JP4351793B2 - プラスチック判別装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、判別対象物がいずれの種類のプラスチックによって構成されているかを判別するプラスチック判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、種々の産業分野において、プラスチック製品のリサイクル処理の要請が高まっている。プラスチック製品のリサイクル処理の内容は、プラスチックの種類に応じて異なる。したがって、リサイクル処理を効率的に行うためには、リサイクル処理に先立ってプラスチック製品をその素材の種類毎に分別する必要がある。
【0003】
プラスチック製品の素材であるプラスチックを種類毎に分別する方法として、比重を測定する方法やX線を照射する方法が知られている。しかし、比重を測定する方法では、比重が近似しているプラスチックを種類毎に正確に分別することが困難である。また、X線を照射する方法では、安全性の確保や厳格な管理が必要になる。
【0004】
このため、特公平7−111397号公報には、近赤外線を判別対象物であるプラスチックに照射し、その反射スペクトルを分析してプラスチックの種類を判定する方法が開示されている。この判定方法では、1〜2.5μmの波長領域にわたって近赤外線を連続的に走査しながらプラスチック製品に照射し、その吸収スペクトルの微分スペクトルを分析することにより、プラスチック製品の素材の種類を判定するようにしている。
【0005】
ところが、特公平7−111397号公報に開示された構成では、近赤外線を波長領域1〜2.5μmの範囲で連続的に走査しながら照射する必要があるため、光学系の構成が複雑になるとともに、微分スペクトルの演算等の信号処理が煩雑で、装置の構成が複雑化する問題、及び、判別作業が長時間化する問題がある。また、波長領域1〜2.5のμmの近赤外線を発光する光源として、比較的寿命の短い発熱球や水銀ランプを用いられることが多く、メンテナンスの頻度が高くなってランニングコストが高騰化する問題がある。ここで、近赤外線によって判別対象物を走査する際に、光源を固定しておき受光時にグレーチング等の分光デバイスを用いることも考えられるが、分光デバイス自体が高価でコストの上昇を招くとともに、光源の寿命が短いことによるランニングコストの高騰の問題を解決することはできない。
【0006】
そこで、波長の異なる複数の光の間における吸収率又は反射率の関係がプラスチックの種類毎に異なること、及び、光源としての半導体レーザが安価かつ長寿命であることを考慮して、照射光の波長が異なる複数の半導体レーザを備え、複数の半導体レーザから照射されたレーザ光の判別対象物における透過光又は反射光を受光素子によって受光し、各レーザ光についての受光素子の受光強度に基づいて判別対象物の素材であるプラスチックの種類を判別することが考えられる。この構成により、装置の構成及び信号処理を簡略化することができるとともに、メンテナンス頻度を減少させることができ、製造コスト及びランニングコストを低廉化することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半導体レーザから照射されるレーザ光は直線偏光であり、X方向とY方向とで屈折率が異なるという複屈折現象を生じるプラスチックに対し、直線偏光を斜め方向に照射した場合、位相差によって光の振動面が捩れ、照射した光のプラスチックにおける透過率又は反射率が変動するので、レーザ光の透過光又は反射光の強度に基づいたプラスチックの種類の判別精度が低下する問題がある。この問題は、結晶方位に基づいて判別対象物であるプラスチック製品の位置や姿勢を制御することは容易でなく、プラスラック製品におけるレーザ光の照射面も平面であるとは限らないことから、プラスチック判別装置の光源として半導体レーザを用いる場合に問題となる。
【0008】
この発明の目的は、長寿命の光源を用いて簡単な構成で、かつ、複雑な信号処理を行うことなく、プラスチックの種類を常に正確に判別できるようにし、装置の小型化及びコストダウンを実現できるとともに、判別作業を迅速かつ確実に行うことができるプラスチック判別装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0010】
