JP4354040B2 - インクジェットプリントシステムとインク供給システム - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、インクジェットプリンタおよび類似の装置に関し、特に、性能の向上した、小型で高速のプリント速度を有するインクジェットプリンティングシステムに関する。
【0002】
【従来技術】
インクジェットプリンティングは、非衝撃プリントプロセスであり、この場合、インク液滴を特定の順序でプリント媒体上に被着させて、その上に英数字、塗りつぶし及びその他のパターンを形成するものである。比較的ノイズのない動作と相俟って、ハードコピー出力の低コスト及び高品質のおかげで、インクジェットプリンタは、コンピュータ制御される他方式のプリンタに代わって普及してきている。
【0003】
インクジェットプリントの非衝撃プリントプロセスは、マイクロプロセッサで生成された電気信号に応答して、紙、透明フィルムまたは繊維等のプリント媒体上にインクの微細液滴を噴射(発射)するものである。インクジェットプリントにおいてインク液滴噴射を達成するために現在利用できる方法としては、2つの基本的手段:熱式(サーマル)及び圧電式がある。圧電式インクジェットプリンティングでは、これもマイクロプロセッサによって生成される電気信号に応答して、ピエゾ結晶が振動することによりインク滴を噴射するのである。
【0004】
サーマルインクジェットプリンティングでは、インクジェットイメージは、「プリントヘッド」として知られている液滴生成装置からプリント媒体上に精密なドットパターンを噴射する時に形成されるものである。典型的なインクジェットプリントヘッドは、精密に作られたノズル(又は噴射器部分)の配列(アレイ)が、シリコン、ニッケル又はポリイミド又はそれらの組合せのような、サーマルインクジェットプリントヘッド基板に取付けられているものである。基板には、1または2以上のインク貯蔵器との流体連絡を通して液体インク(溶媒に溶解又は分散された着色剤)を受ける噴射チャンバ又は液滴噴射器部分の配列(アレイ)が組み込まれている。各噴射チャンバは、ノズルに対向して配置された、「噴射抵抗体(firing resistor)」として知られている、薄膜抵抗体を備えていて、その結果、噴射抵抗体とノズル間にインクを集めることができる。プリントヘッドは、プリンタの幅方向(そうでなければ、「走査軸」)に沿って移動するキャリッジに取付けられる。
【0005】
ヒューレット・パッカード・カンパニーより製造・販売されているDeskJet(登録商標)プリンタのような、市販のサーマルプリンタは、種々の色相、即ち、マゼンタ、イエロー及びシアン、そして任意でブラック、のインクを使用する。インクを作るのに使われる着色剤、例えば、染料の特定の組(セット)は、「原色(一次)染料セット(primary dye set)」と呼ばれる。カラーのスペクトル、例えば、二次カラー(secondary colors)は、原色染料セットの種々の組合せを使って作り出すことができる。
【0006】
インクジェットプリンタの1つのカテゴリでは、インク貯蔵器がキャリッジとオンボード状態にあるところの取外し可能なプリントヘッドが用いられ、従って、オンボード又はオンアクシス式と呼ばれる。貯蔵器は、プリントヘッド部分と一体形成させてもよく、取外しできるようにそこへ接続してもよい。
【0007】
インクジェットプリンタの別のカテゴリでは、キャリッジ上に配置されていないインク貯蔵器が使われれ、従って、オフボード又はオフアクシス式と呼ばれる。一例では、プリントヘッドが補充のため周期的に固定貯蔵器へ移動する時に、貯蔵器からプリントヘッドに断続的(間欠的)にインクを補充する。別方式では、流体導管によってプリントヘッドに接続された交換可能なインク容器を用いる。プリントヘッドには、この流体管を通してインクが補充される。
【0008】
貯蔵器は、(他の貯蔵器とは別に)独立して交換してよく、又は、貯蔵器は、一つのユニットとして交換できるよう、一体形成型貯蔵器部分として形成することもできる。
【0009】
種々のプリントヘッド/インク貯蔵器の配置構成によって、様々なユーザニーズが処理される。例えば、オンボード設計は、使用の容易さを配慮したものである。オフボードデザインを採用しているプリンタは、大型フォーマットの印刷のような、比較的大きいインク容積を要するプリント作業中の中断を少なくすることを配慮したものである。
【0010】
一般に、カラーインクジェットプリンティングに好結果を得るインクセットは、次の特性を備えているべきである:クラスト形成(crusting)に対する十分な耐性、高い安定性、適当な粘性、適当な表面張力、カラー対カラーにじみ(ブリード)の十分な低減、速い乾燥時間、ベヒクルとネガティブに反応しないこと、ユーザの安全性及び浮き出し(ストライクスルー)が低いこと。サーマルインクジェットシステムに入れられる際に、インクセットはまた、コゲーション(kogation)耐性でなければならない。さらに、好結果を生むインクセットは、インクジェットプリントカートリッジの設計及び配置に際し柔軟性をもたせられるほど十分な耐久性を有していなければならない。
【0011】
インクが染料ベースであるか又は顔料ベースであるかに関係なく、インクジェットインクは、通常、カラー対カラー又はブラック対カラーのにじみ(ブリード)制御という課題に直面する。用語「にじみ、ブリード(bleed)」は、本願明細書で使用される時は、インクがプリント媒体上に被着される際にそれらのインク間のぎざぎざの境界で立証されるような、一つのカラーの他のカラーへの浸入であると定義される。にじみは、カラー同志が、紙サブストレート自体の内部においてのみならず、そのサブストレート上で混ざり合う時に起こる。ブリードの発生は、ブラックインクとその隣りにプリントされたカラーインクとの間では、それが全て比較的目に見え易いという理由で、特に、問題となる。故に、良好なプリント品質を達成するには、ブリードを実質的に低減するか又は除去して、カラー間の境界をクリーンにして1つのカラーの他への浸入が生じないようにしなければならない。プリントイメージ間のにじみの制御に対していくつかのアプローチがなされているが、それらの多くは反応性インクのメカニズムを利用するものであった。
【0012】
本願出願人に譲渡されている米国特許第5,428,383号(「Method and Apparatus for Preventing Color Bleed in a Multi-Ink Printing System」)に開示されているような、プリントイメージ間のブリード制御に用いられる1つのアプローチは、1つのインクに沈殿剤(例えば、多価金属塩)を採用し、そして別のインク、好ましくは、ブラックインクに、好ましくは、少なくとも1つの、好ましくは2又は3以上の、カルボキシル及び/又はカルボン酸塩の基を有する有機染料の形の着色剤を採用することである。それらのインクをプリント媒体上に互いに隣り合わせてプリントすると、沈殿剤を含有しているインクが、カルボキシル及び/又はカルボン酸塩の基を有する着色剤の沈殿を生じさせ、よって、着色剤の他のインクへの移動を防ぎ、従って、2つの隣接するプリント領域間のブリード(にじみ)が低減されるのである。
【0013】
インクジェットインク間のにじみ(ブリード)を減らす他の方法は、本願出願人に譲渡されている、米国特許第5,181,045号(「Bleed Alleviation Using pH-sensitive Dyes/Inks」)に開示されているようなpH感知性染料の使用に関するものである。そこには、pH感知性染料を有するインク、「pH感知性インク(pH-sensitive drop)」は、適切なpHを有する隣接インク、「ターゲットインク」中へのにじみを防ぐことが開示されている。より詳細には、pH感知性染料を有するインクの移動は、適切なpHを有する隣接インクとの接触によってそのページ上で染料を不溶性にすることにより防がれる。従って、にじみは、「pH感知性インク」と「ターゲットインク」の両方を使って低減もしくは除去されるのである。典型的には、カラー染料中へのブラック染料の浸入は、それがより大きく目立つため、その逆よりもさらに問題であるので、ブラックインクにpH感知性染料を使い且つカラーインクのpHを発明に従って制御し、ブラックインクがカラーインク中へにじむのを防ぐ。米国特許第5,181,045号の方法は、ブリードを完全に制御するのに、約4(又は5)ユニットのpH差を要する。
【0014】
本願出願人に譲渡された米国特許第5,785,743号(「Bleed Alleviation in Ink-Jet Inks using Organic Acids」)及び米国特許第5,679,143号(「Bleed Alleviation in Ink-Jet Inks Using Acids Containing a Basic Functional Group」)は、さらに、pH感知性染料と(第1インクより高いか又は低いかのどちらかの)適当なpHを有する第2インク(ターゲットインク)とを接触させてプリント媒体上の1つのインク(pH感知性インク)のpH感知性染料の沈殿を強制することによりにじみを制御する方法が開示されている。プリント媒体と接触すると、第1インクのpH感知性染料が不溶性となり、従って、にじみ量が少なくなるのである。米国特許第5,785,746号は、上述の米国特許第5,181,045号に開示されたものの対照として、pH感知性染料着色剤の沈殿を生じさせるのに要するpH差を減らすべく有機酸の使用を開示している。米国特許第5,679,143号は、塩基性官能基を含まない有機酸と、酸性及び塩基性の両方の官能基、特に、少なくとも1つの酸性官能基と少なくとも1つの塩基性官能基を含み、塩基性官能基の数が酸性官能基の数と等しいか又はそれより大きい、pH調節用有機化合物との使用を採用している。インクジェットインク組成物における有機酸の存在によって、上記の米国特許第5,785,743号に開示されたように、第2の浸入性インクジェットインク組成物のpH感知性着色剤を不溶性にするのに要するpH差が減少する。デュアルpH調節用化合物の存在は、インクジェットインク組成物の酸性官能基の濃度をさらに高める一方、また、インクジェットインク組成物のpHを許容レベルまで上げる。それ故、デュアル機能pH調節用化合物は、米国特許第第5,785,743号に開示された機構に従って有機酸だけで達成されたにじみの低減度を増大させる。
【0015】
原色(例えば、シアン、マゼンタ及びイエロー)及び二次カラー(例えば、赤、青及び緑)とブラックとの間のにじみの発生を防ぐためには、3つの原色全てを、上述したような反応性メカニズムに従いブラックインクと反応するように設計する(多価金属塩、pH-鋭敏性染料)。
【0016】
上記解決方法は、メリットがあるとは云え、インク及びそれらが使われるプリントシステムの設計上の自由度を最大化することはできない。例えば、反応性インク系を用いることは、反応性インクの望ましくない混合の原因となり、故に、プリントシステムの、特に、コンパクトなプリントヘッドの配置又はコンパクトなインク供給構成における、信頼性問題の一因となることがある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
