JP4348923B2 - カッティング性良好な積層耐水紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は印刷用の積層耐水紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
耐水性を有する印刷用紙として、従来から、紙基材の表面に熱可塑性合成樹脂をラミネートした積層耐水紙が知られている。こうした積層耐水紙においては、紙基材とこれにラミネートされる樹脂層との接着性が、また、紙基材にラミネートされる樹脂が2層以上である場合には隣接する樹脂層同士の接着性が、その品質に大きな影響を及ぼす。これらの接着性が悪いと、各層間が剥離を起こしやすくなり、積層耐水紙としての使用に耐えられなくなってしまうからである。
【0003】
加えて、このような積層耐水紙は、表面強度及び光沢の付与のため、その最外層にポリプロピレンが積層される場合が多い。
【0004】
そこで、上記積層耐水紙の紙基材表面に積層する熱可塑性合成樹脂として、シングルサイト系触媒にて合成された直鎖状低密度ポリエチレン(以下、単にSS−LLDPEという。)という、紙基材ともポリプロピレンとも接着性が良い樹脂を選び、紙基材、SS−LLDPE、ポリプロピレンをこの順で積層して積層耐水紙を得ることが考えられた(特願2001−369118)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
積層耐水紙は、コンビニエンスストアーの棚札、玩具類のカード、フォーム用紙等にも加工されるが、これらの製品は、最終的に打抜き加工が施されたり、ミシン目加工が施されてミシン目から切り離されたりして用いられる。従って、こうした用途に用いられる積層耐水紙には、打抜き加工性、機械又は手による切離し加工性といったカッティング性が良好なことが要求される。
【0006】
カッティング性は、一般に、積層耐水紙の各層の接着強度と関係があると考えられる。即ち、各層間の接着強度が強ければ、その積層耐水紙は良好なカッティング性を示す。しかし、前記のようにSS−LLDPEを積層した積層耐水紙は、各層間の接着性が良好であるにも関わらず、カッティング性が非常に悪いことが明らかとなった。
【0007】
本願発明は、かかる問題点を踏まえ、紙基材表面にSS−LLDPEを積層した積層耐水紙において、各層間の接着性が良好で、しかも、カッティング性が良好な積層耐水紙を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは鋭意研究の結果、紙基材上に積層するSS−LLDPEに、ポリプロピレンを混合したものを積層することにより、上記課題が解決されることを見出し、本願発明を完成した。
【0009】
即ち、本願発明は、紙基材の少なくとも一方の表面に、複数の熱可塑性合成樹脂層が積層されており、かつ、複数の熱可塑性合成樹脂層のうち紙基材と接する層が、SS−LLDPEとポリプロピレンとが混合されて海島構造をなし、さらに、前記複数の熱可塑性合成樹脂層のうち、最外層をなす層がポリプロピレンからなる積層耐水紙に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本願発明を詳細に説明する。
【0011】
本願発明において紙基材とは、植物繊維又は植物繊維とその他の繊維を絡み合わせ、膠着させて製造したものを言う。このような紙基材であれば、何であれ本願発明に使用することができる。例えば、出来上がりの積層耐水紙に高光沢性を付与する観点からは、紙基材として、できるだけ平滑な紙、例えば上質紙、コート紙等を使用することが好ましい。
【0012】
本願発明の積層耐水紙は、SS−LLDPEとポリプロピレンとを混合して、この紙基材の一方又は両方の表面に積層したものである。このSS−LLDPEとポリプロピレンとの混合層(以下、単に混合層ともいう。)は、海島構造をなした状態で紙基材上に積層されていることを要する。ここで、海島構造とは、海とその海に点々と浮かぶ島のように、ある樹脂(例えば、ポリプロピレン又はSS−LLDPE)が、それとは異なる樹脂(例えば、SS−LLDPE又はポリプロピレン)に周囲を取り巻かれるようにして散点状に分布した構造のことをいう。但し、「海」に対する「島」の分布は、このSS−LLDPEとポリプロピレンとの混合割合によっては、必ずしも散点状にならず、密集した状態になることもある。