(1) レーザ光を照射する半導体レーザと、半導体レーザから照射されたレーザ光の判別対象物における透過光又は反射光を受光する受光素子と、を備え、半導体レーザから照射されたレーザ光の判別対象物における透過光又は反射光についての受光素子の受光強度に基づいて判別対象物の素材であるプラスチックの種類を判別するプラスチック判別装置において、
半導体レーザから照射されたレーザ光の判別対象物への光路中に、直線偏光を円偏光又は楕円偏光に変換する偏光解消部材を配置したことを特徴とする。
【0011】
この構成においては、半導体レーザから照射されたレーザ光が偏光解消部材を経由して判別対象物に照射され、レーザ光の判別対象物における透過光又は反射光が受光素子によって受光される。したがって、半導体レーザから照射された直線偏光であるレーザ光は偏光解消部材によって円偏光又は楕円偏光として判別対象物に照射され、判別対象物の姿勢や形状の変化に関わらず、同一の素材についてレーザ光の透過率及び反射率が略一定になる。
【0012】
(2) 前記半導体レーザは、照射するレーザ光の波長が互いに異なる複数の半導体レーザであることを特徴とする。
【0013】
この構成においては、複数の半導体レーザから照射された互いに波長の異なる複数のレーザ光が偏光解消部材を経由して判別対象物に照射され、各レーザ光の判別対象物における透過光又は反射光が受光素子によって受光される。したがって、波長の異なる複数のレーザ光が偏光解消部材によって円偏光又は楕円偏光として判別対象物に照射され、判別対象物の姿勢や形状の変化に関わらず、同一の素材における波長の異なる複数のレーザ光についての透過率又は反射率の関係が略一定になる。
【0014】
(3) 前記偏光解消部材は、複数の半導体レーザから照射されたレーザ光のそれぞれに個別の光路中に配置された複数の部材であることを特徴とする。
【0015】
この構成においては、複数の半導体レーザのそれぞれから判別対象物に至る複数の光路のそれぞれに偏光解消部材が配置される。したがって、複数の半導体レーザのそれぞれから照射された波長の異なる複数のレーザ光の全てが個別の偏光解消部材によって円偏光又は楕円偏光に変換された状態で判別対象物に照射される。
【0016】
(4) 前記偏光解消部材は、複数の半導体レーザから照射されたレーザ光の全てについて共通する光路中に配置された単一の部材であることを特徴とする。
【0017】
この構成においては、複数の半導体レーザのそれぞれから判別対象物に至る複数の光路における共通部分に単一の偏光解消部材が配置される。したがって、複数の半導体レーザのそれぞれから照射された波長の異なる複数のレーザ光の全てが単一の偏光解消部材によって円偏光又は楕円偏光に変換された状態で判別対象物に照射され、配置すべき偏光解消部材の数が削減される。
【0018】
【発明の実施の形態】
先ず、図1〜図7に基づいて、この発明の実施形態に係るプラスチック判別装置の判別対象となるプラスチックの光吸収特性(光透過特性)について説明する。図1〜図6は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、高密度ポリエチレン(HDPE)、塩化ビニル(PVC)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)及びポリスチレン(PS)のそれぞれの光透過特性を示す図である。また、図7は、図1〜図6に示すグラフを1640nm〜1760nmの波長領域について拡大して重ね合わせたものである。図1〜図7は、いずれも各プラスチックに照射した光の波長を横軸に取り、各プラスチックにおける各波長の光の透過率を縦軸に取っている。したがって、図1〜図7において、縦軸の値が小さくなるほど各プラスチックの光吸収率が増加する。
【0019】
図1〜図6に明らかなように、各プラスチックは、1700nm近傍の波長領域において光吸収率が急激に変動する。詳細には、図7に明らかなように、PET及びPSの光吸収率は1700nm以下の波長領域で極値をとり、HDPE、PVC、LDPE及びPPの光吸収率は1700nm以上の波長領域で極値をとる。また、各プラスチックの光吸収率の極値の前後における絶対値や変化状態は互いに相違する。したがって、複数の波長領域における光吸収率の関係を検出することにより、各プラスチックの種類を特定することができる。
【0020】
そこで、この実施形態に係るプラスチック判別装置では、λ1 =1660nm、λ2 =1712nm及びλ3 =1724nmの3種類の波長の光のそれぞれについての判別対象物の光吸収率を測定し、各光吸収率の関係に基づいて判別対象物の素材であるプラスチックの種類を判別するようにしている。
【0021】
図8は、この発明の第1の実施形態に係るプラスチック判別装置の構成を示すブロック図である。この実施形態に係るプラスチック判別装置1は、光源である半導体レーザ2a〜2c、半導体レーザ2a及び2bの光路を構成するダイクロイックミラー3a及び3b、半導体レーザ2a〜2cから照射されたレーザ光を集光するレンズ4、判別対象物10を透過したレーザ光を反射するミラー5、ミラー5で反射した後に判別対象物10を透過したレーザ光を受光して受光強度に応じた信号を出力する受光素子6、ミラー5から受光素子6に至る光路を構成するハーフミラー7、並びに、ダイクロイックミラー3aとハーフミラー7との間に配置された偏光解消板8とを備えている。
【0022】
半導体レーザ2a〜2cは、それぞれ波長λ1 、λ2 及びλ3 の直線偏光であるレーザ光を照射する。ダイクロイックミラー3a及び3bは、それぞれ半導体レーザ2a及び2bから照射された波長λ1 及びλ2 の光のみを反射し、それ以外の波長の光を透過させる。なお、ダイクロイックミラー3a及び3bに代えてハーフミラーを用いることもできる。ハーフミラー7は、背面側から入射した半導体レーザ2a〜2cのレーザ光を透過させるとともに、正面側から入射したミラー5の反射光を受光素子6の受光面に反射させる。
【0023】
ダイクロイックミラー3a及び3b、並びに、ハーフミラー7は、半導体レーザ2cからレンズ4を経由して判別対象物10に至る直線上の光路中に配置されている。したがって、ダイクロイックミラー3aは半導体レーザ2aからレンズ4を経由して判別対象物10に至る光路を構成し、ダイクロイックミラー3bは半導体レーザ2bからレンズ4を経由して判別対象物10に至る光路を構成しており、半導体レーザ2a〜2cから照射された3種類のレーザ光の光路はダイクロイックミラー3aから判別対象物10の背面のミラー5までの間において共通している。
【0024】
これら3種類のレーザ光の光路の共通部分であるダイクロイックミラー3aとハーフミラー7との間に配置された偏光解消板8は、直線偏光であるレーザ光を円偏光又は楕円偏光に変換するものであり、例えば、軸方向に対して45°方向の偏光成分が入射した際に透過光に1/4波長の位相差を生じる1/4波長板を用いることができる。1/4波長板である偏光解消板8の軸に対して45°方向にレーザ光を入射させると、偏光解消板8の軸方向とこれに直交する方向とにおいて電界の大きさが等しく1/4波長の位相差を有する透過光を生じ、これらの合成によって円偏光を得ることができる。
【0025】
以上の構成により、半導体レーザ2aから照射された波長λ1 のレーザ光は、ダイクロイックミラー3aで反射した後に偏光解消板8によって円偏光にされ、ハーフミラー7及びレンズ4を透過して判別対象物10に照射される。また、半導体レーザ2bから照射された波長λ2 のレーザ光は、ダイクロイックミラー3bで反射してダイクロイックミラー3aを透過した後に偏光解消板8によって円偏光にされ、ハーフミラー7及びレンズ4を透過して判別対象物10に照射される。さらに、半導体レーザ2cから照射された波長λ3 のレーザ光は、ダイクロイックミラー3b及び3aを透過した後に偏光解消板8によって円偏光にされ、ハーフミラー7及びレンズ4を透過して判別対象物10に照射される。
【0026】
判別対象物10が透光性を有する場合、半導体レーザ2a〜2cから照射されたレーザ光は、判別対象物10を透過した後にミラー5により反射され、判別対象物10を再度透過してレンズ4を通過し、ハーフミラー7により反射されて受光素子6に配光される。各レーザ光は判別対象物10を通過する際に、判別対象物10の素材であるプラスチックの種類毎に異なる光吸収特性に応じて吸収される。したがって、判別対象物10を構成するプラスチックの種類に応じて、受光素子6における各レーザ光の判別対象物10を透過した光の受光強度が変化する。そこで、プラスチック判別装置1は、受光素子6における各レーザ光の受光強度の関係、即ち、判別対象物10に対する各レーザ光の透過光量の大小関係から判別対象物10を構成するプラスチックの種類を判別する。
【0027】
なお、図9に示すように、同一種類のプラスチック(ここではPET)においては、判別対象物10の厚みtが変化しても、波長λ1 、λ2 及びλ3 の各レーザ光の透過光量の大小関係(ここではλ1 < λ3 < λ2 )は変化しない。したがって、判別対象物10の厚みに関わらず、波長λ1 、λ2 及びλ3 の各レーザ光の透過光量の大小関係から判別対象物10を構成するプラスチックの種類を特定できる。
【0028】
図10は、上記プラスチック判別装置の制御部の構成を示すブロック図である。プラスチック判別装置1の制御部20は、メモリ22を備えたマイクロプロセッサ21にドライバ23a〜23c、A/D変換器24及びインタフェース25を接続して構成されている。
【0029】
ドライバ23a〜23cのそれぞれは、マイクロプロセッサ21から出力される制御データに基づいて半導体レーザ2a〜2cに駆動信号を供給する。A/D変換器24は、アンプ26によって増幅された受光素子6の受光信号をディジタルデータに変換してマイクロプロセッサ21に入力する。メモリ22は、マイクロプロセッサ21の動作を規定するプログラムを記憶しているとともに、判別対象物10の素材となる6種類のプラスチックのそれぞれについて、波長λ1 、λ2 及びλ3 の各レーザ光の光吸収特性の関係を各プラスチックにおける透過光量の大小関係として記憶している。
【0030】
プラスチックの種類の判別処理時において、マイクロプロセッサ21は、インタフェース25を介して外部装置から判別処理を開始すべき旨の命令が入力されると、先ず、ドライバ23aに制御データを出力し、半導体レーザ2aから波長λ1 のレーザ光を照射させた後、A/D変換器24から出力された受光データを読み取り、波長λ1 のレーザ光の受光データとしてメモリ22に格納する。次いで、マイクロプロセッサ21は、ドライバ23bに制御データを出力し、半導体レーザ2bから波長λ2 のレーザ光を照射させた後、A/D変換器24から出力された受光データを読み取り、波長λ2 のレーザ光の受光データとしてメモリ22に格納する。さらに、マイクロプロセッサ21は、ドライバ23bに制御データを出力し、半導体レーザ2bから波長λ3 のレーザ光を照射させた後、A/D変換器24から出力された受光データを読み取り、波長λ3 のレーザ光の受光データとしてメモリ22に格納する。
【0031】
この後、マイクロプロセッサ21は、メモリ22に格納した波長λ1 、λ2 及びλ3 のレーザ光のそれぞれについての受光データ間の大小関係を判定し、この判定結果がメモリ22内に予め記憶している透過光量の大小関係に一致するプラスチックの種類を検索する。マイクロプロセッサ21は、この検索結果を判別対象物10の素材となるプラスチックの種類の判別結果として、インタフェース25を介して外部装置に出力する。
【0032】
以上の構成により、プラスチック判別装置1は、半導体レーザ2a〜2cから照射された互いに波長の異なるレーザ光のそれぞれを、偏光解消板8によって円偏光に変換した後に判別対象物10に照射し、その透過光量を受光素子6を用いて測定した後、各レーザ光間の透過光量の大小関係に基づいて判別対象物10を構成するプラスチックの種類を判別するようにしている。このため、プラスチック判別装置1においては、判別対象物10を構成するプラスチックの複屈折現象の影響を受けることなく、各レーザ光について十分な光量の透過光を受光素子6に配光することができ、判別対象物10の配置位置を制御しなくても、判別対象物10を構成するプラスチックの種類を正確に判別することができる。
【0033】
図11は、この発明の第2の実施形態に係るプラスチック判別装置の構成を示すブロック図である。この実施形態に係るプラスチック判別装置101は、第1の実施形態に係るプラスチック判別装置1の構成において半導体レーザ2a〜2cのそれぞれから照射されたレーザ光の判別対象物10への共通の光路中に配置されている偏光解消板8を取り除き、代わりに、半導体レーザ2a〜2cのそれぞれの個別の光路中に偏光解消板108a〜108cを配置したものであり、その他の構成は第1の実施形態に係るプラスチック判別装置1と同じである。
【0034】
