JP4359764B2 - 積層体およびその形成方法ならびに絶縁膜および半導体装置 - Google Patents
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Description
(式(1)中、Rは水素原子、フッ素原子または1価の有機基、R1は1価の有機基、aは1〜2の整数を示す。)
Si(OR2)4 ・・・・・(2)
(式(2)中、R2は1価の有機基を示す。)
R3 b(R4O)3−bSi−(R7)d−Si(OR5)3−cR6 c
・・・・・(3)
〔式(3)中、R3〜R6は同一または異なり、それぞれ1価の有機基、bおよびcは同一または異なり、0〜2の数を示し、R7は酸素原子、フェニレン基または−(CH2)n−で表される基(ここで、nは1〜6の整数である)、dは0または1を示す。〕
前記第1のシリカ系膜は、比誘電率が1.5〜3.2であり、密度が0.7〜1.5g/cm3であり、
前記第2のシリカ系膜は、比誘電率が1.3〜2.8であり、密度が0.6〜1.3g/cm3であり、
前記第2のシリカ系膜は、前記第1のシリカ系膜より、比誘電率が0.1以上低いことができる。
本発明の積層体における第1のシリカ系膜のための膜形成用組成物を基材の上に塗布した後乾燥させて、第1の塗布膜を形成する工程、
本発明の積層体における第2のシリカ系膜のための膜形成用組成物を前記第1の塗布膜上に塗布した後乾燥させて、第2の塗布膜を形成する工程、
本発明の積層体における有機系膜のための膜形成用組成物を前記第2の塗布膜上に塗布した後乾燥させて、第3の塗布膜を形成する工程、および
加熱もしくはエネルギー線の照射によって、前記第1,第2および第3の塗布膜を硬化する工程、を含む。
本発明の積層体における第1のシリカ系膜のための膜形成用組成物を基材の上に塗布した後乾燥させて、第1の塗布膜を形成する工程、
本発明の積層体における第2のシリカ系膜のための膜形成用組成物を前記第1の塗布膜上に塗布して、未乾燥の第2の塗布膜を形成する工程、
本発明の積層体における有機系膜のための膜形成用組成物を前記第2の塗布膜上に塗布して、未乾燥の第3の塗布膜を形成する工程、および
加熱もしくはエネルギー線の照射によって、前記第1,第2および第3の塗布膜を硬化する工程、を含む。
本発明の積層体は、第1のシリカ系膜と有機系膜との間に第2のシリカ系膜が設けられている。第2のシリカ系膜は、第1のシリカ系膜および有機系膜のいずれよりも比誘電率が低い。以下、それぞれの膜の形成に用いられる膜形成用組成物について説明する。
第1のシリカ系膜は、下記一般式(1)で表される化合物(以下「化合物1」という)、下記一般式(2)で表される化合物(以下、「化合物2」という)および下記一般式(3)で表される化合物(以下、「化合物3」という)の群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物を加水分解,縮合して得られる加水分解縮合物を含む膜形成用組成物(1)を用いて形成された塗布膜を硬化して得られた膜である。
〔式(1)中、Rは水素原子、フッ素原子、または1価の有機基を示し、R1は1価の有機基を示し、aは1〜2の整数を表す。〕
Si(OR2)4 ・・・・・(2)
〔式(2)中、R2は1価の有機基を示す。〕
R3 b(R4O)3−bSi−(R7)d−Si(OR5)3−cR6 c
・・・・・(3)
〔式(3)中、R3〜R6は同一でも異なっていてもよく、それぞれ1価の有機基を示し、bおよびcは同一でも異なっていてもよく、0〜2の数を表し、R7は酸素原子、フェニレン基、または−(CH2)m−で表される基を示し、mは1〜6の整数を表し、dは0または1を表す。〕
一般式(1)において、RおよびR1の1価の有機基としては、アルキル基、アリール基、アリル基、グリシジル基などを挙げることができる。なかでも、一般式(1)において、Rは1価の有機基、特にアルキル基またはアリール基であることが好ましい。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、好ましくは炭素数1〜5であり、これらのアルキル基は鎖状でも、分岐していてもよく、さらに水素原子がフッ素原子などに置換されていてもよい。一般式(1)において、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基などを挙げることができる。
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−sec−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシラン、ビニルトリ−iso−プロポキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリ−sec−ブトキシシラン、ビニルトリ−tert−ブトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、n−プロピルトリフェノキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、i−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、i−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、i−