JP4357541B2 - 動物群dnaの検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、食品に含まれる動物群由来のDNA検出方法に関するものである。
現在までに、食品の異物検査やアレルギー検査において、PCR法によって特定の生物種の存在を検出する方法が開発されている。食品等に使用される原料は、植物性原料と動物性原料に大別されるが、動物性原料においては、BSEの問題やアレルギーの問題から使用される動物原料の動物種や意図せずに混入した特定の動物種を明らかにしたいという検査需要がある。(例えば特許文献1、2)。
これらの方法は、特定の配列のプライマーを用いたPCR法によって特定動物DNAの特定領域を増幅し、その増幅産物であるDNA断片の検出を介して当該特定動物の存在の有無を判定している。このとき、上記の判定をする前に、事前に試料中に当該特定動物DNAを網羅するような広範囲の動物群のDNAが試料中に回収できていることを確認しておくことが好ましい。
この確認は、特定動物DNAが検出されないという結果の解釈において、DNAの回収が良好であるが特定動物DNAが検出限界以下の含有量であったのか、あるいは、動物由来DNAの回収量が低かったのかという判断に役立つものである。
一般に、DNAの存在を確認するための方法としては、食品等からDNAを抽出した後、その抽出液について紫外部吸収、すなわち、260nmと280nmの紫外部吸収量よりDNAの存在や含量をある程度推定できる。回収されるDNA量が紫外部吸収で検出される場合には、この確認法も有効である。しかし、通常、その検出感度は、PCRの検出感度よりも高くない。すなわち、その検出感度未満のDNAを含む試料に対しては、有効なDNAの存在を確認する方法とはならない。さらに、紫外部吸収を測定する方法は、植物や動物等由来のDNAを区別することはできない。
そこで、特定の動物種を検出するPCR検査を実施する際に、広範囲の動物群全般に反応するような動物群DNAの検出方法が必要になる。このような検出方法が存在すれば、これによって動物群のDNAの有無を確認でき、少なくともPCR反応できるような鋳型としての動物群DNAの存在を確かめることができる。すなわち、このDNAの存在を確認した上で、目的とするアレルギー等の特定動物種のPCR検査を行えば、結果の信頼性を高めることができる。
特に、アレルギー等の検査においては、アレルギー反応自体微量の抗原の存在でも発症するため、PCR検査においてもより正確性を期すべきことが必要であり、この点でもこのような広範囲の動物群の検出方法は有用である。
また、食品製造企業等において、原材料や製品、製造工程に稀に発見されるかもしれない異物の性状や異物の発生源を明確にしたい場合がある。その異物が生物由来と考えられるとき、動物群DNA検出プライマーセットを用いるPCRによって、その異物からの被験DNA試料中に動物DNAを保有か否かを知ることができる。さらに、その増幅産物であるDNA断片のDNA配列を独自に解析し、その配列を、公的な研究機関や企業が独自に調べた配列をもとにしたパーソナルデータベースと照合することで、当該動物種を特定あるいは限定できる。
すなわち、被験DNA中に一種類の動物DNAが存在するか、一種類の動物DNAが寡占的に他の動物DNAと共に存在する場合には、その特定あるいは限定は可能となる。一般に食品等は植物原料と動物原料が複合的に使用されていることが多く、細菌や真菌も一部付着している場合がある。そのため広範囲の動物群全般を対象とする動物群DNA検出プライマーセットは、これらの植物や細菌、真菌のDNAを増幅することなく、あるいは、万一増幅したとしても、目的とする大きさとは異なる大きさのDNA断片となるように設計できればよい。
このように、細菌や真菌を除く、広範囲の動物群全般を対象とする動物群DNAの検出方法があれば、様々な利用が可能となる。このような広く動物由来のDNAを検出する方法として特開2003-265181が開示されている(特許文献3)。
本方法は、細胞中の核由来rDNAを増幅の対象とするものであり、広範囲の動物群を検出することができる方法である。しかし、核由来のDNAを検出の対象とする場合、細胞あたりのコピー数が少ないため検出感度が低い可能性がある。また、検出対象としては、哺乳類、鳥類、魚介類、昆虫、クモ類を対象とするが、水産系の異物として可能性のある節足動物のうちカニ、エビ等の甲殻類、ヒトデ等の棘皮動物や、陸上生物のミミズ等の環形動物まで検出できるかどうかは明らかではない。
特開2003−230383 特開2006−280281 特開2003−265181
そこで、本発明者らは、食品中から抽出したDNAにおいて、広範囲の動物群由来のDNAを高感度で検出することができ、また、異物として混入の可能性のある節足動物のうち、エビ、カニなどの甲殻類、棘皮動物、環形動物まで検出できるような動物群由来のDNAの検出方法を開発することを目的とした。
本発明の目的を達成するために、我々は鋭意研究を重ねた結果、真菌、植物及び動物のミトコンドリアDNA上の16S rRNA遺伝子を抽出し、比較し、広い範囲の動物群に共通するが他の生物由来DNAとは相同性が低い塩基配列部分を選定した。さらに、その選定部位からPCRによって検出できる適当な大きさの増幅されたDNA断片を得られる特定のDNA領域を決定し、その領域から目的を達成しうるようなPCR検出プライマーセットを選定後、その性能を評価した。なお、検出対象とする動物群の範囲や塩基配列の類似性を考慮して、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物を含む動物群Aを一括して検出できるプライマーセット及び、これに、環形動物を加えた環形動物、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物を含む動物群Bを一括して検出できるプライマーセットからなる2つのセットの開発を行った。
そして、本プライマーセットを用いて、PCR法によって動物群の特定領域を増幅させ、増幅されたDNA断片を、アガロースゲル電気泳動して、その電気泳動のパターンより特定のサイズのDNA断片を検出することで、動物群A由来のDNAの存在を判断することができる。また、リアルタイムPCR装置であれば、ゲル電気泳動に加えて、増幅されたDNA断片の融解曲線分析によっても、動物群A由来のDNAの存在を判断することができる。
すなわち、本願第一の発明は、
食品から抽出したDNA中に、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物からなる動物群A由来のDNAを検出するための方法であって、