それ故、インク及びそれらが使われるインクジェットプリントシステムのアーキテクチャの設計における自由度を許容すると共に、反応性インクの利点を利用できるところの反応性インクセットを求める要求は存在するのである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、インクジェットプリントシステムの設計およびアーキテクチャの自由度を最大化することを考慮しながら反応性インクの長所を利用できるインクジェットプリントシステムおよびインク供給部の構成が開示されている。インクジェットプリント装置は、少なくとも三つの噴射器部分を有するプリントヘッド部分、および各々が少なくとも三つの噴射器部分の1つにインクを供給する少なくとも三つのインクチャンバであって、その内の二つが各々第1または第2の相互に反応するインクを備え、他のインクチャンバが第1および第2の相互に反応するインクと反応しないインクを備えている三つのインクチャンバを備えている。
【0019】
定義
反応性インク
他インクの成分と反応する成分を有し、従って、反応性インクと他のインクがプリント媒体上で隣接してプリントされる場合に、反応性インクと他インク間のにじみ(ブリード)を低減するような、諸特性の改善に対して必要な手段が講じられているインク。
【0020】
相互反応性インク
互いに反応し合うインク。
【0021】
非反応性インク
相互反応性インクとは非反応性であるインク。
【0022】
一体化プリントヘッド
剛体構造に永久的に取り付けられた液滴噴射器部分の配列(アレイ)を有するプリントヘッド。噴射器部分は、シリコン、ニッケル、ポリイミド又はそれらの組合せを含む材料から組み立てられる。モノリシックプリントヘッドを作製する前述の技術は、周知であり、米国特許第4,438,191号及び米国特許第4,922,265号(両方とも、本願出願人に譲渡)のような文献において詳述されている。
【0023】
一体化貯蔵器部分
複数の貯蔵器チャンバから成る貯蔵器部分であり、複数の貯蔵器チャンバは互いに着脱不能に固定されている。
【0024】
一体化プリントカートリッジ
インクジェットプリントヘッド部分と少なくとも1つの貯蔵器チャンバ又は一体形成された貯蔵器部分が、一体形成されたプリントカートリッジを形成。
【0025】
オンボード(オンアクシス)
インク貯蔵器がそのキャリッジとオンボード関係にあるところの取外し可能型プリントヘッドを利用しているインクジェットプリンタの1つのカテゴリ。貯蔵器は、プリントヘッド部分と一体化構造で形成するか又はそれに取外しできるよう接続してもよい。
【0026】
オフボード(オフアクシス)
キャリッジ上に配置されていないインク貯蔵器を採用しているインクジェットプリンタの1つのカテゴリ。1つの例では、プリントヘッドが補充のため周期的に固定貯蔵器へ移動する時に、貯蔵器からプリントヘッドにインクを断続的(間欠的)に補充する。別の方式では、流体導管によってプリントヘッドに接続された交換可能なインク貯蔵器を用いる。プリントヘッドには、この流体導管を通してインクが補充される。
【0027】
走査軸(スキャンアクシス)
プリントシステムに連結したキャリッジの動きを定義する軸。
【0028】
【実施例】
図1を参照すると、上述の本願発明が用いられるインクジェットプリントシステム100の正確な縮図ではないが、概略図が示されている。このシステム100は、にじみの軽減、耐汚れ性、乾燥時間、または他の所要特性等の、多数のプリント装置の特徴のどれか一つを良くするための、少なくとも二つの相互反応性インクを採用している本願発明に係る多色インク供給システム105を備えている。プリントシステム100は、電子リンク140によりプリントシステム制御電子回路130から信号を受け、応答してプリント媒体90の上にインク貯蔵器部分120から利用できるインクの小滴を選択的に付着させるプリントヘッド部分110を備えている。
【0029】
プリントヘッド110は、別々のインクを噴射する複数の噴射器部分115を備えている。実施例では、噴射器部分115は、黒、シアン、マゼンタおよび黄色のインクをそれぞれ噴射(発射)するための噴射器部分115K、115C、115Mおよび115Yを備えている。しかし、多かれ少なかれ、プリント用途および必要なプリント品質およびカラー領域の程度により異なる組成のインクを利用することができる。
【0030】
本願明細書の残りの説明部分では、例を用いて、特記以外、「にじみ」を使用してインク間の反応の効果を説明し、黒、シアン、マゼンタおよび黄色を使用して第1から第4までのインクを示す。
【0031】
各噴射器部分は、別々の貯蔵器チャンバからインクを受取る。例示の実施例では、貯蔵器部分120は、黒、シアン、マゼンタおよび黄色のインクをそれぞれ入れるための貯蔵器チャンバ120K、120C、120Mおよび120Yを備えている。貯蔵器チャンバをプリントヘッド部分110と一体に形成することができ、またはプリントヘッド部分に取り外し可能に接続することができる。たとえば、貯蔵器部分とプリントヘッド部分との間に随意選択の分離部分160があってよい。各貯蔵器室を個別に交換できるようにしてよい。好適な実施例では、インク供給システムを簡単にするのに、貯蔵容器チャンバを、ユニット(すなわち、一体貯蔵器部分)として取換える、一つの一体貯蔵器部分120として形成している。
【0032】
