JP4357138B2 - 粒子測定方法及びその装置 - Google Patents

粒子測定方法及びその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4357138B2
JP4357138B2 JP2001179191A JP2001179191A JP4357138B2 JP 4357138 B2 JP4357138 B2 JP 4357138B2 JP 2001179191 A JP2001179191 A JP 2001179191A JP 2001179191 A JP2001179191 A JP 2001179191A JP 4357138 B2 JP4357138 B2 JP 4357138B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
excitation
particle
intensity
distribution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001179191A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002372489A (ja
Inventor
保 近藤
文隆 真船
佳宏 武田
俊郎 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Genesis Research Institute Inc
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Genesis Research Institute Inc
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Genesis Research Institute Inc, Toyota Motor Corp filed Critical Genesis Research Institute Inc
Priority to JP2001179191A priority Critical patent/JP4357138B2/ja
Publication of JP2002372489A publication Critical patent/JP2002372489A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4357138B2 publication Critical patent/JP4357138B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粒子の性状を測定する粒子測定方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、化学的操作の1つとして、液中に粒子を分散させる処理があり、食品、薬剤の製造などの各種分野において利用されている。
【0003】
このような処理において、粒子径など粒子の性状を調べることは非常に重要であり、液体中に分散している液体・固体粒子のサイズを測定する方法として各種の方法が知られている。例えば、粒子の光散乱を利用した動的光散乱法、電極間を通過する粒子を計数するコールターカウンタ(測定可能な粒子径は数μm程度)、超音波の緩和を利用したアコーストサイザー(測定可能な粒子径は数μm程度)等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この中で、最も汎用的に用いられているのが動的光散乱法である。しかし、動的光散乱法は、分散粒子の種類、粒子径、濃度、分散溶液の色が限定されるなど制約が多い。また、動的光散乱法は、散乱体をすべて剛体球と見なして粒子径を見積もっている。従って、界面活性剤ミセルや液体微粒子のような強固な界面を持たない粒子には適さない。また、粒子径の測定下限は直径約5nmであるとされているが、この程度の粒子径をもつ界面活性剤ミセルや液体微粒子の測定はきわめて困難である。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、微細な界面活性剤ミセルや液体微粒子等の性状を確実に測定することができる粒子測定方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る粒子測定方法は、測定対象の粒子に溶解可能かつ励起光により励起可能な物質を溶解させる工程と、前記測定対象の粒子を分散媒中に分散した状態で、励起光照射領域に流通して、この励起光照射領域において前記物質を溶解した粒子に励起光を照射し励起強度を測定する工程と、得られた励起強度の頻度分布を測定する工程と、測定された励起強度の頻度分布から測定対象粒子の粒子径を求める工程と、を含むことを特徴とする。
【0007】
このように、粒子内に溶解した物質の励起強度を測定するため、液滴などに溶解された色素の量を容易に測定できる。物質の濃度が一定であれば、粒子径を測定することが可能になる。また、励起光の照射領域を調整することで、単粒子測定も可能である。
【0008】
また、前記励起光により励起可能な物質は、蛍光剤であることが好適である。蛍光剤を用いることにより、励起光の照射に応じ、蛍光剤の分子数に応じた蛍光強度が得られ、粒子径などを容易に測定することが可能となる。
【0012】
また、前記測定した励起強度について、励起光の強度分布を考慮して、頻度分布から粒径分布を算出することが好適である。
【0013】
また、前記励起光により励起可能な物質は、粒子に溶解するが分散媒には溶解しない物質であることが好適である。これによって、励起光強度が粒子のみに応じたものになり、粒子の性状を容易、かつ高精度に測定することができる。