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、i−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、i−プロピルトリフェノキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、n−ブチルトリフェノキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチルトリエトキシシラン、sec−ブチル−トリ−n−プロポキシシラン、sec−ブチル−トリ−iso−プロポキシシラン、sec−ブチル−トリ−n−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリ−sec−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリ−tert−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリフェノキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、t−ブチルトリフェノキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−sec−ブトキシシラン、フェニルトリ−tert−ブトキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリエトキシシランなど;
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジメチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジメチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジメチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジメチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジエチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジエチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジエチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジエチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−フェノキシシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−フェノキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニル−ジ−エトキシシラン、ジフェニル−ジ−n−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−n−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジ−γ−アミノプロピルジメトキシシラン、ジ−γ−グリシドキシプロピルジメトキシシラン、ジ−γ−トリフロロプロピルジメトキシシランなど;を挙げることができる。
一般式(2)において、R2で表される1価の有機基としては、先の一般式(1)において示したものと同様の有機基を挙げることができる。化合物2の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラフェノキシシランなどが挙げられる。好ましくは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラフェノキシシランであり、特に好ましくは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランである。これらは、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
一般式(3)において、R3〜R6で表される1価の有機基としては、先の一般式(1)において示したものと同様の有機基を挙げることができる。
本発明において、上記化合物1〜3の加水分解縮合は、金属キレート化合物、酸性化合物、または塩基性化合物の存在下で行なうことができる。以下、金属キレート化合物、酸性化合物、および塩基性化合物それぞれについて説明する。
化合物1〜3から選択されるシラン化合物の加水分解縮合時に使用可能な金属キレート化合物は、下記一般式(5)で表される。
〔式(5)中、R27はキレート剤、Mは金属原子、R28は炭素数2〜5のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を示し、αは金属Mの原子価、βは1〜αの整数を表す。〕
化合物1〜3から選択されるシラン化合物の加水分解縮合時に使用可能な酸性化合物としては、有機酸または無機酸が例示できる。有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、シキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、メサコン酸、シトラコン酸、リンゴ酸、マロン酸、グルタル酸の加水分解物、無水マレイン酸の加水分解物、無水フタル酸の加水分解物などを挙げることができる。無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸などを挙げることができる。なかでも、加水分解および縮合反応中のポリマーの析出やゲル化のおそれが少ない点で有機酸が好ましく、このうち、カルボキシル基を有する化合物がより好ましく、なかでも、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、ギ酸、マロン酸、フタル酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、メサコン酸、シトラコン酸、リンゴ酸、マロン酸、グルタル酸、無水マレイン酸の加水分解物が特に好ましい。これらは1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
化合物1〜3から選択されるシラン化合物の加水分解縮合時に使用可能な塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、ピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクラン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、尿素、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、ベンジルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、などを挙げることができる。これらの中で、アンモニア、有機アミン類、アンモニウムハイドロオキサイド類を好ましい例として挙げることができ、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイドが特に好ましい。これらの塩基性化合物は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
1)pH調整剤を添加する方法、
2)常圧または減圧下で、組成物中から塩基性化合物を留去する方法、
3)窒素、アルゴンなどのガスをバブリングすることにより、組成物中から(塩基性化合物を除去する方法、
4)イオン交換樹脂により、組成物中から塩基性化合物を除去する方法、5)抽出や洗浄によって塩基性化合物を系外に除去する方法、などが挙げられる。これらの方法は、それぞれ、組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、化合物1〜3から選択されたシラン化合物を有機溶剤中で加水分解縮合を行なうことができる。ここで、有機溶剤としては、下記一般式(6)で表される溶剤であることが好ましい。
〔式(6)中、R29およびR30は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはCH3CO−から選ばれる1価の有機基を示し、γは1〜2の整数を表す。〕
膜形成用組成物(1)の全固形分濃度は、好ましくは2〜30重量%であり、使用目的に応じて適宜調整される。本発明の膜形成用組成物の全固形分濃度が2〜30重量%であることにより、塗布膜の膜厚が適当な範囲となり、より優れた保存安定性を有するものとなる。なお、この全固形分濃度の調整は、必要であれば、濃縮および有機溶剤による希釈によって行われる。
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、i−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒;
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョンなどのケトン系溶媒;
エチルエーテル、i−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;
ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルなどのエステル系溶媒;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドンなどの含窒素系溶媒;
硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトンなどの含硫黄系溶媒などを挙げることができる。これらは、1種あるいは2種以上を混合して使用することができる。
膜形成用組成物(1)は、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、有機ポリマー、界面活性剤、シランカップリング剤、ラジカル発生剤、トリアゼン化合物などの成分をさらに含有していてもよい。コロイド状シリカとは、例えば、高純度の無水ケイ酸を親水性有機溶媒に分散した分散液であり、通常、平均粒径が5〜30μm、好ましくは10〜20μm、固形分濃度が10〜40重量%程度のものである。このような、コロイド状シリカとしては、例えば、日産化学工業(株)製、メタノールシリカゾルおよびイソプロパノールシリカゾル;触媒化成工業(株)製、オスカルなどが挙げられる。コロイド状アルミナとしては、日産化学工業(株)製のアルミナゾル520、同100、同200;川研ファインケミカル(株)製のアルミナクリアーゾル、アルミナゾル10、同132などが挙げられる。有機ポリマーとしては、例えば、糖鎖構造を有する化合物、ビニルアミド系重合体、(メタ)アクリル系重合体、芳香族ビニル化合物、デンドリマー、ポリイミド,ポリアミック酸、ポリアリーレン、ポリアミド、ポリキノキサリン、ポリオキサジアゾール、フッ素系重合体、ポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物などを挙げることができる。