好適な実施例では、複数の噴射器部分115が一定軸に沿って設置され、空間効率を簡単に且最大化している。この軸をアレイ軸「A」とする。空間効率を更に最大化するため、アレイ軸「A」は、プリント動作中のプリント媒体の上方のプリントヘッド部分の走行方向を指す走査軸「S」と平行である。
【0033】
例を挙げると、図1は、四つの別々のインク、それぞれ第1から第4までのインクを入れるための四つの別々のインクチャンバ120K、120C、120Mおよび120Yを採用しているインクジェットプリントシステムを示しており、そこでは少なくとも二つのインクが互いに反応性(他の場合には「相互反応性インク」という)であり、前記インクの各々は、水性ベヒクルおよび着色剤から構成されている。好適な実施例では、相互反応性インクは、一体化プリントヘッド部分で利用されている。黒インクは、少なくともマゼンタインクまたは黄色インクと、好適には、マゼンタおよび黄色の双方のインクと反応性である。更に好適には、シアンインクは、黒インクと非反応性である。本発明は、一定数のインクに限定されないこと、および同じまたは異なる着色剤を有する、更に多いまたは少ないインクをインクセットに使用できることは当業者にとって容易に理解される。
【0034】
インクジェットプリントヘッドのノズルプレート上に液たまり(puddle)ができるのは通常のことである。この液たまりは、たとえば拭取りプロセスにおいて、インクの混合を生じさせることがある。このインクの混合は、特に反応性インクを一体化プリントヘッドと関連して使用するとき、噴射(発射)チャンバで信頼性の問題を生ずることがある。したがって、上述のもの(またはそれに関する他のすべての方法)のような、反応性インクのアプローチを採用するときには、相互反応性インクに関連する噴射器部分を分離するのが好ましい。したがって、相互反応性インクを非反応性インクと関連する少なくとも一つの噴射器部分だけ離して相互反応性インクの間のバッファにするのが好ましい。好適な実施例では、第1のインクが第3のインクと、好適には第3および第4のインク双方と相互に反応性であり、第2のインクと非反応性である。好適な実施例では、第1、第2、第3および第4のインクは、黒、シアン、マゼンタ、黄色である。
【0035】
相互反応性インクの間(たとえば、第1のインクと第3および第4のインクとの間)の反応は、前述の特許に説明されているように、pH感知性着色剤の使用、または沈殿剤の使用のような業界に周知の機構のいずれか一つを採用できる。本発明を、第1のインクが第3のインクと反応性であるように設計され、随意選択的に第4のインクが反応の目的に関係なく設計されているとき、どんな反応系にも採用することができる。反応は、にじみ軽減、耐汚れ性、乾燥時間、または他のすべての望ましい特性のような多数のプリントシステムの特性のどれか一つを高めるのに役立つ。
【0036】
次に図2を参照すると、複数のインクを噴射するための、複数の噴射器部分550、すなわち550K、550C、550Mおよび550Yから成る一体化プリントヘッド部分500が、噴射器部分だけを示して、分解して図示されている。好適な実施例では、複数のインクには、黒、シアン、マゼンタおよび黄色のインクがある。プリントヘッド部分500の各噴射器部分は、噴射器部分に関連するインクを噴射するための、および好適には走査軸「S」に垂直な用紙軸「P」方向に設置された少なくとも1列のノズルまたはオリフィスを備えている。少なくとも二つのインク、たとえば、第1および第3のインクは、相互に反応性である。好適な実施例では、第1のインクは黒である。
【0037】
本発明を採用するインクセットは、一つの領域が相互反応性インクの一つ(たとえば、第1のインク)でプリントされ、他の領域が他の相互反応性インク(たとえば、第3または第4のインクの少なくとも一つ)でプリントされている、隣接してプリントされた領域の間のにじみを減らす。好適な実施例では、一体化プリントヘッド上に隣接して設けられた噴射器部分と連結するインクの間の可能な反応から生ずる信頼性の問題を最大化するのに、相互反応性インクと非反応性のインク(たとえば、第2のインク)を採用できる。
【0038】
第2のインクは、第1のインクと非反応性であるから、一つの領域が第1のインクでプリントされ、他の領域が第2のインクでだけプリントされた、隣接プリント領域間ににじみ制御は存在しない。したがって、第2のインクは、第1のインク、好適には黒、の次に印刷したとき最小の不快なにじみを示す色、好適にはシアン、を有していることが好ましい。
【0039】
非反応性インク(たとえば、黒インクと反応しないインク)、たとえば、非反応性シアン、および反応性マゼンタおよび黄色インク(たとえば、黒インクと反応する)を使用すると、黒からカラーへのにじみが黄色(反応性)、マゼンタ(反応性)、赤(マゼンタ+黄色)、青(シアン+マゼンタ)、および緑(黄色+シアン)、黒のインクでプリントされた領域塗りつぶし隣接領域について軽減される。何故なら反応性インクの少なくとも一つ(たとえば、黄色またはマゼンタ)が着色領域に存在するからである。しかし、黒の次に非反応性インク、たとえば、シアン、をプリントするときにじみ制御は存在しないことになる。したがって、第1および第2のインクを含むすべてのカラーの間のにじみを減らすか排除することが望ましい。第1のインクと第2のインクとの間のにじみ軽減を達成するには、第1のインク(たとえば、黒)でプリントすべき領域(ここでは第1の領域という)も、少なくとも部分的に、第1のインクと反応する少なくとも一つのインク(たとえば、マゼンタまたは黄色)でプリントするプリント方法を採用する。アンダープリント方法は、第1のインクの成分と反応性インクの成分または性質との反応により、第1のインクの着色剤に必要な不動化を与え、第1のインクの着色剤が非反応性の第2のインクでプリントした隣接領域に移動できないようにする。更に、アンダープリント方法は、第1のインクの耐汚れ性のような他のプリントシステムの特性を高めるのに利用できる。