【0013】
SS−LLDPEに混合するポリプロピレンとしては、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、スーパーランダムポリプロピレン等があるが、なかでも、ホモポリプロピレンは硬く脆いという性質において優れているので、特に好ましい。
【0014】
ポリプロピレンの混合割合は、SS−LLDPE及びポリプロピレンの全体に対して、20〜80重量%が望ましい。ポリプロピレンの混合割合が20重量%未満では、カッティング性の向上がさほど期待できない。一方、ポリプロピレンの混合割合が80重量%を超えると、このSS−LLDPEとポリプロピレンからなる混合層の紙基材への接着性が悪くなる。
【0015】
また、本願発明においては、上記した混合層とポリプロピレンからなる最外層以外に他の熱可塑性合成樹脂層が積層されていても構わない。但し、紙基材のどちらか一方の面には常に、上記混合層が紙基材と接するようにして積層されていることを要する。従って、本願発明の積層耐水紙は、紙基材/混合層/ポリプロピレンからなる最外層といった最も単純なものの他、例えば、紙基材/混合層/他の熱可塑性合成樹脂層/ポリプロピレンからなる最外層、他の熱可塑性合成樹脂層/紙基材/混合層/ポリプロピレンからなる最外層、他の熱可塑性合成樹脂層/紙基材/混合層/他の熱可塑性合成樹脂層/ポリプロピレンからなる最外層、混合層/紙基材/混合層/ポリプロピレンからなる最外層、混合層/紙基材/混合層/他の熱可塑性合成樹脂層/ポリプロピレンからなる最外層、他の熱可塑性合成樹脂層/混合層/紙基材/混合層/他の熱可塑性合成樹脂層/ポリプロピレンからなる最外層等の積層構成を採ることができる。なお、ここで、他の熱可塑性合成樹脂層は2層以上であってもよい。そして、他の熱可塑性合成樹脂層が紙基材の両方の面に存在している場合には、これを形成する熱可塑性合成樹脂の種類や、これら他の熱可塑性合成樹脂層の積層順序は、一方の面と他方の面とで同一であっても異なっていても構わない。
【0016】
他の熱可塑性合成樹脂層を形成する樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、SS−LLDPE、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、スーパーランダムポリプロピレンといったポリオレフィン系樹脂を始め、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等を使用することができる。中でもポリプロピレンはホモ、ランダム、スーパーランダムいずれも光沢が高く、しかも硬くて傷つき難いことから、本願発明の積層耐水紙の最外層を形成する樹脂として好ましい。加えて、このポリプロピレンはSS−LLDPEとの接着性も良いので、本願発明の混合層の上に積層する樹脂としても好適である。
【0017】
紙基材に積層されている樹脂層全体の厚さは、片側で10μm以上、殊に15〜30μmの範囲内であることが好ましい。この厚さが10μm未満では、得られる積層耐水紙の加工適性が悪くなる。一方、この厚さが30μmを超えると、コストが上昇するのみならず、紙基材の厚さに対して樹脂層の厚さが厚くなりすぎるため、カッティング性が悪くなり、また、得られる積層耐水紙の腰がなくなって印刷適性が悪化する傾向を示す。
【0018】
また、紙基材に接して積層された混合層自体の厚さは3μm以上であることが好ましい。この混合層の厚さが3μ未満であると紙基材及びこれに積層される他の熱可塑性合成樹脂との接着性が悪くなる。
【0019】
本願発明の積層耐水紙最外層には不透明性、筆記性等を持たせる目的で酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機填料を配合することもできる。ただし、無機填量の配合は、積層耐水紙の表面性を悪化させる原因ともなるため、配合量は、これが配合される最外層に対して25重量%以下、できれば15重量%以下とすることが好ましい。
【0020】
