JP4359288B2 - 樹脂成形品の射出成形及び表面改質方法 - Google Patents

樹脂成形品の射出成形及び表面改質方法 Download PDF

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Description

本発明は、プラスチック射出成形品の成形及びこの成形品の表面を着色又は(及び)改質する方法に関するもので、更に詳しくは、効率的に樹脂成形品の表面を着色したり、改質したりする方法に関する。
プラスチック成形品の表面を着色又は改質する方法として、バッチと呼ばれる高圧容器内に成形品を入れ、超臨界二酸化炭素と着色剤又は改質剤を混合させた混合気体をバッチ内に注入することにより、成形品の表面改質を行っている。例えば、特開2003−341102公報には超臨界二酸化炭素を用いた着色(染色)方法が開示されている。この公知例の着色方法は、事前に成形したプラスチックレンズをバッチ内に入れ、次にこのバッチ内に染料(着色料)を混合させた超臨界二酸化炭素を導入して成形品の表面を着色するという方法である。
しかし、この方法の場合、被着色対象であるプラスチックレンズは成形装置で成形してから別の場所に設置されたバッチ内に移動する必要があるため、次の様な問題がある。
1.プラスチックレンズを成形装置からバッチ側に移動するのに時間が必要である。
2.移動する時、プラスチックレンズにキズがついたり、埃が付着して製品の表面に斑
が生じ、品質的に問題が生じる。
3.成形したプラスチックレンズをバッチに入れる前に、一旦保管する中間在庫の管理が必要である。
特開2002−341102公報
本発明の目的は、改質した成形品における表面の転写性を向上させる樹脂成形品の射出成形及び表面改質方法を提供することである。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明においては、樹脂成形品の射出成形及び表面改質方法において、同一の金型内に樹脂成形品の成形を目的とする成形用キャビティと前記成形品の表面着色又は改質を行なうことを目的とする改質用キャビティを形成し、先ず前記成形用キャビティを用いて樹脂成形品を成形し、次に型開きを行ってこの成形した成形品を前記改質用キャビティ側に移動し、次に型締めを行って再び前記成形用キャビティ内に樹脂を充填して成形品を成形するのと同時に、前記改質用キャビティ内に表面着色又は(及び)改質用の混合気体を注入して成形品の表面改質を行うことを特徴とする樹脂成形品の射出成形及び表面改質方法において、前記着色又は改質後の成形品を、型締めのまま改質用キャビティ内において可視面側壁面に押圧することにより転写性を高めることを特徴とするものである。
この発明によると、同一金型内に成形を目的とする成形用キャビティと成形品の着色又は表面改質を行なうことを目的とする改質用キャビティを有しているため、成形と表面改質を同時に行なうことができると共に転写性を更に向上させることができる。
[作用]
本発明の樹脂成形品の射出成形及び表面改質方法は、1つの金型内に成形用キャビティ
と改質用キャビティとの両方を備えた金型を用いるので、同時に成形と表面改質を行なうことが出来る。また、改質用キャビティを複数備えることにより、複合した表面改質を1つの金型内において行うことができる。
混合気体は、二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素に着色剤又は改質剤を混合して得られた気体であることから、二酸化炭素が成形品の表面を軟化させ、着色剤又は改質剤がこの軟化した成形品の表面に浸透し、成形品の表面に着色浸透層又は改質浸透層を形成する。この着色又は改質浸透層は、着色剤又は、改質剤の混合比率又は浸透深さ等により自由に変更して、着色濃度、改質度を制御することができる。この着色又は改質は、一度で終わっても良いが、1つの金型内に複数の改質用キャビティを備えておくことにより、同一剤又は、別剤を用いて2度又は3度以上の重ね着色又は複合した表面改質を行うこともできる。
