JP4351351B2 - コーティング条件決定方法 - Google Patents
コーティング条件決定方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4351351B2 JP4351351B2 JP2000042863A JP2000042863A JP4351351B2 JP 4351351 B2 JP4351351 B2 JP 4351351B2 JP 2000042863 A JP2000042863 A JP 2000042863A JP 2000042863 A JP2000042863 A JP 2000042863A JP 4351351 B2 JP4351351 B2 JP 4351351B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- quality evaluation
- coating
- evaluation value
- paint
- coating condition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Coating Apparatus (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はコーティング条件決定方法に係わり、特に圧延鋼板に塗料をカーテンコーティング法によりコーティングする際の操業条件であるコーティング条件決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
いわゆる白物家庭電気製品(例えば電気冷蔵庫、冷蔵庫)等では、圧延鋼板の表面に塗料を塗布したコーティング鋼板が使用される。
このコーティング鋼板は、所定速度で移動する圧延鋼板上に矩形開口から塗料をカーテン状に自由落下させるカーテンコーティングによって製造することが一般的である。
【0003】
しかし、流体である塗料が自由落下する際ににゆらぎが生じるため、カーテン状の塗料の厚さが変動し、圧延鋼板にコーティングされた塗料の厚みは一定とはならない。
このためコーティング表面に凹凸が生るだけでなく、極端な場合には塗料の途切れが生じるおそれもある。
【0004】
さらに、塗料の厚さが変動すると、圧延鋼板に接触する部分で空気を巻き込みコーティング鋼板に気泡が発生するおそれもある。
このため、コーティングの操業条件を変更するとき、例えば新たな塗料を使用するときには、コーティング鋼板の塗料膜の厚さが予め定めた範囲内に納まる操業条件を設定することが必要となるが、従来は塗料の粘性又は比重、あるいは鋼板の移動速度等の各種のパラメータを変更して模擬操業を行い最適な操業条件を探索していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複数のパラメータを変更して最適な操業条件を探索するために実際の塗装ラインを操業する模擬操業は、長時間を要するだけでなく経済的にも負担を要するものであった。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、実際の塗装ラインを操業せず塗料の動特性を表す数式モデルを使用したシミュレーション操業によって最適な操業条件を決定することの可能なコーティング条件決定方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るコーティング条件決定方法は、カーテンコーティングの初期条件及び境界条件を表すパラメータを設定するパラメータ設定段階と、
【数2】
品質評価値算出段階で算出された品質評価値が予め定められた閾値0.02以下であるか否かを判定する品質評価値判定段階と、品質評価値判定段階で品質評価値が予め定められた閾値0.02以下であると判定された時は、パラメータ設定段階で設定されたパラメータをコーティング条件と決定するコーティング条件決定段階と、前記品質評価値判定段階で品質評価値が予め定められた閾値0.02より大であると判定された時はパラメータ設定段階で設定されたパラメータの少なくとも1つを変更して前記挙動シミュレーション段階に戻るパラメータ変更段階と、からなる。
【0008】
本発明にあっては、シミュレーションを実行することにより品質評価値が算出される。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1はカーテンコーティング法の説明図であって、鋼板送りローラ11の回転により圧延鋼板12は所定速度vで移動する。
塗料13は圧延鋼板12の直上hの高さから塗料ローラ14の隙間dを介して塗料が自由落下し、圧延鋼板12上に落下し、塗布される。
【0011】
塗料は溶剤を加えて予め所定の比重ρ及び粘性μに調整され、塗料の表面張力σは予め実施した実験により数式で表すことができる。
ここで、圧延鋼板12の走行方向に沿ってX軸を、X軸に垂直にY軸をとれば塗料の挙動は式(1)によって表される。
【0012】
【数3】
【0013】
従って、初期条件及び境界条件が決まれば、周知の数値計算法を適用(例えば式(1)を時間軸及び空間座標軸について差分方程式に変換した後、VOF[Volume of Fluid ]法を適用)することによって式(1)を解き、X−Y平面の所定位置の時刻tにおける塗料の有無、さらには塗料の落下点から所定距離L離れた点における塗料膜の厚さw(t)を決定することができる。
【0014】
コーティング鋼板の品質は塗装膜厚さの均一の程度によって評価可能であることから、品質評価の指標として所定期間Tの塗料膜の厚さの標準偏差wstと塗料膜の厚さの時間的平均値wavの比qを使用する。即ち品質評価指標qは式(2)で定義される。
【0015】
【数4】
【0016】
実際のカーテンコーティングとシミュレーションの整合度合いを確認するために、塗料の粘度及び流量をパラメータとして比較を行った。
即ち、塗料の粘度は0.7、1.4、1.8、2.9(Pa・s)の4段階に、流量は30、40、50、60、70、80、90(g/m・s)の7段階に変化させ、全ての組み合わせ、即ち4×7=28のケースについて比較した。
【0017】
【表1】
【0018】
[表1]は実際のカーテンコーティングの結果の取り纏め表であって、×はコーティングが所定の品質水準に達していないことを、○はコーティングが所定の品質水準以上であることを、△はコーティングがほぼ所定の品質水準であることを示す。
【0019】
【表2】
【0020】
[表2]はシミュレーションの取り纏め表であって、各ケースについての品質評価指標qを示す。