【0014】
また、本発明に係る粒子測定装置は、励起光により励起可能な物質を溶解した粒子を分散媒中に分散した流体を流通する容器と、前記容器内の流体に対し励起光を照射する照射手段と、前記粒子に溶解した物質による励起強度を測定する励起強度測定手段と、測定された励起強度の頻度分布から測定対象粒子の粒子径を求める性状検出手段と、を含むことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、一実施形態に係る粒子径測定システムの構成を示す図である。ガラスなどの透明部材から構成されたキャピラリー(capillary)10の内部に測定対象である粒子が分散された液体のサンプルが所定の流速で流通される。ここで、このキャピラリー10の内部の様子が図1の左上に記載されている。このように、粒子(エマルション滴)の内部には色素が溶解しており、粒子が分散されている液体中には色素は存在しない。また、色素はその粒子内においてもその濃度が均一であり、粒子内に存在する色素の個数はその粒子の大きさに比例している。また、粒子の観測領域は、キャピラリー10内の一部であり、例えば1μm程度に設定される。
【0018】
そして、粒子内に存在する色素は、蛍光色素であり、所定の光の照射により蛍光を発する。本システムでは、この蛍光の強度を計測する。
【0019】
このために、レーザ光源12が設けられており、ここから所定のレーザ光が射出される。この例では、レーザ光源12は、アルゴンイオンレーザ光源であり、476.5nmの光を放出する。レーザ光源12からのレーザ光は、ダイクロイックミラー14に入射し、ここでキャピラリー10の方向に反射される。ダイクロイックミラー14による反射光は、対物レンズ(Objective Lens)16により集光されてキャピラリー10の所定位置に照射される。この照射された光の範囲が上述の観測範囲である。
【0020】
対物レンズ16により集光されたレーザ光は、キャピラリー10及びキャピラリー10内の観測領域を通過して反対側に抜ける。
【0021】
ここで、このレーザ光は、蛍光色素の励起光として作用する。すなわち、粒子内の蛍光色素はこの励起光によって励起され、蛍光を発する。この蛍光は、例えば520nmの光である。このようにして発せられた蛍光は、対物レンズ16を介しダイクロイックミラー14に至る。そして、この蛍光は、ダイクロイックミラー14をそのまま通過して、フィルタ18を介し、プリズム20に至る。フィルタ18は、波長520nmの光を選択するものである。
【0022】
プリズム20は、入射してくる蛍光を90°方向を変更する。プリズム20からの光は、凸レンズ22、ピンホール24、凸レンズ26により、適切な大きさの光にされて、アバランシェフォトダイオード28に入射される。このアバランシェフォトダイオード(Avalanshe Photodiode)28は、入射してくる光の強度(フォトン数)に対応した信号を出力する。
【0023】
アバランシェフォトダイオード28の出力は、マルチチャンネルカウンタ(Multichannnel Counter)30を介し、コンピュータ32に入力される。そこで、このコンピュータ32において、アバランシェフォトダイオード28に入射するフォトン数、すなわち観測領域の粒子内に存在する色素から発せられた蛍光の強度が計測される。そして、このコンピュータ32が、蛍光の強度に応じて粒子径を算出する。なお、このシステムは、基本的に共焦点蛍光顕微鏡で構成されている。
【0024】
次に、このシステムによる粒子径の測定について、具体的に説明する。試料(サンプル)として、水中油滴型・油中水滴型エマルション等を利用することができ、これらにおける分散質粒子の粒子径を測定する。
【0025】
まず、分散質となる液体中に、蛍光色素を所定の濃度、例えば10-9M/L程度の濃度で溶解する。次に、この分散質液を分散媒に添加し混合してエマルションを調製する。このために、混合液に超音波照射(例えば、28kHz,10min)して、分散質のエマルション滴を調製する。
【0026】
ここで、蛍光色素には、分散質に溶け、分散媒に溶けないものを用いることが好適である。これによって、色素は分散質粒子内のみに存在する。また、分散質に溶解した色素はエマルション滴中に均一な濃度で存在する。そこで、励起光により励起された色素から発光される蛍光の強度は、観測領域にある色素の量と基本的には比例関係があり、また濃度が均質なことから粒子径とも基本的には比例関係がある。ここで、基本的には比例関係があるとしたのは、通常は照射するレーザ光の強度に分布があり、観測領域内に均一にレーザ光が照射されるわけではないからである。これについては、後述する。
【0027】
また、エマルションには、界面活性剤などの安定化剤を用いる場合が多いが、界面活性剤を用いていないエマルションを例に挙げ説明する。水中油滴型エマルションとしては、分散質が炭化水素であるデカンまたは長鎖アルコールであるドデカノールを用い、油中水滴型エマルションとしては、分散質・分散媒にそれぞれ水・デカンを用いて実験を行った。これらのうち、特にデカン滴/水エマルションについて詳細に説明する。
【0028】
エマルション滴(デカン)中に蛍光色素(C540)を10-9M/L程度の濃度で溶解し、これを水中に添加し、超音波照射によりデカン滴/水エマルションを調製する。蛍光色素はデカン滴の中に溶けており、水の中には存在しない。
【0029】
この試料を直径0.53mmのキャピラリー10中に約125mm/secの速度で流す。エマルション滴が共焦点蛍光顕微鏡の観測領域を通過すると、エマルション滴中に含まれる色素がレーザ光により励起され、蛍光シグナルを放出する。そして、この蛍光を検出することにより、エマルション滴1個ずつを個別に観測する。すなわち、観測領域には、基本的に粒子が1つしか入らず、単一粒子検出となっている。
