JP4349161B2 - 仕上げ表面の改修方法及び化粧板 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、鉄道の車両等の既存の内装化粧パネルや仕切り板の化粧天板等の仕上げ表面に、メラミン樹脂化粧板を積層することで車両内装の化粧外観をリニューアルさせる改修方法に関するものであり、特に、車両等に要求される不燃性の基準をクリアして車両等の内装材として適合させつつ、既設の化粧表面材が経時劣化したときに、表面化粧機能を簡易にかつ適切に復元させることに関するものである。
例えば、鉄道や自動車等の車両、また、船舶等の内装に使用される化粧パネルや化粧天板の表面化粧材としては、一般に、メラミン樹脂化粧板を始め、塩化ビニル化粧シート等の各種シート貼り材料やFRP成形品、更には意匠性ステンレス板、金属板と樹脂発砲体との複合材料及び塗装金属板等、多様な材料が使用されている。これらの化粧材の中でも、特にメラミン樹脂化粧板は、表面が硬く、耐熱性や耐汚染性にも優れ、化粧面の耐久性(美観維持)が高い材料として、長年、特に、車両や船舶用の内装材として広く使用されている。
これらのメラミン樹脂化粧板等の表面化粧材については、最も重要な機能が外観意匠性の維持であるため、外観上の美感が損なわれた場合、化粧材のみでなくユニット単位の化粧パネル自体の価値を損なう結果をもたらす。このため、従来から、車両用の内装においては、メンテナンスを加えて延命を図り、更には長期の使用等により外観の意匠性を維持できなくなった場合には、改修して新装する必要がある。
この場合、従来は、車両構体に取り付けられた化粧パネルや化粧天板自体を交換することにより、改修作業を行っていた。しかし、これらの化粧パネルや化粧天板は、一般に、前述したメラミン樹脂化粧板を始めとする各種化粧材と下地芯材、あるいは更に裏打ち材を加えた複合体として作製され、これに更に各種アセンブリ部品等を組み込んで車両内装施工に利用されているため、交換作業に際しては、座席や手摺り、荷棚及び固定部材等の既設部品を取り外した上で、新品と取り替え作業を行う必要があり、改修に多大な工程と時間を要する問題があった。
また、この交換後、取り外された化粧パネルや化粧天板全体は、他に用途がなく廃棄処理されていたため、資源に無駄が生じると共に、環境保全、産業廃棄物対策の観点からも好ましくない状況を招いていた。特に、これらの化粧パネル等が、種々のパーツで構成される複合体である場合には、個々の構成部品の耐久性は異なり、表面化粧材の仕上がり表面の美感が損なわれただけで、その他の多くの構成部品は未だ充分に機能を保っている場合であっても、化粧パネル全体の交換が必要となり、無駄な廃棄物発生を余儀なくされることが多かった。
この場合、化粧パネルや化粧天板が、メラミン樹脂化粧板から形成されている場合、メラミン樹脂化粧板は、もとより高耐久性素材であり、充分な製品寿命を有してはいるが、15年前〜20年前に施工された車両の内装については、近年改修による新装が必要な時期を迎えており、この改修の必要性に伴って生ずる産業廃棄物の処理が、今後は重要な課題となってくることが予想されるため、適切な対処が望まれている。
このような産業廃棄物の削減対策としては、大別して次の2つの方法を考えることができる。具体的には、一つは廃棄物を分別回収し、それぞれを再利用する方法であり、もう一つは製品のライフを長くする、即ち、廃棄物とするまでの時間を長期化することである。この場合、前者の再利用の途が資源の有効活用には適しているとはいえるが、現実問題として、未だ有効で充分な技術が確立されているとはいえず、また、再利用には多大なコストと時間を要し、その結果、鉄道車両のメーカーあるいは保守者に多大な負担を強要し、ひいては、その負担を鉄道の利用者の利用料金等に反映させざるを得ない事態を招くおそれがある。従って、後者のライフサイクルの長期化が、現時点では望ましい方法ではあるが、このライフサイクルの長期化の実現に際しても、技術上種々の困難な問題が残存していた。
即ち、第1に、化粧パネルや化粧天板の内装材のライフサイクルの長期化を図るには、化粧材を積層することが考えられ、事実、特に、メラミン樹脂化粧板は、車両用各種化粧材の中にあって、その優れた長期耐久性及び意匠性から、積層可能なメラミン樹脂化粧板の実用化が以前より望まれていた。しかし、長期間にわたる寒暖変化や湿度変化、更には半屋外環境に近い過酷な使用環境下における耐候性が必要とされる車両の内装材又は外装材の一部として、メラミン樹脂化粧板を適用した場合、メラミン樹脂化粧板が有する高い弾性応力を伴なって生じる反り、寸法変化率を抑え込むことが困難であったため、メラミン樹脂化粧板を適切に積層することは実現できなかったのが現状である。
この反りや寸法変化の問題については、本発明者等は、寸法変化が小さく常温加工性に優れたメラミン樹脂化粧シートを提案している(特許文献1参照)。しかし、第2に、仮に、このメラミン樹脂シートを既存の化粧パネルに積層しても、特に車両用内装材として使用するに際しては、適合することが必須となる車両材料燃焼試験(以下、単に「車材燃試」と略称する。)の「不燃性」基準をクリアさせることが困難であった。このことは、勿論、従来のメラミン樹脂化粧板を、高強度接着剤を用いて積層した場合にも、同様に生ずる問題であった。
