JP4351143B2 - Xbrlデータ保存方法およびシステム - Google Patents

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Description

本発明は、財務会計データを扱うシステムにおけるデータ保存方法に関する。
従来、社内の財務・会計データ形式は、標準化されていなかったため、それを扱うアプリケーションに依存したバイナリ形式が主流である。バイナリ形式の場合、専用のアプリケーションがなければ解釈できず、長期に保存した場合は、すでに解釈できるアプリケーションが存在しなくなっていた、といったことがあった。
近年、財務・会計データに関する電子的フォーマットの標準化活動が盛んになっている。XBRL(eXtensible Business Reporting Language)は、財務情報をXML形式で記述するための標準仕様である(XBRLは、XBRLInternationalの商標であり、そのホスト組織であるAmerican Institute of Certified Public Accountantsが登録・保有する)。XBRLは、勘定科目情報と科目間関係を記述した辞書(タクソノミ:Taxonomy)と、報告されるべき財務情報を記述したデータ(インスタンス:Instance)から構成される。タクソノミは、リンク関係をXMLで記述するXLink仕様書式を用いて勘定科目に関する様々な情報を柔軟に記述することができる。そのような情報をタクソノミに記述することによって、インスタンスには必要最小限のデータのみを単純な構造で記述することができる。XBRLは、http://www.xbrl.org/にその仕様を公開されたXML形式のサブセットであるため、その公開された仕様に従ったアプリケーションでありさえすればいつでも保存した財務・会計データを解釈可能であり、長期保存に有効である。XBRL−GL(General Ledger)は、仕訳前の伝票の情報や仕訳後の総勘定元帳に記載する情報など、特に社内で扱う財務・会計情報を扱うのに適した標準仕様である。
一般的にXML文書を編集し、格納する方法としては、特開2002−183115号公報(特許文献1)に記載の方法などがある。
特開2002−183115号公報
上記の従来技術を用いて、特に社内のXBRL形式財務情報を格納する場合、以下のような課題があった。XBRL−GLが対象とする財務・会計データは、通常の企業活動をしていれば日々発生するものであり、管理対象が膨大である。また、企業の規模が大きくなれば、発生するサイトやタイミングも多くなる。発生ごとに財務・会計データをXBRL−GL形式のファイルで保存した場合、ファイル数が多くなる。発生した財務・会計データは決算や経営管理などの目的でいずれは集計が必要であり、特に近年は経営を取り巻く環境がめまぐるしく変わり、それに応じた柔軟な対応をするため、常に経営管理する必要があり、従って、集計時の性能は重要である。
コンピュータシステムにおいては、ファイルIOが性能劣化の原因になることが多く、ファイルの数を減らすことが集計時の性能向上に寄与する。ファイルの数を減らす方策として、インスタンスのマージがある。
一方、XBRLデータはインスタンスとインスタンスが参照する複数のタクソノミ(タクソノミセット)から成っている。タクソノミセットは会計制度・基準に応じ、また社内ルールに応じて標準として提供される複数のタクソノミを拡張して作成するものであり、会計制度・基準や会社ごとに異なる。
従来技術では、インスタンスをマージしようとした場合、第一のインスタンスと第二のインスタンスとで参照しているタクソノミセットが異なると、参照しているタクソノミセットをマージすることで対応してしまう。しかし、タクソノミは会計制度・基準や会社ごとに異なるもののため、タクソノミセットをマージすると作成時のインスタンスの会計的な意味が変わってしまう可能性がある、という問題がある。
本発明は、XBRL処理処理プログラムを実行することによって、インスタンスが参照するタクソノミセットを解釈し、タクソノミセットごとにインスタンスをマージすることを特徴とする。
本発明により、検索対象のインスタンスの数が削減されるため、ファイルオープンする時間分の性能向上が可能になる。また、インスタンスが参照するタクソノミ別(タクソノミ名のセット別)に格納されているため、検索時にタクソノミ解析回数が少なくなり、その時間分の性能向上が可能になる。
以下、実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施例1のXBRL保存システムの構成図である。XBRL保存システム100は、インスタンス登録受付プログラム115と、インスタンスのマージプログラム120と、XBRL処理プログラム125と、タクソノミ群130と、タクソノミ別インスタンス群135と、WWWサーバ145と、検索条件解析プログラム150と、検索結果表示プログラム155とを有する。XBRL保存システム100は、他の会計システム等90およびクライアント140とネットワーク160で接続されている。