同一の金型内に射出成形を行なう成形用キャビティと、成形品の着色又は表面改質を行なう改質用キャビティを形成し、前記成形用キャビティ内に熱可塑性樹脂を充填し、保圧、冷却して成形品を成形すると同時に、前記成形用キャビティで成形した成形品を前記改質用キャビティ内へ移動し、更に、二酸化炭素炭素又は超臨界二酸化炭素に着色剤又は改質剤を混合した混合気体を前記改質用キャビティ内へ注入することにより、混合気体の浸透層を成形品の表面に形成できると共に成形品の改質面の転写性を向上させることができる。
本発明が実施される成形品の材質となる熱可塑性樹脂は、例えばスチレン系樹脂、(例えば、ポリスチレン、ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体等)、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン樹脂、エチレン−エチルアクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブテン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、飽和ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、生分解性ポリエステル樹脂(例えば、ポリ乳酸のようなヒドロキシカルボン酸縮合物、ポリブチレンサクシネートのようなジオールとジカルボン酸の縮合物等)ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー等の1種または2種以上の混合物、さらに無機物や有機物の各種充填材が混合された樹脂が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂中では、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレンが好ましい。
また、本発明における、着色料、又は表面改質剤との混合に用いるガス体は、樹脂表面に溶解するガスであれば、その種類を問わないが、もっとも溶解性の高い二酸化炭素または超臨界状態の二酸化炭素が望ましい。
また、本発明で用いる着色剤、又は改質材は、樹脂表面を着色、耐摩耗性、導電性、硬度、輝度、コーティング、分光特性、帯電防止効果などの機能性を付与する有機質粉体、無機質粉体、導電性粉体、帯電防止剤あるいは反応性モノマーであれば、その種類を問わない。具体的には、樹脂表面を着色し、分光特性を付与する染料として、ニトロ染料、メチン染料、キノリン染料、アミノナフトキノン染料、クマリン染料、好ましくはアントラキノン染料、トリシアノビニル染料、アゾ染料、ジニトロジフェニルアミンなどの有機質粉体、およびそれらの組み合わせからなる群、更にはシルバーホワイト、アイボリーブラック、ピーチブラック、ランプブラック、カーボンブラックなどの無機質粉体、およびそれらの組み合わせからなる群などが挙げられる。
また、樹脂表面を改質し、高輝度、および耐摩耗性や表面硬度を付与する改質剤として、雲母チタン、酸化チタン、金粉、炭酸カルシウムなどの無機質粉体、またはフッ素粒子などが挙げられる。また、樹脂表面を被膜して、導電性を付与する表面改質剤として、亜鉛末、銀粉、ニッケル粉、マイカ又はセリサイト等の無機粉体を良導電性金属で被覆した粉体、およびそれらの組み合わせからなる群などが挙げられる。
また、樹脂表面と結合や架橋反応を起し、表面に弾性的性質や耐薬品性や様々な機能を発現する改質剤として、タンパク質、ポリペプチド、ヌクレオチド、薬剤、またはアクリル酸、エチレン、スチレン、イソブチルビニルエーテル、酢酸メチル、塩化ビニル、プロピレン、アミノ酸エステル、ポリフェノール、シリコーンなどの反応性モノマー、およびそれらの組み合わせからなる群などが挙げられる。
また、帯電防止剤としては、水溶性界面活性剤、ポリオキシアルキレンエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、中純度モノグリセライドステアリン系、ポリエチレングリコールジステアレート、およびそれらの組み合わせからなる群などが挙げられる。