【0040】
図3で、プリントヘッド部分600が二つの一体化プリントヘッド600Iおよび600IIに分割されて反応性インクを更に分離している。好適な実施例では、プリントヘッド600Iは、噴射器部分600Kおよび600Cから成り、プリントヘッド600IIは、噴射器部分600Mおよび600Yから構成されている。上述したとおり、インクを同じ一体化プリントヘッドで互いに隣接して置くと、好適に、隣接滴噴射器部分に関連するインクは互いに非反応性である。好適な実施例では、噴射器部分600Kおよび600Cは、黒およびシアンのインクに関連し、噴射器部分600Mおよび600Yは、マゼンタおよび黄色のインクに関連しており、この場合マゼンタおよび黄色のインクは、黒インクと反応性であり、黄色インクは、黒インクと非反応性である。更に、先に記したように、アンダープリント方法を利用して隣接する黒およびシアンの印刷領域の間のにじみを最小化にできる。
【0041】
次に図4に、インク供給システム105'の一実施例の概略図が示されている。インク供給部分105'は、色々なインクを噴射するための複数の噴射器部分115'、および流体出口150'および流体入口130'によりインクをプリントヘッド部分110'に供給するための貯蔵器部分120'を備えている。各流体出口150'が各流体入口130'に接続されると、特定のインクを有する貯蔵容器チャンバには、同じインクを利用するプリントヘッド部分の対応する噴射器部分と流体的に結合する流体接続が形成される。
【0042】
好適な一実施例では、流体出口150'は、150'K、150'C、150'Mおよび150'Yを備え、それぞれ、流体入口130'K、130'C、130'Mおよび130'Yに接続されるように構成され、したがって黒、シアン、マゼンタおよび黄色のインクをそれらの対応するインク貯蔵器チャンバ120'K、120'C、120'M、120'Yから、それぞれ、噴射器部分150'K、150'C、150'M、150'Yに供給する。
【0043】
好適な実施例では、設計を小型化にするため、流体出口150、流体入口130'、貯蔵器チャンバ120'、び噴射器部分115'は、好適には走査軸「S」と平行なアレイ軸の方向に設置されている。
【0044】
インクの内少なくとも二つが相互に反応性である。好適な実施例では、第1のインクは黒である。好適には、第1のインクは、第3のインクと、および好適には第3および第4のインクの双方と相互に反応性であり、第2のインクと非反応性である。この実施例では、第1、第2、第3、第4のインクは、黒、シアン、マゼンタ、黄色である。再び、少なくとも一つのインクが第1のインクと非反応性であるとき、アンダープリント方法を利用できる。
【0045】
好適な実施例では、貯蔵器チャンバ120'K、120'C、120'M、120'Y、およびそれらの対応する流体出口150'K、150'C、150'M、150'Yは、それぞれ、それらの対応する噴射器部分115'K、115'C、115'M、115'Y、およびそれらの対応する流体入口130'K、130'C、130'Mおよび130'Yに対するものと同じ所定の設置順序で走査軸「S」の方向に設置されている。この同様の設置順序は、図4に示したように、相互反応性インクを接続する流体接続の間の最大距離を見込んでおり、したがって特に流体接続におけるもれがある場合に、相互反応性インク間の汚染を防止する。
【0046】
図5は、プリントシステム100"の一実施例を示す。プリントシステム100"は、プリント媒体入力トレイ230"Aおよび出力トレイ230"Bを備え、プリント媒体がプリント領域232"を通って用紙送りされる、それぞれ、前および後に、プリント媒体(図示せず)を貯蔵する。キャリッジ234"がプリントヘッド部分110"を支持し、プリント領域232"の上方を走査方向「S」に走査してプリントヘッド部分110"に関連する噴射器部分(図示せず)にインクをプリント媒体上に選択的に付着させる。プリントヘッド部分110"は、導管216"により貯蔵容器部分120"に流体的に接続されている。貯蔵容器部分120"をキャリッジ234"で走査する場所に、または走査しない場所に、設置して、色々なキャリッジ構成を考慮に入れることができる。図5に示した実施例では、四つの噴射器部分115"K、115"C、115"Mおよび115"Y(図示せず)から成るプリントヘッド部分110"が、四つの貯蔵器チャンバ120"K、120"C、120"Mおよび120"Yから成る貯蔵器部分120"から離して設置され、貯蔵器部分120"をキャリッジ234"で走査されない場所に設置できるようにしている。プリントヘッド部分110"は、インクを導管216"により貯蔵器部分120"から受ける。
【0047】
当業者には、インクセットのインクの数および色は、上の例に限定されないこと、および同じまたは異なるカラーを有する、更に多いまたは更に少ない数のインクを利用できることが認識されるはずである。更に、第1から第4までのインクの指定は、黒、シアン、マゼンタおよび黄色に限定されないこと、および非反応性部分セットを使用するときインクのどれか一つが部分セットを形成できることも認識されるはずである。例を挙げれば、インクセットは、黒、シアン1、シアン2、マゼンタ1、マゼンタ2および黄色から構成でき、ここで記号「1」および「2」は、同じ色相であるが異なる着色剤濃度を有するインクを指している。または黒、シアン、マゼンタ、黄色、赤、緑、青および白から構成して大きな色範囲を与えることができる。
