クプロファイルの回折位置・半値幅を精度良く評価するため、ガウス関数とロ−レンツ関数の合成を用いてカ−ブフィッティングを行った。見かけの結晶サイズACSは次式を用いて算出した。
ACS=0.9λ/β cosθ
ここでλはX線の波長、βは半値幅(ラジアン)、2θは回折角である。プロファイルから読んだ半値幅β1に対して、ビ−ムそのものの拡がりβ0に対する補正は次式を用いて実施した。
β=(β1 − β01/2
小角X線散乱は、下記の方法で行う。測定に供するX線は、(株)リガク製ロ−タ−フレックスRU−300を用いて発生させる。タ−ゲットとして銅対陰極を用い、出力40kV x 26mAのファインフォ−カスで運転する。光学系は点収束カメラを用い、X線はニッケルフィルタ−を用いて単色化する。検出器は、フジ写真フィルム(株)製イメ−ジングプレ−ト(FDL UR−V)を用いる。試料と検出器間の距離は200mm乃至350mmの間の適当な距離でよい。空気などからの妨害バックグラウンド散乱を抑えるため、試料と検出器の間は、ヘリウムガスを充填する。露光時間は2時間乃至24時間である。イメ−ジングプレ−ト上に記録された散乱強度信号の読みとりは、富士写真フィルム(株)製デジタルミクログラフィ−(PixsysTEM)を用いる。
通気度は、テクノワ−ルド社製高圧型通気度試験器を使用してn=3で測定、その平均値で表す(測定圧:142Pa)。
(実施例1)
固有粘度0.220(1−クロロナフタレン中206℃で測定)のPPS(ポリパラフェニレンサルファイド)を紡糸温度300℃、ドラフト比470で溶融紡糸した後、トウ状に集束し95℃で2.8倍に湿式延伸および60℃で緊張処理の後160℃で緊張熱処理した。得られたPPS繊維(単糸2デニ−ル)の延伸トウ(100万デニ−ル)を150℃,押込圧1kg/cm2で常法に従って巻縮を付与し、更に、常法に従って所定長(50mm)のステ−プルに切断した。得られたステ−プル繊維を、常法に従ってカ−ド工程を通して引揃えた後、ニ−ドルパンチによって不織布とした。尚ステ−プル繊維の複屈折率、巻縮数、巻縮率、乾熱収縮率は表1の通りである。
得られた不織布をバグフィルタ−に縫製後、約180日間に渡って石炭塵の除去用フィルタ−として実用テストを行なった。その結果を第1表に示す。
Figure 0004359830
(比較例1)
紡糸でのドラフト比を300としたこと、延伸での熱処理前に60℃における緊張処理工程を通さないこと以外は実施例1と同じ方法で不織布を製造した。結果を表1にまとめる。
ろ過特性評価は、図1のような東洋紡績(株)製フィルタ−バグ用ろ布ろ過試験機にて評価した。ダストはフライアッシュ10種を用い、ダスト濃度15(g/m)、ろ過面積0.04(m2)、ろ過速度3(m/min) 、圧力損失150(mmH2O) にてパルスジェットダスト払い落としをパルス圧3(kg/cm2)で300回行った。そして、初期ダスト保持量と最終回ダスト保持量とからダスト保持率(%)=(最終回ダスト保持量/初期ダスト保持量)・100を測定した。また、捕集効率については吹き漏れ量(排気濃度)を粉塵濃度計にて測定した。なお、初期ダスト保持量とは、ろ布にダストをプレコ−ト層として付着させた後の第一回目のダスト保持量である。
(実施例2)
バグフィルタ−用ろ布は一般的なニ−ドルパンチング加工工程により作成した。ろ過層として実施例1に記載の方法で作成したポリフェニレンサルファイド短繊維(2デニ−ル、51mm、丸断面、強度4.9(g/d) 、160℃30分での乾熱収縮率が4.4%)を用いた。支持層には同じく225デニ−ル、60フィラメント、強度4.8(g/d) 、160℃30分での乾熱収縮率が4.2%のマルチフィラメント繊維を平織りにして用いた。まず、予備開繊を行い上記短繊維をロ−ラ−カ−ドに供し、細かな開繊、繊維配列を行った後、クロスレイヤ−によりウエブを積層し、プレニ−パン、仕上げニ−パンをしてろ過層を形成し、このろ過層を上記支持層上下にさらにニ−ドルパンチング工程により一体化させ、450(g/m2)のろ布を得た。このろ布は、240℃熱風処理をし、タテ約4%ヨコ約6%収縮させた。さらに200℃35(kg/cm2)のカレンダ−ロ−ルにてプレスしろ過面は毛焼き処理をし、厚さ1.6mm、通気度10(cc/cm2 ・ s)見かけの空隙率78%のバグフィルタ−用ろ布を得た。このろ布のろ過特性を測定したところ、ダスト保持量85%、捕集効率99.9989%を得、バグフィルタ−として高いろ過特性を示した。
