JP4354893B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
次に、3種類の粒径のトナーを用い、それぞれのトナーと現像ギャップ幅との値を変えたときの粒状ランクを表2に示す。なお、この時のキャリア粒径は40[μm]である。
元々小粒径のトナー外添剤はトナーとトナーの間、及びトナーと磁性キャリアの間に介在して、トナー及び磁性キャリアといった微小粒子を密着させないことで分子間力の増大を抑制し、付着力を下げることで流動性を向上させる役目を担っている。流動性を向上させることで凝集トナーの発生や、トナーの分散が阻害されることによる低帯電トナー及び逆帯電トナーの発生を低減させ、これに起因する地汚れの発生などを低減することが可能となる。しかし、一旦埋めこまりが発生するとトナーとトナー、及びトナーと磁性キャリアの密着が促進され上述の流動性が低下する。流動性が低下すると凝集トナーや地肌汚れが発生しやすくなる。
尚、外添剤の埋め込みは、現像器内での攪拌作用で生じる現象である。従って画像形成数が多くなるほど程攪拌時間が長くなり、埋め込みの発生量が増加する。
この大粒径シリカの役割について図11を用いて説明する。図11(a)は、小粒径シリカのみを添加した場合のトナー粒子とキャリア粒子との拡大説明図である。流動性を向上するために添加されるシリカはトナー粒子と比較して硬度が高く、また粒径はトナー粒子やキャリア粒子の粒径に比べて十分小さく、トナー粒子との接触面の面積も小さい。接触面の面積が小さいと力が加わった際に圧力が分散しにくいため、シリカはシリカに比べて軟らかいトナー粒子に埋め込まれ易い。よって、小粒径シリカのみを添加した場合には、トナー粒子とキャリア粒子とが衝突し、その力がシリカに加わると図11(a)に示すように、トナー粒子とキャリア粒子との間に挟まれた小粒径シリカは容易にトナー粒子に埋め込まれる。このような埋め込みはトナー粒子とキャリア粒子との間だけに限らず、トナー粒子同士の間においても生じる。
一方、大粒径シリカと小粒径シリカとを併用すると、大粒径シリカは小粒径シリカに比べて粒径が大きいため、トナーとの接触面の面積も大きくなる。接触面の面積が大きい場合トナーとキャリアが衝突し、上述の小粒径シリカと同じ大きさの力が加わっても、圧力が分散されるため埋め込まれにくい。結果、大粒径シリカは図11(b)に示すようにスペーサーとしての役割を果たす。大粒径シリカがスペーサーとしての役割を果たすため、小粒径シリカがトナー粒子とキャリア粒子との間、またはトナー粒子同士の間に挟まれることによる、シリカの埋め込まり作用を抑制することができる。
また、小粒径シリカの添加量についても、多すぎると余ったシリカによって感光体フィルミングが発生し、少なすぎると、トナーの流動性の悪化につながる。
このような理由により、トナーに対する添加量は良好な画像形成を行う上で重要である。特許文献1では大粒径シリカ及び小粒径シリカについて、良好な画像形成を行うことができる添加量を規定している。しかし、特許文献1の画像形成装置は非磁性1成分の現像剤のみを用いており、トナーとキャリアを用いた2成分現像剤については検討されていない。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記トナーの体積平均粒径が5.5〜7.0[μm]で、上記磁性キャリアの体積粒径が20〜40[μm]で、上記像担持体と該現像剤担持体との間隙が0.3〜0.5[mm]、且つ公差が±0.125[mm]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記トナーの体積平均粒径が5.5〜8.0[μm]で、上記磁性キャリアの体積粒径が20〜35[μm]で、上記像担持体と該現像剤担持体との間隙が0.3〜0.5[mm]、且つ公差が±0.125[mm]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記トナーの体積平均粒径が5.5〜6.0[μm]で、上記磁性キャリアの体積粒径が20〜40[μm]で、上記像担持体と該現像剤担持体との間隙が0.3〜0.6[mm]、且つ公差が±0.125[mm]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記トナーの体積平均粒径が5.5〜8.0[μm]で、上記磁性キャリアの体積粒径が20〜40[μm]で、上記像担持体と該現像剤担持体との間隙が0.3〜0.4[mm]、且つ公差が±0.125[mm]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5の画像形成装置において、上記トナーは重合法で製造された重合トナーであることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6の画像形成装置において、上記磁性キャリアは磁化測定法による飽和磁化値が70〜100[emu/g]であることを特徴とするものである。
また、トナーに粒子径100[nm]以上の疎水性シリカを0.2〜0.7[重量%]、粒子径20[nm]以下の疎水性シリカを1.0〜2.0[重量%]外添することで、経時においてトナーの流動性を維持することができる。
さらに、トナーに酸化チタンを0.7〜1.0[重量%]外添することで、低湿環境下においてもトナーの帯電量を安定させることができる。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置としての4連タンデム型のカラープリンタの概略構成を示す図である。
このカラープリンタPRは、作像部1、光書込部2、第1及び第2の給紙トレイ3,4、給紙部5、転写部6、定着部7及び排紙部8から基本的に構成されている。本カラープリンタPRは、下部の給紙トレイ3,4から供給された記録材である記録紙に画像を形成し、これを上部の排紙部8に排紙する。作像部1は、4個の作像ステーション1M,1C,1Y,1Kから構成されている。第1作像ステーション1MではM(マゼンタ)、第2作像ステーション1CではC(シアン)、第3作像ステーション1YではY(イエロー)、第4作像ステーション1KではK(ブラック)のトナーによる作像がそれぞれ行われる。各作像ステーション1M,1C,1Y,1Kは、それぞれ、カラープリンタPRの本体に対して着脱可能な構成となっている。よって、各作像ステーション1M,1C,1Y,1Kを構成する部品交換等のメンテナンスが容易となる。
第3作像ステーション1Yは、像担持体としての感光体11Yの周りに、帯電・クリーニングユニット10Y及び現像手段としての現像ユニット20Yが配置された構成となっている。光書き込みのためのレーザ光Lは、帯電・クリーニングユニット10Yと現像ユニット20Yとの間から感光体11Yの表面に照射される。
帯電・クリーニングユニット10Yは、一様帯電手段としての帯電ローラ15Yと、クリーニング手段としてのクリーニングブラシ12Y及び剥離爪13Yとを備えている。帯電ローラ15Yは、感光体11Yの表面を一様に帯電するものである。クリーニングブラシ12Yは感光体11Y上の残トナーを回収するものであり、これで回収できなかったトナーは剥離爪13Yで剥離され、その感光体表面を次の画像形成が可能な状態にする。
現像ユニット20Yは、現像スリーブ22Y、撹拌ローラ23Y、搬送ローラ24Y、ドクタブレード25Y、トナー濃度センサ26Y及びトナーボトル27Yから基本的に構成されている。これらは、現像タンク21Y内に収納され、あるいは現像タンク21Yに設置されている。トナーボトル27Yから現像タンク21Y内に供給されたトナーは、搬送ローラ24Yによって撹拌されながら撹拌ローラ23Y側に送られ、撹拌ローラ23により更に撹拌される。これらの撹拌により、トナーは、摩擦帯電されて電位が付与された状態で、現像スリーブ22Y側に移行する。現像スリーブ22Yの表面に移行したトナーは、ドクタブレード25Yによって所定の層厚に規制され、現像スリーブ22Yの回転に伴って感光体11Yと対向する現像領域へ移動する。この現像領域において、上記光書き込みによって形成された潜像がトナーにより現像され、トナー像化する。このようにして感光体表面に形成されたトナー像は、記録材搬送部材である紙搬送ベルト60と対向する転写領域で、その紙搬送ベルト上に担持されて搬送されてくる記録紙P上に転写される。一方、感光体11Yの表面に残存したトナーは、クリーニングブラシ12Yによって回収され、さらに剥離爪13Yによって感光体11Y表面から除去される。なお、ここでは、図1で示した第3作像ステーション1Yについて説明したが、他のステーション1M,1C,1Kについても同様である。
給紙部5は、給紙トレイ3,4から記録紙Pをピックアップする給紙ローラ5a,5b、給紙経路5eに沿って設けられた給紙ローラ5c、作像部1の記録紙搬送方向上流側の直前に設けられたレジストローラ5dから構成されている。レジストローラ5dは、図示しない駆動手段によって一定の表面移動速度(レジスト線速)で駆動する。本実施形態では、このレジスト線速は、レジスト回転速度変更手段としての後述する制御部によって変更することができる。作業者が手動でレジスト線速の設定値を変更する場合、作業者は、入力手段としてカラープリンタPRに設けられたテンキー等を操作して、所望の設定値を入力すると、設定手段としての制御部は、その設定値に従ってレジスト線速の設定値を変更する。なお、パーソナルコンピュータ(パソコン)等の外部装置を本カラープリンタPRの外部インターフェース(入力手段)に接続し、そのパソコンから設定値を入力するようにしてもよい。
この現像ユニット20Yは、トナー及び磁性キャリアを含む2成分現像剤(以下「現像剤」という。)を表面に担持する現像剤担持体としての非磁性の現像スリーブ22Yを備えている。この現像スリーブ22Yは、現像ケーシングの感光体11Y側に形成された開口部から一部露出するように取り付けられ、図示しない駆動装置により回転する。現像スリーブ22Yの材質としては、通常の現像ユニットに用いられるものであれば特に限定されることなく、ステンレス鋼、アルミニウム、セラミックス等の非磁性材料や、更にこれらにコーティング等したものなどが用いられる。また、現像スリーブ22Yの形状も特に限定されることはない。また、現像スリーブ22Yの内部には、磁界発生手段としての固定磁石群からなるマグネットローラが固定配置されている。また、現像ユニット20Yは、現像スリーブ22Y上に担持される現像剤の量を規制する剛体からなる現像剤規制部材としてのドクタ25Yを備えている。ドクタ25Yに対して、現像スリーブ回転方向上流側には、現像剤を収容する現像剤収容部が形成され、この現像剤収容部の現像剤を攪拌混合する撹拌ローラ23Y、搬送ローラ24Yが設けられている。
線速 125[mm/sec]
感光体径 30[mm]
スリーブ/感光体線速比 2.0
感光体と現像スリーブとの間の間隔(Gp) 0.4[mm]
現像スリーブとドクタとの間の間隔(ドクタギャップ:Gd)
0.55[mm]
現像剤汲み上げ量 60[mg/cm2]
スリーブ径 φ18[mm]
ローラ表面 V溝(本数:100本、深さ:70[μm]の直角)
主極角度 7[°]
主極磁束密度 100[mT]
ドクタ対向極磁束密度 70[mT]
帯電電位V0 −520[V]
露光後電位VL −50[V]
現像バイアスVB(DC) −400[V]
スチレン−アクリル樹脂(三洋化成社製、ハイマー75) 85部
カーボンブラック(三菱化学社製、#44) 8部
含金属アゾ染料(オリエント化学社製、ボントロンS−34) 2部
カルナバワックス(セラリカ野田社製、WA−03) 5部
上記処方の混合物を140℃の熱ロールで溶融混練した後、冷却固化せしめ、これをジェットミルで粉砕し分球して平均粒径7.0[μm]のトナーを得た。このトナー100重量部に対して、疎水性シリカR−972(小粒径シリカ、粒径およそ16nm)(日本アエロジル社製)1.0[重量%]をヘンシェルミキサーで混合してトナーを得た。
アクリル樹脂溶液(固形分50[重量%]) 56.0部
グアナミン溶液(固形分77[重量%]) 15.6部
トルエン 900部
ブチルセロソルブ 900部
上記処方の混合物をホモミキサーで10分間分散して被覆膜形成溶液を調合し、芯材として焼成フェライト粉[平均粒径:35[μm](パウダーテック社製)]を用い、膜厚0.15[μm]になるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。重量平均キャリア径は35[μm]である。
実施例のトナーは、有機溶媒中に変性ポリエステル系樹脂から成るプレポリマー、該プレポリマーと伸長または架橋する化合物、およびトナー組成分を溶解又は分散させ、該溶解又は分散物を水系媒体中で架橋反応及び/又は伸長反応させ、得られた分散液から溶媒を除去することにより得られる。
具体的には、本実施例のトナーは、有機溶媒中に少なくとも、イソシアネート基を含有するポリエステル系プレポリマーAが溶解し、顔料系着色剤が分散し、離型剤が溶解ないし分散している油性分散液を水系媒体中に無機微粒子及び/又はポリマー微粒子の存在下で分散させるとともに、この分散液中で該プレポリマーAをポリアミン及び/又は活性水素含有基を有するモノアミンBと反応させてウレア基を有するウレア変性ポリエステル系樹脂Cを形成させ、このウレア変性ポリエステル系樹脂Cを含む分散液からそれに含まれる液状媒体を除去することにより得られるものである。
ウレア変性ポリエステル系樹脂Cにおいて、そのTgは40〜65℃、好ましくは45〜60℃である。その数平均分子量Mnは2500〜50000、好ましくは2500〜30000である。その重量平均分子量Mwは1万〜50万、好ましくは3万〜10万である。
このトナーは、該プレポリマーAと該アミンBとの反応によって高分子量化されたウレア結合を有するウレア変性ポリエステル系樹脂Cをバインダー樹脂として含む。そして、そのバインダー樹脂中には着色剤が高分散している。実施例の重合トナーは上記で得られたトナー母体に対して、疎水性シリカ(大粒径シリカ。粒径はおよそ120[nm])X24−9163A(信越化学工業社製)を0.2〜0.7[重量%](特に断りがない場合、0.5[重量%])、疎水性シリカ(小粒径シリカ。粒径はおよそ10[nm])H2000(クラリアントジャパン社製)を1.0〜2.0[重量%](特に断りがない場合、1.5[重量%])、疎水性酸化チタンMT150AI(テイカ社製)を0.7〜1.0[重量%](特に断りがない場合1.0[重量%])、ヘンシェルミキサーで混合した。
上記トナー7部、上記キャリア93部を、ターブラーミキサーにて10分混合して現像剤を作成した。
画質から決定されるトナー体積平均粒径の上限とキャリア径との関係について、検討する。
図10及び表2より、トナーの平均粒径を5.5〜8.0[μm]とし、磁性キャリアの体積平均粒径を20〜40[μm]とし、像担持体と現像剤担持体との間隙を0.3〜0.6[mm]、且つその公差を±0.125[mm]以下とすることで、上述の粒状ランクでランク2.5の高画質の画像形成を実現することができる。
粒径7.0[μm]のトナーの場合は、キャリア粒径20〜40[μm]で粒状度ランク4を達成できることがわかる。
粒径8.0[μm]のトナーの場合は、キャリア粒径20〜35[μm]で粒状度ランク4を達成できることがわかる。
また、現像ギャップとの関係も検討すると表2より以下のことが分かる。このとき、キャリア粒径は40[μm]である。
粒径6.0[μm]トナーであれば、現像ギャップ0.6[mm]以下で粒状ランク4.5を達成できる。
粒径7.0[μm]トナーであれば、現像ギャップ0.5[mm]以下で粒状ランク4を達成できる。
粒径8.0[μm]トナーであれば、現像ギャップ0.4[mm]以下で粒状ランク4を達成できる。
トナーの外添剤は、トナーの帯電能力を維持させる働きもあるため、添加剤が埋めこまれるとその働きが失われてトナー母体そのものの帯電能力に近づき、帯電能力自体が落ち気味となる。結果、弱帯電トナー増加による地肌汚れが発生する。低画像面積の画像形成を多枚数行う場合には新しいトナーが少ししか補給されないため、添加剤埋めこまりによる帯電能力低下が顕著となる。
図4に、10万枚画像形成を行った後における現像剤中のトナーの帯電量分布を示す。なお、この帯電量分布はホソカワミクロン社製イースパートアナライザ(登録商標)で測定したものである。図中菱形の点は、一般的な5[%]程度の画像面積で10万枚印刷を行った現像剤に相当するもので、弱帯電トナーが少ない。一方、図中正方形の点は、上記菱形で示した現像剤を、60分間空攪拌した後の現像剤の帯電量分布を測定した結果である。この場合、上記菱形の場合に比較して、弱帯電トナー(帯電量0に近い成分)が増加していることがわかる。また、上記菱形、上記正方形のそれぞれの場合の感光体上の地汚れをテープ転写し、そのテープの反射濃度を測定した。その値は、それぞれ、上記菱形の場合が0.015(良)、上記正方形の場合が0.046(悪)となり、弱帯電トナーが多いほど、地汚れが発生することがわかる。なお、この測定値は、テープそのものの値を引いた地汚れそのものの値を示すものである。以下、この値を「ΔID」と言う。
なお、本出願人は特願2003−426681においては、サンドブラストスリーブを用いて低画像面積通紙時の地汚れを防いでいる。しかし、サンドブラストスリーブはランニング経時で表面の凹凸が摩滅していくため、長寿命を狙う現像装置には向かない。トナーの流動性を改善するためシリカ量を増やすとシリカがトナー表面から外れ、感光体フィルミングが発生する、という問題もある。
ドラム上ΔIDは感光体ドラム上をテープ転写し、地汚れのない場所との差をとった値であり、ΔID:0.01以下であれば問題のないレベルとなる。
大粒径シリカ(X24−9163A)量がまったくない場合には、小粒径シリカの埋め込まり現象によって地汚れが悪化する。
大粒径シリカ(X24−9163A)がトナーに対して0.2[重量%]以上入っていれば大粒径シリカがスペーサーとなることで小粒径シリカは埋めこまりにくくなる。従ってトナーとトナーの間の付着力および、トナーとキャリアの間の付着力は小さくなり、小粒径トナーと小粒径キャリアの組み合わせにおいても経時流動性が良質のまま維持されて現像剤中へのトナー分散が満遍なく行き渡る。その結果、ドクタと呼称される現像スリーブ上の規制部材による現像剤へのしごき帯電作用による[Q/M]の立ちあがり特性は改善され、地汚れ(弱帯電トナーの発生によるものを含む)や大粒地汚れの発生を大幅に減少させることができる。
埋め込まりランクの評価基準を表3に示し、大粒径シリカとして一種類のシリカを0.5[重量%]添加時の各粒径における埋め込まりランクを表4に示す。埋め込まりランクを埋め込まりランク4となるものを実機に使用可能なものとする。
表5に大粒径シリカの添加量と実機で1000枚ランニングした場合のトナーによる感光体フィルミング発生の関係を示す。なお、大粒径シリカの添加量以外の粒径及び添加量は、図5と同じである。
このことから、大粒径シリカの添加量は0.7[重量%]以下であることが望ましいと言える。
図6は、重量平均粒径6.0[μm]の重合トナーと、平均粒径35[μm]のキャリアとを用いた時の、粒子径20[nm]以下の疎水性シリカ(H2000)の添加量と凝集度の関係を示すグラフである。なお、このときの大粒径シリカ(X24−9163A)の添加量は0.2[重量%]である。凝集度はメッシュでトナーを篩いにかけ、残ったトナー量の比率を示す値であり、数字が大きいほど凝集度が高く、トナーの流動性が悪い状態である。
凝集度12.5[%]を本装置でのトナー補給の下限とすると、シリカ量1.0[重量%]で小粒径トナー、小粒径キャリアの組み合わせにおいても狙い値を満たすことがわかる。
埋め込まりランクの評価基準は表3のとおりである。大粒径シリカとして粒径120[μm]のシリカを0.5[重量%]添加し、小粒径シリカの粒径を振って、各粒径における埋め込まりランクを表6に示す。小粒径シリカは、埋め込まりランクを埋め込まりランク3となるものを実機に使用可能なものとする。
表7に小粒径シリカ量と実機を低湿環境に設置した状態で5000枚ランニングした場合のシリカ及びトナーによる感光体フィルミング発生の関係を示す。なお、小粒径シリカの添加量以外の粒径及び添加量は、図6と同じである。
表7より、小粒径シリカの添加量が2.0[重量%]までなら感光体フィルミングが発生しないことがわかる。
これに対して、本実施形態ではトナーに適量の酸化チタンを添加することで改善している。酸化チタンを外添するとトナーの過剰な帯電が抑制されるので、低湿環境においても地汚れが改善する。
図7は酸化チタンの添加量と低湿環境(温度10℃、湿度15%)で、重量平均粒径6.0[μm]の重合トナーと、平均粒径35[μm]のキャリアとを用いた時の地汚れとの関係を示すグラフである。
図7より、酸化チタン0.7[重量%]以上で小粒径トナー、小粒径キャリアの組み合わせにおいても感光体ドラム上の地汚れが狙いどおりとなることがわかる。
図8は酸化チタンの添加量とトナー帯電量の低下との関係を示すグラフである。
剤の帯電量DA[μC/g](現像剤の帯電レベルを示す値。実機では制御が入るためトナー濃度が変動し、単純なランニング経時の現像剤の帯電レベルをみることができない。制御によるトナー濃度変動分をキャンセルするために、トナー濃度と[Q/m]が反比例の関係にあることを利用して、トナー濃度と[Q/M]を掛け、初期剤のトナー濃度で割る。{トナー濃度[wt%]Q/M[μC/g]}/7[wt%])でしめすと、酸化チタンの添加量が1.0[重量%]まではランニングによる低下が下げ止まっているが、1.5[重量%]に増やすと下げ続けてしまうことがわかる。
表8にトナー粒径、大粒径シリカ有無を振った場合の、低画像面積の画像通紙時の地汚れの程度を示す。なお、キャリア粒径は35[μm]であり、大粒径シリカの添加量は0.5[重量%]である。低画像面積は画像面積0.5[%]のA4サイズで500枚連続通紙を行う。その後、感光体上のテープ転写をおこなって、テープのみの値との差分(ΔID)で地汚れの程度を示す。(数字が小さいほど地汚れが少ない状態。)
しかし、キャリアを小粒径化すると、キャリア1個あたりの磁荷も、かかる磁力も小さくなるため感光体へのキャリア付着が非常に悪化する。特にキャリアの重量平均粒径が20[μm]より小さいと、剤の流動性が悪化し、剤へのストレスも大きくなるため、経時での汲み上げ量低下(∝流動性悪化)、及びキャリア付着をふせぐことが非常に難しくなる。従って以後の評価においてもキャリア径は20[μm]以上について評価した。
一つ目のキャリア付着は、画像のエッジ部にトナーが現像される際、現像されたトナーとは逆極性のカウンターチャージがキャリアに残り、非画像部の地肌部にキャリアが現像されてしまうキャリア付着(以下、エッジ部キャリア付着と呼ぶ)である。そして、2つ目のキャリア付着は画像ベタ部の現像ポテンシャルが広い場合にキャリアに静電誘導された電界で画像ベタ部にキャリアが付着してしまうキャリア付着(以下、画像部キャリア付着と呼ぶ)である。これは、現像ポテンシャルが広い場合にはキャリアにかかる電界が強くなり、電界によってキャリアが静電誘導され、キャリアが帯電した状態で電界によって画像ベタ部に電気的に付着するものである。
エッジ部キャリア付着にはキャリアのカウンターチャージを逃がす、画像エッジ部の電界強調を低減する、などにより抑制することが可能である。エッジ部の電界強調について説明すると、対向電極がある時は電気力線が平行に並び、対向電極がない時は電気力線の行き場がなくなり画像のエッジ部に回り込む。そして、対向電極があってもその電極の間に誘電率の低いものがあると、電気力線が平行に並ぶ場合とエッジ部に回り込む場合との中間的な状態の電気力線になりエッジ部の電界が強調される。
キャリアのカウンターチャージをUPさせない方法としては、キャリアの抵抗を下げるとチャージが逃げやすくなりカウンターチャージのアップを抑制することができる。また、この方法はキャリアの抵抗を下げることで、キャリアの誘電率が高くなるので、エッジ部の電界強調も低減できる。また、地肌ポテンシャルを狭める、つまり地肌部の電界を小さくすることもチャージUPしたキャリアの現像をおさえ、エッジ強調も低減できるためエッジ部キャリア付着を抑制することができる。
一方、画像部キャリア付着に対しては、抵抗が低いほうが導体に近いため、キャリアの抵抗を上げることにより、静電誘導によるチャージUPを低減することができ、画像部キャリア付着を抑制することができる。また、現像ポテンシャルを狭めると静電誘導も押さえられ、チャージUPしたキャリアの現像も減るため画像部キャリア付着を抑制することができる。
上述のように、画像中でキャリアが付着する場所によってキャリア抵抗の調整方向が相反し、慎重な選定が必要となる。またキャリア付着の防止は、現像ポテンシャル及び地肌ポテンシャルの選定即ち設定電界の調整によっても可能である。しかし、これらの特性は、画像濃度、地汚れに対しても影響が大きいため、キャリア付着を抑制のみを目的として決めることができない場合もある。
装置本体側で磁力を上げる方向としては現像スリーブ内のマグネットローラの磁力を上げる、極の半値幅を広げるなどの方法がある。しかし、これらの方法は現像ローラの大型化、高コスト化、または磁力UPによりキャリア穂が硬くなり細線・ベタ画像の画像品質悪化などの副作用がある。よって大量生産、廉価販売を必須要件とする商品に搭載する策としては、制約が多い。
上述のキャリア付着の説明でキャリア抵抗は、画像部と非画像部(=地肌部)といったキャリア付着が画像上で発生する部位によって調整方向が異なり、抵抗調整によってキャリア付着を防止することが困難であることを述べた。
一方、キャリアの飽和磁化値は、画像部位に関わらず、キャリア付着と一定の相関があることが、検討を進めるうちに判明した。すなわち、飽和磁化値を大きくすると、画像部、地肌部ともにキャリア付着が減少するという相関関係が見出されたのである。
図9はキャリア芯剤の粒径と飽和磁化値と地肌部キャリア付着との関係を示す。判定基準としてキャリア付着個数100[個/100cm2]以下を画像不良に至らない実使用上問題のないレベルとする。キャリアの平均粒径が55[μm](正方形のプロット:□)の場合、キャリア芯剤の飽和磁化値が50[emu/g]でもキャリア付着の個数は50[個/100cm2]と実使用上問題ないレベルとなっている。
一方、35[μm]キャリア(小粒径キャリア)では、数100[個/100cm2]以上(数え切れない)となりまったく使用に耐えない。しかし、35[μm]キャリアでも芯剤の飽和磁化値を70[emu/g]とすることで、キャリア付着個数を50[個/100cm2]と、実使用上問題ないレベルとなった。
図9は、80[emu/g]までのデータしか表示されていないが、これは評価したキャリアの材質(ここではフェライト)によるためである。飽和磁化値は材質によるところが大きく、別の実験で飽和磁化値91〜100[emu/g]のマグネタイトでも付着キャリアが100[個/100cm2]以下を満たすことが判っている。100[emu/g]超過のキャリアとしては鉄製のキャリアがある。キャリア付着の観点からは問題無いが、磁力が強いことから磁気ブラシの穂が比較的剛直に近くなり、現像時にブラシ摺擦跡と思われるムラが発生する。従って高品位が要求されるカラー機には不向きな材質といえる。よって、現像時のブラシ摺擦跡によるムラを防止するために、磁性キャリアの飽和磁化値は100[emu/g]以下であることが好ましい。
また、トナーの体積平均粒径を5.5〜7.0[μm]で、磁性キャリアの体積粒径を20〜40[μm]で、感光体と現像スリーブとの間隙Gpを0.3〜0.5[mm]、且つ公差を±0.125[mm]以下とすることにより、粒状度ランク4を達成し、より高品質な画像形成が可能となる。
また、トナーの体積平均粒径を5.5〜8.0[μm]で、磁性キャリアの体積粒径を20〜35[μm]で、感光体と現像スリーブとの間隙Gpを0.3〜0.5[mm]、且つ公差を±0.125[mm]以下とすることにより、粒状度ランク4を達成し、より高品質な画像形成が可能となる。
また、トナーの体積平均粒径を5.5〜6.0[μm]で、磁性キャリアの体積粒径を20〜40[μm]で、感光体と現像スリーブとの間隙Gpを0.3〜0.6[mm]、且つ公差を±0.125[mm]以下とすることにより、粒状度ランク4.5を達成し、より高品質な画像形成が可能となる。
また、トナーの体積平均粒径を5.5〜8.0[μm]で、磁性キャリアの体積粒径を20〜40[μm]で、感光体と現像スリーブとの間隙Gpを0.3〜0.4[mm]、且つ公差を±0.125[mm]以下とすることにより、粒状度ランク4を達成し、より高品質な画像形成が可能となる。
また、トナーとして、重合法により製造された重合トナーを用いることにより、粉砕トナーを用いたものに比して、高画質を実現することができる。また、小粒径の重合トナーを用いるとトナーの流動性悪化が生じやすく、地汚れが発生しやすいが、本実施形態のように、トナーに粒子径100[nm]以上の疎水性シリカと粒子径20[nm]以下の疎水性シリカとを適量外添することで、経時においてトナーの流動性を維持することができる。さらに、トナーに酸化チタンを適量外添することで、低湿環境下においてもトナーの帯電量を安定させることができる。
また、小粒径の磁性キャリアとして、磁化測定法による飽和磁化値が70〜100[emu/g]となるものを使用している。磁性キャリアの飽和磁化値が70[emu/g]以上であるので、小粒径キャリアを用いていてもキャリア付着の発生を抑制することができる。さらに、飽和磁化値が100[emu/g]以下であるので、磁気ブラシ後が生じることも防止することができる。
2 光書込部
11M,11C,11Y,11K 感光体
20Y 現像ユニット
22Y 現像スリーブ
25Y ドクタ
27Y トナーボトル
Claims (7)
- 表面に静電潜像を担持する像担持体と、
内部に固定された磁界発生手段を有し、表面上に磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を担持して回転し、該像担持体と対向する現像剤担持体と、
該像担持体と該現像剤担持体との間に現像電界を発生させる現像電界発生手段とを有し、
該像担持体上の静電潜像を、該現像剤担持体上に担持された該二成分現像剤の該トナーを用いて該現像電界の作用によりトナー像化する画像形成装置において、
該トナーの体積平均粒径が5.5〜8.0[μm]で、
該磁性キャリアの体積平均粒径が20〜40[μm]で、
該像担持体と該現像剤担持体との間隙が0.3〜0.6[mm]、且つ公差が±0.125[mm]以下であり、
該トナーには、粒子径100[nm]以上の疎水性シリカが0.2〜0.7[重量%]、
粒子径20[nm]以下の疎水性シリカが1.0〜2.0[重量%]、
及び酸化チタンが0.7〜1.0[重量%]が外添されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記トナーの体積平均粒径が5.5〜7.0[μm]で、
上記磁性キャリアの体積粒径が20〜40[μm]で、
上記像担持体と該現像剤担持体との間隙が0.3〜0.5[mm]、且つ公差が±0.125[mm]以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記トナーの体積平均粒径が5.5〜8.0[μm]で、
上記磁性キャリアの体積粒径が20〜35[μm]で、
上記像担持体と該現像剤担持体との間隙が0.3〜0.5[mm]、且つ公差が±0.125[mm]以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記トナーの体積平均粒径が5.5〜6.0[μm]で、
上記磁性キャリアの体積粒径が20〜40[μm]で、
上記像担持体と該現像剤担持体との間隙が0.3〜0.6[mm]、且つ公差が±0.125[mm]以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記トナーの体積平均粒径が5.5〜8.0[μm]で、
上記磁性キャリアの体積粒径が20〜40[μm]で、
上記像担持体と該現像剤担持体との間隙が0.3〜0.4[mm]、且つ公差が±0.125[mm]以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至5の画像形成装置において、
上記トナーは重合法で製造された重合トナーであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至6の画像形成装置において、
上記磁性キャリアは磁化測定法による飽和磁化値が70〜100[emu/g]であることを特徴とする画像形成装置。
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