JP4357988B2 - プランジャポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、偏心カムによってプランジャピストンが往復運動させられることで流体を加圧するプランジャポンプ、特に、車両用ブレーキシステムを構成してブレーキ液を加圧する液圧ポンプに関する。
プランジャポンプは、プランジャピストンが偏心カムによって往復運動させられることにより、流体を加圧するポンプである。下記特許文献には車両用ブレーキシステムに用いられるポンプが記載されているが、そのポンプは、一般的なプランジャポンプの構造を有するものとされている。
特開平9−254760号公報
上記特許文献に記載されているように、プランジャピストン(以下、単に「ピストン」という場合がある)はカム軸の偏心部に外嵌されたベアリングの外輪(アウターレース)と係合し、外輪から力を受けながら往復運動させられる。製造技術が進歩した今日にあっても、プランジャポンプを構成する各部品には、何某かの製造誤差が存在し、その誤差により、例えば、カム軸の軸線とピストンの軸線とのなす角度が、微妙ではあるが、直角からずれる場合がある。その場合、ベアリングの外輪とピストンとの間に、カム軸の軸線に平行な成分の力(以下、「軸方向成分力」という場合がある)が発生し、外輪が軸方向に移動させられることになる。実際には、カム軸の回転に伴ってピストンは往復運動し、その往復運動位置に応じてピストンが外輪から受ける力が周期的に変動することで、軸方向成分力も周期的に変動し、外輪は軸方向に往復運動させられることになる。また、外輪の外周面はクラウニングを設ける目的で太鼓状に形成される場合があり、その場合には、ピストンの先端部と外輪の外周面との係合点が外輪の軸方向に移動に伴って、上記軸方向成分力の変動がより大きくなることがあり、外輪がより大きく軸方向に往復運動させれることもある。そこで、外輪の軸方向の位置変動を防止するため、ストッパとして機能する何らかの係止部材をカム軸に固定して設け、その係止部材に外輪の軸方向端部を当接させて、外輪の軸方向の位置変動を規制することが行われている。
ところが、上記係止部材を設けるような場合、外輪の端部が、係止部材に対して当接,離間を繰り返すことで、当接音、つまり、打撃音が発生することがある。また、上記軸方向成分力の周期的な変動により、係止部材が受ける力も周期的に変動するため、カム軸自体が軸方向に周期的に変動する力を受け、プランジャポンプが振動するといった現象が生じることもある。この振動が共振的なものである場合は、大きな振動となってしまう。そのような、当接音,振動等は、プランジャポンプの静粛性を阻害するものであるため抑制することが望まれている。特に、車両用ブレーキシステムに用いられるプランジャポンプの場合、走行の快適性を害する要因となるため、プランジャポンプの動作の静粛性は、強く要望されている。本発明は、そのような事情を考慮してなされたものであり、静粛性の高いプランジャポンプを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明のプランジャポンプは、(A)ハウジングと、(B)偏心部を有して前記ハウジングに回転可能に保持されたカム軸と、前記偏心部に外嵌されたベアリングとを備えた偏心カムと、(C)軸線が前記カム軸の軸線に対して直交する向きに前記ハウジングに設けられたシリンダと、先端部が前記ベアリングの外輪と係合する状態で前記シリンダに保持されたプランジャピストンとを備え、前記カム軸の回転よる前記プランジャピストンの往復運動によって流体を加圧するシリンダ装置と、(D)前記ベアリングの外輪と前記プランジャピストンの先端部との係合箇所において設けられ、その外輪の前記カム軸の軸線方向の位置変動を規制する外輪位置変動規制機構とを含むプランジャポンプであって、前記外輪の外周面が鼓形状の面とされ、その外輪の外周面と前記プランジャピストンの先端部とが係合させられて前記外輪と前記プランジャピストンとの前記軸線方向の相対位置の変動が規制される構造とされたことによって、前記前記外輪位置変動規制機構が構成されたことを特徴とする。