そして、粘度が1.8(Pa・s)のケースを除いて○に対応するシミュレーションの品質評価指標qは0.02以下であり、×に対応するシミュレーションの品質評価指標qは0.07以上であり、△に対応するシミュレーションの品質評価指標qは0.07〜0.02であることが判明した。
【0021】
従って、必要な初期条件及び境界条件が定まっているときは、シミュレーションにより所定位置における塗装膜の厚さを算出し、その塗装膜の厚さに基づいて算出された品質評価指標qの値から、シミュレーションに対応する操業条件で実操業した場合に所定の品質を維持されるか否かを判断することが可能である。
図2は第1の発明に係るコーティング条件決定方法で使用されるコーティング条件決定ルーチンのフローチャートであって、いわゆるバッチ処理として必要に応じて実行される。
【0022】
ステップ20ではシミュレーションに際して決定すべきパラメータ(塗料の粘性、比重、流量、及び表面張力、並びに塗料流量、塗料の落下距離、及び鋼板の移動速度)を決定し、ステップ21で式(1)に基づきシミュレーション操業を実行する。
図3はシミュレーション結果であって、(イ)はある時刻の塗料の挙動を示し、(ロ)は鋼板上の塗料膜の厚さの経時変化を示す。
【0023】
ステップ22で塗料膜の厚さの経時変化に基づいて品質評価値を算出し、ステップ23で評価値が予め定められた閾値(0.02)以下であるかを判定する。ステップ23で肯定判定されたとき、即ち評価値が閾値以下であるときはコーティング品質が良好であるものとしてパラメータを表示してこのルーチンを終了する。
【0024】
ステップ23で否定判定されたとき、即ち評価値が閾値より大であるときは、ステップ25でパラメータを変更してステップ21に戻る。
図4は本発明に係る品質評価装置の構成図であって、塗料タンク40には塗料41が貯蔵される。貯蔵タンク40の底には互いに内側に向かって回転する1対の塗料ローラ401及び402が配置されローラ駆動モータ42によって駆動される。従って、塗料ローラ401及び402の回転速度および間隔を変更することにより塗料の流量を変更することができる。
【0025】
鋼板43は鋼板送りモータ44で駆動される鋼板送りローラ45によって移動される。そして、塗料ローラ駆動モータ42及び鋼板送りモータ44の回転数はモータ回転数制御器48によって制御される。
塗料膜の厚さは厚さ計46によって計測され、その出力は品質評価器47に導かれ、品質評価値qが算出される。従って品質評価値qを常時監視しつつ、コーティッグを行うことができる。
【0026】
さらに、品質評価器47の出力をモータ回転数制御器48に供給することによって、閉ループ制御を行うことも可能である。
【0027】
【発明の効果】
本発明に係るコーティング条件決定方法によれば、実際のコーティングを実施することなくシミュレーションによって所定の品質を満足するコーティング条件を決定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コーティング方法の説明図である。
【図2】 本発明に係るコーティング条件決定方法で使用するコーティング条件決定ルーチンのフローチャートである。
【図3】 シミュレーション結果である。
【図4】 コーティング品質監視装置の構成図である。
【符号の説明】
40…塗料タンク
401、402…塗料ローラ
41…塗料
42…塗料ローラ駆動モータ
43…鋼板
44…鋼板送りモータ
45…鋼板送りローラ
46…厚さ計
47…品質評価器
48…モータ回転数制御器
Claims (1)
- カーテンコーティングの初期条件及び境界条件を表すパラメータを設定するパラメータ設定段階と、
前記品質評価値判定段階で品質評価値が予め定められた閾値0.02以下であると判定された時は、前記パラメータ設定段階で設定されたパラメータをコーティング条件と決定するコーティング条件決定段階と、
前記品質評価値判定段階で品質評価値が予め定められた閾値0.02より大であると判定された時は、前記パラメータ設定段階で設定されたパラメータの少なくとも1つを変更して、前記挙動シミュレーション段階に戻るパラメータ変更段階と、からなるコーティング条件決定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000042863A JP4351351B2 (ja) | 2000-02-21 | 2000-02-21 | コーティング条件決定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000042863A JP4351351B2 (ja) | 2000-02-21 | 2000-02-21 | コーティング条件決定方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006318960A Division JP2007044694A (ja) | 2006-11-27 | 2006-11-27 | コーティング品質監視装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001232265A JP2001232265A (ja) | 2001-08-28 |
JP4351351B2 true JP4351351B2 (ja) | 2009-10-28 |
Family
ID=18565877
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000042863A Expired - Fee Related JP4351351B2 (ja) | 2000-02-21 | 2000-02-21 | コーティング条件決定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4351351B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007044694A (ja) * | 2006-11-27 | 2007-02-22 | Nippon Steel Corp | コーティング品質監視装置 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6535709B2 (ja) * | 2017-08-08 | 2019-06-26 | バンドー化学株式会社 | 工作機械用シール部材 |
CN110659697A (zh) * | 2019-09-29 | 2020-01-07 | 郑州大学 | 一种涂板过程的质量异常监控与诊断方法和系统 |