(実施例3)
実施例2と同様なろ過層、支持層を用いてニ−ドルパンチ工程を経てろ布を形成した。ただし、1デニ−ル、60mmのポリフェニレンサルファイド短繊維を目付が100(g/m2)になるように作成し、これを上記ろ布のろ過面にニ−ドルパンチ工程により一体化させ、ト−タル目付が550(g/m2)になるように作成した。実施例1と同様に、240℃熱風処理によりタテ・ヨコ約5%収縮させ、さらに、熱カレンダ−によるプレス、毛焼き加工を実施した。このろ布は、厚み1.7mm、通気度は8(cc/cm2 ・ s)で見かけの空隙率は76%、ろ過表層部見かけの空隙率65%でであった。やはり同様にろ過特性を評価したところ、ダスト保持量は92%、捕集効率99.9999%を得、非常に高いろ過特性を示した。
(比較例2)
実施例2と同様な短繊維、支持層を用いて、ニ−ドルパンチ工程によりト−タル目付が400(g/m2)になるようにろ布を形成した。そして、熱風処理を行わずに、200℃熱カレンダ−のみにより厚み調整をした。厚みは、30mmで見かけの空隙率は90%であった。実施例と同様にろ過特性を評価すると、ダスト保持量は48%で、捕集効率は99.8254%であり、ろ布状態を確認するとろ布内部までダストが侵入し、目詰まりを起こしているのが確認された。
(比較例3)
実施例2と同様な短繊維、支持層を用いて、ニ−ドルパンチ加工によりト−タル目付が500(g/m2)になるように形成した。そして、熱風処理を行わずに、210℃熱カレンダ−のみにより厚み調整した。厚みは、2.2mmで見かけの空隙率は85%であった。実施例1、2と同様ろ過特性を評価すると、ダスト保持率は59%で捕集効率は99.9854%であった。
(比較例4)
ろ過層に、ポリフェニレンサルファイド繊維2デニ−ル、51mm、強度4.4(g/d) 、160℃30分での乾熱収縮率が2.7%の短繊維を用いた。また、支持層には225デニ−ル、60フィラメント、強度4.6(g/d) 、160℃30分の乾熱収縮率が25%のマルチフィラメント繊維を平織りにして用いた。実施例1と同様に、ニ−ドルパンチ加工によりト−タル目付が460(g/m2)のろ布を得た。このろ布は、実施例1と同様に240℃熱風処理、熱カレンダ−ロ−ルによるプレス、ろ過面毛焼きを行い、厚み1.9mm、通気度13(cc/cm2 ・ s)で見かけの空隙率が83%のバグフィルタ−様ろ布を得た。ろ過特性評価結果は、ダスト保持量68%で捕集効率は99.9921%であった。
以上のように、160℃30分下での乾熱収縮率が3%以上のポリフェニレンサルファイドをニ−ドルパンチにより加工し、その後、熱風処理による収縮、及び熱ロ−ル処理し、バグフィルタ−用ろ布の見かけの空隙率を90%以下とする事により、実施例にも見られるように高いろ過速度においても高いろ過特性を示すバグフィルタ−用ろ布を得ることができた。実施例2見られるように、さらに、ろ過表層部の見かけの空隙率を小さくすることによりさらに高いろ過特性を示すことができた。一方、比較例2、3に見られるように、見かけの空隙率は85%程度であるが、実施例と比較すると捕集効率が多少低下している。通常一般的な10(m/min) 前後のろ過速度では比較例2、3でも十分な長期安定性を示すと思われるが、ろ過速度が3(m/min) と非常に大きくなると、ろ布へのダスト侵入が光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡から確認され、目詰まりを起こしているのが分かり、実使用で、ろ過速度が3(m/min) 程度に早まると、長期安定してダストろ過が行えないと推測される。
本発明に係る本発明によると、ポリフェニレンサルファイド繊維からなるろ布を熱風処理して見かけの空隙率を小さくすることにより、長期安定してダスト払い落としができ、ダスト目詰まりも小さい、ろ過特性が長期安定したバグフィルタ−用ろ布としての利用価値が大である。
ろ過試験機の概略図
符号の説明
1:スクリュウフィ−ダ−、2:フライアッシュ10種、3:オ−バ−フロ−フィルタ−、4:テストサンプル、5:パルスエア−、6:粉塵濃度計、7:排気ダストトラップ用フィルタ−、8:流量計、9:吸引ポンプ、10:ガスメ−タ−、11:排気、12:ダスト吸引