−(A’)j’−(B’)k’−
−(A’)j’−(B’)k’−(A’)l’−
〔式中、A’は−CH2CH2O−で表される基を、B’は−CH2CH(CH3)O−で表される基を示し、j’は1〜90、k’は10〜99、l’は0〜90の数を示す。〕
第2のシリカ系膜は、第1のシリカ系膜と似た組成のものであって、かつ、比誘電率が第1のシリカ系膜より低い膜である。すなわち、第2のシリカ系膜は、下記一般式(1)で表される化合物(以下「化合物1」という)、下記一般式(2)で表される化合物(以下、「化合物2」という)および下記一般式(3)で表される化合物(以下、「化合物3」という)の群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物を加水分解,縮合して得られる加水分解縮合物を含む膜形成用組成物(2)を用いて形成された塗布膜を硬化して得られた膜である。
〔式(1)中、Rは水素原子、フッ素原子、または1価の有機基を示し、R1は1価の有機基を示し、aは1〜2の整数を表す。〕
Si(OR2)4 ・・・・・(2)
〔式(2)中、R2は1価の有機基を示す。〕
R3 b(R4O)3−bSi−(R7)d−Si(OR5)3−cR6 c
・・・・・(3)
〔式(3)中、R3〜R6は同一でも異なっていてもよく、それぞれ1価の有機基を示し、bおよびcは同一でも異なっていてもよく、0〜2の数を表し、R7は酸素原子、フェニレン基、または−(CH2)m−で表される基を示し、mは1〜6の整数を表し、dは0または1を表す。〕
膜形成用組成物(2)は、膜形成用組成物(1)の形成で用いられる化合物1〜3、触媒、有機溶媒、その他の添加剤などと同様のものを用いることができる(1.1.1.〜1.1.7.参照)。
膜形成用組成物(2)としては、(A)化合物1および化合物3から選ばれる少なくとも1種のシラン化合物を、塩基性触媒存在下で加水分解縮合して得られる加水分解縮合物と、(B)含酸素系有機溶媒と、を含み、前記(A)の加水分解縮合物の含有量が5重量%未満である、膜形成用組成物(以下、これを「膜形成用組成物(2)’」という)を用いることが好ましい。この膜形成用組成物(2)’を用いることにより、よりポーラスで表面の粗さが大きい第2のシリカ系膜を形成できる。このようなポーラスなシリカ系膜は、有機系膜に対してアンカー効果によって優れた密着性を有することができる。
膜形成用組成物(2)’を製造する際に、上述した化合物1および3から選択されるシラン化合物の加水分解縮合を塩基性触媒の存在下で行なうことが好ましい。かかる塩基性触媒としては、アルカリ金属水酸化物、アンモニア、アルキルアミン、テトラアルキルアミン塩から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
膜形成用組成物(2)’の製造において用いられる(B)含酸素系有機溶媒としては、その沸点が好ましくは100〜200℃であり、より好ましくは、100〜190℃の溶媒を用いる。沸点が前記範囲を外れた場合には膜形成用組成物の塗布性が悪化し、均質な塗布膜が得られない場合があり好ましくない。
第2のシリカ系膜のための膜形成用組成物(2)’では、最終的な組成物組成物のpHを7以下に調整されていることが好ましい。この方法は、第1のシリカ系膜のための膜形成用組成物(1)の場合と同様である。
膜形成用組成物(2)’の製造方法では、まず、化合物1および化合物3から選ばれる少なくとも1種のシラン化合物を、塩基性触媒、水、有機溶剤の存在下で加水分解縮合を行なう。
1)有機溶剤、塩基性触媒および水を含む混合物に、化合物1および/または3から選択されるシラン化合物を加えて、加水分解縮合反応を行う方法。
2)有機溶剤、塩基性触媒および水を含む混合物に、化合物1および/または3から選択されるシラン化合物を連続的あるいは断続的に添加して、加水分解縮合反応を行う方法。
3)有機溶剤、塩基性触媒および化合物1および/または3から選択されるシラン化合物を含む混合物に、有機溶剤および水を一括または連続的または断続的に添加して、加水分解縮合反応を行う方法。
4)有機溶剤、化合物1および/または3から選択されるシラン化合物および水を含む混合物に、塩基性触媒を加えて、加水分解縮合反応を行う方法。
1.3.1.重合体
本発明の積層体において、有機系膜は、ポリアリーレン、ポリアリーレンエーテル、ポリベンゾオキサゾールおよびポリイミドの少なくとも一種の化合物を含む膜形成用組成物(3)を塗布し、溶剤を除去することにより得られた塗布膜を硬化して得られた膜である。具体的には、膜形成用組成物(3)は、下記一般式(4)で表される繰り返し単位を有する重合体を含む。
上述の重合体の形成においては必要に応じて有機溶媒を用いることができる。重合に用いる有機溶媒としては特に制限はないが、例えば、
クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ジエチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム、アニソール、ジエチレンクリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のエーテル系溶媒;
アセトン、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、シクルペンタノン等のケトン系溶媒;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶媒;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒等を挙げることができる。これらの有機溶媒は十分に乾燥、脱酸素して用いることが好ましい。これらの有機溶媒は1種単独で使用しても2種以上を同時に使用してもよい。重合溶媒中におけるモノマー(重合成分)濃度は、好ましくは、1〜80重量%、さらに好ましくは5〜60重量%である。また、重合温度は、好ましくは、0〜150℃、さらに好ましくは5〜100℃である。また、重合時間は、好ましくは、0.5〜100時間、さらに好ましくは1〜40時間である。
膜形成用組成物(3)には、さらにコロイド状シリカ、本発明にかかる有機系膜を形成するために用いられる化合物以外の有機ポリマー、界面活性剤、シランカップリング剤、ラジカル発生剤、重合性の二重結合を含有する化合物、重合性の三重結合などの成分を添加してもよい。本発明にかかる有機系膜を形成するために用いられる化合物以外の有機ポリマーとしては、例えば、糖鎖構造を有する重合体、ビニルアミド系重合体、(メタ)アクリル系重合体、芳香族ビニル化合物系重合体、デンドリマー、ポリイミド、ポリアミック酸、ポリアミド、ポリキノキサリン、ポリオキサジアゾール、フッ素系重合体、ポリアルキレンオキサイド構造を有する重合体などを挙げることができる。
膜形成用組成物(3)の全固形分濃度は、好ましくは1〜30重量%であり、使用目的に応じて適宜調整される。組成物の全固形分濃度が1〜30重量%であると、塗布膜の膜厚が適当な範囲となり、保存安定性もより優れたものとなる。
2.1.積層体の形成方法
本発明において、積層体の形成方法は、第1のシリカ系膜のための膜形成用組成物(1)を基材の上に塗布した後乾燥させて、第1の塗布膜を形成する工程、第2のシリカ系膜のための膜形成用組成物(2),(2)’を第1の塗布膜上に塗布した後乾燥させて、第2の塗布膜を形成する工程、有機系膜のための膜形成用組成物(3)を第2の塗布膜上に塗布した後乾燥させて、第3の塗布膜を形成する工程、および、加熱もしくはエネルギー線の照射によって、第1,第2および第3の塗布膜を硬化する工程、を含むことができる。
(a)第1のシリカ系膜のための膜形成用組成物(1)を基材の上に例えば回転塗布機によって塗布した後、例えばホットプレートで乾燥させて、第1の塗布膜を形成する工程、
(b)第2のシリカ系膜のための膜形成用組成物(2),(2)’を例えば回転塗布機で第1の塗布膜上に塗布し、その後塗布膜の乾燥を行わないで、未乾燥の第2の塗布膜を形成する工程、
(c)有機系膜のための膜形成用組成物(3)を例えば回転塗布機で第2の塗布膜上に塗布し、その後塗布膜の乾燥を行わないで、未乾燥の第3の塗布膜を形成する工程、および
(d)例えばホットプレートを用いて第2および第3の塗布膜を乾燥させる工程、および
(e)加熱もしくはエネルギー線の照射によって、第1,第2および第3の塗布膜を硬化する工程、を含むことができる。
本発明の積層体においては、好ましくは、第1のシリカ系膜は、比誘電率が1.5〜3.2であり、密度が0.7〜1.5g/cm3であり、第2のシリカ系膜は、比誘電率が1.3〜2.8であり、密度が0.6〜1.3g/cm3であり、第2のシリカ系膜は、前記第1のシリカ系膜より、比誘電率が0.1以上低い。
本発明の絶縁層は、上述の方法によって形成された積層体を含むものである。そのため、本発明の絶縁層は、低誘電率であり、かつ、第2のシリカ系膜によって第1のシリカ系膜と有機系膜との密着性が優れた絶縁層である。その結果、本発明によれば、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAMなどの半導体装置用の層間絶縁膜、半導体装置の表面コート膜などの保護膜、多層レジストを用いた半導体作製工程の中間層、多層配線基板の層間絶縁膜、液晶表示装置用の保護膜や絶縁膜などの用途に有用である絶縁層を提供することができる。
本発明の半導体装置は、上述の絶縁層を含むものである。絶縁層をたとえば、層間絶縁層や、平坦化絶縁層などに用いる場合、絶縁層の密着性が十分に確保されているため、CMP処理や、パッケージング処理時の膜剥がれが抑制され、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
次に、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。なお、実施例および比較例中の「部」および「%」は、特記しない限りそれぞれ重量部および重量%であることを示している。また、以下の記載は本発明の態様を概括的に示すものであり、特に理由なく、かかる記載により本発明は限定されるものではない。
以下に、実施例および比較例のサンプルについて求めた特性の評価方法を記載する。
