JP4349008B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
本発明は、像担持体に付着した残留トナーを除去する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、電子写真複写機やレーザービームプリンタ等の画像形成装置が広く用いられている。一般に、このような画像形成装置では、像担持体たる感光体ドラムを帯電し、この感光体ドラムに原画像を露光することで潜像を形成し、これをトナー像として現像したものを記録紙等に転写・定着させることで複写画像を得るようになっている。
【0003】
ここで、感光体ドラムから記録紙にトナー像を転写する際の転写効率は必ずしも100%とはならず、感光体ドラムにはトナーが残留することがある。このような残留トナーは次の露光工程で画像欠陥を招いたりするため、画像形成処理の前後において、この残留トナーを除去するためのクリーニング工程が必要となる。一般的なクリーニング工程は、感光体ドラム表面に接するように配置されたブレード状又はブラシ状等のクリーニング部材によって残留トナーを機械的ないしは電気的に捕集する、というものである。さらに、このクリーニング部材が残留トナーを保持したままではクリーニング能力自体が低下してしまうため、クリーニング部材から残留トナーを回収する、いわゆるデトーニング工程も行う必要がある。これらのクリーニング工程およびデトーニング工程としては、従来から幾つかの方法が提案されている(例えば特許文献1〜3)。
【0004】
【特許文献1】
特開平01−230085号公報
【特許文献2】
特開平08−227255号公報
【特許文献3】
特開2002−372902号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら特許文献1〜3に記載された画像形成装置では、次のような問題の生じるおそれがある。
まず、特許文献1〜2に記載されている画像形成装置では、デトーニングに際して専用の回収装置や回収経路を必要としているため、いきおい画像形成装置自体のサイズが大きくならざるを得なかった。
【0006】
そこで、特許文献3に記載された画像形成装置では、トナー仮保持部材により保持された残留トナーをいったん像担持体上に放出し、この像担持体を経由する形で残留トナーを回収するようにしているため、デトーニング専用の回収経路が不要である。ところが、トナーの回収経路に相当する像担持体に接するようにして帯電器や現像器等のトナー像形成装置が配置されているため、逆極性に帯電した残留トナーが像担持体から離れてこれらトナー像形成装置に強付着することがしばしば起こり得る。このようにトナー像形成装置がトナーによって汚されてしまうと、その耐久性が著しく低下してしまう。
【0007】
本発明はこのような背景の下になされたものであり、その目的は、画像形成装置を大型化することなく、かつ、トナー像形成装置にトナー汚れを生じさせないようにして残留トナーを回収することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明は、像担持体と、前記像担持体表面にトナー像を形成するトナー像形成装置と、中間転写ベルトと、前記像担持体表面に形成されたトナー像を前記中間転写ベルトに一次転写するための一次転写装置と、前記像担持体との間に形成される電界の作用によって、前記像担持体表面に付着している残留トナーを当該像担持体から捕集する像担持体クリーニング部材とを有する画像形成エンジンを備えた画像形成装置において、前記トナー像が前記像担持体から前記中間転写ベルトに転写される場合には、前記中間転写ベルトを挟んで前記像担持体と対向する第1の位置に前記一次転写装置を配置させる一方、前記像担持体クリーニング部材によって捕集された残留トナーを当該部材から回収する場合には、前記中間転写ベルトを挟んで前記像担持体クリーニング部材と対向する第2の位置に前記一次転写装置を配置させる転写部材移動手段と、前記一次転写装置が前記第2の位置に配置されているときには、回収すべき残留トナーを前記像担持体クリーニング部材から前記中間転写ベルトの方向へ移動させる電界を形成するための電位差を前記一次転写装置と前記像担持体クリーニング部材との間に生じさせる電圧印加手段とを備えることを特徴としている。
このようにして中間転写ベルトの方向へ移動させられた残留トナーは、二次転写後の中間転写ベルトからトナーを取り除いて、最終回収場所に回収する周知のベルトクリーニング装置(ベルトクリーナ)によって回収されることになる。よって、本発明によれば、トナー像形成装置にトナー汚れを生じさせずにトナーを回収することが可能となる。
【0009】
また、本発明の望ましい態様においては、複数の前記画像形成エンジンが同一の前記中間転写ベルトに沿って直列に配置されており、第1の画像形成エンジンにおいて前記像担持体クリーニング部材から前記中間転写ベルトに移動させられた残留トナーが、当該中間転写ベルトによって搬送されて第2の画像形成エンジンを通過する際には、前記転写部材移動手段は前記第2の画像形成エンジンの前記一次転写装置を前記第1の位置に配置させ、前記第2の画像形成エンジンは、前記第1の位置に配置させられている前記一次転写装置に対し、前記中間転写ベルトから前記残留トナーが移動しないような電界を形成するための電位差を前記像担持体と前記一次転写装置との間に生じさせる再付着防止電圧印加手段を備えていることを特徴としている。