Claims (5)

  1. 下記物性を有するポリフェニレンサルファイド繊維。
    複屈折率:0.150〜0.300
    巻縮数:10個以上/25mm
    巻縮率:10%以上
    乾熱(160℃)収縮率:3%以上
    伸度:30%以上
    (200)面の見かけの結晶サイズが30Å以上
    (002)面の見かけの結晶サイズが40Å以上
    小角X線散乱4点干渉像を示す
  2. 強度保持率が50%以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリフェニレンサルファイド繊維。
  3. ろ過層と支持層が積層一体化した通気度が1〜20cc/cm・sのバグフィルター用ろ布であって、前記ろ過層は請求項1記載のポリフェニレンサルファイド繊維を含有する見かけの空隙率が40〜90%であることを特徴とする高ろ過性バグフィルター用ろ布。
  4. ろ過層はポリフェニレンサルファイド繊維と、ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ガラス繊維のいずれか一種以上の繊維と混綿あるいは積層されたものからなることを特徴とする請求項3記載の高ろ過性バグフィルター用ろ布。
  5. 支持層はポリフェニレンサルファイド繊維、ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ガラス繊維のいずれか一種以上の繊維からなることを特徴とする請求項3記載の高ろ過性バグフィルター用ろ布。
JP2003412680A 2003-12-11 2003-12-11 ポリフェニレンサルファイド繊維及び高ろ過性バグフィルタ−用ろ布 Expired - Lifetime JP4359830B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003412680A JP4359830B2 (ja) 2003-12-11 2003-12-11 ポリフェニレンサルファイド繊維及び高ろ過性バグフィルタ−用ろ布

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003412680A JP4359830B2 (ja) 2003-12-11 2003-12-11 ポリフェニレンサルファイド繊維及び高ろ過性バグフィルタ−用ろ布

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005171415A JP2005171415A (ja) 2005-06-30
JP4359830B2 true JP4359830B2 (ja) 2009-11-11

Family

ID=34733015

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003412680A Expired - Lifetime JP4359830B2 (ja) 2003-12-11 2003-12-11 ポリフェニレンサルファイド繊維及び高ろ過性バグフィルタ−用ろ布

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4359830B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009155764A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Toyobo Co Ltd 長繊維不織布とその製造方法
CN102481502A (zh) * 2009-08-10 2012-05-30 旭化成纤维株式会社 集尘机用过滤布
JP2014504207A (ja) 2010-12-08 2014-02-20 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 熱ガス濾過用の改良された媒体
US9155982B2 (en) * 2013-05-10 2015-10-13 Pall Corporation Poss-modified support element
CN108434863A (zh) * 2018-04-02 2018-08-24 浙江富瑞森水刺无纺布有限公司 耐腐蚀高克重水刺滤料及其制备工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005171415A (ja) 2005-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4876579B2 (ja) フィルター材
US20100083838A1 (en) Filtering medium and filter unit
EP0066414A2 (en) Filter of poly(tetrafluoroethylene)
WO2021010178A1 (ja) 繊維構造体およびその製造方法
WO2019124189A1 (ja) ポリフェニレンサルファイド短繊維、繊維構造体、フィルター用フェルトおよびバグフィルター
JP2007175567A (ja) 耐熱性フィルター材およびその製造方法
JP4359830B2 (ja) ポリフェニレンサルファイド繊維及び高ろ過性バグフィルタ−用ろ布
JP2007031845A (ja) 不織布、不織布の製造方法およびバグフィルター
JP2006305562A (ja) 耐熱性フィルター材
JP6879384B2 (ja) ろ過材用不織布およびその製造方法
KR20090064341A (ko) 장섬유 스펀본드 부직포 및 그 제조방법
JP6692463B2 (ja) バグフィルター用ろ過布およびその製造方法
JP3722259B2 (ja) 高ろ過性バグフィルター用ろ布及びその製造方法
CA2383736A1 (en) Melt processable perfluoropolymer forms
JP3800388B2 (ja) 高集塵効率バグフィルター用ろ布およびその製造方法
EP3437710B1 (en) Laminated polyarylene sulfide heat-resistant filter
JP3562627B2 (ja) ダスト剥離性に優れるバグフィルター用フェルト
JP2004160394A (ja) 高効率低圧損の表面濾過フィルター材
JP2016187767A (ja) 耐熱フィルター用フェルトおよびそれからなるバグフィルター
JP3530244B2 (ja) 耐久性向上濾過布
JP4023042B2 (ja) フィルター基材及びフィルター装置
JP2001336050A (ja) ポリアリ−レンスルヒド不織布及びオイルフィルタ−及びバグフィルター用不織布
JP3702499B2 (ja) バグフィルター用フェルト地及びその製造方法
JPH05317620A (ja) 寸法安定性に優れたフェルト
JPH11104418A (ja) 高温ろ過集塵用フェルト及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090305

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090507

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090716

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090729

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4359830

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120821

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130821

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term