JP4352302B2 - エレクトレット濾材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は気体中の微粒子の捕捉に用いられ、低圧力損失ながら高捕集効率を有するエレクトレット濾材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
メルトブロー不織布は、その紡糸条件、すなわちノズル孔径、ノズル孔配列、樹脂吐出量、紡糸温度、冷却速度、ノズルと捕集面の距離等を種々変更することにより、不織布の物理的構造を制御することが可能である。メルトブロー不織布を高性能濾材として適用するためには、繊維径を小さくし、繊維同士を分散させ、かつ繊維充填密度を大きくしたペーパーライクな不織布とする必要があった。しかしながらこのような不織布は当然ながら圧力損失が大きい上に、コロナ放電処理等によりエレクトレット化する際に、繊維充填密度が小さい不織布に比べて荷電効率がよくないという問題がある。
【0003】
エレクトレット濾材の電荷密度の簡易メジャーとして、粒子透過率の対数値を圧力損失で除したQF値がしばしば用いられるが、繊維充填密度が増大するに伴いQF値は低下する傾向がある。この原因は、繊維充填密度が大きいとコロナイオンが不織布内部にまで到達しにくくなり、不織布表面しか荷電されないためと推定される。逆に、圧力損失を低減するため、繊維径を大きくしたり、繊維充填密度を小さくする方向に紡糸条件を変更すると、結果として繊維分散性が悪くなる。このような不織布をエレクトレット化するとQF値は大きくなる傾向があるが、捕集効率絶対値を大きくすることができず、高精度濾過には使えないという問題があった。
【0004】
米国特許第4548628号公報には単繊維直径が0.1〜1.5ミクロンの極細可燃性合成繊維を主体とするメルトブローウェブに高圧水を噴霧し、構成繊維を分散化するとともにウェブの厚み方向に繊維を交絡させることによって、高性能エアフィルター用濾材を得る方法が開示されている。この方法により、ガラス濾紙に比べて低圧損で目詰まりしにくい濾材が得られると記載されているが、0.1〜1.5ミクロンという極細繊維を使用していたり、また高圧水噴霧後に加熱プレス処理を行ったりしているため十分低圧損とは言い難い。またこの公報にはエレクトレットという記載がない。実施例では2.3cm/秒の風速条件における0.3ミクロン粒子の捕集効率および圧力損失のデータが開示されているが、そのQF値は最大でも1.7程度に留まり、満足すべきレベルとは言えない。
【0005】
特開平6−257065号公報には圧力損失相当径Dfp、および電子顕微鏡観測により求まる平均繊維径Dfsの比で表される繊維分散性(Dfp/Dfs)が1以上1.3以下の範囲にあることを特徴とする超高性能エレクトレットメルトブロー不織布が開示されている。しかしながらこの要件を満たすメルトブロー不織布は、上述の通り圧力損失が高く、荷電効率がよくないという問題があった。実際に本公報の実施例1、2に開示されているデータからQF値を計算すると2前後である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、低圧力損失ながら高い捕集効率を有するエレクトレット濾材およびその製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高分子重合体からなるメルトブロー不織布に高圧流体噴霧処理を施したことからなるエレクトレット濾材であって、該メルトブロー不織布の圧力損失相当径Dfpおよび電子顕微鏡観測により求まる平均繊維径Dfsの比で表される繊維分散性(Dfp/Dfs)が2.0以下であるエレクトレット濾材である。
【0008】
本発明の好ましい実施態様は、前記メルトブロー不織布の平均繊維径Dfsが1.5μm以上5μm以下で、かつ不織布の繊維充填密度が0.09cc/cc以上0.2cc/cc以下であるエレクトレット濾材である。
【0009】
また本発明の好ましい実施態様は、前記エレクトレット濾材が、空気濾過速度2.5cm/秒における0.3ミクロン粒子透過率と圧力損失から計算されるQF値が2.5以上であるエレクトレット濾材である。
【0010】
また本発明の好ましい実施態様は、前記メルトブロー不織布を構成する高分子重合体が、ポリオレフィン系樹脂であるエレクトレット濾材である。
【0011】
また本発明は、メルトブロー不織布に高圧流体噴霧処理を施し、その後コロナ荷電するエレクトレット濾材の製造方法である。
【0012】