【0048】
インク
本発明のインクセットは、少なくとも四つのインクを備え、前記インクの各々は、水性ベヒクルおよび着色剤を備えている。本発明によれば、少なくとも二つのインク(たとえば、第1および第3のインク)が相互に反応性である。好適には、インクセットは、少なくとも二つの相互反応性インクと反応しない少なくとも一つのインク(たとえば、第2のインク)を備えている。
【0049】
第1のインクと、それと反応するインクとの間の反応は、前述の特許に記されているように、pH感知性着色剤の使用、または沈殿剤の使用のような、業界で既知の機構のいずれか一つを採用することができる。本発明を、少なくとも二つのインクが反応の目的に関係なく相互に反応性であるとき、どんな反応系にも採用できる。反応は、にじみ軽減、耐汚れ性、乾燥時間、または他のすべての所要特性のような多数のプリントシステムの特性のどれか一つを高めるのに役立つ。例示の目的で、にじみおよびその対応する制御反応機構を本発明の更に他の説明に使用する。
【0050】
着色剤は染料主体または顔料主体でよい。ここに使用するかぎり、用語「顔料」は、水性ベヒクルに不溶の着色剤を指し、分散染料を含む。
【0051】
着色剤
インクに使用する着色剤を染料または顔料主体とすることができる。着色剤の選択は、特定のプリント用途によって決まる。第1のインクに用いるインクの場合のように、着色剤の選択は、更に、選択した反応機構、たとえばpH感知性着色剤の使用、または沈殿剤(たとえば、多価金属塩)の使用、または他の適切な反応機構によっても変わる。
【0052】
第1のインクに使用される適切な着色剤には、その例が米国特許第4,963,189号(本願出願人に譲渡された)に列挙されている少なくとも一つの、好適には二つ以上のカルボキシル基および/またはカルボン酸塩基を有する有機染料、および米国特許第5,085,698号および米国特許第5,555,008号に開示されているもののようなカルボン酸塩可溶化基を好適に含有する分散剤で分散された不水溶性着色剤(たとえば、顔料)を有するカルボン酸化顔料、がある。
【0053】
他のインク、すなわち、第2、第3、および第4のインクに使用する着色剤は、当該技術分野では既知であり、たとえば、前述の特許に記されている。
【0054】
水性ベヒクル
水性ベヒクルは、当該技術分野で周知のように、水または水および少なくとも一つの水溶性有機溶媒の混合物である。適切な混合物の選択は、所要表面張力および粘度、所定の着色剤、インクジェット・インクの乾燥時間、およびインクをプリントするプリント媒体の形式のような、特定の用途の要求事項によって決まる。インクは更に、殺生剤、表面活性剤等の添加成分を備えることができ、それらの各々は、インクジェットプリントにおいて普通に採用されている添加剤である。
【0055】
反応機構により、反応インクは付加成分を備えることができる。たとえば、にじみを減少させる機構が第1のインクの中のpH感知性着色剤の沈殿によるとき、反応性の第3および第4のインクは、十分な量の有機酸を備え、上に記した米国特許第5,679,143号および米国特許第5,785,743号に開示されているように、第1のインクのpH敏感着色剤を接触時に不溶にする。
【0056】
代わりに、反応機構が、前述の特許に開示されているように、多価金属塩のような、沈殿剤の使用に基づくとき、第3および第4のインクは、沈殿剤、たとえば、多価金属塩を含有している。
【0057】
プリント方法
上述したように、インクセットが第1のインクと反応しないインクを備えているとき、プリント方法(アンダープリント方法)を採用して第1のインクと非反応性インクとの間のにじみを減らすか、または他のプリントシステムの特性を高めることができる。方法を適用する際、第1のインク(たとえば、黒)でプリントしようとする領域(ここでは第1の領域という)も、少なくとも部分的に、第1のインクと反応する少なくとも一つのインク(たとえば、マゼンタまたは黄色)でプリントし、それにより第1の領域と非反応性インクでプリントしようとする第2の領域との間のカラーの混合を最小化する。
【0058】
第1のインクと非反応性インクとの間のにじみを、インクセットおよび本発明のプリントシステムを使用して軽減するのに使用されるプリント方法は、インクジェットプリントヘッドからプリントすることから成り、この方法は、水性ベヒクルおよび着色剤から成るインクから構成されたインクジェットインクセットを準備するステップであって、前記インクセットが第1および第2の相互反応性インクから成る少なくとも二つの相互反応性インクと少なくとも二つの相互反応性インクと反応しないインクから成るものであるステップと、プリント媒体上で第1の所定の領域を選択するステップと、相互反応性インクの一つの少なくとも一つの滴を第1の所定のプリント領域にプリントするステップと、別の相互反応性インクの少なくとも一つの滴を第1のプリント領域にプリントしてその別の相互反応性インクの少なくとも一つの滴が少なくとも部分的に一つの相互反応性インクの少なくとも一つの滴に重なるようにし、それによりプリント媒体上の第1の相互反応性インクの少なくとも一つの滴を不動にするステップと、プリント媒体上で第1のプリント領域に隣接する第2の所定のプリント領域を選択するステップと、および第2の所定のプリント領域に非反応性インクの少なくとも一つの滴をプリントするステップとを備え、それにより第1の相互反応性インクの少なくとも一つの滴と非反応性インクの少なくとも一つの滴とのプリント媒体上での混合を最小化し、それにより第1の相互反応性インクの少なくとも一つの滴と非反応性インクの少なくとも一つの滴との間のにじみを減らしている。