また、改質剤として、前記有機質粉体と無機質粉体、帯電防止剤のいずれかとの組み合わせからなる群を用いてもよい。以下に、本発明の実施例、比較例を、図面を用いて詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではなく、また、これら実施例の組み合わせであってもよい。
実施例1では、同一の金型内に成形用キャビティと改質用キャビティとを備えた金型を用いて同時に成形品の射出成形と表面改質を行う方法について説明する。
図1は金型と混合気体発生装置の説明図、図2は射出成形と表面改質方法の工程説明図、図3は本実施例で表面改質された成形品の説明図で(A)は正面図、(B)は側面図である。
まず、図1に基づいて金型を説明すると、固定盤1の正面には、固定側型板2を取り付け、この固定側型板2の正面には固定側金型3を取り付ける。そして、固定側金型3の正面には、成形キャビティ用凹部4及び改質キャビティ用凹部5を形成し、この凹部5を取り囲むようにOリング6を取り付ける。
一方、可動盤7の正面には、可動側金型8を取り付け、この可動側金型8の正面には回転金型8aを取り付ける。そして、回転金型8aの正面には、前記固定側金型3の凹部4、5と対向する位置に成形キャビティ用凸部9と改質キャビティ用凸部10を形成し、型締めした際にキャビティ成形用凹部4及び改質キャビティ用凹部5と凸部9、10とにより成形用キャビティ11と改質用キャビティ12が形成されるようになっている。
13は混合気体発生装置であって、この装置13は、二酸化炭素ボンベ14と着色剤又は(及び)改質剤と二酸化炭素を混合する混合気体発生装置15から成り、この装置13で製造された混合気体は、混合気体注入ライン16から注入制御弁17及び注入口16aを経由して改質キャビティ12内に注入される。
18は前記改質用キャビティ12内から混合気体を外部に排出するための排出ラインであって、19は排出制御弁である。
20、20aは可動側金型8において、改質用キャビティ12内の成形品を突き出すための2段エジェクターピン、20bは回転金型8a内に設けられた成形用キャビティ側11のエジェクターピン、21は可動盤7の正面に組み付けられたエジェクタープレートである。
上記金型において、回転金型8aは、モータ24、ウォームギャー25により180°回転し、成形用キャビティ11内の成形品を改質用キャビティ12側に移動させることができる。22はゲート、23はスプルーである。
図2〜図9を用いて成形品の射出成形及び表面改質方法の工程を説明する。
本実施例で成形し表面改質対象製品は、図3に示すような直径30mm、厚さ3mmの皿板状である。
射出成形機は、型締め圧力220tの成形機(日本製鋼所株式会社製:J220E2-P-2M)を用いた。有機質粉体として、成形品を着色する目的のためアゾ分散染料(紀和化学工業株式会社:Kiwalon Red)を用いて行った。樹脂には、ポリスチレン(東洋スチレン株式会社:H350)を用いた。
また、混合気体発生装置13にて二酸化炭素と有機質アゾ分散染料の混合気体を圧力18MPaに設定した。
成形条件として、樹脂の温度を240℃、射出圧51MPa、充填時間0.7sec、に設定し、更に、加圧熱水により、60℃に設定した金型(材質NAC、入れ子型)から成る成形用キャビティ11内に樹脂を充填するようにした。
先ず、図2に示すように、可動盤7の前進により固定側金型3と回転金型8aを型締めする。
次に、図3に示すように、成形用キャビティ11へスプルー23からゲート22を経由して溶融樹脂を充填し、保圧、冷却により図10に示す成形品の成形を行なう。
次に、この成形完了後、図4に示すように一旦、型開きを行なう。
次に、図5に示すように、可動側金型8の正面に取り付けた回転金型8aを、モータ24により180°回転して、成形キャビティ用凸部9に残った成形品Aを改質用キャビティ12側へ移動させる。