本発明のエレクトレット濾材は、高圧流体噴霧処理を施したメルトブロー不織布からなる。高圧流体の種類は特に限定するものではないが、簡便性とその効果を考えると水が好ましい。流体が水の場合、その噴射方法は次のとおりである。すなわちメルトブロー不織布の幅方向に沿って複数個の孔を有するノズルプレートを不織布の数cm上方に配置し、不織布をその長手方向に移動させながらノズルより圧力5〜40kgf/cm2で水を不織布に衝突させる。このとき不織布を適当なメッシュを有する網状体に載せ、水噴射面の反対側を減圧状態にしておくとよい。ノズル孔は通常テーパー形状となっておりその吐出部の径は0.05〜0.15mmφが好ましい。また各孔間のピッチは0.5〜2mmが好ましい。0.05mmφ以下の径、および0.5mm以下のピッチのノズルプレートは製作が困難であり極めて高コストとなる。また孔径が0.15mmφ以上の場合、メルトブロー不織布にピンホールが開きやすくなるため好ましくない。またピッチ2mm以上では1回あたりの水の衝突数が少なく、処理回数を多くする必要があるため好ましくない。
【0013】
上記の高圧流体噴霧処理後のメルトブロー不織布において、圧力損失相当径Dfpおよび電子顕微鏡観測により求まる平均繊維径Dfsの比で表される繊維分散性(Dfp/Dfs)が2.0以下であることが重要である。圧力損失相当径Dfpは次の数1から数値解析して求めることができる。
【0014】
【数1】
Figure 0004352302
ここで、
Dfp:圧力損失相当径
L:エレクトレット濾材の厚み
△P:エレクトレット濾材の圧力損失
u:エレクトレット濾材の空気濾過速度
α:エレクトレット濾材の繊維充填密度
ρ:空気密度(=1.21kg/m3
μ:空気粘度(=1.81×10-5Pa・s)
である。
【0015】
圧力損失相当径Dfpは、エレクトレット濾材の圧力損失△Pを空気濾過速度uで測定し、数1で求める。ただし、数1は圧力損失相当径Dfpについて解析的に解けないので、左辺と右辺が等しくなるよう数値解析して求まる値である。なお、エレクトレット濾材の厚みLは、0.3N/cm2の荷重で測定された場合の値とし、圧力損失△Pは、空気濾過速度uが2.5cm/秒で測定された値とする。エレクトレット不織布の繊維充填密度αは、該不織布の目付W(g/m2)と先に述べた厚みL(mm)から、次の数2を用いて算出される。
【0016】
【数2】
Figure 0004352302
【0017】
本発明における平均繊維径Dfsは以下の手順で求めることができる。エレクトレット濾材の任意の場所で倍率2000倍の電子顕微鏡写真を撮り、写真上の1本1本の繊維径を読み取り目盛付ルーペで測定し得られた値の算術平均値とする。また、融着している繊維は、融着界面を境として繊維径を読み取った。尚、測定繊維本数は特に規定はしないが、繊維径のばらつきを考慮すると少なくとも100本以上、好ましくは200本以上の繊維について測定する必要がある。
【0018】
本発明において、電子顕微鏡観測による平均繊維径Dfsは、メルトブロー不織布を構成する基本となる1本1本の繊維の繊維径を意味するものである。したがって(Dfp/Dfs)の比をとると、その数値が大きいほど繊維分散性が悪く、1に近いほど繊維分散性が良いことになる。
【0019】
本発明の第1の目的は、もともと繊維分散性の良い、繊維充填密度の大きいメルトブロー不織布に高圧流体噴霧処理を施してその圧力損失を低減することである。このようなメルトブロー不織布は、高圧流体噴霧処理を施さずにコロナ荷電した場合、ある程度高い捕集効率を示すものの、圧力損失が大きいという問題点がある。高圧流体噴霧処理により繊維充填密度が若干低下し、圧力損失を低減することができる。逆に繊維分散性が悪く繊維充填密度の良くないメルトブロー不織布は低圧損であるが、捕集効率も低く、このような不織布に高圧流体噴霧処理を施しても、本発明の目的とする高捕集効率を有するエレクトレット濾材を得ることはできない。
【0020】
本発明の第2の目的は、もともと繊維分散性の良い、繊維充填密度の大きいメルトブロー不織布に高圧流体噴霧処理を施して繊維充填密度を若干低減させ、これによりコロナ荷電効率を向上させることである。先に述べたとおり、エレクトレット濾材のQF値は繊維充填密度が増大するに伴い低下する傾向がある。繊維充填密度の大きいメルトブロー不織布に適当な条件で高圧流体噴霧処理を施すことにより、繊維充填密度が若干低減しコロナ荷電効率を向上させることができる。
【0021】
本発明のエレクトレット濾材の(Dfp/Dfs)は2.0以下であることが重要であるが、好ましくは1.7以下である。また、高圧流体噴霧処理により圧力損失が低減することを考慮すると、高圧流体噴霧処理前の(Dfp/Dfs)は、これよりもさらに小さい値であることが必要である。前述のとおり(Dfp/Dfs)大きいということはメルトブロー不織布の繊維分散性が悪いということであり、このような不織布をエレクトレット化しても捕集効率を大きくすることができない。(Dfp/Dfs)が2.0を超える不織布では本発明の目的とする高い捕集効率を達成することができない。