食品から抽出したDNAを、
(A)配列番号1で示される塩基配列を有するプライマーと、
(B)配列番号2で示される塩基配列を有するプライマーと、
(C)配列番号3で示される塩基配列を有するプライマーと
をプライマーセットとして用いて、PCR法によって増幅させ、増幅されたDNA断片を、
(1)ゲル電気泳動して、その電気泳動のパターンにより棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物からなる動物群A由来のDNAの存在を判断するか、又は、
(2)リアルタイムPCR装置によって、融解曲線分析を行い、そのパターンより動物群A由来のDNAの存在を判断することを特徴とする棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物からなる動物群A由来のDNA検出方法である。
また、請求項1に記載の検出方法において、PCR法によって増幅されたDNA断片については、食品中より抽出したDNA中に一種類の動物DNAが存在するか、一種類の動物DNAが寡占的に他の動物DNAと共に存在する場合には、DNA断片の塩基配列を調査することで、その動物種を同定することができる。
すなわち、本願第二の発明は、
請求項1に記載のPCR法によって増幅されたDNA断片の塩基配列を解析することにより、請求項1記載の棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物からなる動物群Aのうち、その動物種を同定する方法である。
また、請求項1記載の検出法は、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物からなる動物群Aを検出する方法であるが、異物検査等においては、陸上生物であるミミズ等の環形動物が混入する場合も否定できない。そこで、アンチセンスのプライマーとして、配列番号4記載のプライマーを用いることで、これらの動物群Bを検出できるように工夫した。
すなわち、本願第三の発明は、
食品から抽出したDNA中に、環形動物、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物からなる動物群B由来のDNAを検出するための方法であって、
食品から抽出したDNAを、
(A)配列番号1で示される塩基配列を有するプライマーと、
(B)配列番号2で示される塩基配列を有するプライマーと、
(C)配列番号4で示される塩基配列を有するプライマーと
をプライマーセットとして用いて、PCR法によって増幅させ、増幅されたDNA断片を、
(1)ゲル電気泳動して、その電気泳動のパターンより環形動物、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物からなる動物群B由来のDNAの存在を判断するか、又は、
(2)リアルタイムPCR装置によって、融解曲線分析を行い、そのパターンより動物群B由来のDNAの存在を判断することを特徴とする環形動物、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物からなる動物群B動物群B由来のDNA検出方法である。
また、請求項3に記載の検出方法において、PCR法によって増幅されたDNA断片については、食品中より抽出したDNA中に一種類の動物DNAが存在するか、一種類の動物DNAが寡占的に他の動物DNAと共に存在する場合には、DNA断片の塩基配列を調査することで、その動物種を同定することができる。
すなわち、本願第四の発明は、
請求項3に記載のPCR法によって増幅されたDNA断片の塩基配列を解析することにより、請求項3記載の環形動物、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物からなる動物群Bのうち、その動物種を同定する方法である。
本発明によれば、食品中より抽出したDNA中に動物群A又は動物群B由来のDNAが存在していたかを確認することができる。また、得られたDNA断片の塩基配列を解析することにより、その動物種を同定することができる。
以下、本発明の実施の態様について説明するが、本願発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。
1.動物検出用プライマーセット
本発明者等は上記の目的に従い、以下の4種のプライマーを開発した。すなわち、各種生物のミトコンドリアDNA上の16S rRNA遺伝子を既知のデータベースから取得し、それらの塩基配列を比較検討することによって、広い範囲の動物種全般に共通し、他の生物種とは異なる遺伝子配列領域を選出し、その領域から新規に設計した。設計の際には、検出目的とする生物種の当該遺伝子領域とは、ハイブリダイズするが、検出目的としない生物種とはハイブリダイズしないようにして創意工夫して設計した。
本発明の動物検出用PCRプライマーセットを用いたPCR分析では、対象となる被験試料が生鮮食品のみでなく、食品の加工品である場合も想定される。食品の加工品を分析する場合、DNAがある程度まで分解または、断片化している可能性があるので、100〜500 bp程度の短めの増幅されたDNA断片を形成するようなPCRプライマーが高感度分析のために好ましい。そこで、PCRプライマーの設計の際には、増幅されたDNA断片の長さが500 bp以下となるように創意工夫して設計した。また、各々のPCRプライマーセットを設計する際には、センスプライマーとアンチセンスプライマーのハイブリダイズや、個々のプライマー自身によるハイブリダイズを生じないように、すなわち、いわゆるプライマーダイマーの形成を極力回避するように工夫を施した。
そこで、本発明は、このような動物群検出用のプライマーとして、以下の塩基配列からなるプライマーのセットを開発した。
本発明が提供する第1〜第4のプライマーの塩基配列は以下のとおりである。
配列番号1:5´-TGACCGTGCGAAGGTAGC-3´
配列番号2:5´-TAACTGTGCTAAGGTAGC-3´
配列番号3:5´-CTTAATTCAACATCGAGGTC-3´
配列番号4:5´-TCTAAGCCAACATCGAGG-3´
配列番号1に記載のプライマーは、センス側のプライマーであり、棘皮動物、節足動物及び脊椎動物と反応するプライマーである。配列番号2に記載のプライマーは、センス側のプライマーであり、環形動物、棘皮動物及び軟体動物と反応するプライマーである。
配列番号3に記載のプライマーは、アンチセンス側のプライマーであり、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物に反応するプライマーである。配列番号4に記載のプライマーは、アンチセンス側のプライマーであり、環形動物、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物に反応するプライマーである。
本発明おいては、センス側において2種類のプライマーを混合して用いる方法を採用した。一般的には、検出対象とする動物群ごとにセンス側、アンチセンス側のそれぞれ1種類のプライマーとして、同一の動物群を検出することができるようにするのがPCR反応の正確性を期待する上で理想的であるが、この要件を満たしつつ、100〜500 bp程度の短めの増幅産物を形成する領域となるプライマーセットを選択することは困難であった。
そこで、本発明においては配列番号1及び配列番号2の2種類のセンス側のプライマーを混合して用いることで、環形動物、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物を含む動物群のDNAと反応できるような工夫を施した。
尚、このようなセンス側又はアンチセンス側のいずれか一方側のプライマーとして、2種類のプライマーを用いた場合の一般的な問題点としては、次のような点が挙げられる。
まず、これらのプライマーのターゲットとするDNA領域が異なり、いずれのプライマーにも反応する動物DNAであった場合、PCR法での増幅産物の長さが異なる2種類のDNA断片が検出され、結果の解釈に紛らわしさを生じる。また、いずれか一方のみに反応する動物DNAであった場合には、使用されない方のプライマーの設計が不十分であれば、PCR反応において悪影響を及ぼす可能性もある。
さらに、PCR法により増幅されたDNA断片の塩基配列をDNAシークエンサー等で解析する場合に、いずれのプライマーを用いればよいかが問題となる。つまり、プライマー同士の配列が大きく異なっていると、PCR法によりいずれのプライマーにより増幅されたかが判らないため、増幅されたDNA断片の塩基配列を解析しようとする場合に、2種類のそれぞれのプライマーを使って塩基配列を解析することが必要となり作業が煩雑になる。また、これらのプライマーを混合して使用することもできるが、使用されない方のプライマーの設計が不十分であれば、その解析に悪影響を及ぼす可能性もある。
尚、これらの問題は、たとえ、同一のDNA領域をターゲットとする場合でも、2種類のプライマー配列の設計が不十分であると発生する問題である。
しかしながら、本発明者らは、プライマーを混合して使用しても、PCR反応、又は増幅産物の塩基配列の解析に悪影響を与えないように、目的とするDNA領域として同一の領域を選択し、3´末端を含む同末端側から一定の領域において同一の塩基配列を含み、かつ、その5´末端側には若干の異なる塩基配列を含むような2種類のセンス側プライマーを創意工夫し、配列番号1及び2を設計した。
すなわち、PCR反応や、増幅されたDNA断片の塩基配列の解析においては、プライマーのアニーリング過程が重要になる。このアニーリング過程で重要となるプライマーの配列は、3´末端側の領域である。本発明においては、配列番号1及び2のいずれのプライマーにおいても、その3´末端を含む同末端側から一定の領域においては、同一の配列を使用した。
配列番号1と配列番号2のDNA断片を比較すると、18 bpの長さの塩基配列において、3´末端側より、9、14、17番目が異なっている。3´末端から8 bp範囲は同一であり、かつ、全体して3塩基のみが異なっている。このような設計を施すことで、双方あるいは何れかのプライマーが目的とするDNAに正常にアニーリングできるように工夫した。
これら2種類のセンス側のプライマーは、その3´末端を含む同末端側から一定の領域が同一の配列を有しているために、PCR反応において、双方あるいは何れかのプライマーがアニールすると、必要な伸長反応が正常に生じるように工夫されており、混合プライマーの形で使用したとしても、上述したような問題が生じない。また、増幅産物の塩基配列の解析においても、塩基配列の読み取り枠のずれを生じる等の問題が生じない。
次に、アンチセンス側のプライマーについては、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物を含む動物群に反応するように、配列番号3記載のプライマーを設計した。この結果、配列番号1、2及び3から構成されるプライマーセット(以降、プライマーセット1とする)によって、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物を含む動物群Aを検出できる。
プライマーセット1を用いることで、動物の中で、動物群AのDNAの検出ができる。本プライマーセット1の対象を棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物を含む動物群Aとしたのは、食品の原料として使用される動物種は動物群Aの範囲内にあることが多く、また、食品原材料以外に混入するかもしれない異物としても、これらの範囲にある場合が多いからである。実際は、牛、豚、鶏、魚などの動物原料は脊椎動物に属し、イカやタコ、貝類等は軟体動物に属し、ウニやナマコは棘皮動物に属し、シャコやカニ、エビなどの甲殻類や昆虫類は節足動物に属する。
さらに、もう一つのアンチセンス側のプライマーとして、環形動物、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物を含む動物群に反応するように配列番号4を設計した。この結果、配列番号1、2及び4から構成されるもう一組のプライマーセット(以降、プライマーセット2とする)では、環形動物、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物を含む動物群Bが検出できるようにした。
プライマーセット2を用いた場合、上記動物群Aに環形動物を加えた動物群Bを検出することができる。環形動物にはミミズやヒル等が属する。環形動物であるミミズやヒルは、通常、土壌や湿地に生息しているが、野菜の収穫時や資材保存時あるいは工場の製造工程において、極めて希にではあるが混入する可能性がある。それ故に、環形動物の検出が必要な場合には、本プライマーセット2が活用できる。また、プライマーセット1とプライマーセット2のそれぞれで、PCR検査することにより、対象の動物が環形動物であるかどうかも判断することができる。
尚、一般に、プライマーが鋳型DNAにアニーリングし、DNAポリメラーゼが作用する際には、3´末端側の領域が重要となるが、5’末端側の領域の重要性は低い。従って、配列番号1〜4の各塩基配列を有するプライマーにおいて、さらに、その5´末端側に任意の10個以下の塩基が付加されていても、プライマーとしての機能に問題は生じない。それ故に、配列番号1〜4の各塩基配列を有するプライマーにおいて、これらの5´末端側に任意の10個以下の塩基が付加されている塩基配列についてもプライマーとして使用できる。