次に、図6に示すように、再び型締めを行う。
その後、図7に示すように、改質用キャビティ12内に注入制御弁17を開いて混合気体注入ライン16を経由して注入口16aから、混合気体を30秒間注入する。図7では改質用キャビティ12へ注入した混合気体を太く描いているが実際は数ミクロンである。改質用キャビティ12の周囲にはOリング6が設けられているため、混合気体は改質用キャビティ12外に漏れることはない。この状態で改質用キャビティ12内の成形品Aの表面に混合気体の浸透層が形成され、表面着色又は改質が行われる。一方成形用キャビティ11内には、改質用キャビティ12内に混合気体の注入が行われている間に、溶融樹脂が前記(B)と同じ条件で充填し、成形品Bを得る。
次に、図8に示すように、改質用キャビティ12では混合気体を30秒注入し終え、排出制御弁19を開き、改質用キャビティ12内の混合気体を排出完了し、かつ、成形用キャビティ11においても成形過程が冷却まで終了し、条件が合ったとき、図9に示すように型開きを行い、エジェクターピン20aにより着色又は改質された成形品Aを取り出すと共に、モータ24により回転金型8aを180°回転させて成形品Bを成形用キャビティ11から改質用キャビティ12へ移動させる。そして、図5の状態に戻る。以下、この工程を繰り返して成形と着色を行う。
得られた着色又は改質済み成形品Aは、それぞれ図10に示す成形品の評価部を、目視で評価(斑なし○、斑あり×)、粗さ測定機で表面の粗さ測定(Raの値で評価。値が大きければ粗い)、成形サイクル時間で各々を評価した。その結果を表1に表す。
〔比較例1〕
比較例として従来の様に成形用金型と着色および改質用のバッチ(高圧容器)を用意し、樹脂成形品の表面改質方法を行なった。
射出成形における樹脂材料、成形条件、及び、高圧容器における着色条件等については実施例1と同一である。
先ず、金型で成形した成形品を成形し、次に金型から成形品を取り出してバッチに入れ、前記の条件と同じ条件で着色を行った。その結果、染色斑、表面の粗さに関しては、実施例1での結果と変わりはなかった。サイクル時間に関しては、表1に示すように、実施例1より65secほど成形着色にかかる時間を要した。比較例1の評価を表1に表す。
実施例2では、実施例1とは違う成形品の射出成形及び表面着色又は改質方法を説明する。
図11は本実施例に用いる固定側金型3を回転金型8a側から見た正面図である。回転金型8a及び固定側金型3以外は実施例1と同じである。
固定側金型3には、ゲート22を具備した1つの成形用凹部4と2つの改質用凹部5、5aが形成されており、一方の回転金型8aには凹部4、5、5aに対応した凸部が計3箇所形成されている。
成形の目的は、射出成形で成形品を得たあと、着色を行い、次に帯電防止処理(表面改質)を行なうことにある。
成形方法は、先ず、金型を閉じてから成形用キャビティ11内に溶融樹脂を充填させ、成形をした後金型を一端開いて回転金型8aを120°回転させ、再度型締めを行なった後改質用キャビティ12で着色を行なうとともに、成形用キャビティ11に溶融樹脂を充填して成形を行う。
その後、再度型開きを行ない、回転金型8aを120°回転させた後、再度型締めして別の改質用キャビティ12で二回目の表面改質(帯電防止加工)を行い、先の改質用キャビティ12では次の成形品の1回目の着色を行い、成形用キャビティ11では溶融樹脂を充填させて次の成形品の成形を行う。以上の成形と改質工程を同時に、順次繰り返して行なうことにより着色と帯電防止処理(表面改質)を行った成形品を得ることができる。本実施例2の評価を表1に表す。
〔比較例2〕
実施例2の中で、着色及び表面改質する方法として、同一金型内に二つ以上の改質用キャビティ12を設けたが、比較例2では、金型とは別に改質用のバッチ(高圧容器)を二つ用意した。
射出成形における樹脂材料、成形条件、及び、高圧容器における表面改質条件等については実施例2と同一である。
先ず、金型で成形した成形品を1番目のバッチに入れ、実施例2と同じ条件で着色を行い、次に着色した成形品を2番目のバッチに入れ、実施例2と同じ条件で帯電防止加工を行なった。
その結果、着色斑、表面の粗さ及び帯電防止処理効果に関しては、実施例2での結果と変わりがなかった。サイクル時間に関しては、表1に示したように、実施例2より175secほど多くの時間を要した。比較例2の評価を表1に表す。
実施例3は、本発明の主要な成形品の射出成形及び表面改質方法を説明する。
図12(A)(B)は改質用キャビティ12付近の拡大断面図であって、図12(A)は改質用キャビティ12内において、混合気体を注入後、エジェクターピン20aにより成形品Aを改質キャビティ12の可視面側壁面に押し付けている説明図、図12(B)は金型を開いてエジェクターピン20、20aにより成形品Aを離型させている説明図である。
成形方法を説明すると、実施例1における成形、成形品の移動、型開き、型締め、表面改質かつ成形までは図2〜図7と同様に行なう。その後に、図12(A)に示す様にエジェクターピン20aを微小動かし、成形品Aを改質用キャビティ12の可視面側壁面に押し付ける。その結果、可視面側壁面は予め鏡面仕上げを施しているため軟化している混合気体の浸透層へ転写される。その後、排出制御弁19を開き、改質用キャビティ12内の混合気体を排出完了し、かつ、成形用キャビティ11において成形過程が冷却まで終了し、この条件が合ったとき、図12(B)に示す様に、型開きを行い、着色された成形品Aを取り出す。次に、図5に示す様に回転金型を回転させて次工程へ移る。
その結果、成形品の表面粗さが改善され滑らかな表面を持つ成形品Aを得ることができた。実施例3の評価を表1に表す。
本実施例の成形品の場合、実施例1の成形品に比較して表面の粗さに改善が見られた。
実施例1から実施例3では、可動側金型8に回転金型8aを取り付けた金型を用いた例を紹介したが、実施例4においては、請求項4に記載した可動側金型8の表面にスライド金型8bを取り付けて成形品を移動させて行う成形品の射出成形及び表面改質方法を説明する。 図13は本実施例に用いる金型の説明図、図14〜図24は射出成形と表面改質方法の工程説明図である。
図13に基づいてスライド金型を説明すると、固定盤1には、固定側型板(払い出し板)2と成形用凹部4及びこの成形用凹部4を間にしてその上下に改質用凹部5、5aを形成した固定側金型3が取り付けられている。一方の可動盤7には、成形用凸部9及び成形用凸部10を形成したスライド金型8bと、このスライド金型8bを摺動自在に保持するための可動側金型8、スライド金型8bを上下させるため可動側金型8の天面に組み込まれたシリンダー27、更にエジェクタプレート21及びエジェクターピン20、20b及びスライド金型8b内のエジェクターピン20a、20cよりなるエジェクター機構とが取り付けられている。
また、改質用キャビティ12の機密性を得るため、固定側金型3において改質用キャビティ12の周囲にはOリング6が設けられている。
その他、図1に示した符号と同一の符号は図1と同一構造部分を指しているので、重複を避けるために、その説明は省略する。
上記図13に示した金型構造以外は実施例1と同一の条件で射出成形及び表面改質を行なった。
まず、図13に示した様に金型を開いた状態から、図14の様に金型を閉じ、成形用キャビティ11に溶融樹脂を充填させ、冷却して成形品Aを得る。次に図15に示すように、金型を開いた後、図16で示すようにシリンダー27によりスライド金型8bを上端まで上昇させる。次に、可動盤7を前進させて型締めすると図17の様に改質用キャビティ12aへ事前に成形された成形品Aが収まる。また、改質用キャビティ12aの下側には成形用キャビティ11が形成される。
各キャビティが形成されたら図18に示す様に改質用キャビティ12aへは混合気体を注入して表面を着色し、同時に成形用キャビティ11には溶融樹脂を充填して成形を行ない成形品Bを得る。着色工程及び成形工程が完了すると図19に示す様に金型を開きエジェクターピン20b、20cを前進させて着色された成形品Aを離型させる(図20)。
次に、図21の如く、シリンダー27によりスライド金型8bを下端まで降下させてから、型締めを行なう。その結果、成形品Bは改質用キャビティ12内に収納されると同時に上側には成形用キャビティ11が形成される(図22)。
そして、図23に示す様に改質用キャビティ12へ混合気体を注入して成形品Bを着色すると共に、成形用キャビティ11に溶融樹脂を注入して成形品Cを得る。着色工程及び成形工程が完了すると、図24に示す様に金型を開きエジェクターピン20、20aを前進させて着色された成形品Bを離型させる。
この様に、スライド金型8bの上下動を繰り返すことにより成形工程と着色工程を同時に行なうことができる。
実施例4の評価を表1に表す。
実施例5では、改質用キャビティ12中にエジェクターピン20a、20cにより成形品を微小突出して成形品の両面を改質(着色)する成形品の射出成形及び両面改質(着色)方法を説明する。金型の構造は実施例4の金型構造と基本的に同一であるが、異なる部位はスライド金型8aと可動側金型8である。
図25は本実施例に用いた金型の説明図、図26〜図36は射出成形と改質方法の工程説明図である。
図25を基に金型について説明すると、スライド金型8bにおいては、エジェクターピン20a、20cの台座底面において外側に向かって薄肉となる傾斜面29、29aが形成されており、スライド金型8bへ装着する時は、傾斜面29、29aが外側を向くように取り付ける。更に、エジェクターピン20a、20cの側面にはOリング30を装着して改質用キャビティ12、12aからの混合気体の漏れを防いでいる。他の構造は実施例4に記載した内容と同一である。
可動側金型8においては、スライド金型8bが移動する距離に相当する長さの薄肉部31を形成し、薄肉部31の両端にはエジエクターピン20a、20cの台座底面の傾斜面29、29aの角度と同一である傾斜面32、32aを形成している。
更に傾斜面32、32aには、エジェクターピン20、20bのガイドとして貫通孔33、33aが形成されている。
図26〜図36を基に本実施例の射出成形と表面改質方法の工程について説明する。
まず、図25に示す様に金型を開いた状態から図26の様に金型を閉じ成形用キャビティ11内に溶融樹脂を充填させ冷却し、成形品Aを得る。次に図27に示すように、金型を開いた後、図28に示すように、シリンダー27によりスライド金型8bを上端まで上昇させる。上端付近に移動すると薄肉部31の傾斜面32aとエジェクターピン20cの台座底面の傾斜面29aとの関係でエジェクターピン20cは微小突出され、成形品Aは成形用凸部9から離れる。
次に、可動盤7を前進させて型締めすると図29の様に改質用キャビティ12aへ事前に成形された成形品Aが収まるようになる。また、改質用キャビティ12aの下側には成形用キャビティ11が形成される。
各キャビティ11、12aが形成されたら、図30に示す様に改質用キャビティ12aへは混合気体を注入して表面着色する。成形品Aは成形用凸部9から離れているため成形品Aの両面に混合気体が行き渡り、両面着色が行われる。同時に成形用キャビティ11では溶融樹脂を充填して成形を行ない、成形品Bを得る。着色工程及び成形工程が完了すると図31、32に示す様に金型を開きエジェクターピン20b、20cを前進させて着色された成形品Aを離型させる。
次に、図33の如く、シリンダー27によりスライド金型8bを下端まで降下させると上端に移動した時と同様に、薄肉部31の傾斜面32とエジェクターピン20aの台座底面の傾斜面29との関係でエジェクターピン20aは微小突出され、成形品Bは成形用凸部9から離れ、図34の様に型締めすると改質用キャビティ12の空間に成形品Bが位置するので、図35の如く混合気体を注入すると成形品Bの両面が着色されると同時に、成形用キャビティ11には溶融樹脂が充填され、成形品Cが得られる。
次に、図36に示す様に金型を開き、成形品Bを取り出すとともに、スライド金型8bを上昇させて図28に示す工程に移る。
この様に、スライド金型8bの上下動を繰り返すことにより成形工程と両面着色工程を同時に行なうことができる。
実施例5の評価を表1に表す。
実施例6では、自動機で成形品を移動する実施例を図1に示した金型を用いて紹介する。
自動機は取り出しロボット(株式会社ユーシン精機製MODEL:RA2-α-400)
を用いた。取り出しロボットの昇降アームの先端に組み込んだ作業板には、エアーによる吸盤を成形用キャビティと改質用キャビティとの間隔で吸盤A、吸盤Bと2個取り付けた。吸盤制御回路には、各々の吸盤を個別に動作させるようにプログラムしている。
先ず、成形用キャビティで成形を完了すると、金型を開き、固定側金型3と可動側金型8との間に昇降アームを延長させエジェクター機構により成形品を、成形用キャビティ11を成す凸部9から離型させ吸盤Aで保持した。次に、改質用キャビティ12を成す凸部10へ取り出しロボットを展回し、保持した成形品を凸部10へはめ込んだ後、昇降アームを収縮して退避させ再度金型を閉じた。
成形用キャビティ11で成形、改質用キャビティ12で改質を行なった後、金型を開き昇降アームを金型間に伸ばし、吸盤Aで改質済み成形品、吸盤Bで成形済み成形品をそれぞれ保持した。次に、吸盤Bの成形品を改質用キャビティ12の凸部10へ展回し、凸部10へはめ込んだ。
はめ込み終了後昇降アームを金型外に移動させ、吸盤Aの改質済み成形品を包装作業場所へ運んだ。
この様に、取り出しロボットの動作を繰り返すことにより、同一金型内で樹脂成形品の移動と、射出成形及び表面改質が可能になる。

本発明を実施するための成形及び改質用金型装置と混合気体発生装置の説明図 実施例1の工程説明図 実施例1の工程説明図 実施例1の工程説明図 実施例1の工程説明図 実施例1の工程説明図 実施例1の工程説明図 実施例1の工程説明図 実施例1の工程説明図 成形及び改質された成形品の説明図 1ヶの成形用キャビティと(凹部)2ヶの改質キャビティ(凹部)を有する固定側金型の説明図 (A)(B)は成形品の再密着により転写性を向上させる実施例2の説明図 スライド移動式金型の説明図 スライド式金型の成形及び改質工程の説明図 スライド式金型の成形及び改質工程の説明図 スライド式金型の成形及び改質工程の説明図 スライド式金型の成形及び改質工程の説明図 スライド式金型の成形及び改質工程の説明図 スライド式金型の成形及び改質工程の説明図 スライド式金型の成形及び改質工程の説明図 スライド式金型の成形及び改質工程の説明図 スライド式金型の成形及び改質工程の説明図 スライド式金型の成形及び改質工程の説明図 スライド式金型の成形及び改質工程の説明図 両面改質用金型の説明図 実施例5の成形及び改質工程の説明図 実施例5の成形及び改質工程の説明図 実施例5の成形及び改質工程の説明図 実施例5の成形及び改質工程の説明図 実施例5の成形及び改質工程の説明図 実施例5の成形及び改質工程の説明図 実施例5の成形及び改質工程の説明図 実施例5の成形及び改質工程の説明図 実施例5の成形及び改質工程の説明図 実施例5の成形及び改質工程の説明図 実施例5の成形及び改質工程の説明図
符号の説明
1 固定盤
3 固定側金型
7 可動盤
8 可動側金型
11 成形用キャビティ
12 改質用キャビティ
13 混合気体発生装置
27 シリンダー

Claims (1)

  1. 同一の金型内に樹脂成形品の成形を目的とする成形用キャビティと前記成形品の表面着色又は改質を行なうことを目的とする改質用キャビティを形成し、先ず前記成形用キャビティを用いて樹脂成形品を成形し、次に型開きを行ってこの成形した成形品を前記改質用キャビティ側に移動し、次に型締めを行って再び前記成形用キャビティ内に樹脂を充填して成形品を成形するのと同時に、前記改質用キャビティ内に表面着色又は(及び)改質用の混合気体を注入して成形品の表面改質を行うことを特徴とする樹脂成形品の射出成形及び表面改質方法において、前記着色又は改質後の成形品を、型締めのまま改質用キャビティ内において可視面側壁面に押圧することにより転写性を高める樹脂成形品の射出成形及び表面改質方法。
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