【0030】
エマルション滴からの蛍光シグナルの時間変化(約1.3秒間)を図2に示す。横軸が時間(time/sec(秒))、縦軸は蛍光の強度に対応するカウント数(Counts)である。エマルション滴が観測領域を通過するたびに蛍光強度が強くなり、バンチングとして観察される。一方、観測領域になにもない時には、蛍光はない。これがアンチバンチングである。このように、単一粒子検出の特徴である蛍光バンチング及びアンチバンチングが観測されている。色素は、デカン中に均一に溶解しており、単位体積中の色素量は、一定である。従って、バンチングの高さ(色素量)は、粒子体積に比例する。このためバンチングの高さから粒子径を求めることができる。
【0031】
しかし、実際には、照射レーザ光にはその強度に分布があり、観測領域全体に均一な強度で光が照射されるわけではない。そこで、このレーザ光の強度分布を考慮して粒子径を検出する。すなわち、図3に示すバンチングの強度分布曲線(強度と頻度のヒストグラム)の減衰度(減衰定数)を利用して、観測領域を通過した粒子の粒径分布を求める。図3は、図2に示された時間毎のカウント数(フォトン数:蛍光強度)の13秒分を蛍光強度毎の頻度に書き直したものであり、蛍光強度毎にその頻度が示されている。この例では、蛍光強度50程度がピークとなっている。
【0032】
ここで、通常の場合、レーザ光の焦点領域の強度分布は、図4の左側に示すように、ガウス分布となっており、中心部が強度が強く周辺部が強度が弱い。なお、観測領域には単一粒子(滴)が基本的に通過する。従って、観察領域を単一色素分子が通過した場合には、その蛍光強度分布(蛍光強度(バンチングの高さ)と頻度ヒストグラム)は指数関数で近似することができる。すなわち、中心を通る確率が低く周辺を通る確率が高いことから、図4の右側に示すように、強度が強くなるに従って頻度が小さくなる指数関数となる。
これを式で表すと、ガウス分布は、g=exp(−Γx)で表され、Γが減衰定数である。そして、この減衰定数Γの分布はg(x)=∫G(Γ)exp(−Γx)dΓであり、指数関数となる。
【0033】
また、色素を1個だけ含んだエマルション滴のみが存在する試料を想定した場合、蛍光強度分布(バンチングの高さと頻度ヒストグラム)が減衰定数(Γ)の指数関数で近似できるとすると、色素を2つだけ含んだエマルション滴のみの試料では、ヒストグラムはΓ/2の減衰定数を持つ指数関数で近似できる。すなわち、色素2個であれば、真ん中に入った場合の蛍光強度は2倍になる。
【0034】
同様に、色素3個、4個・・・の場合、減衰定数は、Γ/3、Γ/4・・・となる。従って、減衰定数の分布は、試料中の1個のエマルション滴に入っている蛍光色素の数の分布に対応する。
【0035】
実際の測定では、色素の数が異なるエマルション滴が含まれており、得られた蛍光強度に対する頻度(ヒストグラム)は観察領域を通ったエマルション滴の色素数に応じた減衰定数の分布を持った指数関数の重ね合わせとなる。すなわち、減衰定数の分布は、試料中の観測領域を通った各エマルション滴に入っている蛍光色素の数の分布に対応したものになる。
【0036】
図5に示すように、実験のヒストグラムにクムラント解析(Cumulannt Analysis)によってフィッティングすることにより係数K1,K2が得られる。図4の下側に示すように、この係数K1,K2は、それぞれ減衰定数の分布の平均と分散(分布の幅)になる。なお、係数K3は、分布のゆがみである。また、クムラント解析は、下のような多項式
【数1】
(1/2)ln[f(x)−g(∞)]
=C0−K1x+(1/2!)K22−(1/3!)K33+・・・
へのフィッティングである。
【0037】
得られた減衰定数の平均と分散をガウス分布で表すと図6のように表される。上述のように、減衰定数Γと色素数は同じであり、減衰定数分布は、粒子中の色素数分布となる。
【0038】
一方、デカンエマルション滴中の色素数分布はポアソン分布に従い、デカン中の色素濃度とデカンエマルション滴の粒子径によって決定される。従って、蛍光色素1個の場合の減衰定数を基に粒子径を概算することができ、図7に示すような粒子分布を得ることができる。このように、粒子径447nm程度がピークとなり、粒子径446nm〜452nmの範囲に渡っていることが分かる。
【0039】
このように、共焦点蛍光顕微鏡を用いて、粒子中の色素の蛍光強度を計測することで、粒子径を測定することができる。
【0040】
「測定例」
この方法を適用して、水中にデカンが分散したエマルションの粒子径時間変化を測定した。図8は、エマルション滴からの蛍光信号がどのように時間変化するかを示している。上図が超音波によるエマルション化の後3分経過、中図が60分経過、下図が180分経過後の測定値を示している。なお、図において、横軸が時間(秒)、縦軸が蛍光強度に対応するカウント値である。
【0041】
この図から明らかなように、時間の経過に伴い蛍光バンチングの高さが増加している。この結果は、エマルション滴の粒子径が時間とともに増加していることを示している。バンチングの平均高さを平均的な粒子径と見なし、それを時間スケールに対してプロットすると図9が得られる。この図からわかるように、平均的な粒子径は、時間と共に階段状に増加する。粒子径が変化しないこれらの準安定状態を、PhaseI,PhaseII,PhaseIIIと呼ぶ。すなわち、ほぼ10〜40分がPhaseI、ほぼ60〜200分がPhaseII、220〜300分がPhaseIIIとなっている。なお、図9は、横軸が時間(分)、縦軸が粒子径に対応する減衰定数Γ(arbitrary unit:任意単位)である。
【0042】
各測定時間において、同様の測定を10回程度繰り返し、上述と同様の手法によってデータ解析を行い、粒子径分布を求めた。各測定時間における蛍光強度分布曲線(バンチングの強度と頻度のヒストグラム)を求めた結果を図10(a)に示す。この図より、時間が進むにつれて、蛍光強度の小さなバンチング(図における左側のピーク)が減少し、蛍光強度の大きな裾の部分(図における右側)が増大してゆくことが分かる。
【0043】
裾の部分を拡大したものを図10(b)に示す。このように時間経過に伴って減衰度が小さくなっていることが分かる。これは先に想定したエマルション滴中の色素の個数と減衰定数の関係(図4)に一致している。
【0044】
これらの減衰曲線をクムラント解析し、減衰定数の平均値と分散を求め、これらの値を用いて減衰定数(粒子中の色素分子数)分布を導出した。
【0045】
ここで、減衰定数分布をガウス分布で表した。PhaseIIからPhaseIIIへの変化に伴う減衰定数(色素分子数)分布曲線と粒子径分布曲線を図11と図12にそれぞれ示す。図11においては、減衰定数の大きなPhaseIIの減衰定数分布が右側の群であり、減衰定数の小さなPhaseIIIが左側の群である。図12では、粒子径の小さな左側の群がPhaseIIの粒径分布であり、粒子径の大きな右側の群がPhaseIIIの粒径分布である。このように、時間が進行するにつれて、粒子分布(直径448nm程度)は群をなして粒子径が増大する方向(直径475nm程度)に移動しており、図9の階段的な経時変化と対応している。なお、図11、12においては、各分布と経過時間の対応を記載していないが、図11においては、右側から左側に時間と共に分布に移動し、図12においては、左側から右側に時間と共に分布が移動する。
【0046】
現在の解析法から得られたPhaseIIとPhaseIIIの粒子径の違いは30nm程度であった(図12によればPhaseIIが450nm程度で、PhaseIIIが470nm程度)。動的光散乱法では、この粒子径の差を検出することが不可能であり、本実施形態に係る粒子測定法は、これまでにない粒子径識別分解能を持つことが明らかになった。
【0047】
このように、本実施形態の粒子測定法では、
(i)単一粒子測定が可能である。
(ii)直径の小さい粒子径を測定することができる。色素濃度を高めることにより、5nm以下のエマルション滴を観察することができることが確認されている。さらに、原理的には、色素分子が1つのみ入る大きさの粒子径を測定することができるため、分子レベルの粒子径測定が可能である。
(iii)粒子径変化測定の時間分解能が高い。特に、測定時間を1秒以下にすることが可能であり、短時間で測定を終了することができる。
(iv)粒子径測定の分解能が高い。粒子1個ずつを観測する手法とクムラント法による解析法を組み合わせることにより、上述のように粒子径の分解能を高いものにできる。なお、上述の例では、減衰定数についての係数を2次までのみ利用したが、さらに高次のものを利用することで、より高精度の測定が行える。例えば、3次の係数は分布のゆがみを表している。
【0048】
このようにして、本実施形態の粒子径測定方法によれば、従来に比べ、高精度の粒子径測定が行える。特に、液体微粒子や界面活性剤ミセルなどのを粒子径を高精度に計測することができる。
【0049】
また、本測定法は、色素の数を測定することができるため、粒子径だけでなく、粒子の内包力などの粒子性状も測定することができる。すなわち、粒子内の色素数から、その粒子が色素をいくつ保持できるかを測定することができる。また、分散媒中の色素が粒子側へ移動する状況を検出することなどもできる。
【0050】
また、上述の例では、分散媒中には、色素が溶解しないことを条件としたが、分散媒と粒子とで色素濃度が異なれば粒子の性状についての測定は可能である。さらに、粒子は容器内に貯めておき測定を行うことができる。
【0051】
なお、このような粒子測定は、薬品製造など各種の分野において、広く利用することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る粒子測定方法によれば、粒子内に溶解した物質の励起強度を測定するため、例えば液滴などに溶解された色素の量を容易に測定できる。物質の濃度が一定であれば、粒子径を測定することが可能になる。また、励起光の照射領域を調整することで、単粒子測定も可能である。
【0053】
また、蛍光剤を用いることにより、励起光の照射に応じ、蛍光剤の分子数に応じた蛍光強度が得られ、粒子径などを容易に測定することが可能となる。
【0054】
また、前記測定対象の粒子を分散媒中に分散した状態で、励起光照射領域に流通して、励起強度の頻度分布を測定し、この頻度分布から粒子の性状を測定することで、粒子性状の時間変化などの測定をすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 測定システムの構成を示す図である。
【図2】 蛍光のカウントの時間変化を示す図である。
【図3】 蛍光強度とその頻度を示す図である。
【図4】 粒子中の色素数推定の手法を説明する図である。
【図5】 実験値における蛍光強度と、頻度の関係を示す図である。
【図6】 減衰定数の分布を示す図である。
【図7】 粒子径分布を示す図である。
【図8】 時間経過にともなう蛍光カウントの変化を示す図である。
【図9】 頻度の時間経過にともなう変化を示す図である。
【図10】 蛍光強度とその頻度を示す図である。
【図11】 時間の経過による減衰定数の分布を示す図である。
【図12】 粒子径の分布の時間変化を示す図である。
【符号の説明】
10 キャピラリー、12 レーザ光源、28 アバランシェフォトダイオード、30 マルチチャンネルカウンタ、32 コンピュータ。

