JP4357959B2 - 大腿骨切除平面の位置を定めるガイド - Google Patents

大腿骨切除平面の位置を定めるガイド Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、人工膝関節の大腿骨部品を植え込むことができるよう膝関節の大腿骨顆の前処理を行うために脛骨上の基準面に対する膝関節の大腿骨を切除するための平面の位置を決定する際に用いられるガイドに関する。
患者の骨の正確な切除は、人工関節を植え込むための手術において成功を得る上で極めて重要である。切除平面の位置を正確に設定する必要があり、一般に、除去される骨の量を最小限に抑え、他方、血管のある骨組織を全て確実に除去することが望ましい。解剖学的軸線に対する切除平面の向きも又、関節運動の全範囲を通じて、外科手術後における関節の関節面の位置合わせを確保するよう正確に制御されなければならない。
人工膝関節の植込みのための大腿骨の切除は、各大腿骨顆の周りで互いに隣接して配置された少なくとも2つの平面に関して行われる。一般に、脛骨のための切除平面の位置を最初に決定し、次に、一般に脛骨の切除後、大腿骨切除平面の位置を脛骨切除平面に対して決定する。膝関節における脛骨切除平面の正確な位置は一般に、位置合わせガイドを用いて達成され、この位置合わせガイドは、足関節の近くで脛骨に遠位側で締結できる位置合わせロッドを有する。このロッドは、脛骨の軸線に平行に脛骨に沿って延びる。次に、切除平面を、位置合わせガイドに取り付け可能な切断ブロックを用いて脛骨軸線に対して定めることができる。
脛骨切除平面に対する大腿骨切除平面の位置は、用いられるべきインプラント部品の寸法形状を含む要因で決まることになる。大腿骨部品及び脛骨部品の適当な位置合わせ状態及び間隔は、膝関節の運動範囲全体にわたって維持されなければならない。これには、大腿骨部品上における前側及び後側の大腿骨切除平面の正確な位置が必要である。インプラント部品の寸法形状に加えて、これは、患者の解剖学的特徴によって影響を受ける場合がある。例えば、大腿骨切除平面の位置合わせは、内反及び外反変形の矯正を行うよう構成できる。また、植え込まれた大腿骨部品を生まれつきの大腿骨顆と整列させて大腿骨組織の最適な被覆を容易にすると共に大腿骨組織を越える部品の張出しの程度を最小限に抑えることが必要な場合がある。
大腿骨切除は、切除平面を定める表面を備えた切断ブロックを用いて行われる。切断ブロックは、切除を行う前に、例えば固定ピンをブロックに設けられた固定用穴に挿入して大腿骨に取り付けられる。切断ブロックを大腿骨に取り付けると、脛骨を参照することにより切除平面の位置及び向きを脛骨に対して制御する。
本発明は、切断ブロックを大腿骨上に位置決めするのに用いることができるガイドを提供し、このガイドは、脛骨と接触した状態で大腿骨と脛骨との間に挿入できる脚部を有し、脛骨に接触している脚部の表面は、これが全体として凸状であるよう少なくとも2つの全体として平らな部分を有している。
したがって、本発明は、一特徴において、単一コンパートメント形人工膝関節の大腿骨部品を植え込むことができるよう膝関節の大腿骨顆の前処理を行うために脛骨上の基準面に対する膝関節の大腿骨顆のうちの1つを切除するための平面の位置を決定する際に用いられるガイドであって、基準面は、大腿骨顆のうちの1つの方に向いた脛骨の領域の一部によって提供され、脛骨は、人工膝関節の脛骨部品を受け入れるよう切除され、脛骨の領域の残部は、対応関係をなす大腿骨顆と支承係合可能に元のままの状態の脛骨支承面によって提供され、ガイドは、
a.脛骨上の基準面と接触した状態で大腿骨と脛骨との間に挿入できる第1の脚部を有し、第1の脚部は、大腿骨のほうに向いた大腿骨表面及び脛骨のほうに向いた脛骨表面を有し、
b.第1の脚部を大腿骨と脛骨との間に挿入したときに大腿骨上に延びるよう第1の脚部から全体として垂直に延びた第2の脚部を有し、第2の脚部には、大腿骨上の固定用穴の位置を突き止めるための少なくとも2つの穴が形成されており、
第1の脚部は、脛骨の基準面とこれと対応関係にある大腿骨顆との間に嵌まるよう構成され、第1の脚部の脛骨表面は、脛骨表面が全体として凸状であるよう第1の脚部をその長さ方向に沿って断面で見て少なくとも2つの全体として平らな部分を有し、平らな部分相互のなす夾角は、少なくとも約165°であることを特徴とするガイドを提供する。
本発明のガイドは、これにより外科医が互いに異なる平らな部分が脛骨の基準面と接触する位置(これら位置は、互いに異なる切除平面をもたらすよう切断ブロックの互いに異なる向きに一致している)相互間でガイドを動かすことができるという利点を有している。互いに異なる向きは、大腿骨組織の最適な被覆を容易にすることができる。ガイドは又、大腿骨組織を越える部品の張出しの程度を最小限に抑えるのに役立ち、ガイドを用いると変形を矯正することができる。平らな部分を設けることにより、外科医は、ガイドはいつ切断ブロックのそれぞれの部分に相当する互いに異なる向きになったかを感じることができる。例えば、平らな部分の1つは、切除平面が解剖学的軸線に垂直である切断ブロックの位置に相当する場合があり、平らな部分のうちの別のものは、切除平面と解剖学的軸線のなす角度が例えば15°である切断ブロックの位置に相当する場合がある。
本発明のガイドは、特に単一コンパートメント形膝関節置換術に用いられるよう構成されているので患者の膝の解剖学的特徴に対して種々の向きを採用することができる。全膝関節置換術に用いられる案内ブロックとは対照的に、本発明のガイドは、脛骨と大腿骨との間に嵌まることができる単一の脚部を有し、ガイドをその脚部が基準面と接触した状態でその互いに異なる向き相互間で動かすことができる。これは、脛骨と大腿骨表面との間に嵌まる1つの脚部(又は複数の脚部)が大腿骨顆の両方を横切って延びる既存の案内ブロックでは可能ではない。
平らな部分は、完全に平らである必要はない。例えば、第1の脚部を断面で見て、平らな部分は僅かに丸くなっていてもよい。多くの用途に関し、これは好ましくないであろう。平らな部分が脛骨の平らな切除平面に装着するようになっている場合、これら部分は、できるだけ平らに近く、その表面との係合がよりしっかりしたものであるようにすることが好ましい。
切断ブロックに種々の向きをもたらす本発明のガイドの機能は、他の大腿骨顆及びこれに対応した脛骨の部分を元のままにした状態で関節コンパートメントのうちのちょうど1つへの膝プロテーゼの植込みに特に利用できる。その場合、邪魔のないコンパートメント内の支承面の位置合わせは、プロテーゼ部品上の支承面の位置合わせ不良によっては悪影響を受けないようにすることが重要である。
本発明のガイドは、脛骨の基準面とこれに対応関係にある大腿骨顆との間に嵌まるように構成されている。基準面は、その後、単一コンパートメント形人工膝関節の脛骨部品を受け入れるために、支承面を切除する脛骨の一部によって得られる。脛骨支承面の残部は、対応関係をなす大腿骨顆と支承係合できるよう実質的に(より一般的には、完全に)元のままにされる。第1の脚部の幅は、患者のサイズで決まることになろう。一般的に言って、第1の脚部の幅は、約35mm以下、好ましくは約30mm以下、特に好ましくは約25mm以下になろう。第1の脚部の幅は一般に、少なくとも約10mm、好ましくは少なくとも約15mmであろう。第1の脚部の幅は、脚部の長さに沿って様々な場合があり、例えば、脚部は、その長さに沿ってテーパしている場合がある。この場合、脚部の幅について上述の寸法は、平均幅となろう。脚部の平均幅を計算する場合、局所的なばらつき(例えば、局所的な膨らみ又は凹み)は無視される。
第1の脚部の平らな部分の各々の幅(それぞれの平らな部分の平面で測定して)の各々は、約15mm以下、好ましくは約10mm以下、特に好ましくは約8mm以下であろう。
第1の脚部は一般に、一体構造によって提供されることになろう。しかしながら、脚部にはその長さに沿ってスリットが設けられていてもよい。一般に、かかるスリットは、第1の脚部全体が脛骨上の基準面と大腿骨顆のうちの1つとの間に嵌まることができるようにするような幅のものであろう。
好ましくは、平らな部分のうちの1つによって定められる平面は全体として、第2の脚部によって定められた軸線に垂直である。次に、第2の脚部の軸線を解剖学的軸線に整列させるのがよく、これは、切断平面が解剖学的軸線に垂直であるよう切断ブロックを位置決めすることができる。第2の脚部を解剖学的軸線と整列させてこの解剖学的軸線に垂直な切除平面の位置を突き止める構成は、外科医にとって使用しやすいという利点を有している。
好ましくは、脛骨表面は、脛骨表面が全体として凸状であるよう第1の脚部をその長さ方向に沿って断面で見て3つの全体として平らな部分を有し、隣り合う平らな部分の各対相互のなす夾角は、少なくとも約165°である。好ましくは、隣り合う平らな部分の対相互間のなす夾角は、同一である。
1対の隣り合う平らな部分相互間の夾角は165°であるのがよく、これにより、脛骨表面の平らな部分が脛骨上の基準面と接触する切断ブロックの向き相互間(したがって、切除平面相互間)に15°の違いをもたらすことができる。切断ブロックの向き相互間のこれよりも小さな差、例えば10°をもたらすには大きな夾角、例えば170°の夾角のガイドを用いるのがよい。
ガイドを用いると、後で切断ブロックを大腿骨に固定できるよう大腿骨を前処理することができる。例えば、ガイドには、切断ブロックのための大腿骨に設けられた固定用穴の位置を突き止めるために用いることができる穴を形成することができる。これは、案内ブロックの穴を通って固定用穴を大腿骨に穴開けすることにより達成できる。これらの穴は、切断ブロックを大腿骨に締結できるようにする固定ピンを受け入れることができる(固定ピンは、ねじの形態でねじ込まれる)。また、ガイドを用いると、人工膝関節の大腿骨部品に設けられた突出部のための穴の位置を突き止めることができる。
したがって、本発明は別の特徴では、上述した種類のガイドと、大腿骨に締結できる切断ブロックとを有するキットであって、切断ブロックには、大腿骨の切除中、のこ刃を案内するための少なくとも1つのスロットが形成されており、切断ブロックは、ガイドを用いて定められる大腿骨上の場所で固定用穴に入り込むことができる定位ピンを有していることを特徴とするキットを提供する。定位ピンを、切断ブロックとは別個に設けるのがよく、或いは、これら定位ピンをブロックに締結されるようブロックと一体に設けてもよい。
変形例として、ガイドの第2の脚部それ自体には、大腿骨の切除中、のこ刃を案内するための少なくとも1つのスロットを設けるのがよく、したがってガイドそれ自体が切断ブロックとして機能できるようになる。この場合、ガイドに設けた穴を用いると、例えばピン(これは、ねじ山が設けられてねじの形態をしている場合がある)を上記の穴に挿入することによりガイドを大腿骨に締結することができる。本発明のガイドは、特に後方からの切除を行うよう大腿骨を前処理する場合に利用できる。ガイドを用いると、膝を曲げている間に後方切除のための平面の位置を突き止めることができ、それによりガイドの第1の脚部を大腿骨支承面の後側部分と脛骨の基準面との間に配置することができ、しかもガイドの第2の脚部が大腿骨支承面の前側部分に向かって延びるようにすることができる。後方からのカットを入れた後、人工大腿骨部品を嵌めることができるよう追加のカットを入れることができる。これら追加のカットは、面取りカットと呼ばれる場合が多く、後側面取りカットを膝を約90°曲げた時に脛骨に向いた後側カットの後方に配置するのがよく、前側面取りカットを後側カットと前側カットとの間に配置するのがよい。面取りカットの位置を突き止めるのを助ける切断ブロックを多数の案内スロットを設けることにより後側カットの位置を突き止めるために用いられる切断ブロックと組み合わせるのがよい。変形例として、1以上の追加の切断ブロックを用いてもよい。後側カット切断ブロックのための固定箇所の位置を突き止めるために用いられるガイドは又、各面取り切断ブロックの固定箇所の位置を突き止めるために用いることもできる。
ガイドは一般に、金属、例えば外科用器具の製造に通常用いられている金属から作られる。
次に、本発明の実施形態を添付の図面を参照して例示として説明する。
図面を参照すると、図1は、第1の脚部4及び第2の脚部6を有するガイド2を示している図である。これら脚部は、互いにほぼ垂直に配置されている。
第1の脚部4の下面8は、これをその長さ方向に沿って断面で見て3つの平らな部分を有している。中央部分10は、第1の脚部の反対側の表面に対し全体として平行である。第1の脚部の反対側の縁部に沿って延びる縁部分12,14(これらの間に中央部分が位置している)はそれぞれ、各縁部分と中央部分のなす夾角が170°であるように配置されている。したがって、下面は、第1の脚部を断面で見ると全体として凸状の形をしている。
第2の脚部6には固定用穴20が形成されており、使用中、第2の脚部を押し付ける骨に穴を作るためにドリル又は他のマーカをこの固定用穴20に通すことができる。
図1に示す実施形態では、ガイドは、ガイドを外科手術中、操作のために掴むことができる第3の脚部22を有している。第3の脚部には、操作器具に係合する孔24が設けられている。
図1に示すガイドを用いると、大腿骨上に切断ガイドを位置決めして大腿骨顆の後側部分に適した切除平面の位置を突き止めることができる。膝関節置換術のこの部分は、一般に、脛骨の切除後であって大腿骨顆の前側部分の切除後に行われる。脛骨切除平面の位置決定を、例えば本願と同日に出願された米国特許出願(発明の名称:Tibial resection guide)(代理人事件番号:P11654)に開示されている切除ガイドを用いて実施できる。かかる出願明細書に開示された発明内容を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。
図2を参照すると、大腿骨顆31の前側カット30が、切除される脛骨と大腿骨との間に挿入できる前側切断ガイドを用いて脛骨33が切除される平面32に対して入れられており、前側切断ガイドの厚さは、植え込まれるべきプロテーゼ部品の厚さと関連している。前側切断ガイドは、切断ブロックを大腿骨上に位置決めするのに用いられ、この切断ブロックには、のこ刃を受け入れるスロットが設けられている。前側切断ガイドは、膝関節を伸ばした状態でこのように用いられる。
本発明のガイドは、後側カットのための平面34を定める切断ブロックを位置決めするために用いられる。その後、前側及び後側面取りカットのための平面36,38を定める切断ブロックを大腿骨に固定し、その切断ブロックの位置も又、本発明のガイドを用いて決定できる。
図3を参照すると、本発明のガイド2は、膝関節を曲げた状態で位置決め器具37を用いて脛骨の切除平面32上に位置決めされている。ガイドの第1の脚部は、下面8が切除平面上で脛骨と接触し、第1の脚部の反対側の表面が大腿骨顆の後側部分の付近で大腿骨に差し向けられた状態で切除平面32上に位置決めされている。図示のように、ガイドの第1の脚部の下面の縁部分14のうちの1つは、脛骨と接触状態にあり、第2の脚部が垂直に対して傾けられた脛骨切除平面32から延びている。脛骨切除平面は全体として、解剖学的軸線に垂直に延びる。これとは異なり、第1の脚部の下面の中央部分が脛骨と接触状態にある場合、第2の脚部は、解剖学的軸線にほぼ平行に、脛骨切除平面に全体として垂直に延びることになる。
ガイドの第1の脚部の厚さは、人工関節部品を受け入れるよう切除された脛骨と大腿骨との間に必要な最大空間に応じて選択される。外科医が例えば骨のサイズが小さいため又は骨組織の状態が良好なために切除するのに必要な骨の量が少ないように切除される骨相互間の間隔が僅かしか必要でないと判断した場合、スペーサ34を第1の脚部が大腿骨と脛骨との間に位置した状態で位置決めするのがよい。本発明のガイドは、例えば或る範囲の厚さの複数のかかるスペーサを有するのがよい。適当なスペーサの厚さは、1mm、2mm、3mm及び4mmである。かかるスペーサを第1の脚部が大腿骨と脛骨との間に位置した状態で位置決めする場合、切断ブロックを大腿骨支承面の近くに配置し、これは切除される骨が少ないことを意味している。
外科医は、本発明のガイドを用いて例えば患者の関節の大腿骨顆の幾何学的形状に応じて人工膝関節の大腿骨部品の所望の向きを選択することができる。これは、関節動作全体を通じ両方の支承面の最適な幾何学的形状を維持するのに役立ちうる。大腿骨部品の向きを選択するのに、ガイドを動かして第1の脚部の下面8の中央部分10が脛骨に接触するようにしないで、縁部分12,14のうち一方が接触するようにするのがよい。これは、切断ブロックの10°の運動(及びかくして、後側切除平面の運動)に相当している。外科医は、中程度の運動が適当であると考え、運動の限度(0°〜10°)を用いて特定の患者に適した運動の度合いを評価するのがよい。
第1の表面上におけるガイドの向きを確立すると、固定用穴20を介して穴を大腿骨に開ける。次に、切断ブロックを穴を利用して大腿骨に固定することができる。穴の位置は、のこ刃を案内するスロットが設けられている切断ブロックの位置が所望の切除平面をもたらすのに適するようなものである。