まず、測定するサンプルウエハ(各実施例において得られた、絶縁層の積層体が形成されたシリコンウエハ)にスパッタリング装置を用いてSiO2を500nm成膜した後3×4cmに切り出し、これをサンプル1とした。次に、未使用のシリコンウエハを3×4cmに切り出し、これをサンプル2とした。次いで、エポキシ樹脂を用いてサンプル1とサンプル2の表面を接合し、オーブンで135℃にて2時間加熱硬化して、サンプル3を得た。次いで、ダイシングソーを用いてサンプル3を3mm×4cmに切断し、それぞれについて一方のウエハ片の中央部分にノッチを入れサンプル4を得た。このサンプル4を4つのピンではさみ、両側から力を加えてノッチから亀裂が発生するまで力を加えた。亀裂が発生するのに要する力(破壊靭性)によって密着性を評価した。
積層体が形成されたウエハ上にアルミニウムを蒸着して、誘電率評価用基板を作製した。比誘電率は、横川・ヒューレットパッカード(株)製のHP16451B電極およびHP4284AプレシジョンLCRメーター用いて、10kHzにおける容量値から算出した。
密度の測定は、GIXR法を用いた。
5.2.1.膜形成用組成物(a)
石英製セパラブルフラスコ中で、25%テトラメチルアンモニウムハイドライド水溶液80.0g、超純水113.0gおよびエタノール1846gの混合溶液中に、メチルトリメトキシシラン109.0g(完全加水分解縮合物換算53g)とテトラエトキシシラン42g(完全加水分解縮合物12g)を加えて、60℃で3時間反応させたのち、プロピレングリコールモノプロピルエーテル3920gを加え、その後、減圧下で全溶液量630gとなるまで濃縮した。その後、酢酸の10%プロピレングリコールモノエチルエーテル溶液30gを添加し、さらに、0.2μmの孔径を有する(登録商標)製フィルターでろ過して固形分含有量10%(完全加水分解縮合物換算)の膜形成用組成物(a)を得た。
石英製セパラブルフラスコに、エタノール570g、イオン交換水160gおよび10%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液30gを入れ、均一に攪拌した。この溶液にメチルトリメトキシシラン136gとテトラエトキシシラン209gの混合物を添加した。溶液を60℃に保ったまま、5時間反応を行った。この溶液にプロピレングリコールモノエチルエーテル300gを加え、その後、50℃のエバポレータを用いて溶液を10%(完全加水分解縮合物換算)となるまで濃縮した。その後、得られた液を0.2μmの孔径を有するテフロン(登録商標)製フィルターでろ過して固形分含有量3%(完全加水分解縮合物換算)の膜形成用組成物組成物(b)を得た。
石英製セパラブルフラスコに、エタノール570g、イオン交換水160gおよび10%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液30gを入れ、均一に攪拌した。この溶液にメチルトリメトキシシラン136gとテトラエトキシシラン209gの混合物を添加した。溶液を60℃に保ったまま、5時間反応を行った。この溶液にプロピレングリコールモノエチルエーテル300gを加え、その後、50℃のエバポレータを用いて溶液を10%(完全加水分解縮合物換算)となるまで濃縮した。その後、酢酸の10%シクロヘキサノン溶液300gを加え、再度、50℃のエバポレータを用いて溶液を10%(完全加水分解縮合物換算)となるまで濃縮した。得られた液を0.2μmの孔径を有するテフロン(登録商標)製フィルターでろ過して、固形分含有量3%(完全加水分解縮合物換算)の膜形成用組成物組成物(c)を得た。
温度計、アルゴンガス導入管、攪拌装置を備えた1000ml三口フラスコにテトラヒドロフラン120ml、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム3.46g、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム2.1g、ヨウ化銅1.44g)、ピペリジン20ml、4,4’−ビス(2−ヨードフェノキシ)ベンゾフェノン185.72gを加えた。次に、4,4’−ジエチニルジフェニルエーテル65.48gを加え、25℃で20時間反応させた。この反応液を酢酸5リットルで再沈殿を2回繰り返した後、シクロヘキサノンに溶かし超純水で2回洗浄し、メタノール5リットルで再沈殿し、沈殿を濾過、乾燥して重量平均分子量35,000の重合体を得た。この重合体20gをシクロヘキサノン180gに溶解させた後、0.2μmの孔径を有するテフロン(登録商標)製フィルターでろ過して固形分含有量10%の膜形成用組成物(d)を得た。
5.3.1.実施例1
膜形成用組成物(a)を8インチのシリコンウエハ上に130nmの膜厚で塗布した後、80℃で1分間、200℃で1分間基板を加熱し、第1の塗布膜を形成した。続いてこの第1の塗布膜上に、膜形成用組成物(b)を10nmの膜厚で塗布した後、80℃で1分間、200℃で1分間基板を加熱し、第2の塗布膜を形成した。さらに、この第2の塗布膜上に、膜形成用組成物(d)を120nmの膜厚で塗布した後、80℃で1分間、200℃で1分間基板を加熱して第3の塗布膜を形成し、積層体を形成した。その後、積層体が形成された基板を400℃の窒素雰囲気のホットプレートによって30分加熱して積層体を焼成した。