この車材燃試における「不燃性」の基準をクリアするためには、それ自体が車材燃試「不燃性」を有する既存材料のアルミベースメラミン樹脂金属化粧板(製品厚みが1.2〜1.6mm)を接着剤にて積層することにより対応することが考えられる。しかし、第3に、この方法では、既設のパネル形状、寸法採りに合わせて化粧板を裁断加工することや、現場での貼り合せ作業が非常に困難で、その結果、多大な工程数を要する割には改修後のパネルの反りや接着面の剥がれ等の不具合が生ずるおそれが高かったため、適切な方法とはいえなかった。
一方、化粧パネル自体の交換を伴わず、かつ、現場において適切な寸法に裁断等して簡易に改修作業を行うと共に、改修後の反りや剥がれを防止するためには、塗料を塗布したり、また、熱可塑樹脂化粧シートを積層することが考えられるが、いずれの方法も表面硬度が低く、改修後において長期耐久性を保持することができなかったため、上貼り箇所が車両の天井部位に限定されたり、また、短期間の延命策、応急策としてのみ効果を有し、結局は化粧パネルごと交換せざるを得ないのが実状であった。
また、この熱可塑性樹脂化粧シートは、その耐熱性に限界があるため、既存の化粧パネルの仕上げ表面に積層しても、上述したように、車材燃試の「不燃性」基準をクリアーすることは殆ど困難であり、その結果、実際に、上貼りに適用できる安価で汎用性のある化粧シートは極めて少ないのが実情であった。特に、下地芯材がステンレス板又はステンレスをベースとした板である化粧板の場合は、車材燃試の「不燃性」基準に適合させるのは、極めて困難であった。
以上のように、従来は、(1)反りや寸法変化を抑えつつ、(2)車材燃試における「不燃性」の基準に適合させ、同時に(3)現場における加工容易性をも有する改修方法、特に、メラミン樹脂化粧板の有する優れた意匠性及び耐久性を生かしつつ、化粧板を積層して仕上げ表面を新装することができる改修方法及びその方法に使用することができる化粧板は実現できていなかったのが実状であった。
特開2001−96702号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、メラミン樹脂化粧板の高耐久性を活用しつつ、特に車両等に要求される不燃性の基準をクリアすることができると共に反りや寸法変化を抑制して車両の内装材として適合させるだけではく、改修作業に要する工程数及び時間を低減して簡易に既存の仕上げ表面を新装することができると同時に改修費用の負担を軽減し、ひいては、産業廃棄物を有効に削減することができる仕上げ表面の改修方法及びこのような改修方法に使用することができる化粧板を提供することにある。
本発明においては、上記の課題を解決するための手段の開発を数年間行ってきた結果、メラミン樹脂化粧板を使用してその長期耐久性及び意匠性を生かしつつ、加工容易性(裁断加工作業)及び現場施工性(積層作業)にも優れ、施工後のパネル品質にも支障をきたさないようにするためには、化粧板の厚みを1.0mm以下、好ましくは0.8mm以下とすることが望ましいとの結論に達した。これは、積層するメラミン樹脂化粧板の厚みが1.0mmを超えると、現場施工における寸法合わせのための裁断、切り欠き等の作業性が著しく低下すると共に、積層後の化粧板と、その他の既存の化粧パネル(下地化粧パネル)との間の厚み段差が生じて、意匠性を損ない、特別な段差処理や特殊押え部材が必要になるため設計変更、施工作業を複雑化させる等の弊害が生まれるためである。特に、車材燃試における「不燃性」への適合化を前提に、ユーザーからは出来る限り薄く、軽量化することが要求されていた。なお、このように、メラミン樹脂化粧板を薄型化するためには、オーバーレイ層等を省略するために、例えば、フェノール樹脂を含浸したコア層に、メラミン樹脂を含浸した化粧層を積層したメラミン樹脂化粧シートを使用した化粧板とすることが望ましい。
しかし、一方で、このように積層用のメラミン樹脂化粧板を薄く形成する上では、次の3点が品質上大きな障害となってくることも確認された。即ち、(1)反り対策、(2)既存の化粧パネルの仕上げ表面に積層した際の糊ダクによる表面の凹凸対策、(3)車材燃試における「不燃性」の基準のクリアの3点である。
まず、第1の反り対策であるが、本来、メラミン樹脂化粧板は、優れた特性を持つ反面、脆く、また吸脱湿による寸法変化が大きいといった欠点を有し、この寸法変化は、表面層にくるメラミン樹脂化粧層の挙動に大きく左右される。従って、この反りを防止するためには、吸脱湿による寸法変化率がコア層の2〜3倍も大きいメラミン樹脂化粧層における吸脱湿挙動を抑制することが必要となる。
このメラミン化粧板の積層成形品は、通常は、製造工程における取扱い上の制限や設置後に割れやひび等が生じないように、全体の重量に対する含水率が5〜6%程度となるように調整せざるを得ない。しかし、一方で、含水率が高いが故に、脱湿後の密度が低く圧縮され易いと共に、吸湿後には膨張し易く、その結果、寸法変化率が大きくなる。この場合、メラミン樹脂化粧層を成形する前の含浸紙中の揮発分量を約30%減少させると、含水率を0.6〜1.2%程度低下させることができる。寸法変化は、この含水率変動と強い正相関があるため、含浸紙中の揮発分量を減少させて含水率を0.6〜1.2%低下させると、寸法変化率を20〜30%程度小さくできることがわかった。従って、化粧板全体としての含水量を通常の5〜6%程度より更に低い3%以下とすれば、寸法変化率を著しく低減して反りを確実に抑制することができると考えられる。