図12は、この発明の第3の実施形態に係るプラスチック判別装置の構成を示すブロック図である。この実施形態に係るプラスチック判別装置201は、第1の実施形態に係るプラスチック判別装置1の構成において判別対象物10を透過したレーザ光を反射するミラー5及びミラー5における反射光を受光素子6に配光するハーフミラー7を取り除き、代わりに、判別対象物10の透過光路側にレーザ光を集光するレンズ202及び受光素子6を配置したものであり、その他の構成は第1の実施形態に係るプラスチック判別装置1と同じである。
【0035】
図13は、この発明の第4の実施形態に係るプラスチック判別装置の構成を示すブロック図である。この実施形態に係るプラスチック判別装置301は、第3の実施形態に係るプラスチック判別装置201の構成において半導体レーザ2a〜2cのそれぞれから照射されたレーザ光の判別対象物10への共通の光路中に配置されている偏光解消板8を取り除き、代わりに、半導体レーザ2a〜2cのそれぞれの個別の光路中に偏光解消板308a〜308cを配置したものであり、その他の構成は第3の実施形態に係るプラスチック判別装置201と同じである。
【0036】
上記第2〜第4の実施形態に係るプラスチック判別装置101、201、301においても、第1の実施形態に係るプラスチック判別装置1と同様の処理により、判別対象物10を構成するプラスチックの種類を正確に判別することができる。
【0037】
但し、第1又は第3の実施形態に係るプラスチック判別装置1、201のように、半導体レーザ2a〜2cから照射されたレーザ光の判別対象物10に対する共通の光路中に単一の偏光解消板8を備えることにより、装置の構成をより簡略化することができる。また、第2又は第4の実施形態に係るプラスチック判別装置101、301のように、半導体レーザ2a〜2cから照射されたレーザ光の判別対象物10に対するそれぞれの光路中に個別の偏光解消板108a〜108c、308a〜308cを備えることにより、半導体レーザ2a〜2cから照射されたレーザ光の全てを完全な円偏光とすることができ、互いに波長の異なるレーザ光間の透過光量の大小関係をより正確に判定することができる。
【0038】
なお、第1〜第4の実施形態に係るプラスチック判別装置1、101、201、301における半導体レーザ2a〜2c、並びに、第1及び第2の実施形態に係るプラスチック判別装置1、101における受光素子6のそれぞれに個別のレンズを配置するようにしてもよい。
【0039】
また、第1〜第4の実施形態に係るプラスチック判別装置1、101、201、301では、6種類のプラスチックの種類を判別するために、それぞれ波長λ1 、λ2 及びλ3 のレーザ光を照射する3個の半導体レーザ2a〜2cを備えているが、判別すべきプラスチックの種類数に応じて半導体レーザの個数を適宜増減できる。
【0040】
さらに、判別対象物10が透光性のないプラスチックを素材とする場合に、判別対象物10の表面における反射光量を測定する際にも、この発明を同様に実施することができる。
【0041】
加えて、複数の半導体レーザのいずれか1つから照射される特定の波長のレーザ光を参照光とし、この参照光の透過光量又は反射光量に対する他の半導体レーザから照射されたレーザ光の透過光量又は反射光量の大小関係又は比率に基づいて判別対象物を構成するプラスチックの種類を判別する場合にも、この発明を同様に実施することができる。
【0042】
【発明の効果】
この発明は、以下の効果を奏することができる。
【0043】
(1) 半導体レーザから照射されたレーザ光を偏光解消部材を経由して判別対象物に照射し、レーザ光の判別対象物における透過光又は反射光を受光素子によって受光することにより、半導体レーザから照射された直線偏光であるレーザ光を偏光解消部材によって円偏光又は楕円偏光として判別対象物に照射することができ、判別対象物の姿勢や形状の変化に関わらず、同一の素材についてレーザ光の透過率及び反射率を略一定にして、判別対象物を構成するプラスチックの種類を正確に判別することができる。
【0044】
