JP4359371B2 - 単動伸縮式横引シャッターの縦桟隙間露出防止装置 - Google Patents

単動伸縮式横引シャッターの縦桟隙間露出防止装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建物の開口部に設置する横引シャッターに関し,特に伸縮単位体を連結することによって構成したシャッター本体における縦桟間に生じる隙間の発生を防止するようにした単動伸縮式横引シャッターの縦桟隙間防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
この種横引シャッターとして知られる,多数の縦桟の上下端部近傍を,多数の縦桟を連結の単位とするように伸縮方向の双方から順次傾斜平行の伸縮リンクを配置して連結することによってこれらを同時に連動して伸縮自在とした連動伸縮式のシャッター本体が,その伸縮開閉時,特に縮小開成時に縦桟間に手を挟まれる可能性が残っていること,その伸縮の構造上シャッター本体を開口交差方向に収納するように構成することが不可能であることといった欠点を有しているため,本発明者は,一対の縦桟間に該一対の縦桟を伸縮する長手方向複数の伸縮リンクを配置して個別伸縮自在の伸縮単位体を形成するとともに各伸縮単位体の隣接する縦桟同士をヒンジ連結して各伸縮単位体を回動自在とすることによって開口交差方向に収納自在としたシャッター本体を上下に対向する一対のガイドレールに上吊り装着して伸縮開閉自在とした単動伸縮式の横引シャッターを提案しており,これによればシャッター本体の伸縮が伸縮単位体毎になされる結果,任意部分における伸縮が可能となり,手を挟まれる可能性を解消し,またヒンジ連結による回動によってシャッター本体の開口交差方向への収納とこれによる開口のフルオープンが可能になり,従来の連動伸縮式の欠点を解消した伸縮式の横引シャッターとすることができる。
【0003】
しかしこの場合,シャッター本体を伸張閉成した際に,隣接する伸縮単位体のヒンジ連結した双方の縦桟が密接することなく,正面側が開いて,各縦桟間に正面側に向けてV字溝をなす隙間を生じる傾向が強く,シースルーのウインドショッピングを可能とするように店舗に使用した場合等にシャッター本体の外観品質を損なう可能性があるとともに一般にも製造不良と見られる可能性がある。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので,その解決課題とするところは,上記単動伸縮式にして開口交差方向に収納可能としたシャッター本体に生じる縦桟間のV字溝状の隙間を簡易且つ確実に解消して,シャッター本体の外観品質を確保した単動伸縮式横引シャッターの縦桟隙間露出防止装置を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記縦桟間の隙間の発生原因を探求すると,一対の縦桟間に長手方向複数の伸縮リンクを配置することによって伸縮単位体を構成するため,シャッター本体を伸張閉成した状態において各伸張した伸縮単位体の伸縮リンクが縮小方向にやや引き合うようになる一方,伸縮単位体を回動自在に連結するヒンジは,上記伸縮リンクの位置より室内側又は室外側に幾分偏位した位置にあるために,伸縮リンクの縮小方向の引き合いに応じてやや回動して,非ヒンジ側である縦桟の自由端側の密接が阻害されて,上記V字溝状のヒンジ回動隙間を発生することになるものと考えられる。
【0006】
このときシャッター本体の伸縮単位体間にヒンジ側への引きを防止する矯正手段を設置することも可能ではあるが,伸縮開閉に際してその操作が必要になり開閉の煩雑さを招くし,開口交差方向への収納を前提とするため,複雑の構造になる可能性があって適当ではない。
【0007】