しかし、通常、メラミン樹脂を含浸した含浸紙は、製造工程上の取扱い制限から、揮発分が6〜8%に調整されるが、更に低揮発分化して含水率を低率化するとしても5.5%が限界であり、その程度の調整では、0.5mm以下の薄型化を実施した場合の反りを抑える効果は不十分である。このため、含水率を3%以下に低減して反りを抑えるのは従来は困難であり、単に、揮発分量を著しく低減して含水率を低下させると、割れやひびの原因となる問題も発生する。この場合、化粧板の寸法挙動に影響を及ぼす含水率は、含浸紙中の揮発分と加圧成形中に生成する縮合反応水とで決まるため、本発明においては、例えば、水溶性アクリル樹脂等の非縮合反応系変性剤の添加率に応じて含水率を低減させることにより、寸法変化率の抑制を図りつつ、同時に、揮発分を5.5%以下にしても製造工程に支障をきたしたり、設置後において割れやひびが生じない含浸紙を成形することを可能にした。
また化粧板を構成するコア層についても、通常、揮発分が6〜8%に調整されるところ、4%以下に調整して化粧板の低含水率化を図り、コア層とメラミン樹脂化粧層とから成る積層体の厚みが0.5mm以下となる場合においても、反りが出にくいメラミン樹脂シートを製造することが可能となった。
第2に、既存の化粧パネルに積層した際の糊ダクによる表面の凹凸対策であるが、化粧板は、上記のように、できるだけ薄型化することが望まれる一方、薄くすればする程、化粧板を既存の化粧パネルに貼り合せる際の接着層の糊ダクを拾い易くなり、表面に凹凸が生じ易い。この点については、金属板を裏面に設置することが有効ではあるが、従来のメラミン樹脂化粧シートを金属板に積層すると、両者の寸法変化挙動や線膨張率特性の格差から、反り発生を抑えることが困難であった。
この点について、本発明は、上述したメラミン樹脂含浸紙、コア層フェノール含浸紙の揮発分率を通常より30%以上削減して寸法変化率を低く抑えた結果、この金属板への積層による複合成形を実用品質にすることができようになった。なお、この金属板としては、実用面からアルミ板が好適である。耐燃焼性においては熱伝導率の良い金属銅板も適用可能だが錆易く、長期耐久性が必要な車両用途には問題があり、材料コストも高くなる問題がある。また、ステンレス板の場合は、熱伝導率が低過ぎるため燃焼時の熱放散効果が少なく、次に述べる耐燃焼性を大きく低下させ、車材燃試における不燃性の基準をクリアーするためには0.8mm以上の板厚とすることが必要であり、薄型化することが要求される積層用の化粧板としては、不適である。
第3に、車材燃試における「不燃性」の基準に適合させる問題であるが、これは、車両用の内装材として適用するためには、解決することが必須の課題であるといえる。しかし、メラミン樹脂化粧シートにおいては、熱可塑シートと異なり、熱硬化性樹脂であるメラミン樹脂とフェノール樹脂の硬化反応工程で縮合水が発生するため、一定の含水率を有し、車材燃試では、この含水率が、耐燃焼性を低下させる原因ともなっていた。とりわけ、薄型化した場合は、特に縮合水を多く発生させるメラミン樹脂の影響が高くなり、耐燃焼性には益々不利となる問題を誘発していた。
この点については、本発明においては、上述したとおり、含水率を非常に小さく低減すると共に、金属板としてアルミ板を使用していることから、充分に対応が可能になった。のみならず、本発明においては、更に、メラミン樹脂化粧板を構成するメラミン樹脂シートの製造工程、及び、積層用のメラミン樹脂化粧板を既存の化粧パネルに貼り合せる際の施工技術においても、以下の通り、分析して、重要な改良を加えた。
即ち、メラミン樹脂化粧板は、ベースとなる化粧紙及びコア層基材(例えば、未晒しクラフト紙やガラスペーパー等)に熱硬化性樹脂であるメラミン樹脂、フェノール樹脂或いはこれらに熱可塑性樹脂を混合した変性樹脂をバインダー材として含浸処理した樹脂含浸紙を積層した上で、加熱・加圧成形して得られるが、成形された積層体表面には、基材を構成する繊維目から生ずる数十ミクロン〜数百ミクロンの粗さを持った凹凸上の地合いムラが形成される。
この場合、常用される高圧プレス積層成形においては、その凹凸は、通常、裏面側に偏って形成される傾向にあるが、この裏面側に、金属板等を積層するための極軽量粘着テープをラミネート加工する際に、凹凸部に気泡が抱き込まれる。ここで抱き込まれた残留気泡は、燃焼試験の際に受ける燃焼熱により膨張し、接着面の熱放散性を阻害する原因となり、耐燃焼性を低下させることがある。従って、粘着テープをラミネート加工する際に、充分に脱泡することにより、耐燃焼性を向上させることができる。その上で、ラミネート加工時のロール圧力、圧力分布の均一性を管理することが重要である。
また、積層対象となる既設の下地化粧パネルとの貼り合せの際も、これと同様な施工管理が必要である。具体的には、脱泡処理する上で効果的手段として、下地化粧パネルとの貼り合せの後にアイロン加熱や高周波加熱簡易装置等を使った『熱圧着』処理を施すと脱泡処理と共に熱活性による粘着強度の改善(被着体表面の微小な凹凸部分に対する粘着剤の濡れ面積が拡大)を図ることができる。
以上のようにして、本発明においては、メラミン樹脂化粧板の有する長期耐久性を生かしつつ、特に車両の内装材の改修方法を実現化することに成功し、以下の適切な解決手段を提供するものである。
具体的には、本発明は、上記の課題を解決するための第1の手段として、
既存の仕上げ表面に、メラミン樹脂化粧層を有するメラミン樹脂化粧板を積層して、仕上げ表面を新装する仕上げ表面の改修方法であって、このメラミン樹脂化粧板は、コア層とこのコア層に積層されたメラミン樹脂化粧層とから成る化粧材に金属板を積層して成り、メラミン樹脂化粧板は、コア層の揮発分を4.2%以下として、メラミン樹脂化粧板全体の重量に対する含水率が1.6%以下に調整されていることを特徴とする仕上げ表面の改修方法を提供するものである。即ち、この第1の解決手段は、従来達成できなかった「メラミン樹脂化粧板」を上貼りして、既存の仕上げ表面を改修するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、上記第1の解決手段において、メラミン樹脂化粧板は、メラミン樹脂に非縮合反応系変性剤が含有されていることを特徴とする仕上げ表面の改修方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、上記第2の解決手段において、非縮合系変性剤が、水溶性アクリル樹脂であることを特徴とする仕上げ表面の改修方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、上記第1乃至第3のいずれかの解決手段において、メラミン樹脂化粧板は、脱泡処理されていることを特徴とする仕上げ表面の改修方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第5の手段として、上記第4の解決手段において、メラミン樹脂化粧層を成形後にロールにより加圧することにより、又は、メラミン樹脂化粧板を仕上げ表面に積層した後にこのメラミン樹脂化粧板を加熱若しくは熱圧着して脱泡処理することを特徴とする仕上げ表面の改修方法を提供するものである。
以上の解決手段により、本発明においては、薄型化しつつ、充分に反りを抑制することができると共に、車材燃試における不燃性の基準に適合させることも可能となったことから、次の解決手段をも提供するものである。即ち、本発明は、上記の課題を解決するための第6の手段として、上記第1乃至第5のいずれかの解決手段において、メラミン樹脂化粧板は、全体の厚みが1.0mm以下であることを特徴とする仕上げ表面の改修方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第7の手段として、上記第1乃至第6のいずれかの解決手段において、メラミン樹脂化粧板は、金属板の厚みが0.2mm〜0.7mmであり、この金属板を仕上げ表面に貼り付けることを特徴とする仕上げ表面の改修方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第8の手段として、上記第7の解決手段において、金属板は、アルミ板であることを特徴とする仕上げ表面の改修方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第9の手段として、上記第1乃至第8のいずれかの解決手段において、メラミン樹脂化粧板は、裏面に予め粘着層が設けられていることを特徴とする仕上げ表面の改修方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第10の手段として、上記第1乃至第19のいずれかの解決手段において、仕上げ表面が、車両又は船舶の内装材又は外装材の仕上げ表面であることを特徴とする仕上げ表面の改修方法を提供するものである。
また、本発明は、上記第1乃至第10の解決手段に使用することができる下記の化粧板をも提供するものである。即ち、本発明は、上記の課題を解決するための第11の手段として、コア層とこのコア層に積層されたメラミン樹脂化粧層とから成る化粧材に金属板を積層して成る化粧板であって、コア層の揮発分を4.2%以下として、化粧板全体の重量に対する含水率が1.6%以下に調整されていることを特徴とする化粧板を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第12の手段として、上記第11の解決手段において、メラミン樹脂に非縮合反応系変性剤が含有されていることを特徴とする化粧板を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第13の手段として、上記第12の解決手段において、非縮合系変性剤が、水溶性アクリル樹脂であることを特徴とする化粧板を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第14の手段として、上記第