Claims (8)

  1. 測定対象の粒子に溶解可能かつ励起光により励起可能な物質を溶解させる工程と、
    前記測定対象の粒子を分散媒中に分散した状態で、励起光照射領域に流通して、この励起光照射領域において前記物質を溶解した粒子に励起光を照射し励起強度を測定する工程と、
    得られた励起強度の頻度分布を測定する工程と、
    測定された励起強度の頻度分布から測定対象粒子の粒子径分布を求める工程と、
    を含む粒子測定方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    前記励起光により励起可能な物質は、蛍光剤である粒子測定方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法において、
    前記励起強度の頻度分布における励起強度が増加するに従う頻度の減衰度に基づいて粒子径分布を求める粒子測定方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法において、
    前記測定した励起強度について、励起光の強度分布を考慮して、頻度分布から粒径分布を算出する粒子測定方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法において、
    前記励起光により励起可能な物質は、粒子に溶解するが分散媒には溶解しない物質である粒子測定方法。
  6. 励起光により励起可能な物質を溶解した粒子を分散媒中に分散した流体を流通する容器と、
    前記容器内の流体に対し励起光を照射する照射手段と、
    前記粒子に溶解した物質による励起強度を測定する励起強度測定手段と、
    測定された励起強度の頻度分布から測定対象粒子の粒子径分布を求める性状検出手段と、
    を含む粒子測定装置。
  7. 請求項6に記載の装置において、
    前記励起強度測定手段は、物質から放出される光の強度を測定する粒子測定装置。
  8. 請求項6または7に記載の装置において、
    前記性状検出手段は、前記励起強度の頻度分布における励起強度が増加するに従う頻度の減衰度に基づいて粒子径分布を求める粒子測定装置。
JP2001179191A 2001-06-13 2001-06-13 粒子測定方法及びその装置 Expired - Fee Related JP4357138B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001179191A JP4357138B2 (ja) 2001-06-13 2001-06-13 粒子測定方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001179191A JP4357138B2 (ja) 2001-06-13 2001-06-13 粒子測定方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002372489A JP2002372489A (ja) 2002-12-26
JP4357138B2 true JP4357138B2 (ja) 2009-11-04