【0059】
当業者は、第1のインクの着色剤の不動化が第1のインクの小滴および第1のインクと反応するインクがプリント媒体に付着される順序に関係なく起こり得ることを認識するはずである。たとえば、黒を最初に、続いてマゼンタを付着することができ、またはマゼンタを最初に、続いて黒を付着することができる。同様に、第1のインクの着色剤が第3のインクにより不動化されるかぎり、相互反応性インクに対する小滴付着の順序に関連するどんな順序ででも付着させることができる。たとえば、シアンを第2の領域に付着させ、続いてマゼンタを、その後黒を第1の領域に付着することができ、またはマゼンタおよび黒を第1の領域に最初に付着させ、続いてシアンを第2の領域に付着させることができる。
【0060】
産業上の利用可能性
本発明のインクジェットプリントシステムおよびインク供給システムは、インクジェットプリントにおいて商業用途を見いだすことが期待される。
【0061】
したがって、インクジェットプリントシステムおよびインク供給システムを開示した。当業者には、明白な性質の様々な変更および修正を本発明の精神から逸脱することなく行い得ること、およびこのような変更および修正が付記した特許請求の範囲の範囲に入ると考えられることが明らかである。
【0062】
以上、本発明の実施例について詳述したが、以下、本発明の各実施態様の例を示す。
(実施態様1)少なくとも三つの噴射器部分を有するプリントヘッド部分と少なくとも三つのインクチャンバを備え、各インクチャンバは、少なくとも三つの噴射器部分の一つにインクを供給するためのものであり、インクチャンバの二つは各々、第1または第2の相互反応性インクの一つを備え、他のインクチャンバは、第1または第2の相互反応性インクと反応しないインクを備えているものである貯蔵器部分を備えていることを特徴とするインクジェットプリントシステム。
(実施態様2)プリントヘッド部分および貯蔵器部分は、一体化プリントカートリッジを形成していることを特徴とする前項(1)記載のシステム。
(実施態様3)貯蔵器部分は、プリントヘッド部分に取り外し可能に取付けられるように設けられているを特徴とする前項(1)記載のシステム。
(実施態様4)プリントヘッド部分は、少なくとも三つの流体入口を備え、貯蔵器部分は、三つの流体入口に接続するよう構成された少なくとも三つの対応する流体出口を備えていることを特徴とする前項(1)記載のシステム。
(実施態様5)非反応性インクを噴射する噴射器部分は、第1および第2の相互反応性インクのための二つの噴射器部分の間に設置されていることを特徴とする前項(1)記載のシステム。
(実施態様6)更に、第1の相互反応性インクと反応する四つのインクを備えていることを特徴とする前項(5)に記載のシステム。
(実施態様7)更に、プリントヘッド部分を支持し、プリントヘッド部分とプリント媒体との間の相対運動を与える走査キャリッジを備えていることを特徴とする前項(1)記載のシステム。
(実施態様8)インクジェットプリントシステムにインクを供給するためのインク供給システムであって、少なくとも二つの相互反応性インクが入っている組込み貯蔵器とを備えていることを特徴とするインク供給システム。
(実施態様9)貯蔵器部分は更に、少なくとも二つの相互反応性インクと反応しないインクを備えていることを特徴とする前項(8)記載のシステム。
(実施態様10)貯蔵容器部分は、少なくとも二つの相互反応性インクおよび非反応性インクをプリント装置に関連する三つの流体入口に供給するための少なくとも三つの流体出口を備え、相互反応性インクを供給するための流体出口は、非反応性インクを供給する流体出口により分離され、それにより相互反応性インクの混合を最小化していることを特徴とする前項(9)記載のシステム。
(実施態様11)プリントシステムは、プリントヘッド部分を備えており、一体化貯蔵器部分を、プリントヘッド部分に取り外し可能に取付けて、相互反応性インクをプリントヘッド部分に利用できるようにしていることを特徴とする前項(8)記載のシステム。
(実施態様12)二つの相互反応性インクおよび少なくとも二つの相互反応性インクと反応しないインクから成る複数のインクが入っている複数のインクチャンバを備えていることを特徴とするインク供給システム。
(実施態様13)複数のインクチャンバは、一体化貯蔵器部分を形成していることを特徴とする前項(12)記載のシステム。
(実施態様14)相互反応インクのひとつはブラックであることを特徴とする前項(12)記載のシステム。
(実施態様15)相互反応の他方はマゼンタかイエローであることを特徴とする前項(14)記載のシステム。
(実施態様16)非反応性インクはシアンであることを特徴とする前項(14)記載のシステム。
(実施態様17)ふたつの相互反応性インクのひとつと反応性をしめす第4のインクを有することを特徴とする前項(12)記載のシステム。
(実施態様18)相互反応性インクは部落とマゼンタであり、非反応性インクはシアンであり、第4のインクはイエローからなり、前記第4のインクはブラックと反応性を示し、マゼンタと非反応性を示すものであることを特徴とするシステム。
(実施態様19)インクジェットプリントシステムのためのインク供給システムであって、一体化インクジェットプリントヘッド部分にインクを供給するための複数のインクチャンバであって、各々に組込みプリントヘッド部分に関連する複数の対応する噴射器部分の一つに供給すべき複数のインクの一つが入っており、複数のインクは、少なくとも二つの相互反応性インクから構成されているものである複数のインクチャンバを備えていることを特徴とするインク供給システム。