これにより、複数の画像形成エンジンが同一の中間転写ベルトに沿って直列に配置されている構成の画像形成装置において、第1の画像形成エンジンにおいて排出されたトナーを第2の画像形成エンジンに再付着させることなくトナーを回収することが可能となる。
【0010】
また、本発明の望ましい態様においては、前記中間転写ベルトの搬送方向の上流側から数えて奇数番目に配置されている前記画像形成エンジンが前記第1の画像形成エンジンであり、前記中間転写ベルトの搬送方向の上流側から数えて偶数番目に配置されている前記画像形成エンジンが前記第2の画像形成エンジンであり、前記転写部材移動手段は、前記第1の画像形成エンジンの前記一次転写装置を前記第1の位置に配置させるとともに、前記第2の前記画像形成エンジンの前記一次転写装置を前記第2の位置に配置させ、前記第1の画像形成エンジンの前記一次転写装置を前記第2の位置に配置させるとともに、前記第2の前記画像形成エンジンの前記一次転写装置を前記第1の位置に配置させることを特徴としている。
これにより、複数の画像形成エンジンが同一の中間転写ベルトに沿って直列に配置されている構成の画像形成装置において、より効率的にトナーを回収することが可能となる。
【0011】
また、本発明の望ましい態様においては、複数の前記画像形成エンジンが同一の前記中間転写ベルトに沿って直列に配置されており、第1の画像形成エンジンにおいて前記像担持体から前記中間転写ベルトに移動させられた残留トナーが、当該中間転写ベルトによって搬送されて第2の画像形成エンジンを通過する際には、前記第2の画像形成エンジンの前記像担持体を前記中間転写ベルトより離間した位置に配置させる像担持体移動手段を備えることを特徴としている。
これにより、トナーの回収経路上からトナー像形成装置が物理的に離間されるため、トナー像形成装置にトナーを付着させることなくトナーを回収することが可能となる。
【0012】
また、本発明の望ましい態様においては、前記像担持体から前記中間転写ベルトに移動させられた残留トナーが当該中間転写ベルトによって搬送され、前記中間転写ベルト上のトナー像を記録紙に転写するための二次転写部材を通過する際には、前記中間転写ベルトから前記二次転写部材へ前記残留トナーが移動しないような電界を形成する電界形成手段を備えることを特徴としている。
あるいは、前記像担持体から前記中間転写ベルトに移動させられた残留トナーが当該中間転写ベルトによって搬送され、前記中間転写ベルト上のトナー像を記録紙に転写するための二次転写部材を通過する際には、当該二次転写部材を前記中間転写ベルトより離間した位置に配置させる二次転写部材移動手段を備えてもよい。
これにより、二次転写部材にトナーを付着させることなくトナーを回収することが可能となる。
【0013】
また、本発明は、上述の中間転写ベルトを記録紙搬送ベルトに換えた構成として実施することも可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
【0015】
<実施形態の構成>
図1は本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の全体構成を示した図である。同図に示されるように、画像形成装置100は複数の画像形成エンジン1Y,1M,1C,1K,中間転写ベルト2,二次転写ロール3,記録紙搬送ベルト4,ベルトクリーナ5,複数のロール6,バックアップロール7および定着装置8を備えている。
【0016】
複数のロール6には、中間転写ベルト2の張力を調節するためのテンションロールや、中間転写ベルト2を搬送させるための駆動ロールが含まれており、これらのロールの作用によって、中間転写ベルト2はある程度のテンションを維持したまま図中の矢印A方向に周回移動する。画像形成エンジン1Y,1M,1C,1Kはそれぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を形成し、これらトナー像を、搬送されていく中間転写ベルト2に対し順次重ね合わせるようにして一次転写する。一次転写された4色のトナー像は二次転写ロール3およびバックアップロール7によって記録紙9に二次転写させられる。この記録紙9は記録紙搬送ベルト4によって図中の矢印B方向に搬送され、定着装置8によって加熱されることにより記録紙9にトナー像が定着される。このような画像形成処理がなされた後、中間転写ベルト2に付着している残留トナーは、ベルトクリーナ5によって中間転写ベルト2から取り除かれる。
【0017】
続いて、画像形成エンジン1Y,1M,1C,1Kの構成について詳細に説明する。なお、画像形成エンジン1Y,1M,1C,1Kは使用するトナーがそれぞれ異なるのみであり、それ以外の構成は同一である。そのため以下の説明においては、それぞれの画像形成エンジン1Y,1M,1C,1Kを区別する必要のない場合には画像形成エンジン1と表記する。
【0018】
図2は画像形成エンジン1の構成を示す図である。同図に示されるように、画像形成エンジン1は一次転写装置11,感光体ドラム12,クリーニングブラシ13,主帯電器14,露光装置15および現像器16を備えている。なお、主帯電器14,露光装置15および現像器16を合わせてトナー像形成装置17という。
【0019】
感光体ドラム12は中間転写ベルト2,クリーニングブラシ13,主帯電器14および現像器16のそれぞれと接するように配置されている。感光体ドラム12の外周表面は主帯電器14によって一様に帯電され、帯電した感光体ドラム12表面には、露光装置15により原画像が露光されることによって静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器16によって現像され、YMCKいずれかの色のトナー像となる。このようにして感光体ドラム12表面に形成されたトナー像は、一次転写装置11によって中間転写ベルト2に転写される。
【0020】
クリーニングブラシ13は、金属性の軸130に多数の導電性繊維が植毛されることによって形成されており、軸130を中心にして自在に回転可能となっている。この軸130には、クリーニングブラシ13に可変電圧を印加する電源装置131が接続されている。
【0021】
一次転写装置11は、中間転写ベルト2に接する一次転写ロール110と、この一次転写ロール110に可変電圧を印加する電源装置111を備えている。この一次転写ロール110は、芯金112を中心として回転可能であるとともに、必要に応じて、軸113を中心として図2に示す実線の位置(以下、トナー転写位置という)と図2に示す点線の位置(以下、トナー回収位置という)との間を移動するようになっている。一次転写ロール110は、トナー転写位置に配置されているときには、中間転写ベルト2を挟んで感光体ドラム12と対向することになる。このとき、クリーニングブラシ13は中間転写ベルト2と3mm程度の距離だけ離間した状態となる。また、一次転写ロール110は、トナー回収位置に配置されているときには、図3に示すように、中間転写ベルト2を挟んでクリーニングブラシ13と対向することになる。このとき、クリーニングブラシ13は中間転写ベルト2を接触した状態となる。
【0022】
次に、一次転写装置11の構成について説明する。
図4は、一次転写装置11の構成を示した図である。同図に示されるように、一次転写装置11は、前述した一次転写ロール110等の他、シャフト114と、押圧バネ115と、ガイド筒116と、モータ117と、駆動制御装置118とを備えている。シャフト114の一端に設けられた穴には芯金112の端部が挿入されているおり、一次転写ロール110が芯金112を中心として回転可能となるように連結されている。押圧バネ115の一端側からはシャフト114が挿入されており、他端側はガイド筒116によって塞ぎ止められている。この押圧バネ115の弾性力によって、一次転写ロール110は矢印C方向(即ち感光体ドラムの方向)に押圧される。ただし、この押圧バネ115にはシャフト114が挿入されており、かつ、押圧バネ115およびシャフト114の双方ともにガイド筒116によって覆われているので、押圧バネ115が途中で折れ曲がるようなことはない。
【0023】
また、軸113は図示せぬ歯車機構等を介してモータ117の駆動軸と連結されている。駆動制御装置118は、モータ117への電力供給やモータ117の駆動方向を制御する装置である。ガイド筒116は、この駆動制御装置118による制御の下、軸113を中心として回動する。このガイド筒116の回動に伴って、一次転写ロール110もトナー転写位置とトナー回収位置との間で移動することになる。なお、上述したシャフト114、押圧バネ115およびガイド筒116は、芯金112の両端部分に設けられているので、それぞれ2つずつ存在する。また、以下では、一次転写ロール110の移動に必要な構成である、シャフト114、押圧バネ115、ガイド筒116、モータ117、歯車機構および駆動制御装置118を、転写ロール移動手段と総称する。
【0024】
<実施形態の動作>
以上に示された構成のもと、本発明に係る画像形成装置100は以下のように動作する。なお、感光体ドラム12の外周表面に残留するトナーには、正規の極性のもの(以下、正極トナーという)と、その逆の極性のもの(以下、逆極トナーという)があるが、この両者は電界中では逆の挙動を示す。よって、この画像形成装置100では正極トナーと逆極トナーとを別々の仕組みによって除去するようにしている。以下においては、トナーの正規極性をマイナスとして説明を行う。
【0025】
まず、画像形成時の動作においては、一次転写ロール110は、転写ロール移動手段によって図2に示すトナー転写位置に配置されている。このときクリーニングブラシ13には、−300V程度の大きさのバイアス電圧が電源装置131により印加されている。感光体ドラム12表面は一次転写バイアスにより0Vに近い電位となっているので、上記電圧の印加によって感光体ドラム12がクリーニングブラシより300V程度高電位となる。この状態で、感光体ドラム12の外周表面にはトナー像が形成され、このトナー像は一次転写装置11によって中間転写ベルト2に転写される。
【0026】
ここで、一次転写装置11によって転写されなかった残留トナーは、感光体ドラム12の外周表面に付着したまま、クリーニングブラシ13との接触部分まで搬送される。この残留トナーには、前述の通り正極トナーと逆極トナーが含まれているため、以下ではそれぞれのトナーの挙動について説明する。
【0027】
(A)画像形成時における正極トナーの除去と逆極トナーの捕集
上述したように、画像形成時においては、電源装置111がクリーニングブラシ13に電圧を印加することによって、感光体ドラム12がクリーニングブラシ13より300V程度高電位となっている。従って、感光体ドラム12に付着している正極トナーはクリーニングブラシ13と電気的に反発しあい、このクリーニングブラシ13に付着することなく感光体ドラム12によって搬送されていく。そして、この正極トナーは、感光体ドラム12と中間転写ベルト2との間の電界の作用により中間転写ベルト2の方向に移動させられ、最終的にはベルトクリーナ5によって取り除かれる。
【0028】
これに対し、感光体ドラム12に着している逆極トナーはクリーニングブラシ13に電気的に引き寄せられるから、感光体ドラム12から離れ、クリーニングブラシ13によって捕集される。
このようにして逆極トナーはクリーニングブラシ13によって次々と捕集されていくが、これら逆極トナーはある程度の量だけ捕集蓄積された後に、後述する適当なタイミングで回収される。
【0029】
(B)除去漏れとなった正極トナーの再除去
感光体ドラム12には主帯電器14が接触しているため、上記(A)で正極トナーが感光体ドラム12によって搬送されていく過程において、正極トナーは少量ではあるが主帯電器に14に付着してしまう。このように、主帯電器14に付着してしまった正極トナーは、画像形成終了後などの適当なタイミングで除去される。具体的には、図示せぬ電源装置により、主帯電器14が感光体ドラム12よりも低電位となるようなバイアス電圧がこの主帯電器14に印加されることによって、正極トナーは主帯電器14から離れて感光体ドラム12の外周表面に移動させられる。このようにして感光体ドラム12に移動させられた正極トナーは、前述した工程と同じようにして中間転写ベルト2に移動され、最終的にはベルトクリーナ5にて取り除かれる。
【0030】
(C)逆極トナーの回収
逆極トナーの回収は、画像形成エンジン1が画像形成を行っていない時間を利用して適宜実行される。例えば、定期的に実行されてもよいし、画像形成装置100の電源投入時に実行されてもよいし、画像形成処理が指示されたらその画像形成処理の前に実行されてもよいし、記録紙を所定枚数出力する毎に割り込み処理として実行されてもよい。
【0031】
逆極トナーを回収するときには、一次転写ロール110は転写ロール移動手段よって図2のトナー転写位置から図3のトナー回収位置へと移動させられる。このとき一次転写ロール110は中間転写ベルト2をクリーニングブラシ13の方向へ若干押し下げ、これによって中間転写ベルト2とクリーニングブラシ13とは接触した状態となる。
【0032】
この状態で中間転写ベルト2が回転すると、この回転にともなって感光体ドラム12およびクリーニングブラシ13も回転する。このとき、電源装置111と電源装置131は、クリーニングブラシ13によって捕集済みの逆極トナーが中間転写ベルト2の方向へ移動するようなバイアス電圧、すなわちクリーニングブラシ13が中間転写ベルト2よりも高電位となるような電圧をクリーニングブラシ2と一次転写ロール110にそれぞれ印加する。例えば電源装置131は、クリーニングブラシ13には−300Vを印加し、電源装置111は一次転写ロール110に−900Vを印加する。このとき、感光体ドラム12は、一次転写ロール110とは対向する位置関係ではないため、その外周表面の電位はおおよそ−200〜−400V程度となっている。この程度の電位では、感光体ドラム12とクリーニングブラシ13との間には逆極トナーを移動させる程度の強度の電界は形成されないため、逆極トナーがクリーニングブラシ13から感光体ドラム12へと移動することはない。
【0033】
このような状態でクリーニングブラシ13をある程度回転させることにより、クリーニングブラシ13によって捕集されていた逆極トナーはほぼ完全に中間転写ベルト2に移動することになる。そして、中間転写ベルト2は逆極トナーをベルトクリーナ5まで搬送し、ここで逆極トナーは中間転写ベルト2から取り除かれる。
【0034】
単一の画像形成エンジン1のみに着目した場合の動作説明は以上の通りである。
ここで、図1に示されるように複数の画像形成エンジン1が同一の中間転写ベルト2に沿って直列に配置されている場合、これら全ての画像形成エンジン1が同時に逆極トナーの回収動作を開始し、この回収動作を実行し続けると不都合が生じてしまう。なぜなら、例えば画像形成エンジン1Yにおいて中間転写ベルト2に移動させられた逆極トナーが、そのまま搬送されて画像形成エンジン1Mの位置に到達したときに、この画像形成エンジン1Mにおいても逆極トナーの回収処理がなされていると、中間転写ベルト2よりも低電位に帯電している感光体ドラム12に逆極トナーが引き寄せられて画像形成エンジン1Mの感光体ドラム12に付着してしまうことになる。逆極トナーが画像形成装置1Mの感光体ドラム12に付着してしまうと、さらに、この画像像形成装置1Mのトナー像形成装置17にも付着してしまう可能性もある。
【0035】
そこで、全ての画像形成エンジン1が同時に逆極トナーの回収動作を開始する場合には、各画像形成装置1において中間転写ベルト2に移動させられた逆極トナーがベルト搬送方向下流側の画像形成装置1の位置まで搬送される前までに、逆極トナーの回収動作を終えておき、かつ、逆極トナーが一次転写ロール110から感光体ドラム12に移動しないような電界を形成するような電位差を一次転写ロール110と感光体ドラム12との間に生じさせればよい。即ち、電源装置111によって一次転写ロールが感光体ドラム12よりも低電位となるような電圧を印加させればよい。
【0036】
例えば、画像形成エンジン1Yにおいて中間転写ベルト2に移動させられた逆極トナーが搬送され、画像形成エンジン1Mの位置に到達したときには、この画像形成エンジン1Mにおいて一次転写ロール110をトナー転写位置に戻し、かつ、電源装置111によって一次転写ロールが感光体ドラム12よりも低電位となるような電圧を印加してやればよい。以下、このような逆極トナーが感光体ドラム12に再付着するのを防止するような電圧を、再付着防止電圧という。
【0037】
しかしながら、この方法であっても、全ての一次転写ロール110を同時にトナー転写位置からトナー回収位置へ移動させると、中間転写ベルト2に過剰な張力が加えられてしまい、中間転写ベルト2が破損する、あるいは、一次転写ロール110がベルトを挟んでクリーニングブラシ13に接触することが出来なくなってしまうという問題が生じることがある。
【0038】
出願人は、上記のような問題を解決するため、次のような仕組みを着想した。この仕組みにおいては、中間転写ベルト2の搬送方向上流側から数えて奇数番目の画像形成エンジン1(画像形成エンジン1Y,1C)と偶数番目の画像形成エンジン1(画像形成エンジン1M,1K)とがそれぞれ同期して動作する。
図5は、感光体ドラム12と、この感光体ドラム12から中間転写ベルト2に移動させられた残留トナーとの位置関係を模式的に示すとともに、それらの位置関係の時間的推移を表した図である。同図において、横軸は中間転写ベルト2上の位置を示しており、xY,xM,xC,xKはそれぞれ画像形成エンジン1Y,1M,1C,1Kの位置を示している。すなわちこの図は、中間転写ベルト2上の残留トナーの移動を観測系(非慣性系)にて示した図である。なお、同図において隣接する2つの画像形成エンジン1の間隔は全て同一である。
【0039】
また、中間転写ベルト2の回転速度は(xM−xY)/2tとする。すなわち、中間転写ベルト2上に付着した残留トナーは、t秒間に(xM−xY)/2,つまり隣接する画像形成エンジン1の間距離のちょうど半分だけ進行する。なお、以下においてはこの残留トナーの移動距離(xM−xY)/2をxtonerと表記する。
また、図中の○印は該当する画像形成エンジン1において一次転写ロール110がトナー転写位置にあることを示しており、同様に×印は該当する画像形成エンジン1において一次転写ロール110がトナー回収位置にあることを示している。さらに、図中の◎印は該当する画像形成エンジン1で残留トナーの回収が行われていることを意味している。また、横軸上の斜線部分は感光体ドラム12から中間転写ベルト2に移動させられた残留トナーの位置を示している。
以下、図中の(1)〜(8)の順に説明する。
【0040】
(1)まず、画像形成エンジン1Y,1Cにおいて、各転写ロール移動手段は各一次転写ロール110をトナー回収位置へと移動させる。そして各電源装置111および各電源装置131は、各一次転写ロール110と各クリーニングブラシ13とにそれぞれバイアス電圧を印加し、これら一次転写ロール110とクリーニングブラシ13との間に電位差を生じさせる。これによって、画像形成装置1Y,1Cにおいて残留トナーの回収処理が開始される。このとき、画像形成エンジン1M,1Kでは中間転写ベルト2に加えられる張力をできるだけ緩和するために、各々の転写ロール移動手段は一次転写ロール110をそれぞれトナー回収位置には移動させず、トナー転写位置に配置したままである。
【0041】
(2)ここからt秒が経過すると、画像形成装置1Y,1Cにおいて回収された残留トナーはその回収地点から距離xtonerまでのベルト部分に一様に付着した状態となっている。この時点において、画像形成エンジン1Y,1Cでは、それぞれの転写ロール移動手段が各一次転写ロール110をトナー回収位置からトナー転写位置へと移動させる。これとともに、電源装置111は一次転写ロール110に対するバイアス電圧の印加を停止する。
また同時に、画像形成エンジン1M,1Kでは、転写ロール移動手段が一次転写ロール110をトナー転写位置からトナー回収位置へとそれぞれ移動させ、さらに、各電源装置111および各電源装置131は、各一次転写ロール110と各クリーニングブラシ13とにそれぞれバイアス電圧を印加して残留トナーの回収処理を開始する。
【0042】
(3)さらにt秒が経過すると、画像形成エンジン1M,1Kでは、クリーニングブラシ13からの残留トナーの回収処理を停止させる。そして、画像形成エンジン1Y,1Kにおいて2t秒前に回収された残留トナーが感光体ドラム12へ付着するのを防ぐために、各々の転写ロール移動手段は一次転写ロール110をトナー転写位置へとそれぞれ移動させ、かつ、電源装置111は一次転写ロール110に再付着防止電圧を印加させる。このとき印加される再付着防止電圧は、一次転写ロール110が感光体ドラム12よりも低電位になるような電圧であるため、逆極トナーは中間転写ベルト2から離れて感光体ドラム12に付着するようなことはない。
なお、このとき、画像形成エンジン1Y,1Cでは、中間転写ベルト2にかかる張力を緩和するために、各々の転写ロール移動手段は一次転写ロール110をトナー転写位置からトナー回収位置へとそれぞれ移動させる。
【0043】
このようにして全ての画像形成装置1において逆極トナーが回収されると、この後の(4)から(8)においては、全ての画像形成エンジン1の転写ロール移動手段が一次転写ロール110をトナー転写位置へと配置させたまま、電源装置111が一次転写ロール110に再付着防止電圧を印加する。これによって、中間転写ベルト2上の逆極トナーは感光体ドラム12に付着することなく、ベルトクリーナ5まで搬送され、ここで取り除かれる。
【0044】
このように逆極トナーの搬送位置に応じて画像形成エンジン1Y,1Cおよび1M,1Kにおける一次転写ロール110の位置と印加電圧を交互に切り替える処理を行うことにより、複数の画像形成エンジン1が同一中間転写ベルト2に沿って配置されている場合においても、逆極トナーを感光体ドラム12に再付着させることなくベルトクリーナ5によって取り除くことが可能となる。
【0045】
なお、上記の感光体ドラム12と同様に、中間転写ベルト2によって搬送される逆極トナーによって二次転写ロール3が汚れるおそれがある。このような二次転写ロール3のトナー汚れを防ぐためには、トナー回収の開始から終了までの間、二次転写ロール3と対向ロール7との間に上記と同様な再付着防止電圧(つまり、対向ロール7が二次転写ロール3よりも低電位となるような電圧)を印加すればよい。
【0046】
以上説明した実施形態によれば、以下に挙げる効果が得られる。
第一に、画像形成装置100においては、通常の画像形成に用いられる装置を経由するようにして残留トナーを回収するようにしているので、回収(デトーニング)専用の回収経路を設ける必要がない。また、回収した残留トナーは既存のベルトクリーナ5によって取り除くようにしているので、画像形成エンジン1内部またはその近傍にクリーナ装置を設ける必要がない。つまり、よりスペース効率の高い画像形成装置100を提供することが可能となる。
【0047】
第二に、画像形成装置100においては、クリーニングブラシ13によって捕集された逆極トナーは、クリーニングブラシ13から他の装置を介さずに直接、中間転写ベルト2へと移動する。即ち、その逆極トナーの回収経路にはトナー像形成装置17が介在しない。ゆえに、従来から問題とされていたような逆極トナーがトナー像形成装置17に付着するという事態が発生しない。
これにより、異なる色の残留トナーが現像器16を通過して混色してしまう問題や、残留トナーが帯電器に強付着して画像欠陥を引き起こす問題を未然に回避することができ、その結果、上記の問題により促進されていたプロセスカートリッジの劣化を大幅に減少させることが可能となる。出願人による実験によれば、従来A4サイズで3万枚程度を出力可能という耐久性であったプロセスカートリッジに対して本発明を適用することにより、その耐久性は同サイズで8万枚程度を出力可能というところまで飛躍的に向上した。
【0048】
<変形例>
本発明は上述した実施形態に限定されず、以下のような種々の変更が可能である。
【0049】
(変形例1)
図1に示されているように、本実施形態に係る画像形成装置100においては、4個の画像形成エンジン1Y,1M,1C,1Kを配置した4色フルカラー印刷用の構成となっているが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、本発明は画像形成エンジン1が1個のモノクロ印刷用の画像形成装置にも適用可能であり、また上記の4色の他に特色印刷用の画像形成エンジン1を加えた画像形成装置においてももちろん適用可能である。
【0050】
(変形例2)
上述の実施形態において、逆極性の残留トナーの回収処理を図5を用いて説明したが、この処理はあくまでも一例であり、その他の処理にて実施することももちろん可能である。例えば以下の方法が考えられる。
【0051】
例えば、各々の画像形成装置1において順番にトナー回収処理を行うようにしてもよい。具体的には、画像形成エンジン1Yが残留トナーの回収処理を行っている場合には、その他の画像形成エンジン1M,1C,1Kでは転写ロール移動手段が一次転写ロール110をトナー転写位置へと移動させ、かつ、感光体ドラム12に残留トナーを再付着させないために、電源装置111は一次転写ロール110に再付着防止電圧を印加する。こうすることで、中間転写ベルト2によって搬送される残留トナーは感光体ドラム12に付着することがない。
そして、画像形成エンジン1Yから回収された残留トナーが画像形成エンジン1Kの部分を通過するまではこの状態を維持する。この後、画像形成エンジン1M,1C,1Kについても同様の動作を行い、残留トナーの回収処理を順次行う。このように処理を行うことによって、上述の実施形態で説明された回収処理と比べてより簡単な動作で逆極トナーを回収することが可能となる。
【0052】
(変形例3)
上述の実施形態および変形例2においては、逆極トナーが感光体ドラム12に付着するのを防ぐために、電源装置111によって一次転写ロール110にバイアス電圧を印加する方法が採られたが、感光体ドラム12を中間転写ベルト2から接離可能とする移動手段を設けることにより、残留トナーの再付着を物理的に防ぐことも可能である。また、二次転写ロール3においても同様に、二次転写ロール3を中間転写ベルト2から接離可能とする移動手段を設けることにより、残留トナーの再付着を物理的に防ぐことが可能である。
これらの場合の移動手段は、感光体ドラム12や二次転写ロールに歯車機構によって連結されたモータや、このモータに電力供給などを行う駆動制御装置によって構成される。
【0053】
(変形例4)
上述の実施形態においては、逆極トナーの回収は画像形成エンジン1が画像形成処理を行っていないときに適宜実行すればよいとした。しかしながら、クリーニングブラシ13が捕集する残留トナーの量に対してこの残留トナーの回収処理の回数が適当でない場合、回収後にクリーニングブラシ13に残存する残留トナーが累積的に増加し、クリーニングブラシ13の捕集限界に達する量の残留トナーが蓄積されたときには、クリーニングブラシ13で捕集しきれない残留トナーが感光体ドラム12上に溢れ出すこととなる。このような問題を回避するために、例えばクリーニングブラシ13に捕集された残留トナー量を計測する計測手段を設け、この残留トナー量がある一定の値を超えた場合に強制的に回収処理を行っても良い。あるいは、画像形成装置100にこの残留トナー量を表示する表示手段、および利用者によるトナー回収の実行指示を可能とする実行ボタンを設けることにより、利用者がクリーニングブラシ13の状態を監視し、トナー回収が利用者の要求に応じて実行されても良い。
【0054】
(変形例5)
上述の実施形態においては、感光体ドラム12で形成されたトナー像を転写する転写体は中間転写ベルト2であったが、この中間転写ベルト2のかわりに記録紙搬送ベルトを用い、中間転写を行わずにトナー像を記録紙に直接転写する構成においても本発明を適用することは可能である。図6はその一例であり、図中の41,42,43は記録紙搬送ベルトである。
【0055】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、画像形成装置を大型化することなく、かつ、トナー像形成装置にトナー汚れを生じさせないようにして、残留トナーを回収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示した図である。
【図2】 同実施形態における画像形成エンジンを構成する各部を詳細に説明するための図である(トナー転写位置)。
【図3】 同実施形態における画像形成エンジンを構成する各部を詳細に説明するための図である(トナー回収位置)。
【図4】 同実施形態における転写部材移動手段を詳細に説明するための図である。
【図5】 同実施形態における中間転写ベルト上の残留トナーと感光体ドラムの位置関係と時間的推移を模式的に示した図である。
【図6】 本発明の適用される画像形成装置のその他の例を示した図である。
【符号の説明】
100…画像形成装置、1,1Y,1M,1C,1K…画像形成エンジン、2…中間転写ベルト、3…二次転写ロール、4,41,42,43…記録紙搬送ベルト、5…ベルトクリーナ、6…ロール、7…バックアップロール、8…定着装置、9…記録紙、11…一次転写装置、110…一次転写ロール、111…電源装置、112…芯金、113…軸、114…シャフト、115…押圧バネ、116…ガイド筒、117…モータ、118…駆動制御装置、12…感光体ドラム、13…クリーニングブラシ、131…電源装置、14…主帯電器、15…露光装置、16…現像器、17…トナー像形成装置。
Claims (10)
- 像担持体と、
前記像担持体表面にトナー像を形成するトナー像形成装置と、
中間転写ベルトと、
前記像担持体表面に形成されたトナー像を前記中間転写ベルトに一次転写するための一次転写装置と、
前記像担持体との間に形成される電界の作用によって、前記像担持体表面に付着している残留トナーを当該像担持体から捕集する像担持体クリーニング部材と
を有する画像形成エンジンを備えた画像形成装置において、
前記トナー像が前記像担持体から前記中間転写ベルトに転写される場合には、前記中間転写ベルトを挟んで前記像担持体と対向する第1の位置に前記一次転写装置を配置させる一方、前記像担持体クリーニング部材によって捕集された残留トナーを当該部材から回収する場合には、前記中間転写ベルトを挟んで前記像担持体クリーニング部材と対向する第2の位置に前記一次転写装置を配置させる転写部材移動手段と、
前記一次転写装置が前記第2の位置に配置されているときには、回収すべき残留トナーを前記像担持体クリーニング部材から前記中間転写ベルトの方向へ移動させる電界を形成するための電位差を前記一次転写装置と前記像担持体クリーニング部材との間に生じさせる電圧印加手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 複数の前記画像形成エンジンが同一の前記中間転写ベルトに沿って直列に配置されており、
第1の画像形成エンジンにおいて前記像担持体クリーニング部材から前記中間転写ベルトに移動させられた残留トナーが、当該中間転写ベルトによって搬送されて第2の画像形成エンジンを通過する際には、前記転写部材移動手段は前記第2の画像形成エンジンの前記一次転写装置を前記第1の位置に配置させ、
前記第2の画像形成エンジンは、前記第1の位置に配置させられている前記一次転写装置に対し、前記中間転写ベルトから前記残留トナーが移動しないような電界を形成するための電位差を前記像担持体と前記一次転写装置との間に生じさせる再付着防止電圧印加手段を備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記中間転写ベルトの搬送方向の上流側から数えて奇数番目に配置されている前記画像形成エンジンが前記第1の画像形成エンジンであり、前記中間転写ベルトの搬送方向の上流側から数えて偶数番目に配置されている前記画像形成エンジンが前記第2の画像形成エンジンであり、
前記転写部材移動手段は、前記第1の画像形成エンジンの前記一次転写装置を前記第1の位置に配置させるとともに、前記第2の前記画像形成エンジンの前記一次転写装置を前記第2の位置に配置させ、
前記第1の画像形成エンジンの前記一次転写装置を前記第2の位置に配置させるとともに、前記第2の前記画像形成エンジンの前記一次転写装置を前記第1の位置に配置させることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。 - 複数の前記画像形成エンジンが同一の前記中間転写ベルトに沿って直列に配置されており、
第1の画像形成エンジンにおいて前記像担持体から前記中間転写ベルトに移動させられた残留トナーが、当該中間転写ベルトによって搬送されて第2の画像形成エンジンを通過する際には、前記第2の画像形成エンジンの前記像担持体を前記中間転写ベルトより離間した位置に配置させる像担持体移動手段を備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記像担持体から前記中間転写ベルトに移動させられた残留トナーが当該中間転写ベルトによって搬送され、前記中間転写ベルト上のトナー像を記録紙に転写するための二次転写部材を通過する際には、前記中間転写ベルトから前記二次転写部材へ前記残留トナーが移動しないような電界を形成する電界形成手段を備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記像担持体から前記中間転写ベルトに移動させられた残留トナーが当該中間転写ベルトによって搬送され、前記中間転写ベルト上のトナー像を記録紙に転写するための二次転写部材を通過する際には、当該二次転写部材を前記中間転写ベルトより離間した位置に配置させる二次転写部材移動手段を備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 像担持体と、
前記像担持体表面にトナー像を形成するトナー像形成装置と、
記録紙搬送ベルトと、
前記像担持体表面に形成されたトナー像を前記記録紙搬送ベルト上の記録紙に転写するための転写装置と、
前記像担持体との間に形成される電界の作用によって、前記像担持体表面に付着している残留トナーを当該像担持体から捕集する像担持体クリーニング部材と
を有する画像形成エンジンを備えた画像形成装置において、
前記トナー像が前記像担持体から前記記録紙に転写される場合には、前記記録紙搬送ベルトを挟んで前記像担持体と対向する第1の位置に前記転写装置を配置させる一方、前記像担持体クリーニング部材によって捕集された残留トナーを当該部材から回収する場合には、前記記録紙搬送ベルトを挟んで前記像担持体クリーニング部材と対向する第2の位置に前記転写装置を配置させる転写部材移動手段と、
前記転写装置が前記第2の位置に配置されているときには、回収すべき残留トナーを前記像担持体クリーニング部材から前記記録紙搬送ベルトの方向へ移動させる電界を形成するための電位差を前記転写装置と前記像担持体クリーニング部材との間に生じさせる電圧印加手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 複数の前記画像形成エンジンが同一の前記記録紙搬送ベルトに沿って直列に配置されており、
第1の画像形成エンジンにおいて前記像担持体クリーニング部材から前記記録紙搬送ベルトに移動させられた残留トナーが、当該記録紙搬送ベルトによって搬送されて第2の画像形成エンジンを通過する際には、前記転写部材移動手段は前記第2の画像形成エンジンの前記転写装置を前記第1の位置に配置させ、
前記第2の画像形成エンジンは、前記第1の位置に配置させられている前記転写装置に対し、前記記録紙搬送ベルトから前記残留トナーが移動しないような電界を形成するための電位差を前記像担持体と前記転写装置との間に生じさせる再付着防止電圧印加手段を備えていることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。 - 前記記録紙搬送ベルトの搬送方向の上流側から数えて奇数番目に配置されている前記画像形成エンジンが前記第1の画像形成エンジンであり、前記記録紙搬送ベルトの搬送方向の上流側から数えて偶数番目に配置されている前記画像形成エンジンが前記第2の画像形成エンジンであり、
前記転写部材移動手段は、前記第1の画像形成エンジンの前記転写装置を前記第1の位置に配置させるとともに、前記第2の前記画像形成エンジンの前記転写装置を前記第2の位置に配置させ、
前記第1の画像形成エンジンの前記転写装置を前記第2の位置に配置させるとともに、前記第2の前記画像形成エンジンの前記転写装置を前記第1の位置に配置させることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。 - 複数の前記画像形成エンジンが同一の前記記録紙搬送ベルトに沿って直列に配置されており、
第1の画像形成エンジンにおいて前記像担持体から前記記録紙搬送ベルトに移動させられた残留トナーが、当該記録紙搬送ベルトによって搬送されて第2の画像形成エンジンを通過する際には、前記第2の画像形成エンジンの前記像担持体を前記記録紙搬送ベルトより離間した位置に配置させる像担持体移動手段を備えることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
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