なお、紙基材、混合層、ポリプロピレンからなる最外層及び他の熱可塑性合成樹脂層には、本願発明の目的を害さない限り、上記した以外にも種々の添加剤を添加したり、塗工剤を塗工したりすることができる。例えば、これらの添加剤や塗工剤として、紙基材にはサイズ剤、無機填料(酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ等)、混合層、ポリプロピレンからなる最外層及び他の熱可塑性合成樹脂層には帯電防止剤、耐ブロッキング剤(アクリルビーズ、ガラスビーズ、シリカ等)など、一般的に使用される添加剤や塗工剤を使用することができる。
【0021】
本願発明の積層耐水紙は、押出しラミネーション法や共押出しラミネーション法等、公知の方法を単独で、又はこれらを適宜組合せて用いて、紙基材に混合層と、ポリプロピレンからなる最外層及び他の熱可塑性合成樹脂層を積層し、製造することができる。前記したように、不透明性等を目的として酸化チタン等の無機填料を最外層樹脂に配合すると、ラミネーション加工性は悪化するが、かかる場合には、この最外層樹脂を、無機填料を含まない樹脂と共に共押出しラミネートすれば、樹脂層の厚さを薄くしても、いわゆる膜切れ等のトラブルの発生を押さえて、安定的な製造を行うことができる。
【0022】
また、押出しラミネーションや共押出しラミネーションにあたり、溶融した樹脂と接するクーリングロールとして周面を鏡面仕上げとしたものを用い、さらに、ニップロールとして硬度の大きいものを用いて、高い線圧で樹脂と紙基材等との押圧・圧着を行えば、積層された樹脂表面を高光沢とすることができる。この目的のため、ニップロールとしては硬度80度(JIS K−6253)以上のものを用い、線圧は15kgf/cm以上で押圧・圧着を行うことが好ましい。本願発明の積層耐水紙において、少なくとも最外層の樹脂を積層する際にかかる高光沢処理を行えば、当該最外層樹脂の表面、ひいては当該最外層樹脂の積層された積層耐水紙表面を高光沢とすることができる。なお、ここで高光沢とは、JIS P−8142に準じた測定法により光沢度75度以上を示すことをいう。
【0023】
上記高光沢処理は、特に、紙基材に接して混合層が積層された側の積層耐水紙最外層となる樹脂を積層する際に行うことで、大きな効果が得られる。この場合には、当該最外層樹脂が積層された積層耐水紙の表面は、従来であれば残存していた微小な窪みも消え、きわめて平滑なものとなるからである。従って、こうした積層耐水紙表面に印刷を行えば、美麗な仕上がりが得られ、オフセット印刷においても白抜けのない美麗な印刷物が得られることとなる。
【0024】
以上のようにして得られる本願発明の積層耐水紙は良好なカッティング性を示す。もっとも、求められるカッティング性の良し悪しは、この積層耐水紙が使用される状況に応じて異なるが、一般的には、エルメンドルフ引裂き試験法(JIS P−8116)による引裂き強度が、MD方向CD方向とも1000mN以下、好ましくは800mN以下であれば、種々の状況において、トラブルを起こすことなく打抜き加工や切離し加工ができるので、本願発明においても、一応、この値を目安としてカッティング加工性の良し悪しを判断した。
【0025】
【作用】
樹脂と紙基材とは、その接着強度が強いほどカッティング性に優れているのが普通であるが、SS−LLDPEの場合は異なっている。即ち、SS−LLDPEは紙基材やポリプロピレン等との接着性に優れる一方、これを積層した積層耐水紙のカッティング性を悪化させるのである。
【0026】
これは、SS−LLDPEの物理的強度が非常に高いためと考えられる。SS−LLDPEは、メタロセン系触媒等、均一な活性点を有する触媒を用いて合成されることから、分子量分布が狭く、高分子物質としてはかなり均一な分子量組成を有しており、比較的緻密な結晶構造をなすと考えられる。このため、SS−LLDPEは、他のポリオレフィン樹脂と比べて、破断伸び、突刺し強度等が大きい。従って、これを紙基材に積層して得られる積層耐水紙は、打抜き加工性、切離し加工性等のカッティング性が悪いものとなる。
【0027】