(実施態様20)複数のインクは更に、少なくとも二つの相互反応性インクと反応しないインクを備えていることを特徴とする前項(19)に記載のインク配給装置。
(実施態様21)非反応性インクを噴射する噴射器部分は、少なくとも二つの反応性インクを噴射するための二つの噴射器部分のあいだに設置されることを特徴とする前項(20)記載のシステム。
(実施態様22)複数のインクチャンバを有し、すくなくともふたつの相互反応性インクと非反応性インクをプリントシステムに連結した3つの流体入口へ供給する少なくとも3つの流体出口を含み、相互反応性インクの流体出口と非反応性インクの流体出口は分離され、よって、これらのインクの混合を最小化することを特徴とする前項(20)記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるインクジェットプリントシステムの概略図である。
【図2】本発明の一実施例であるインクジェットプリントヘッドの部分概略図である。
【図3】本発明の一実施例であるインクジェットプリントヘッドの部分切断概略図である。
【図4】本発明の一実施例であるインクジェットインク供給システムの概略図である。
【図5】本発明の他の実施例であるインクジェットインク供給システムの概略図である。
【符号の説明】
110:インクジェットプリントシステム
105:インク供給システム
110:プリントヘッド
115:噴射器部分
120:貯蔵器部分

Claims (9)

  1. 少なくとも三つの噴射器部分を有するプリントヘッド部分と少なくとも三つのインクチャンバを有してプリントヘッド部分へと接続されている貯蔵器部分とを備えるインクジェットプリントシステムであって、各インクチャンバは、少なくとも三つの噴射器部分の一つに接続されており、インクチャンバの二つは、第1および第2の相互反応性インクの一つをそれぞれ含有し、他のインクチャンバは、第1および第2の相互反応性インクと反応しないインク(非反応性インク)を含有しここで、前記非反応性インクを含有するインクチャンバが、前記第1の相互反応性インクを含有するインクチャンバと前記第2の相互反応性インクを含有するインクチャンバの二つのインクチャンバの間に配置され、非反応性インクを噴射するための噴射器部分が、前記第1の相互反応性インクを噴射するための噴射器部分と前記第2の相互反応性インクを噴射するための噴射器部分の間に配置されている、インクジェットプリントシステム。
  2. 前記プリントヘッド部分及び前記貯蔵器部分が、一体化プリントカートリッジを形成している、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記貯蔵器部分が、前記プリントヘッド部分に取り外し可能に取付けられるように設けられている、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記プリントヘッド部分が、少なくとも三つの流体入口を備え、前記貯蔵器部分が、前記少なくとも三つの流体入口に接続された少なくとも三つの対応する流体出口を備えている、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記貯蔵器部分が前記第1の相互反応性インクと反応する第4のインクを含有する第4のインクチャンバを更に備え、前記プリントヘッド部分が前記第4のインクを噴射するための前記第4のインクチャンバに接続されている第4の噴射器部分を更に備える、請求項に記載のシステム。
  6. 更に、前記プリントヘッド部分および結合した前記貯蔵器部分を支持し、前記プリントヘッド部分とプリント媒体との間の相対運動を与える走査キャリッジを備えている、請求項1に記載のシステム。
  7. 前記相互反応性インクの1つがブラックであり、前記相互反応性インクの他方が、マゼンタ又はイエローであり、前記非反応性インクが、シアンである、請求項に記載のシステム。
  8. 前記二つの相互反応性インクがブラックとマゼンタであり、前記非反応性インクがシアンであり、前記第4のインクがイエローであり、且つ前記第4のインクがブラックには反応性を示すがマゼンタには反応性を示さない、請求項に記載のシステム。
  9. インクジェットプリントシステムであって、貯蔵器部分と、インクジェットプリントヘッド部を支持する走査キャリッジとを備え、前記走査キャリッジが前記ンクジェットプリントヘッド部分とプリント媒体との間の相対運動を与え、前記インクジェットプリントヘッド部が、少なくとも3つの噴射器部分を備え、前記貯蔵器部分が前記インクジェットプリントヘッド部へとインクを供給するための複数のインクチャンバを備え、ここで、各インクチャンバが前記噴射器部分の一つと流体的に結合した流体出口を備え、前記プリントヘッド部分に関連する複数の対応する噴射器部分の1つに供給すべき複数のインクのうちの1つを収容しており、前記複数のインクが、少なくとも二つの相互反応性インクと、少なくとも二つの相互反応性インクと反応しないインク(非反応性インク)とを含み、ここで、前記相互反応性インクを供給する前記流体出口は前記非反応性インクを供給する流体出口によって隔てられており、それによって、相互反応性インクの混合が最小限となり、非反応性インクを噴射するための噴射器部分が前記少なくとも二つの相互反応性インクを噴射するための噴射器部分の間に配置される、
    インクジェットプリントシステム。
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