11乃至第13のいずれかの解決手段において、脱泡処理されていることを特徴とする化粧板を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第15の手段として、上記第14の解決手段において、メラミン樹脂化粧層がロールにより加圧されて脱泡処理されていることを特徴とする化粧板を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第16の手段として、上記第11乃至第15のいずれかの解決手段において、全体の厚みが1.0mm以下であることを特徴とする化粧板を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第17の手段として、上記第11乃至第16のいずれかの解決手段において、金属板の厚みが0.2mm〜0.7mmであることを特徴とする化粧板を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第18の手段として、上記第11乃至第17のいずれかの解決手段において、金属板が、アルミ板であることを特徴とする化粧板を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第19の手段として、上記第11乃至第18のいずれかの解決手段において、裏面に予め粘着層が設けられていることを特徴とする化粧板を提供するものである。
本発明によれば、上記のように、メラミン樹脂化粧板全体の重量に対する含水率を1.6%以下に調整しているため、吸脱湿による寸法変化率が低減して、反りや割れ、ヒビが生じにくいと共に、吸脱湿後の気泡又は水分が熱膨張して耐燃焼性が低下することがなく、車材燃試における不燃性の基準をクリアすることができる実益がある。
この場合、本発明によれば、上記のように、メラミン樹脂に、例えば、水溶性アクリル樹脂等の非縮合反応系変性剤が含有されているため、含水率を低減するために揮発分量を低減させても、割れやヒビが生じにくくなり、製造工程にも支障を来すことがない実益がある。
また、本発明によれば、上記のように、メラミン樹脂化粧板をロールにより加圧処理する等して脱泡処理しているため、残留気泡が熱膨張して熱放散性を阻害することにより、耐燃焼性を低下させることがないため、車材燃試における不燃性の基準をクリアすることができる実益がある。
本発明によれば、メラミン樹脂化粧板を薄型化しつつ、充分に反りを抑制することができると共に車材燃試における不燃性の基準に適合させることも可能となったことから、上記のように、メラミン樹脂化粧板全体の厚みを1.0mm以下としているため、裁断等の加工の容易性及び積層作業の取扱いの容易性を確保することができる実益がある。
本発明によれば、上記のように、化粧材に、厚さ0.2mm〜0.7mmの金属板を積層しているため、既設の化粧パネルの仕上げ表面に接着しても、糊ダクによる凹凸を防止することができると共に、金属板により熱放散効果が向上するため、車材燃試における不燃性の基準をクリアすることができる実益がある。
この場合、特に、上記のように、この金属板として、熱伝導効率が高いと共に長期耐久性を有するアルミ板を使用しているため、長期にわたって良好な耐燃焼性を維持することができる実益がある。
本発明によれば、上記のように、裏面に予め粘着層を設けているため、施工現場における作業性を向上させることができる実益がある。
以上により、本発明によれば、上記のように、既存の仕上げ表面に、メラミン樹脂化粧板を積層して、仕上げ表面を新装しているため、既設の化粧パネルを交換することなく、メラミン樹脂化粧板の有する長期耐久性及び意匠性を活用して、簡易に短時間で仕上げ表面を新装することができると同時に、無駄な資源の廃棄をする必要がなく、環境保全、産業廃棄物対策を有効に実現することができる実益がある。
また、以上の結果、本発明によれば、上記のように、車両又は船舶の内装材又は外装材の仕上げ表面を簡易にかつ適切に新装することができる実益がある。
本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明すると、図1は、本発明の仕上げ表面の改修方法の状態を示し、この改修方法は、図1に示すように、例えば、既設の車両用化粧パネル1等の仕上げ表面に、メラミン樹脂化粧板10を積層して、仕上げ表面を新装するものである。
このメラミン樹脂化粧板10は、図1に示すように、接着テープ2等の粘着剤により、既設の車両用化粧パネル1の仕上げ表面に積層される。なお、この粘着剤としては、燃焼の際に粘着剤が断熱層となり、燃焼熱の拡散を阻害して燃焼面の燃焼温度を上昇させて着火・着炎を促進する原因とならないよう、充分な接着強度を有しつつ、できるだけ薄いものを使用することが望ましい。また、メラミン樹脂化粧板10の積層は、接着品質の安定化を図るために、既設の車両用化粧パネル1の仕上げ表面に付着した汚れや異物を除去してから行う。
このメラミン樹脂化粧板10は、図2に示すように、化粧材12に、金属板14を積層して形成され、この化粧材12は、図2に示すように、コア層16と、このコア層16に積層されたメラミン樹脂化粧層18とから成っている。