(2) 複数の半導体レーザから照射された互いに波長の異なる複数のレーザ光を偏光解消部材を経由して判別対象物に照射し、各レーザ光の判別対象物における透過光又は反射光を受光素子によって受光することにより、波長の異なる複数のレーザ光を偏光解消部材によって円偏光又は楕円偏光として判別対象物に照射することができ、判別対象物の姿勢や形状の変化に関わらず、同一の素材における波長の異なる複数のレーザ光についての透過率又は反射率の関係を略一定にして判別対象物を構成するプラスチックの種類を正確に判別することができる。
【0045】
(3) 複数の半導体レーザのそれぞれから判別対象物に至る複数の光路のそれぞれに偏光解消部材を配置することにより、複数の半導体レーザのそれぞれから照射された波長の異なる複数のレーザ光の全てを個別の偏光解消部材によって円偏光に変換された状態で判別対象物に照射することができ、複数の半導体レーザから照射されたレーザ光の判別対象物における透過光量又は反射光量を同一の条件下で十分な量にして、判別対象物を構成するプラスチックをより正確に判別することができる。
【0046】
(4) 複数の半導体レーザのそれぞれから判別対象物に至る複数の光路における共通部分に単一の偏光解消部材を配置することにより、複数の半導体レーザのそれぞれから照射された波長の異なる複数のレーザ光の全てを単一の偏光解消部材によって円偏光又は楕円偏光に変換された状態で判別対象物に照射することができ、配置すべき偏光解消部材の数を削減して、装置をより小型化できるとともにコストの低廉化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PET(ポリエチレンテレフタレート)の光透過特性を示す図である。
【図2】HDPE(高密度ポリエチレン)の光透過特性を示す図である。
【図3】PVC(塩化ビニル)の光透過特性を示す図である。
【図4】LDPE(低密度ポリエチレン)の光透過特性を示す図である。
【図5】PP(ポリプロピレン)の光透過特性を示す図である。
【図6】PS(ポリスチレン)の光透過特性を示す図である。
【図7】PET、HDPE、PVC、LDPE、PP及びPSの光透過特性を詳細に示す図である。
【図8】この発明の第1の実施形態に係るプラスチック判別装置の構成を示すブロック図である。
【図9】PETにおける厚みを変化させた場合における波長λ1 、λ2 及びλ3 の各レーザ光の透過光量の大小関係を示す図である。
【図10】上記プラスチック判別装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【図11】この発明の第2の実施形態に係るプラスチック判別装置の構成を示すブロック図である。
【図12】この発明の第3の実施形態に係るプラスチック判別装置の構成を示すブロック図である。
【図13】この発明の第4の実施形態に係るプラスチック判別装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,101,201,301−プラスラック判別装置
2a〜2c−半導体レーザ
3a,3b−ダイクロイックミラー
4−レンズ
5−ミラー
6−受光素子
7−ハーフミラー
8−偏光解消板(偏光解消部材)
10−判別対象物
Claims (4)
- レーザ光を照射する半導体レーザと、半導体レーザから照射されたレーザ光の判別対象物における透過光又は反射光を受光する受光素子と、を備え、半導体レーザから照射されたレーザ光の判別対象物における透過光又は反射光についての受光素子の受光強度に基づいて判別対象物の素材であるプラスチックの種類を判別するプラスチック判別装置において、
半導体レーザから照射されたレーザ光の判別対象物への光路中に、直線偏光を円偏光又は楕円偏光に変換する偏光解消部材を配置したことを特徴とするプラスチック判別装置。 - 前記半導体レーザは、照射するレーザ光の波長が互いに異なる複数の半導体レーザであることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック判別装置。
- 前記偏光解消部材は、複数の半導体レーザから照射されたレーザ光の全てについて共通する光路中に配置された単一の部材であることを特徴とする請求項2に記載のプラスチック判別装置。
- 前記偏光解消部材は、複数の半導体レーザから照射されたレーザ光のそれぞれに個別の光路中に配置された複数の部材であることを特徴とする請求項2に記載のプラスチック判別装置。
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