【0022】
本発明のエレクトレット濾材は、電子顕微鏡観測による平均繊維径Dfsが1.5μm以上5μm以下であることが重要である。繊維径が1.5μmよりも小さいと圧力損失が大きくなりすぎ、繊維径が5μmより大きいと十分な捕集効率が得られない。また上述の理由により、高圧流体噴霧処理後の繊維充填密度は0.09cc/cc以上0.2cc/cc以下であることが重要である。0.09cc/cc以下では十分な捕集効率が得られず、0.2cc/cc以上では圧力損失が大きくなりすぎる。好ましくは0.1cc/cc以上0.17cc/cc以下である。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明のエレクトレット濾材の原料となるメルトブロー不織布は、通常のメルトブロー製造設備によって製造することができる。繊維径、繊維充填密度、および(Dfp/Dfs)を上記の範囲に制御する方法は特に限定されないが、繊維分散性を良くするためには、例えばノズルピッチを大きくするとか、樹脂吐出量を小さくするとか、ノズルと捕集面の距離の小さくするなどの方策がある。
【0024】
本発明のエレクトレット濾材は、空気濾過速度2.5cm/秒における0.3ミクロン粒子透過率PENと圧力損失ΔP(mmAq)から計算されるQF値が2.5以上であり、好ましくは3.0以上、より好ましくは3.5以上である。QF値は数3により算出することができる。この式から明らかなように、QF値が大きいほど高捕集効率かつ低圧力損失であるといえる。
【0025】
【数3】
Figure 0004352302
【0026】
本発明の前記メルトブロー不織布を構成する高分子重合体はポリオレフィン系樹脂であり、好ましくはポリプロピレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンやこれらポリマーの共重合体、ブレンド体などである。またエレクトレット性を阻害しない添加剤を適宜配合しても差し支えない。
【0027】
本発明のエレクトレット濾材は、メルトブロー不織布に高圧流体噴霧処理を施し、その後コロナ荷電することによって得ることができる。コロナ荷電の方法は、高い帯電量を容易に短時間で与えることができることから、例えば特開平3−69663号公報に記載されている中実質誘電体シート上にメルトブロー不織布を重ねてコロナ放電を行う方法が好ましい。
【0028】
本発明のメルトブロー不織布の目付は効率的にコロナ荷電を行う観点から5g/m2以上100g/m2以下が好ましく、10g/m2以上60g/m2以下が特に好ましい例として挙げることができる。
【0029】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0030】
高圧水噴霧処理
メルトブロー不織布をプラスティックメッシュに載せ、直径0.1mmφ、ピッチ1mmのノズルから所定の圧力で水噴霧処理を行った。メルトブロー不織布がノズルを通過する速度を10m/minとし、またプラスティックメッシュ側を500mmAqの減圧状態とした。この条件で不織布の表裏について各3回ずつの処理を行った。その後この不織布を70℃で1時間乾燥した。
【0031】
コロナ荷電処理
メルトブロー不織布を、誘電体シートを敷いたアース板上に置き、アース板上方1cmに設置した針状電極に+15kVの直流高電圧を10秒間印加し、エレクトレット濾材試料とした。
【0032】
QF値:濾過特性の評価
圧力損失は、エレクトレット濾材試料をダクト内に設置し、空気濾過速度が2.5cm/秒になるようコントロールし、エレクトレット濾材上流、下流の静圧差を圧力計で読み取り求めた。また粒子捕集効率(%)の測定は粒子径0.3μmのNaCl粒子を用い、2.5cm/秒にて行った。
【0033】
平均繊維径Dfs
エレクトレット濾材の任意の場所で倍率2000倍の電子顕微鏡写真を撮り、写真上の1本1本の繊維径を読み取り目盛付ルーペで測定し、その算術平均値を求めてDfsとした。融着している繊維は、融着界面を境として繊維径を読み取った。測定繊維本数は各濾材試料について200本ずつとした。
【0034】
厚み、繊維充填密度
厚みは尾崎製作所製PEACOCKデジタルゲージD−20Sを使用し、不織布にかかる荷重を0.3N/cm2にして測定した。また繊維充填密度は目付、厚みの測定値から数3により算出した。
【0035】
(実施例1)
電子顕微鏡観測により求まる平均繊維径Dfsが2.0μm、目付30g/m2、繊維充填密度0.14cc/ccのポリプロピレンメルトブロー不織布を上述の方法により水圧20kgf/cm2で高圧水噴霧処理を行い、引き続きコロナ荷電処理を行って実施例1のエレクトレット濾材を得た。その不織布特性および濾過特性の結果を表1に示した。高圧水噴霧処理を行わずにコロナ荷電処理を行った場合に比べて、0.3μm粒子捕集効率は99.7%から99.93%に上昇し、また圧力損失は1.7mmAqから1.3mmAqに低減した。
【0036】
(実施例2)
電子顕微鏡観測により求まる平均繊維径Dfsが1.7μm、目付40g/m2、繊維充填密度0.15cc/ccのポリプロピレンメルトブロー不織布を上述の方法により水圧20kgf/cm2で高圧水噴霧処理を行い、引き続きコロナ荷電処理を行って実施例2のエレクトレット濾材を得た。その不織布特性および濾過特性の結果を表1に示した。高圧水噴霧処理を行わずにコロナ荷電処理を行った場合に比べて、0.3μm粒子捕集効率は99.9998%から99.99998%に上昇し、また圧力損失は4.4mmAqから3.4mmAqに低減した。
【0037】
(比較例1、2)
電子顕微鏡観測により求まる平均繊維径Dfsが2.2μm、目付35g/m2、繊維充填密度0.08cc/ccのポリプロピレンメルトブロー不織布を上述の方法により水圧20kgf/cm2で高圧水噴霧処理を行い、引き続きコロナ荷電処理を行って比較例1のエレクトレット濾材を得た。また同様に水圧50kgf/cm2で高圧水噴霧処理を行い、引き続きコロナ荷電処理を行って比較例2のエレクトレット濾材を得た。その不織布特性および濾過特性の結果を表1に示した。高圧水噴霧処理を行わずにコロナ荷電処理を行った場合、0.3μm粒子捕集効率は98%、圧力損失は0.9mmAqであり、比較例1での高圧水噴霧の効果は小さい。また比較例2から明らかなように水圧を大きくしすぎると0.3μm粒子捕集効率が逆に低下した。
【0038】
(比較例3、4)
電子顕微鏡観測により求まる平均繊維径Dfsが1.3μm、目付30g/m2、繊維充填密度0.16cc/ccのポリプロピレンメルトブロー不織布を上述の方法により水圧20kgf/cm2で高圧水噴霧処理を行い、引き続きコロナ荷電処理を行って比較例3のエレクトレット濾材を得た。また同様に水圧50kgf/cm2で高圧水噴霧処理を行い、引き続きコロナ荷電処理を行って比較例4のエレクトレット濾材を得た。その不織布特性および濾過特性の結果を表1に示した。高圧水噴霧処理を行わずにコロナ荷電処理を行った場合、0.3μm粒子捕集効率は99.999%、圧力損失は8.0mmAqであり、比較例3では高圧水噴霧により捕集効率の向上が認められるものの、依然として高圧力損失でありQF値は2以下である。また、これより水圧を大きくして処理した比較例4では逆に0.3μm粒子捕集効率が低下した。不織布にピンホールが開いたためと推定される。
【0039】
【表1】
Figure 0004352302
【0040】
上記の結果より、実施例1および実施例2のエレクトレット濾材では、高圧水噴霧処理後にコロナ荷電することにより、圧力損失が低減し、かつ捕集効率が向上していることが明らかである。これに対して比較例1、2のように、もともと繊維充填密度が小さく繊維分散性の悪いメルトブロー不織布に高圧水噴霧処理を行っても、圧力損失は若干低減できるが十分な捕集効率が得られない。このように本発明のエレクトレット濾材は従来のエレクトレット濾材では達成し得なかった、低圧力損失ながら高い捕集効率、高いQF値を有することがわかる。
【0041】
【発明の効果】
本発明のエレクトレット濾材は、従来のエレクトレット濾材では達成しえなかった、低圧力損失ながら高い捕集効率を有する。

Claims (3)

  1. 圧力損失相当径Dfpおよび電子顕微鏡観測により求まる平均繊維径Dfsの比で表される繊維分散性(Dfp/Dfs)が2.0以下で、平均繊維径Dfsが1.5μm以上5μm以下である、高分子重合体からなるメルトブロー不織布に高圧流体噴霧処理を施し、さらにコロナ荷電した空気濾過速度2.5cm/秒における0.3ミクロン粒子透過率と圧力損失から計算されるQF値が3.5以上であるエレクトレット濾材。
  2. 維充填密度が0.09cc/cc以上0.2cc/cc以下であることを特徴とする請求項1に記載のエレクトレット濾材。
  3. 高分子重合体が、ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のエレクトレット濾材。
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