インスタンス登録受付プログラム115は、他の会計システム等90から出力されるXBRLインスタンス110を受け付け、インスタンスのマージプログラム120を起動する。マージプログラム120は、XBRLインスタンス110をマージしてタクソノミ別インスタンス群135として記憶装置に保存する。マージプログラム120についての詳細は、後に説明する。
利用者が、格納したタクソノミ別インスタンス群135を検索する場合、クライアント140からネットワーク160を通じてWWWサーバ145にアクセスし、検索条件を入力する。検索条件解析プログラム150は、この検索条件を解析し、XBRL処理プログラム125を通じて、タクソノミ群130を参照し、タクソノミ別インスタンス群135から該当する情報を取り出す。検索結果表示プログラム155は、取り出した情報をWWWサーバに返し、クライアント140で参照可能となる。
なおXBRL保存システム100のハードウェアは、計算機であり、CPUと、メモリと、記憶装置と、ネットワーク装置とを有する。インスタンス登録受付プログラム115、マージプログラム120、XBRL処理プログラム125、WWWサーバ145、検索条件解析プログラム150、検索結果表示プログラム155の各プログラムは、メモリに格納され、CPUによって実行される。タクソノミ群130とタクソノミ別インスタンス群135は、記憶装置に格納される。
図2は、XBRLインスタンス110またはタクソノミ別インスタンス群135を構成する個々のインスタンスの基本構造の例を示す。XBRLインスタンスの基本構造は、タクソノミ参照部311と、文書情報、ヘッダ部、明細部から成る構造312とを有する。タクソノミ参照部311には参照されるタクソノミ名が設定される。構造312は、文書情報、ヘッダ部、明細部の順にツリー構造をもっており、それぞれ文書情報、ヘッダ、明細データが設定される。同一ヘッダ部の下に複数の明細部を設定できる。また同一の文書情報の下に複数のヘッダ部と明細部をもつ構造を繰り返すことができる。タクソノミ参照部311の下に複数の構造312を繰り返すことが可能である。ここに示すインスタンスの基本構造は、XBRL−GLの例であり、文書情報、ヘッダ部、明細部を上記の方式で複数定義できることが特徴である。
図3は、XBRLインスタンスの基本構造に則ったXBRLインスタンス110の具体例を示す。ここではXBRLインスタンス110-1,110-2,110-3,110-4の4ファイルを例として示している。タクソノミ参照部411はタクソノミ参照部311の具体例である。構造412は構造312の具体例である。
図4は、タクソノミ別インスタンス群135の具体例を示す図である。ここではXBRLインスタンス135-1,135-2の2ファイルを例として示している。XBRLインスタンス135-1は、XBRLインスタンス110-1にXBRLインスタンス110-2の構造412-2を追加したものである。XBRLインスタンス135-2は、XBRLインスタンス110-3にXBRLインスタンス110-4の構造412-4を追加したものである。
タクソノミ群130は、一つ又は複数のタクソノミの集まりであり、その構造はXBRLの仕様に則っている。
図5は、実施例1のマージプログラム120の処理の流れを示すフローチャートである。マージプログラム120は、インスタンス登録受付プログラム115からXBRLインスタンス110を1つ受け取る(ステップ215)。次にマージプログラム120は、XBRL処理プログラム125を介してタクソノミ群130を参照し、取得したXBRLインスタンス110の要素をメモリ上でツリー構造に展開する(ステップ220)。XBRLインスタンスをツリー構造に展開する方法は、XBRL(http://www.xbrl.org/)で規定しており、詳細説明を省略する。XBRLインスタンス110をツリー構造に展開することによって、タクソノミ参照部411と構造412とが分離され、各々が取得可能となる。
次にマージプログラム120は、メモリ上で分離されたタクソノミ参照部411から記載されているタクソノミ名を取得してセットAと定義する(ステップ225)。次にマージプログラム120は、タクソノミ別インスタンス群135の中にステップ235の処理によって取得されていないインスタンスファイルがあるか否か判定する(ステップ230)。未取得のインスタンスファイルがあれば、マージプログラム120は、そのうちの1つを取得する(ステップ235)。ここで取得したファイルをBとする。ステップ235は複数回実行される可能性があるが、最後に実行したステップ235のファイルを常にBとする。マージプログラム120は、XBRL処理プログラム125を介してタクソノミ群130を参照し、取得したファイルBの要素をメモリ上でツリー構造に展開する(ステップ240)。次にマージプログラム120は、メモリ上で分離されたタクソノミ参照部411から記載されたタクソノミ名を取得してセットCと定義する(ステップ245)。次にマージプログラム120は、AとCのタクソノミ名が一致するか否か判定する(ステップ250)。両者が一致すれば、マージプログラム120は、元のインスタンスファイルの代わりにファイルBのツリーの最後尾にステップ220で分離したXBRLインスタンス110の構造412を追加したファイルをタクソノミ別インスタンス群135の1つとして保存する(ステップ255)。