そこで本発明は,上記V字状のヒンジ回動隙間の発生を許容する一方で,ヒンジ連結した隣接する縦桟の一方に他方の一部又は全部に及ぶように隙間カバーを配置して,該V字溝状の隙間を被覆することによって隙間の露出を防止するようにして,簡易且つ確実にシャッター本体の品質を確保するようにしたものであって,即ち請求項1に記載の発明を,一対の縦桟間の中間位置に該一対の縦桟を伸縮する長手方向複数の伸縮リンクを配置して個別伸縮自在の伸縮単位体を形成するとともに各伸縮単位体の隣接する縦桟同士を上記伸縮リンク位置より室内側又は室外側の縦桟端部に配置したヒンジによってヒンジ連結することにより上記伸縮単位体を個別且つ独立伸縮自在にして開口交差方向に回動自在のシャッター本体を形成し,該シャッター本体を上吊横引き用の上下に対向する一対のガイドレールに上吊装着して建物開口部正面の開口面と湾曲部を介して開口面幅方向端部で交差する収納部の間で収納自在とした横引シャッターであって,上記シャッター本体の伸張開成時に上記伸縮リンクの縮小方向の引き合いによる上記伸縮単位体における一対の縦桟間にV字溝状に生じるヒンジ回動隙間の発生を許容する一方,上記ヒンジ連結した隣接する一方の縦桟に他方の縦桟側に張り出し突出して上記ヒンジ回動隙間を被覆する隙間カバーを配設することによって該ヒンジ回動隙間の露出を防止してなることを特徴とする単動伸縮式横引シャッターの縦桟隙間露出防止装置とし,請求項2に記載の発明を,上記隙間カバーを,上記一対のうち一方の縦桟の正面側に伸縮方向に向けて内側に湾曲して他方の縦桟を被覆するように張出し突出した長手方向全長に一体成形した湾曲条によるものとしてなることを特徴とする請求項1に記載の単動伸縮式横引シャッターの縦桟隙間露出防止装置とし,これらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば,Aは,本例においてアルミ製とした単動伸縮式の横引きシャッター,1は該横引シャッターAのシャッター本体,10はガイドレールであり,上記シャッター本体1は,一対の縦桟3間の中間位置に該一対の縦桟3を伸縮する長手方向複数の伸縮リンク4を配置して個別伸縮自在の伸縮単位体2を形成するとともに各伸縮単位体2の隣接する縦桟3同士を上記伸縮リンク4位置より室内側又は室外側の縦桟3端部に配置したヒンジ5によってヒンジ連結することにより上記伸縮単位体2を個別且つ独立伸縮自在にして開口交差方向に回動自在のものとしてあり,上記ガイドレール10は,上吊横引き用の上下に対向する一対にして,該シャッター本体1を上吊装着して建物開口部正面の開口面と湾曲部を介して開口面幅方向端部で交差する収納部11の間で収納自在としたものとしてある。
【0009】
このとき上記伸縮単位2は,そのリンク4を,直線バー材,S字バー材,屈曲バー材等の複数の形状のリンクバー5から選択自在とし,該複数の形状のリンクバー5のうち各同一形状にして一対のリンクバー5を交差使用してその交差位置固定にして一対うち一方の平行縦桟3に対して固定,他方の平行縦桟3に対してスライド自在とすることによって該一対の平行桟3長手方向両端部に設置した伸縮用クロスリンク4aと,上記複数の形状のうち単一のリンクバー5を同じく一対のうち一方の平行縦桟3に対して固定,他方の平行縦桟3に対してスライド自在とすることによって該一対の平行縦桟3の上記伸縮用クロスリンク4a間の中間に傾斜配置して設置した傾斜装飾リンク4b又はこれに代えたクロス装飾リンク4cとによって構成してある。
【0010】
本例にあってシャッター本体1は,上記隣接する伸縮単位体2の隣接する縦桟3同士をヒンジ5連結してあり,本例において該隣接する縦桟3同士のヒンジ5連結は,これを,上記伸縮リンク4の室内側又は室外側,本例にあっては室内側の縦桟3端部において行ない,これによって個別且つ独立して伸縮する上記伸縮単位体2を多数伸縮方向に連結した伸縮単位体集合体の単動伸縮自在にして開口交差方向に収納自在としてある。