2.動物由来DNAの検出方法
本発明は、上記動物群検出用プライマーセット1又は2を使用して、検査対象物中の動物群DNAを検出する方法を提供する。
本発明に係る動物群DNAの検出方法は、下記の工程を含有することを特徴とする。
(1)検査対象に含まれるDNAを抽出する工程、
(2)前記工程(1)において抽出されたDNAを鋳型として、プライマーセット1又は2のいずれかを用いてPCRを行う工程、及び
(3)増幅されたDNA断片を検出する工程、を含有する検出方法。
2.1 検査対象物
本検出方法における検査対象物は食品である。具体的には食品としては生又は加熱した原材料や加工食品あるいは、飲料等が挙げられる。また、本発明はPCR法を用いるため、微量のDNAが存在すれば検出可能であるため、主原料の一部に混入した動物性原料等の検出にも使用可能である。
また、特に本発明は、PCR法によってアレルギー等の特定動物を検出する検査を行う際の、前検査あるいは同時検査のために使用することができる。すなわち、特開2003-230383に開示されているような牛、豚、鶏等の検出用プライマーや特開2006-280281に開示されているような特定動物アレルギーの検出用のプライマーを
使用する際に、前試験あるいは同時検査として、検査対象となるDNAに対して、本発明のプライマーを用いて増幅させることが好ましい。
本発明によって前検査あるいは同時検査を実施することで、少なくとも動物DNAの存在の有無を確認できるため、任意の特定動物種を検出可能なプライマーを用いた検査の結果の解釈が容易となり、結果の信頼性も高まる。
すなわち、PCR法を用いたアレルギー性食品の混入検査の場合、被験対象食品より抽出されたDNA量は、通常、260nmと280nm紫外部吸収の分析により確認される。しかし、回収されたDNAが、熱や酸によって極度に分解・修飾・断片化といった損傷を受けている場合もあり、このような場合には、紫外部吸収の分析結果だけでは、PCR法で検出可能な状態のDNAが回収できたか否かを保証できない。このような場合、広範囲の生物種のDNAと反応可能なプライマーを利用することで、その保証を得ることができる。そこで、その生物種を動物群に限定した場合、本発明のプライマーのような動物群に反応するプライマーを用いたPCRにおいて、特定の長さのDNA断片が増幅されれば、少なくともPCRに反応可能な状態にある動物DNAの存在を確認できる。すなわち、この確認試験において動物DNAの存在が確認できた場合、任意の特定動物種を検出可能なプライマーを用いた本検査において、目的とする増幅されたDNA断片が検出されたときには、「陽性」の、そのDNA断片が検出されないときには、「陰性」の判定が容易にできることになる。一方、この確認試験において動物DNAの存在を確認できなった場合、その本検査において、目的とするDNA断片は通常検出されることはなく、PCRで増幅可能な動物由来DNAの回収量が検出限界以下であったと判断できるようになる。
また、種々の食品を扱う施設や食品工場においては、異物等が検出される場合も想定されるが、このような場合、当該異物がどのような由来であるかが不明な場合がある。そこで、本発明に関するプライマー等を応用することで、異物がどのような動物系のものであるかを特定あるいは限定できるようになる。
例えば、水産系の加工品の異物として、ヒトデやナマコのような棘皮動物由来の異物やゴカイのような環形動物由来の異物が見つかる場合もある。この場合、プライマーセット2での検出を確認し、さらに、プライマーセット1で検出されなければ、異物の対象物を環形動物に絞ることができる。さらに、その増幅産物であるDNA断片のDNA配列を解析し、その配列を公共あるいはパーソナルデータベースと照合することで、当該動物種を特定あるいは限定できる。但し、被験DNA中に、一種類の動物DNAが存在するか、一種類の動物DNAが寡占的に他の動物DNAと共に存在する場合には、その特定や限定は可能であるが、複数の動物DNAが複雑に混じり合っている場合には、その特定や限定は困難となる場合もありうる。
このように、本検出方法の適用性は広く、食品の原料製造会社や加工製造会社等、異物分析業者等で利用が可能である。
2.2 検査対象物からのDNAの抽出
また、試料の形態も特に限定されず、一般的な既知のDNA抽出法(厚生労働省医薬局食品保健部長通知、アレルギー物質を含む食品の検査方法について、平成14年11月06日、食発第1106001号)や市販の各種DNA抽出キット[例えば、Nucleon PhytoPure, plant and fungal DNA extraction kits(Amersham Biosciences Corp., USA)、DNA Extraction IsoplantII kit(Nippon Gene Co. Ltd., Japan)、DNeasy Plant Mini Kit(Qiagen GmbH, Hilden, Germany)等]によって、DNAの回収が可能な試料であれば、上記の検出法に適用することができる。上記のDNA抽出法によって、ゲノムDNA及び細胞小器官由来DNA(ミトコンドリアDNAやクロロプラストDNA)を、通常、試料から抽出することができる。
2.3 PCR反応
PCR反応工程では、前記抽出されたDNAを鋳型として、上記動物検出用のプライマーセットを用いてPCRを行う。前記各プライマーについては、DNA合成機を用いて合成することができる。また、PCRの条件は適宜変更して設定することができる。使用するPCR装置としては、例えば、ブロックタイプ、キャピラリータイプの市販の装置を使用できる。尚、迅速にDNAを増幅するためには、キャピラリータイプの装置が好ましい。また、キャピラリータイプのリアルタイムPCR装置を用いれば、増幅産物であるDNA断片の増加をリアルタイムでモニタリングすることができるため、動物DNAの存在の有無を迅速に把握することができる。
2.4 増幅されたDNA断片の検出
PCR増幅産物であるDNA断片の有無の確認は、通常のPCR装置であれば、増幅産物をゲル電気泳動することによって、また、リアルタイムPCR装置であれば、さらに、増幅産物の融解曲線分析を行い、そのパターンより動物群A由来DNAの存在の有無を判断できる。
まず、PCR増幅産物をアガロース又はアクリルアミド等のゲル電気泳動により分離し、エチジウムブロマイドやサイバーグリーンIなどの核酸染色によって行うことができる。
さらに、リアルタイムPCR装置を用いてPCRを行う場合は、その装置の検出システムにより自動的にPCR増幅産物の有無を確認することができる。例えば、PCR反応溶液中にサイバーグリーンIを添加した場合、サイバーグリーンIが二本鎖DNAに結合したときに発する蛍光量に依存したPCR増幅産物量をサイクル毎にモニターすることができる。さらに、PCR後に、PCR増幅産物の融解曲線分析を行い、その分析からPCR増幅産物の融解温度(Tm)値を導くことにより、PCR増幅産物が目的の増幅産物であるかどうかを確認できる。状況によっては、このTm値による判断が困難な場合も想定されるが、そのような場合には、先述のアガロースゲル電気泳動によって増幅産物の有無とそのサイズを確認すればよい。
具体的には、プライマーセット1により、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物を含む動物群AのDNAが検出できる。各々の動物種に対するPCR増幅による理論DNA断片の大きさは、概ね、以下の表1のようになる。
Figure 0004357541
これらのいずれかのDNA断片が検出された場合、被験試料中に棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物のいずれかの動物を含む原料が使用されていたことが推定できる。さらに、ここで、上記増幅断片の大きさを把握することで、その動物の種類を大まかに予測することができる。
また、プライマーセット2により、環形動物、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物を含む動物群BのDNAが検出できる。この場合において、各々の動物種に対する理論PCR断片の大きさは、概ね、以下の表2のようになる。
Figure 0004357541
これらのいずれかのDNA断片が検出された場合、被験試料中に環形動物、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物のいずれかの動物を含む原料が使用されていたことが推定できる。 さらに、ここで、上記増幅断片の大きさを把握することで、動物の種類を大まかに予測することができる。
なお、本発明は、環形動物、棘皮動物、節足動物、軟体動物、脊椎動物のミトコンドリア上の16S rRNA遺伝子を検出するものであるが、一部の植物DNA等に対して、非特異的な増幅産物が検出される場合がある。特に、検出対象となる動物DNA量が微量もしくは非含有である場合において、その一部の植物DNA等が過剰に存在するとき、この傾向が見られる。しかし、これらの非特異的な増幅産物の大きさは、本発明が対象とする動物群に対する標準的な増幅産物のもの(350 bp〜470 bp)よりも大きくなること(600 bp〜700 bp)が判明しており、アガロース電気泳動等によって、本発明の検出対象である棘皮動物、環形動物、節足動物、軟体動物、脊椎動物との区別を明確に行うことができる。
3.動物種の同定方法
上記、PCR反応で増幅されたDNA断片の塩基配列を一般的な方法で解析することにより、さらに詳細に動物種の同定を行うことができる。塩基配列の解析は、一般的なDNAシークエンサーを用いれば解析可能である。例えば、当該DNA断片をアプライドバイオシステムズ社のBig Dye terminator cycle sequencing kit等で処理後、同社のAbI PRISM 3130 Genetic Analyzer等で解析する方法がある。決定された塩基配列データを公共あるいはパーソナルデータベースと比較することで、動物種を特定あるいは推定することができる。本願発明によって得られる増幅領域は、比較的広範囲な動物群からなるデータが開示されているため、動物種の同定に有効である。
具体的には、上記PCR反応で増幅されたDNA断片を、キアゲン社のMinElute PCR Purification Kit等で精製し、精製した当該DNA断片を得る。その断片に対して、増幅時に使用したセンスプライマー(配列番号1と2の混合物)とアンチセンスプライマー(配列番号3又は4)を用いて、上述したBig Dye terminator cycle sequencing kit等でサイクルシーケンス反応とその反応物の精製を同キットの操作方法に準じて行う。その精製物を上述のABI PRISM 3130 Genetic Analyzer等で解析し、目的のDNA断片の塩基配列を決定する。その決定された塩基配列の両側のプライマーに相当する部位の配列を除いた塩基配列情報を、NCBI等の公共のデータベースや独自のデータベースに対して相同配列を含むデータ検索を行い、既知データとの相同性の程度を調べることによって、動物種の同定を実施することができる。
以下に、本発明を実施例または試験例を用いて、さらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定して解釈されるものではない。また、本発明の要旨を超えることなく、適宜変更して利用することが可能である。
実施例1
各種動物、植物、真菌及び、細菌由来DNAに対する動物群DNA検出用プライマーセットの検出特異性の確認
動物群AのDNAを検出するためのプライマーセット1及び、動物群BのDNAを検出するためのプライマーセット2を用いて、本発明のPCR分析の有効性を確認するために、各種生物由来DNAに対するPCRの検出特異性を調べる実験を、下記のように実施した。ヒト、ウシ、ブタ、ニワトリ、アフリカツメガエル、タイセイヨウダラ及び、チョウザメの精製DNAは、セマイン社(CeMines, LLC, USA)から購入したものを使用した。コムギ及びトウモロコシの精製DNAは、バイオチェイン・インスティテュート社(BioChain Institute, Inc., USA)から購入したものを使用した。
マサバ、ゴマサバ、タイセイヨウサバ、キハダマグロ、カツオ、ブリ、ベニザケ、サケ(シロザケ)、ギンザケ、スチールヘッド(ニジマス)、スルメイカ、モンゴウイカ、ヤリイカ、ミズダコ、ホタテガイ、サザエ、エゾアワビ、トコブシ、ハマグリ、アサリ、ベニズワイガニ、タラバガニ、ブラックタイガーエビ、シバエビ、アマエビ(ホッコクアカエビ)、シロエビ、オーストラリアイセエビ、ナンキョクオキアミ、ホクヨウオオバフンウニ及び、マナマコの精製DNAは、商店から購入した各々の試料の肉質部分あるいは内蔵部位を凍結後、マルチビーズショッカー(安井器械、大阪)で破砕した試料からNucleon PhytoPure, plant and fungal DNA extraction kits(Amersham Biosciences Corp., USA)またはDNA Extraction Isoplant II kit(Nippon Gene Co. Ltd., Japan)を用いて調製したものを使用した。
アミエビの近縁種は商店から乾燥品を購入し、シーボルトミミズの近縁種は社内敷地内の花壇から採取した。これらの精製DNAは、各々の試料をTBS緩衝液(150 mM NaCl,10 mM Tris-HCl[pH 7.5])で洗浄後、マルチビーズショッカーで破砕した試料からNucleon PhytoPure, plant and fungal DNA extraction kitsを用いて調製したものを使用した。
クロゴキブリ及びトビバッタの近縁種の精製DNAは、その脚の部分を70%エタノールで洗浄し、さらに、TBS緩衝液で洗浄後、マルチビーズショッカーで粉砕した試料からNucleon PhytoPure, plant and fungal DNA extraction kitsを用いて調製したものを使用した。
イネ(葉)は栽培農家から入手し、ネギは商店から購入した。これらの精製DNAは、植物体を70%エタノールで洗浄し、さらに、TBS緩衝液で洗浄後、マルチビーズショッカーで破砕した試料からNucleon PhytoPure, plant and fungal DNA extraction kitsを用いて調
製したものを使用した。
アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger ATCC 9642)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae IFO 0282)、大腸菌(Escherichia coli JCM 1649T)、及びバチルス・セレウス菌(Bacillus cereus DSM 4312)の精製DNAは、各々の菌株を適切な培地で培養後、その培養液からPuregene Yeast and Gram-Positive DNA Isolation kit(Gentra Systems Inc., USA)を用いて調製したものを使用した。
なお、いずれの精製DNAもRNA分解酵素によるRNAの除去操作を実施してある。
配列番号1、2、3、及び4に記載の各々のPCRプライマーは、オペロン・バイオテクノジー社(Operon Biotechnologies GmbH, Germany)で合成されたものを以下のPCRで使用した。上述したように準備した各種動物、植物、真菌及び、細菌DNAの量を測定後、滅菌水を用いて、動物、植物及び真菌DNAの濃度を1 ng/μLに、細菌DNAの濃度を50 pg/μLに調製した。
調製した1 μLのDNA試料液を含む20 μL容量の反応液は、タカラバイオ社のEx Taq キットのR-PCRバージョン(Takara Bio Inc., Japan)を用いて調製した。このキットは、10xR-PCR buffer(Mg2+ free)、250 mM MgCl2 solution, 10 mM dNTP mixture及び、5 unit/μL Taq DNA polymerase(ホットスタートタイプ)を含む。反応液は、R-PCR bufferをベースとし、0.005% SYBR Green I(FMC Bioproducts, Rockland, Maine, USA)、200 μM dNTP mixture(各々200 μMのdATP、dTTP、dCTP及び、dGTP)、0.05 unit/μL Taq DNA polymerase、250 nM センスプライマー(125 nMの配列番号1及び125 nMの配列番号2からなる)、250 nM アンチセンスプライマー(250 nMの配列番号3又は250 nMの配列番号4)及び、2.5 mM MgCl2(プライマーセット1を使用する場合)、または3.0 mM MgCl2 (プライマーセット2を使用する場合)を含む組成として、調製した。
PCR反応は、LightCycler(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany)で行い、増幅反応条件は以下の通りである。
95℃で1分間のサイクルを一回実施後、20℃/秒の速度で95℃まで昇温後、5秒間同温度で保温、次に20℃/秒の速度でT℃まで降温後、10秒間同温度で保温、さらに10℃/秒の速度で72℃まで昇温後、20秒間同温度で保温する3つのステップからなる増幅サイクルを35回実施した。なお、Tは、プライマーセット1を使用する場合は50とし、プライマーセット2を使用する場合は52とした。
PCR増幅産物は、SYBR Green I依存性の蛍光量として、各々のサイクルの最終ステップに記録した。増幅サイクル終了後、メルティングカーブは、20℃/秒の速度で95℃まで昇温後、次に20℃/秒の速度で60℃まで降温させ、10秒間同温度で保温後、さらに0.2℃/秒の速度で97℃に至るまでのゆるやかな昇温中に0.2秒毎の蛍光強度を記録することによって得た。同PCR装置のソフトウェアによってメルティングカーブから得られたPCR増幅産物のTm値は、PCRによる特異的な増幅産物の有無を推定するために使用した。さらに、1.8%(wt/vol)アガロースゲル電気泳動によってPCR増幅産物(反応液の2 μL)を分離し、分離後のゲルをエチジウムブロマイドで染色後、UV照射下において増幅産物を視覚化することによって、増幅産物の有無を確認した。分子量マーカーとしてΦX174 Hae III digest DNA(Takara)を使用した。これらのPCRの結果を表3及び表4に記載した。表中の+(プラス)は電気泳動により各々の動物種に対する標準的な大きさの増幅産物であるDNA断片が検出されたことを示し、−(マイナス)は当該DNA断片が検出されなかったことを示す。なお、各々の生物種に対して増幅されたDNA断片のおよその大きさも表3及び表4に記載した。また、本実施例において使用した各種動物の分類を表5に記載した。








Figure 0004357541
次に、表3の続きを表4に記載する。



Figure 0004357541
Figure 0004357541
動物群A検出用のプライマーセット1を使用した場合、棘皮動物(ホクヨウオオバフンウニ、マナマコ)、節足動物(ベニズワイガニ、タラバガニ、ブラックタイガーエビ、シバエビ、アマエビ、シロエビ、オーストラリアイセエビ、アミエビの近縁種、ナンキョクオキアミ、トビバッタの近縁種、クロゴキブリ)、軟体動物(スルメイカ、モンゴウイカ、ヤリイカ、ミズダコ、ホタテガイ、サザエ、エゾアワビ、トコブシ、ハマグリ、アサリ)及び、脊椎動物(ヒト、ウシ、ブタ、ニワトリ、アフリカツメガエル、マサバ、ゴマサバ、タイセイヨウサバ、キハダマグロ、カツオ、ブリ、タイセイヨウダラ、ベニザケ、サケ、ギンザケ、スチールヘッド、チョウザメ)のDNAに対して、各々の動物種に対応した標準的な大きさの増幅産物であるDNA断片を検出した。そのDNA断片の大きさは、390 bp〜470 bpであった。
環形動物(シーボルトミミズの近縁種)、植物(コムギ、トウモロコシ、イネ、ネギ)、真菌類(アスペルギルス・ニガー、サッカロマイセス・セレビシエ)及び、細菌類(大腸菌、バチルス・セレウス菌)のDNAにおいては、目的とする動物種に対応した標準的な大きさの増幅産物であるDNA断片を検出しなかった。但し、イネとネギのDNAでは、各々、およそ700 bpと600 bpの非特異的な増幅産物を検出した。しかし、これらの増幅産物と動物群DNA由来の増幅産物との識別は、アガロース電気泳動によって可能である。
なお、既知及び、独自に解析した各種動物のミトコンドリアの16S rRNA遺伝子配列の多重並列配列図とPCRプライマー配列との関係から、動物群A検出用のプライマーセット1を用いたPCRは、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物由来のミトコンドリアの16S rRNA遺伝子の部分配列を特異的に検出できるが、その他の動物や植物、真菌類並びに、細菌類の当該遺伝子あるいは当該遺伝子と類縁性の高い遺伝子配列等を特異的に検出しないことが強く示唆されている。
次に、動物群B検出用のプライマーセット2を使用した場合、環形動物(シーボルトミミズの近縁種)、棘皮動物(ホクヨウオオバフンウニ、マナマコ)、節足動物(ベニズワイガニ、タラバガニ、ブラックタイガーエビ、シバエビ、アマエビ、シロエビ、オーストラリアイセエビ、アミエビの近縁種、ナンキョクオキアミ、トビバッタの近縁種、クロゴキブリ)、軟体動物(スルメイカ、モンゴウイカ、ヤリイカ、ミズダコ、ホタテガイ、サザエ、エゾアワビ、トコブシ、ハマグリ、アサリ)及び、脊椎動物(ヒト、ウシ、ブタ、ニワトリ、アフリカツメガエル、マサバ、ゴマサバ、タイセイヨウサバ、キハダマグロ、カツオ、ブリ、タイセイヨウダラ、ベニザケ、サケ、ギンザケ、スチールヘッド、チョウザメ)のDNAに対して、各々の動物種に対応した標準的な大きさの増幅産物を検出した。その増幅されたDNA断片の大きさは、350 bp〜470 bpであった。
植物(コムギ、トウモロコシ、イネ、ネギ)、真菌類(アスペルギルス・ニガー、サッカロマイセス・セレビシエ)及び、細菌類(大腸菌、バチルス・セレウス菌)のDNAにおいては、目的とする動物種に対応した標準的な大きさの増幅産物であるDNA断片を検出しなかった。但し、コムギ、トウモロコシ、イネ、ネギ、サッカロマイセス・セレビシエ及び、大腸菌のDNAでは、およそ600 bpの非特異的な増幅産物であるDNA断片を検出した。しかし、これらの増幅産物と動物群DNA由来の増幅産物との識別は、アガロース電気泳動によって可能である。
なお、既知及び、独自に解析した各種動物のミトコンドリアの16S rRNA遺伝子配列の多重並列配列図とPCRプライマー配列との関係から、動物群B検出用のプライマーセット2を用いたPCRは、環形動物、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物由来DNA中のミトコンドリアの16S rRNA遺伝子の部分配列を特異的に検出できるが、その他の動物や植物、真菌類並びに、細菌類の当該遺伝子あるいは当該遺伝子と類縁性の高い遺伝子配列等を特異的に検出しないことが強く示唆されている。
実施例2
動物群DNA検出用プライマーセットを用いたPCR分析の検出感度の確認
実施例1で使用した動物群A検出用のプライマーセット1及び動物群B検出用のプライマーセット2を用いたPCR分析の検出感度を調べるために、下記の実験を行った。
実施例1で調製したウシ及びシーボルトミミズの近縁種のDNAを滅菌水で希釈し、1 pg/μl、5 pg/μl、10 pg/μl、100 pg/μl、1000 pg/μlのDNA溶液の希釈系列を作製し、これらの希釈した被験DNA液の1 μLを、実施例1に記載したPCR反応条件で、PCR分析に供した。PCR反応後、実施例1に記載したようにして、PCR増幅産物のTm値を求め、さらに、増幅産物の有無をアガロースゲル電気泳動によって確認した。
図1に示すように、動物群A検出用プライマーセット1を使用した場合のウシDNAに対する検出感度は、5 pg DNA/分析であった。動物群B検出用プライマーセット2を使用した場合のウシ及びシーボルトミミズの近縁種DNAに対する検出感度は、いずれも5 pg DNA/分析であった。
尚、リアルタイムPCR装置による融解曲線分析においても、アガロースゲル電気泳動とほぼ同様の検出感度が得られた。
実施例3
動物群DNA検出用プライマーセットを用いたPCR分析による市販動物含有加工食品中の動物由来DNAの検出
脊椎動物の中で魚類、軟体動物あるいは節足動物等を原料として含有する市販加工食品等に対する本発明の動物群A検出用プライマーセット1及び動物群B検出用プライマーセット2を用いたPCR分析を下記のとおり行い、本発明の実用性を検討した。
魚類、軟体動物あるいは節足動物等を原料として含有することが明記されている市販加工食品(表6)を準備し、各々の1〜10 gをマルチビーズショッカーで粉砕した。その混合破砕物の0.1〜1 gから各々のDNAをNucleon PhytoPure, plant and fungal DNA extraction kitsを用いて抽出した。抽出時には、RNA分解酵素によるRNAの除去操作も実施した。抽出した食品試料DNA量を測定後、滅菌水を用いて、食品試料DNAの濃度を10 ng/μLに調製した。
なお、動物性原料の含有量が痕跡量と推定される市販加工食品として、どん兵衛きつねうどんの油揚げも被験試料に加え、上述したようにしてDNAの抽出処理を行った。
これらの調製DNA液の1 μLを、実施例1で使用した動物群A検出用プライマーセット1及び動物群B検出用プライマーセット2を用い、実施例1に記載したPCR反応条件で、PCR分析に供した。PCR反応後、実施例1に記載したようにして、PCR増幅産物のTm値を求め、さらに、増幅産物の有無をアガロースゲル電気泳動によって確認した。
これらのPCRの結果を表6に記載した。表中の+(プラス)は、検出可能な動物群において標準的な大きさの増幅産物であるDNA断片が電気泳動によって確認された検出されたことを示し、−(マイナス)は上記のようなDNA断片が検出されなかったことを示す。なお、DNA断片のおよその大きさも表6に記載した。さらに、それらのDNA断片をBigDye Terminator v3.1 Cycle Sequencing kitを用いて、両方向からダイレクトシーケンス後、ABI PRISM 3130 Genetic Analyzerによって塩基配列を解析した。