次にマージプログラム120は、本処理で取得したすべてのインスタンスを解放する(ステップ260)。すなわちステップ215,235でオープンしたすべてのインスタンスファイルを各々クローズする。ステップ250でAとCが不一致と判定されたとき、マージプログラム120は、ステップ230に戻り、上記処理を繰り返す。ステップ230で未取得のインスタンスがないとき、マージプログラム120は、XBRLインスタンス110をタクソノミ別インスタンス群135の1つとして保存する(ステップ265)。
図3のインスタンス例を用いてマージプログラム120の処理の流れを説明すると、次のようになる。ステップ215でXBRLインスタンス110-1が投入されると、ステップ220,225,230,265,260の順に処理が進み、XBRLインスタンス110-1がタクソノミ別インスタンス群135-1として格納される。
次にXBRLインスタンス110-2が投入されると、タクソノミ参照部411-1とタクソノミ参照部411-2のタクソノミ名が同一であるため、ステップ220,230〜255,260の順に処理が進み、XBRLインスタンス110-2の構造412-2がタクソノミ別インスタンス群135-1に追加される。
次にXBRLインスタンス110-3が投入されると、タクソノミ参照部411-3とタクソノミ参照部411-1のタクソノミ名が異なることから、ステップ220,230〜250,230,265,260の順に処理が進み、XBRLインスタンス110-3がタクソノミ別インスタンス群135-2として格納される。
次にXBRLインスタンス110-4が投入されると、タクソノミ参照部411-3とタクソノミ参照部411-4のタクソノミ名が一致するため、ステップ220,230〜250,230,235〜255,260の順に処理が進み、XBRLインスタンス110-4の構造412-4がタクソノミ別インスタンス群135-2に追加される。ただしステップ235でタクソノミ別インスタンス群135-2を最初に取得したときには、ステップ220,230〜255,260の処理順となる。
検索条件解析プログラム150は、クライアント140から検索要求を受け取ると、Web形式の検索条件を解析してXBRL形式の検索条件に変換し、XBRL処理プログラム125に検索要求する。XBRL処理プログラム125は、タクソノミ別インスタンス群135の各インスタンスファイルをオープンし、タクソノミ群130を参照してインスタンスのタクソノミ解析を行い、得られた検索結果を検索結果表示プログラム155に渡す。検索結果表示プログラム155は、受け取った検索結果をWeb形式の検索結果に変換してクライアント140へ送信する。
実施例1によれば、XBRLインスタンスがタクソノミ名のセット別に保存されるため、検索時にオープンするインスタンスの数が少なくなり、またインスタンス数の減少によってタクソノミを解析する処理の回数が少なくなるため、検索時の性能向上が図れる。
また実施例1によれば、例えばN個のインスタンスがそれぞれKバイト使用して同じタクソノミを参照する場合、本発明により(N−1)*Kバイト分の記憶容量の削減に寄与する。
図6は、実施例2のXBRL保存システムの構成図である。実施例2のXBRL保存システムは、実施例1と比べて、マージプログラム120がマージプログラム710に変わり、また参照タクソノミ管理テーブル720が追加されている。参照タクソノミ管理テーブル720も計算機の記憶装置に格納される。
図7は、参照タクソノミ管理テーブル720のデータ構成を示す図である。参照タクソノミ管理テーブル720の各レコードは、タクソノミセット612とタクソノミ別インスタンス名614の各カラムから成る。タクソノミセット612は、タクソノミ名である。タクソノミ別インスタンス名614は、タクソノミセット612に対応するインスタンスファイルの名称であり、タクソノミ名から自動的に生成される名称である。
図8は、実施例2のマージプログラム710の処理の流れを示すフローチャートである。ステップ215〜265の処理は、実施例1と同様である。マージプログラム710は、ステップ225でXBRLインスタンス110のタクソノミ名を取得してセットAと定義した後、参照タクソノミ管理テーブル720のタクソノミセット612を定義したAで検索する(ステップ800)。次にマージプログラム710は、タクソノミ名が一致するレコードが存在するか否か判定する(ステップ810)。存在する場合には、マージプログラム710は、一致したレコードのタクソノミ別インスタンス名614に該当するインスタンスファイルをタクソノミ別インスタンス群135から取得する(ステップ820)。このファイルをBとする。その後、ステップ240を実行する。タクソノミ名が一致するレコードが存在しない場合には、マージプログラム710は、Aのタクソノミ名と生成したXBRLインスタンス110のインスタンス名を参照タクソノミ管理テーブル720に格納し(ステップ830)、ステップ265を実行する。
