JP4358399B2 - 排気マニホルドのフランジ - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数本の湾曲したパイプを排気管として使用する排気マニホルドにおいて、各排気管の上流側端部に固定する板金製のフランジに関する。
【０００２】
【従来の技術】
パイプ製の排気管に板金製のフランジを固定した排気マニホルドは、例えば特開平８−１７７４７６号公報に記載され、前記パイプと板金の材料としては薄いステンレス鋼板が使用されている。この排気マニホルドは、鋳物製に比べて軽量のため、自動車用のエンジンに使用されて車両の軽量化に役立っている。
【０００３】
図９に示すように、この種のフランジＦは、平面部ａの中央に複数の排気管接続穴ｂを、一直線に並べてバーリング加工で開けてリング状屈曲縁ｃを突出させ、平面部ａの剛性を増すために平面部ａの周囲を曲げて周囲屈曲縁ｄを立ち上げている。そしてリング状屈曲縁ｃ、周囲屈曲縁ｄが突出している面と反対側がエンジンへの取付け面とされ、該取付け面との間にガスケットを介在させて、ボルト穴ｅを通るボルトで締付けてエンジンに取り付けているが、このフランジＦは、剛性が比較的低く撓みやすいため、ガスケットで気密を維持させるために必要な面圧を均等に作用させることができないおそれがある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ガスケットの気密性を確保するために、前記フランジの剛性を向上させることを課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、各請求項に記載したとおりであり、第１の解決手段は、請求項１に記載のとおり、板材の平面部にリング状屈曲縁で囲まれた排気管接続穴を一直線上に複数個並べて設け、平面部の周囲に補強用の周囲屈曲縁を設け、周囲屈曲縁の内側に沿って複数個のボルト穴を開けた、排気マニホルドのフランジにおいて、隣り合う排気管接続穴の間の外側の周囲屈曲縁の角部に、前記周囲屈曲縁を前記排気管接続穴側に窪ませた押込み壁を形成し、前記押込み壁の幅を前記周囲屈曲縁側から前記排気管接続穴側に向かって狭くし、且つ、前記押込み壁の深さを前記周囲屈曲縁側から前記排気管接続穴側に向かって浅くなるようにし、周囲屈曲縁の周囲に該周囲屈曲縁を補強する補強段部を、平面部と略平行に周囲屈曲縁から外側へ屈曲して設けたことを特徴とする。この手段によれば、押込み壁と補強段部による周囲屈曲縁に対する補強作用でフランジの剛性が増加してガスケットに必要な面圧を加えることができ、気密性が向上する。
【０００６】
第２の解決手段は、請求項２に記載のとおり、請求項１において、補強段部の外側に該補強段部を補強する追加屈曲縁を、周囲屈曲縁と略平行に補強段部から屈曲して設けたことを特徴とする。この手段によれば、追加屈曲縁による補強段部及び周囲屈曲縁に対する補強作用でフランジの剛性が更に増加し、ガスケットの気密性が向上する。
【０００７】
第３の手段は、請求項３に記載のとおり、板材の平面部にリング状屈曲縁で囲まれた排気管接続穴を一直線上に複数個並べて設け、平面部の周囲に補強用の周囲屈曲縁を設け、周囲屈曲縁の内側に沿って複数個のボルト穴を開けた、排気マニホルドのフランジにおいて、隣り合う排気管接続穴の間の外側の周囲屈曲縁の角部に、前記周囲屈曲縁を前記排気管接続穴側に窪ませた押込み壁を形成し、前記押込み壁の幅を前記周囲屈曲縁側から前記排気管接続穴側に向かって狭くし、且つ、前記押込み壁の深さを前記周囲屈曲縁側から前記排気管接続穴側に向かって浅くなるようにし、隣り合う排気管接続穴の間の周囲屈曲縁寄りの位置に、屈曲縁付き開口又は段絞り部を設けて平面部を補強したことを特徴とする。この手段によれば、フランジが屈曲縁付き開口又は段絞りの部分及び押込み壁と周囲屈曲縁によって補強されて剛性を増加し、ガスケットの気密性が向上する。
【０００８】
第４の手段は、請求項４に記載のとおり、板材の平面部にリング状屈曲縁で囲まれた排気管接続穴を一直線上に複数個並べて設け、平面部の周囲に補強用の周囲屈曲縁を設け、周囲屈曲縁の内側に沿って複数個のボルト穴を開けた、排気マニホルドのフランジにおいて、隣り合う排気管接続穴の間の外側の周囲屈曲縁の角部に、前記周囲屈曲縁を前記排気管接続穴側に窪ませた押込み壁を形成し、前記押込み壁の幅を前記周囲屈曲縁側から前記排気管接続穴側に向かって狭くし、且つ、前記押込み壁の深さを前記周囲屈曲縁側から前記排気管接続穴側に向かって浅くなるようにし、平面部の補強用に外周側が高い補強段部を平面部に設けてその周囲に周囲屈曲縁を形成したことを特徴とする。この手段によれば、フランジが押込み壁、補強段部及び周囲屈曲縁で補強されてガスケットの気密性が向上する。
【００１０】
第５の手段は、請求項５に記載したとおり、請求項１、２、３又は４において、最外周に設けた補強段部、追加屈曲縁又は周囲屈曲縁の上辺を排気管接続穴の列と略平行の直線に形成し、該上辺からリング状屈曲縁と同方向に伸びる複数のカバーステーを連設したことを特徴とする。この手段によれば、取り付け部が平らな遮熱カバーを用意すればよく、遮熱カバーの製作が容易である。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図１において、１はフランジ、２はその平面部、３はバーリング加工で平面部２に一直線上に４個形成したリング状屈曲縁で、内側が排気管接続穴４になっている。平面部２の周囲から周囲屈曲縁５がリング状屈曲縁３と同方向に屈曲され、その内側に沿って複数個のボルト穴６があけられており、周囲屈曲縁５から更に補強段部７が平面部と平行に屈曲されている。
【００１２】
この形態は、図９の従来公知のものの周囲屈曲縁ｄを補強したもので、補強段部７は、周囲屈曲縁５を補強し、その結果平面部２を補強しているから、エンジンにガスケットとフランジ１を重ねてボルト穴６を通るボルトで締結したとき、フランジ１の撓みは防止される。
【００１３】
図２のフランジ８は、図１のフランジ１の補強段部７の外周に追加屈曲縁９を周囲屈曲縁５と平行に屈曲して補強性を更に高めたものである。
【００１４】
図３のフランジ１０は、逆追加屈曲縁１１を周囲屈曲縁５と平行であるが逆向きに屈曲したもので補強性が高い。このフランジ１０は、フランジ８に比べて高さが低く、ボルト締めの際に周囲部分が邪魔にならない。
【００１５】
図４のフランジ１３は、隣り合う排気管接続穴４、４間の周囲屈曲縁５寄りの位置に、略３角形又は略台形の穴１４と中間屈曲縁１５をバーリング加工で成形したもので、中間屈曲縁１５によって平面部２を補強している。
【００１６】
図５のフランジ１７は、隣り合う排気管接続穴４、４間の周囲屈曲縁５寄りの位置に、略３角形又は略台形に突出する段絞り部１８を形成したもので、該段絞り部１８で平面部２を補強している。
【００１７】
図６のフランジ２０は、図２のフランジ８を一部変形したもので、フランジ２０の輪郭の上辺を直線とし、下辺をリング状屈曲縁３と略等距離を保つ曲線としたもので、上辺の周囲屈曲縁５は直線であり、下辺の周囲屈曲縁５は、緩やかな波形をなしている。また平面部２における周囲屈曲縁５寄りの部分には、段状に補強段部７が設けられており、上辺の周囲屈曲縁５からに一対のカバーステー２１が伸び、これにボルト穴２２が開けられ、下面に遮熱カバー取り付け用のナット２３が溶接されている。一対のカバーステー２１とボルト穴２２は、一つの平面上にあるので、遮熱カバー側に設ける取り付け部は平面でよく、該遮熱カバー側の取り付け用ボルト穴も一つの平面上に設ければよいから、カバーの製造が容易になる。
【００１８】
図７のフランジ２５は、各排気管接続穴４は一直線上にあるが、全体を緩やかに湾曲したＭ字状にしたものである。この形状は、前記公知技術においても採用されているが、この実施の形態においては、上辺の３か所と下辺の２か所に、平面部２から周囲屈曲縁５にわたって、平面部２側の凹み量が大きい、３角状に屈曲した押込み壁２６が形成されている。この押込み壁２６によって周囲屈曲縁５と平面部２の剛性が向上し、フランジ２５をボルト締めするときフランジ２５の取付け面からガスケットに作用する面圧が均一になる。
【００１９】
図８のフランジ２８は、図６のフランジ２０と図７のフランジ２５の特徴を組み合わせたもので、平面部２と周囲屈曲縁５は、外形が略Ｍ型であり、平面部２から周囲屈曲縁５にわたって、平面部２側の凹み量が大きい、３角状に屈曲した押込み壁２６が形成されているが、周囲屈曲縁５に補強段部７と追加屈曲縁９を連設し、上辺の追加屈曲縁９の離れた２か所を一直線上に位置させ、ここから一対のカバーステー２１、２１を延長し、ナット２３を溶接した構成を有する。この構成によれば、フランジ２８の剛性は極めて高く、その上、取り付け部が平面の遮熱カバーを取り付けることができる。
【００２０】
なお、前記図１、２、４、５、７の形態において、その輪郭の上辺を直線とし、該上辺の部分に図６に示すカバーステー２１、２１を連設することができる。
【００２１】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明は、請求項１の補強段部及び押込み壁、請求項２の追加屈曲縁、請求項３の屈曲縁付き開口又は段絞り部及び押込み壁、請求項４の補強段部及び押込み壁によって、それぞれフランジを補強することにより、平面部からガスケットに加わる面圧を均一にし、ガスケットの気密性を向上できる効果がある。
【００２２】
また請求項５の手段によれば、請求項１、２、３、又は４の排気マニホルドを遮熱カバーで覆うとき、複数のカバーステー２１とボルト穴２２は、一つの平面上にあるので、取り付け部が平らな遮熱カバーを用意すればよく、遮熱カバーの製作が容易である効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の第１の実施の形態の斜視図及び断面図
【図２】 本発明の第２の実施の形態の斜視図及び断面図
【図３】 本発明の第３の実施の形態の斜視図及び断面図
【図４】 本発明の第４の実施の形態の平面図
【図５】 本発明の第５の実施の形態の平面図
【図６】 本発明の第６の実施の形態の斜視図、部分平面図及び断面図
【図７】 本発明の第７の実施の形態の裏面図及び断面図
【図８】 本発明の第８の実施の形態の裏面図及び断面図
【図９】 従来例の斜視図及び断面図
【符号の説明】
１、８、１０、１３、１７、２０、２５、２８ フランジ ２ 平面部
３ リング状屈曲縁 ４ 排気管接続穴 ５ 周囲屈曲縁
７ 補強段部 ９、１１ 追加屈曲縁 １５ 中間屈曲縁
１８ 段絞り部 ２１ カバーステー ２６ 押込み壁
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数本の湾曲したパイプを排気管として使用する排気マニホルドにおいて、各排気管の上流側端部に固定する板金製のフランジに関する。
【０００２】
【従来の技術】
パイプ製の排気管に板金製のフランジを固定した排気マニホルドは、例えば特開平８−１７７４７６号公報に記載され、前記パイプと板金の材料としては薄いステンレス鋼板が使用されている。この排気マニホルドは、鋳物製に比べて軽量のため、自動車用のエンジンに使用されて車両の軽量化に役立っている。
【０００３】
図９に示すように、この種のフランジＦは、平面部ａの中央に複数の排気管接続穴ｂを、一直線に並べてバーリング加工で開けてリング状屈曲縁ｃを突出させ、平面部ａの剛性を増すために平面部ａの周囲を曲げて周囲屈曲縁ｄを立ち上げている。そしてリング状屈曲縁ｃ、周囲屈曲縁ｄが突出している面と反対側がエンジンへの取付け面とされ、該取付け面との間にガスケットを介在させて、ボルト穴ｅを通るボルトで締付けてエンジンに取り付けているが、このフランジＦは、剛性が比較的低く撓みやすいため、ガスケットで気密を維持させるために必要な面圧を均等に作用させることができないおそれがある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ガスケットの気密性を確保するために、前記フランジの剛性を向上させることを課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、各請求項に記載したとおりであり、第１の解決手段は、請求項１に記載のとおり、板材の平面部にリング状屈曲縁で囲まれた排気管接続穴を一直線上に複数個並べて設け、平面部の周囲に補強用の周囲屈曲縁を設け、周囲屈曲縁の内側に沿って複数個のボルト穴を開けた、排気マニホルドのフランジにおいて、隣り合う排気管接続穴の間の外側の周囲屈曲縁の角部に、前記周囲屈曲縁を前記排気管接続穴側に窪ませた押込み壁を形成し、前記押込み壁の幅を前記周囲屈曲縁側から前記排気管接続穴側に向かって狭くし、且つ、前記押込み壁の深さを前記周囲屈曲縁側から前記排気管接続穴側に向かって浅くなるようにし、周囲屈曲縁の周囲に該周囲屈曲縁を補強する補強段部を、平面部と略平行に周囲屈曲縁から外側へ屈曲して設けたことを特徴とする。この手段によれば、押込み壁と補強段部による周囲屈曲縁に対する補強作用でフランジの剛性が増加してガスケットに必要な面圧を加えることができ、気密性が向上する。
【０００６】
第２の解決手段は、請求項２に記載のとおり、請求項１において、補強段部の外側に該補強段部を補強する追加屈曲縁を、周囲屈曲縁と略平行に補強段部から屈曲して設けたことを特徴とする。この手段によれば、追加屈曲縁による補強段部及び周囲屈曲縁に対する補強作用でフランジの剛性が更に増加し、ガスケットの気密性が向上する。
【０００７】
第３の手段は、請求項３に記載のとおり、板材の平面部にリング状屈曲縁で囲まれた排気管接続穴を一直線上に複数個並べて設け、平面部の周囲に補強用の周囲屈曲縁を設け、周囲屈曲縁の内側に沿って複数個のボルト穴を開けた、排気マニホルドのフランジにおいて、隣り合う排気管接続穴の間の外側の周囲屈曲縁の角部に、前記周囲屈曲縁を前記排気管接続穴側に窪ませた押込み壁を形成し、前記押込み壁の幅を前記周囲屈曲縁側から前記排気管接続穴側に向かって狭くし、且つ、前記押込み壁の深さを前記周囲屈曲縁側から前記排気管接続穴側に向かって浅くなるようにし、隣り合う排気管接続穴の間の周囲屈曲縁寄りの位置に、屈曲縁付き開口又は段絞り部を設けて平面部を補強したことを特徴とする。この手段によれば、フランジが屈曲縁付き開口又は段絞りの部分及び押込み壁と周囲屈曲縁によって補強されて剛性を増加し、ガスケットの気密性が向上する。
【０００８】
第４の手段は、請求項４に記載のとおり、板材の平面部にリング状屈曲縁で囲まれた排気管接続穴を一直線上に複数個並べて設け、平面部の周囲に補強用の周囲屈曲縁を設け、周囲屈曲縁の内側に沿って複数個のボルト穴を開けた、排気マニホルドのフランジにおいて、隣り合う排気管接続穴の間の外側の周囲屈曲縁の角部に、前記周囲屈曲縁を前記排気管接続穴側に窪ませた押込み壁を形成し、前記押込み壁の幅を前記周囲屈曲縁側から前記排気管接続穴側に向かって狭くし、且つ、前記押込み壁の深さを前記周囲屈曲縁側から前記排気管接続穴側に向かって浅くなるようにし、平面部の補強用に外周側が高い補強段部を平面部に設けてその周囲に周囲屈曲縁を形成したことを特徴とする。この手段によれば、フランジが押込み壁、補強段部及び周囲屈曲縁で補強されてガスケットの気密性が向上する。
【００１０】
第５の手段は、請求項５に記載したとおり、請求項１、２、３又は４において、最外周に設けた補強段部、追加屈曲縁又は周囲屈曲縁の上辺を排気管接続穴の列と略平行の直線に形成し、該上辺からリング状屈曲縁と同方向に伸びる複数のカバーステーを連設したことを特徴とする。この手段によれば、取り付け部が平らな遮熱カバーを用意すればよく、遮熱カバーの製作が容易である。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図１において、１はフランジ、２はその平面部、３はバーリング加工で平面部２に一直線上に４個形成したリング状屈曲縁で、内側が排気管接続穴４になっている。平面部２の周囲から周囲屈曲縁５がリング状屈曲縁３と同方向に屈曲され、その内側に沿って複数個のボルト穴６があけられており、周囲屈曲縁５から更に補強段部７が平面部と平行に屈曲されている。
【００１２】
この形態は、図９の従来公知のものの周囲屈曲縁ｄを補強したもので、補強段部７は、周囲屈曲縁５を補強し、その結果平面部２を補強しているから、エンジンにガスケットとフランジ１を重ねてボルト穴６を通るボルトで締結したとき、フランジ１の撓みは防止される。
【００１３】
図２のフランジ８は、図１のフランジ１の補強段部７の外周に追加屈曲縁９を周囲屈曲縁５と平行に屈曲して補強性を更に高めたものである。
【００１４】
図３のフランジ１０は、逆追加屈曲縁１１を周囲屈曲縁５と平行であるが逆向きに屈曲したもので補強性が高い。このフランジ１０は、フランジ８に比べて高さが低く、ボルト締めの際に周囲部分が邪魔にならない。
【００１５】
図４のフランジ１３は、隣り合う排気管接続穴４、４間の周囲屈曲縁５寄りの位置に、略３角形又は略台形の穴１４と中間屈曲縁１５をバーリング加工で成形したもので、中間屈曲縁１５によって平面部２を補強している。
【００１６】
図５のフランジ１７は、隣り合う排気管接続穴４、４間の周囲屈曲縁５寄りの位置に、略３角形又は略台形に突出する段絞り部１８を形成したもので、該段絞り部１８で平面部２を補強している。
【００１７】
図６のフランジ２０は、図２のフランジ８を一部変形したもので、フランジ２０の輪郭の上辺を直線とし、下辺をリング状屈曲縁３と略等距離を保つ曲線としたもので、上辺の周囲屈曲縁５は直線であり、下辺の周囲屈曲縁５は、緩やかな波形をなしている。また平面部２における周囲屈曲縁５寄りの部分には、段状に補強段部７が設けられており、上辺の周囲屈曲縁５からに一対のカバーステー２１が伸び、これにボルト穴２２が開けられ、下面に遮熱カバー取り付け用のナット２３が溶接されている。一対のカバーステー２１とボルト穴２２は、一つの平面上にあるので、遮熱カバー側に設ける取り付け部は平面でよく、該遮熱カバー側の取り付け用ボルト穴も一つの平面上に設ければよいから、カバーの製造が容易になる。
【００１８】
図７のフランジ２５は、各排気管接続穴４は一直線上にあるが、全体を緩やかに湾曲したＭ字状にしたものである。この形状は、前記公知技術においても採用されているが、この実施の形態においては、上辺の３か所と下辺の２か所に、平面部２から周囲屈曲縁５にわたって、平面部２側の凹み量が大きい、３角状に屈曲した押込み壁２６が形成されている。この押込み壁２６によって周囲屈曲縁５と平面部２の剛性が向上し、フランジ２５をボルト締めするときフランジ２５の取付け面からガスケットに作用する面圧が均一になる。
【００１９】
図８のフランジ２８は、図６のフランジ２０と図７のフランジ２５の特徴を組み合わせたもので、平面部２と周囲屈曲縁５は、外形が略Ｍ型であり、平面部２から周囲屈曲縁５にわたって、平面部２側の凹み量が大きい、３角状に屈曲した押込み壁２６が形成されているが、周囲屈曲縁５に補強段部７と追加屈曲縁９を連設し、上辺の追加屈曲縁９の離れた２か所を一直線上に位置させ、ここから一対のカバーステー２１、２１を延長し、ナット２３を溶接した構成を有する。この構成によれば、フランジ２８の剛性は極めて高く、その上、取り付け部が平面の遮熱カバーを取り付けることができる。
【００２０】
なお、前記図１、２、４、５、７の形態において、その輪郭の上辺を直線とし、該上辺の部分に図６に示すカバーステー２１、２１を連設することができる。
【００２１】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明は、請求項１の補強段部及び押込み壁、請求項２の追加屈曲縁、請求項３の屈曲縁付き開口又は段絞り部及び押込み壁、請求項４の補強段部及び押込み壁によって、それぞれフランジを補強することにより、平面部からガスケットに加わる面圧を均一にし、ガスケットの気密性を向上できる効果がある。
【００２２】
また請求項５の手段によれば、請求項１、２、３、又は４の排気マニホルドを遮熱カバーで覆うとき、複数のカバーステー２１とボルト穴２２は、一つの平面上にあるので、取り付け部が平らな遮熱カバーを用意すればよく、遮熱カバーの製作が容易である効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の第１の実施の形態の斜視図及び断面図
【図２】 本発明の第２の実施の形態の斜視図及び断面図
【図３】 本発明の第３の実施の形態の斜視図及び断面図
【図４】 本発明の第４の実施の形態の平面図
【図５】 本発明の第５の実施の形態の平面図
【図６】 本発明の第６の実施の形態の斜視図、部分平面図及び断面図
【図７】 本発明の第７の実施の形態の裏面図及び断面図
【図８】 本発明の第８の実施の形態の裏面図及び断面図
【図９】 従来例の斜視図及び断面図
【符号の説明】
１、８、１０、１３、１７、２０、２５、２８ フランジ ２ 平面部
３ リング状屈曲縁 ４ 排気管接続穴 ５ 周囲屈曲縁
７ 補強段部 ９、１１ 追加屈曲縁 １５ 中間屈曲縁
１８ 段絞り部 ２１ カバーステー ２６ 押込み壁
Claims (5)
- 板材の平面部にリング状屈曲縁で囲まれた排気管接続穴を一直線上に複数個並べて設け、平面部の周囲に補強用の周囲屈曲縁を設け、周囲屈曲縁の内側に沿って複数個のボルト穴を開けた、排気マニホルドのフランジにおいて、隣り合う排気管接続穴の間の外側の周囲屈曲縁の角部に、前記周囲屈曲縁を前記排気管接続穴側に窪ませた押込み壁を形成し、前記押込み壁の幅を前記周囲屈曲縁側から前記排気管接続穴側に向かって狭くし、且つ、前記押込み壁の深さを前記周囲屈曲縁側から前記排気管接続穴側に向かって浅くなるようにし、周囲屈曲縁の周囲に該周囲屈曲縁を補強する補強段部を、平面部と略平行に周囲屈曲縁から外側へ屈曲して設けたことを特徴とする、排気マニホルドのフランジ。
- 請求項１において、補強段部の外側に該補強段部を補強する追加屈曲縁を、周囲屈曲縁と略平行に補強段部から屈曲して設けたことを特徴とする、排気マニホルドのフランジ。
- 板材の平面部にリング状屈曲縁で囲まれた排気管接続穴を一直線上に複数個並べて設け、平面部の周囲に補強用の周囲屈曲縁を設け、周囲屈曲縁の内側に沿って複数個のボルト穴を開けた、排気マニホルドのフランジにおいて、隣り合う排気管接続穴の間の外側の周囲屈曲縁の角部に、前記周囲屈曲縁を前記排気管接続穴側に窪ませた押込み壁を形成し、前記押込み壁の幅を前記周囲屈曲縁側から前記排気管接続穴側に向かって狭くし、且つ、前記押込み壁の深さを前記周囲屈曲縁側から前記排気管接続穴側に向かって浅くなるようにし、隣り合う排気管接続穴の間の周囲屈曲縁寄りの位置に、屈曲縁付き開口又は段絞り部を設けて平面部を補強したことを特徴とする、排気マニホルドのフランジ。
- 板材の平面部にリング状屈曲縁で囲まれた排気管接続穴を一直線上に複数個並べて設け、平面部の周囲に補強用の周囲屈曲縁を設け、周囲屈曲縁の内側に沿って複数個のボルト穴を開けた、排気マニホルドのフランジにおいて、隣り合う排気管接続穴の間の外側の周囲屈曲縁の角部に、前記周囲屈曲縁を前記排気管接続穴側に窪ませた押込み壁を形成し、前記押込み壁の幅を前記周囲屈曲縁側から前記排気管接続穴側に向かって狭くし、且つ、前記押込み壁の深さを前記周囲屈曲縁側から前記排気管接続穴側に向かって浅くなるようにし、平面部の補強用に外周側が高い補強段部を平面部に設けてその周囲に周囲屈曲縁を形成したことを特徴とする、排気マニホルドのフランジ。
- 請求項１、２、３又は４において、最外周に設けた補強段部、追加屈曲縁又は周囲屈曲縁の上辺を排気管接続穴の列と略平行の直線に形成し、該上辺からリング状屈曲縁と同方向に伸びる複数のカバーステーを連設したことを特徴とする、排気マニホルドのフランジ。
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