このメラミン樹脂化粧層18は、印刷された化粧紙にメラミン樹脂を含浸させて乾燥させたメラミン樹脂含浸化粧紙から成り、メラミン樹脂化粧板10としての表面性能を有するものである。化粧紙に含浸させるメラミン樹脂は、通常の一般的メラミン樹脂化粧板用のメラミン樹脂に、水溶性アクリル樹脂等の非縮合系熱可塑性樹脂を混合したものを使用する。なお、このメラミン樹脂としては、柔軟性や耐クラック性を考慮して、ポストフォームタイプ化粧板に使用するメラミン樹脂が好適である。
また、コア層16は、図示の実施の形態においては、クラフト紙にフェノール樹脂を含浸させて乾燥させたフェノール樹脂含浸紙から成り、通常使用するものに比べ、揮発分を40〜60%程度低下させることが好ましい。なお、コア層16に適用するバインダー樹脂は、特に、フェノール樹脂に限定されるものではなく、その他、エポキシ樹脂や、フェノール樹脂とエポキシ樹脂の共縮合体を使用することもでき、更には、耐燃焼性において燃焼時の発熱量抑制に優れるメラミン樹脂をベースとするエポキシ変性メラミンやアクリル樹脂混合メラミン樹脂等も有効である。
ここで重要なのは、金属板14と、表面層を形成する化粧材12との積層化において、この両者の一体成形に支障がなく、充分な層間強度を維持することができると共に、耐熱性に優れ、かつ、反りの発生要因となる寸法変化率を抑制することができる材質を調整、選択することである。この寸法変化率としては、メラミン樹脂化粧板10の寸法変化率が、縦方向、横方向共に0.2%以下となることが望ましい。
金属板14は、上述したように、アルミ板を使用するのが望ましく、メラミン樹脂化粧板10全体の厚みを1.0mm以下にする上においては、化粧材12の厚みをも考慮すると、このアルミ板等の金属板14の厚みは、0.7mm以下とすることが好ましいが、本発明が目的とする積層方式による改修方法で求められる現場施工性や積層後の既設の書両用化粧パネル1との段差部における意匠性を考慮して、0.5mm以下とすることが望ましい。
なお、これらのコア層16及びメラミン樹脂化粧層18から成る化粧材12と金属板14の積層方法としては、通常の高圧メラミン樹脂化粧板の成形において一般的に使用される手段、即ち、平型プレス装置を使用した加熱加圧等により行うことができ、この加熱加圧の際の最高温度は、135〜145℃程度に調整することが好ましい。
次に、本発明の実施例及び、本発明の効果を裏付けるために設定したいくつかの比較例について説明する。
(実施例1)
図2に示す本発明のメラミン樹脂化粧板10を以下の方法にて形成した。即ち、モル比1.6、数平均分子量230、不揮発分52重量%、粘度40cps/20℃のポストフォーム用水溶性メラミン樹脂を用意し、不揮発分比率で、このメラミン樹脂100重量部に対して、固形分45重量%、粘度35cps/20℃の水性アクリル樹脂エマルジョン20重量部を混合して水で粘度20cps/25℃に調整した後、触媒を添加した含浸用変性メラミン樹脂ワニスを調製した。このワニスを基材として通常の化粧紙(単色抄き込み紙、米坪130g/m2 )に含浸し、樹脂量52重量%、揮発分5重量%に乾燥調整し変性メラミン樹脂含浸化粧紙18を得た。
続いて、米坪145g/m2の未晒クラフト紙を基材とし、一般のメラミン化粧板の生産に使用するホルムアルデヒド/フェノールモル比1.3の水溶性レゾール型フェノール樹脂をこの基材に含浸して、樹脂量45重量%、揮発分重量3%に乾燥調整したフェノール樹脂含浸紙21を得た。このフェノール含浸紙12は通常のフェノール樹脂含浸紙に比較し、樹脂分を15%増加し、揮発分を50%低下させたものである。
これらのメラミン樹脂含浸紙(メラミン樹脂化粧層18)、フェノール樹脂含浸紙(コア層16)及び厚さ330ミクロンのアルミ板14を順次重ね合わせ、通常の高圧メラミン樹脂化粧板の加圧成形方法に準じて製品最高温度135〜140℃の範囲で成形した。その結果、成形後のメラミン樹脂化粧板10全体の厚みは0.67mm、全体の重量に対する含水率は1.8%であった。
次に、成形された厚さ0.67mmのメラミン樹脂化粧板10の裏面に、基材5μmの超軽量、超細径繊維によるポリエステル布織布を支持体とする構造用高粘着型アクリル系粘着テープ2をロール線圧40N/cmのロール圧締でラミネート加工し、裏面糊付きメラミン樹脂化粧板10を得た。このメラミン樹脂化粧板10を、車両用の内装材として一般に使用されている厚さ1.6mmの金属ベースメラミン樹脂化粧板(ベースアルミは1.2mm)に金属製ハンドロールで片方から脱気しながら順次押え込み貼り合せた。貼り合せ後は、表面温度が180〜200℃に加熱されたアイロンを使って、貼り合せたメラミン樹脂化粧板10に傷が付かないように、表面側から熱圧仕上げした。アイロン接触時間は熱圧面に5〜10秒間/箇所程度当たるように押えた。
(実施例2)
図2に示す本発明のメラミン樹脂化粧板10を以下の方法にて形成した。即ち、コア層16として、実施例1におけるフェノール樹脂含浸紙の代わりに、米坪50g/m2のガラスペーパー基材に実施例1の表面化粧層18に使用する水溶性メラミン樹脂と水性エマルジョン型アクリル樹脂(日本ゼオン製アクリルラテックス「LX−851E」)を樹脂固形分比60:40にて混合し、混合樹脂重量当り1重量%のメトキト系シランカップリング剤と無機シリカを4重量%添加し、更にシリコン系消泡剤を0.05重量%添加した含浸用調合樹脂を使って、樹脂量75重量%、揮発分1.6重量%のメラミン樹脂含浸化粧紙を作製し、これをコア層16として代替とした点を除いては、実施例1の方法と同様にして、厚さ0.70mmの高圧メラミン樹脂化粧板10を得た。このメラミン樹脂化粧板10の全体の重量に対する含水率は1.5%あった。その後は、実施例1と同様の手順、同一の高強度粘着テープ2にて裏面糊付きメラミン樹脂化粧板10とした上で、実施例1と同様の積層方法にて、メラミン樹脂化粧板10を積層した。
(実施例3)
実施例1に使用したアルミ板14の厚みを0.50mmとした以外は、実施例1と同様の手順に従って、裏面粘着材付きメラミン樹脂化粧板10を得た。これを使って実施例1と同じ手順により、厚さ0.8mmの意匠性ステンレス板(下地となる既設のパネル材)に積層した。
(実施例4)
コア層16として、実施例1におけるフェノール樹脂含浸紙の代わりに、米坪23g/m2の晒し薄葉紙基材にF/Pモル比1.2の脱水タイプ高固形分型フェノール樹脂と市販エポキシ樹脂(チバガイギー製)のMEK50%溶解樹脂を樹脂固形分比50:50に混合した含浸用混合樹脂を使って、樹脂量60重量%、揮発分4.2重量%の含浸紙を作製し、これをコア層16として代替した点、及び、実施例1において使用したアルミ板14の代わりに厚さ0.30mmの薄厚銅板を使用した点を除いて、実施例1と同様の手順に従って、裏面粘着材付きメラミン樹脂化粧板10を得た。このメラミン樹脂化粧板10を、実施例1と同手順により、積層した。
(比較例1)
実施例1に使用したメラミン樹脂化粧層18において、メラミン樹脂に添加した水性アクリル樹脂エマルジョン添加を止め、かつ含浸紙特性を通常のメラミン化粧板の製造工程で適用する樹脂量56重量%、揮発分6.5重量%に調整した以外は、実施例1と同様に行い積層した。
(比較例2)
実施例1に使用したアルミ板14の板厚を0.10mmとした以外は、実施例1と同様の手順に従って、裏面粘着材付き積層用メラミン樹脂化粧板10を作製し、これを実施例1と同手順により、厚さ1.6mmの金属アルミメラミン化粧板3に積層した。この比較例2においては、アルミ板14の厚みが薄い結果、実施例1と同じ化粧材14を使用しても、相対的に、メラミン樹脂化粧板10全体の重量に対する含水率が上昇し、含水率は、3.2%であった。
(比較例3)
実施例1に使用したメラミン樹脂化粧板10の代わりに、図3に示すように、アクリル系粘着材付き厚さ150ミクロンの化粧塩ビシート3を、実施例3と同様に厚さ0.8mmの意匠性ステンレス板(既設の車両用化粧パネル1)に積層した。
上記の本発明の各実施例及び比較例にて得られた各化粧パネル(メラミン樹脂化粧板10が積層された既設のパネル)について、メラミン樹脂化粧板10の厚さと寸法変化率、含水率を比較すると共に、積層後の化粧パネルの外観、パネル反り、車材燃試結果及び積層施工性を比較した結果を表1に示す。
Figure 0004349161
なお、この表1に示す結果を得るに際して各種データは、以下の規準に準拠して測定した。
1.寸法変化率:JIS K 6902の試験方法に準拠して実施。
2.含水率:105℃×24時間乾燥処理前後の重量減量率。
3.耐煮沸性:JIS K 6902の試験方法に準拠して実施。
4.CCM燃焼試験:新建築基準法に適用するコーンカロリーメータ試験の総発熱量を測定した。
5.パネル環境試験:積層用化粧板を接着方法にて下地化粧パネルに貼り合せた後、養生4日間経過した後に60℃熱風乾燥機内で4日間処理し、室温まで冷却した後のパネル反り量、接着面の剥離の有無を観察した。
6.耐燃焼性:鉄道車両用材料燃焼試験に準拠して実施。
7.積層化粧パネル施工性:現場施工で必要とされる裁断加工性、積層施工に掛る工数及び施工−後のパネル品質を比較して、「好適」「適」「不適」に分類した。
この表1から解るとおり、(1)メラミン樹脂に非縮合反応系変性剤が含有されていない比較例1、及び、塩化ビニルシートを使用した比較例3においては、いずれも、接着層の剥がれ等が見られた。これに対して、水性アクリル樹脂エマルジョンを含む本発明の実施例1〜4については、いずれも係る現象は見られず、水溶性アクリル樹脂等の非縮合反応系変性剤をメラミン樹脂に含有することにより、剥がれを防止できることが確認できた。
次に、(2)含水率が3.0%を超えている比較例2においては、低湿側の寸法変化率が、縦横いずれにおいても、必要とされる0.2%を超えており、目立った反りは生じなかったものの、この含水率の高さが耐燃焼性を低下させて、不燃性の基準をクリアできなかったことが解る。このことから、含水率を3.0%以下に調整することで、寸法変化率を低減して不燃性の基準に適合させることができることが裏付けられた。
この不燃性の点については、比較例1〜3のいずれもクリアできなかったのに対し、含水率を3.0%以下に抑え、メラミン樹脂に水溶性アクリル樹脂を含有した本発明の実施例1〜4については、全て、不燃性の基準のクリア、反りや剥がれの発生防止のいずれをも満たすことができた。従って、本発明の改修方法によって、メラミン樹脂化粧板10の長期耐久性を活用しつつ、車両の内装に適した改修が実現できたといえる。