そこで、本願発明では、SS−LLDPEとポリプロピレンとが混合され、海島構造をなしている層を紙基材上に積層することにより、SS−LLDPEが本来有している紙基材等への接着性を保持しながら、得られる積層耐水紙に良好なカッティング性を付与する。一般に、異なる種類の樹脂が、互いに溶け合うことなく混合されて形成された層は、混合された樹脂と樹脂とが形成する界面において最も強度が小さくなる。SS−LLDPEとポリプロピレンとが海島構造をなして混合されている層では、こうした界面が層全体に一様に分布することとなるため、SS−LLDPE樹脂やポリプロピレン自体の強度を減殺し、カッティング性を向上させるのである。
【0028】
また、本願発明の積層耐水紙は高光沢性とすることもできる。即ち、SS−LLDPEとポリプロピレンとからなる混合層は、押出しラミネーション法や共押出しラミネーション法によって紙基材に積層しても、紙基材の凹凸、特に凹部にはあまり追従しないで層を形成する。従って、この混合層、又は、この混合層上に積層したその他の熱可塑性合成樹脂層を鏡面仕上げのクーリングロールで圧して仕上げると、クーリングロールの表面性状がほぼ完全に樹脂表面に転写され、美麗な印刷物が得られる高光沢性の積層耐水紙が得られるのである。
【0029】
【実施例】
以下に、本願発明を実施例に基づいて説明する。
【0030】
なお、実施例及び比較例において、得られた積層耐水紙の性能評価は以下のようにして行った。
引裂き強度:エルメンドルフ引裂き試験法(JIS P−8116)により測定した。
【0031】
カッティング性:NT株式会社製NTカッター(R0−1P)を用いてミシン目加工を施した試料を、手でミシン目から切り離し、このときのカッティング性を以下の基準で官能評価した。
【0032】
◎…容易に切り離せる
○…切り離せる
△…やや切り離しにくい
×…切り離せない
【0033】
接着性:手で、紙基材とこれに積層された樹脂層との層間剥離を試み、以下の基準で官能評価した。
【0034】
◎…紙基材と樹脂層とが強固に接着している
○…紙基材と樹脂層とが接着している
△…紙基材と樹脂層との接着がやや弱い
×…紙基材と樹脂層との接着が弱い、又は、紙基材と樹脂層とが接着していない
【0035】
[実施例1]
酸化チタン15重量%を添加混合したホモポリプロピレン(MFR23g/10分、密度0.91g/cm3、以下同じ)を、SS−LLDPE(MFR3.5g/10分、密度0.908g/cm3、以下同じ。)70重量部とホモポリプロピレン(MFR12g/10分、密度0.92g/cm3、以下同じ)30重量部との混合物と共に、坪量81g/m2の上質紙の両面に、SS−LLDPEとホモポリプロピレンとの混合物が上質紙側に位置するよう、Tダイを用いて押出温度300℃にて共押出して積層耐水紙を製造した。なお、ここでSS−LLDPEとホモポリプロピレンとの混合は、ホッパーを使用してドライブレンドにて行った。
【0036】
即ち、この積層耐水紙は、酸化チタン添加ホモポリプロピレン層/混合層/上質紙/混合層/酸化チタン添加ホモポリプロピレン層という積層構成を有する。このときの混合層と酸化チタン添加ホモポリプロピレン層の厚さは各10μmであった。
【0037】
得られた積層耐水紙について、引裂き強度、カッティング性及び接着性を評価した結果を表1に示す。この積層耐水紙は、引裂き強度がMD方向CD方向とも800mN以下であり、良好なカッティング性を示し、しかも、紙基材と樹脂層との接着性も良好なものであった。
【0038】
また、このとき、SS−LLDPEとホモポリプロピレンとを上記と同じ条件で混合し、この混合物を単層で紙基材上にラミネートして(厚さ10μm)、その構造を電子顕微鏡にて観察したところ、こうして積層された混合層が海島構造をなしていることを確認した。
【0039】
[実施例2]
混合層の厚さを15μm、酸化チタン添加ホモポリプロピレン層のの厚さを5μmとした他は、実施例1と同様にして積層耐水紙を製造した。
【0040】
得られた積層耐水紙について、引裂き強度、カッティング性及び接着性を評価した結果を表1に示す。この積層耐水紙は、引裂き強度がMD方向CD方向とも800mN以下であり、良好なカッティング性を示し、しかも、紙基材と樹脂層との接着性も良好なものであった。
【0041】
[実施例3]
SS−LLDPE30重量部とホモポリプロピレン70重量部とを混合して混合層とした他は、実施例1と同様にして積層耐水紙を製造した。