大腿骨部品に関する共通の設計では、図3に示す4つのカットが必要である。これらは、(1)前側カット30、(2)後側カット34、(3)後側面取り36及び(4)前側面取り38の順序で行われる。本発明のガイドを用いると、カット(2)〜(4)の位置を定めるのに用いることができる1以上の切断ブロックの位置決めのために利用できる。また、かかるガイドは、例えば生まれつき備わった大腿骨組織中に侵入する突出部(既存の人工膝関節の大腿骨部品で知られている「大腿骨突出部」)を受け入れる穴を開けるためのガイドの位置決定のような手技の他の段階で用いられるガイドの位置を定めることができる。
本発明のガイドの等角図である。 M−L軸線に沿って見た脛骨及び大腿骨の概略断面図である。 本発明のガイドを大腿骨と脛骨との間に位置決めした状態で患者の曲がった状態にある膝を示す図である。

Claims (10)

  1. 単一コンパートメント形人工膝関節の大腿骨部品を植え込むことができるよう膝関節の大腿骨顆の前処理を行うために脛骨上の基準面に対する膝関節の大腿骨顆のうちの1つを切除するための平面の位置を決定する際に用いられるガイドであって、基準面は、大腿骨顆のうちの1つの方に向いた脛骨の領域の一部によって提供され、脛骨は、人工膝関節の脛骨部品を受け入れるよう切除され、脛骨の領域の残部は、対応関係をなす大腿骨顆と支承係合可能に元のままの状態の脛骨支承面によって提供され、ガイドは、
    a.脛骨上の基準面と接触した状態で大腿骨と脛骨との間に挿入できる第1の脚部を有し、第1の脚部は、大腿骨のほうに向いた大腿骨表面及び脛骨のほうに向いた脛骨表面を有し、
    b.第1の脚部を大腿骨と脛骨との間に挿入したときに大腿骨上に延びるよう第1の脚部から全体として垂直に延びた第2の脚部を有し、第2の脚部には、大腿骨上の固定用穴の位置を突き止めるための少なくとも2つの穴が形成されており、
    第1の脚部は、脛骨の基準面とこれと対応関係にある大腿骨顆との間に嵌まるよう構成され、第1の脚部の脛骨表面は、脛骨表面が全体として凸状であるよう第1の脚部をその長さ方向に沿って断面で見て少なくとも2つの全体として平らな部分を有し、平らな部分相互のなす夾角は、少なくとも165°であって、
    前記断面が、前記第1の脚部の長さ方向に対して垂直な面であることを特徴とするガイド。
  2. 平らな部分のうちの1つによって構成される平面は、第2の脚部によって定められる軸線に対し全体として垂直であることを特徴とする請求項1記載のガイド。
  3. 脛骨表面は、脛骨表面が全体として凸状であるよう第1の脚部をその長さ方向に沿って前記断面で見て3つの全体として平らな部分を有し、隣り合う平らな部分の各対相互のなす夾角は、少なくとも165°であることを特徴とする請求項1記載のガイド。
  4. 第1の脚部が脛骨が大腿骨との間に位置した状態で人工関節を受け入れるために2つの骨相互間に所望の間隔を生じさせるよう位置決めできるスペーサ要素を有していることを特徴とする請求項1記載のガイド。
  5. ガイドの第2の脚部には、大腿骨の切除中、のこ刃を案内する少なくとも1つのスロットが設けられていることを特徴とする請求項1記載のガイド。
  6. 請求項1記載のガイドと、大腿骨に締結できる切断ブロックとを有するキットであって、切断ブロックには、大腿骨の切除中、のこ刃を案内するための少なくとも1つのスロットが形成されており、切断ブロックは、ガイドを用いて定められる大腿骨上の場所で固定用穴に入り込むことができる定位ピンを有していることを特徴とするキット。
  7. 定位ピンは、切断ブロックに一体に形成されていることを特徴とする請求項6記載のキット。
  8. 定位ピンは、切断ブロックとは別個に設けられ、切断ブロックには、定位ピンを受け入れるための穴が形成されていることを特徴とする請求項6記載のキット。
  9. 切断ブロック及びガイドは、互いに連結可能な別個の部品として設けられていることを特徴とする請求項6記載のキット。
  10. 切断ブロックとガイドは、単一の部品として設けられていることを特徴とする請求項6記載のキット。
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