【0011】
即ち本例において上記回動自在のヒンジ5連結は,隣接する伸縮単位体2の相互に対接する縦桟3における対接側の室内側コーナー部に上記ヒンジ5を配置することによって行なってあり,このとき本例のヒンジ5は,縦桟3にその長手方向全長に設置した一方を軸51,他方を軸受52として,これらを嵌合することによって,例えば1/6円乃至1/4円程度の回動範囲を有するアルミ押出材の軸と軸受によるアルミ全面ヒンジを用い,任意のヒンジ5部分においてそれぞれ略直角の室内側に向けた折曲を行ない得るようにしてある。
【0012】
本例にあってガイドレール10は,同じくアルミ製,例えばアルミ押出材による,本例において上下に対向する一対にして開口交差方向に収納部11を形成具備したL字状のものとし,上記シャッター本体1は,これをその各伸縮単位体2の一対のうち一方の縦桟3の室内外中央位置に回転自在の上吊りローラー6と振れ止めローラー,ピン,スラシ等,本例にあっては回転自在の振れ止めローラー7を設置し,これら上吊りローラー6,振れ止めローラー7を上記上下に対向する一対のガイドレール10に上吊りローラー6において上枠のガイドレール10に載置し,振れ止めローラー7において下枠のガイドレール10に嵌挿して,これをガイドレール10に上吊り装着して,その開閉案内を行なうようにしてあり,このときガイドレール10における開口面から収納部11間のコーナー部分は,上記上吊りローラー6,振れ止めローラー7が回転しながらガイドレール10によって案内されるのに必要且つ十分な曲率半径,例えば15±3cm程度,本例にあっては15cm程度の可及的に小さな曲率半径で1/4円湾曲したものとしてあり,これによってシャッター本体1の開口交差方向の収納部11に対するシャッター本体1の収納をスムーズ且つコンパクトに行なうようにしてある。
【0013】
このように形成した本例の単動伸縮式の横引シャッターAにおいて,上記シャッター本体1は,その伸張開成時に上記伸縮リンク4の縮小方向の引き合いによる上記伸縮単位体2における一対の縦桟3間にヒンジ回動隙間をV字溝状に生じることになるところ,該横引シャッターAにあっては,該伸縮リンク4の縮小方向の引き合いによる該ヒンジ回動隙間の発生を許容してある一方,上記ヒンジ連結した隣接する一方の縦桟3に他方の縦桟3側に張り出し突出して上記ヒンジ回動隙間を被覆する隙間カバー32を配設することによって該ヒンジ回動隙間の露出を防止したものとしてある。
【0014】
即ち伸縮単位体2を構成する一対の縦桟3は,本例において上記伸縮リンク4の受入溝31を備えて略C字状,コ字状等の形状にして一端に上記ヒンジ5の軸51又は軸受52を一体に成形した相互に異なる形状の成形材であるアルミ押出材を一対用いて構成するものとしてあり,本例にあって,上記隙間カバー32は,これを,上記一対のうち一方の縦桟3の正面側に伸縮方向に向けて内側に湾曲して他方の縦桟3を被覆するように張出し突出した長手方向全長に一体成形した湾曲条によるものとしてあり,これによってヒンジ5連結した一対のうち他方の縦桟3をその正面側において略全体的に被覆するようにしてある。
【0015】
本例の一対の縦桟3は,例えば前後長さを5乃至6cm程度のものとして,その上記室内端においてアルミ全面ヒンジを用いてヒンジ5連結してあり,このとき本例のシャッター本体1を伸張閉成した際に,上記原因によると見られる,例えば最大8乃至9mm程度のV字溝条のヒンジ回動隙間を生じる傾向を生じるところ,横引シャッターAにあって該隙間の発生を許容するも,上記隙間カバー32がこの隙間を被覆する結果,正面にヒンジ回動隙間が露出することなく,シャッター本体1の外観品質が上記ヒンジ回動隙間によって損なわれる可能性を解消することができる。
【0016】
図示した例は以上のとおりとしたが,上記伸縮リンクを伸縮単位体の上下両端部に設置し,単一又は複数の伸縮単位体の上記伸縮リンク間中間位置に装飾リンクを配置して該装飾リンクによる文字や図形を表出するようにし,或いは装飾リンクと縦桟に着色したり,縦桟に部材を固定配置することによる桟装飾部とを配置してこれら装飾リンクと桟装飾部とによる文字や図形を表出するようにして,装飾付きのシャッター本体を用いるようにすること,隙間カバーを平板状,倒L字状等の適宜形状のものとすること等を含めて,本発明の実施に当たって,一対の縦桟,伸縮リンク,伸縮単位体,シャッター本体,ガイドレール,隙間カバー等の各具体的形状,材質,構造,これらの関係,これらに対する付加等は,上記発明の要旨に反しない限り様々な形態のものとすることができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明は以上のとおりに構成したから,伸縮単位体を個別且つ独立伸縮自在にして開口交差方向に回動自在のシャッター本体に生じる伸縮リンクの縮小方向の引き合いによる縦桟間のV字溝状のヒンジ回動隙間が発生することを許容して,開口交差方向への収納のための回動をスムーズになし得るようにして,シャッター本体の使い勝手を向上するとともに,該ヒンジ回動隙間発生の矯正手段を設置することによる上記開閉の煩雑さや複雑な構造を回避しながら,簡易且つ確実にヒンジ回動隙間の露出を解消して,シャッター本体の外観品質を確保した単動伸縮式横引シャッターの縦桟隙間露出防止装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 単動伸縮式横引シャッターの正面図である。
【図2】 単動伸縮式横引シャッターの縦断面図である。
【図3】 単動伸縮式横引シャッターの横断面図である。
【図4】 ヒンジ連結した縦桟が閉じた状態を示す部分拡大横断面図である。
【図5】 ヒンジ連結した縦桟が開いた状態を示す部分拡大横断面図である。
【符号の説明】
A 単動伸縮式横引シャッター
1 シャッター本体
2 伸縮単位体
3 桟
32 隙間カバー
4 伸縮リンク
5 ヒンジ
10 ガイドレール
11 収納部

Claims (2)

  1. 一対の縦桟間の中間位置に該一対の縦桟を伸縮する長手方向複数の伸縮リンクを配置して個別伸縮自在の伸縮単位体を形成するとともに各伸縮単位体の隣接する縦桟同士を上記伸縮リンク位置より室内側又は室外側の縦桟端部に配置したヒンジによってヒンジ連結することにより上記伸縮単位体を個別且つ独立伸縮自在にして開口交差方向に回動自在のシャッター本体を形成し,該シャッター本体を上吊横引き用の上下に対向する一対のガイドレールに上吊装着して建物開口部正面の開口面と湾曲部を介して開口面幅方向端部で交差する収納部の間で収納自在とした横引シャッターであって,上記シャッター本体の伸張開成時に上記伸縮リンクの縮小方向の引き合いによる上記伸縮単位体における一対の縦桟間にV字溝状に生じるヒンジ回動隙間の発生を許容する一方,上記ヒンジ連結した隣接する一方の縦桟に他方の縦桟側に張り出し突出して上記ヒンジ回動隙間を被覆する隙間カバーを配設することによって該ヒンジ回動隙間の露出を防止してなることを特徴とする単動伸縮式横引シャッターの縦桟隙間露出防止装置。
  2. 上記隙間カバーを,上記一対のうち一方の縦桟の正面側に伸縮方向に向けて内側に湾曲して他方の縦桟を被覆するように張出し突出した長手方向全長に一体成形した湾曲条によるものとしてなることを特徴とする請求項1に記載の単動伸縮式横引シャッターの縦桟隙間露出防止装置。
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