CN113094810A (zh) * | 2021-03-30 | 2021-07-09 | 广船国际有限公司 | 一种涂层重量计算方法及船舶涂层重心计算方法 |
KR20230063105A (ko) * | 2021-11-01 | 2023-05-09 | 주식회사 엘지에너지솔루션 | 이차전지 생산을 위한 시뮬레이션 방법 및 장치 |
KR20230074973A (ko) * | 2021-11-22 | 2023-05-31 | 주식회사 엘지에너지솔루션 | 이차전지 생산을 위한 코터 시뮬레이션 방법 및 장치 |
-
2000
- 2000-02-21 JP JP2000042863A patent/JP4351351B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007044694A (ja) * | 2006-11-27 | 2007-02-22 | Nippon Steel Corp | コーティング品質監視装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001232265A (ja) | 2001-08-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5164844B2 (ja) | 金属ストリップの圧延時、特に、冷間圧延時におけるロールと金属ストリップの潤滑及び冷却方法 | |
JP4351351B2 (ja) | コーティング条件決定方法 | |
CN105598180A (zh) | 轧制控制装置和轧制控制方法 | |
US20040002786A1 (en) | Method of predicting dryer steam pressure in paper machine and apparatus for the method | |
CN103384572A (zh) | 轧制控制装置、轧制控制方法以及轧制控制程序 | |
US20210348259A1 (en) | Coating weight control apparatus and coating weight control method | |
CN106743903A (zh) | 一种非晶带材卷取张力控制方法及装置 | |
JP2007044694A (ja) | コーティング品質監視装置 | |
JP2017225923A (ja) | 塗布装置、制御方法及びプログラム | |
JP2619190B2 (ja) | 被覆における又は被覆に関する改良 | |
CN1609736B (zh) | 控制装置、应用该控制装置的系统及控制方法 | |
JP2000246167A (ja) | 塗装方法 | |
CN117148809A (zh) | 用于人造革生产设备的工艺优化方法及系统 | |
CN102937476B (zh) | 一种在线涂布量监测方法 | |
KR101018666B1 (ko) | 성형 제품상에서 금속 가공 조성물의 층을 분석하기 위한 층 분석 방법 및 그 장치 | |
JP2018503529A (ja) | ベルト鋳造設備用のプロセス最適化 | |
CN115555214A (zh) | 喷胶控制方法及喷胶机 | |
US20080127696A1 (en) | Process And Computer Program For Controlling A Rolling Process | |
JP4300961B2 (ja) | ロール塗布方法 | |
KR101650461B1 (ko) | 용융도금공정에서 도금량 제어방법 및 제어장치 | |
KR100417511B1 (ko) | 슬래브 폭 제어방법 | |
CN211251051U (zh) | 聚酰亚胺薄膜涂布用自动刮膜机 | |
JP3344092B2 (ja) | 圧延機の張力制御方法 | |
TWI695089B (zh) | 熱浸鍍鋅系統與方法 | |
US20030235647A1 (en) | Coating method with improved coating uniformity by choice of surfactant composition |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040901 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060919 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060926 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061127 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070116 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070313 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20070510 |
|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20070608 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090618 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090724 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130731 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130731 Year of fee payment: 4 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130731 Year of fee payment: 4 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130731 Year of fee payment: 4 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |