JP4354263B2 - 光学機器の光学特性解析システム、光学特性解析方法、そのプログラム及びその方法により製造された光学部品 - Google Patents
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Description
光学系の設計をする際には、光学設計ツールを使って、任意の形状を記述する設計式を用いて設計する。光学設計ツールにおいては、任意の光学形状を任意の精度で設計することが出来、自由曲面など非常に複雑な形状も設計可能である。これに対し、機械的又は熱的挙動による変形をシミュレーションする場合には、光学設計ツールで設計された形状を3次元形状モデラーで新たにモデル化しなおし、このモデルにメッシュを切って有限要素法等を使ってシミュレーションする。
最初に、(1)式で表される設計面をX又はY軸方向にL個に分割し、分割された各X又はYにおいて設計面上に存在する(L+1)本の曲線を作成する。例えば、Y軸方向に等分割する場合は、Δyを分割幅としてYk=k×Δy(k=0、1、2、・・・、L)とおき、(1)式を(2)式のように変換する。そして、(2)式においてkを0からLまで変化させ、設計面を覆うのに十分な数の曲線を設計面上に作成する。その様子を図10に示す。
図1(a)のフローチャートに従って説明する。この実施形態における光学部品の光学面の変形を考慮した光学機器の光学特性解析システムは、3次元形状生成工程(S11)と、数値解析モデル生成工程(S12)と、光学面補正工程(S13)と、変形量算出工程(S14)と、光学特性算出工程(S15)とを有している。
図2は、3次元形状生成工程において3次元形状モデラーを用いて生成した自由曲面を含む光学系全体の3次元形状とそのメッシュ分割後の様子である。
一方、光学面補正工程なしの場合は、変形前の光学特性(図3(b))が設計値(図3(a))と一致しない。なお、光学特性を示した図3は、軸上画角のデフォーカス特性をあらわしており、横軸がデフォーカス量、縦軸が光学系のMTF(Modulation Transfer Function:光学伝達関数(OTF:Optical Transfer Function)の振幅成分)の値を示す。これらの図においては、MTFの山の高さが高いほうが良く、また、山の形状がきれいな1つの山形となっているほうが性能がよいことになる。実線と点線は、画像面における独立する2つの方向のMTFの値を示している。
本実施形態によれば、変形前の光学面形状の誤差を抑制することにより、変形前の光学特性が設計値と一致し、機械的又は熱的挙動による変形後の光学特性の誤差も小さくなるため、機械的又は熱的挙動で生じる光学面の変形の影響に基づく光学特性の変化を正確に把握することができる。また、本実施形態では、数値解析モデル生成後に光学面補正を行うため、光学面補正部分を数値解析モデルの生成とは独立したルーチン又は独立したプログラムにより光学面補正を行うことができ、システム化が容易である。
図4は、第1の実施形態の光学面補正工程(図1ステップS13)の詳細フローチャートである。
図5(a)において、この実施形態における光学部品の光学面の変形を考慮した光学機器の光学特性解析システムは、3次元形状生成工程(S21)と、光学部品のメッシュ分割と同時に光学面の補正を行う機能を追加した数値解析モデル生成工程(S22)と、変形量算出工程(S23)と、光学特性算出工程(S24)とを有している。
図6は、第2の実施形態の構成を模式的に示したブロック図である。
図7は、本発明の第3の実施形態を説明する図である。
光学特性解析システムのモジュール構成においては、大きく分けて光学設計ツール20と有限要素法などの方法で光学系の機械的あるいは熱的挙動をシミュレーションする変形解析ツール21とからなる。そして、光学設計ツール20には、設計式を用いて光学面等を設計するための形状定義モジュール20−1と設計式の光学形状に基づいて光学特性をシミュレートする光学特性算出モジュール20−2とからなる。また、変形解析ツール21は、シミュレーション用の光学形状を作成する3次元形状生成モジュール21−1と、生成された形状に基づいて数値解析(シミュレーション)用のメッシュ分割を行う数値解析モデル生成モジュール21−2と、実際のシミュレーションを行う変形量算出モジュール21−3からなる。ここで、第3の実施形態においては、シミュレーション用の形状データを補正する光学面補正機能21−4が3次元形状生成モジュール21−1に設けられている。
ステップS50において、光学部品の面形状データSk(k=1、・・・、M)を取り込む。ステップS51において、k=0と設定し、ステップS52において、k=k+1とする。ステップS53において、1個の面形状データSkを取り出す。ステップS54において、当該面が光学面であるか否かを判断する。ステップS54の判断がNoの場合には、ステップS56に進む。ステップS54の判断がYesの場合には、ステップS55において、Skの定義式を設計式(例えば,式(1))で置き換え、ステップS56に進む。そして、ステップS56において、全ての面について操作を行ったか否かを判断する。ステップS56の判断がNoの場合には、ステップS52に進み、ステップS56の判断がYesの場合には処理を終了する。
12 プリズム保持部品
Claims (8)
- 光学機器の光学系の形状を設計する光学設計手段と、
該光学設計手段によって設計された形状を近似した形状近似モデルに変換した結果を用いて、光学系の機械的又は熱的挙動をシミュレーションする数値解析手段と、
該数値解析手段がシミュレーションに用いる形状近似モデルに対し、該光学設計手段による設計値に基づいて、補正を行う補正手段と、
を備えることを特徴とする光学特性解析システム。 - 前記数値解析手段は、
前記形状近似モデルを生成する形状近似モデル生成手段と、
該形状近似モデルにメッシュを切って、数値解析モデルを生成する数値解析モデル生成手段と、
該数値解析モデルに基づいてシミュレーションを行うシミュレーション手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の光学特性解析システム。 - 前記補正手段は、前記モデル生成手段に含まれることを特徴とする請求項2に記載の光学特性解析システム。
- 前記補正手段は、前記数値解析モデル生成手段に含まれることを特徴とする請求項2に記載の光学特性解析システム。
- 前記補正手段は、前記数値解析手段に含まれることを特徴とする請求項1に記載の光学特性解析システム。
- 前記光学設計手段は、前記光学系の形状を設計式に基づいて決定し、前記補正手段は、前記数値解析手段の前記形状近似モデルの座標値と該設計式によって得られる座標値との差が所定値以上の場合、該差を該形状近似モデルの座標値に加算することにより、該形状近似モデルの補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の光学特性解析システム。
- 光学機器の光学系の形状を設計する光学設計ステップと、
該光学設計ステップによって設計された形状を形状近似モデルに変換した結果を用いて、光学系の機械的又は熱的挙動をシミュレーションする数値解析ステップと、
該数値解析ステップがシミュレーションに用いる形状近似モデルに対し、該光学設計手段による設計値に基づいて、補正を行う補正ステップと、
を備えることを特徴とする光学特性解析方法。 - 光学機器の光学系の形状を設計する光学設計ステップと、
該光学設計ステップによって設計された形状を形状近似モデルに変換した結果を用いて、光学系の機械的又は熱的挙動をシミュレーションする数値解析ステップと、
該数値解析ステップがシミュレーションに用いる形状近似モデルに対し、該光学設計手段による設計値に基づいて、補正を行う補正ステップと、
を備えることを特徴とする光学特性解析方法をコンピュータに実現させるプログラム。
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