【0042】
得られた積層耐水紙について、引裂き強度、カッティング性及び接着性を評価した結果を表1に示す。この積層耐水紙は、引裂き強度がMD方向CD方向とも800mN以下であり、良好なカッティング性を示し、しかも、紙基材と樹脂層との接着性も良好なものであった。
【0043】
また、このとき、混合層の海島構造も、実施例1と同様にすることで確認された。
【0044】
[比較例1]
酸化チタン15重量%を添加混合したホモポリプロピレンとSS−LLDPEのみを上質紙の両面に、SS−LLDPE層が上質紙側に位置するように積層した他は、実施例1と同様にして積層耐水紙を製造した。
【0045】
得られた積層耐水紙について、引裂き強度、カッティング性及び接着性を評価した結果を表1に示す。この積層耐水紙は、紙基材と樹脂層との接着性は良好であったものの、引裂き強度がMD方向で1000mNを超え、またCD方向も800mN以上であり、カッティング性の悪いものであった。
【0046】
なお、このときも実施例1と同様にして、SS−LLDPE層につき海島構造の観察を行ったが、この構造を確認することはできなかった。
【0047】
[比較例2]
酸化チタン15重量%を添加混合したホモポリプロピレンと酸化チタン無添加のホモポリプロピレンのみを上質紙の両面に、酸化チタン無添加のホモポリプロピレン層が上質紙側に位置するように積層した他は、実施例1と同様にして積層耐水紙を製造した。
【0048】
得られた積層耐水紙について、引裂き強度、カッティング性及び接着性を評価した結果を表1に示す。この積層耐水紙は、引裂き強度がMD方向CD方向とも800mN以上であり、カッティング性がやや悪く、また、紙基材と樹脂層との接着性も不良であった。
【0049】
なお、このときも実施例1と同様にして、酸化チタン無添加のホモポリプロピレン層につき海島構造の観察を行ったが、この構造を確認することはできなかった。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】
本願発明によれば、紙基材表面に積層する樹脂として、SS−LLDPEが混合されたものを用いているため、紙基材と樹脂層、及び、各樹脂層間の接着性が良好な積層耐水紙を得ることができる。しかも、このSS−LLDPEにはポリプロピレンが混合され、これらの樹脂が海島構造をなして紙基材上に積層されるので、上記積層耐水紙はカッティング性にも優れている。
【0052】
また、本願発明によれば、かかる積層耐水紙を高光沢性とすることもできる。
【0053】
従って、本願発明によれば、紙基材上にSS−LLDPEが積層されているにも関わらず、層間接着性とカッティング性が共に優れ、しかも美麗な印面を与える積層耐水紙を得ることができる。
Claims (5)
- 紙基材の少なくとも一方の表面に、複数の熱可塑性合成樹脂層が積層されており、かつ、複数の熱可塑性合成樹脂層のうち紙基材と接する層が、シングルサイト系触媒にて合成された直鎖状低密度ポリエチレンとポリプロピレンとが混合されて、海島構造をなし、さらに、前記複数の熱可塑性合成樹脂層のうち、最外層をなす層がポリプロピレンからなることを特徴とする積層耐水紙。
- シングルサイト系触媒にて合成された直鎖状低密度ポリエチレンとポリプロピレンとが混合されて、海島構造をなしている層において、ポリプロピレンの混合割合が20〜80重量%である、請求項1に記載の積層耐水紙。
- 少なくとも、シングルサイト系触媒にて合成された直鎖状低密度ポリエチレンと、ポリプロピレンとからなる層が紙基材と接して積層されている側の積層耐水紙表面において、JIS P−8142に準じた測定法により光沢度が75度以上を示す、請求項1又は2に記載の積層耐水紙。
- エルメンドルフ引裂き試験法(JIS P−8116)による引裂き強度が1000mN以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の積層耐水紙。
- 最外層の熱可塑性合成樹脂層に25重量%以下の無機填料が配合された、請求項1〜4のいずれかに記載の積層耐水紙。
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