膜形成用組成物(a)を8インチのシリコンウエハ上に130nmの膜厚で塗布した後、80℃で1分間、200℃で1分間基板を加熱して第1の塗布膜を形成した。続いてこの第1の塗布膜上に、膜形成用組成物(c)を10nmの膜厚で塗布した後、連続して膜形成用組成物(d)を120nmの膜厚で塗布し、乾燥されていない第2および第3の塗布膜を形成した。その後、80℃で1分間、200℃で1分間基板を加熱し、さらに、この基板を400℃の窒素雰囲気のホットプレートで30分間基板を加熱して積層体を焼成した。
膜形成用組成物(a)を8インチのシリコンウエハ上に、130nmの膜厚で塗布した後、80℃で1分間、200℃で1分間基板を加熱し、シリカ系膜のための塗布膜を形成した。続いて、この塗膜上に膜形成用組成物(d)を120nmの膜厚で塗布した後、80℃で1分間、200℃で1分間基板を加熱して、有機系膜のための塗布膜を形成した。その後、この基板を400℃の窒素雰囲気のホットプレートで30分間基板を加熱して、積層体を焼成した。
Claims (11)
- 第1のシリカ系膜と、前記第1のシリカ系膜の上に設けられた第2のシリカ系膜と、前記第2のシリカ系膜の上に設けられた有機系膜とを含み、
前記第1のシリカ系膜は、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物および下記一般式(3)で表される化合物の群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物を加水分解,縮合して得られる加水分解縮合物を含む膜形成用組成物を用いて塗布膜を形成し、該塗布膜を硬化して得られた膜であり、
前記第2のシリカ系膜は、前記第1のシリカ系膜および前記有機系膜のいずれよりも比誘電率が低く、かつ、下記一般式(1)および下記一般式(3)で表されるシラン化合物から選ばれる少なくとも1種のシラン化合物を、塩基性触媒存在下で加水分解,縮合して得られる加水分解縮合物と、含酸素系有機溶媒と、を含み、前記加水分解縮合物の含有量が5重量%未満である膜形成用組成物を用いて塗布膜を形成し、該塗布膜を硬化して得られた膜である、積層体。
RaSi(OR1)4−a ・・・・・(1)
(式(1)中、Rは水素原子、フッ素原子または1価の有機基を示し、R1は1価の有機基を示し、aは1〜2の整数を示す。)
Si(OR2)4 ・・・・・(2)
(式(2)中、R2は1価の有機基を示す。)
R3 b(R4O)3−bSi−(R7)d−Si(OR5)3−cR6 c
・・・・・(3)
〔式(3)中、R3〜R6は同一または異なり、それぞれ1価の有機基を示し、bおよびcは同一または異なり、0〜2の数を示し、R7は酸素原子、フェニレン基または−(CH2)n−で表される基(ここで、nは1〜6の整数である)を示し、dは0または1を示す。〕 - 請求項1において、
前記塩基性触媒は、アルカリ金属水酸化物、アンモニア、アルキルアミンおよびテトラアルキルアミン塩から選ばれる少なくとも1種である、積層体。 - 請求項1または2において
前記有機系膜は、ポリアリーレン、ポリアリーレンエーテル、ポリベンゾオキサゾールおよびポリイミドから選ばれる少なくとも1種の化合物からなる、積層体。 - 請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記第1のシリカ系膜は、比誘電率が1.5〜3.2であり、密度が0.7〜1.5g/cm3であり、
前記第2のシリカ系膜は、比誘電率が1.3〜2.8であり、密度が0.6〜1.3g/cm3であり、
前記第2のシリカ系膜は、前記第1のシリカ系膜より、比誘電率が0.1以上低い、積層体。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の第1のシリカ系膜のための膜形成用組成物を基材の上に塗布した後乾燥させて、第1の塗布膜を形成する工程、
請求項1ないし5のいずれかに記載の第2のシリカ系膜のための膜形成用組成物を前記第1の塗布膜上に塗布した後乾燥させて、第2の塗布膜を形成する工程、
請求項1ないし5のいずれかに記載の有機系膜のための膜形成用組成物を前記第2の塗布膜上に塗布した後乾燥させて、第3の塗布膜を形成する工程、および
加熱もしくはエネルギー線の照射によって、前記第1,第2および第3の塗布膜を硬化する工程、を含む、積層体の形成方法。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の第1のシリカ系膜のための膜形成用組成物を基材の上に塗布した後乾燥させて、第1の塗布膜を形成する工程、
請求項1ないし5のいずれかに記載の第2のシリカ系膜のための膜形成用組成物を前記第1の塗布膜上に塗布して、未乾燥の第2の塗布膜を形成する工程、
請求項1ないし5のいずれかに記載の有機系膜のための膜形成用組成物を前記第2の塗布膜上に塗布して、未乾燥の第3の塗布膜を形成する工程、および
加熱もしくはエネルギー線の照射によって、前記第1,第2および第3の塗布膜を硬化する工程、を含む、積層体の形成方法。 - 請求項7において、
前記第3の塗布膜を形成した後に、前記第2および前記第3の塗布膜を乾燥させる工程を有する、積層体の形成方法。 - 請求項6ないし8のいずれかににおいて、
前記膜形成用組成物を塗布する工程は、回転塗布機を用いて行われ、前記塗布された膜形成用組成物を乾燥させる工程は、ホットプレートを用いて行われる、積層体の製造方法。 - 少なくとも請求項1〜5のいずれかに記載の積層体を含む、絶縁膜。
- 請求項10に記載の絶縁膜を含む、半導体装置。
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