本発明によれば、ピストンと外輪との係合箇所において外輪の軸方向の移動が抑制される。そのため、例えば、ストッパとして機能する何らかの係止部材を設け、その係止部材に外輪の軸方向端部を当接させて外輪の軸方向位置を規制する必要がない。その結果、例えば、その係止部材と外輪との当接に起因する打撃音、外輪からの力が係止部材に作用することに起因する振動等の発生を防止することが可能となり、本発明によれば、静粛性に優れたプランジャポンプが実現する。なお、本発明のプランジャポンプの具体的ないくつかの態様およびそれらの作用,効果については、下記〔発明の態様〕の項において、詳しく説明する。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。本願発明を含む概念である。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項ないし(3)項を合わせたものが請求項1に相当し、請求項1に(5)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項2に、請求項2に(6)項の技術的特徴を付加したものが請求項3に、請求項3に(7)項に記載された技術的特徴を付加したものが請求項4に、請求項1ないし請求項4のいずれかに(8)項の技術的特徴を付加したものが請求項5に、それぞれ相当する。

(1)ハウジングと、
偏心部を有して前記ハウジングに回転可能に保持されたカム軸と、前記偏心部に外嵌されたベアリングとを備えた偏心カムと、
軸線が前記カム軸の軸線に対して直交する向きに前記ハウジングに設けられたシリンダと、先端部が前記ベアリングの外輪と係合する状態で前記シリンダに保持されたプランジャピストンとを備え、前記カム軸の回転よる前記プランジャピストンの往復運動によって流体を加圧するシリンダ装置と
を含んで構成されたプランジャポンプであって、
前記ベアリングの外輪と前記プランジャピストンの先端部との係合箇所において、その外輪の前記カム軸の軸線方向の位置変動を規制する外輪位置変動規制機構が設けられたことを特徴とするプランジャポンプ。
本項に記載の態様は、プランジャピストンの先端部とそれが係合するベアリングの外輪との係合箇所に、外輪の移動を抑制する手段を設けた態様である。例えば、それぞれの係合する部分の形状を調整する等して、外輪の移動を抑制するあるいは防止するような態様が含まれる。より具体的な態様に関しては、後の項において詳しく説明する。
本項の態様によれば、ストッパとして機能する何らかの係止部材を設け、その係止部材に外輪の軸方向端部を当接させて外輪の位置変動を規制する必要がない。その結果、係止部材と外輪との当接に起因する当接音、つまり打撃音の発生を防止することができ、また、周期変動する外輪を軸方向に移動させる力が係止部材に作用することに起因するプランジャポンプの振動を防止することが可能となる。ここに掲げた当接音,振動の発生原因は一例であるが、本項の態様のプランジャポンプでは、ピストンと外輪との係合箇所において外輪の軸線方向の位置変動を規制する手段を設けたことで、各種の打撃音,振動等に関する発生要因を減少させることが可能であり、そのことにより、静粛性に優れたポンプが実現するのである。
(2)前記外輪の外周に設けられた傾斜面と前記プランジャピストンの先端部とが係合させられて前記外輪と前記プランジャピストンとの前記軸線方向の相対位置の変動が規制される構造とされたことによって、前記外輪位置変動規制機構が構成された(1)項に記載のプランジャポンプ。
本項に記載の態様は、カム軸の偏心部の軸線を含む断面形状(以下、外輪の断面に関して、「軸方向断面形状」という場合がある)において、外周面がその軸線に対して傾斜する部分を有するような形状の外輪とし、その傾斜する部分にピストンの先端部を当接可能とすることにより、ピストンと外輪との相対移動を抑制する態様である。外輪とピストンとが外輪の軸線方向にずれる場合に、傾斜面の作用により、外輪とピストンとの位置ずれを是正する力が働き、ピストンと外輪との相対位置関係は維持されることになる。より具体的に言えば、例えば、軸方向断面形状においてV字状,U字状,円弧状等に凹むような外周形状を有する外輪とし、その凹みの部分においてピストンと係合させるような態様である。ピストンがその凹みと係合することにより、外輪は、ピストンに対して、所定の位置に位置させられることになる。その結果、外輪の軸線方向における位置変動が、効果的に抑制されることになる。
(3)前記外輪の外周面が鼓形状の面とされた(2)項に記載のプランジャポンプ。
本項に記載の態様は、外輪の外周面の形状を具体的なものに限定した態様である。外輪の外周面を鼓形の形状とすれば、軸方向における両方の向きの外輪の位置変動を効果的に規制することが可能である。
(4)前記プランジャピストンの先端部において前記外輪の外周面と接する部分が、曲面に形成された(3)項に記載のプランジャポンプ。
本項の態様によれば、曲面を外輪の外周面に接した状態で、ピストンが外輪と係合する。そのため、ピストンの往復運動に応じて、外輪の外周面とピストンの先端部との係合点が移動するような場合に、その移動がスムーズに行われることになり、ピストンの円滑な動作が担保される。
(5)前記プランジャピストンの先端部が凸球面とされるとともに、前記外輪の外周面が、曲率半径が前記凸球面の曲率半径より大きい鼓形状の面とされた(3)項または(4)項に記載のプランジャポンプ。
本項の態様は、極端に言えば、外輪の外周面とピストンの先端部とが1点で接触して係合する態様である。換言すれば、軸方向断面において、大きな円弧に小さな円弧が内接するような係合状態となる。極端に言えば、外輪の外周面の最も凹んだ部分が係合点となり、その状態を維持するように外輪とピストンとの相対位置が規定されることになる。相対位置を規定する作用が過度に大きなものとなる場合、ピストンを抉るような力(ピストンの軸線を傾斜させるような力)がピストンに加わることになるが、本態様によれば、上記相対位置を規定する作用が適度なものとなるため、ピストンを抉るような力は比較的小さなものとなり、シリンダ装置への負担を小さくすることができる。
(6)前記外輪の外周面が、曲率半径が前記プランジャピストンの先端部の曲率半径の2倍以上5倍以下である鼓形状の面とされた(5)項に記載のプランジャポンプ。
(7)前記外輪の外周面が、曲率半径が100mm以上500mm以下の曲率半径を有する鼓形状の面とされ、かつ、前記プランジャピストンの先端部が、曲率半径が40mm以上100mm以下の凸球面とされた(6)項に記載のプランジャポンプ。
上記2つの項に記載の態様は、外輪の軸方向断面形状およびピストンの先端部の形状ををより具体化した態様である。上記範囲において、外輪の外周面を鼓形状の面とし、ピストンの先端部を凸球面とすれば、より静粛性の良好なプランジャポンプが実現する。
(8)当該プランジャポンプが、車両用液圧ブレーキシステムを構成してブレーキ液を加圧する液圧ポンプである(1)項ないし(7)項のいずれかに記載のプランジャポンプ。
先に説明したように、ブレーキシステムを構成するポンプの異音,振動は、車両の走行の快適性を阻害する。そのため、本項に記載の態様のように、静粛性の高い上記態様のプランジャポンプをブレーキシステムの液圧ポンプとして採用すれば、車両の性能を向上させることが可能となる。
以下、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
図1に、本発明の実施例であるプランジャポンプが内蔵されたブレーキアクチュエータを示す。アクチュエータ10は、車両用液圧ブレーキシステムを構成するものであり、アクチュエータブロック12、ブロック12の外部に固定して設けられたポンプモータ14(電動モータである)およびアキュムレータ16、リザーバからのインレット18等を含んで構成されている。ブロック12は、内部に本発明の実施例であるプランジャポンプ、電磁液圧弁等が組み込まれ、また、内部にそれらを繋ぐ状態でブレーキ液の液通路が形成された構造のものとなっている。また、ブロック12には、マスタシリンダに接続される2つのマスタ側ポート20、4つの車輪の各々に設けられたホイールシリンダに接続される4つのホイール側ポート22が設けられている。プランジャポンプは、図に示すブロック12の上半分の部分に組み込まれてており、ポンプモータ14によって駆動される。
図2に、ブレーキアクチュエータ10のプランジャポンプが組み込まれた部分の断面図を示す。プランジャポンプ30は、アクチュエータブロックのハウジング32の一部を自身のハウジングとし、そのハウジング32内に、2つのシリンダ装置34と偏心カム36とが組み込まれて構成されている。以下に、プランジャポンプ30を説明するが、それの主要構成は既に良く知られたものであるため、その説明は簡単なものに留める。
2つのシリンダ装置34は、ハウジング32を図において上下に貫通するシリンダ装置配設穴37に組み込まれ、偏心カム36を挟んで設けられている。それぞれのシリンダ装置34は、概ね有底円筒状に形成されたシリンダ40と、シリンダ40内に嵌挿されて往復運動可能に設けられたプランジャピストン42と、シリンダ40をピストン42とは反対側から支持してハウジング32に固定する支持体44とを含んで構成されている。ピストン42の後端部とシリンダ40の底部との間には、スプリング46が設けられており、そのスプリング46により、ピストン42はシリンダ40から突出する方向に付勢されている。ピストン42には、先端付近の外周と後端とを繋ぐ状態の液通路48が、また、シリンダ40の底部には、底部壁を貫通してもう1つの液通路50が、それぞれ設けられている。ピストン42の後端には、弁子としてのボール52が、弁座としての液通路48の開口部に係合する状態で配設され、また、シリンダ40の後端には、もう1つの弁子としてのボール54が、弁座としての液通路50の開口部にスプリング56によって押付けられる状態で配設されている。シリンダ40の前方の空間は低圧のブレーキ液が充満する低圧液室とされ、ピストン42が往復運動させられることによって、その低圧液室のブレーキ液は、加圧されつつ、液通路48,50を通ってシリンダ40の後方の空間に吐出される。この空間は高圧液室とされ、電磁式液圧弁に通じる液通路に通じている。
偏心カム36は、カム軸60を主体とするものである。カム軸60は3段の段付形状をなす軸とされている。両端の外径の細い小径部において、シリンダ装置配設穴37に交差してハウジング32に形成された軸配設穴61に、ラジアル玉軸受である2つのボールベアリング62を介して回転可能に保持されている。カム軸60の大径部は、小径部およびそれと大径部との間に存在する中径部に対して偏心する偏心部64とされている。偏心部64の外周には、ベアリング66が嵌められている。偏心部64に外嵌されたベアリング66は、ラジアルころ軸受であり、リテーナ(保持器)68に保持されて偏心部62の外周に接して転がるように配設された複数のニードル70と、それらニードル70に接してそれらの外側において回転する外輪(アウターレース)72とを含んで構成されている。ベアリング66は内輪(インナーレース)を有しておらず、偏心部64の外周部分が内輪としての機能を有するものとされている。カム軸60の2つの中径部には、内周と外周とが偏心する環状のバランサ74,76がカム軸60に対して回転不能に嵌められている。このバランサ74,76は、偏心部62による重心の偏りを調整し、カム軸60の回転による振動を抑制する役割を果たしている。
バランサ74,76は、偏心部64とボールベアリング62の内輪とによって挟持されているが、ボールベアリング62の外輪とは接しない状態とされている。一方のボールベアリング62の外輪と軸配設61の底部との間には、支持リング78が介装されている。また、もう一方のボールベアリング62の軸端側には、シール80が配設されている。そのベアリング62の外輪とシール80との間には、もう1つの支持リング82が介装されている。支持リング78からシール80までの並設されている各部品は、軸配設穴61の底部と、ポンプモータ14の支持板84とに挟持されており、カム軸60は、軸方向に移動しないようにされている。カム軸60のモータ14側に延び出す方の端部は、連結部86とされており、モータ14の出力軸の先端に設けられた係合部88を係合させることで、モータ14に連結されている。モータ14を回転させれば、カム軸60は、自身の軸線回りに回転する。
2つのシリンダ装置34の各々のプランジャピストン42は、その先端部においてベアリング66の外輪72と係合している。ポンプモータ14の回転によってカム軸60が回転させられれば、偏心部64が偏心回転させられることで、ピストン42が往復運動させられる。それによって、ブレーキ液が加圧されることになる。なお、ピストン42の先端部が係合するベアリング66の外輪72は、その軸線方向の長さが2つのバランサ74,76の間隔より短くされており、正規の位置に位置させられる場合には、両端部の各々とバランサ74,76との間に隙間が存在するようにされている(解りやすくするために、図2では、隙間を誇張して示している)。また、外輪72は、ニードル70との間において軸方向の相対移動が許容されており、軸配設穴61内はブレーキ液が充満していることで、比較的小さな力によってカム軸60の軸線方向に位置変動可能とされている。
図3に、プランジャピストン42の先端部とベアリング66の外輪72の外周面との係合箇所を、カム軸60の偏心部64の中心軸線を含む断面において、拡大して示す。ピストン42の先端部は、凸球面に形成され、外輪72の外周面は、断面形状が円弧となる鼓形の面に形成されている。凸球面の曲率半径Rpは40mm以上100mm以下と、鼓形面の曲率半径Rcは、100mm以上500mm以下とされ、かつ、曲率半径比(Rc/Rp)は、2倍以上5倍以下となるようにされている。ちなみに、外輪の幅は15mm程度であるが、説明の都合上、図では、曲率を誇張して示している。
シリンダ装置34の軸線、つまり、ピストン42の軸線Lpと、カム軸60の軸線、つまり、外輪72の軸線Lcとは、設計上、直角に交差するようにされている。また、プランジャピストン42の先端部と外輪72の外周面とは、1点で係合するものとされている。そのため、極端に言えば、係合点Pは、ピストン42先端部の最も突出した部分と、外輪72の外周面の最も凹んだ部分とが接する点となっている。なお、ピストン42は、ブレーキ液の圧縮反力を受け、軸線Lpに直角な方向に、所定の押圧力Fで外輪42を押圧している。
図3に示す状態において、仮に、外輪72が軸線Lc方向にずれた場合を考える。この場合を示す図が、図4である。図4から解るように、係合点Pは、外輪72の軸線方向に移動し、プランジャピストン42の先端部は、外輪72の外周面の軸線Lcから傾斜した面で係合することになる。この場合、押圧力Fに依拠する軸線Lc方向の成分力Fcが発生し、外輪72は、ピストン42に対して軸線Lc方向に相対移動させられる力を受け、外輪72は、元の位置に戻されるのである。つまり、極端に言えば、係合点Pが外輪72の最も凹んだ部分となるように、ピストン42と外輪との相対位置関係が維持されるのである。本実施例のプランジャポンプ30では、その作用(相対位置関係維持作用)により、外輪72とピストン42との相対位置が規定されるのである。したがって、図3に示すように、カム軸60が回転してピストン42が往復運動する場合、係合点Pが軸線Lc方向には移動せず、外輪72は、軸線Lc方向には移動しない状態となる。
次に、プランジャピストン42の軸線Lpと外輪72の軸線Lcとの交差角が直角でない場合を考える。プランジャポンプ30の各構成部品の製造誤差等の関係で、実際の製品では、そのようなことが起こり得る。この状態を、誇張して示すのが、図5である。この図から解るように、その場合、ピストン42は、傾いた状態で往復運動する。そのため、係合点Pは、軸線Lc方向に移動する。しかしその場合でも、上記相対位置関係維持作用により、外輪72とピストン42との相対位置が規定され、係合点Pの移動に伴って、所定範囲において軸線Lc方向に移動させられることになる。なお、この説明においては、説明を解りやすくするため、各部材間に働く摩擦力等を無視して単純化している。
つまり、本実施例のプランジャポンプ30では、外輪72の外周面が鼓形の面とされており、プランジャピストン42に対して外輪72がずれるような場合に、ピストン42の先端部は、傾斜面と係合する。その傾斜面との係合により、上記相対位置関係維持作用が発揮され、ピストン42と外輪72との相対位置関係が維持される。その結果として、外輪72の軸線Lc方向の位置変動が規制されることになるのである。すなわち、本実施例のプランジャポンプ30では、ベアリング66の外輪72とプランジャピストン42の先端部との係合箇所において、外輪位置変動規制機構が設けられているのである。
本実施例のプランジャポンプ30では、上記外輪位置変動規制機構を設けているため、ベアリング66の外輪72の軸方向の位置変動を、外輪72の端部において規制する必要がない。そのことに依拠して、前述したように、外輪72とバランサ74,76との間に隙間を存在させているのである。その結果、外輪72がバランサ74,76に当接することがなく、そのことに起因する当接音が防止されている。また、外輪72を軸方向へ移動させる力がバランサ74,76からカム軸60へ伝達されず、その軸方向の力の周期的な変動に起因する振動が抑制されている。したがって、本実施例のプランジャポンプ30は、静粛性に優れたポンプとなっている。
ピストン42の先端部を凸球面とし、外輪72の外周面をそれより曲率の大きな鼓形面としているが、本実施例のプランジャポンプでは、他の形状を採用し得る。図6に、採用し得るピストン42の先端部および外輪72の外周面の形状のいくつかの態様を例示する。図6(a)は、外輪72の外周面を、比較的大きな曲率半径を有する鼓形の面とし、その面に対して、ピストン42の先端部の外周部分の2箇所において係合させた態様である。図6(b)は、外輪72の外周面を、断面がV字状をなす鼓形の面とし、その面に対して、ピストン42の先端部の外周部分の2箇所において係合させた態様である。図6(c)は、ピストン42の先端部を凸球面とするとともに外輪72に溝を設け、凸球面の先端を溝の底部に係合させるとともに、溝の両端面の各々をピストン42の外周面に係合させた態様である。ここに掲げた態様は、いずれも、上記相対位置関係維持作用を発揮するものとされている。なお、上記各種の態様は、先に説明したものと比較して、ピストン42と外輪72の軸方向における相対位置を規定する能力が高くされている。つまり、ピストン42と外輪72とがずれ難くされているのである。
本実施例のプランジャポンプ30では、シリンダ装置34は2つ設けられ、2つのプランジャピストン42が、外輪72の軸線を挟んで互いに反対側となる2箇所において係合しており、上記相対位置関係維持作用は、2箇所において発揮される。そのため、一方の箇所におけるピストン42と外輪72との相対位置関係は、他方の箇所におけるそれの影響を受けることになる。ここに挙げた理由は1つの理由ではあるが、実際上、各々の係合箇所において、外輪72の軸方向位置を規定する能力が高すぎる場合は、ピストン42を抉る力が大きく作用し、シリンダ装置34への負担が大きく、また、その力に起因する振動等が発生する可能性もある。したがって、上記相対位置関係維持作用は、適度なものであることが望ましいのである。先に説明した態様、つまり、ピストン42の先端部が凸球面とされ、外輪72の外周面が凸球面より大きな曲率半径の鼓形の面とされた態様は、1つの係合点において曲面どうしが係合している等の理由により、適度な位置規制能力を発揮するものとなっている。そのことから、先に説明した態様を採用すれば、シリンダ装置34の負担が小さく、静粛性により優れたプランジャポンプが実現する。
本発明の実施例であるプランジャポンプが内蔵されたブレーキアクチュエータを示す斜視図である。 図1のブレーキアクチュエータの断面図であって、本発明の実施例としてのプランジャポンプが組み込まれた部分を示す断面図である。 実施例のプランジャポンプにおけるプランジャピストンと偏心カムとの係合箇所を拡大して示す模式図である。 図3に示す状態から偏心カムを構成するベアリングの外輪が軸方向に移動する状態を示す模式図である。 シリンダ装置の軸線と偏心カムの軸線とが直角になっていない場合におけるプランジャピストンと偏心カムとの係合箇所を拡大して示す模式図である。 実施例のプランジャポンプにおいて採用し得るプランジャピストンと偏心カムとの係合構造を示す模式図である。
符号の説明
10:ブレーキアクチュエータ 14:ポンプモータ 30:プランジャポンプ 32:ハウジング 34:シリンダ装置 36:偏心カム 40:シリンダ 42:プランジャピストン 60:カム軸 64:偏心部 66:ベアリング 72:外輪 74:バランサ 76:バランサ

Claims (5)

  1. ハウジングと、
    偏心部を有して前記ハウジングに回転可能に保持されたカム軸と、前記偏心部に外嵌されたベアリングとを備えた偏心カムと、
    軸線が前記カム軸の軸線に対して直交する向きに前記ハウジングに設けられたシリンダと、先端部が前記ベアリングの外輪と係合する状態で前記シリンダに保持されたプランジャピストンとを備え、前記カム軸の回転よる前記プランジャピストンの往復運動によって流体を加圧するシリンダ装置と
    記ベアリングの外輪と前記プランジャピストンの先端部との係合箇所において設けられ、その外輪の前記カム軸の軸線方向の位置変動を規制する外輪位置変動規制機構
    を含むプランジャポンプであって、
    前記外輪の外周面が鼓形状の面とされ、その外輪の外周面と前記プランジャピストンの先端部とが係合させられて前記外輪と前記プランジャピストンとの前記軸線方向の相対位置の変動が規制される構造とされたことによって、前記前記外輪位置変動規制機構が構成されたことを特徴とするプランジャポンプ。
  2. 前記プランジャピストンの先端部が凸球面とされるとともに、前記外輪の外周面が、曲率半径が前記凸球面の曲率半径より大きい鼓形状の面とされた請求項1に記載のプランジャポンプ。
  3. 前記外輪の外周面が、曲率半径が前記プランジャピストンの先端部の曲率半径の2倍以上5倍以下である鼓形状の面とされた請求項2に記載のプランジャポンプ。
  4. 前記外輪の外周面が、曲率半径が100mm以上500mm以下の曲率半径を有する鼓形状の面とされ、かつ、前記プランジャピストンの先端部が、曲率半径が40mm以上100mm以下の凸球面とされた請求項3に記載のプランジャポンプ。
  5. 当該プランジャポンプが、車両用液圧ブレーキシステムを構成してブレーキ液を加圧する液圧ポンプである請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のプランジャポンプ。
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