実施例1では、XBRLインスタンス110をタクソノミ別インスタンス群135の1つとして格納するときに、最大でタクソノミ別インスタンス群135に格納されているインスタンスの数+1回だけインスタンスをツリーに展開する必要があった。実施例2では、参照タクソノミ管理テーブル720を利用するによって、インスタンスをツリーに展開する処理を最大でステップ220とステップ240の2回に削減できる。
実施例1のXBRL保存システムの構成図である。 実施例のXBRLインスタンスの基本構造の例を示す図である。 実施例のXBRLインスタンス110の具体例を示す図である。 実施例のタクソノミ別インスタンス群135の具体例を示す図である。 実施例1のインスタンスのマージプログラムの処理フロー図である。 実施例2のXBRL保存システムの構成図である。 実施例2の参照タクソノミ管理テーブルのデータ構成を示す図である。 実施例2のインスタンスのマージプログラムの処理フロー図である。
符号の説明
100…XBRL保存システム、110…XBRLインスタンス、120…マージプログラム、125…XBRL処理プログラム、130…タクソノミ群、135…タクソノミ別インスタンス群、710…マージプログラム、720…参照タクソノミ管理テーブル

Claims (5)

  1. タクソノミ名を有するタクソノミ参照部の下にツリー構造をもつ文書情報が1つ以上格納されるXBRLインスタンスファイルを保存する記憶装置と、プログラムを格納するメモリと、前記プログラムを実行するCPUとを有する計算機を用いて、タクソノミ名を有するタクソノミ参照部とツリー構造をもつ1つの文書情報とを有するXBRLインスタンスデータを前記記憶装置に保存する方法であって、
    前記XBRLインスタンスデータを入力するステップと、
    前記XBRLインスタンスデータのタクソノミ名が、保存されるいずれかの前記XBRLインスタンスファイルのタクソノミ名と一致するか否か判定するステップと、
    一致するXBRLインスタンスファイルが存在すると判定された場合には、当該XBRLインスタンスファイルに前記XBRLインスタンスデータの前記文書情報を追加し、前記記憶装置に保存するステップと、
    一致するXBRLインスタンスファイルが存在しないと判定された場合には、当該XBRLインスタンスデータを1つのXBRLインスタンスファイルとして前記記憶装置に保存するステップとを有することを特徴とするXBRLデータ保存方法。
  2. 前記記憶装置に格納されるタクソノミのツリー構造を定義するファイルを参照し、前記XBRLインスタンスデータおよび前記XBRLインスタンスファイルの各データをツリーに展開し、各々前記タクソノミ名を取得することを特徴とする請求項1に記載のXBRLデータ保存方法。
  3. 前記記憶装置は、さらに前記タクソノミ名と対応する前記XBRLインスタンスファイルの名称とを記憶する管理テーブルを格納し、前記管理テーブルを参照して前記XBRLインスタンスデータのタクソノミ名と一致するタクソノミ名をもつ前記XBRLインスタンスファイルが存在するか否か判定することを特徴とする請求項1に記載のXBRLデータ保存方法。
  4. タクソノミ名を有するタクソノミ参照部の下にツリー構造をもつ文書情報が1つ以上格納されるXBRLインスタンスファイルを保存する記憶装置と、
    プログラムを格納するメモリと、
    前記プログラムを実行するCPUと、
    タクソノミ名を有するタクソノミ参照部とツリー構造をもつ1つの文書情報とを有するXBRLインスタンスデータを入力する手段と、
    前記XBRLインスタンスデータのタクソノミ名が、保存されるいずれかの前記XBRLインスタンスファイルのタクソノミ名と一致するか否か判定する手段と、
    一致するXBRLインスタンスファイルが存在すると判定された場合には、当該XBRLインスタンスファイルに前記XBRLインスタンスデータの前記文書情報を追加し、前記記憶装置に保存する手段と、
    一致するXBRLインスタンスファイルが存在しないと判定された場合には、当該XBRLインスタンスデータを1つのXBRLインスタンスファイルとして前記記憶装置に保存する手段とを有することを特徴とするXBRLデータ保存システム。
  5. 前記記憶装置は、さらに前記タクソノミ名と対応する前記XBRLインスタンスファイルの名称とを記憶する管理テーブルを格納し、前記判定する手段は、前記管理テーブルを参照して前記XBRLインスタンスデータのタクソノミ名と一致するタクソノミ名をもつ前記XBRLインスタンスファイルが存在するか否か判定することを特徴とする請求項4に記載のXBRLデータ保存システム。
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