本発明は、例えば、鉄道や自動車等の不燃性が要求される車両の内装材又は外装材の改修としては勿論、その他船舶等の内装材又は外装材の新装にも適用することができ、また、化粧板は、改修のみならず、新製品としての化粧用パネルとして適用することもできる。
本発明のメラミン樹脂化粧板を積層した既設の車両用化粧パネルの断面図である。 本発明のメラミン樹脂化粧板の断面図である。 比較例のパネルの断面図である。
1 既設の車両用化粧パネル
2 粘着テープ
3 塩化ビニルシート
10 メラミン樹脂化粧板
12 化粧材
14 金属板
16 コア層
18 メラミン樹脂化粧層

Claims (19)

  1. 既存の仕上げ表面に、メラミン樹脂化粧層を有するメラミン樹脂化粧板を積層して、前記仕上げ表面を新装する仕上げ表面の改修方法であって、前記メラミン樹脂化粧板は、コア層と前記コア層に積層されたメラミン樹脂化粧層とから成る化粧材に金属板を積層して成り、前記メラミン樹脂化粧板は、前記コア層の揮発分を4.2%以下として、前記メラミン樹脂化粧板全体の重量に対する含水率が1.6%以下に調整されていることを特徴とする仕上げ表面の改修方法。
  2. 請求項1に記載された仕上げ表面の改修方法であって、前記メラミン樹脂化粧板は、メラミン樹脂に非縮合反応系変性剤が含有されていることを特徴とする仕上げ表面の改修方法。
  3. 請求項2に記載された仕上げ表面の改修方法であって、前記非縮合系変性剤が、水溶性アクリル樹脂であることを特徴とする仕上げ表面の改修方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された仕上げ表面の改修方法であって、前記メラミン樹脂化粧板を、脱泡処理することを特徴とする仕上げ表面の改修方法。
  5. 請求項4に記載された仕上げ表面の改修方法であって、メラミン樹脂化粧層を成形後にロールにより加圧することにより、又は、前記メラミン樹脂化粧板を前記仕上げ表面に積層した後に前記メラミン樹脂化粧板を加熱若しくは熱圧着して脱泡処理することを特徴とする仕上げ表面の改修方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された仕上げ表面の改修方法であって、前記メラミン樹脂化粧板は、全体の厚みが1.0mm以下であることを特徴とする仕上げ表面の改修方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載された仕上げ表面の改修方法であって、前記メラミン樹脂化粧板は、前記金属板の厚みが0.2mm〜0.7mmであり、前記金属板を前記仕上げ表面に貼り付けることを特徴とする仕上げ表面の改修方法。
  8. 請求項7に記載された仕上げ表面の改修方法であって、前記金属板は、アルミ板であることを特徴とする仕上げ表面の改修方法。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載された仕上げ表面の改修方法であって、前記メラミン樹脂化粧板は、裏面に予め粘着層が設けられていることを特徴とする仕上げ表面の改修方法。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載された仕上げ表面の改修方法であって、前記仕上げ表面が、車両又は船舶の内装材又は外装材の仕上げ表面であることを特徴とする仕上げ表面の改修方法。
  11. コア層と前記コア層に積層されたメラミン樹脂化粧層とから成る化粧材に金属板を積層して成る化粧板であって、前記コア層の揮発分を4.2%以下として、前記化粧板全体の重量に対する含水率が1.6%以下に調整されていることを特徴とする化粧板。
  12. 請求項11に記載された化粧板であって、メラミン樹脂に非縮合反応系変性剤が含有されていることを特徴とする化粧板。
  13. 請求項12に記載された化粧板であって、前記非縮合系変性剤が、水溶性アクリル樹脂であることを特徴とする化粧板。
  14. 請求項11乃至請求項13のいずれかに記載された化粧板であって、脱泡処理されていることを特徴とする化粧板。
  15. 請求項14に記載された化粧板であって、前記メラミン樹脂化粧層がロールにより加圧されて脱泡処理されていることを特徴とする化粧板。
  16. 請求項11乃至請求項15のいずれかに記載された化粧板であって、全体の厚みが1.0mm以下であることを特徴とする化粧板。
  17. 請求項11乃至請求項16のいずれかに記載された化粧板であって、前記金属板の厚みが0.2mm〜0.7mmであることを特徴とする化粧板。
  18. 請求項11乃至請求項17のいずれかに記載された仕上げ表面の改修方法であって、前記金属板が、アルミ板であることを特徴とする化粧板。
  19. 請求項11乃至請求項18のいずれかに記載された化粧板であって、裏面に予め粘着層が設けられていることを特徴とする化粧板。
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