分析した塩基配列データをGenBank nucleotide sequence database(BLAST search)もしくは、発明者らが保有するDNAデータベースと比較解析し、その塩基配列の類似性に基づいて、各々の増幅されたDNA断片の生物種を帰属・同定した。
その結果、表6に示すように、動物群A検出用プライマーセット1を使用した場合、魚類含有加工食品である、削り粉かつお入り(王将の杜)及びさけ茶づけ(永谷園)において、いずれも約450 bpの増幅産物を確認した。増幅産物の塩基配列解析の結果、削り粉かつお入り由来DNAから増幅されたDNA断片はカツオのミトコンドリア由来16S rRNA遺伝子配列と酷似しており、サバの同配列と類似した配列も部分的に確認された。さけ茶づけの場合では、得られた塩基配列はサケ(シロザケ)のミトコンドリア由来16S rRNA遺伝子配列と一致した。
次に、節足動物含有加工食品である、ふりかけ30(ニコニコのり)、ちょっとぞうすい・かに(ヒガシマル)及び、かっぱえびせん(カルビー)においては、いずれも約400 bpの増幅産物を検出した。ふりかけ30由来の増幅産物であるDNA断片の塩基配列はアミ科(あみえび類を含む)のミトコンドリア由来16S rRNA遺伝子配列と類似していた。ちょっとぞうすい・かに由来の増幅産物であるDNA断片の塩基配列はオオズワイガニのミトコンドリア由来16S rRNA遺伝子配列と同等であった。かっぱえびせん由来の増幅産物であるDNA断片の塩基配列はホッコクエビのミトコンドリア由来16S rRNA遺伝子配列と同等であった。
さらに、軟体動物含有加工食品であるカップヌードル・シーフードヌードル(日清食品)の場合では、約380 bpのDNA断片を検出した。その増幅産物の塩基配列はアカイカ科のミトコンドリア由来16S rRNA遺伝子配列と類似していた。
しかしながら、動物性原料の含有量が痕跡量と推定されるどん兵衛きつねうどんの油揚げの場合では、増幅産物は検出できなかった。また、上述した結果と同等の結果が、動物群B検出用プライマーセット2を使用した場合でも得られた。
なお、本実施例において、配列番号1及び2の2種類のセンスプライマーを混合して用いているが、増幅されたDNA断片の塩基配列の解析結果を調査したところ、実際に使用されているプライマーは、各動物種によって異なっており、いずれか一方のものが選択的に利用されている傾向にあることが判明した。
以上の結果から、動物群A検出用プライマーセット1及び動物群B検出用プライマーセット2を使用したPCR分析は、魚類、軟体動物あるいは節足動物等を原料として含有する市販加工食品等中の動物DNAを検出できることを確認した。さらに、検出された増幅産物の塩基配列を解析することで、その主要な増幅産物の生物種を帰属・同定できることも確認した。
Figure 0004357541
本検出方法を利用することで、アレルギー等の特定の動物を検出するPCR法の前検査等として、動物群DNAの存在の有無を確認することができ、検査結果の信頼性を高めることができる。また、増幅産物であるDNA断片の配列を解析することで、被験試料中の動物種を同定も行うことができる。
本発明の動物群検出用プライマーセットを用いたPCR分析におけるDNAの検出感度を示す電気泳動図である。Aは、プライマーセット1を用いた場合の電気泳動図である。Bはプライマーセット2を用いた場合の電気泳動図である。

Claims (4)

  1. 食品から抽出したDNA中に、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物からなる動物群A由来のDNAを検出するための方法であって、
    食品から抽出したDNAを、
    (A)配列番号1で示される塩基配列を有するプライマーと、
    (B)配列番号2で示される塩基配列を有するプライマーと、
    (C)配列番号3で示される塩基配列を有するプライマーと
    をプライマーセットとして用いて、PCR法によって増幅させ、増幅されたDNA断片を、
    (1)ゲル電気泳動して、その電気泳動のパターンにより棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物からなる動物群A由来のDNAの存在を判断するか、又は、
    (2)リアルタイムPCR装置によって、融解曲線分析を行い、そのパターンより動物群A由来のDNAの存在を判断することを特徴とする棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物からなる動物群A由来のDNA検出方法。
  2. 請求項1に記載のPCR法によって増幅されたDNA断片の塩基配列を解析することにより、請求項1記載の棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物からなる動物群Aのうち、その動物種を同定する方法。
  3. 食品から抽出したDNA中に、環形動物、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物からなる動物群B由来のDNAを検出するための方法であって、
    食品から抽出したDNAを、
    (A)配列番号1で示される塩基配列を有するプライマーと、
    (B)配列番号2で示される塩基配列を有するプライマーと、
    (C)配列番号4で示される塩基配列を有するプライマーと
    をプライマーセットとして用いて、PCR法によって増幅させ、増幅されたDNA断片を、
    (1)ゲル電気泳動して、その電気泳動のパターンより環形動物、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物からなる動物群B由来のDNAの存在を判断するか、又は、
    (2)リアルタイムPCR装置によって、融解曲線分析を行い、そのパターンより動物群B由来のDNAの存在を判断することを特徴とする環形動物、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物からなる動物群B動物群B由来のDNA検出方法。
  4. 請求項3に記載のPCR法によって増幅されたDNA断片の塩基配列を解析することにより、請求項3記載の環形動物、棘皮動物、節足動物、軟体動物及び脊椎動物からなる動物群Bのうち、その動物種を同定する方法。
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