Family

ID=19019787

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001179191A Expired - Fee Related JP4357138B2 (ja) 2001-06-13 2001-06-13 粒子測定方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4357138B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10732087B2 (en) 2016-01-26 2020-08-04 Ricoh Company, Ltd. Liquid droplet forming device, dispensing device, and method of preparing base material

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4711384B2 (ja) * 2004-06-08 2011-06-29 株式会社リコー 接着方法、及び接着装置
US7580120B2 (en) * 2005-04-07 2009-08-25 Sysmex Corporation Blood analyzer, sample analyzer, and flow cytometer
JP4999086B2 (ja) * 2007-03-06 2012-08-15 古河電気工業株式会社 微細粒子のスクリーニング装置および微細粒子のスクリーニング方法
JP7172212B2 (ja) * 2017-07-21 2022-11-16 株式会社リコー 粒子計数装置、粒子計数方法、及び粒子含有試料
CA3093811A1 (en) * 2018-04-13 2019-10-17 University Of Washington Methods and apparatus for single biological nanoparticle analysis
CN111912751A (zh) * 2020-07-07 2020-11-10 南京长澳医药科技有限公司 一种测定复方利多卡因乳膏粒径及其粒径分布的方法
WO2022185592A1 (ja) * 2021-03-05 2022-09-09 株式会社堀場製作所 ウィルス性粒子測定方法及びウィルス性粒子測定装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10732087B2 (en) 2016-01-26 2020-08-04 Ricoh Company, Ltd. Liquid droplet forming device, dispensing device, and method of preparing base material

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002372489A (ja) 2002-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0552241B1 (en) Method and apparatus for performing phase fluorescence lifetime measurements in flow cytometry
Chen et al. Fluorescence fluctuation spectroscopy
US4178103A (en) Light scattering photometer and sample handling system therefor
US8541759B2 (en) Optical analysis device, optical analysis method and computer program for optical analysis
US6177277B1 (en) Flow fluorometric method
Chan et al. Particle sizing of nanoparticle adjuvant formulations by dynamic light scattering (DLS) and nanoparticle tracking analysis (NTA)
US20150056710A1 (en) Characterization of polymer and colloid solutions
US6544793B2 (en) Method for calibrating a sample analyzer
US6359683B1 (en) Method for determining the volume of particles suspended in liquids
JP2013519872A (ja) 流体中の微粒子のマルチパラメータ測定のための装置および方法
JP4357138B2 (ja) 粒子測定方法及びその装置
CN105765364A (zh) 在仪器校准方面或涉及仪器校准的改进
JP3232145B2 (ja) 網赤血球測定方法
Steinkamp et al. Flow cytometer for resolving signals from heterogeneous fluorescence emissions and quantifying lifetime in fluorochrome‐labeled cells/particles by phase‐sensitive detection
NL8003987A (nl) Samenstelling voor het onderzoeken van biologische weefsels en/of vloeistoffen alsmede werkwijze onder toepassing daarvan.
van den Biesen et al. Yield of fluorescence from indocyanine green in plasma and flowing blood
JP3642658B2 (ja) 尿中有形成分分析装置および分析方法
RU2361190C1 (ru) Способ определения концентрации наночастиц
US6468803B1 (en) Method for calibrating a sample analyzer
WO2005080945A2 (en) Method for avoiding bleaching when using fluorescence correlation spectroscopy
Chirico et al. Fluorescence excitation volume in two-photon microscopy by autocorrelation spectroscopy and photon counting histogram
US6446020B1 (en) Method of calibrating the sample height in a sample analyzer
Kapitza et al. Lateral motion of membrane proteins
Hattori et al. Characterization of particle motions by fluorescence correlation spectroscopy with traveling interference fringe excitation
Stapountzi et al. FLUORESCENCE LIFETIME IMAGING WITHIN MICROFLUIDIC STRUCTURES USING A MAXIMUM LIKELIHOOD ESTIMATOR

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080930

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081128

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20081128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090526

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090714

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090804

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130814

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees